2020年2月13日 (木)

光の量子論16

※「光の量子論15」からの続きで,第3章

に入ります。

(※余談)この「光の量子論」シリーズを書き始めた動機

は,昨年秋頃,そもそも.意外と知らずに使っている身の

まわりの電気製品のメカニズムを自分の認識能力内で

簡単カツ明瞭に書いてみたい,という欲望が起きたこと

からです。

まずは,熱交換機,冷媒,ペルチエ効果で冷暖房用の

エアコン(ヒートポンプ)や冷蔵庫,冷温蔵庫などの

説明を書き,次に,電灯の話に移り,白熱電球,蛍光灯,LED

の説明に移り,電球の話で,つい,20世紀末の昔,物理

フォーラムで,サブシスをていた時代に,話題となった

電流理論,電気回路理論に深入りし。高校でも習うオーム

の法則や,ジュール熱に,その熱エネルギーが,どうして光

に変わるのか?ということで,固体内電子のバンド理論

からフォノンの話まで.どんどん脱線しました。

とりあえず,蛍光灯の話に移り.水銀蒸気に陰極からの

熱電子が衝突して発生した紫外線が蛍光管壁の物質に

衝突して発生する蛍光を利用するという程度で,次のLED

に進めばいいのに,生来の偏執質な性格で,蛍光は誘導放出

じゃなく自然放出だったよな?とか燐光との違いは?とか

気になり,これもウィキの解説程度でお茶濁しておけばいい

のに,そういえば10年くらい前に光学と量子論など詳しく

勉強したことを思い出したのがウンノツキて,1から記憶を

取り戻す気になったのがこのシリーズのきっかけでした。

しかし,蛍光灯の話なら,第2章までで十分で,ここで

このテーマのブログを中断して,元の蛍光灯システムの

具体的説明に移ろうかな?と一瞬思いました。

ですが,第3章の「カオス光のゆらぎの性質」

なども,確かに,昔,コヒーレンズ(可干渉性)が気になり,

位相が無相関の相関係数ゼロに近い普通の部屋の中を

照らしているようなカオス光じゃ,現実に反して部屋の

中が真っ暗になってしまう。などと,いうようなバカな

誤解釈をワザワザ,掲示板に投稿して失笑を買ったこと

もあります、イヤ,真っ暗になるのは相関係数がゼロの

ときじゃなく,丁度,-1の逆相関の干渉性によるのが

真実である。と自分で訂正したというエピソードも,

思い出したのでした。

というわけで,一旦始めたシリーズは,白熱灯に続き,

蛍光灯の仕組みを簡単に説明したいだけ,という元の

動機も忘れて,もう少し惰性的に続けよう,と保守的で

安易な選択をする気になりました。(余談終わり※)

さて,本題に戻ります。

第3章 カオス光のゆらぎの性質

※参照ノートの第3章開始の日付は第2章終了と同日の

2006年の8/9となっています。

本章では励起原子の放射遷移により発生した放出光の

特性を考察します。この特性は,原理的に2種類の異なる

実験によって測定できます。

まず,通常の分光法では,光の周波数分布が測定され,

2章で略述した理論によって,これから光源の線幅を広げる

過程の性質と強度に関する情報が得られます。

 本章での主な関心事は第2の種類の実験であり,その

実験では,光ビームの振幅,i.e,強度の時間依存性を測定

します。光源の線幅を広げる過程はまた,ビームの電場と

強度に,その周波数の広がりに反比例する時間スケールで

平均値のまわりのゆらぎを引き起こすことが示されます。

 これらの時間的ゆらぎと周波数の広がりとは,光源を構成

する放射原子が持つ同じ物理的性質の現われですが,光学

実験の全領域を説明するには,どちらの側面も欠かせません。

光源には2つの型があり,それらを区別することが大切です。

普通の分光器は,光源は気体放電ランプであり,そこでは個々

の原子が放電によって励起され,相互に無関係に光を放射して

います。発光線の形は,原子の速度の統計的広がりと不規則に

起こる衝突によって決定されます。広く用いられている,この

種の光源を「カオス光源」と呼びます。

熱空洞とフィラメントランプは,他のカオス光源の例です。

如何なる種類のカオス光源から出た光ビームでも,同じ

ような統計的特徴を持っていて,ただ,統計的分布のパラメータ

だけが,カオス光ビームごとに異なっています。

第2の型の光源は「レーザー光」であり,これは全く別の

統計的性質を持っています。

レーザー光の性質は,本章では,ごく簡単に述べるに

留め,詳しい議論は,後の第7章まで保留することに

します。以下で行う計算では,光ビームの古典的記述を

用います。古典的モデルは,ゆらぎの効果の本質を正しく

認識するのに役立つばかりでなく,6章で示すように

カオス光に関しては,古典論も量子論も同じ予測を与える

ことがわかります。

2つの理論が異なる可能性のある,他の種類の光に

関しては,量子論予測の重要性は,それに対応した

古典論を背景にしたとき,一層,明快に理解できるはず

です。

 

  • 3.1 ゆらぎのある光ビームのスペクトル

光ビームが通過する固定した観測点で,その電場の時間

依存性を測定する実験を考えます。

 本章では主として,光源の性質からビームの電場と強度

のゆらぎの性質が決定される過程を扱います。

観測点での光の周波数ウペクトルは,

(ω)=(2π)-1-∞(t)exp(iωt)dt.(3.1)

で定義される電場のFourier成分によって決まります。

周波数がωの光のサイクル平均強度は.

|(ω)|2=(4π2)-1-∞dt∫-∞dt’

[(t)E(t’)exp{iω(t-t’)}

=(4π2)-1-∞dt∫-∞dτ

[(t)E(t+τ)exp(iωτ)}.(3.2),

ただし,τ=t’-t.(3.3)で与えられます。

  • 3.4で示す予定ですが,ある種の光学干渉実験

で,(3.2)の右辺のtについての積分が必然的に実行

されているものがあります。積分がカバーする時間

は,現実の実験では,当然,無限大では有り得ません

から,大きいが有限な時間Tを∞に置き換える,こと

にします。

そして,1次の電場相関関数を,

(t)(t+τ)>

=(1/T)∫[(t)E(t+τ)]dt.(3.4)

で定義します。これは,時刻tの電場がt+τで取り

得る種々の値の確率に影響する様子を記述します。

 その形は,光源の作り出したゆらぎの種類によって

決まります。 

光源の性質が「定常的」,つまり,ゆらぎの統計を

支配する要因が時間的に不変であれば,Tが,ゆらぎ

の特性時間スケールと比べて大きい場合に限って,

(3.4)の平均値は,特定の出発時刻に無関係になります。

このとき,(3.4)の平均値は時間平均操作によって,

光源の統計的性質が許容する,あらゆる電場の値を,

それぞれ,適当な相対確率で標本抽出できます。

そして,その結果はTの大きさに依存しません。

,例えば,実験的に相関係数を決定するには,(3.4)の

右辺のような時間平均を取ればいいのに対し,この関数

は,tとt+τにおける場のあらゆる値にわたる統計平均

を取ることによって計算されます。

そうして,この結果はもちろんtに依存しません。

すなわち,相関はτだけの関数で,こうした平均化の

処理は§1.4で触れた「エルゴード定理」に合致して

います。このとき,周波数ωでの強度のサイクル平均:

(3.2)の|(ω)|2=(4π2)-1-∞dt∫-∞dτ

[(t)E(t+τ)exp(iωτ)},は,

|(ω)|2={T/(4π2)}

-∞[<(t)E(t+τ)>exp(iωτ)]dτ.(3.5)

となります。

ここで,(2.64)のデルタ関数の公式:δ(ω0-ω)

=(2π)-1-∞exp{i(ω0-ω)t}dtより,

-∞exp{i(iωτ)dω=(2π)δ(τ)を用いれば.

-∞|(ω)|2dω={T/(2π)}<(t)E(t)>

(3.6)です。

そこで,規格化された光スペクトル分布関数Fを,

F(ω)=|(ω)|2/∫-∞|(ω)|2dωと定義して,

F(ω)=(2π)-1-∞(1)(τ)exp(iωτ)dτ,(3.7)

の形に書き,g(1)(τ)なる量を導入すれば,

このg(1)(τ)は,g(1)(τ)==<(t)E(t+τ)>

/<(t)E(t)>.(3.8)で与えられ,規格化された

1次相関関数と呼ばれます。

この量はまた,「光の1次時間コヒーレンス度」と

呼ばれています。光スペクトルと1次相関関数を結ぶ

(3.7)は,「Wiener-Khintchin(ウィーナー・ヒンチン)

の定理」の1つの形です。

(※つまり,ω空間の統計分布に時間空間のそれを対応

させるエルゴード性の表現の1つ.と考えられます。) 

これは,分布実験の結果と,時間に依存する光のゆらぎ

の測定結果の間の形式的関係を与えています。

この関係は正のτのみの積分に直すことができます。

すなわち,(3.7)は,F(ω)

=(2π)-1-∞(1)(τ)exp(iωτ)dτですから,

F(ω)=(2π)-10(1)(τ)exp(iωτ)dτ

+(2π)-1-∞(1)(-τ)exp(-iωτ)dτ.(3.9)

と書けますが,相関関数の定義(3.4)の:

(t)(t+τ)>

=(1/T)∫[(t)E(t+τ)]dtにより,

1次相関関数g(1)(τ)=<(t)(t+τ)>

/<(t)E(t)>も,時刻tに依存しないので,

(1)(-τ)=<(t)(t-τ)>

/<(t)E(t)>

=<(t+τ)(t)>

/<(t)E(t)>=g(1)*(τ)(3.10)

です。こうして,結局,

F(ω)=π-1Re∫0(1)(τ)exp(iωτ)dτ

(3.11)を得ます。

 

  • 3.2 衝突広がりのある原子のモデル

ゆらぎの一般論は,衝突広がりが優先する光源

から出た光にも容易に適用できます。

放射広がりとドプラー広がりを無視し,衝突は

原子状態を変えない弾性的位相中断型であると

します。そして,周波数ω0の光を放射する特定の

励起原子を考えます。

原子が衝突するまでの間,原子から定常的に

放射される電磁放射の波列を想定します。

衝突している間,光を放射する原子のエネルギー

準位は,衝突する2つの原子間相互作用の力によって

ずれます。

したがって,放射される波列は,衝突の間,中断する

ことになります。衝突後,再び,周波数ω0の波列を

取り戻すと,その特性は波の位相が衝突前の位相と

無関係になっている以外は,衝突前に持っていた

特性と同一です。

 衝突の間,放出される放射については,周波数が

ω0からずれていますが,衝突時間が十分短かければ

その放射は無視できます。そのときは,衝突広がりの

効果は,各励起原子は常に周波数ω0で放射しますが,

放射された波の位相は衝突が起こる度に不規則に変わる

という模型(モデル)で表わすことができます。

放出光の周波数に見かけの幅が現われるのは,波が

有限の切片で分断されるので,Fourier成分がω0以外の

周波数を含むことが原因です。

 τ0を(2.131)の,自由飛行平均時間とすると,その

代表的な値として,(2.141)のτ0 ~ 3×10-11sと,(1.65)

の周波数:ω~ 3×1015Hzの可視光周波数をω0に取ると,

ω0τ0~ 9×104.(3.12)が得られます。

これらの数値を使うと,1個の原子から放射された波列

は引き続く2回の衝突の間に平均で約15000周期の振動を

することになります。

こうした波の場の振幅は振動形で,

(t)=0exp{-iω0t+iφ(t)}.(3.13)と書いてよい

と考えられます。この位相:φ(t)は自由飛行時間中は一定

に保たれ,衝突のたびに突然変化します。

一方,ω0はどの期間でも同じです。

衝突広がりのある光源から出た波全体は各放射原子

において,1つずつある(3.13)の項の和で表わされます。

そうした原子がν個あるとすると,電場の全振幅は,

(t)=1(t)+2(t)+..+ν(t)..

