2009年7月 8日 (水)

電磁場の共変的量子化(補遺)

さて,すぐ前に「コーシーの主値(主値積分)」という記事を書きましたが,こうした唐突な主題の記事を全く何の脈絡もなく書くはずもなく,実は電磁場の共変的量子化におけるE関数の意味を明確にするための公式を得るという目的がありました。

電磁場の共変的量子化では,4次元交換関係などを表現するために,不変デルタ関数としてD(x)=-i(2π)-3/2∫d4pθ(p0)δ(p2){exp(-ipx)-exp(ipx)},およびE(x)=i(2π)-3/2∫d4pθ(p0)(p+iε)-2δ(p2){exp(-ipx)-exp(ipx)}を与えました。

このうち,D関数D(x)はダランベール方程式□D=0 の解であり,右辺のフーリエ因子のδ(p2)は有限な関数f(p2)との積として非特異な関数としての意味を持ちます。

 

しかし,E関数E(x)のフーリエ因子(p2+iε)-1δ(p2)は有限な関数f(p2)との積としてはなお特異な関数です。ただ,p2f(p2)のような関数との積としては,意味を持つ超関数です。

ところで,中西さんの教科書「場の量子論」で与えられているE関数の定義は,私が直感的考察で与えた表現:E(x)=i(2π)-3/2∫d4pθ(p0) )(p2+iε)-1δ(p2){exp(-ipx)-exp(ipx)}とは若干異なる形をしています。

すなわち,Δ(x,m2)=-i(2π)-3/2∫d4pθ(p0)δ(p2-m2){exp(-ipx)-exp(ipx)}に対して,E(x)≡-[∂Δ(x,m2)/∂m2]m=0=-i(2π)-3/2∫d4pθ(p0)δ'(p2){exp(-ipx)-exp(ipx)}で定義されています。

これら2つのE(x)の表現が実は等価であることを見るために,先の「コーシーの主値(主値積分)」という記事を書いたのです。

この記事では,1/(x+iε)=P(1/x)-iπδ(x)なる公式を得ましたが,これにx=p2を代入すると1/(p2+iε)=P(1/p2)-iπδ(p2)となります。

 

移項すると,積分核としてのデルタ関数の別の表現として,iπδ(p2)=P(1/p2)-1/(p2+iε)なる等式を得ます。

両辺を(p2+iε)で割ると,iπ(p2+iε)-1δ(p2)=P(1/p2)/(p2+iε)-1/(p2+iε)2となります。

 

一方, iπδ(p2)=P(1/p2)-1/(p2+iε)の両辺をp2で微分すると,iπδ'(p2)=-P{1/(p2)2}+1/(p2+iε)2となります。

そこで,ε→+0 の極限では,超関数の意味で,(p2+iε)-1δ(p2)=-δ'(p2)なる等式が成立することがわかります。

 したがって,超関数の意味でE関数の表現:E(x)=i(2π)-3/2∫d4pθ(p0)(p2+iε)-1δ(p2){exp(-ipx)-exp(ipx)}と,E(x)=-i(2π)-3/2∫d4pθ(p0)δ'(p2){exp(-ipx)-exp(ipx)}が等価であることが示されました。(以上)

参考文献:中西襄 著「場の量子論」(培風館)

  

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2009年7月 4日 (土)

コーシーの主値(主値積分)

  コーヒー・ブレイとして,数学のショートトピックを考察してみます。

 ちょっと思い付きで,コーシー(Cauchy)の主値,あるいは主値積分と呼ばれているものを考えます。

 コーシーの主値というのは,実数の区間[a,b]で定義された関数f(x)がa<c<bなるある点cで不連続なとき,P∫af(x)dx≡limε→+0[∫ac-εf(x)dx+∫c+εbf(x)dx]と定義して,これを主値(積分)(principal value)と呼ぶことを指します。

 

 これは,区間[a,b]が無限区間(-∞,∞)で被積分関数がf(x)/x (f(x):連続関数)の場合には,P∫-∞{f(x)/x}dx=limε→+0[∫|x|≧ε{f(x)/x}dx]です。

