2016年8月23日 (火)

クライン・ゴルドン方程式(7)

クライン・ゴルドン方程式(Klein-Gordon eq.)の続きです。
 

今回は,Dirac方程式と同じく,lein-Gordon方程式に

ついても 非相対論的近似を与えて確率解釈できるという

ことについて記述します。
 

§9.7 クライン・ゴルドン方程式の非相対論極限変形と解釈 

(Nonrelativistic Reduction and Interpretation of  

Klein-Gordon Equation)
 

ここまで論じてきたKlein-Gordon方程式に従うπ中間子

について,1粒子の従来の確率解釈を持った(非相対論的)

量子力学による近似的な記述が求められるような物理的

状況が存在します。
 

例えば,π中間子で構成された原子とか,物質内の原子の

電磁場や外場と荷電π中間子の相互作用などが,こうした

観点から研究できます。
 

これらは1粒子のDiracの電子論が成功裡に適用され,解釈

されてきた際の物理的状況に類似しています。
 

こうしたケースについて,古典的対応の極限だけではなく

Schroedinger方程式への非相対論的な帰着と解釈を示したい

と考えます。
 

確率解釈を持つ正確な1粒子の(相対論的)量子力学を構成

することは不可能である。ということに直面して,最初の章

ではこの2次のKlein-Gordon方程式を捨てるという方向へ

と誘導されました。
 

そして,非相対論的Schrooedinger理論におけるように,時間

ついて1次の導関数のみを含む方程式の形の,Dirac方程式

基本方程式として採用する道を選択したのでした。
 

しかしながら,今までにDirac方程式の1粒子像では,

正エネルギーと負エネルギーのスペクトルの間には広い

ギャップ2mc2,なお.残っていて,弱く,ゆっくり

と変動する場のような限られた環境の中でのみ,

正エネルギー粒子状態で生き残れることを見てきました。
 

しかし,今や,代わって一旦は捨てたKlein-Gorson方程式

の適切な1粒子量子力学像を探索すべき状況に至っている

と思われます。
 

Klein-Gordon方程式を1次の時間微分のみを含む

Scheordinger方程式の形へと,近似的に変形すること

を試みます。
 

その最初のステップは,(□+μ2)φ=0 を1次の方程式

のペアに書き直すことです。
 

これは,ξ=φd≡∂φ/∂tと書き,(□+μ2)φ=0, 

ξd=∂ξ/∂t=(2-μ2)φと書き直すことでなすこと 

ができます。
 

これで目論見通り,時間微分についての2次方程式:

(□+μ2)φ=0 を,ξ=∂φ/∂t,∂ξ/∂t=(2-μ2)φ

という1次方程式のペア=連立1次方程式に書き直すことが

できたわけでず。
 

次に,θ=(φ+iφd/μ)/2,χ=(φ-iφd/μ)/2という 

2つのφとφd=∂φ/∂tの線形結合を導入します。
 

この,θとχは単純な非相対論的極限で解釈できる描像を持つ 

ことがわかります。
 

すなわち,質量μで静止した粒子では,∇φ=0 (0)なので, 

(□+μ2)φ=0 ,2φ/∂t2=-μ2φ と書けます。
 

これの正エネルギー粒子(正質量)の解は, 

φ ∝ exp(iμt)iφd/μとなるため, 

θ=φ ∝ exp(iμt),かつ,χ=0 です。
 

一方,負エネルギー粒子(負質量)の解は,

φ ∝ exp(iμt)=-iφd/μとなり,逆に,

θ=0,かつ,χ=φ ∝ exp(iμt) です。
 

したがって,Dirac方程式の4成分スピノルを2成分ごと

に分解した際の大成分,小成分た類似した役割を,ここでの

θ,χが果たしていると見えます。
 

(7-1):質量がμでスピンが1/2の粒子なら,それが

満たすDirac方程式は(iγμμ-μ)ψ=0です。
 

その際,非相対論的極限でのDirac粒子の近似的な1粒子描像

を見るため,正確な解である4成分スピノル:ψを,ψ=[θ,χ]T

なる形に分解,2成分スピノル;θ,χをψが正エネルギー解

の場合のそれぞれの大きさに基づいて,それぞれ,大成分,小成分

と呼んだのでした。  (7-1終わり)
 

さて,θ=(φ+iφd/μ)/2,χ=(φ-iφd/μ)/2によって 

Klein-Gordon方程式:∂φd/∂t=(2-μ2)φ は, 

i(∂θ/∂t)=-∇2(θ+χ)/(2μ)+μθ, 

i(∂χ/∂t)=+∇2(θ+χ)/(2μ)-μχ 

と分解されます。
 

(7-2):φ=θ+χ,φd=-iμ(θ-χ)より,  

φd=∂φ/∂tは,{(θ+χ)/∂t}=-iμ(θ-χ) 

∂φd/∂t=(2-μ2)φ は, 

{(θ-χ)/∂t}iμ-1(2-μ2)(θ+χ) 

と書けます。
 

得られたものを,辺々加えて2で割ると 

i(∂θ/∂t)=-∇2(θ+χ)/(2μ)+μθ,
 

一方,前者から後者を引いて2で割ると

i(∂χ/∂t)=+∇2(θ+χ)/(2μ)-μχ 

が得られるわけです。  (7-2終わり)
 

ここで,よりcompactな形式を得るため,θ,χを2つの成分 

とする縦ベクトル表示を導入します。
 

すなわち,波動関数φの代わりに.Φ≡[θ,χ]Tとして,

波動方程式を見掛け上,Schroedinger型の方程式:

i(∂Φ/∂t)0Φとするわけです。
 

このとき,Hamiltonian:0,,Bを2×2行列として 

0{-∇2/(2μ)}+μと定義されます。
 

ここでAは1行目が[1,1],2行目が[1,1]の行列,

Bは対角成分が1とー1の対角行列です。
 

i(∂Φ/∂t)0ΦはSchroedinger形ですが,

(□+μ2)φ=0 アナロジーとして得られたもので,

保存する正定置の確率という描像には至りません。
 

これは0Hermite演算子ではないからです。
 

(7-3):i(∂Φ/∂t)0Φから,

-i(∂Φ/∂t)=Φ0なので,

i∂(ΦΦ)/∂t

{Φ(∂Φ/∂t)+i(∂Φ/∂t)Φ} 

=Φ(00)Φ です。
 

それ故,0Hermite:00なら

∂∂(ΦΦ)/∂t)/∂t=0 

が成立し,:(ΦΦ)を保存される正定置な確率密度

と解釈することができるのですが0Hermite:でないなら,

(ΦΦ)が時間的にに保存されるという保証はありません。
 

行列演算子として0{-∇2/(2μ)}+μBについて

0(0)T0が成立しない理由は,対角行列でない

Aに原因があって,これはΦ≡[θ,χ]Tの大成分θと小成分

χを混合させます。
 

ゆっくり運動している粒子(=-i∇ ~ 0)に対する最低次

の近似で∇2を無視すれば,0~μとなって,これはHermite行列

なのでi(∂Φ/∂t)0Φは確率解釈可能なSchroedinger方程式

となり,


   
先に与えたKlein-Gordon方程式の静止状態の解: 