0exp(-iω0t)

[exp{iφ1(t)}+exp{iφ2(t)}+。。+exp{iφν(t)}

0exp(-iω0t)a(t) exp{iψ(t)}.(3.14)

となります。

以下,簡単のため観測する光は一定の偏り(偏光)を

持っているとします。

すると,個々を代数的に加えることができます。

(t)=0exp(-iω0t)a(t) exp{iψ(t)}

から得られる電場は,不規則な振幅変調と位相

変調を受けた周波数ω0の搬送波より成り立って

います。

搬送波の周波数で起きているE(t)の振動を

Fourier分解することは,実際上不可能です。実験的

に,うまく分解できる時間は約10 -9s程度であり,

これは(1.65)の,ω ~3×1015Hzの振動を検出する

には6桁ほど長過ぎます。

したがって,実験と比較するには,理論の結果を

搬送波の振動のサイクルについて平均するのが適切

です。(t)=0exp(-iω0t)a(t) exp{iψ(t)}

から実電場ではω0のサイクルについて平均すると

ゼロとなります。

しかし,ここで,過去記事;「光の量子論3」を参照

すると,を光(電磁波)の強度として=E×B/μ0

定義すると,光ビーム強度のサイクル平均は,(1.89)式

の<>=(1/2)ε0cη|(r,t)|2で与えられます・,

 これによると,誘電体のない自由空間でのビーム強度

のサイクル平均は,η=1により,

(t)>=(1/2)ε0c|(r,t)|2

=(1/2)ε002{a(t)}2 (3.15)です。

左辺が時間平均なのに時間tの関数なのは

平均強度が,不規則な振幅変調a(t)のために,

なお,時間tに依存する因子を含んでいるからです。

各原子の位相の変動は,τからτ+dτの間で

衝突を受けない確率p(τ)dτが,(2.131)式の,指数

分布:p(τ)dτ=(1/τ0)exp(-τ/τ0)dτなる確率

法則に従う自由飛行時間τ0を有します。

(t)>,ψ(t)の時間スケールはτ0だけで

決まります。

時間τ0の間には,強度と位相に,かなりの変化が

生じることもありますが,Δt<<τ0のΔt内では,

これらの量は,ほぼ一定と見てよいことがわかります。

 

放射広がりとゴプラー広がりを含めると,上述の論旨

は,細かい点では修正されるでしょうが,しかし,強度と

ゆらぎは衝突広がりのみのものと同様です。

線幅を広げる,どのような機構の組み合わせにも衝突

広がりのτ0に類似した不規則なゆらぎの時間スケール

を決める,ある特有の時間が存在します。一般に,この

特有な時間スケールを光ビームのコヒーレンス時間と

いい,これをτcと表わします。この大きさは周波数の

広がりの逆数の程度です。

今後の全ての理論では,周波数の広がり:Δω~1/τ

が,ω0に比べて小さい,つまり,ω0τc ~(ω/Δω)が1

よりはるかに大きい光ビームに言及を限ることにします。

明らかなように,空洞の熱励起によって発生した光

(黒体輻射)は,平均周波数にほぼ等しい周波数の広がり

を持っているので,この範疇には入りません。

コヒーレント時間に関連する径路の長さλc=cτc.

(3.16)をコヒーレンス長といいます。

今考えてぃる光ビームでは,コヒーレンス長は,光の波長

よりずっと長いです。

 

  • 3.3 1次コヒーレンスと周波数スペクトル

衝突広がりを持つ光源についてのモデルを用いて,光の

1次電場相関関数,1次コヒーレンス度,および,周波数

スペクトルが計算できます。

まず,(3.4)の,<(t)(t+τ)>

=(1/T)∫[(t)E(t+τ)]dtに,時間平均として

栄議した,種々の時刻tにおける電場の相関関数を考えます。

E(t)は,コヒーレンス時間よりずっと短かい期間では,

その変化はわずかですが,コヒーレンス時間よりはるかに

長い期間には大きな変化を生じます。

そのような長い期間を隔てた2つの時刻での電場間には

事実上,相関はないはずです。

サンプリング時間Tが多数のコヒーレンス時間に

またがっている場合,(3.4)は光の性質だけに依存し,

Tには依存しません。

検知器の分解時間はτcよりずっと短かく,またビーム

方向の寸法λcよりずっと小さくなければなりません。

これらは,(3.4)の相関関数の計算に「エルゴード定理」

が使えるための条件です。こうして,< >は統計平均とも

解釈され,求める相関関数は,

(3.14)の,(t)=0exp(-iω0t)

[exp{iφ1(t)}+exp{iφ2(t)}+..+exp{iφν(t)}]

なる表現を利用して,

(t)(t+τ)>=02exp(-iω0t)

×<[exp{-iφ1(t)}+..+exp{-iφν(t)}]

×[exp{iφ1(t+τ)}+..+exp{iφν(t+τ)}]>.

(3.17)と書けます。

2つの大括弧[ ]をはずすと,別の原子から出た波列

の位相角は,それぞれ,ばらばらの値を取るので,交差項

の寄与は,平均を取ると消えてしまいます。

そして,放射原子は全て等価ですから残った項から,

(t)(t+τ)>=02exp(-iω0t)

Σi=1ν<exp{i{φi(t+τ)-φi(t)}>

=ν<i(t)i(t+τ)>.(3.18)を得ます。

このようにして,全体としての光ビームに対する相関

関数は.単一の原子の寄与によって決まります。

ところで,各波列の位相角は,その原子が衝突した後は,

勝手な値に跳ぶので,その次に平均を取ると寄与はゼロ

となります。

こうして,<(t)(t+τ)>=02exp(-iω0t)

Σi=1ν<exp{i{φi(t+τ)-φi(t)}>

=ν<i(t)i(t+τ)>.の右辺の単一の原子の

相関関数は,その原子がτより長い自由飛行時間を持つ

確率に比例します。

τからτ+dτの間に衝突を受けない確率p(τ)dτ

が,p(τ)dτ=(1/τ0)exp(-τ/τ0)dτである

という,(2.131)を用いると,

i(t)i(t+τ)>=02exp(-iω0t)

<exp{i{φi(t+τ)-φi(t)}>­

02exp(-iω0τ)∫τp(τ)dτ

02exp{-iω0τ-(τ/τ0)}.(3.19)

と置くことができます。

それ故,(3.18)は,

<E(t)E(t+τ)>

=ν02exp{-iω0τ-(τ/τ0)}.(3.20)と

なります。よって,規格化された相関関数,つまり,

1次コヒーレンス度:(3.8)のg(1)(τ)

=<(t)E(t+τ)>/<(t)E(t)>は,

(1)(τ)=exp{-iω0τ-(τ/τ0)}.(3.21)と

表わされます。

衝突広がりのある光のスペクトルは,(3.11)

のF(ω)=π-1Re∫0(1)(τ)exp(iωτ)dτ

に従って積分計算すれば得られ,

F(ω)=(πτ0)-1/{(ω0-ω)2+(1/τ0)2}.(3.22)

となります。

これは.(2.112)と同様な規格化Lorentz曲線形です。

放射広がり:γを無視すると,(2.133)で説明無しに

仮定したように,γcoll=1/τ0.(3.23)であれば,線幅:

(2/τ0)は,(2.140)の2γ^=2γ+2γcollと一致すること

を示しています。

それ故,1次コヒーレンス度は,

(1)(τ)=exp(-iω0τ-γcollτ).(3.24)と書けます。

衝突広がりと放射広がりが共存するときは,

1次コヒーレンス度とスペクトルは,光源のモデルを

一般化すれば計算できます。

その結果は,上記のγcollが,これに放射減衰γを加えた

(2.135)の全減衰:γ^=γ+γcollになるように拡張すれば

いいです。

こうして,相関関数と1次コヒーレンス度)は,

(t)(t+τ)>=νE02exp(-iω0τ-γ^τ).(3.25)

および,g(1)(τ)=exp(-iω0τ-γ^τ).(3.26)と一般化

されます。

スペクトルは半値幅が,2γ^=2γ+2γcollのLorentz型

ビームで,コヒーレンス時間は,τc=1/γ^.(2.137)です。

ドプラー広がりがコヒーレンス度に及ぼす効果については

後の§3.5で考察予定です。

如何なる種類nカオス光でもτがτcよりずっと長く

なれば相関が無くなります。

また,<(t)>=0.(3.28)により,1次コヒーレンス度

は,τ>>τcなら,g(1)(τ)=0.(3.29)という極限値を持つ

ことを注意して終わります。

 

今回は,ここまでにします。(つづく)

 

(参考文献):Rodney Loudon 著

(小島忠宣・小島和子 共訳)

「光の量子論第2版」(内田老鶴舗)

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2020年2月 6日 (木)

最近の体調不良の原因が判明?

 今日,何気に「食事後,大量の痰で苦しい」という題目

でネット検索。。予想はしていましたがやはり嚥下障害の

ようです。1昨年の2018年は5月中旬から8月末まで,

文京区の順天堂の形成外科に,これまでで最長の3ヶ月

半の入院,そして11月中旬に発熱で左足親指腫れて,

足の指の最後の1本を失って,1ヶ月入院,延べ4ヶ月

半も入院しましたが,幸い,それ以後入院はありません。

しかし,2018年5月に緊急入院したときは最初,形成

外科病棟に空き室がなくてHCU(High care unit?)という

ところの,めっちゃ低反発で身体が沈みこんで寝返りも

ままならない高度障害者用ベッドに縛り付けられ,夜も

全室のナースコールが聞こえて全然寝付けない地獄の

ような3日間の後,通常病棟に移ったので,その日の22

時頃までパニック障害で身体の痙攣が止まらないという

経験をしました。

それから,数日して,特に夜寝付けないときに,過呼吸

のように急にセキが始まってなかなか止まらず呼吸困難

や嘔吐したりで死ぬカモ思ってるとやっと止まるという

ことの繰り返しの毎日でした。

主治医に相談すると呼吸器内科で検査ということに

なりました。折りしも長年の喫煙のせいでCOPDとなって

落語家の桂歌丸さんが亡くなった頃でしたが,私は正直

2006年暮れに心臓障害になって2007年4月には心臓

バイパス手術して8月から障碍者に認定された頃には

喫煙は止めて10年以上も経過してるし,COPDでも喘息

でもなく呼吸器に異常なしという結果でした。

自覚症状はあるけど,検査では異常なしで原因不明という

のがイチバン困るのです。次に自己診断で入院ストレスで

自律神経異常を疑って精神科に言ったりしましたが,結局

睡眠薬を処方してもらっただけです。まあ,実際退院すると

発作回数が減ったので入院ストレスも原因の1つでしょう。

ということはセキがひどくて呼吸困難になっても救急車

を呼んで入院すると余計にヒドくなるだろうから,このため

の入院は逆効果でできないなと思ってました。実際2018年

の2回目の暮れの入院時も同じ症状だったので次は耳鼻

を予約していたのですが,sの前に形成は退院となりました。

それから自分で逆流食道炎を疑い,胃酸を押させるクスリ

を飲み始めました。少しは改善があって今も継続して服用

中です。

1つにはWcupのラグビーを見たり,ゲームで興奮したとき

セキが始まって止まらず,もう一つはモチがノどにつ詰

まったり,声がオカシクなるのは無いけど,嚙むと粉々の

粉末状になったり,消化の悪そうな固目の食物を食べると

セキが出て,食後もムカムカして小1時間も無色の痰が

出続けるし.仰向けに寝るとセキが出て眠れないとか

で最大の原因は嚥下障害と確信するようになりました。

高齢もありますが,長期入院を繰り返して,めったに

出歩かないようになったので,足の傷が悪化して発熱

から敗血症になっ足り転倒する危険性は少なくなった

けれど絶対的体力が,どんどん落ちて,特に肺,食道,舌

に関連する筋肉,筋力が弱小化して,これが体内時計逆転

の睡眠障害,自律神経異常のストレス障害と合併したと

いう結論に達し、これを今日確信するに到りました。

治療薬は無いと思いますが,とりあえずネットで見つけた

腹式呼吸法や首や肩を回すなどのリハビリをやってみます。

後は糖尿には良くないカモしれないが葛根湯とか八味地黄丸

とか.タウリンとか栄養をつけることです。昔の労骸に高麗

ニンジンとかと同じ発想です。

ただ,私,昔から長続きしないのですね。

見た目からは,何でも計画して目標に向かって予定を

立ててストイックに努力するタイプと最初は誤解されますが,

実は正反対です。チャランポランで行き当たりばったり,

衝動買いタイプ,オッチョコチョイです。ただ飽きっぽいので

何にも,はまることなく,大火傷する前に止める小心者です。

未だにはまってるのは,このブログと理論物理くらいです。

実験物理は見るのは好きですが,自分で実験やるのは好き

じゃないです。

でも,若いときに,精神病になったのはこうした部分的な

偏執質と完全主義いう矛盾した性格からでしょうが。。

というわけで,お金がかかるのは困るけどPTでも付けて

もらって,計画的リハビリでもしないと,スグやめてしまい

そうです。しかし,まあ,生死がかかってるからネェ。。

睡眠薬もベルソムラ「にしました。

 