 

 複素平面上の実軸を含む領域でf(z)が正則なとき,主値P∫-∞{f(x)/x}dxを,複素z平面上のある経路Cにおける線積分∫C{f(z)/z}dzで近似することを考えます。

 

Cとしては,実軸上の-∞から-εまで真っ直ぐ進み,原点Oを回避するために,Oを中心として半径εの小円で点-εから点εまで時計回り(負の向き)にπだけ回る半円経路を加え,さらにεから∞までの直線経路を考えたものとにします。

つまり,小半円の経路をγとすると,全経路はC=(-∞,-ε)∪γ∪(ε,∞)です。

すると,∫C{f(z)/z}dz=P∫-∞{f(x)/x}dx+∫γ-{f(z)/z}dzと書けます。

ところが,明らかに∫γ-{f(z)/z}dz=i∫π0f(εexp(iθ))dθ=-iπf(0)です。

 それ故,∫C{f(z)/z}dz=P∫-∞{f(x)/x}dx-iπf(0) なることがわかります。 

 被積分関数f(z)/zに対し,その特異点であるz=0付近で,上半平面方向に歪めた経路C=(-∞,-ε)∪γ∪(ε,∞)を取る代わりに,通常の(-∞,∞)の経路のままで被積分関数の方をf(z)/(z+iε)に微修正して,特異点をz=0 から下半平面にz=-iεに移すのは,事実上同等であり同じ積分値を取るはずです。

 すなわち,∫-∞{f(x)/(x+iε)}dx=∫C{f(z)/z}dz=P∫-∞{f(x)/x}dx-iπf(0)です。

 同様な考察から∫-∞{f(x)/(x-iε)}dx=∫C{f(z)/z}dz=P∫-∞{f(x)/x}dx+iπf(0)も得られます。

 これらの公式を,形式的に1/(x+iε)=P(1/x)-iπδ(x), 1/(x-iε)=P(1/x)+iπδ(x)と書きます。

 主値積分については,コーシーの積分定理を意識して,上半平面や下半平面での半径が∞の半円周を加えた閉じた経路を積分経路Cとする説明もよく見かけますが,それはの半径が∞の半円周上での積分がゼロにになるような特別な被積分関数の形を要求します。

 

 留数などを考慮する必要がある場合なら,その方がいいでしょうが,先の考察では関数f(z)がz→ ∞でゼロに急減衰すべき,とかの条件は全く必要ないのがミソです。

 

 今日は記憶に頼った短かい覚え書きなので参考文献はありません。

 

PS:2ヶ月ぶりに帝京大病院に診察を受けに行きました。

 

 これまでは内科診療は心臓や血管が専門の主治医I先生だけでしたが持病の糖尿病がかなり悪化しているというので今回からMという糖尿病が専門の女の先生の診療も受けることになりました。

 

 ところが,先に診察を受けた糖尿病の方で,12時直前に受けた診察で,朝9時半に検査した結果の糖尿病の指標であるヘモグロビン(HbA1C;正常値4.3~5.8)が,前回(5月8日)まで,11くらいもあったのに,8.6と劇的に軽減されていたので,当然インシュリン注射の指導をする予定だったらしい女医が,これまで通りの投薬で様子を見るということになりました。

 

 空腹時血糖値は200丁度でしたが,これも前回は確か250くらいだったので減っていたし,今日は朝8時頃おにぎりを食べてきたので完全に空腹というわけではありませんでしたた。

 

 別に何をしたというわけもなく,このところ金がなくて空腹続きだったのが良かったのでしょうか?