θ=φ ∝ exp(iμt),χ=0,および,

θ=0,χ=φ ∝ exp(iμt)がそれぞれ,

i(∂Φ/∂t)0Φ;Φ≡[θ,χ]Tの正エネルギー 

(正振動数)の解, 負エネルギー(負振動数)の確率解釈可能

な解となっています。
 

Dirac理論から,直接,Foldy-Woutheysen変換のテクニック

を借用することによって,系統的に運動エネルギー項の存在

による補正を導入します。
 

4×4行列βのアナロジーとして対角成分が1,-1の2×2

対角行列:ηを導入します。また,反対角成分がσ,-σk

反対角行列:α(k=1,2,3)のアナロジーで,反対角成分が

,-1の2×2反対角行列:ρを導入します。
 

Dirac理論の非相対論極限近似を求める際に用いた大成分

と小成分を混合させるodd演算子を除去するユニタリ変換

の演算子:Fexp(i)のアナロジーで,π中間子の波動関数

2成分縦ベクトル表示:ΦにΦ'=exp(i)Φなる変換を実行

します。
 

単刀直入に結論を述べると,S=ηρθ(),

θ()=-(i/2)Tanh-1[{2/(2μ)}/{μ+2/(2μ)}] 

と置けば,Hamiltonian:0(ηρ){2/(2μ)}+μη

からodd演算子ρを除去できます。
 

(7-2):i(∂Φ/∂t)0Φ,Φ'=exp(i)Φより, 

Sがtに依存しないなら,i(∂Φ'/∂t)exp(i)0Φ

exp(i)0exp(i)Φ'0,

0'=exp(i)0exp(i)です。
 

0(ηρ){-∇2/(2μ)}+μη

(ηρ){2/(2μ)}+μη ですが,ηρθと

おくとき,θがの関数θ=Θ()なら, 

[θ(),2]0,[θ(),μ]0ですが, 可換ではない

行列の係数があるため,[,0]0 ではないです。
 

そして,S=ηρθなら(ηρ)21なので, 

exp(i)=Σn=0(1/!)(iηρθ)n 

=Σk=0[{1/(2)!(1)θ2k

(iηρ){1/(2k+1)!}(1)θ2k1} 

=cosθ+(iηρ)sinθです。
 

同様にexp(i)cosθ-(iηρ)sinθです。
 

0'exp(i)0exp(i) 

=[{2/(2μ)}{cosθ(iηρ)sinθ}(ηρ)

{cosθ-(iηρ)sinθ} 

+μ{cosθ+(iηρ)sinθ}η{ cosθ-(iηρ)sinθ}
 

具体的な計算から,exp(i)ηexp(i)

ηcos(2θ)(iρ)sin(2θ),

exp(i)ρexp(i)ρcos(2θ)(iη)sin(2θ) です。


したがって,H0'exp(i)0exp(i) 

η[{2/(2μ)+μ}cos(2θ)i{2/(2μ)}sin(2θ)] 

+ρ[({2/(2μ)}cos(2θ)i{2/(2μ)+μ}sin(2θ)]

です。
 

ρの係数がゼロ:つまり, 

({2/(2μ)}cos(2θ)i{2/(2μ)+μ}sin(2θ)0 

となるような, 

isin(2θ)/cos(2θ){2/(2μ)}/{μ+2/(2μ)} 

を満たすθが存在すれば,そのθに対して行列ρは除去

できます。
 

しかし,そのような実数θは存在しません。

θが実数でなく純虚数:θ=-iω(ωは実数)であるとすれば

そうしたθが存在します。
 

ただし,そのときは,S=ηρθがHermiteではなく,

exp(i)はユニタリではありません。
 

すなわち,cos(2θ){exp(i2θ)exp(i2θ)}/2 

{exp(2ω)exp(2ω)}/2cosh(2ω), 

isin(2θ){exp(i2θ)exp(i2θ)}/2 

{exp(2ω)exp(2ω)}/2sinh(2ω)

です、
 

よって,isin(2θ)/cos(2θ){2/(2μ)}/{μ+2/(2μ)} 

,sinh(2ω)/cosh(2ω){2/(2μ)}/{μ+2/(2μ)} 


  つまり,tanh(2ω){2/(2μ)}/{μ+2/(2μ)}
 

を意味します。
 

そのとき,0'exp(i)0exp(i) 

η[{2/(2μ)+μ}cosh(2ω){2/(2μ)}sinh(2ω)] 

ηcosh(2ω)[{2/(2μ)+μ}2{2/(2μ)} 2]

/{μ+2/(2μ)} です。
 

双曲線関数の公式:1/cosh2(2ω)1tanh2(2ω)より. 

1/cosh2(2ω)

[{2/(2μ)+μ}2{2/(2μ)}2]/{2/(2μ)+μ}2  

(2+μ2 )/{2/(2μ)+μ}2ですから,  

cosh(2ω){2/(2μ)+μ}/(2+μ2 )1/2

です。
 

ぃたがって, 

0' η[{2/(2μ)+μ}2{2/(2μ)} 2]/(2+μ2 )1/2 

η(2+μ2)/(2+μ2 )1/2η(2+μ2 )1/2 

を得ます。  (7-3終わり)
 

S=ηρθ(),

θ()=-(i/2)Tanh-1[{2/(2μ)}/{μ+2/(2μ)}] 

なら,≠SでありSはHermiteではないので,

U=exp(i)に対し,-1exp(i)≠Uexp(i)

であって.Uはユニタリでないため,
 

0'= U0-1exp(i)0exp(i)η(2+μ2)1/2 

,Φ'=UΦ=exp(i)Φでi(∂Φ/∂t)0Φのとき 

i(∂Φ'/∂t)0'Φ'は成立しますが,


  
Φ'Φ'≠ΦΦ
は成立せず,ΦΦやΦ'Φ'を確率密度

とする解釈は非相対論近似での近似的な概念と思われます。
 

0'η(2+μ2 )1/2,i(∂Φ'/∂t)0'Φ'の形式

では.Φ'の大成分=正エネルギー解と小成分=負エネルギー

解は完全に分離され,エネルギー・運動量の関係は自由電子

に対するそれと同じです。
 

電子との唯一の違いはスピン自由度に対する解の二重化が

ないことです。
 

正エネルギー解をΦ'()

=Φ(+)()exp(iωp)(+)()[1,0]Tとします。

すると,

i(∂Φ(+)/∂t)0(+)η(2+μ2 )1/2Φ(+) 

,ωp(+)()(2+μ2 )1/2(+)()

