2018年4月21日 (土)

対称性の自発的破れと南部-Goldostone粒子(18)

対称性の自発的破れと南部-Goldostone粒子(17) 

から§6.7 Weinberg-Salam模型の続きです。
 

※レプトンとの結合 

弱い相互作用の電荷の変化する部分に関しては(V-A) 

の相互作用であることから,レプトン場は左手型成分: 

ψ((1-γ5)/2}ψのみがSU(2)-2重項で,右手型成分: 

ψ((1+γ5)/2}ψはSU(2)-1重項を取らねばなりません。
 

現在ではe.μ以外に,より重いレプトン:τ粒子の存在が 

知られているので, 

[ν,], μ[νμ,μ],τ[ντ,τ] 

(Y=-1/2),=e. μ=μ. τ=τ(Y=-1) 

と定義します。ここで超弱電荷:Yの値は,Q=T3+Yによって 

決まるものです。
 

こうすれば,. μ.τに対応するニュートリノ:ν.νμ.ντ 

の右手型成分が現われない,ことは注目に値します。
 

零質量?のニュートリノは謂わゆるWeyl場であり 右手型成分 

は元々無いからです。
 

τ粒子の存在が未知であった昔から,質量の違いを除けば全く 

同一の性質を持つ,電子eとμ粒子が何故,存在するのか?という 

ことが謎であり,これは「e-μパズル」と呼ばれていました。
 

現在では,τ粒子まで加わっているため,「e-μパズル」は 

「自然は,何故3度も同じことを繰り返すのか?」という問い 

に直されます。
 

今では,[ν,], μ[νμ,μ],τ[ντ,τ] 

(Y=-1/2),=e. μ=μ. τ=τ(Y=-1) 

に現われる,,μ,τの多重項の繰り返しを.3世代構造 

(3-generation structure)と呼んでいます。
 

これらを用いてレプトン部分のLagrangian:では, 

-2重項がY=-1/2,-1重項がY=-1に対応して,演算子 

Yを,それぞれの固有値に置き換えます。また,(j=e,μ,τ) 

については,1重項なのでT=0です。
 

そこで,Dirac運動項は 

kinlepton=Σj=e,μ,τ[~iγμ{μ(i/2)g'Bμ 

(i/2)(τAμ)}L+R~iγμ(μig'Bμ)], 

nmasslepton=Σj=e,μ,τ(-fj){(~Φ)+R~(Φ)} 

と書けるはずです。
 

(18-1):何故なら、仮にRjもニュートリノを上成分に持つ 

2重項と仮定すれば, 

Dirac質量項=-Σj=e,μ,τ{(~+R~)ij(+R)} 

ですが,~,~に比例する項は恒等的にゼロなので, 

Dirac質量項=-Σj=e,μ,τ{(~ij)+R~ij} 

なります。
 

そして,質量行列:ijはMij=-fiδijと書くことができ,しかも 

この質量も2重項場(Higgs)Φに起因するとして,jを1重項 

に戻し,Hermite性を保持しながら,湯川型を仮定すると, 

質量項=Σj=e,μ,τ(-fj){(~Φ)+R~(Φ)} 

と書けます。  (18-1終わり※)
 

レプトンのDirac質量項は,Higgs-2重項Φとの湯川相互作用 

から,真空期待値:0|Φ()|0>=[0,/2]を得た後に 

初めて現われます。
 

例えば,電子項;j=eの部分は, 

-f{[ν~,~][0,/2]+h,} 

=-(/2)~e=-m~e と解釈されます。 

(※mは電子質量,.cはHermite共役項の意です。)
 

したがって,レプトンの,Higgs-2重項の湯川結合定数: 

,treeレベルで,それぞれの質量に比例し,v=2/gと 

いう以前の評価から,=√2/v=gm/(2) 

書けることになります。
 

そこで,湯川結合定数f,通常,(/)~ m/(2) 

<<1なので,SU(2)の結合定数gに比べてかなり小さい 

ことがわかります。
 

次に,kinlepton=Σj=e,μ,τ[~iγμ{μ(i/2)g'Bμ 

(i/2)(τAμ)}+R~iγμ(μig'Bμ)]μ, 

μ,μ,μ,μ,μに書き換えます。
 

結果,int=-{/(22)}(μμ+Wμμ+) 

-eAμemμ(/cosθ)μμ が得られます。
 

ただし,μ4-Fermi相互作用の荷電カレントのレプトン 

部分:leptonμ2(1i2)leptonμであり  

leptonμ=e~γμ(1-γ5)ν+μ~γμ(1-γ5)νμ

+τ~γμ(1-γ5)ντ で与えられます。
 

emμは電磁相互作用カレントで,これは 

leptonemμ=-(~γμe+μ~γμμ+τ~γμτ)の意味です。
 

また,μはZボソンの結合する中性カレントで 

Zμ(3)leptonμsin2θleptonemμであり 

(3)leptonμ=Σj=e,μ,τ{~γμ(τ3/2)}です。
 

(18-2):Dirac相互作用における電子項;j=eの部分のみ 

に着目し,1μ(1/2)(μ+Wμ),

2μ(i/2)(μ-Wμ), 

3μcosθμsinθμ,

μ=-sinθμcosθμ を代入します。

特に,τAμ=τ11μ+τ22μ+τ33μ 

(1/2){(τ1iτ2)μ(τ1iτ2)+μ} 

τ3(cosθμsinθμ) です。
 

~iγμ{μ(i/2)g'Bμ(i/2)(τAμ)} 

+R~iγμ(μig'Bμ) 

=e~iγμμe+νeL~iγμμνeL 

(g'/2)(~γμ+e~γμ+νeL~γμνeL) 

(sinθμcpsθμ) 

(/2)}[νeL~,~]γμ 

×[(1/2){(τ1iτ2)μ(τ1iτ2)+μ} 

+τ3(cosθμsinθμ)][νeL,]
 

=e~iγμμe+νeL~iγμμνeL(~γμ)(eAμ) 

(~γμ)(’sinθμ) 

+(1/2)(~γμ-νeL~γμνeL)gZμ/cosθ 

(/2)}(νeL~γμ )μ(νe~γμνeL )+μ} 
 

(※※ここで,紛らわしいのですが,(eAμ)の係数eは電子 

の電荷でe=-gsinθ=-g’cosθW 0であり, 

cosθ=g/(2+g'2)1/2,sinθ=g'/(2+g'2)1/2 

より,g'sinθW +gcosθW (2+g'2)/(2+g'2)1/2 

(2+g'2)1/2=g/cosθ,っです。それ故 

g'sinθμ=g'2μ/(2+g'2)1/2 

=gsin2θμ/cosθを用いました。)
 

μ粒子部分,τ粒子部分についても同様です。
 

(18-2終わり※)
 

電磁相互作用項:-eAμemμ,丁度,荷電レプトンの 

運動項:Σj=e,μ,τψ~iγμμψの∂μを共変微分の形の 

極小相互作:iμ(iμ-eAμ),or μ(μieAμ) 

にすることに相当しています。
 

Wボソンの荷電カレントのレプトン項: 

{/(22)}(μμ+Wμμ+)を用いて前掲の図6.12 

の型no]Feynmanグラフの寄与を計算すれば,Wボソンの質量 

に比して低エネルギーの領域(2<<M2)では実質上 

4-Fermi相互作用:Fermi=-(/2)μμ を再現します。
 

つまり,2<<M2)では,(2-M2)~ -M2より, 

{i/(22)}2μ(iμν)(2-M2)-1μ  

~-i(/2)μμ  なる対応です。
 

よって./2=g2/(82)より,Wの質量は, 

{22/(8)}1/2{22/(8sin2θ)}1/2 

(37.3/|sinθ|)GeVと評価されます。
 

2(2+g'2)2/4=M2/cos2θを用いると 

=M/|cosθ|~(74.6/|sinθ|)GeV, 

/2=√2/g={2/(4)}1/2 174 GeV,
 

こうして, /2がパラメータ無しで決まったことに 

着目します。これはSU(2)×U(1)→ U(1). 