  

 最近,何かしましたか?生活が変わりましたか?等聞かれましたが,相変わらず薬はよく忘れて半分くらいは残っているし,別に,貧乏で肉類が少なく空腹だったくらいです。

  

 そういえば,先月初め,知り合いに紹介されて面接した秋葉原の「コタラヒムジャパン」http://kothalahim.blog110.fc2.com/blog-entry-9.html という会社が,偶然にも和名「コタラヒム」という名前の糖尿病に効くらしいスリランカの薬草を販売している会社でした。

   

 そのとき,対面したS会長に自分も長年糖尿病である旨を伝えたら,サンプル試供品の「コタラヒム」を20粒程度頂きました。これを思いついたときには食前2錠ずつ飲んでいたのを思い出しました。

 

 まだ,数粒残っているので,毎日飲んだわけではないようです。

 

 このことを言ったら,後で診察を受けた糖尿が専門ではない心臓病の主治医は少し興味を持ったようでしたが,糖尿病が専門の医者には「毒かもしれないから,変なものは飲まないように」と言われました。

 

 私のデータが改善された理由は,十分な比較サンプルもないので,もちろん何の効果かははっきりしないのでしょうが,そもそもインシュリン投与の対症療法しかない糖尿病だし,専門の立場からはイカガわしいもが多いという気持ちはわかりますが,別に私は回し者ではないので調べるくらいしてもいいのにと思いました。

 

 (理由は,何でも薬は効きさえすればいいのだと思う。。大きな副作用があれば別ですが。。)

 

 心臓,血管関係では,2年前のバイパス手術退院当時,上が85~90だった血圧が120と正常になってました。また,退院時52キロだった体重も61キロと戻ってきました。

 

 しかし,身長が176センチなので,まだまだやせていて太りたいのですが,ここ数年来摂取カロリーが成人標準の半分程度なので,やせるのも仕方ないでしょう。

 

 だからこそ,食事療法などは無駄だから,インシュリンを投与しろということらしかったのですが。。。

 

 また,これまで,フラフラして転びやすいのは,主に低血圧のせいと思っていたら,赤血球も正常下限値の8割しかなくて貧血もあるようでした。その他は腎臓が蛋白+2で少し悪い以外は全て正常値でした。

 

 念のため,次回はほぼ全部の内臓の超音波(エコー)検査をすることになりました。

 

 また,4月末にやった両足首の動脈の検査結果から,足の動脈硬化らしいので薬ももらいましたが,来週下半身のMRI検査をして,場合によっては足の動脈のカテーテルか,バイパス手術もあるらしいです。

 

 そうだとしても,今度は心臓ではなく足なので危険度ははるかに少ないでしょう。

 

 糖尿病状態の急激な変化は,たとえ軽癒の場合でも眼底によくないとのことで,同じ日に久しぶりに眼科の診察も受けることになりました。

 

 こうした検査は人間ドック以上にお金がかかるだろうとはいえ,これまで定期的に受けてきた診察では何もなかったのに5月に病院の建物や施設が新しくなったとたんに,こう色々と出てくるのでは今までは一体何だったんだろう?と思ってしまいます。

 

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2009年7月 1日 (水)

自分のブログにアクセスできませんでした。

 昨日,ココログ(@niftyの全ブログ)のメンテナンスが終わってもココログ・フリーのエラーが出て管理画面へ行けというメッセージが出るけど,どうしても管理画面も表示されなくてイライラしていました。

 実は6月最後の記事書く予定だったのに,どうしようもありませんでした。

 今朝になって,解決策をネット検索していると,前回にもあったとのことで,インターネット・オプションのセキュリティから,cookiesファイルを削除すれば解決されるとのこと。。やってみました。。

 おお,確かに管理画面が出ました。。

 しかし,以前とトップ画面が変わっている?そして,niftyのIDを入れろと出ているので,@niftyのIDを入れてログインすると,「このIDはブログに登録されていません。」と出ます。

 ウーン。。私は@nifty会員でもあるけれど,そもそもココログ・フリーは@nifty以外の会員が利用できて無料のはず。。

 いつ@nifty会員をやめてもいいように,フリーの方でブログやってるのでした。

 ははあ,@niftyのIDではなくて,今まで通り,ブログ会員のIDかなと入れてみたら通りました。。バカヤローって,やっぱ俺の方が馬鹿なのかな?。。。

PS:保育士の資格を取ろうと思って勉強していたのですが,どうも年齢制限があって,せいぜい29歳くらいまでということらしく,全く無理だとわかりました。

 しかし,発達心理学などには少し興味を感じたし.子供のケガ,病気に関する知識も僅かですが得られたので無駄ではないし,資格に関係なくこれからも続けようと思っています。