を意味します。
 

そして,このとき,(+)()=|(+)()|2が正エネルギー粒子

の存在確率密度を表わし,

ωp=∫Φ(+)()0(+)()3がその正エネルギー 

を表わします。
 

同様に,負エネルギー解をΦ'()

=Φ(-)()exp(iωp)(-)()[0,1]Tとします。

すると,

i(∂Φ(-)/∂t)0(-)η(2+μ2 )1/2Φ(-) 

,-ωp(-)()=-(2+μ2 )1/2(-)()

を意味します。
 

このとき,(-)()=|(-)()|2が負エネルギー粒子

の存在確率密度を表わし,

-ωp=∫Φ(-)()0(-)()3がそのエネルギー

を表わしていて,これは負になります。
 

ここで,Φ(-)()exp(iωp)(-)()[0,1]T,

正エネルギー固有値を持つ反粒子の波動関数と解釈

します。
 

i(∂Φ(-)/∂t)0(-)η(2+μ2 )1/2Φ(-)

複素共役をとってi(∂Φ(-)/∂t)0'Φ()

η(2+μ2 )1/2Φ(-)であり,0'0'より

i(∂Φ(-)/∂t)=-0()=-η(2+μ2 )1/2Φ(-) 

です。

  時間の過去に伝播する負エネルギー粒子の複素共役が

時間の未来に伝播する正エネルギー反粒子という描像

に合致します。
 

そして,自由粒子ではなくて外電磁場Aμ(x)がある

一般の場合には,もはやodd演算子を除去してHamiltonian

を対角化するSを求めることは不可能です。
 

しかし,この論議は次回にまわして今日はここで

終わります。
 

(参考文献):J.D.Bjorken & S.D.Drell著 

 "Relativistic QantumMechanics"(McGrawHill)

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2016年8月18日 (木)

リオ五輪。。卓球女子団体。。銅メダル

 このところ五輪ばかり見ていて睡眠不足です。日本が金メダル取った種目おあり,今日からは金がほぼ確実な霊長類最強の女子が出る女子レスリングも始まりますが。。。

 テニスの錦織クンも神がかり的でした。(※宮本武蔵の戦術を彷彿させるナダル戦の3セット開始前のトイレ休憩??)

 泣き虫愛ちゃん。。銅メダルおめでとう。。銅は金に同じと書きます。

 写真は他のホームページから借用。。。。

 PS: 私も高校j時代は卓球三昧で岡山県の新人戦でのベスト64が最高成績でインターハイにも出られませんでしたが。。

 当時はルールが違って,ぶっつけサーブが全盛時代でしたし,私も当時日本で流行の裏ソフトのペンホルダーグリップでした。。。

 高2のときには,スマッシュの際に左足を床にバンと叩きつける癖があったために,左足親指が腫れて手術をし,ゲタをはいて登校したときもありました。。それほど卓球に夢中だったのですね。。。

  卓球はまだオリンピック種目ではなく,世界選手権しかなかった時代でした。

 そのころ荻村伊智朗とか田中とか日本人の世界チャンピオンがいて,女子も伊藤とかがチャンピオンだったかな?昔は日本のほうが強かったのです。
 
 中国はまだ,やっと貧しい革命中国からスポーツにも力が入れられる余裕ができて,卓球は表のイボイボでスポンジのない一枚ラバーで台から離れない前陣速攻が中心のこの国に主役がとって代わられようとしていた時代でした。。

PS2::格闘技の国代表なのに,最初から最後まで技もかけず逃げ回っていて警告の差で勝ったとしても何が嬉しいの? 負けたとして何が悔しいの?

 格闘技じゃ。。さすがにすっぴんかな?韓国選手。美人だけど整形かな?とか。。ユニホームのブルマーが小さいとか 

 エロジジイには別の楽しみも。。。

:

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2016年8月14日 (日)

Dirac方程式の非相対論極限近似(2)

Dirac方程式の非相対論極限近似の続きです。
 

前記事では,外電磁場,Φ,との相互作用がある場合の電荷eを

持つ電子の一般的Hamiltomian:

α(e)+βm+eΦ=Θ+βm+ε 

から,正負エネルギー成分を混合するoddなパラメ-タを

除いて非相対論極限で正エネルギーの2成分スピノルのみ

が満たす波動方程式を導くことを意図したユニタリ変換

の演算子:Fexp(i)を与えるHermite演算子を見出す

ことを試みました。
 

電磁場が時間tに依存し,それ故,系のHamiltonian:が時間

1/)<<1の非相対論的極限で(1/)の低次まででは,

=iβΘ/(2),Hから oddパラメ-タを除く(1/)オーダー

候補であるというところまで述べました。
 

すなわち,まず.=βm+Θ+εから,の1次近似として,

変換:exp(i)exp(i)exp(i)1i,

exp(i)1iを代入した

H'(1i)(βm+Θ+ε)(1i)において,

 

[1/]の項を無視して,H'=βm+Θ+ε+i[,β] 

とし,これの右辺でodd:Θ=α(p-)が消えることを

要求してi[,β] = -Θなるっ条件から,

=iβΘ/(2)を得たのでした。
 

そこで,この近似では,=iβΘ/(2), 

H'(1i)(βm+Θ+ε)(1i)=βm+ε 

です。
 

一方,=O(1/)と仮定して(1/)の3次の精度までの

近似は,'= exp(i){H-i(/∂t)}exp(i) 

i[,](i2/2)[,[,]](i3/6)[,[.[,]]] 

(i4/24)[,[,[.[,βm]]]]-Sd(i/2)[,d]

(1/6)[,[,d]] (ただし,Sd=∂/∂t)

と書けることを見ました。
 

この近似の項に,=iβΘ/(2)を代入すれば, 

=βm+Θ+εより 

i[,]=-Θ+β[Θ,ε]/(2)+βΘ2/, 

(i2/2)[,[,]]=-βΘ2/(2)[Θ,[Θ,ε]]/(82) 

-Θ3/(22), 

(i3/6)[,[,[,]]]=Θ3/(62)-βΘ4/(63) 

-β[Θ,[Θ,[Θ,ε]]/(483),
 

(1/24)[,[,[.[,βm]]]]=βΘ4/(243)+Θ5/(244)
 

また,diβΘd/(2),

(i/2)[,d]=-i[Θ.Θd]/(82)  

(1/6)[,[,d]]=-iβ[Θ,[Θ,Θd]]/(483)

です。
 

ユニタリ変換後のHamiltonianを非相対論的に展開して, 

(運動エネルギー/)3(運動エネルギー)×(場のエネルギー)/2 

のオーダーまででoddパラメータの除去が満足されるような 

を求めるというのが意図でしたから,
 

(i3/6)[,[,[,]]]=Θ3/(62)-βΘ4/(63) 

-β[Θ,[Θ,[Θ,ε]]/(483) 

~ Θ3/(62)-βΘ4/(63) として最後の項は無視し,

また,(1/24)[,[,[.[,βm]]]]