自発的破れの特徴的スケ-ルが100 GeV程度であること 

を示しています。
 

さらに電荷を持たないZボソンと中性カレントJμ 

相互作用項があり,Zボソンを媒介とする図6.12,旧来 

4-Fermi相互作用では知られてなかった,中性カレント 

相互作用:(1/2!)(/cosθ)2Zμ(μν)(2-M2)-1μ  

~ -(4/2) Zμμ が存在することを予言します。
 

これの存在は,実際,()ニュートリノと電子(陽子)の弾性散乱 

ν~e→ν~, νμ~e→νμ~, νμe→νμ, 

ν~p→ν~, νp→ν..などで観測され,それらの 

データからWeinberg角因子:sin2θが決定されました。
 

最近の値は,sin2θ0.2325±0.0008です。
 

これを用いれば,,Zボソンの質量は, 

77.GeV, 88.3GeVと予言されます。
 

果たして1968,CERNRubbiaらによって,遂に発見 

されたW,Zボソンはその質量の観測値が 

(80.26±0.026)GeV,(91.17±0.02)GeVでした。
 

上述の予言値は,これとよく一致していますが,ループグラフ 

の補正計算では,予言値が23%大きい方に修正されて 

80GeV, 91GeVとなり,理論と実験の一致は驚く 

ほど良いです。
 

※ここまで得た結果と,まだ詳しく考察してない部分を

要約します。 

前回記事では,ゲージ場とHiggs場のLagrangian 

ゲージ場Higgsと書くと, 

ゲージ場=-(1/4){μν-∂νμ-g(μ×ν)}2 

(1/4)(μν-∂νμ)2 

=-(1/4)μνAμν(1/4)μνZμν 

(1/2)(μννμ)(μννμ) 

i(||μν+gcosθZμν)μ+ν 

(2/2){|μμ|2(μμ)2}であり,
 

Higgs|μΦ|2+μ2ΦΦ-(λ/2)(ΦΦ)2, 

μ=∂μ(i/2)μ(i/2)(τAμ) 

であることを見ました。
 

今回,レプトンのDirac運動項: 

kinlepton=Σj=e,μ,τ[~iγμ{μ(i/2)g'Bμ 

(i/2)(τAμ)+R~iγμ(μig'Bμ)], 

の計算から,
 

kinlepton=Σj=e,μ,τ[~iγμμ+R~iγμμ] 

intであってレプトンとゲージ場の相互作用項:int 

,int=-{/(22)}(μμ+Wμμ+) 

-eAμemμ(/cosθ)μμ で与えられる 

ことを見ました。
 

また,レプトンのDirac質量項は, 

nmasslepton==-Σj=e,μ,τ{(~ij)+R~ij} 

=Σj=e,μ,τ(-fj){(~Φ)+R~(Φ)} 

で与えられることも見ました。
 

残るHiggs2重項場:ΦのセクターのLagrangian, 

Higgs|μΦ|2+μ2ΦΦ-(λ/2)(ΦΦ)2 ですが, 

Higgs|{μ(i/2)g'Bμ(i/2)(τAμ)}Φ|2 

+μ2ΦΦ-(λ/2)(ΦΦ)2 ,g'→ 0 の極限で 

Higgs-Kibble模型と同じものに帰着する,と書きました。
 

SU(2)Higgs-Kibble模型での考察と同じく, 

Higgs2重項Φは,Φ()[φ1,φ2] 

(1/2){v+ψ()iχ()τ}[0,1] 

(1/2)[-χ2()-iχ1(),v+ψ()iχ3()] 

(ψ,χ[χ1,χ2,χ3]は実スカラー場) 

で与えられる,とします。
 

SU(2)対称性が破れる原因となる真空期待値は, 

0|Φ()|0>=[0,/2]であり, 

0|ψ()|0>=<0|χ()|0>=0 です。
 

明らかに,対称性の破れにより生じた零質量のNG 

ボソンがχ[χ1,χ2 ,χ3]ですが,粒子の電荷Qは, 

Q=T3+Yを満たします。
 

Φの弱超電荷をY=1/2として,Φ()[φ1,φ2] 

(1/2)[-χ2()iχ1(),v+ψ()iχ3()] 

Φの下成分(3=-1/2)の電荷がQ=0となるように 

このYを設定したのでした。
 

したがって,上成分(31/2),電荷Q=+1を持つはず 

です。
 

まず,χ[χ1,χ2 ,χ3],SU(2)のベクトルなので 

T=1であり,ψはスカラーなのでT=0です。 

これらは,3|χ3>=|χ3,|χ3>=χ3|0,3|ψ>=0, 

|ψ>=ψ|0>より,[3,χ3]=χ3,[3,ψ]0 

意味します。
 

故に,[3,φ2][3,ψiχ3]iχ3です。 

そこで, [,φ2][,ψiχ3}[3+Y,ψiχ3] 

0 であれば,[,ψiχ3]=-iχ3 

でなければなりません。
 

そこで,ψについての弱超電荷はY=0 [,ψ]0 

と仮定すれば,[, χ3]=-χ3となることが必要です。
 

それ故,NGボソン:χ[χ1,χ2 ,χ3]の弱超電荷は 

Y=-1,[,χa+]=-χa+(a=1,2,3)であると 

します。
 

こうすれば,Φ()[φ1,φ2]において, 

[,φ2}0,[,φ1}=φ1となり,上述したように 

Φの下成分がQ=0,上成分がQ=+1を持ち,質量mの 

Higgs粒子ψは如何なる量子数も持たない,ということで 

全て辻褄が合います。
 

Higgs-Kibble模型の共変微分は,Weinberg-Salam模型の 

μΦ={μ(i/2)g'Bμ(i/2)(τAμ)}Φ 

において,g'=0としたDμΦ={μ(i/2)(τAμ)}Φ 

です。
 

Higgs-Kibble模型においては, 

|μΦ|2(μΦ)μΦ=(1/2)(μψ)2 

(/2)μ{χ(μψ)-ψ(μχ)χ×(μχ)} 

(1/2)(μχ-Mμ)2(/2)MAμ2ψ 

(2/8)μ2ψ2(2/8)μ2χ2でした。
 

μの獲得する質量はM=gv/2|μ|(2/2λ)1/2 

でした。
 

これはWeinberg-Salam模型では, 

|μΦ|2|{μ(i/2)g'Bμ(i/2)(τAμ)}Φ|2 

であり,このうちゲージ場の質量項は(ゲージ場質量項) 

|(i/2){g'Bμ+g(τμ)}[0,/2]|2 

(22/8){(1μ)2(2μ)2} 

(2/8)(μ-gA3μ)2
 

=M2μμ(1/2) 2μμ 

で与えられることを見ました。
 

Higgs機構により,元々零質量のゲージ場:μ,μが獲得 

する質量M,,2=g22/4,2(2+g'2)2/4 

=M2/cos2θW です。
 

g'に無関係な項は,Higgs-Kibble模型と同じで, 

μ2ΦΦ-(λ/2)(ΦΦ)2  

=-(1/2)2ψ2+V0[/2)] (λ/8)(ψ+χ2)2 

(1/2)m√λ)ψ(ψ+χ2) です。
 

ただし,ψの獲得する質量mは,22μ2,/2(μ2/λ)1/2 

で与えられ,-V0[/2](1/2)μ22(λ/8)4です。
 

今回はここまでにし次回からはハドロン(クォーク)との 

結合等について考察します。
 

(参考文献):九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論() 

(培風館)

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2018年4月12日 (木)

対称性の自発的破れと南部-Goldostone粒子(17)

「対称性の自発的破れと南部-Goldostone粒子(16) 

からの続きです。
 

有名な弱・電磁相互誤差用の模型を解説します。
 

§6.7 Weinberg-Salam模型 

対称性の自発的破れたゲージ理論は,弱・電磁相互作用 

(weak-electromagnetic interaction)を記述するのに 

適用され非常な成功を収めました。ここでは,今日, 

Weinberg-Salam模型,あるいは,標準模型(standard-midel) 

と呼ばれる模型の基本的部分を紹介します。
 

※ゲージ群;SU(2)×U(1) 