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2020年2月 1日 (土)

今日は誕生日です。70歳になりました。

 今日,2月1日は私の70回目の誕生日です。

もはや誕生日がメデタイとは思いません。ただムダに

惰性で生きてるだけですから。。

まさか70歳まで生きるとは?神に愛されなかったと

いうことでしょうね。

「神々の愛でにし者は夭折す。」と,20歳で女性をめぐる

決闘で死んだ数学の天才・エヴァリスト・ガロアの伝記,

L・インフェルトの「ガロアの生涯」の副題にあります。

20代初期の学生時代。。「キルケゴ-ルもゲバラも40歳

になる前に死んだという例から40まで生きてたら凡才

だね。。お前も俺も40までには死ぬと,天才を気取ってい

ましたが,結局,共にまだ生きてます、。

まあ,ガウスやオイラーは長生きでしたから,一概に天才

は夭折するとは限らないようです。

関西の大学院生の頃は,1年後輩から博学なウンチクを語る

私に「物知りの量子数を持ったイヤミオン」と命名されました。

専門バカ的なのが天才の証で,何でも博学なのはセイゼイ秀才

であって理論物理学の研究者としては大成しない凡才だという

ワケです。物知りだけなら機械・コンピュータのほうが上だと

いわれました。

昨今はTVでクイズ王などという番組もあって,記憶だけで

なく,頓知や絶対音感など右脳を働かせないと解けないモノを

瞬時に解く方々もいるので単純ではないですが。。。

そういえば1977年に上京して入社した,大型コンピュータで

プログラムを作って科学計算をする会社いた頃にも,先輩

から,「チミは,Waking-dictionaryではなく,ワーニング・

プロチョン(Warnigとprogramチョンボの塊り)とか,

アカデミック(実は垢だらけで不潔)だね。」とか揶揄されて

ました。まあニックネームが付くほどイジられたのは,愛されて

いたと解釈しておきます。

日本の平均寿命が長くなったので,人間五十年といってた頃と

違って70歳でもハナタレ小僧です。

しかし57歳で心臓手術受けた頃は,まあ,あと10年だろうとか,

最近も余命1年とか半年とか,医者の言うこと信じてたらもう

4回は死んでいる勘定です。

医者が患者を余命でイジルのはやめてね。

東京オリンピック開催までは生きていそうです。

憎まれっこ,夜にハバカリですネ。

 

PS:今,夜中の2時8分地震がありましたが,おさまりました。

震源茨城で東京23区は震度3らしいです。

 

 

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2020年1月23日 (木)

雑感。。無理が通れば道理が引っ込む

 無理が通れば道理が引っ込む。

将棋を指していて,最近は手筋だけの直感指しで,相手が

無理筋だと,私,素人なのに,これは無理のはずだから,

とがめなくちゃと肩に力入って結果,墓穴を掘ります。

大阪なおみちゃん,ではないが,勝負には冷静さがイチバンですね。

政治の世界では,「汚職関係の追及ばかりせずに,予算編成とか

建設的議論をしろ。」とかいう人たちもいますが。。。

時代劇だと悪代官などが,どんな悪事で私腹を肥やそうと,

関係なく,追及は後回しにして,ちゃんと民のための統治をしろ。

とはなりません。

ヒトラーやオウム,あるいは盗人,殺人鬼が,たまたま統治者

でも,とりあえず緊急時だからと善政を期待しますか?

どう考えても,悪事やウソの追及のほうが先でしょう。

イヤそこまで悪くはない。ですか。

無理やウソを言っても,裁判のように有罪無罪を最終判定

して懲罰を課したりできる人がいません。

もちろん物的証拠が無ければ裁判でも水掛け論ですが,

状況証拠だけでも判事は最終判断します。

それで冤罪も多いのも事実ですが。。

被告に無罪の証明をする必要はなく断罪するほうが有罪

を証明できなければ無罪。とううのが推定無罪ですが

実は,民主主義社会では政治における判事は国民のはず

ですが,世論が批判的でも支持率はむしろ上がるのじゃ。。

しょうがない。まあ,自分で政治に関わるのじゃなく他人

まかせだから,代替がもっとロクなモノじゃないし。。

選挙の投票しか意思表示方法がない。

次のイベントを待っているだけ。。それでも飢え死にや,

難民で逃げなきゃならないほど切羽つまってない。。のんきな

国になっています。韓国や香港の百万人デモのほうが,健全

と感じます。選挙以外の方法のほうが有効なのに。。。

追及されなきゃカエルの面にションベンとなるのか。

昔の切腹文化や武士道を奨励するわけじゃないが,

そういう卑怯でも何でも責任はとらないとというのは、

ヤマトの伝統文化じゃない。恥ずべきです。

まあ,ほぼ寝たきりの無責任な死に損ないジジイの感想

ですが。。

PS:ところで,不思議なことにOSを代えるため,来月中古PC

買い替える予定に際して,私,エロジジイの集めたAV動画

を分類していると,つい煩悩が寝たコを起こして62~63歳

ころからの糖尿性EDから回復して,ヒトリエッチで昨夜,

7年ぶりに,先っちょから白い液体が出ました。

バンザイ。。イツモ,抜けないので煩悩が続くのでした。

 でも,煩悩があるからこそ人間。。そのために私長い

ウツ病で死にたいと思った時期もあったけど。。煩悩,欲望

は生きるためのリビドー,モチベーションの源,

煩悩が消えた色即是空の仙人,「賢者タイム」の男は

ぬけがら。。。神は,われわれに遺伝子を残せ。という

本能を与えた。これは,所詮生きものの宿命。神には

抵抗できない。。

 しかし,ヒトラーの「夜と霧作戦」や相模原の大量殺傷者

ような価値観もあるだろうが,生産性の無い生きものに

生きる価値が無い。。という価値観には共感できない。

A.Iは,いかに優秀でも行動の動機は何だろうか?

 いかに複雑にプログラムされ学習機能を与えられて学習

させて所詮人間の命令,コマンドしかモチベーションに

ならないだろうコンピュータです。。

 そういえば,これまでの長期入院中にも世間話さえ通じない

けれど,仕事は優秀なロボナースがたくさんいましたネ。。

「幻魔大戦」の途中から抹香臭くなり幻滅した平井和正の

初期SFの「アンドロイドお雪」のような人間そっくりの

ダッチワイフ,3次元プリンターやホログラフィでのそっくりな

存在にも心を感じて愛せるだろうか?

最近の紅白の美空ひばりや,既に死んだ親族の複製を本物の

ように愛せるだろうか?クローンならどうか??

 ともあれ,オレはこの調子でガンでも消えるという自然治癒力

で視力や歩く力も回復するぞ。。 歯,眼,マラ,もはや手遅れで

今から春がクルことはないのですが。。

 

 

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2020年1月17日 (金)

光の量子論15

※「光の量子論14」からの続きです。

(※余談)阪神大震災から25年です。

1995年1月16日は私,まだ45歳で夜,新宿三丁目

でニフティのパソコン通信,の将棋フォーラムの新年会

に出ていました。元のゲームフォーラムが麻雀,囲碁,将棋

に分裂してできたのですがそのときは囲碁フォーラムと

合同の新年会でした。当時のニフエィ将棋名人の筆無精さん

に初めて会い,1992年11月にバブル崩壊の頃クビになって

いた就職2つ目の小さな会社の同僚1人と遭遇しました。

(この会社は阪大囲碁部出身の社員が多かった。)

ほぼ朝帰りで帰宅し,TV見たら,既に何千人も死亡とか。

「ナンジャこれは?」となり,まだ携帯無くて西宮在住の

姉に電話しても通じないので,岡山の母に電話すると西宮

の姉も大阪生野区の次兄も無事とのことで,ひとまず安堵

したのを覚えています。私は1985年に35歳で江東区木場

の運河沿いの10階立ての10階に25年ローンで3DKの

分譲マンションを購入(一応先にハコを用意して普通に結婚

できるかもと,。。他人には隠していたが23歳からの精神病

の負い目がなければ。。)その後,40歳で1つ目の会社を辞め,

43歳直前に2つ目の会社をクビになって,約半年間失業保険

で暮らし,それからオイルショックで不況な上40歳を超え

た独身であるためか仕事を選ばないのに,就職試験落ちまく

って,予備校,専門学校の非常勤講師などで食いつなぎ,1994

年には約2000万円で買って9年住んでいたマンションを約

3500万円で売り,差額で巣鴨の1200万円のワンルームを

買って移った頃です。家賃は管理費修繕積立金の他はない

ですが細々と暮らして,パソコン通信のほうがメインの生活

であった頃です。

将棋フォーラムでのリアル対局,兼チャットと,サイエンス

フォーラムから独立した物理フォーラムなどの掲示板で議論

していた頃です。

当時.OSがMS-DOSのPCを1991年から計算機だけでなく

通信手段として使用したのは,後Windows95からインターネット

文化が広がり,携帯,スマホの時代へと進んでいったことを

考えると,ヒョットして先見の明があったのかも知れないです

が,楽天,ライブドアなど商売道具に利用することまでは考えて

いませんでしたね。

今もユーチュ-バー・バブルなどあるカモですが,宝クジ

同様,やる気なしです。私は,このブログ発信程度です。

ユメはお金持ちになることじゃなく,衣食住が足りれば十分

ですから。というわけで,2月1日で70歳ですが,未だ,お金

にはならないであろうけれど,大きなユメの途中です。

イヤ,棺桶も近いけど。。

1999年49歳のクリスマスの頃,派遣会社から常駐仕事に

就けるまではフリーターでした。イヤ,生活レベル下げたく

なかったので,この夜勤の仕事以外にも複数のアルバイトも

していました。37歳頃から糖尿病でしたが,この病気は重病

化しないなら普通に働けます。そして7年後に急に心臓病で

倒れることになったのですね。(余談終わり※)

さて本題です。

前回は第2章 原子・放射相互作用の量子力学の

  • 2.13(合成吸収線の形状)の項を記述しました。

今回は,その続きで次の節からです。

 

  • 2.14 Bloch方程式とレート方程式

光学Bloch方程式と,それより簡単な原子占位数に

対するレート方程式の関係をより詳しく論じます。

第1章で論じた2準位原子の基礎となるレート

方程式は,(1.45)の,dN1/dt=-dN2/dt

=N221-N112W(ω)+N221W(ω) です。

一方,本章で導出した光学Bloch方程式は,

(2.114),(2.115)の,

dρ22/dt=(-iΩ/2)exp{i(ω0-ω)t}ρ12

+(iΩ/2)exp{-i(ω0-ω)t}ρ21-2γρ22,

および,dρ12/dt=(iΩ/2)exp{-i(ω0-ω)t}

11-ρ22)-γρ12の後者を,(2.134)の,

dρ12/dt=(iΩ/2)exp{-i(ω0-ω)t}(ρ11-ρ22)