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2009年6月27日 (土)

TV朝日「朝まで生テレビ」の感想

 今日(6/26(金))のTV朝日の月イチの深夜番組「朝まで生テレビ(朝までナメてれば?)」は,失業,貧困がテーマでしたが,比較的政治を含むパフォーマンスも少なく,敵味方も満遍なく揃っていて,それほど興奮して極端な無茶を言う登場人物もいなくて(それはそれで別の意味で面白いこともあるけど),まともに面白かったので,久しぶりに,途中でチャンネルを変えることもなく最後まで冷静に見てしまいました。

 

 しかし,いつも思うのですが,あの金さんて方(在日台湾人?)は,暖かそうな顔をしてるのに,いわゆる弱者である障害者や現に貧困な人々に対して何故あんなに冷たいピントはずれな意見を述べるのだろう?

 

 恐らく,余りにも衣食足りていることが当たり前の世界にいるので,自分では冷たいことに気付いてないだけなんだろうとは思いますが。。

 

 取り合えず,お金の借りられる友人や身内はいないの?そしてそういう困ったときに助けてくれる人がいないのも自分のせいじゃないかとかのご意見でした。

 

 それじゃ,"パンをよこせ"という民衆に"パンが無ければケーキ(お菓子)を食べればいいじゃないか?"と言ったというマリー・アントアネットと同じじゃないですか。

 

 イヤー,金さんって,そこまで生まれも育ちもいいのでしょうか。。。

 

 もっとも,マリー・アントアネットがそんなことを言ったという史実はないらしく,彼女を断頭台に送った正当な理由付けのために後世で創作された話らしいですが。。。

 

 まあ,勧善懲悪の時代劇でも,最後に正義が悪人をブッタ斬る(死刑?だよね)という設定を正当化するために,ブッタ斬る予定の相手にワザワザ必要の無い人殺しなどをさせるという理由付けをしますよね。。

 

 別のお金持ちの方(カツラの似合う堀さん)は,たかが6千円がないからとか,またギリギリになってセーフティネットに頼ってきたらしいけど,それまでネット・カフェで暮らしてる余裕があった間に,つまり何故もっと早く手遅れになる前にセーフティネットや,他の誰かに頼るような道を模索しなかったのか?という内容のことを述べておられました。

 

 ここは,さすがにチョッと腹が立ちました。

 

 イジめられてギリギリになって自殺した,または自殺未遂の中学生に対して,"何故もっと早くなんとかしなかったのか?"とか"死ぬ気になれば何でもできるのに"とか抜かしてるのと同じです。何もできない大人と同じことを言ってるのですよ。

 

 お二人とも,困ったときにどうすればいいか?という知恵が働かないような人間を作った教育が悪い,あるいは,現代は困ったときは助け合いという昔ながらの向こう三軒両隣的な大家族時代の人情が少ない,生活に困ったときのノウハウがわからないという意味で,頭が悪いのも原因だ。。みたいなご意見でした。

 

 これも,もちろん要因の1つでしょうが,頭を使えば何とかなるという貧困のレベルかどうかをご理解されてないようです。

 

 貧乏人の側の,そもそもお金を借りるとか,金がからむ関係になると,友人関係さえ壊れるという意見が理解できないはずはないでしょう。。

 

 それに対して,それは本当の友人じゃない。困ったときに助け合えるのが友人というものだ。というご意見でした。

 

 イヤー私なら両方共もっともなご意見で,実はほとんど同じことを別表現で述べているに過ぎないと思えます。

 

 それに対して,ファニー・フェースでコメディアンが合うとも見える自民党の大村さんが,この件に限っては意外と,まともだと思いました。。(ひょっとして選挙前だけのお得意のポーズ?)