多くの実験的,理論的研究を経て,1960年代半ばには,弱い 

相互作用に関して,次のことが明らかにされていました。
 

弱い相互作用(の電荷の変化する過程に関する部分), 

Fermi=-(/2)μμ なる4-Fermi相互作用で 

記述できて,荷電(Charged)カレント:μはレプトン部分 

とハドロン部分から成り:μ=Jμ(lepton)+Jμ(hadron),
 

この両者とも,謂わゆる(V-A)型カレント,つまり, 

(ベクトルカレント:μ)-軸性ベクトルカレント:μ) 

で与えられます。
 

例えば,μ(lepton),電子:eと電子ニュートリノ:ν, 

μ粒子;μとμ-ニュートリノ:νν,を用いて, 

μ(lepton)=e~γμ(1-γ5)ν+μ~γμ(1-γ5)νμ 

で与えられます。ここでe, νetc.,対応する粒子の 

Dirac場を示しています。
 

カレントJ μ(lepton),左手型レプトンのSU(2)-2重項: 

[ν.] {(1-γ5)/2}[ν.],および, 

μ[νμ.μ] {(1-γ5)/2}[νμ.μ]T を定義して,
 

それらのSU(2)カレント: μ(a=1,2,3) 

μ=L~γμ(τ/2)+Lμ~γμ(τ/2)μ, 

(τPauli行列)によって導入すれば,  

μ(lepton)2(1μi2μ)2(1i2)μ, 

μ(lepton) 2(1μi2μ)2(1i2)μと書けます。
 

SU(2)カレント:μ;[τ/2,τ/2]iεabc(τ/2) 

より,明らかに, 

∫d3[0(,),μ(,)]iεabcμ() 

のSU(2)代数を満たしており,弱い相互作用に現われる 

荷電レプトンカレント: μ(lepton) ,μ(lepton),その(1±i2) 

成分であるということです。
 

ハドロン部分; μ(hadron) ,μ(hadron)も全く同様で.全体の 

μ=Jμ(lepton)+J μ(hadron) も同じSU(2)代数構造を持つ 

ことが知られています。このSU(2)を「弱アイソスピン」 

(weak isotopic spin)と呼び,SU(2)と記します。
 

Fermi=-(/2)μμ Fermi結合定数:Gの大きさ 

,μ粒子の崩壊(μ→e+ν~+νμ)の確率などから, 

を陽子質量として,G ~ 1.01×105-2  

1.166×105(GeV-2)で与えられることが知られています。
 

以上の現象論的事実から,弱い相互作用を(対称性の自発的に 

破れた)ゲージ理論で記述するには,ゲージ群として少なくとも 

上の弱アイソスピン:SU(2)を含まなければならないことが 

わかります。
 

すなわち, SU(2)のカレント:μに結合する質量がMの 

Yang-Mills場が存在すれば,6.12に示すfeynmanブラフに 

より,低エネルギー領域:2<<M2, 

Fermi=-(/2)μμのカレント・カレント型の 

4-Fermi相互作用が誘起されるからです。
 

このSU(2)の生成子をT(a=1,2,3)とし,その大きさ 

をTとします。
 

ところが,先に,[ν.] {(1-γ5)/2}[ν.], 

μ[νμ.μ] {(1-γ5)/2}[νμ.μ]T で与えた 

レプトンのSU(2)-2重項(=1/2),31/2の主成分: 

νやνμは電荷Qがゼロ,3=-1/2の下成分eやμは, 

電荷Qが(1)であり,SU(2)群が電磁相互作用の群: 

(1)EMと直交していないことを示しています。
 

つまり,もしU(1)EMがSU(2)と直交した群であったら, 

SU(2)2重項:[ν.] ,μ[νμ.μ] , 

上成分も下成分も同じ電荷を持って弱い相互作用と電磁 

相互作用が独立にゲージ化できたのですが,実際にはそう 

ではありません。(※言い換えると.[ν.] , 

μ[νμ.μ] ,SU(2)2重項として, 

exp(iθ)∈SU(2)に対して2次元回転を 

受けますが,EMexp(iQθ)∈U(1)EMに対して, 

[ν.] →UEM[ν.] [EMν. EM]  

[ν.] とはならないのでSU(2)群がU(1)EM 

と直交していないのです。)

ここに,弱・電磁相互作用を同時に絡めて考えざるを得ない 

必然性があります。すなわち,統一せざるを得ないのです。
 

そこで,SU(2)に直交したU(1)群を導入して,(1) 

記し,その電荷(生成子)を弱超電荷(weak-supercharge) 

呼び,Yとします。レプトンSU(2)2重項:,μ, 

弱超電荷:Y=-1/2を付与することにすれば,電磁相互作用 

の電荷Qは.Q=T3+Yで与えられることになります。
 

この関係式:Q=T3+Yでは電磁道後作用U(1)EMの生成子Q 

,(1)の生成子YとSU(2)の第3成分の生成子T3 

与えた代数の間の関係式であり,単に上のレプトン2重項のみ 

ならず,任意の多重項の上で成立すべきものです。
 

したがって,出発点で採用すべきゲージ群Gは, 

G=SU(2)×U(1)であり,電荷Qに結合する電磁場は, 

Q=T3+Yにより,SU(2)のゲージ場の第3成分とU(1) 

のゲージ場の線形結合で与えられることがわかります。
 

このとき,最終的な零質量ゲージ粒子は光子のみでなければ 

ならないので,Q=T3+Yのみを残し,他の対称性は全て 

自発的に破れなければなりません。 

すなわち,G=SU(2)×U(1)から,(1)EMへと破れます。
 

※ゲージ場とHiggs場の部分 

ゲージ群:SU(2)×U(1)に対応して,SU(2)のゲージ場 

:μ=[1μ,2μ,3μ]とU(1)のゲージ場;μを導入します。 

そのLagrangian,次のゲージ場で与えられます。
 

ゲージ場=-(1/4){μν-∂νμ-g(μ×ν)}2 

(1/4)(μν-∂νμ)2です。
 

gはSU(2)の結合定数です。一方,以下で現われるU(1) 

の結合定数はg'とします。(g>0,g'>0)
 

G=SU(2)×U(1)→ U(1).M の自発的破れを起こす 

べく,前のHiggs-Kibble模型と同様なSU(2)-2重項の複素 

スカラー場:Φ(Higgs)を導入し,以前と同じ真空期待値を 

持つようにします。<0|Φ|0>=(1/2)[0,]です。
 

このとき, (1).の対称性:Qを壊さないためには,真空 

期待値を持つ2重項場:Φの下成分(3=-1/2),Q=0の場 

でなければなりません。
 

それ故,Higgs2重項場:Φには,弱超電荷:Y=1/2を付与します。 

それに対応した共変微分を用いて, 

Higgs2重項場:ΦのセクターのLagrangian, 

Higgs|{μ(i/2)g'Bμ(i/2)(τAμ)}Φ|2 

+μ2ΦΦ-(λ/2)(ΦΦ)2 で与えられます。
 

これは,g'→ 0の極限でHiggs-Kibble模型と同じものに 

帰着します。
 

真空期待値:0|Φ|0>=(1/2)[0,]を実現する破れた 

真空の上で,ゲージ場:μ,μの質量項は,treeレベルで 

運動項:|μΦ|2において,Φを[0,/2]なる値に置換 

した項から生じます。

つまり, 

(ゲージ場質量項)|(i/2){g'Bμ+g(τμ)}[0,/2]|2 

(22/8){(1μ)2(2μ)2}(2/8)(g'Bμ-gA3μ)2 

です。
 

したがって,ゲージ場を組みかえて,μ=(1/2)(1μi2μ), 

μ=(1/2)(1μi2μ), 

そして,[μ,μ][gA3μ-g'Bμ,gA3μ+g'Bμ]  

/(2+g'2)1/2exp(iτ3θ)[3μ,μ]T  

と定義し直します。
 

ここに,osθ=g/(2+g'2)1/2 , 

sinθ=g'/(2+g'2)1/2であり,exp(iτ3θ) 