-γ^ρ12.,(γ^=γ+γcoll)と修正した式において,

(2.116)と同様,ρ~12=exp{i(ω0-ω)t}ρ12,

ρ~21=]exp{-i(ω0-ω)t}ρ21.(2.160)として振動因子

を消した方程式(2.161)の,dρ22/dt=(-iΩ/2)ρ~12

+(iΩ/2)ρ~21-2γρ22.,および,(2.162)のdρ~12/dt

=(iΩ/2) (ρ11-ρ22)+{i(ω0-ω)-γ^}ρ~12 が最も

一般的なモノです。ここで,γは放射減衰速度,γ^は放射

減衰速度:γと,衝突減衰速度γcollの和:γ^=γ+γcoll

示される減衰定数です。

磁場内のスピンに対するBloch方程式のアナロジーで,

減衰定数を2γ=1/T1,γ^=1/T2.(2.163)と表わす

こともあります。T1,および,T2.は,それぞれ,縦,および,

横の緩和時間と呼ばれています。

レート方程式と光学Bloch方程式の関係を調べるのには,

|Ω|がγやγ^よりはるかに小さい,つまりビーム強度の

弱い極限が最も簡単です。

 のときは,前に仮定したのと同じ初期条件:ρ22=ρ12=0

の場合,|Ω|の低次の(2.161),(2.162)の解を求めます。

以前,「光の量子論12」では,|Ω|<<γの極限での|Ω|

について最低次のρ22の解は,初期条件ρ22=ρ12=0の下で,

ρ22(t)=[(|Ω|2/4)/{(ω0-ω)2+γ2}]

×[1+exp(-2γt)-2cos{(ω0-ω)t}exp(-γt)]

(2.128)となります。と書きました。

今のケースでのより一般的な解は,

ρ22(t)={(|Ω|2/4)

[(γ^/γ)/{(ω0-ω)2+γ^2}

+{(2γ-γ^)/γ}/{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}]

exp(-2γt)

-[2{(ω0-ω)2+γ^(2γ-γ^)}cos{(ω0-ω)t}

+4(ω0-ω)(γ^-γ)sin{(ω0-ω)t}]exp(-γ^t)

/[{(ω0-ω)2+γ^2}{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}].(2.164)

で与えられることがわかります。

※(注15-1):以下では今回の方程式の解:(2.164)を証明

するため,前に「光の量子論12」の(注12-2)で,(2.128)を

求めるために実施したのと同じ手順を修正して繰り返します。

[証明]:まず,ρ~12=exp{i(ω0-ω)t}ρ12,

ρ~21=exp{-i(ω0-ω)t}ρ21,とおくと,基本方程式は,

dρ22/dt=(-iΩ/2)ρ~12+(iΩ/2)ρ~21-2γρ22.

dρ~12/dt=(iΩ/2)(1-2ρ22)-γ^ρ~12

-i(ω0-ω)ρ~12となります。

dρ~21/dtは,これの複素共役で与えられ,

dρ~21/dt=(-iΩ/2)(1-2ρ22)-γ^ρ~21

+i(ω0-ω)ρ~21となります。

そこで,x=ρ22,y=(-iΩ/2)ρ~12,y=(iΩ/2)ρ~21

と置くと,これらは,dx/dt=y+y-2γx,

dy/dt=(|Ω|2/4)(1-2x)+{-γ^+i(ω0-ω)}y

dy/dt=(|Ω|2/4)(1-2x)+{-γ^-i(ω0-ω)}y

と書けます。

整理すると,dx/dt=-2γx+y+y,

dy/dt=-(|Ω|2/2)x+{-γ^+i(ω0-ω)}y+|Ω|2/4,

dy/dt=-(|Ω|2/2)x+{-γ^-i(ω0-ω)}y+|Ω|2/4

です。そこで,これを3次元の列ベクトル:=[x,y,y]

に対する線形非同次の行列方程式の形で3×3係数行列を^

として,d/dt=^,と書きます。

ただし,定数項=[0,|Ω|2/4.|Ω|2/4]です。

これの初期条件がt=0で0の解は,既に何度か示した

ように,(t)={exp(^t)-1}^-1で与えられます。

A^の逆行列:A^-1は,その要素が,

(det^)(^-1)11=γ^2+(ω0-ω)2

(det^)(^-1)12=-{-γ^-i(ω0-ω)},

(det^)(^-1)13=-{-γ^+i(ω0-ω)}

(det^)(^-1)21=-(|Ω|2/2),

(det^)(^-1)22=-2γ{-γ^-i(ω0-ω)}+|Ω|2/2,

(det^)(^-1)23=-(|Ω|2/2),

(det^)(^-1)31=(|Ω|2/2){-γ^-i(ω0-ω)},

(det^)(^-1)32=-|Ω|2/2,

(det^)(^-1)33=―2γ{-γ^+i(ω0-ω)}+|Ω|2/2,

で与えられます。

ただし,det^=-2γ{γ^2+(ω0-ω)2}

-(|Ω|2/2){-γ^+i(ω0-ω)}

-(|Ω|2/2){γ^-i(ω0-ω)}

=-2γ{γ^2+i(ω0-ω)2+|Ω|2/2}です。

また,^=α(0)を満たす固有値αを求める

方程式は,det(^-α^)=0ですが,これは,

(-2γ-α){(-γ^-α)2+(ω0-ω)2}

-(|Ω|2/2){(-γ^-α)-i(ω0-ω)}

-(|Ω|2/2){(-γ^-α)+i(ω0-ω)}=0となります。

つまり,(-2γ-α){(-γ^-α)2+(ω0-ω)2}

-|Ω|2{(-γ^-α)=0です。

さらに,書き下すと,

α3+{γ^2+(ω0-ω)2-|Ω|2}α+2γ{γ^2+(ω0-ω)2

+(|Ω|2/2)}=0 です。

しかし,今は|Ω|の最低次近似を求めればいいので,

因子:|Ω|2を含む項を無視する近似では,

固有値方程式は,(α+2γ){(α+γ^)2+(ω0-ω)2}=0

となり,異なる3つの固有値として,α0=-2γ,

α±=-γ^±i(ω0-ω)(複号同順)なる近似値を得ます。

それ故,特に,α+α=-2γ^,および,

αα=γ^2+(ω0-ω)2なる関係が成立します。

そして,この近似でα0に属する固有

ベクトルを,それぞれ,Y0,Yと書けば,定数倍

の任意性を除いて,

0=[1,0,0],Y=[-(α0-α)-1,1,0],

=[-(α0-α )-1,0,1]と書けること

がわかります。

何故なら,この近似で係数行列^は第1行が[α0,1,1],

第2行が[0,α,0].第3行が[0,0,α]であるからです。

これら,0,,を3列に並べた行列を

^=(0,,)と書いて定義し,その逆行列^-1を,

^-1=(0,,)と表わすと,

det(^)=1なので,Z0=[1,0,0],Z=[(α0-α)-1,1,0],

=[(α0-α)-1,0,1]となります。

こうすると,対角要素が固有値:α0の対角行列

Λ^は,Λ^=P^-1^^で与えられます。

そこで,exp(Λ^t)=P^-1exp(A^t)^が成立します。

それ故,前に与えた初期値が0のd/dt=A^X

の解:(t)={exp(^t)-1}^-1において,|Ω|の最低

次近似の解としての(t)は,左からP^-1を掛けて,

P^-1(t)={exp(Λ^t)-1}P^-1^-1bを満たします。

これから,結局.X(t)=P^{exp(Λ^t)-1}P^-1^-1

が得られます。

ところで,A^の逆行列^-1の要素の近似を書き下すと,

1行目は変更無しで,(det^)(^-1)11=αα,

(det^)(^-1)12=-α,(det^)(^-1)13=-αです。

また,2行目の近似は,(^-1)21=(^-1)23=0,および,

(det^)(^-1)22=-2γ{-γ^-i(ω0-ω)}=α0αです。

3行目は,(^-1)31=(^-1)32=0,(det^)(^-1)33

=-2γ{-γ+i(ω0-ω)} =α0αとなります。

さらに,det^=-2γ{γ^2+(ω0-ω)2}=α0αα

と書けます。

つまり,^-1は1行目が[α0-1,-α0-1α-1,-α0-1α-1 ],

2行目が[0,α-1,0 ],3行目が[0,0,α-1 ]の行列です。

それ故,==(|Ω|2/4)[0,1,1]に対して.

^-1={|Ω|2/(4αα)}

[-(α+α)/α0]です。

( ※については,|Ω|2を無視するとゼロとなって

無意味なので,|Ω|2を無視せず,因子として残します。)

さらに,左から^-1=(0,,),Z0=[1,0,0],

=[(α0-α)-1,1,0],=[(α0-α)-1,0,1],

を掛けます。

つまり,1行目が,[1,(α0-α)-1,(α0-α)-1]

2行目が[0,1,0],3行目が[0,0,1]の行列を掛けます。

それ故,P^-1^-1={|Ω|2/(4αα)}

[-(α+α)/α0+α/(α0-α)+α/(α0-α)

]です。

故に,P^-1(t)={exp(Λ^t)-1}^-1^-1

={|Ω|2/(4αα)}

[{-(α+α)/α0+α/(α0-α)+α/(α0-α)}

{exp(α0t)-1},α{exp(αt)―1},α{exp(αt)―1}]

となります。

最後に,両辺の左からP^=(Y0,Y,),0=[1,0,0],

=[-(α0-α)-1,1,0],Y=[-(α0-α)-1,0,1]

つまり,1行目が,[1,-(α0-α)-1,-(α0-α)-1],

2行目が[0,1,0],3行目が[0,0,1]の行列^を掛けて,

近似解:X(t)=[(t),y(t),y(t)]の成分を

求めます。

第1成分x(t)は,

x(t)={|Ω|2/(4αα)}[{-(α+α)/α0

+α/(α0-α)+α/(α0-α)}exp(α0t)

-{α/(α0-α)}exp(αt)

-{α/(α0-α)}exp(αt)

-(α+α)/α0 -α/(α0-α)-α/(α0-α)}

+α/(α0-α)+α/(α0-α) です。

故に,{|Ω|2/(4αα)}exp(α0t)

={|Ω|2/(4αα)}exp(-2γt)の係数は,

-(α+α)/α0+α/(α0-α)+α/(α0-α)

となります。

ところで,α/(α0-α)+α/(α0-α)

=[α0+α)-(α2+α2)}

/{(α0-α)(α0-α)}

=(α+α)

×{α02-α0+α)+2α0α)/(α+α)}

/{α00-α)(α0-α)}

=(α+α)/α0+{2α0-(α+α)}(αα)}

/{α00-α)(α0-α)}

=(αα)[(γ^/γ)/{(ω0-ω)2+γ^2}

+2{(2γ-γ^)/γ}/{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}です。

他方,α/(α0-α)-α/(α0-α)

=α0-α)-(α2-α2)}

/{(α0-α)(α0-α)}

=(α-α){α02-α0+α)}

/{α00-α)(α0-α)}

=(α-α)/α0

-{(α-α)(αα)}/{α00-α)(α0-α)}

=(αα)[{i(ω0-ω)/γ}/{(ω0-ω)2+γ^2}

-{i(ω0-ω)/γ}/{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}です。

したがって,exp(α0t)=exp(-2γt)の項は,,

(|Ω|2/4)[{(2γ-γ^)/γ}/{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}]

exp(-2γt) と書けます。

定数項は,{|Ω|2/(4αα)}(α+α)/α0

=(|Ω|2/4)(γ^/γ)/{(ω0-ω)2+γ^2}です。

そこで,ρ22の非振動項は,

(|Ω|2/4)×[(γ^/γ)/{(ω0-ω)2+γ^2}

+{(2γ-γ^)/γ}/{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}

exp(-2γt)]となります。

また,振動項は,

-{|Ω|2/(4αα)}[{α/(α0-α)}exp(αt)

+{α/(α0-α)}exp(αt)

=-{|Ω|2/(4αα)}

[{α/(α0-α)}exp(-γt)exp{-i(ω0-ω)t}

+{α/(α0-α)}exp(-γt)exp{i(ω0-ω)t}]

ですが,exp{±i(ω0-ω)t}

=cos{(ω0-ω)t}±isin{(ω0-ω)t}です。

そこで,このexp(-γt)に比例する項は,

-(|Ω|2/4) exp(-γt)