 

 まあ,必ずしも政治のせいだけではないので,弁解する必要はないのに,結果的には片山氏も含めて,本題である将来の対策よりもむしろ,現行の党や政府の政策の弁解に終始してました。立場上仕方ないのでしょうかね。

 

 小池という共産党の医者?も,この件については意外とまともでしたが,民主党のお二人は真面目には見えるけどアガっていたのかな?。。

 

 とにかく身につまされる話なので,最近の国内外のデータを交えた話だけはずい分参考になりました。

 

PS:いくら有名になって大金持ちになっても,白人コンプレックスだけはどうしても消せなくて,そういう意味ではマイケル・ジャクソンも不幸でした。

 

 白人に対するコンプレックスさえなければ。。(これの原因は人種差別なんでしょうけどね)

 

 ファラ・フォーセットが亡くなったニュースもかすみましたね。。

 

 肛門ガンというのも,エイズで友人にも見放されて最後は不遇のうちに亡くなったロック・ハドソンと同様,スターにとっては,不名誉な病名で可哀想ですね。

 

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2009年6月25日 (木)

水の波(5)(群速度,波のエネルギー)」

 ちょっと間があきましたが,水の波の続きです。

 群速度が波群の進行速度を表わすことは既に述べましたが,ここでは波群の運動学の立場から群速度を概観してみます。

 一般に分散性媒質中では,任意の初期状態から出発した波の場は時間が経つにつれて分散が進み,長時間の後には,局所的には1つの波数と振動数の単色波になるという状態が実現します。

 こうした状態においては,波の場の振動的構造を無視して,場全体を波数,振動数,振幅などの特性量の場として大局的に記述することが可能になります。

 これは波の場を波群の運動学として記述するもので,いわば波動光学に対する幾何光学に対応しています。

 局所的に単色波である波の場では,もはや波の分裂や合体は起こらないので,波数,および振動数の保存則が成り立つと考えられます。

 今,x軸の方向に長さδxを取り,δxは波数kの空間的変化の尺度に比べればきわめて小さいが,その中には多数の波を含むとします。

 同様に,時間間隔δtを取り,δtは振動数ωの時間的変化の尺度に比べれば十分短かいが,中に多数の振動を含むとします。

 x軸の正の向きに進む水の波を考えると,δt内にx,およびx+δxを通過する波の数は,それぞれω(x,t)δt,およびω(x+δx,t)δtです。

そこで,区間(x,x+δx)内には,差し引きω(x,t)δt-ω(x+δx,t)δt=-(∂ω/∂x)δxδtだけの波が残ります。

ところが波数の保存側によって,これはこの区間δx内において,時間δt内における波数の増加(∂k/∂t)δxδtに等しくなければなりません。

したがって,∂k/∂t+∂ω/∂x=0 です。位相速度c=ω/kを代入すると∂k/∂t+∂(ck)/∂x=0 と書けますが,これは明らかに波数kに対する連続の方程式を表わしています。

この記述では,波の位相速度cが波数kの伝播速度を与えることを示しています。

他方,群速度がcg=dω/dkで与えられることから,∂ω/∂x=(dω/dk)(∂k/∂x)なので,波数の保存式∂k/∂t+∂ω/∂x=0 は∂k/∂t+cg∂k/∂x=0 なることを意味します。

  

あるいは,∂ω/∂t+cg∂ω/∂x=0 です。ωはkを通じてx,tに依存しているとしています。

そして,dx/dt=cgならdk/dt=∂k/∂t+(∂k/∂x)(dx/dt)=∂k/∂t+cg∂k/∂x,かつdω/dt=∂ω/∂t+(∂ω/∂x)(dx/dt)=∂ω/∂t+cg∂ω/∂xです。

 

それ故,波数の保存式∂k/∂t+∂ω/∂x=0 は,dx/dt=cgなる道筋に沿って波数kと振動数ωが一定なることを示しています。

つまり,波の群速度cgは,波数k,または振動数ωが一定である点の移動速度を与えます。

 

ωはkのみの関数で,cgもまたkのみの関数と考えることができるのでk=一定の道筋の上では,dx/dt=cgの解は,x-cgt=一定なる直線,つまり等速運動になります。