は3軸の回りの角度θの回転を意味します。 

このθWeinberg角と呼ばれます。
 

すると, ゲージ場質量項は,対角化されて 

(ゲージ場質量項)=M2μμ(1/2) 2μμ 

を得ます。ただし.2=g22/4,  

2(2+g'2)2/4=M2os2θです。
 

ゲージ場とHiggs場のLagrangianゲージ場Higgs 

と書くと,これは, 

ゲージ場=-(1/4){μν-∂νμ-g(μ×ν)}2 

(1/4)(μν-∂νμ)2,であり 

Higgs|μΦ|2+μ2ΦΦ-(λ/2)(ΦΦ)2, 

μ=∂μ(i/2)μ(i/2)(τAμ) 

でした。
 

これに,以下の逆変換;を代入してA1μ,2μ,3μ,μ 

を消去します。。すなわち,1μ(1/2)(μ+Wμ), 

2μ(i/2)(μ-Wμ),3μcosθμsinθμ, 

μ=-sinθμcosθμ,および,
 

[μ,μ][gA3μ-g'Bμ,gA3μ+g'Bμ]  

/(2+g'2)1/2exp(iτ3θ)[3μ,μ] 

を代入するわけです。
 

すると, 

ゲージ場=-(1/4)μνAμν(1/4)μνZμν 

(1/2)(μννμ)(μννμ) 

i(||μν+gcosθZμν)μ+ν 

(2/2){|μμ|2(μμ)2} 

となります。
 

ここで,同一の点において,1,2,3,Bは全て交換可能なBoson 

であり,,,,Aもまたそうです。
 

そして,μν,μν,χμν=∂μχν-∂νχμ(χ=A,) 

を意味します。また,2=g22/(2+g'2), 

||=g'cosθ=gsinθW です。
 

νの共変微分μν,gA3μ 

(gg'Aμ+g2μ)/(2+g'2)1/2 

||μ+gcosθμを用いて 

μν(μigA3μ)ν 

=(∂μ+i|e|Aμicosθμ)νで与えられます。
 

電磁相互作用:(1).に関しては,この荷電ベクトル場: 

νに対する共変微分は(μi||μ)(μieAμ) 

となっていて,e<0が電磁相互作用の結合定数を与える 

ことがわかります。
 

(17-1):上の結果を具体的で地道な計算で示します。 

μ1ν-∂ν1μ-g(2μ3ν-A3μ2ν) 

(1/2)(μ1ν-∂ν1μ)(1/2)(μ1ν-∂ν1μ) 

-g(i/2)(μ-Wμ)(cosθνsinθν) 

+g(i/2)(ν-Wν)(cosθμsinθμ) 

(1/2){(μ1ν-∂ν1μ)

i(cosθνsinθν)μ 

i(cosθμsinθμ)ν} 

(1/2){(μ1ν-∂ν1μ)

i(cosθνsinθν)μ 

i(cosθμsinθμ)ν}
 

同様に,μ2ν-∂ν2μ-g(3μ1ν-A1μ3ν) 

(1/2){(μ1ν-∂ν1μ)

i(cosθνsinθν)μ 

i(cosθμsinθμ)ν} 

(1/2){(μ1ν-∂ν1μ)

i(cosθνsinθν)μ 

i(cosθμsinθμ)ν}
 

後は計算結果だけ書きます。 

μ3ν-∂ν3μ-g(1μ2ν-A2μ1ν) 

cosθμνsinθμνi(μν-Wμν),
 

μν-∂νμ=-sinθμνcosθμνです。
 

それ故,これらを

ゲージ場 =-(1/4){μν-∂νμ-g(μ×ν)}2 

(1/4)(μν-∂νμ)2

に代入すれば得られます。 (17-1終わり※)
 

途中ですが,今回はここまでにし,レプトンとゲージ場 

の結合や物質場(Higgs)についての項は次回に回します。
 

(参考文献):九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論() 

(培風館)

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2018年4月10日 (火)

訃報!!月亭可朝さん

落語家の月亭か朝さんが去る3月28日に急性肺繊維症のため亡くなっていたことがわかりました。享年80歳でした。

朝日新聞デジタル →  落語家の月亭さん死去

「月亭可朝」の画像検索結果

独特なメガネにハットというイデタチとオッパイギャグの「嘆きのボイン」のヒット曲でも一世を風靡しました。

生まれは関東ですが関西の桂米朝の弟子で異色お笑いタレントのハシリという存在であったと思います。初めて聞いたときには「ボイン」とは何?と思いましたが,その後「コイン」とか「ナイン」とか,回転速く発せられる造語の数々に感心したものでした。

ご冥福をお祈りします。合掌!!

PS:4月10日は2007年に順天堂の心臓血管外科で心臓バイパス手術を受けて命を拾った11年目の記念日です。

私の糖尿病が発覚したのは昭和63年(1988)の38歳前後で,この病気は,慢性病で何らかの合併症が起きない限りは一応日常は病気を意識せずに普通に生活できました。もっとも定期的に外来診療を受け血糖降下剤は飲んでたりしていましたが。。

そして2006年56歳の暮れに急に肺に水が溜まったせいでセキが止まらず呼吸が苦しくなり,ときどき,狭心症の発作が起きるという心臓病が発症して,やがて4月には心臓バイパス手術を受けて命を拾うことになりました。

一応,狭心症や心筋梗塞の危険性からは救われる結果になったのでした。

あれから10年以上も経ちました。心臓は動いてますが目と足が不自由です。

人工透析をしていないだけ,まだましですが。。全ては糖尿病が源です。

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訃報!高畑勲さん

ジブリのアニメ映画の巨匠:高畑勲監督が去る4月5日肺がんもため死去されたそうです。享年82歳でした。

最新ニュース →   高畑勲監督 訃報 「高畑 勲」の画像検索結果

高畑勲監督の名前を知ったのは,その昔1990年代初めオーヂィオ・ヴィジュアルにはまりLDプレイヤーを買って,色々な映画などを鑑賞していたころ,たまたま,,ジブリのアニメ映画「火垂るの墓」を見たときでした。

後に「アルプスの少女ハイジ」などの名作も手掛けた人と知りました。 

私にはテーマが翔びすぎていて難しいと感じる同じジブリの宮崎映画とは違い,より身近で社会的テーマで思春期や立派な大人向けのアニメのように思えるものが多い,と感じていました。

「火垂るの墓」という自伝的小説の原作者:野坂昭如氏について,本ブログの2015年12/12の訃報記事:「訃報!!野坂昭如さん逝く」から引用します。

ずっと後になって,ジブリのアニメ映画で「火垂るの墓」を見て,感涙し昔読んだ短編がこういう内容だったのか?と驚き,改めて文庫本になっていた小説を購入して読み返したりしてみました。

「火垂る の 墓」の画像検索結果

 やはりあまり感情表現のない事実の羅列だけの短編でした。内容はアニメ通りなのですが,アニメにならないとわからないほど淡々とした文章でした。

 私にはこの文章だけから,あの感動的内容を読み取るほどの能力が欠けていたし今でも欠けているようです。

 神戸での空襲と妹を亡くした経験,後悔から書いたものでしょう。

 これから,あの感動的内容を読み取って表現した監督を尊敬してました。

 ご冥福をお祈りします。合掌!!