[(γ^/γ)/{(ω0-ω)2+γ^2}

+2{(2γ-γ^)/γ}/{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}

cos{(ω0-ω)t}

-[{(ω0-ω)/γ}/{(ω0-ω)2+γ^2}

+{(ω0-ω)/γ}/{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}}

sin{(ω0-ω)t}

=-(|Ω|2/4)

×[2{(ω0-ω)2+γ^(2γ-γ^)}cos{(ω0-ω)t}

+{4(ω0-ω)(γ^-γ)sin{(ω0-ω)t}}exp(-γt)

/[{(ω0-ω)2+γ^2}{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}]

となります。

以上から,ρ22(t)=x(t)=(|Ω|2/4)

×[(γ^/γ)/{(ω0-ω)2+γ^2}

+{(2γ-γ^)/γ}/{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}

exp(-2γt)]-[2{(ω0-ω)2+γ^(2γ-γ^)}

cos{(ω0-ω)t}

+{4(ω0-ω)(γ^-γ)sin{(ω0-ω)t}}

×exp(-γt)

/[{(ω0-ω)2+γ^2}{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}]

の(2.164)の表式が得られました。[証明終わり] 

ちなみに,第2成分y(t)は,

y(t)=(-iΩ/2)ρ~12(t)

={|Ω|2/(4αα)}{α{exp(αt)―1}

=[(|Ω|2/4)/{(ω0-ω)2+γ^2}]

{{-γ^-i(ω0-ω)}{exp(-γ^t+i(ω0-ω)t}

―1]となるので,ρ~12(t)

=exp{i(ω0-ω)t}ρ12(t)

=[(Ω/2)/{(ω0-ω)2+γ^2}]

[{(ω0-ω)-iγ^}{exp[{-γ^t+i(ω0-ω)t}-1]

です。

結局,ρ12(t)=(Ω/2)[exp(-γ^t)-exp{-i(ω0-ω)t}]

/{(ω0-ω)+iγ^}を得ます。 (注15-1終わり※)

 さて,(2.164)は,衝突広がりγcollがないγ^=γの場合は,

前に得た(2.128)のρ22(t)=[(|Ω|2/4)/{(ω0-ω)2+γ2}]

×[1+exp(-2γt)-2cos{(ω0-ω)t}exp(-γt)]

に帰着します。

 

今の議論では,非対角行列要素ρ12は必要ないですが,

後の第8章での使用のために,初期条件の制限を多少緩

めてt=0でρ22(はゼロですが,ρ12は任意の初期値ρ12(0)

を持つときの|Ω|について最低次の解として,

ρ12(t)=[(iΩ/2)/{i(ω0-ω)-iγ^}]

×{exp(-γ^t)-exp{-i(ω0-ω)t}

+ρ12(0)exp(-γ^t).(2.165)

を与えておきます。

※(注15-2):上記を証明します。

(注15-1)では,d/dt=^,

=[0,|Ω|2/4.|Ω|2/4]ですの初期条件が

(0)=0の解は,

(t)={exp(^t)-1}^-1で与えられる,

と書きましたが.(0)がゼロとは限らず,任意の

ベクトルの場合の解は,明らかに,

(t)={exp(^t)-1}^-1b+exp(^t)(0)

となります。

ここで,P^-1^^=Λ^(対角行列)を満たす^を

用いれば,(t)=^{exp(Λ^t)-1}^-1^-1

exp(Λ^t)(0)です。

そこで(0)=[0,y(0),0]の場合の第2成分は,

y(t)=(-iΩ/2)ρ~12(t)

={|Ω|2/(4αα)}{α{exp(αt)―1}

+y(0)exp(αt)=(|Ω|2/4)/{(ω0-ω)2+γ^2}]

[{{-γ^-i(ω0-ω)}exp{-γ^t+i(ω0-ω)t}―1]

+y(0)exp{-γ^t+i(ω0-ω)t}です。

したがって,結局,ρ12(t)=[(iΩ/2)/{i(ω0-ω)-iγ^}]

×{exp(-γ^t)-exp{-i(ω0-ω)t}+ρ12(0)exp(-γ^t)

が得られます。(注15-2終わり※)

 

さて,レート方程式から求めた励起状態の占位数の時間

依存性は,(1.70)の,

2={NBW/(A+2BW)}[1-exp{-(A+2BW)t}]

から,入射ビームWが弱い場合には,

2=(NBW/A){1-exp{-(At)}.(2.166)が得られます。

対角解(2.164)がこれと同等な時間依存性を持つ2通りの

異なる状況が存在します。第1の状況は周波数の広がりが

原子遷移の線幅2γ^より大きい広帯域入射光のある場合です。

(2.164)の複素周回積分を利用して,γ^が2γより大きくても,

小さくても,∫-∞ρ22dω={π|Ω|2/(4γ)}{1-exp(-2γt)}

(2.167)を示すことができます。

※(注15-3):上記を証明します。

[証明] まず,∫-∞dω[(γ^/γ)/{(ω0-ω)2+γ^2}]=π/γ,

かつ,∫-∞dω[{(2γ―γ^/γ)}/{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}]

=π/γです。

それ故,∫-∞dω(|Ω|2/4)[(γ^/γ)/{(ω0-ω)2+γ^2}

+{(2γ-γ^)/γ}/{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}

exp(-2γt)]={π|Ω|2/(4γ)}{1-exp(-2γt)}です。

一方,∫-∞dω[2{(ω0-ω)2+γ^(2γ-γ^)}

cos{(ω0-ω)t}+{4(ω0-ω)(γ^-γ)sin{(ω0-ω)t}}

exp(-γ^t)/[{(ω0-ω)2+γ^2}{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}]

を計算するために,まず,ν=ω-ω0と変数置換します。

ω0-ω=-νでdω=dνですから,

-∞dν [2{ν2+γ^(2γ-γ^)}cos(νt)

-{4ν(γ^-γ)sin(νt)}exp(-γt)

exp(-γ^t)/[(ν2+γ^2){ν2+(2γ-γ^)2}]です。

ここで,cos(νt)=(1/2){exp(iνt)+exp(-iνt)}

sin(νt)=(-i/2){exp(iνt)-exp(-iνt)} を

代入すれば,

-∞dν[{ν2+γ^(2γ-γ^)}cos(νt)

exp(-γ^t)/[(ν2+γ^2){ν2+(2γ-γ^)2}]

=∫-∞dν[{ν2+γ^(2γ-γ ^)}

{exp(iνt) +exp(-iνt)}]

exp(-γ^t)/[(ν2+γ^2){ν2+(2γ-γ^)2}]

であり,

-∫-∞dν{4ν(γ^-γ)sin(νt)}

exp(-γ^t)/[(ν2+γ^2){ν2+(2γ-γ^)2}]

=-∫-∞dν{-2iν(γ^-γ)}

{exp(iνt)-exp(-iνt)}

exp(-γ^t)/[(ν2+γ^2){ν2+(2γ-γ^)2}]

です。つまり,与式

=∫-∞dν[{ν2+γ^(2γ-γ ^)+2iν(γ^-γ)}

exp(iνt)exp(-γ^t)]/[(ν2+γ^2){ν2+(2γ-γ^)2}]

-∫-∞dν{{ν2+γ^(2γ-γ ^)-2iν(γ^-γ)}

exp(-iνt)exp(-γ^t)]

/[(ν2+γ^2){ν2+(2γ-γ^)2}]

   =∫-∞dν [exp(iνt)/[(ν+iγ^){ν-i(2γ-γ^)2}]

-∫-∞dν  [exp(-iνt)}/[(ν-iγ){ν+i(2γ-γ^)2}]

です。

これを求めるために,νを複素数として,複素平面上の実軸

に,半径が+∞の半円周を加えた閉路上の同じ被積分関数の

周回積分を考えます。

exp(iνt)に比例する項では,実軸に虚部が正の上半円

の周を加えた反時計周り(正)の外周C1を採用し,

exp(-iνt)に比例する項では,実軸に虚部が負の下半円

の周を加えた時計周り(負)の外周C2を採用すれば,共に,

元の実軸上の実積分に一致します。

1上の積分では,これの内部の1位の極は2γ<γ^

なら,ν=-i(2γ-γ^)で,2γ>γ^ならなしです。|

そこで,Cauchyの留数定理から積分値は,2γ>γ^なら

ゼロですが,2γ<γ^,

なら(2πi)(-2iγ)-1exp{-(2γ-γ^)t})exp(-γ^t)

=-(π/γ)exp(-(2γt)となります。

一方,C2上の積分ではこれの内部の1位の極は2γ<γ^

ならν=i(2γ-γ^)で,2γ>γ^ならなしです。

そこで積分値は, 2γ>γ^ならゼロですが,2γ<γ^

なら-(-2πi)(2iγ)-1exp{-(2γ-γ^)t})

exp(-γ^t)=(π/γ)exp(-(2γt)です。

したがって,2γ<γ^でも2γ>γ^でも,これらの

積分の寄与の総和はゼロで,結局,∫-∞ρ22dω

={π|Ω|2/(4γ)}{1-exp(-2γt)}と結論されます。

(注15-3終わり※)

 

さて,第2の状況は,γ^>>2γと,衝突広がりが大きい

場合です。このとき,時間tが1/γと同程度であれば,

t>>1/γ^が成立するので,下に再掲載する(2.164)式の

ρ22(t)=(|Ω|2/4)×[(γ^/γ)/{(ω0-ω)2+γ^2}

+{(2γ-γ^)/γ}/{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}exp(-2γt)]

-[2{(ω0-ω)2+γ^(2γ-γ^)}cos{(ω0-ω)t}

+{4(ω0-ω)(γ^-γ)sin{(ω0-ω)t}}exp(-γt)

/[{(ω0-ω)2+γ^2}{(ω0-ω)2+(2γ-γ^)2}]

は,ρ22(t)={|Ω|2γ^/(4γ)}/{(ω0-ω)2+γ^2}

×{1-exp(-2γt)}.(2.168)に帰着します。

(※ 何故なら,(2γ-γ^)~(-γ^)より,

ρ22(t)~{|Ω|2γ^/(4γ)}

×[{1-exp(-2γt)}+exp(-γ^t){exp{i(ω0-ω)t}

+exp{-i(ω0-ω)t}]/{(ω0-ω)2+γ^2}ですが,

γ^t>>1より,exp(-γ^t)~ 0で最後の振動項は無視

できます。)

 ここで,R=(|Ω|2γ^/2)/{(ω0-ω)2+γ^2}(2.169)

と定義すれば,

レート方程式:dρ22/dt=R-2γρ22 (2.170)の

解は,ρ22(t)={R/(2γ)}{1-exp(-2γt)}.(2.171)

となり,(2.168)に一致します。

これらの(2.168),(2.171)は基礎的レート方程式の解

2=(NBW/A){1-exp{-(At)}.(2.166)と同一です。

γ^>>γの極限で光学Bloch方程式のと等価な(2.170)

のdρ22/dt=R-2γρ22,は,励起状態の占位数が,

励起速度Rと放射減衰速度A=2γとの競合によって

決まることを示しています。

R=(|Ω|2γ^/2)/{(ω0-ω)2+γ^2}により,励起速度

の入射周波数ωへの依存性は衝突によって広がった原子

遷移のLorentz型曲線形に従っています。

励起速度Rは§1.12のレーザー理論での準位3から

準位2へのポンピング速度と同様の意味を持ちます。

レート方程式が成り立つのは「(ⅰ)入射光のバンド幅

が原子遷移の線幅より広い。」か「(ⅱ)(衝突幅)+

(Doppler幅)を組み合わせた線幅が.遷移放射による線幅

よりずっと広い。」かのいずれか.の場合です。

 

今回は,ここで第2章が終わるので,ここまでにします

参照過去ノートの本章終了の日付けは,2006年8/9(木)

で長年の糖尿病の放置が原因で年末に心臓疾患になり,4月

に手術を受け,再びプータローになり,かつ,障害者になる

ことなどは予想もしていない56歳半ばの頃です。

 