そこで,一定の波数,または振動数の波群は,一定の群速度で進行することがわかります。

媒質が不均一である場合には,ωはkだけでなくxにも依存するため,∂k/∂t+cg∂k/∂x=0 または∂ω/∂t+cg∂ω/∂x=0 は成立しません。

しかし,この場合も局所的な群速度を,xを固定した偏微分で,cg≡(∂ω/∂k)xで定義します。

 

(∂ω/∂k)x(∂k/∂t)x=(∂ω/∂t)xを考慮すれば,再びωに対する方程式:(∂ω/∂t)x+cg(∂ω/∂x)x=0 が得られます。

したがって,不均一な媒質においても一定振動数の波群は群速度cgで進行します。

 

ただし,この場合,群速度cgは一定ではなく,道筋もまた直線的(等速運動)ではありませんが,cgはωとxの関数であり,ωは道筋に沿って一定ですから,cgはxのみの関数となります。

次に波のエネルギーを考察します。

x軸とそれに直角なy軸方向にそれぞれ単位長さの幅を持ち,鉛直z方向には水底z=-hから水面z=ηまでの立体Vを取り,Vの中の水のエネルギーを考えます。

水の密度をρ=一定とすると,渦なしの流れの場合,水の速度は速度ポテンシャルΦによって=∇Φと表わされるので,運動エネルギー=∫V2/2)dV=(ρ/2)∫V|∇Φ|2dVで与えられます。

 

一方,位置エネルギー=ρg∫VzdVです。

したがって,全エネルギーは=∫V{ρ|∇Φ|2/2+ρgz}dVで与えられます。

これを微小振幅波について具体的に計算してみます。

体積Vとしてy方向の幅は単位長さとしていますが,x方向の長さをδxを考えると,まず運動エネルギーはδx=(ρ/2)∫0δxdx∫-h0dz{(∂Φ/∂x)2+(∂Φ/∂z)2}と表わされます。ここでz積分の上限は線形近似でη=0 としました。

既に求めたように微小振幅波の速度ポテンシャルはΦ(x,z,t)=-{Ac/sinh(kh)}cosh{k(z+h)}cos(kx-ωt)です。

 

これを,δxの表現に代入し位相速度がc=c(k)=k/ω=fλ={(g/k)tanh(kh)}1/2{gλtanh(2πh/λ)/(2π)}1/2を用います。

 

すると,δx=(ρ/2){Ack/sinh(kh)}20δxdx∫-h0dz[sin2(kx-ωt)+sinh2{k(z+h)}]=(ρ/2){(gA2k)tanh(kh)/sinh2(kh)}}δx[h/2+{sinh(2kh)/(2k)-h}/2]=ρgA2δx/4,すなわち,=ρgA2/4を得ます。

また,位置エネルギーは水面の高さが意味を持つので,ηを復活させてη=η(x,t)=Asin(kx-ωt)とすると,δx=ρg∫0δxdx∫-hηzdz=(ρg/2)∫0δx2-h2)dx=(ρg/2)∫0δx{A2sin2 (kx-ωt)-h2}dx=(ρgδx/2)(A2/2-h2)です。

 

よって=ρgA2/4-h2/2です。

したがって,全エネルギーは=ρgA2/2-h2/2です。

 

ところが右辺の定数項:-h2/2はA=0 で波がなく静止しているときにも存在する水の位置エネルギーですから,これを基準としたエネルギーを改めて波のエネルギーとしてw,w,wwwを定義すれば,ww=ρgA2/4,w=ρgA2/2となります。

 

これらのエネルギーは,いずれも波数や振動数に無関係であり,水面波ηの振幅Aだけで決まる量です。そして,今の場合,運動エネルギーと位置エネルギーの等分配則が成立しています。

 

一般的には,波のエネルギーは=∫V{ρ|∇Φ|2/2+ρgz}dVから,水の静止エネルギー∫V0ρgzdVを引いたw=∫V{ρ|∇Φ|2/2]dV+∫VρgzdV-∫V0ρgzdVで定義できます。

  

ただし,V0は水面波ηがない場合の立体体積です。

  