PS:私事ですが,最近寒暖差があって急変するので自律神経的に体調がオカシく寒いのか暑いのか?もジジイの脳は判断ができないようで,昨日は微熱がありました。

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2018年4月 1日 (日)

三つ子のタマシイ百まで(ユメは今も消えず)

今や体を動かすのも不自由で,,やがて古希を迎えようとしているジジイで,何とか生き延びてきた挙句,,ビンボーでギリギリ生活してるのに,ワークという名前だが一円にもならないライフワーク,またはユメだけは残っていて,冥途への旅=夢の途中です。

ジジイのユメというのは「神しか知らないことを自分の認識能力内で理解すること」です。科学ブログを書く作業も含め,過去の知見を学習し反芻する中から,温故知新,なにか見いだせるハズ。。この意欲が消えて頭までボケてしまえば,人生はジ・エンドですが,。。。まだ楽しいです。

大発見して栄誉を得るのが目的じゃなく,他人であっても発見して教えてくだされば満足です。。。

いまさら,何らかの宝クジ的間違いで大金を得たとしても,それは,「星の銀貨」ではないが,自分のギリギリの食い扶持だけを取って,残りは貧しき人々にバラまくのみです。

「何らかの天賦の才能がある人と知的障害者を比較して何が違うのか?」自分の生まれた国や地方、その気候,親兄弟などの生家の環境,ものごころついて以後,自ら努力するかどうか?も含めて,高々,環境と遺伝子の違いだけであり,自分の能力がこの世でタマタマ優れていたとしても,,「人間は全て同じ人間である,人に優劣はないし,職業にも貴賤はない。」ということなどを,タテマエでなく本音で体感しない限り,この年齢,この状況で他人にヤサシクなることなどできませんネ。

(※衣食足りて礼節を知る,ウンまだ余裕ですね。。)

PS:また気まぐれで,安い66健のキーボードを買って,ピアノの独習を始めましたが,独習では大変です。でも寿命以外に期限はないし急ぐタビでもないのでそのうちに。。。 

そうこうしてるうち,とりあえず子供のころ少しやっていたハーモニカを吹く方が,てっとりばやいと思いました。安いハーモニカを,Amazonで見つけ入手,そのうち,,聞かせられるようになったらヨウツベに投稿するかも。。生きてたら。。。

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対称性の自発的破れと南部-Goldostone粒子(16)

「対称性の自発的破れと南部-Goldostone粒子(15) 

からの続きです。 

Higgs現象の項の続きです。 

カラー閉じ込めの論議に入ります。
 

※カラー閉じ込め
 

既述のようにQCDにおいて,クォークやグルオンなど全て 

カラーを持った粒子(大局的ゲージ対称性群Gの1重項で 

ないもの)は最終的には物理的粒子として現われないと 

予想されており,これを「カラー閉じ込め」と呼びました。
 

既述のHiggs現象逆定理でおいた条件det(+u)0 

が成立しない場合,つまり,det(+u)0の場合,という 

のは,実は大変重要な場合で.正にこのカラー閉じ込めを 

実現する1つの十分条件を与えます。
 

以下,簡単のため,∝ δの場合のみを考えると, 

次の定理が成立します。 

(※この場合,det(+u)0,=-δと同値)
 

[定理]:u=-,つまり,=-δが成立するならば, 

カラー対称性は自発的に破れておらず,かつ,カラー閉じ込め 

が実現している。
 

すなわち,物理的粒子(BRS1重項)は全てカラー1重項で 

あり,カラーを持つ粒子は全てBRS4重項表現に属する。
 

(証明):ここまでの論議から,大局的カラー対称性変換の 

Noeter保存カレント:μ()について,Maxwell方程式; 

gJμ()=∂ννμ(){,μ~()} 

が成立し, そして,0 → ±∞の極限において 

μ() → vμβ().., 

μ~() (+u)μγ~().., 

ννμ() → wμβ()..  

なる漸近的性質があることがわかっています。
 

ここで.BRS4重項漸近場として, 

{i,γ~()}iβ()が成立するため, 

{,μ~} (+u)μβ()..  

ですから,Maxwell方程式は,gv=w-(+u) 

を意味します。
 

そこで,+u=0なら,gv=wb です。 

b==vδ,=wδと書けば,gv=wです。
 

修正NoetherカレントをJμ()-ω∂ννμ(), 

ω=v/w=g-1という組み合わせで作ると,これは 

危険な零質量1粒子項:μβa()を含まないので 

カラー電荷:=∫d3{0()-g-10()} 

は無矛盾(Well-defined)な演算子となります。
 

よって,カレントが零質量1粒子状態を含まないので, 

カラー対称性は全チャネルで自発的に破れていません。

ところが,gJμ()=∂ννμ(){,μ~()} 

ですから,0()-g-10()=-g-1{,0~} 

より,=-g-1∫d3{,0~()}です。
 

それ故,任意の物理的状態:|f>,|g>∈physに対して,  

|f>=0, |g>=0より,<f||g>=0  

得ます。
 

特に,|f>,|g>∈physをBRS1重項の任意の物理的 

粒子状態:i|0,i|0>に取れば, 

0|ij|0>=0 ですが,これらがカラー対称性の 

生成子:の表現行列:(a)ijの表現空間に属する基底 

を成す粒子状態であれば,[,i](a)jiiです。
 

(※ 何故なら,[,i]=-(a)ijj,であり,カラー電荷 

Hermite(実数)なので,aHermite行列です。 

すなわち,(a)ji(a)ijだからです。)

  ここで,[i,j]=δijを用いれば.  

<0|ij|0>=<0|i[,]|0 

<0|i(a)kj|0>=(a)jiですから,結局,  

(a)ji0 を得ます。

この,全てのaについて表現行列がゼロということは, 

BRS1重項粒子:k|0>は全て,カラー1重項状態 

でもあることを意味します。 (証明終わり) ※)
 

ここで,いくつかのコメントを与えておきます。
 

()u=-1の条件は上述のようにカラー閉じ込めの1つの 

十分条件です。しかし,この条件が必要条件でもある?という 

ことについての論議もいくつかあります。
 

つまり,「カラー対称性が自発的破れを起こしていなければ 

u=-1である。」という命題ですが,これは未だ証明 

されていません。
 

() u=-のとき,もしクォーク場:ψi(),ゲージ場: 

μ()に漸近場が存在したとすると,それらはカラーを持つ 

ので,それらはBRS4重項でなければなりません。
 

例えばψi()のBRS変換は,[iλQ,ψi()] 

=-iλgc()()ijψ()ですが, 

これはクォーク場:ψi()が漸近場:ψasi()を持てば,必ず, 

右辺のクォ-クとFPゴーストの複合Heisenberg:  

()()ijψ(),結合状態(共鳴状態,または 

束縛状態):asψi()が形成されて, 

[iλQ,ψasi()]=-iλCasψi()を満たすBRS 

2重項:(ψasi,asψi)となる必要があることを意味します。
 

ゲージ場の場合も,[iλQ,μ()]=λDμ() 

より,μにベクトル漸近場が存在すれば,右辺の 

μ=∂μ-g(μ×),ゲージ場とFPゴースト 

の結合状態が現われることになります、
 

すなわち,u=-で実現されているカラー閉じ込めは, 

クォークやグルオンの漸近場が現われないこと,を主張するの 

ではなく,むしろ,それらの漸近場がQEDや摂動ゲージ理論の 

縦波・スカラーモードや素FPモードと全く同様に,BRS 

4重項機構によって閉じ込められる,ことを意味します。
 

() u=-の条件は,実は,非物理的セクターで,既に多くの 

結合状態が存在することを意味しています。

まず,前記事でも書いたように, 20182/23 

「ゲージ場の量子論(31)」では,ゲージ理論では 

常にゲージ群の添字aの各々で,必ず,零質量BRS 

4重項=素4重項が存在し,Heisenberg:μ,, 

μ,~の中に,0 → ±∞ において, 

μ() → ∂μχ()..,() → β().., 

μ() → ∂μγ().., 

~() → γ~()..,なる漸近場: 

(χ,β,γ,γ~)が存在する,という形で含まれる 

ことを示しました。
 

この常に存在する素4重項の漸近性を,μ → ∂μχ, 

→ β,μ → ∂μγ,~ → γ~a により 

簡明に表記することにします。
 

ところが,前に注意したように,Landauゲージ:α=0では, 

FP共役変換;FPが存在して,このFP変換から, 

~=-Bi(c×c)→ β~, 

μ~→ ∂μΓ~,→ Γ 

を満たす漸近場:(β~,Γ~, Γ) 

FP(β,γ,-γ~)FP-1 

が存在することもいえます。
 

(16-1):過去記事「ゲージ場の理論(24)」では, 

次のように書いています。
 

※FP共役変換と反BRS対称性 

ゲージ固定条件:∂μμ+αB0Landauゲージ: 