(参考文献):Rodney Loudon 著

(小島忠宣・小島和子 共訳)

「光の量子論第2版」(内田老鶴舗)

 

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2020年1月 1日 (水)

令和2年 一応オメデトウございます。

 とにもかくにも,年が明けました。2020年です。

明けましておめでとうかな。。冥土への旅の一里塚

私は1950年2月1日の生まれなので1951年以来70回目

の正月元旦です。来月には満70歳です。

ですが古希は昨年で.今年は数えで71歳ですね、昔は

1~3月の早生まれを7つ上がり,4~12月生まれを8つ上がり

と言いました。4月に小学1年に入学する数え年のことです。

私の故郷の岡山県玉島市(現:倉敷市)の田舎の小さな小学校

では,同じクラスに50人もいましたが,子供の頃の1年差は

身体的にも精神的にも大きな負担だったかもしれません。1年

得をしたなと思ったのは,後の受験で1浪したときくらいです。

今となっては,若いとき10年くらい足踏みして出遅れても人生

全体じゃ大したことないなお思います。

まあ,スポーツとか,子作りなどは,年齢が高いともはや,できなく

なるモノもありますから,何でもヤリ直しがきくとはいえないけど。

とりあえず,私はあと半年くらい生きれば2020年の東京での

オリンピック・パラリンピック見れそうです。

キミマロは「オリンピック終わると,それまで頑張るといってた

高齢者がバタバタ死ぬ。」というブラックジョーク言ってたなあ。

1964年の前の東京オリンピック当時、私は中学3年でした。

自宅には小学5年の1960年か1961年に高価なテレビがきて

いたので,女子バレーが金メダル取ったのとかを家族で見ました。

印象に残っているのは,中学の保健室にあったテレビで,

マラソンで円谷が国立競技場に2位で入ってきて,そこで

イギリスのヒートリーに抜かれたのを,集まった生徒たちで

手に汗をにぎって見ていたことが大きな思い出です。

その後,3月には卒業前に友人を交通事故で失くし,4月には

父が46歳で病死しました。くしくも,父の母校が甲子園で平松

投手を擁して優勝した日が命日でした。

そこからは母子家庭です。8歳上の長男,5歳上の長女は

ほぼ学業を終えて社会人になるところでしたが,次男は高校

3年,私は同じエスカレーター式の私立中高なので受験もなく,

高校1年入学して,下の2人は奨学金をもらう,という生活に

変わりました。

大学5年生の23歳から57歳まで長いウツ病で,それでも生きて

いくためには,好む好むまざるを限らない仕事をするしか,

ありません。

普通以上に金を得るという意欲も特技もないので,ただ,他人

に雇用されて自分にできることをやるという日本型年功序列

社会のサラリーマンとして生活してましたが,バブルが終わる

ころ勝手に転職して失敗し,やがてプータローからアルバイト

生活となりました。

40過ぎては就職難です。仕事を選んでは生きていけないので

アルバイトで食いつなぎです。49の暮れにやっと夜勤の派遣社員

になれました。平成2年1990年3月に依願退職した会社にも即戦力

ということで拾われて昼勤のアルバイトなども併用して,やがて病気

で倒れました。

上の兄2人は伴侶を得て子供が2人ずつで定年を迎え,長女も子供

2人を育て40代でガンで夫を亡くして以後遺族年金で暮らしていた

とはいえ,皆,普通の社会生活送り,まだ健在らしいです。

29歳上の母は93歳で亡くなりました。

なのに,末っ子の私だけは,精神病の負い目もあってか,伴侶と

暮らすよりも,とにかく自由であり誰を扶養することもなく自分だけ

のために好きなように生きる方のヤクザな道を選び,身体が不自由

で貧乏で老齢の今は寂しい思いありますが,寂しいとき人恋しいとき

はお金は必要ですが,一人で飲みにいき,マスター,ママ,従業員,と

隣の席の袖すりあう人たちが家族?という生活でした。

給料のほとんどは飲み代に消えましたが,私は受験などに失敗

したりしたときも含め何をやっても生きてる限り過去を後悔しない

ウツにも関わらず楽天的性格でしたが,独身という選択は間違い

だったかも。

あ,いまさら,そういう自分の身に春が来ることはないので,

サッカ-,ラグビー,野球,ゴルフ,テニスに,オリパラなどTV観戦

や将棋,音楽鑑賞,PCなどでヒトリアソビの趣味は多いので,束の

間の楽しみを感じるだけです。

足の指が全部無いのはともかく,原因不明の長セキと呼吸困難の

発作が1日数回起きなければ,他の客などに迷惑かけないので

,酒を飲んで家族モドキに会いたいのですがネ。元々,自宅で酒を飲む

ほど酒好きじゃなく,ツキアイ程度で,飲みにいくのは単なる個人的な

社交場だったのですが,あまり客も金も無さそうな飲み屋に奉仕

しすぎたかも。。

 イヤ,たとえ宝くじでアタルほど,お金ができたとしても恐らく飲み屋

とかも含め,無い人にアゲルだけでしょうが。。

口ダケなら何でも言える,金をつかめば豹変するのが小人のなせる

ワザですが。

ころで,忠臣蔵の討ち入りの元禄15年12月14日は今の暦では

実は翌年の1月20日くらいだったらしいです。

私の干支は1950年2月1日生まれ五黄の寅ですが,そもそも干支

ができた中国の旧暦では,明らかに正月より前なので,それだ

と六白の丑です。

まあ,要するに丑寅(ウシトラ)の鬼(ツノがあって虎皮パンツ)

干支なのでロクなもんじゃないのは確かです。

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2019年12月22日 (日)

温暖化ガス・原子力・ITなど諸刃の剣

まずは,私のブログの過去記事から,

2014年7/13の過去記事「雑感」で当時の脱法ハーブによる運転

事故についての感想を,長年ウツ病だった自分の身に置き換えて

人間のクスリに頼る精神の危うさと関連して書いたあと,最後に,

※まあ,私が心配しているのは,国益よりも,地球益の方です。

恐らくは霊長類の所業のせいでしょうが,異常気象や地殻変動

による天災の頻発。。

領土問題,経済問題などよりも,そもそも地球生命がもたない。。

私の生きているあと数年くらいは大丈夫でしょうし,私には子も

孫もいないけど,国境を越えて,砂漠化したところに植林でもして

ムダかもしれない抵抗をするしかないか。。

そういえば,市川海老蔵さんが奥様の勧めで植林活動をされてる

らしい。

 シリアスなことを言うのは私らしくないけど,今や自分の世話

ついてはどうしようもない状況で,ほぼ,自暴自棄になっている

ためか?逆に,他人の世話だとシリアスになるのが最近の自分の

傾向かもネ。

イツモのように自分の手は汚さない,無責任な感想・雑感です。

あまりシリアスに批判しないでね。(^^:)

と書きました。

その次は,2016年の2016年6/26の過去記事

「最近のニュース・雑感,(英国のEU脱退」について感想を書いた

では,追記として

※PS:6/28です。

久しぶりに市川海老蔵が植林活動をしいぇいるというニュースを

見ました。前にも彼が新妻の勧めでそれを始めたというニュース

を見たときにも書きましたが,私独自の見解では地球の異常気象

を見るに付け,もはや手遅れ,無駄な抵抗かも知れないのですが。。

 地球上で二酸化炭素を吸って酸素を出しているのは葉緑体を

持つ植物だけなのですから,今は伐採などやめて,みんなでセッセ

と植林,灌漑などをして砂漠を蘇らせるほどのことをするべき

なんです。共食いの戦争などしている場合じゃないと感じます。

自分を守らなければ攻撃され死んでしまう。という人々にとっては

戦うことは仕方ないとはいえますが。。

などと書きました。

小林麻央さんが34歳で亡くなられたのは,それから約1年後の

2017年6/22のことでした。2014年や2016年の麻央さんが

亡くなる前の市川海老蔵さんについて書いたのですが,現在は

市川団十郎さん,になったのかな。

というわけで,今スウェーデンの女子高生が世界に警告して

化石賞をもらっているような目先の経済的国益の方を重視して

いて,既に手遅れの状態を自覚もしていない米国と日本を見る

につけ,いろいろと,思っているわけです。

数年前,行方不明の子供を発見し英雄視された,

スーパーボランティアの方も彼女の行動に注目し,九州の海の方

でプラスチックゴミの回収をされているらしいですが,年齢に関係

なく,やはり目のつけどころが違う天才的感覚ですね。

こんなことを言うと,上から目線の自分も天才だと自画自賛している

ようにも見えますが,それはさておき,

2019年10/8の記事でも書きましたが.

年間800万トンの割合で世界の海に投棄されている,といわれる

プラスチックについて,2019年4/16のBBCニュースで

「プラスチックを消化分解する酵素,研究室で偶然作成

・米英チーム」というのがありました。

プラスチックを食べるバクテリアがあるというトピックです。

これは,元々日本で発見された自然環境に存在する細菌の研究

から偶然見つけたらしいです。

 実用化はもっと先でしょうが,日本ではヘドロや富栄養価などで

汚染された海や湖,河川などの水を浄化して復活させる技術が

前から実用化されています。

リチウム電池もそうですが,こういうのに着目して研究するのは

日本の科学の得意分野じゃないでしょうかかネ。

私は,森林や海草の光合成に頼らず,人工で光合成をさせる

という技術があることにも着目しています。

植林やプラスチックのゴミを拾うのでは焼け石に水だ,というなら,

「毒」をもって「毒」を制すしかない。つまり,

「科学=毒」でもあり,「クスリ=副作用」の諸刃の剣

(もろはのつるぎ)です。

既にプラスチックの買い物袋やストローなどを義務的に禁止

して違反には罰がある国が多い中で,禁止じゃなく有料化程度

使用しないことを推奨するに留まっている危機意識の乏しい

化石国が,わが日本です。

化石燃料を廃止することよりも経済活動を重視し,近未来よりも

目先の利益のみに投資する,消費税や年金の話もそうですが,

税の是非はともかく,制度の根本的見直しをせず,当座の借金が

増えても,今さえ乗り切ればと,何でもどんどん先送りして,自分

らが死後の若い世代に丸投げするという無責任な人々。

金も力もなく,他人の世話に頼らなきゃ生きられない死に損ない

オレはもう知らないヨ。

トランプがバカだとかウワサし,日本は先進国だとか,日本礼賛の

TV番組だとか,浮かれてる人多いけど,五十歩百歩。

ダイナマイトを発見して莫大な利益を得たノーベルが,その後の

兵器への利用拡大を,後悔してノーベル[賞を設立したこと。

ユダヤ人迫害で米国に逃れ,原爆開発でオッペンハイマーらと

協力したアインシュタインも後に後悔して,平和活動に邁進した

とか,枚挙に暇がないが,文明の利器は全て諸刃の剣です。

最初の利器である火は危ないが,何とか火事を起こさず

コントロールできるまでになりました。電気やガスも人が

コントロールできるようです。

しかし,トイレのないマンションと言われる原子力,これはいずれ

人類がコントロールできたとしても,100年早いです。

今の社会,もはやオーガニックに生活することは不可能で人の

労力以外のエネルギーは不可欠ですが,風力,太陽光などで

まかなう方向しかないだろうと思っています。

常温超伝導で電気を保存する道など,環境にやさしく100%

賄えるような方向の研究に,予算をかけるのはムダではない

と思うのですが。。

また,占星術と対して変わらないと思う,ただのデータの蓄積

であるに過ぎないAIなどへの過度の信仰も心配です。

占いよりもデータ蓄積能力が莫大で統計分析の演算スピードも

極端に速く学習能力もプログラムされてはいますが,ITも進化が

速すぎてコントロールが追いついてないという気がします。

1995年のWindows95でインターネットが盛んになってから,

まだ25年程度ですが,とてもアブナイ,オモチャだと感じます。

テレビであれば,日本じゃ1960年ころから,冷蔵庫や洗濯機,

電気釜,エアコンなど電化製品やエレベーター,エスカレーター

も60年くらいゆっくり進化して,人間がほぼコントロール

できています。

しかし,古いマンガですが,鉄人28号は「悪人」に操縦機を

取られると悪魔の兵器と化しました。

このIT技術も,ターミネーターじゃないですが,原子力と同じく

捨てるには惜しいモノですが危険極わりない,モノです。

40年以上前,大型コンピュータでのプログラマーもやる技術屋

として,上京し,就職した自分が言うのも何ですけどネ。

キャッシュレスだとか監視カメラとか浮かれていると.昔のナチス

のゲシュタポの密告,警察国家がレジスタンスを取り締まるという例

が適切かはわからないけど,プライバシーまで監視されて為政者

と,それと利権的にwinwinでグルであろう大企業などに,気づかぬ

うちに,あらゆる情報を握られると,為政者(本当の民主主義なら

国民自身だが)が,プラトンのいう「哲人」でないなら,便利さと

引き換えに自由を失なうことになりますヨ。

既に,顔認識とか位置情報とかを,どんどん収集され,大量の

監視カメラ(2億個?)がある,といわれている中国じゃ,便利さの

方が自由より上という価値観らしいから,既にそうなってるんじゃ

ないかな。まあ,大都市に住む支配的金余り,バク買い

漢民族ならそうでしょう。セキュリテイが必要なのは,金持ち,有

産階級ダケなのですから。。

江戸時代後期に,日本に無理やり黒船が開国を迫った

ような内政干渉ではありますが,今や国を超えて難民が避難

して来る今の時代。ジョンレノンがイマジンで言うように,

国境という概念を捨てり去れば,香港やウィグルが天安門

二の舞にならないかと,心配です。

。。

 