=βΘ4/(243)+Θ5/(244) ~ βΘ4/(243)

とします。
 

まさらに,(1/6)[,[,d]]=-iβ[Θ,[Θ,Θd]]/(483) 

も,(1/)のより高次の微小量なので無視します。
 

すると,'=β{m+Θ2/(2)―Θ4/(83)}+ε

[Θ,[Θ,ε]]/(82) 

i[Θ.Θd]/(82)+β[Θ,ε]/(2)-Θ3/(32)

iβΘd/(2) =βm+ε'+Θ'
 

ただし,ε'=ε+β{Θ2/(2)―Θ4/(83)}[Θ,[Θ,ε]]/(82) 

i[Θ.Θd]/(82)です。

これはΘについては偶数乗のみを含むためevenな寄与です。
 

一方,得られたHamiltonianにおいてodd項は,Θの奇数乗のみ

ですが,これは,変換の結果:(1/)のオーダーでしか存在しない

ようになりました。
 

これらを,さらに除去し減じるために, 

S'= -iβΘ'/(2) 

=-iβ{β[Θ,ε]/(2)-Θ3/(32)iβΘd/(2)}/(2) 

なる変換をさらに行います。
 

Θ'=β[Θ,ε]/(2)-Θ3/(32)iβΘd/(2)}

H'のΘ自身以外のΘの奇数乗の部分の総和です。
 

こうした変換をのFoldy-Wouthuysen変換と呼びますが,この変換 

の下で,H"exp(iS'){H(i(/∂t}}exp(iS') 

=βm+ε'+β[Θ,ε']/(2)iβΘ'd/(2) 

=βm+ε'+Θ" となります。
 

このH"の場合, Odd部分:Θ"=β[Θ,ε']/(2)iβΘ'd/(2) 

,(1/2)とさらに小さくなっています。
 

さらにS"=-iβΘ"による正準変換を行うことで, 

(3)exp(iS"){H”i(/∂t}}exp(iS") 

β{m+Θ2/(2)―Θ4/(83)}+ε-[Θ,[Θ,ε]]/(82) 

i[Θ.Θd]/(82) が得られました。
 

このとき,Θ2/(2){α(-e)}2/(2)

 

(-e)2/(2)-eσB/(2)となって,この項から 

Pauliのスピン磁気モ^-メント項:-eσB/(2)が出現

します。
 

非相対論極限で,こうそた項が得られることは,既に別の

過去記事で述べました。

(※ 10年前の2006年9/8の本ギログの過去記事:

パウリのスピンと相対性理論」を参照ください。)
 

(2-1):念のため,簡単に復習すると 

まず,Π-e=-i∇-e とおくとき,

(αΠ)2=Σi,jαiΠiαjΠj=Π2iσ(Π×Π)であり,

そして,Π×Π(i-e)×(i-e)ie∇×A

ieBによって,(αΠ)2=Π2-eσB

が得られるという話でした  。(2-1終わり)
 

一方, [Θ,[Θ,ε]]+Θd}/(82)

{/(82)}{iα∇Φ-iαAd} 

{i/(82)}αEです。
 

{i/(82)}[Θ, αE]{i/(82)}[αp,αE] 

{/(82)}{i/(82)}σ(∇×) 

{/(42)}σ(×)ですから,
 

結局,このオーダーまででの変換Hamiltonian, 

(3)=β{m+(-e)2/(2)4/(82)}

+eΦ{eβ(2)}σB-{i/(82)}σ(∇×) 

{/(42)}σ(×){/(82)}∇E 

となります。
 

これらは,{(-e)2+m2}1/2の非相対論極限での

,直接,物理的解釈が可能な,求めるオーダーまでの展開

を示しています。

つまり,補正は相対論的な質量(運動エネルギー)の増加

に相当する意味を持っているわけです。
 

このうち,{i/(82)}σ(∇×E){/(42)}σ(×) 

は静電エネルギー,と磁気双極子エネルギーです。

  
この項のペアは一緒にまとめて,スピン軌道エネルギーです。
 

つまり,iσ(∇×E)2σ(×)iσ(∇×E-E×∇) 

ですから,例えば,球対称静電ポテンシャル:();r=|| 

なら,E=-∇=-(/)(dV/dr)で∇×E=0

です。

 
このとき, iσ(∇×)2σ(×)2σ(×), 

σ(×)=-(1/)(dV/dr)σ(×) 

(1/)(dV/dr)σLと書けます。
 

×は,軌道角運動量です。
 

{i/(82)}σ(∇×E){/(42)}σ(×) 

{/(42)}(1/)(dV/dr)σL=Hspin-orbit 

(スピン軌道相互作用エネルギー)です。
 

これは特殊相対論により,運動する電子が感じる磁場:

=-×とスピン;σ/2の電子の磁気モーメント:

μ=ge/(2) (gは磁気回転比)による磁気エネルギー:

μB=-geσ/(42)(×) (g=2) を意味します。
 

しかし,{/(42)}σ(×)ではThpmas歳差運動の効果

で因子g=2が無くなっています。
 

このことは電子の軌道モーメントの方は標準的磁気回転比: 

g=g01を持つことを示唆しています。
 

最後の項:{/(82)}Darwin項として知られています。
 

これはZitterbewegung(ジグザグ運動)に寄与する項です。
 

電子の位置座標のゆらぎがδr~(1/m)(=Compton波長)

程度で,このためCoulombポテンシャル:V=V()=V()

いくらか不鮮明に見えます。
 

この補正は,<δV>=<V(+δ>-<V() 

=<δ∇V+(1/2)Σijδxiδxj(2/∂xi∂x)

ですが,<δ∇V> ~ 0 より,  静電ポテmシャルエネルギー

としての補正(ぼやけ)は,
 

<eδV> ~ (/6)(δr)2>∇2=-(/62)∇Eであり,

これは係数は少し違いますが,,この電子の雲によるCoulomb

エネルギーのゆらぎ<eδV>が,上記のDarwin::

{/(82)}の物理的意味をなす。わかります、
 

さて,次は,§4.4水素原子(Hydrgen Atom)であり,第4章

はこれで終わりとなっているのですが,
 

この最後の節の内容については,既に本ブログの2011 

/17,/26,/,/11の過去記事:

「水素様」原子の微細構造」(1),(2),(3)(4),および,

2011年8/22,/,10/,11/.11/11,11/23の「

水素様」原子の微細構造」(補遺1),(補遺2),(補遺3-1),

(補遺3-2),(補遺4),(補遺5-1),(補遺5-2)

に詳述しています。
 

そこで,Dirac方程式の非相対論極限=参考テキスト

第4章Foldy-Wouthuysen変換」のトピックについて

,これで終わります。
 

(参考文献):J.D.Bjorken & S.D.Drell 

”Relativistic QantumMechanics”(McGrawHill

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2016年8月10日 (水)

Dirac方程式の非相対論極限近似(1)