α=0 を採用した場合,μμ 0ですから,FPゴースト 

と反ゴーストの運動方程式:μμ=Dμμ~0 

は同じ形:μμ=∂μμ~0 になります。
 

(※何故なら,μμ 0 なので, 

μ~=∂μ~-gfabcμ~ 

より,μμ~=∂μμ~-gfabcμμ~ 

=Dμμ~となり.μとDμが交換するからです。)
 

そこで,とc~の入れ換えに対する対称性がある 

と予想されます。
 

実際α=0の場合,GFFP  

=-∂μμi(μ~)μa  

=∂μ~μi(μ)μ~a  と書けます。
 

ここで,~,+B~=-i(c×c)で定義 

されます。
 

それ故,LandauゲージのLagrangian, 

FP:→ c~,~→ c,→ B~ 

という変換に対して明らかに不変です。
 

ただし,ゲージ場:μと物質場:φlは変換されない 

とします。この変換をFP共役変換と呼びます。
 

そしてBRS電荷QのFP共役変換:FPFP-1 

をQ~と記し,反BRS電荷と呼びます。
 

~の引き起こす変換を,[iλQ~,Φ]=λδ~Φと 

すると,[iλQ~,μ]FP[iλQ,μ]FP-1 

=λFP(μ)FP-1=λDμ~=λδ~μ 

と書けます。
 

そして,このδ~を反BRS変換と呼びます。 

δ~μ=Dμ~, δ~φi=-igc~()ijφj , 

δ~i~, δ~~(/2)(~×c~)a , 

となります。δ~~0 も明らかです。
 

Landauゲージの場合,この反BRS変換が 

Lagrangian:~の不変性を与えることは明らかです。
 

(16-1終わり※)
 

もちろん,摂動論においては,係数を除いて,-β~=β, 

Γ=γ,Γ~=γ~であり,新たな漸近場ではないとも 

考えられます。
 

しかし,u=-の場合は,行列uの定義でもある 

μ~ (+u)μγ~..,から, 

μ~の中の∂μγ~は無くなってしまいます。それ故, 

Γ~=γ~であれば矛盾するため,Γ~はγ~とは別物 

であり,そのFP変換であるγとΓも別物です。
 

また,γ~はBRS2重項の親粒子でしたが,Γ~は子供粒子 

でなければなりません。すなわち,{,Γ~}0 です。
 

何故なら,WT恒等式: 

0=<0|{,μ~()ν()}|0 

=<0|[{,μ~()}ν()]|0 

+<0|{μ~()ν()}|0,および, 

.. 0|[{,μ~()}ν()]|0 

=-(μν/2)δab{μν(μν/2)}ab(2)
 

より,ab(2)=-δabなら,左辺=-gμνδab 

=-F..0|{μ~()ν()}|0>です。
 

よって,このGrren関数:  

0|[{,μ~()}ν()]|0, 

0|{μ~()ν()}|0>の双方にp20 

極は存在しません。
 

ゲージ場:νはBRS子供演算子ではない一般のベクトル 

演算子ですから,これは{,μ~}が零質量スカラーも 

零質量ベクトルも含まないことを意味します。
 

(※もちろん,全く形式的には,{,μ~}にp20 の極 

があるが,ゲージ場:νを相手にしたときのみ,たまたま 

20 の極の留数がゼロになるという可能性を完全に除外 

することはできませんが,。。。)
 

したがってDμ~の零質量漸近場:Γ~,{,Γ~}0 

を満たすBRS子供粒子であるといえます。
 

このことは,カラー電荷:=-g-1∫d3{,μ~()} 

の無矛盾な存在にとっても,必要なことでした。 

(※つまり,「カラーカレント:μが零質量1粒子状態を 

含まない=カラー対称性が自発的に破れていない。」 

ことを意味しています。)
 

ここでは,これ以上,深入りする余裕はありませんが, 

このような性質を持った漸近場は,BRS変換,反BRS 

変換を含む拡張されたBRS代数を考察することにより 

(最小個数の場合),さらに(×),および,(~×~) 

のチャネルに形成されるFPゴースト数が,2,2の結合 

状態と共に,6.11に描いたような全部で8個から成る 

()BRS多重項となることが示されます。
 

図中の直線矢印:→は,BRS変換,波線矢印は反BRS 

変換を意味します。
 

すなわち,()BRS2重項は4組現われます。 

なお,χ,~→βと同一視されます。
 

今回は短いですが,本節が終わりなので,ここまでに 

します。次回は,対称性の自発的破れ,Higgs現象の具体例 

であるWeinberg-Salam模型の紹介に入る予定です。
 

(参考文献):九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論() 

(培風館)

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2018年3月28日 (水)

「星の銀貨」グリム童話 無料名作紹介1(楠山正雄訳)

また思い付きで,もう著作権が無く無料公開されているものを 

他のHPから転載しました。 

「星の銀貨」 テーマは無償の慈愛です。

むかし、むかし、小さい女の子がありました。 

この子には、おとうさんもおかあさんもありませんでした。 

たいへんびんぼうでしたから、しまいには、もう住むにも 

へやはないし、もうねるにも寝床がないようになって、とうとう 

おしまいには、からだにつけたもののほかは、手にもったパン 

ひとかけきりで、それもなさけぶかい人がめぐんでくれたものでした。

 
 でも、この子は、心のすなおな、信心のあつい子でありました。 

それでも、こんなにして世の中からまるで見すてられてしまって 

いるので、この子は、やさしい神さまのお力にだけすがって、 

ひとりぼっち、野原の上をあるいて行きました。

  すると、そこへ、びんぼうらしい男が出て来て、 

 「ねえ、なにかたべるものをおくれ。おなかがすいてたまらないよ。」 

と、いいました。女の子は、もっていたパンひとかけのこらず、 

その男にやってしまいました。そして、 

 「どうぞ神さまのおめぐみのありますように。」と、いのってやって、 

またあるきだしました。

  すると、こんどは、こどもがひとり泣きながらやって来て、 

 「あたい、あたまがさむくて、こおりそうなの。なにかかぶるもの 

ちょうだい。」と、いいました。  そこで、女の子は、かぶっていた 

ずきんをぬいで、子どもにやりました。

 
 それから、女の子がまたすこし行くと、こんど出て来たこどもは、 

着物一枚着ずにふるえていました。そこで、じぶんの上着を 

ぬいで着せてやりました。

  それからまたすこし行くと、こんど出てきたこどもは、スカート 

がほしいというので、女の子はそれもぬいで、やりました。

 
 そのうち、女の子はある森にたどり着きました。もうくらくなって 

いましたが、また、もうひとりこどもが出て来て、肌着をねだりました。 

あくまで心のすなおな女の子は、 

(もうまっくらになっているからだれにもみられやしないでしょう。 

いいわ、肌着もぬいであげることにしましょう。)と、おもって、 

とうとう肌着までぬいで、やってしまいました。

 
  さて、それまでしてやって、それこそ、ないといって、きれいさっぱり 

なくなってしまったとき、たちまち、たかい空の上から、お星さまが  

ばらばらおちて来ました。  

しかも、それがまったくの、ちかちかと白銀色をした、ターレル銀貨  

でありました。そのうえ、ついいましがた、肌着をぬいでやってしまった  

ばかりなのに、女の子は、いつのまにか新しい肌着をきていて、 

しかもそれは、この上なくしなやかな麻の肌着でありました。

  女の子は、銀貨をひろいあつめて、それで一しょうゆたかにくらしました。
 

※ 底本:「世界おとぎ文庫(グリム篇)森の小人」小峰書店
   1949(昭和24)年220日初版発行

 
   1949(昭和24)年12304版発行
「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に基づいて、底本の表記をあらためました。
 
入力:大久保ゆう
 
校正:浅原庸子
2004
616日作成
2005
1112日修正
 
青空文庫作成ファイル:
 
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。

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2018年3月27日 (火)

対称性の自発的破れと南部-Goldostone粒子(15)

「対称性の自発的破れと南部-Goldostone粒子(14) 