次に,波のエネルギーの時間変化dw/dt=d/dtを考えます。特にエネルギー密度をε≡ ρ|∇Φ|2/2+ρgzとおけば,=∫VεdVであり,d/dt=∫V(∂ε/∂t)dV+∫S(εvn)dSです。

 

ここで,SはVの表面を表わし,vnはSの面要素dSの動く速度の外向き法線成分を表わします。

 

ここで,圧力方程式∂Φ/∂t+P/ρ+|∇Φ|2/2+gz=f(t)≡P0/ρ(広義のベルヌーイの定理)を考慮すると,ε=ρ|∇Φ|2/2+ρgz=-ρ(∂Φ/∂t)-(P-P0)と表現できます。

 

そこでd/dt=ρ∫V[∇Φ∇(∂Φ/∂t)]dV-∫S[{ρ(∂Φ/∂t)+(P-P0)}vn]dSと書けます。

 

ところが,∇2Φ=0 ですから,∫V[∇Φ∇(∂Φ/∂t)]dV=∫V[∇{∇Φ(∂Φ/∂t)}-∇2Φ(∂Φ/∂t)]dV=∫V[∇{∇Φ(∂Φ/∂t)}dV=∫S(∂Φ/∂n)(∂Φ/∂t)dSです。

 

したがって,d/dt=∫S{ρ(∂Φ/∂t)(∂Φ/∂n-vn)+(P-P0)vn}dSと書けます。

 

ところでVの表面Sは4つの鉛直な側面と水面,水底面から成りますが,水面では∂Φ/∂n-vn=0,かつP-P0=0 です。

 

そしてx軸に平行な一対の側面では∂Φ/∂n=vn=0です。またx軸に垂直な一対の側面ではvn=0 ですが,一般に∂Φ/∂n≠0 です。

 

それ故,x軸に垂直な側面をSnとすると,d/dt=ρ∫Sn(∂Φ/∂t)(∂Φ/∂n)dSなる式が得られます。これは波のエネルギー保存則を意味します。

 

ところで,Sn上でun≡∂Φ/∂nと定義し,エネルギー密度の表現:ε=-ρ(∂Φ/∂t)-(P-P0)を用いると,上式はd/dt=-ρ∫Sn(εun)dS-∫Sn{(P-P0)un}dSと書けます。

 

これは,右辺第1項が体積V内へのエネルギーの流入率,第2項が大気と流体の圧力差によってV内の流体が受ける仕事率を表わすというエネルギー保存の典型的な形式になっています。

 

ここで,体積Vとしてx軸方向に長さδxを有するものを取り,座標x,x+δxにおける境界面Snを,それぞれS(x),S(x+δx)と書けば,エネルギー保存式は,(d/dt)δx=ρ[∫S(x+δx)-∫S(x)][(∂Φ/∂t)(∂Φ/∂n)]dSとなります。

 

そこで,d/dt=ρ(∂/∂x){∫S(x)(∂Φ/∂t)(∂Φ/∂n)dS}となります。これは波のエネルギー保存則の微分形で,波のエネルギー方程式を与えるものとなっています。

 

とりあえず,今日はここまでにします。

参考文献:巽友正著「流体力学」(培風館) 

   

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2009年6月19日 (金)

電磁場の共変的量子化(3)(中西-Lautrap理論)

 電磁場の共変的量子化(3)(中西-Lautrap理論)」の続きです。

 前回は,共変ゲージでの電磁場Aμ(x),補助場B(x)の一般的4次元交換関係が[B(x),B(y)]=0,[Aμ(x),Aν(y)]=-iημνD(x-y)+i(1-α)∂xμxνE(x-y)で与えられるというところまで書きました。

 これは,B(x)=∫d3zD(x-z)∂z0B(z), Aμ(x)=∫d3z[D(x-z)∂z0μ(z)+(1-α)E(x-z)∂z0zμB(z)]なる表現に基づくものです。

 忘れていましたが,4次元交換関係[Aμ(x),B(y)]をまだ計算していませんでした。

これも,B(y)=∫d3zD(y-z)∂z0B(z)を代入した式,[Aμ(x),B(y)]=∫d3zD(y-z)∂z0[Aμ(x),B(z)]を利用すれば計算できます。