このところ,暑さもあって体調が悪く,右足薬指の骨髄炎も.歩くと

感染症にかかって深刻な事態なる危険性があり歩かない方がベター

なので,この年齢で人並みの欲を出さないなら,別に無理して外出

する必要もなく休日を決め込んでスポーツ観戦三昧の毎日です。
 

これが最後の五輪観戦になるかもしれないし。。入院するより

ましです。
 

というわけで,ゴロゴロしているうち,何故か右手腱鞘炎で箸

を持っても痛く,マウスも左手という状態に。。トホホ。。

で,ブログも短い訃報程度しか右手だけでは打てませんでした。

といって,左手は遅すぎるし。。。
 

丁度,ブログ記事も自分の覚え書きを兼ねた科学記事は

「弱い相互作用」シリーズも終わって一段落し

「クライン・ゴルドン方程式」を終われば参考テキスト 

1冊目については全て終了と思っていました。
 

ところが,Kleim –Gordon方程式の項目の続きでlこの方程式の

非相対論極限近似の項目で,参考テキスト第4章のDirac方程式

の非相対論的極限近似の項目を参照する必要に迫られました。
 

そこで,本ブログの過去記事を調べてみると,この項目を

スキップしていたことがわかりました。
 

この第4章の途中からは,相対論方程式の効果によって

非相対論的量子力学で計算された水素様原子のエネルギー

準位が,相対論的方程式の効果でより精密に修正される。

という超微細構造の話題に移行していて,


 その部分
については過去記事で言及していましたが,最初

非相対論的極限近似の導入部分は割愛していました。

 しかし,この部分をスキップした頃とは違って,今は私の

読書ノートの全てを遺漏なく回顧録としてブログ化する

という方針に心変わりしているので,この際,これも

Dirac方程式の非相対論極限近似」という題目で記事に

したいと思います。

丁度,右手もだましだなし使えるようになってきましたし。
 

第4章 フォールディ・ウウトホイゼン変換 

(Foldy-Wouthuysen Transformation)
 

§4.1 序論(Introduction) 

負エネルギーの問題はさておき,Dirac方程式は,電子について

適切な記述を与えると思われます。

すなわち,それは,微細な非相対論的極限を持ち,自動的に正確

な磁気モーメント項などを生み出します。
 

そこで,今から,Dirac方程式に従う電子の与えられた外場

ポテンシャルとの相互作用について論じます。
 

特に,本質的には,相対論的特徴である未解決の負エネルギー

解と関わる困難を避けて,まずは低エネルギーの性質に着目

します。
 

Compton波長:(1/ ),Bohr半径:{1/(αm)}の間の領域: 

(1/ )<<||{1/(αm)}の領域に局在化された電子

を見出す水素原子のような問題では,第3章「自由粒子の

Dirac方程式の解」で論じた,波束に負エネルギー解が混入

してくるというような問題については,とても微小な影響

しか無いであろう。と予想されます。
 

(1-1):ここではhc=c=1とする自然単位を用いています。 

ただし,c=h/(2π)であり,hはPlanck定数です。
 

αは微細構造定数で普通のSI単位では,

α=e2/(4πε0c)と定義されています。

α ~ 1/137(単位無し)です。
 

Compton波長の定義は正しくはλc=h/(mc)2πhc/(mc) 

であり,自然単位ではλc1/mではなくλc,2π/mです。 

しかし,オーダー的には1/mでも2π/mでもと大した違いは

ありません。
 

また,Bohr半径は,元々はmを水素原子内の電子の質量(または

換算質量)としてaB4πε0c2/(me2) で与えられました。
 

これはaB=hc/(αmc)であり,自然単位ではaB1/(αm)

です。 (1-1終わり)
 

実際には水素原子に対するDirac方程式から得られる

定常エネルギー準位のエネルギー固有値は,極端なほど

精密に観測値と一致します。
 

しかしながら,Coulombポテンシャルにおける固有値問題

の正確な解を示す前に, Dirac理論から,非相対論的で

容易に解釈可能な形の中で電子と場の間の異なる相互作用

項の存在を,引き出して示すことは教育的であろうと

思われます。
 

そこで,()-Foldy-Wouthuysenによって展開された

系統的手法:すなわち,Dirac方程式を2つの2成分方程式

に分割するような正準変換を考察する手法を以下で紹介

します。
 

分割された方程式の1つは,非相対論的極限でPauli

表示になり,もう1つは,負エネルギー状態を記述します。
 

§4.2 自由粒子の変換(Free- particle Transformation)
 

Foldy-Wouthuysen変換の最初の描写として,4つの互いに

反交換する4×4行列,β,α(α1,α2,α3)を与えられた

Hamilton形式で書かれた最も便利な形式の次の自由粒子

に対するDirac方程式を考察します。
 

すなわち,ic(∂Ψ/∂t)

{α(ic)+βmc}Ψ=Ψ です。 

c=hc1の自然単位系では,αp+βm,

=-i,であり, 

i(∂Ψ/∂t) (iα∇+βm)Ψ=Ψ 

なる方程式です。
 

ここでβ,α(α1,α2,α3),σ1,σ2,σ3を3つの

2×2 Pauli行列,2×2単位行列として.βは対角成分

,4×4対角行列,α(k=1,2,3)は対角成分

がゼロで反対角成分がσの3つの4×4行列とした陽な

表示の行列とします。


 

 Ψ=[θ,χ]Tと書くとき,大成分θを小成分χと混合させる

 上記表示のαのようなあらゆる演算子を方程式から除く

 ユニタリ変換:F探します。
 

そして,任意のαのような演算子を奇(odd),大成分と小成分

を混合させない演算子を偶(even)と呼ぶことにします。
 

例えば,α,γoddであり,1,β,

σ(i/2)Σi,jjεijkγiγj,evenです。
 

を時刻tに陽には依存しないHermite演算子

としてFexp(i)と書けば,Ψ'=FΨ=exp(i)Ψ

です。
 

そこで,i(∂Ψ/∂t) Ψ より,

i(∂Ψ'/∂t)iexp(i)(∂Ψ/∂t) 

 exp(i)Ψ=exp(i)exp(i)Ψ'が成立

します。
 

これを,i(∂Ψ'/∂t)'Ψ';

'exp(i)exp(i)と書きます。
 

:Fexp(i)によるユニタリ変換:FF-1

exp(i)exp(i)odd演算子を除去する変換

である。という前提が実際に成立するなら, 

H'exp(i)exp(i),odd演算子を含まない

はずです。
 

=α+βmであって{α,β}0 ですから, 

これは2成分スピン演算子から成るHamiltonian:

=σ11+σ33even演算子:とσ3だけの線形結合

に対角化する変換を見出す問題に似ています。
 

この変換は,1軸(x軸)と3軸(z軸)で作られる平面

(xz平面)2軸(y軸=原点)のまわりに回転する

演算であり,具体的には,exp(i2θ)exp(iσ2θ/2);

tanθ=B1/3で与えられます。
 

※何故なら,U=exp(iσ2θ/2)=Σn=0(1/!)(iθσ2/2)n 

cos(θ/2)iσ2sin(θ/2)より, 

-1 

{ cos(θ/2)iσ2sin(θ/2)}(σ11+σ33)

{cos(θ/2)iσ2sin(θ/2)} 

(12+B32)σ3cosθ/3=±(12+B32)1/2σ3  ※
 

これは,αp+βmに対する変換:

FHUF-1exp(i)exp(i)Fが次の形であろう

ことを示唆します。
 

すなわち,Fexp(i)exp(iβαpθ) 

cos(||θ)(βαp/||)sin(||θ) です。
 

最右辺の形は指数関数のべき展開から得られます。
 

H'FHUF-1exp(i)exp(i) 

=[cos(||θ)(βαp/||)sin(||θ)](α+βm) 

[cos(||θ)(βαp/||)sin(||θ)] 

(α+βm)[cos(||θ)(βαp/||)sin(||θ)]2 

(α[cos(2||θ)(/||)sin(2||θ)] 

+β[cos(2||θ)|| sin(2||θ)] 

と書けます。
 

ここで,θをtan(2||θ)||/mとなるように選択

します。
 

すると, H'= βmcos(2||θ)(1||2/2),

つまり,H'=β(22)1/2が得られます。
 

同じtan2||θ)でもcos(2||θ)が正となるようなθ

を採用しました。
 

得られたHamiltonian,最初の章では排斥されたもの

です。
 

しかし,今度は負エネルギーも許容されるという重要な

変化を伴なっています。負エネルギーと4成分波動関数は,

H'=β(22)1/2なる形のHamiltonianから,

線型なDirac方程式に因数分解するために支払われた代償

でした。
 

§4.3一般的変換(The General Transformation) 

自由粒子の方程式を想定する限り大した特徴は無いように

見えるので,与えられた電磁場の中にある1電子という,

より一般的なケースを想定して対応する変換を求めます。
 

まず,Dirac-Hamiltonianα(p-eA)+βm+eΦ

です。これはαp+βmに極小相互作用変換:

(p-),H → (H-eΦ)を施したものです。
 

ここで,Θ=α(p-),ε=eΦと置けば,

=βm+Θ+εであり,βΘ=-Θβ,βε=+εβ

です。
 

α(p-eA)+βm+eΦ=βm+Θ+ε

において,出現する場が時間tに依存し,それ故,

Hamiltonian自身は時間tに依存します。
 

この電磁場Aとの相互作用を含む一般的場合には,

Fexp(i)もまた,時間tに依存すると思われます。 

つまり[,]0 です。
 

そこで,自由電子で=α+βmに対して,

Fexp(i)exp(iβαpθ)として,

H'FHUF-1exp(i)exp(i) 

=β(22)1/2が得られたように,

あらゆる次数での'oddなパラメータが除去される

ようなSを作ることは不可能です。
 

したがって,変換されたHamiltonian(1/)のベキで

非相対論的に展開し,(運動エネルギー/)3と,

(運動エネルギー)×(場のエネルギー)/2のオーダー

まででoddパラメータの除去が満足されるような

求めます。
 

再び,Ψ'= exp(i)Ψと書けば,Ψ=exp(i)Ψ'であり, 

i(∂Ψ/∂t)i(/∂t){exp(i)Ψ'} 

exp(i)i(∂Ψ'/∂t){i(/∂t)exp(i)}Ψ'

です。
 

一方,i(∂Ψ/∂t)Ψ={exp(i)Ψ'}

ですから,

i(∂Ψ'/∂t)exp(i)[{exp(i)Ψ(

{i(/∂t)exp(i)}Ψ'} 

[exp(i){i(/∂t)}exp(i)]Ψ'

です。
 

以上から,HとSが時間tに依存する場合は,

 

'= exp(i){i(/∂t)}exp(i)とすれば, 

 i(∂Ψ'/∂t)'Ψ' となって,Schroedinger方程式

の形を保つことができます。
 

exp(i)11(i)2/2..であり,は非相対論的

極限では,exp(i)1となるような小さい値としています。
 

そこで,非相対論的極限では1/m=1/(mc2)<<1より,

微小な値(1/)でのベキ展開ではは1次以上のベキで

展開されるはずです。つまり,=O[1/]です。

ここで公式:exp(i)exp(i)

i[,](i2/2!)[,[,]] 

..(im/m!)[,[,..[,]]].. 

を用います。
 

(1-2):以下は上の公式の証明です。
 

(λ)exp(iλ)exp(-iλ)と置きます。

Fλ)のλによるMaclaulin展開は

F(λ)=F(0)+F'(0)λ+(1/2!)F"(0)λ2

=Σm=0(1/!)(m)(0)λm です。
 

ただし,(m)(λ)=dm/dλmでF=F'(λ)

=F(1)(λ),F"(λ)=F(2)(λ) です。
 

(λ)exp(iλ)exp(-iλ)より,

まず,F(0)です。
 

そして,F'(λ)=dF/dλ 

exp(iλ)iexp(-iλ)exp(iλ)iHSexp(-iλ) 

exp(iλ)i[,]exp(-iλ)より,F'(0)i[,] 

を得ます。
 

さらに,F"(λ)=dF'/dλ

exp(iλ)i2[,[,]]exp(-iλ)なので,

F"(0)i2[,[,]] です。
 

同様にして,(3)(0)i3[,[,[,]]]…

かくして,帰納的に,(m)(0)im[,..,[,[,]]] 

です。
 

これらを.(λ)exp(iλ)exp(-iλ) 

= F(0)+F'(0)λ+(1/2!)F"(0)λ2 

=Σm=0(1/!)(m)(0)λm に代入した後に

λ=1とすれば,

 
exp(i)exp(i)i[,](i2/2!)[,[,]] 

..(im/m!)[,[,..[,]]].. が得られます。 

(1-2終わり)
 

H=βm+Θ+εであり,=O[1/]であることから

,(1/)の3次までの精度での近似では, 

'= exp(i){i(/∂t)}exp(i) 

~ H+i[,](i2/2)[,[,]](i3/6)[,[.[,]]] 

(i4/24)[,[,[.[,βm]]]] 

d(i/2)[,d](1/6)[,[,d]]

 

ただし,d=∂S/∂tです。
 

※(1-3): 上の式を確かめます。 

公式:exp(i)exp(i)i[,]

(i2/2!)[,[,]] ..

(im/m!)[,[,..[,]]]..において,
 

i(/∂t)を代入すると,

exp(i)i(/∂t){exp(i)} 

i(/∂t)i2[,/∂t](i3/2)[,[,/∂t]] 

(i4/6)[,[.[,/∂t]]]..ですが.
 