 

 

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2019年12月20日 (金)

光の量子論14

「光の量子論13」からの続きです。

(※余談):私の両親は父が明石市,母が和歌山市出身の

関西人ですが,私は岡山県倉敷市の出身です。

もっとも,東京に来たのが1977年で,故郷で暮らして

いた一浪までの18年は,はるか昔になりました。

 昔から「岡山県人は腹が黒い」とか,岩井志麻子のおかげ

で「岡山の男はヤギとセックスする。」とか悪口のたぐいが

多いようです。実際,隣の広島県人は芸能界でも甲子園でも

プロ野球でも大活躍で,男なら熱血漢と称される方が多い

ようですが,岡山県人は私もそうですが,何かに成功しても

失敗しても,「本気で,一所懸命に努力していると思われる

のが恥ずかしい。」などという,イヤミで屈折したところが

有る人多いような気がします。バカですネ。

とはいえ,渋野日向子チャンは岡山弁もかわいいと思います。

私は昔から市毛良枝さんが好きですが,2人は顔がよく似て

いるな?と思いました。最近,岡山は千鳥とかブルゾンとか

売れた芸人もいます。

スポーツなら,昔は星野,辰吉とかアブナイ選手,監督

がいたし,女子は有森以来,長距離強く天満屋もハンパない

ですね。(余談終わり※)

さて本題です。

前回は第2章 原子・放射相互作用の量子力学の§2.12

(ドプラー広がり)の項を記述して終わりました。

今回はその続きで,次の節からです。

 

  • 2.13 合成吸収線の形状,

衝突広がりの(2.132):1/τ0=(4d2N/V){π/(βM)}1/2

coll=1/τ0,β=1/(kT)と,ドプラー幅を与える(2.151)

の2Δ=2ω0{2kTln2/(Mc2)}1/2の両式を見ると,これらは,

実験的パラメータを調節すれば,衝突幅もドプラー幅もいくら

でも小さくできることが,明瞭に示されています。

これらの幅は,共に温度の平方根に比例し,衝突幅の方は

気体の密度,または,それと等価な気体圧にも比例しています。

こういうわけで,衝突広がりを圧力による広がり,と呼ぶ

こともあります。

 それ故,十分低温に保たれた気体放電を利用することにより,

原理的には放射による不可避な線幅しか持たない吸収線を観測

することが可能となります。気体圧力の調節によりドプラー幅

や放射幅に比して,衝突幅を相対的に変化させることができます。

線幅におけるドプラー効果,原子衝突と恐らくは放射も同程度

の寄与をする場合には,これら3つの過程から生じた合成曲線

の形を決めることが必要になります。

(※ ただし.入射ビームは弱く,飽和広がりは無視できると仮定

します。)

さて,規格化された曲線形関数F1(ω)とF2(ω)を別々に生じる

ような線の広がりを起こす2つの機構を合成することを考えます。

合成された曲線形は,F(ω)=∫F1(ν)F2(ω+ω0-ν)dν

(2.155)と書けます。これは,「合成積」.または「たたみ込み積分:

と呼ばれるものです。ただし,ω0は2つの分布に共通する中心の

周波数です。

すなわち,減衰γ1があって波動関数がexp(-γ1t-iω0t)に

比例するような波動の寄与:f1(t)~∫F1(ω)exp(±iωt)dω

と,減衰γ2があって波動関数がexp(-γ2t-iω0t)に比例する

ような波動の寄与:f2(t)~∫F2(ω)exp(±iωt)dωの掛け算

として合成され,振動部分exp(-iω0t)は変わらず,減衰が和:

1+γ2)となる波動:exp{-(γ1+γ2)t-iω0t}に比例する

ものの寄与が,f1(t)×f2(t)exp(iω0t)

~∫F(ω)exp(±iωt)dωとなることを意味します。

※(注14-1):上記を説明します。

xの関数f(x)が,f(x)=∫―∞F(k)exp(ikx)dk

なるFourier(フーリエ)積分で表わせる場合,その逆変換として

関数F(k)はF(k)=(2π)-1―∞f(x)exp(-ikx)dxと

表わせます。このような相互変換をFourier変換と呼びます。

双方の表現の対称性を保つために,

f(x)=(2π)-1/2―∞F(k)exp(ikx)dk

⇔F(k)=(2π)-1/2―∞f(x)exp(-ikx)dxとして,

定係数を同じにするFourier変換の定義もあります。

以下の議論では,どちらでもいいのですが,便宜上前者の定義

を採用します。そして,この変換を示す汎関数を(関数の関数):

として,関数F=[f]が,関数fのFourier変換である,と

表記すれば便利です。

それでは,F=[f]:

つまり,F(k)=(2π)-1―∞f(x)exp(-ikx)dx,G=[g]

つまり,G(k)=(2π)-1―∞g(x)exp(-ikx)dxのとき,

積:F(k)×G(k)はどのような関数のFourier変換でしょうか?

単純にF(k)×G(k)=(2π)-2{∫―∞f(x)exp(-ikx)dx}

×{∫―∞g(y)exp(-iky)dy}と書けば,これの右辺

=(2π)-2―∞dx∫―∞dy[f(x)g(y)exp{-ik(x+y)}]

です。xはそのままで,yの積分でyをu=x+y ⇔ y=u―xと

変数置換すると,dy=duであり,

与式=(2π)-2―∞du∫―∞dx[f(x)g(u-x)exp(-iku)]

と書けます。

そこで,h(u)=(2π)-1―∞f(x)g(u-x)dxと置けば,

F(k)×G(k)=(2π)-1―∞h(u)exp(-iku)duを得ます。

したがって, (F・G)(k)=F(k)×G(k)と定義すると,

これはF・G=[h]を意味します。

uをxに置き換えたh(x)=(2π)-1―∞f(y)g(x-y)dy

なるxの関数hを(f*g)と表わして,fとgの「合成積」,または,

「たたみ込み積分」と呼びます。

これは、逆変換として,(f*g)(x)

=∫―∞{F(k)G(k)}exp(ikx)dkと書けることをも

意味します。

ここで,x→t,k→ -ωと変数置換して,Fourier変換を,

f(t)=∫―∞F(ω)exp(-iωt)dω,および,[f]

=F(ω)=(2π)-1―∞f(t)exp(iωt)dtと定義すれば,

合成積は(f*g)(t)=∫―∞f(τ)g(t-τ)dτ,および,,

(F*G)(ω)=∫―∞F(ν)g(ω-ν)dνとなり,

f(t)×g(t)=∫―∞(F*G)(ω)exp(-iωt)dω,

F(ω)×G(ω)=(2π)-1―∞(f*g)(t)exp(iωt)dt

が成立することになります。

以上から,F(ω)=∫―∞1(ν)F2(ω+ω0-ν)dν

=(F1*F2)(ω+ω0)であり,これは,F1とF2の合成積:

(F1*F2)の引数が(ω+ω0)の値を意味します。

なお,これらはexp(iωt)を,exp(-iωt),cos(ωt)

または,sin(ωt)に変更しても,そのまま成立します。

ところで,以前の「光の量子論10」では,単一の気体原子

の電気双極子モーメントd(t)が,d(t)

=-e{C1212exp(-iω0t)+C2121exp(iω0t)}

=-e[ρ21(t)X12exp(-iω0t)+ρ12(t)X21exp(iω0t)}

で,理論的に与えられることを記述しました。

それ故,前記事でドプラー広がりを除く最も一般的ケースで

得た光学Bloch方程式の解;(2.137)のtの関数としての密度

行列:ρ12(t)=-exp{-i(ω0-ω)t}

[(Ω/2)(ω0-ω-iγ^)/{(ω0-ω)2+γ^2+(γ^/γ)|Ω|2/2},

および,ρ21(t)=ρ12(t)を,上のd(t)の右辺に代入すると,

(t)={e2|X12|20/(2hc)}

[{(ω0-ω+iγ^)exp(-iωt)+(ω0-ω-iγ^)exp(iωt)}

/{(ω0-ω)2+γ^2+(γ^/γ)|Ω|2/2} なる表式を得ます。

そして,対象とする気体の分極Pは,体積V,原子数Nに対し,

(t)=N(t)/V

=(1/2)ε00{χ(ω)exp(-iωt)+χ(ω)exp(iωt)]

と書けます。ここに,χ(ω)は感受率で,χ(ω)

=χ’(ω)+iχ”(ω)

={Ne2|D12|2/(3ε0cV)}(ω0-ω+iγ^)

/{(ω0-ω)2+γ^2+(γ^/γ)|Ω|2/2} です。

特に,|Ω|<<γで,飽和広がりを無視し,γ^~γなら,

放射減衰γだけの寄与となり

d(t)={Ne2|D12|2/(3ε0cV)}

[{(ω0-ω+iγ)exp(-iωt)+(ω0-ω-iγ)exp(iωt)}

/{(ω0-ω)2+γ2}となります。

再び,感受率をχ(ω)=χ’(ω)+iχ”(ω)と書くと,

χ”(ω)={πNe2|D12|2/(3ε0cV)}

×(γ/π)/{(ω0-ω)2+γ2}であり,この場合,吸収係数は,

K(ω)=2ω/(cη)χ"(ω)

~{πNe2|D12|2ω0/(3ε0ccV)}F(ω),ただし,

(ω)=(γ/π)/{(ω0-ω)2+γ2}(FLはLorentz型曲線)

と書けます。

つまり,分極P(t)=(1/2)ε00

×[χ(ω)exp(-iωt)+χ(ω)exp(iωt)]の虚部は,

(-i/2)ε00{χ”(ω)(exp(-iωt)-exp(iωt)]

=ε00χ”(ω)sin(ωt)で,これはF(ω)sin(ωt)に

比例します。

したがって,d(t)={e2|X12|20/(2hc)}f(t)で,

f(t)=∫―∞F(ω)exp(-iωt)dωと表わせる場合

には,P(t)の虚部はF(ω)sin(ωt)に比例することに

なります。

そこで,d1(t)={e2|X12|20/(2hc)}f1(t),および,

2(t)={e2|X12|20/(2hc)}f2(t)なる形であるとき,

1(t),f2(t)の周波数分布が,それぞれ,

1(t)=∫―∞1(ω)exp(-iωt)dω,

2(t)=∫―∞2(ω)exp(-iωt)dωと書ける

場合,その積はf1(t)×f2(t)

=∫―∞[(F1*F2)(ω)exp(-iωt)]dω

=∫―∞[(F1*F2)(ω+ω0)exp{-i(ω+ω0)t}]dω

=[∫―∞F(ω)exp(-iωt)dω]exp(-iω0t)

で与えられます。

したがって,f1(t)×f2(t)exp(iω0t)

=∫―∞F(ω)exp(-iωt)dωとなること,

ただし,F(ω)=∫―∞1(ν)F2(ω+ω0-ν)dν

=(F1*F2)(ω+ω0)であること,が得られました。

(注14-1終わり※)

 言い換えると,積分F(ω)は,曲線形F1の各周波数成分

に,曲線形F2を生じる機構に特有な分布の広がりを付与

するものです。

明らかに,線幅を広げる機構がいくつあっても,(2.155):

F(ω)=∫―∞1(ν)F2(ω+ω0-ν)dνを反復適用

することによって,それらを合成できます。

最終の曲線形はそれらの寄与を合成する順序に無関係で

あり,(2.155)の積分値もF1とF2を交換しても不変である

ことに注意すべきです。

 実際,広がりの2つの原因が,それぞれ,幅2γ1と2γ2

持ったLorentz曲線形を生じるのであれば,それらを合成した

曲線もL0rentz型で,その幅は2γ=2γ2+2γ2.(2.156)と

なります。

前回記事の§2.11(衝突広がり)の最後の計算で,放射,飽和,

衝突による広がりを含む原子遷移の線幅は2(γ2+|Ω|2/2)1/2

を一般化した式:2{γ^2+(γ^/γ)|Ω|2/2}1/2.(2.139)となり,

飽和広がりが無視できるなら(2.139)が.2γ^=2γ+2γcoll.