からの続きです。 

Higgs現象の項の続きです。
 

§6.6  Higgs現象逆定理とカラー閉じ込め
 

カラー電荷:に対応する大局的ゲージ不変性が自発的 

に破れたときには,現われるNGボソンは非物理的粒子 

となり,かつ,ゲージ場:μは有質量ベクトル粒子: 

μを記述するようになるというのが前節で示した 

Higgs現象のカラーSUU(3)群版です。
 

しかし,この主張の後半部:「有質量ベクトル粒子が 

現われる。」という部分は摂動論の枠内での議論であり, 

また,模型に依存する話です。
 

ところが,この命題の逆に関しては,摂動論にも模型の詳細 

にも依らず,かなり一般的主張をすることができます。
 

すなわち,系の動力学がある「条件」を満たせば,逆命題: 

「ゲージ場:μが有質量になれば,カラー電荷 Q 

大局的不変性は自発的に破れている。」が成立することを 

示せます。
 

しかも,このときの「条件」が満たされない場合という 

のが,「クォークグルオンなどカラーを持った粒子が 

一般に物理的粒子としては現われない。」というカラー 

閉じ込め(color-confinement)が実現している相,に対応 

していることが示せます。
 

Higgs現象の逆定理

ここでは,カラー対称性(大局的ゲージ不変性)を尊重する 

通常の共変ゲージを取ったLagrangian:~を持つような 

一般的非可換ゲージ理論を考察します。
 

~=-(1/4)μνaμνmatter(φ,μφ)GFFP, 

GF=-(μ)μ(α/2), 

FP=-i(μ~)μa  です。
 

このときカラー対称性(大局的G=SU(3)不変性) 

に対応するMoetherカレント:μ 

μ(ν×νμ)+jμ(ν×) 

i(~×Dμ)a  で与えられ,
 

これがMaxwel方程式と呼ばれる方理式: 

gJμ=∂ννμ{,μ~} 

を満たすことが重要です。
 

ただし,μは物質場のカレントで,μ 

-g-1(matter/∂Aaμ)

=-i{matter/(μφi)}(φ) 

です。
 

Maxwell方程式に現われる3つの項は,別々に保存します。 

μμ=∂μ(ννμ)=∂μ{,μ~}0 

これは明らかです。
 

[対称性の自発的破れ」の最初の20178/29の記事: 

「対称性の自発的破れと南部-Goldostone粒子(1)」 

で説明したことから,一般に,保存カレント:μ() 

から,電荷:Q=∫d30()が定義できるか 

どうか?について,次の諸条件が互いに等価である 

ことがわかっています。
 

() Q=∫d30()が無矛盾な演算子として存在する。 

() Qの対称性は自発的に破れていない:|0>=0 

()カレント:μ()は零質量1粒子スペクトルを含まない。 

つまり,任意の|(m=0)(零質量1粒子状態)に対して, 

0|μ()|(m=0)>=0 である。
 

です。
 

このことから問題としているカラー対称性の電荷: 

無矛盾(well defined)なものとして存在するかどうか?は, 

カレント:μが零質量1粒子スペクトルを含むかどうか? 

によって決まることがわかります。
 

実は,ゲージ理論の場合,上述のNoetherカレントJμの表式 

には,ほとんど常に零質量1粒子状態が含まれています。
 

まず,このことを示します。
 

20182/23の「ゲージ場の量子論(31)」では, 

ゲージ理論では常にゲージ群の添字aの各々で, 

必ず,零質量BRS4重項=素4重項が存在し, 

Heisenberg:μ,,μ,~の中に, 

0 → ±∞ において,μ() → ∂μχ().., 

() → β()..,μ() → ∂μγ().. 

~() → γ~()..,なる漸近場: 

(χ,β,γ,γ~)が存在する,という形で含まれる 

ことを示しました。
 

そして,これらのBRS変換性は, 

[i,χ()]=γ(),{i,γ~()}iβ() 

でした。
 

そうすれば,一般にMaxwel方程式: 

gJμ=∂ννμ{,μ~}Heisenferg演算子: 

μ~(),ある重みでBRS4重項メンバー:γ~() 

を含みます。そこで,0 → ±∞において,μ~()  

(1+u){μγ~()}..なる置き換えができます。
 

ここで,1=δ,μ~=∂μ~-g(μ×) 

の第:μ~からの寄与で,行列:は第2項からの 

寄与に対応しています。すなわち, 

-g(μ×)→ u{μγ~()}..,です。
 

行列:は具体的には 

.T <0|{μ()~()}|0>=iδabμ/2 

=F.T <0|{μγ()γ~()}|0 

ですが,これを考慮すれば, 

.T <0|[{μ()(ν×~)()}|0 

=-(μν-pμν/2)(2) であり 

これのp20 の極の留数u(0),それです。
 

このuはカラー対称性が自発的に破れていなければ 

対角的でu=uδの形に書けます。
 

[上の諸式の証明] φ{(ν×~)expi(φ)} 

を考えると,これは,もちろん定数ですから,,これをc~ 

で関数微分してもゼロです。
 

そこで,~→c~’=c~+δc~に対して 

φ'=φを仮定すれば, 

0=∫φ(δ/δc~){(ν×~)expi(φ)} 

=∫φ[{-μμ~()}{(ν×~)() 

+gfabcν()δ4(x-y)]expi(φ)より, 

0|[{μμ()(ν×~)()}|0 

=gfabcδ4(x-y)0|ν()|0>が従います。
 

そこで,Poincare'不変性とPμ|0>=0 により 

0|ν()|0>=<0|ν(0)|0>=C=一定 

ですから,C=0.つまり<0|ν()|0>=0 を得ます。
 

T積はT積を意味するので, 

μ0|[{μ()(ν×~)()}|0>=0
 

これは運動量p空間では, 

.. 0|[{μ()(ν×~)()}|0 

(μν-pμν/2)ab(2) 

と書けることを意味します。 

したがって,ab(2)=-u(2)とすれば 

.T <0|[{μ()(ν×~)()}|0 

=-(μν-pμν/2)(2) となります。 

(証明終わり)
 

 0 → ±∞で, 

μ~() (1+u){μγ~()}.., 

となる,という論議に戻ると, 

[i,χ()]=γ(),{i,γ~()}iβ() 

でしたが,これはγ~()がBRS親粒子であることを 

意味しており, 

{,μ()}(1+u){μβ()}. 

が従います。
 

そこで,Maxwell方程式:  

gJμ=∂ννμ{,μ~} 

{,μ()}には,実際に零質量の粒子: 

β()が重み(1+u)で効いていることが 

わかります。
 

Maxwell方程式が結び付けるHeisemberg演算子: 

μ,ννμ,{,μ~}は皆同じ量子数 

を持つ演算子ですから,{,μ()}に存在 

する零質量1粒子状態:μβ(),一般に 

(特殊な理由がない限り)μにも∂ννμにも 

ゼロでない重みで含まれます。
 

0 → ±∞で, 

μ() → v{μβ()}..,および, 

ννμ() → w{μβ()}..,と書けば 

Maxwell方程式は,係数行列が 

gv=w(1+u)を満たすことに等価です。
 

結局,カラー対称性が自発的に破れていなければ, 

NoetherカレントJμには,たまたま,, 

{,μ()}の寄与:(1+u),ννμ 

の寄与:が相殺しない限り,零質量状態:μβ 

が寄与することが示されました。
 

この事実は,カラー対称性が,ほとんど常に自発的に破れている 

ことを意味するのでしょうか? 