[,/∂t]=-Sdですから, 

与式=i(/∂t)i2d(i3/2)[,d]]

(l4/6)[,[,d]].. です。
 

そして,=O[1/]より,d=∂/∂t=O[1/]

と考えられるので,[1/3]まででは,
 

exp(i)i(/∂t){exp(i)} 

i(/∂t)i2d(i3/2)[,d]](l4/6)[,[,d]]

 です。
 

i(∂Ψ'/∂t)'Ψ'の形でのΨ'はtに依存しないとすると 

実質的に,exp(i)i(/∂t){exp(i)}Ψ' 

{d(i/2)[,d]](1/6)[,[,d]]}Ψです。
 

(1-3終わり)
 

'~ i[,](1/2)[,[,]]

(i/6)[,[.[,]]] 

(1/24)[,[,[.[,βm]]]]d(i/2)[,d] 

(1/6)[,[,d]]  

が,このイーダーまででoddパラメータを持たない.

という条件から具体的にSを探します。
 

そのため,まず,H=βm+Θ+εについて,の1次近似で

,exp(i) 1i, exp(-i) 1iを用います。
 

exp(i)exp(i) (1i)(βm+Θ+ε)(1i) 

=βm+Θ+ε+i[,β]i[,Θ]i[,ε]

ですが,

Θ=α(p-)=O(1),ε=eΦ=O(1)とS=O[1/]

という仮定からm[,β]=O(1),[,Θ] =O[1/],

[,ε] =O[1/].ですから,


   
[1/]の項を無視すると,
 

exp(i)exp(i)~ βm+Θ+ε+i[,β]

です。
 

この右辺でodd:Θ=α(p-)が消えることを要求

すると,i[,β] ~ -Θであれば満たされることが

わかります。,


  これは
,=iβΘ/(2)と選べばよいのでは?

と思わせます。

  (※何故なら,βΘ=-Θβより[β,Θ]=2βΘです。)
 

途中ですが,今日はこの当たりで終わります。
 

(参考文献):J.D.Bjorken & S.D.Drell

"Relativistic QantumMechanics"(McGrawHill)

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2016年8月 1日 (月)

訃報!!九重親方(千代の富士)

今朝5時からBSNHKで錦織君の試合を見た直後,ニュースで九重親方が亡くなられたとの知らせを聞いて少しショックでした。膵臓ガンが死因ということで享年61歳でした。私より5歳も若い。。

NHKニュース → 元横綱・千代の富士 九重親方死去 61歳

    

昔,故郷の岡山県出身の鷲羽山(わしゅうやま)を応援していたころ。。

鷲羽山も100キロそこそこでしたが,千代の富士は筋肉質だけど96キロということで,よく肩の脱臼などケガで休場することが多く,小兵ということでライバルのような関係でしたが,。。

 その後,その頃の相撲取りには珍しく筋トレなどを取り入れた結果,短期間で肉体改造。。体重も増えて平幕では全然勝てなくなりりました。。いろいろ思い出は多いですね。。

 まだ,その頃は相撲観戦も郷土愛も今よりはるかに真剣でした。。

 膵臓ガンはガンの中でも手術成功率が低いと聞いています。

 かつての友人のK田クンのときはすごく痩せたけど成功してホッとしたものでしたが。

 ご冥福を祈ります。。合掌!!

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2016年7月31日 (日)

わが青春の山崎ハコ

 人生も終わりかけて今更ながら青春の残り火を追いかける。。

 でもこれも平成11年(1999年)頃の映像??

 疲れて。。,ブログも手抜きで他人のフンドシでスモウですか。(^^;) 

 私の人生暗すぎる。。。 ずっと精神を病んでいた私は今は体の障害,

 今も昔も私は社会のゴミですか。。 

 ムダ飯食いの抹殺されるべき存在??

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2016年7月30日 (土)

訃報!!中村紘子さん。。

ピアニストの中村紘子さんが7月26日大腸ガンのため亡くなられたそうです。

享年72歳でした。まだ若いです。。私より6歳年上ですが。。。

NHKオンライン → ピアニストの中村紘子さん死去。。72歳

             

 私のまだオーディオ趣味が本格的でなくて,カセットデッキくらいしか持ってなかった頃に,それでもジャズ、POPS,その他,無節操にクラシックも含め気にいれば何でも聞いていたころですが,色々な,テープとともに,彼女の「ショパン名曲集」という市販のカセットテープを購入して聞いていました。

 ポロネーズなどを初めて聞いたのは確か,このテープからです。

 その後,クラシックはアシュケナージからアルゲリッチ。。バックハウスや日本では横山君や盲目の辻井君なども聴きましたが。。

 ショパンは中村さんの演奏は心地よい響きでしたね

 ジャズはビル・エバンスやキース・ジャレット,チック・コリアなども好みでした。  デューク・エリントンとコルトレーンのコラボとかもね。。

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2016年7月27日 (水)

クライン・ゴルドン方程式(6)

前後しますが,「弱い相互作用の旧理論」については一応

終わったので,クライン・ゴルドン方程式(Klein-Gordon eq.)

の続きに移ります。
 

ただし, 「弱い相互作用の旧理論」の最後のCVC

の記事とPCACの記事では,自分の中でまだ納得してない

不完全燃焼の部分が残っているのでPending状態ですが。。。 

 それに,急いでもないのに後回しですが。。。

 以下,本題です。
 

§9.6 高次のプロセス(Higher-order Processes) 

ここまで,主として電子に対する伝播関数の理論を模倣して

きましたが,この理論展開を,さらに続けることができて,前の

例から高次の計算法則が推測できます。
 

すなわち,電子のケースのFeynmanルールから,荷電π中間子

に対するルールへの主要な変更は,次のように書けるとが

わかります。
 

.9.6に示すように,運動量pからp'へとπ中間子を散乱

する電磁頂点では,時間的に未来,過去の両方向に対して,電子

頂点からπ頂点への変更の結果は,次のような置き換えと

なります。


 

すなわち,eγμ → e(μ+p'μ) です。
 

(ただし,eは,eγμでは電子の電荷,(μ+p'μ)では,

荷電π中間子の電荷を意味します。)
 
. 2次の相互作用項:(-e2μμ)に対応する光子2個連結

のπ頂点,2i2μνなる因子として寄与します。


 

これは,先のπのCompton散乱のS行列要素: 

pfpi(i2ε0-2)(2π)-6(16ωiωf0k'0)-1/2 

(2π)4δ4(f+k'-pi-k) 

×[{ε(2i+k)}{(i+k)2―μ2}-1{ε'(2f+k')} 

{ε'(2i-k')}{(i-k')2―μ2}-1{ε(2f-k)} 

2εε']


 において,[ ]の中の最後の項に反映されています。
 

2i2μνの因子i,この項に対する摂動展開のパラメータです。
 

このS行列要素の式はe2のオーダーの計算ですが,(μ+p'μ) 