(2.140)に帰着する,と書きましたが,これは,一般的結果:

(2.156)の特別な場合と考えられます。

※(注14-2):上記の合成積が2γ=2γ2+2γ2.のLorentz

曲線になるという(2.156)の結果を直接計算で証明します。

[証明]:まず,G(ω)=∫―∞dν(γ1/π)(γ2/π)

/[{(ω1-ν)2+γ12}{(ω+ω2-ν)2+γ22}]を計算します。

証明対象の式であるF1(ω)=(γ1/π)/{(ω0-ω)2+γ12},

および,F2(ω)=(γ2/π)/{(ω0-ω)2+γ22}とした合成積:

F(ω)=∫―∞1(ν)F2(ω+ω0-ν)dνは,

F(ω)=∫―∞―∞dν(γ1/π)(γ2/π)

/[{(ω0-ν)2+γ12}{(ω0-ω-ω0+ν)2+γ22}]

=∫―∞―∞dν(γ1/π)(γ2/π)

/[{(ω0-ν)2+γ12}{(ω-ν)2+γ22}]となり,これは

G(ω)において,ω1=ω02=0としたものに相当します。

 さて,G(ω)を計算するため,2変数のFeynman積分公式:

1/(AB)=∫01dα/{Aα+B(1-α)}2を利用します。

すなわち,{π2/(γ1γ2)}G(ω)=∫01dα∫―∞dν

/{(ω1-ν)2α+γ12α+(ω+ω2-ν)2(1-α)+γ22(1-α)}2

=∫01dα∫―∞dν/[ν2-2{ω1α+(ω+ω2)(1-α)}ν

+(ω12+γ12)α+{(ω+ω2)2+γ22}(1-α)]2

です。

ここで,∫―∞dx/(x2+a2)2

=∫―π/2π/2(asec2θ/a4sec4θ)dθ

=1/(2a3)∫―π/2π/2よ{1+cos(2θ)}dθ=π/(2a3)

より,b>a2の前提で,∫―∞dx/(x2-2ax+b)2

=∫―∞dx/{(x-a)2+b-a2}2=π/(2(b-a2)3/2

を得ます。

それ故,積分変数をxからνに置換して,

a=ω1α+(ω+ω2)(1-α),および.

b=(ω12+γ12)α+|(ω+ω2)2+γ22}(1-α)と

置くと,b-a2=ω12α(1-α)+(ω+ω2)2α(1-α)

-2α(1-α)ω1(ω+ω2)+(γ12-γ22)α+γ22

=(ω1-ω2―ω)2α(1-α)+(γ12-γ22)α+γ22

となるので,Ω^=ω1-ω2-ωと置けば,b-a2

=Ω^2α(1-α)+(γ12-γ22)α+γ22となります。,

そこで,先の公式から、{π2/(γ1γ2)}G(ω)

=(π/2)∫01dα{Ω^2α(1-α)+(γ12-γ22)α+γ22}-3/2

=(πΩ^-3/2)∫01dα

22/Ω^2+{(Ω^2+γ12-γ22)/Ω^2}α-α2]-3/2

を得ます。

次に,この積分を具体的に計算するために,

P=∫01dα(C+Bα-α2)-3/2として,これを求めます。

こういうのは公式集でも見れば,スグわかるのですが,

どうしても初等的に導出不可能な場合を除き,そうした

公式もできるだけ自力で求めるという,学生時代からの

頑固なポリシイがあるので,やってみます。

「過去の知見をチェックせず信用してスルーして新しい

ことに向かわないからオマエは研究者向きでないのだ。」

と当時の先輩,同僚,教師たちから忠告されたこと多々

ありました。

しかし,大袈裟ですが,私は未だに「殺されても変えられ

ないことがある。」とか,「エゴ(自己利益)だけじゃ動かない。」

とかいう意固地貧乏な性格のまま人生終わりそうです。

さて,P=∫01dα(C+Bα-α2)-3/2

=∫01dα{(B2/4+C)-(α-B/2)2}-3/2ですから,

α-B/2=(B2/4+C)1/2sinθと置くと,

dα=(B2/4+C)1/2cosθdθです。

故に,P=(B2/4+C)-1θ1θ2sec2θdθ

=(B2/4+C)-1(tanθ2-tanθ1)となります。

ただし,sinθ1=(-B/2)/(B2/4+C)1/2,,

sinθ2=(1-B/2)/(B2/4+C)1/2,です。

tanθ=±sinθ/(1-sin2θ)1/2より,符号が正の分枝

を採用すると,tanθ1=(―B/2)/C1/2,かつ,,

tanθ2=(1-B/2)/(C+B-1)1/2の分枝なのでP

=(B2/4+C)-1{(1-B/2)/(C+B-1)1/2+(B/2)/C1/2}

です。これにC=γ22/Ω^2,B=(Ω^2+γ12-γ22)/Ω^2

代入して、C1/2=γ2/Ω^,(C+B-1)1/2=γ1/Ω^ですから

P=(B2/4+C)-1[(γ1+γ2)/(2Ω^γ1γ2){Ω^2+(γ1-γ2)2}

以下,詳細を略して,最終的に,

P={2Ω^31+γ2)/(γ1γ2)}/{Ω^2+(γ1+γ2)2}を

得ますが,{π2/(γ1γ2)}G(ω)=(πΩ^-3/2)Pなので,,

G(ω}={(γ1+γ2)/π}/{(ω1-ω2-ω)2+(γ1+γ2)2}

です。前述したように,F(ω)はG(ω)でω1=ω02=0

としたものですから,結局,F(ω)

={(γ1+γ2)/π}/{(ω0-ω)2+(γ1+γ2)2}を得ました。

[証明終わり]   (注14-2終わり※)

 次に,線幅をGauss型曲線に広げる機構が2つある場合には,,

合成された曲線がやはり,Gauss型となり,元の2つの曲線の

半値幅が2Δ1,2Δ2のとき,Δ2=Δ12+Δ22で与えられる半値幅:

2Δを持ちます。

※(注14-3):上記を証明します。

[証明]:前記事で書いたように,気体内で運動する全原子は,

ドプラー効果により吸収する光の周波数ωの分布は,Gauss分布

exp{-Mc2(ω-ω0)2/(2ω02T)}(c/ω0)dω.(2.149)で

与えられ,これの半値幅(全線幅)を2Δとすると,

2Δ=2ω0{2kTln2/(Mc2)}1/2(2.151)と表わされます。

Gauss曲線:Fは,

(ω)=(2π)-1(2δ2)-1/2exp{-(ω-ω0)2/(2δ2)}で定義され

-∞(ω)dω=1が満たされますが,上記ドプラ-・

シフトの曲線形は,これの,δ=ω0{2kT/(Mc2)}1/2

=Δ/(2ln2)1/2~Δ/1.18.(2.152)と置いたものに相当します。

そこで,Fj(ω)=(2πδj2)-1/2exp{-(ω-ω0)2/(2δj2)}

(j=1,2)として,F(ω)=∫―∞1(ν)F2(ω+ω0-ν)dν

を計算します。

F(ω)=(2π)-12δ22)-1/2―∞[exp{-(ν-ω0)2/(2δ12)}

×exp{-(ω-ν)2/(2δ22)}dν

-(ν-ω0)2/(2δ12)-(ω-ν)2/(2δ22)

=-(1/2){(1/δ12+1/δ222-2(ω012+ω/δ22

+(ω0212+ω222)}

=-{1/(2δ12δ22)}[(δ12+δ222-2(ω0δ22+ωδ12

+(ω02δ22+ω2δ12)}=-A(ν-B)2+Cと書けば,

A=(δ12+δ22)/(2δ12δ22)},

B=(ω0δ22+ωδ12)/(δ12+δ22)

C={(ω0δ22+ωδ12)2-(ω02δ22+ω2δ12)(δ12+δ22)}

/[(2δ12δ22)(δ12+δ22)]

=-(ω0-ω)2/(2δ12+2δ22) です。

そこで,∫―∞exp{-A(ν-B)2+C}dν=(π/A)1/2exp(C)

={(2πδ12δ22)/(δ12+δ22)}1/2exp{-(ω0-ω)2/(2δ12+2δ22)}

ですから,F(ω)=[1/(2πδ1δ2)]

―∞exp{-A(ν-B)2+C}dν={2π(δ12+δ22)}-1/2

×exp{-(ω0-ω)2/(2δ12+2δ22)}を得ます。[証明終わり]

(注14-3終わり※)

1つの曲線形がLorentz型で,他方がGauss型の場合は,

より複雑な積分:F(ω)={γ/(2π3δ)1/2}

―∞[exp{-(ω-ν)2/(2δ2)}/{(ω0-ν)2+γ2}]dν

=[1/{(2π)1/2δ}]Re[W{(ω0-ω+iγ)/(2/2δ)]].(2.158)

となります。ただし,Wはある複素誤差関数の1種です。

この形はVolgt二地なんだ命名がなされています。

これは,δ→ 0の極限であるLorentz型とγ→ 0の極限で

あるGauss型の中間の形と言えます。

線幅を広げる過程は2つの広い範疇に分けることができて,

それらは相異なる定性的性質で特徴付けられ,また,2つの

基本的曲線形とも関連しています。その1つは遷移周波数を

定めるパラメータの値に統計的分布があるために,いくつか

違った周波数で,それぞれの原子が光を吸収,放出するような

線幅の広がりの原因を持つものです。このような線幅の広がる

過程は一般にGauss曲線形になります。

ドプラー広がりは,この範疇に属し,原子の速度が,それに

関連する統計的パラメータです。他の例は,局所的ひずみに

よるゆらぎが原子の遷移周波数のシフトを引き起こすような

結晶に埋もれた原子による発光のときに現われます。

これらの効果は不均一な広がりの機構の範疇に属します。

 一方,Lorentz曲線形は,光を吸収,放出する原子が,いずれも

残りの原子と同一である,均一な広がりの機構に現われます。

 例えば,放射や衝突による広がりの過程では.原理的に,ある

周波数の光を一群の特定原子に付随させる実験方法が存在する

ことはない,と言えます。

この場合の幅Δωは,原子放射が乱されない有限の平均時間

Δtが存在する結果として現われるものです。量子力学の

不確定性原理,or Fourier変換の性質によると,ΔωΔt≧1.

(2.159)であり,放射過程,衝突過程に対する陽な結果も,これと

一致します。

 

今回も本節がここで終わるので,ここまでにします。(つづく)

 

(参考文献):Rodney Loudon 著

(小島忠宣・小島和子 共訳)

「光の量子論第2版」(内田老鶴舗)

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