しかし,これは明らかに馬鹿げた結論です。
 

この難題(puzzle)を解く鍵は,既にずっと以前に述べたように 

Noetherカレントの定義の不定性にあります。
 

Noetherの定理で求めた保存カレント:μには常に,任意の局所的 

反対称テンソル:[μν]4次元発散:ν[μν]を付加 

してもよいという不定性が存在し, 

保存則:μ{μ+∂ν[μν]}0,電荷が元の変換 

の生成子になるという性質: 

∫d3i[0()+∂[0](),Φ()]=δΦ() 

も共に,不定項:ν[μν]の存在如何によらず成立する 

ということを思い起こします。
 

実際,上の式では積分:∫d3の前に交換関係を計算する 

形なので,[[0](),Φ()],x=yの近傍にのみ 

台を持つ空間全微分項であるため,∫d3によって寄与は 

ゼロです。
 

しかし,交換関係を取る前に3次元空間積分: 

Q=∫d3{j0()+∂[0]()}が存在して, 

無矛盾なQを与えるかどうか?という今の問題にとって 

∂f[0μν項は全くの不定項というわけではなくなります。
 

むしろ,上記積分値が存在して無矛盾になるようにf[0μν 

選ぶべし.という制限が付くことになります。
 

すなわち,「初めにとったカレントjμ()に零質量1粒子 

状態の寄与がある場合は,その1粒子状態の寄与を∂[μk] 

項が相殺するようなf[0ν]()を選択しなければならない。」 

という制限です。
 

この制限が満たされるf[0ν]であれば,これをどう選んでも 

Qには零質量1粒子状態は効きません。 

それ故,[μk]μ()の零質量1粒子状態を相殺 

できないような場合があれば,それが実際に対称性が 

自発的に破れる場合に相当するわけです。
 

カラー対称性の場合は,先に, 

μ(ν×νμ)+jμ(ν×) 

i(~×Dμ)a  で与えたNoetherカレント:μ 

は一般に,ννμ{,μ~}と同じく素4重項 

メンバーの零質量粒子:β()の寄与を,実際に 

μ → v{μβ}..,の形で含んでいます。
 

そこで,上の一般的議論から,もし,ある添字aのカラー対称性 

が本当に自発的破れを起こしていないのであれば,ある局所的 

反対称テンソル:[μν]()が存在して,ν[μν]()の中 

の零質量粒子:β()の寄与がJμ()の中のそれと相殺する 

はずです。
 

それ故,=∫d3{J0()+∂[0]() 

が無矛盾なカラー電荷演算子を与えることになります。
 

このことは,実際,例えば群Gの全てのカラー対称性が 

破れていない場合には係数行列が全て,=uδ, 

=vδ,=wδのように対角行列で, 

[μν]Yang-Mills場の場の強さ:νμに比例した 

形のf[μν]()=-ωFνμ(),ω=v/uに取って 

おけばいいです。
 

もちろん, これは-ωFνμでなくてもそれと同じ 

量子数を持った∂μν-∂νμ(μ×ν)など 

を使っても∂μβの寄与があるはずなので,適切な係数 

を掛けて相殺できるものなら,それでもいいです。
 

Higgs現象逆定理
 

[定理];det(+u)0の条件が成立する限り,群Gの 

ゲージ場:μ()のうち,その漸近場のベクトル粒子 

がゼロでない質量を得た(あるいは,より一般には零質量 

ベクトル粒子が無くなった)チャネルの分だけカラ-対称性 

は破れている。
 

[証明] ゲージ場:μ()のうち,零質量ベクトル漸近場 

が存在しないチャネルの群の添字をα,β,..存在するチャネル 

のそれをa^,^..でそれぞれ表わすことにします。
 

このとき,添字αのゲージ場:αμ()はx0 → ±∞で 

αμ() → ∂μχα()+Zαμ().. 

(αは係数)となります。
 

ただし,χα(),先に 

Heisenberg:μ,,μ,~の中に 

0 → ±∞ において,μ() → ∂μχ().., 

() → β()..,μ() → ∂μγ().., 

~() → γ~()..,なる漸近場:(χ,β,γ,γ~) 

が存在する。」 

と書いたときの零質量の素4重項メンバーであり, 

μ(),その他に存在するかもしれない有質量の 

ベクトル粒子固有状態のProca場であり,..,さらに 

存在するかもしれない,今の論議では無関係な有質量 

の漸近場を示しています。
 

ここで重要なのは素4重項メンバーχα()(それ故,その 

相棒のβα())スカラー粒子であるということです。
 

スカラー粒子のχα(),βα()から作られる反対称テンソル: 

μ(νχα)-∂ν(μχα)はゼロですから,これはFμν() 

であろうが,μν-∂νμ(μ×ν)であろうが, 

任意の反対称テンソル局所場:[μν]()に対し.決してその 

零質量漸近場として寄与できません。
 

そこで,修正Noetherカレントの不定項:ν[μν]()にも, 

そのようなスカラーのχα(),βα()は現われ得ません。
 

これに反して,もしも零質量のベクトル粒子漸近場が存在する 

チャネル:^μ()ならば,前にも少し述べたように,χ^() 

はスカラー場ではなく,^μ()の零質量ベクトル漸近場: 

^μ()の縦波モードです。 

このとき,^μ()のスカラーモードがβ^()です。 

そして(μ^μ=-αB^ etc.から) 

一般に,μ(ν^ν) ∝ □a^ν ∝ ∂μβ^となります。
 

そこで,^μ,α^μνのような反対称テンソル:α^[μν] 

に対し,0 → ±∞ の極限で, 

α^[μν] → c^(μ^ν-∂ν^μ)... (^は定係数) 

の形での寄与が可能となり,0 → ±∞ の極限で 

να^[μν] → c^{μ(ν^ν)-□a^μ}... 

=c^μβ^...のように,零質量素4重項状態:β^ 

寄与できることになります。
 

すなわち,任意の反対称テンソル場の発散: ν[μν] 

効き得る零質量1粒子β^,零質量ベクトル粒子:μ 

存在するチャネル:a=a^のみとなります。
 

零質量ベクトルが無くなったチャネル:a=αには零質量 

1粒子;βαは出現しません。
 

このことは特に場の強さ:αμνにも当てはまるため, 

α0であって,gvα=-(1+u)αとなり, 

de(1+u)0 の仮定から,α0となる独立な 

チャネルが零質量べクトルの無くなったチャネルの 

個数だけ存在することがわかります。
 

すなわち,このチャネルの個数をnとし,対応する 

NoetherカレントをJαμ(α=1,..)と書けば, 

0 → ±∞において, 

αμ()→vαβμββ()+vα^μβ^().. 

 de(αβ)0 ということです。
 

しかも,零質量の∂μββ(),任意の∂να^[μν]の中 

には現われ得ないので,この不定項でJαμ()の零質量項 

を相殺できません。.
 

そこで,結局,このn個のチャネルではカラー対称性が自発的 

に破れています。  (証明終わり) 

(↑※最後は少しクドかった,ですね。。。)
 

最後に,この定理に関わるコメントを二,三加えておきます。
 

()定理の結論にある対称性の自発的破れに対応するn個の 

チャネルは,0 → ±∞で零質量ベクトルが無くなり,例えば 

有質量ベクトル場が現われるような場合で,そのNGボソンは 

4重項メンバーのχα()です。
 

実際,[χα(),ββ()]iδαβ(x-y)より, 

0|[αμ(),χβ()]|0>=iδαβ(x-y)が従う 

ことからも納得できます。
 

例えば,SU(2)Higgs-Kibblle模型の例では.0 → ±∞で 

μ() → M-1a∂μχas ()+M-2b∂μas() 

+Z31/2asμ() ,χ () → Zπ1/2χas(), 

() → Z1/2as()=β()でした。 

(左辺の添字:HはHeisenberg場の意) 

そこで,χ ()= M-1aχas ()+M-2bBas() 

と同定できて,χ ()は確かにHiggs2重項のNG場成分 

であるχ ()の漸近場χas ()と本質的に同じです。
 

()定理の条件:det(1+u)0 QEDなど,可換群:[(1)] 

に基づくゲージ理論の場合,構造定数がfabc0ですから 

μ×0よりu=0となって恒等的に満たされます。
 

また,=O()=O()ですから,非可換ゲージ理論 

でも摂動論の枠内では常に満足されます。
 

()この定理にとっては,零質量ベクトル粒子の漸近場が 

無くなることだけが重要で,有質量ベクトル粒子の質量が群 

Gの多重項内で縮退していようが,いまいが,大局的ゲージ 

対称性は必ず破れているということを証明しています。
 

途中ですが,今日はここまでにします。
 

(参考文献):九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論() 

(培風館)

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