については摂動の2次なのに,この項は摂動の1次の計算なので

現われるため出現する因子です。
 

つまり,通常の積分方程式のn回の反復近似から得られるn次の

摂動項では,因子:(i)nが出現するため,(μ+p'μ)の寄与を

nのオーダーまで計算するとき,-e2μμ項が計算にm回

出現するなら,このiは因子:(i)n-2mim(i)n-m×(1)mとして

寄与するわけです。
 

(6-1);電子のFeynman規則では,実は1頂点には,単にeγμでは 

なく(i)という因子も伴なった(ieγμ)が対応します。
 

それ故,πの頂点でもe(μ+p'μ)だけでなく,正確には 

{i(μ+p'μ)}が対応するのですが,この余分の(i)

,摂動級数の4元座標変数積分の前に掛かる(i)因子に

起因します。
 

したがって,光子がn個連結した頂点には通常はenに因子:(i)n 

が付随します。
 

しかしながら,(-e2μμ)がm個挟まってトータルでenの寄与

頂点ならルールは修正されて,n-2mに寄与する(n-2)重の 

(μ+p'μ)からの摂動級数因子:(i)n-2,m重の

(-e2μμ)からの摂動因子(i),および,(-e2)から

2mを除いた(1) を掛け合わせたiの寄与があります。
 

結果的には,(i)n-2×(i)2×(i)(i)n-2×i

(i)n-なる係数がenのオーダーの項の係数として寄与する

はずです。
 

したがって,(-e2μμ)1個当たりの虚数係数の寄与

としてはiです。 (6-1終わり)
 

2i2μνの係数因子2は,この頂点での崩壊や散乱において

生成,または消滅される量子(光子)が常に2個であるために

出現します。 (9.7参照)
 

ちなみに,ゲージ不変性のテストは,与えられたeの任意

オーダーに寄与するあらゆるグラフの総和を示す相互作用

振幅に対して適用されます。
 

前の例でも見たように,摂動級数の各eのオーダーごとに

ゲージ不変性が成立するため,これはp^A+Ap^とAA

に由来する項の相対因子が正しいかどうか?の簡単で有用

なチェックを与えます。
 

.運動量がpの内線に対応する伝播関数については,次のように 

置換します。

 i/(-m+iε)i(+m)/(2-m2iε)
→ i/(2-μ2iε)

です。
 

.外線に付与する規格化因子は電子スピノルのそれに取って

代わって次のようにします。

 (/)1/2() {1/(2ω)}1/2 です。
 

他の全ての因子:特にiと(2π)のべき乗については厳密に電子に

対するものと同一です。
 

最後に.同種粒子線を交換しただけのグラフの振幅に相対的

マイナス符号を付与するかどうか?という問題が残っています。
 

電子については,2つの同種粒子の交換を反対称とする

というPauliの原理によって,電子が交換されたグラフに

相対的なマイナス符号が導入されました。
 

一方,実験的検証の示すとところによれば,π中間子は

Bose粒子です。すなわち,それはBose-Einsteinの対称

統計を満足する粒子です。
 

特に,反応:→ π+π+πでは,2つのπ

中間子は1つの相対的S状態に放出されます。
 

さらに,Pauliによって初めて与えられた強い理論的根拠が

あります。
 

つまり,スピンと統計の間には密接な関係があって,スピン

が半奇数の粒子達はFermi統計に従がって排他原理を満たし,

整数スピンの粒子達はBose統計に従う故に,対称化される,

ということです。
 

こうした論旨は後に述べる予定の場の量子論の枠組みの

中で最もうまく論じることができます。
 

しかし,ここでは単に今記述しようとしているスピンがゼロ

の粒子はBose-Einsteinの対称統計に従う粒子であることを

意味するBose粒子であると仮定します。
 

このことはBose粒子の交換だけが異なるグラフの振幅の間

の関係は,相対的()符号ではなく()符号でなければなら

ないことを意味します。
 

したがって,もはや閉じたループ上の積分や,散乱グラフと

消滅・生成グラフとの間に,電子のケースのような(1)

因子は出現しません。
 

これらの(1)の因子は,8.1()や図8.1()の電子の過程

に対応する振幅において空孔理論の状態へのPauliの排他原理

の適用によって導入された因子でした。


 

しかし,Bose粒子に対しては,状態が全て満たされている

負エネルギー粒子の海などは無く,空孔理論とは異なる道筋

,こうした相対的符号を論じる必要があります。
 

同種のBose粒子のCoulomb散乱においては,9.8の2つの

グラフの振幅間の相対的符号はプラスです。


 

これら,2つの線のエネルギーの符号を変えることで

Bose粒子の粒子-反粒子散乱に対する振幅を得ることが

できます。
 

例えば,入れ換え;q2 ⇔ -p2 によって,9.9に示された

グラフの振幅が得られます。


 

9.9のグラフに対応する2つの振幅間の相対符号は

入れ換え;2 ⇔ ―p2が単に,散乱グラフの図9.8から図9.9

に移行する変化なら,正のままです。
 

この入れ換え;q2 ⇔ ーp2,電子のプロセスにおいて, 

1⇔p1, 1⇔p1,2⇔-q1,2⇔-q1,なる

入れ換えで,既に遭遇した法則と同じ置換法則の一つの例であり

これによって,中間子(Bose粒子)の振幅に拡張されます。
 

こうした法則は図9.10の全ての3つのグラフの振幅に対して

相対的符号プラスへと誘導します。


 

9.10()と図9.10()は頂点yの下では同等であり,それ故,

それらの間では相対的符号は()です。
 

一方,9.10()に相対的に,9.10()uvの間に付加

した散乱相互作用の導入は,符号変化は伴わないため,先述

したように,9.10()の閉ループに伴なって(1)因子が生じる

ことはないと結論されます。
 

π中間子やK中間子のようなスピンゼロBose粒子の電磁

相互作用の高次の計算については,また,くり込みの効果を

示すという課題があります。
 

これは,テキストの第8:本ブログでは

「量子電磁力学の輻射補正」シリーズ記事において電子に

対して行なったものの完全なアナロジーとして追跡すること

ができます。
 

しかし,実際にこうしたアナロジー追跡の詳細に立ち入ることは

しません。
 

このことの主な理由は,電子とは異なり中間子π,Kにはそれら

自身や核子:,nとの,電磁相互作用よりはるかに強い相互作用

があるためです。
 

したがって,計算結果の物理的観測との比較が可能となる前に,

この強い相互作用の効果をも含まれなければならないからです。
 

そこで,高次の電磁相互作用の効果の詳細よりも,これら非電磁

相互作用の論議の方が重要です。

 そして実際,この章の続きとし
て強い相互作用,弱い相互作用

のトピックに移り,これも本ブログ記事で紹介しました。
 

今日はここで終わります。
 

次回は,lein-Gordon方程式の非相対論的近似について

述べる予定です。
 

(参考文献):J.D.Bjorken & S.D.Drell 

"Relativistic QantumMechanics"(McGrawHill)

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