右辺の被積分関数はz0に依存しないので,z0=x0とおけば,これは[Aμ(x),B(z)]と[Aμ(x), ∂z0B(z)]の同時刻交換関係から計算できます。

まず,μ=iなら,[i(x0,),B(x0,)]=0 によって[Ai(x),B(y)]=-∫d3zD(y-z)[Ai(x),∂z0B(z)]と書けます。

ところが,∂μB=□μ-∂μννですから,∂0B=□0-∂0νν=Σkk(∂0k)-∇20です。

そして,同時刻では,[μ(x0,),Aν(x0,)]=0 ですから[i(x0,),∇y20(x0,)]=0 です。

また,[i(x0,),∂0k(x0,)]=-iδikδ3()より,[j(x0,),Σkyk(∂0k(x0,))=-iΣkykδikδ3()=-i∂yiδ3()なので,[i(x0,),∂0(x0,)]=-i∂yiδ3()を得ます。

それ故,[Ai(x),B(y)]=i∫d3zD(y-z)∂ziδ3()=-i∂xi(y-x)=i∂xi(x-y)となります。

 

(なぜなら,D(y-x)=-D(x-y)です。)

一方,同時刻で[0(x0,),∇y20(x0,)]=0 なることは明らかです。また,[μ(x0,),∂0k(x0,)]=0 ですから,[i(x0,), Σkyk(∂0k(x0,)]=0 です。

 

よって,[A0(x0,),∂0k(x0,)]=0 が得られます。

一方,[0(x0,),B(x0,)]=-iδ3()ですから,[A0(x),B(y)]=-i∫d3z∂z0D(y-z)δ3()=-i∂x0D(y-x)=i∂x0D(x-y)です。

 以上から,4次元の共変的交換関係:[Aμ(x),B(y)]=i∂xμ(x-y)も得られました。

 補助場B(x)はダランベール方程式:□B=0 の解なので,運動量表示は,B(x)=(2π)-3/2∫d3p(2||)-1/2θ(p0)δ(p2){b^()exp(-i||t+ipx)+b^()exp(i||t-ipx)}},

 

 あるいは,B(x)=(2π)-3/2∫d4pθ(p0)δ(p2){b^(p)exp(-ipx)+b^(p)exp(ipx)}と,よく知られた形に表現して何の問題もありません。

 そして,これらの逆変換としてb^()=-i(2π)-3/2(2||)-1/2∫d3x[(i||t-ipx)]]∂0B(x)],あるいはb^(p)=-i(2π)-3/2θ(p0)δ(p2)∫d3x[exp(ipx)∂0B(x)]を得ます。

 

 b^(p)=θ(p0)δ(p2)(2||)1/2b^()です。

 しかし,□Aμ=0 ではないので,Aμ(x)=(2π)-3/2∫d3p(2||)-1/2θ(p0)δ(p2){aμ^()exp(-i||t+ipx)+aμ^()exp(i||t-ipx)}}=(2π)-3/2∫d4pθ(p0)δ(p2){aμ^(p)exp(-ipx)+aμ^(p)exp(ipx)と書くことはできません。

 

 これが,この問題のネックなのです。

(x)=∫d3zD(x-z)∂z0B(z),およびAμ(x)=∫d3z[D(x-z)∂z0μ(z)+(1-α)E(x-z)∂z0zμB(z)]なるキルヒホッフの表示式,

そして,D(x)=-i(2π)-3/2∫d4pθ(p0)δ(p2){exp(-ipx)-exp(ipx)},E(x)=i(2π)-3/2∫d4pθ(p0)(p2+iε)-1δ(p2){exp(-ipx)-exp(ipx)}なる表現式,

^(p)=-i(2π)-3/2θ(p0)δ(p2)∫d3x[exp(ipx)∂0B(x)]なる逆表現から類推して,aμ^(p)≡-i(2π)-3/2θ(p0)δ(p2)[∫d3x[exp(ipx)∂0μ(x)-(1-α)(p+iε)-2exp(ipx)∂0B(x)]と定義してみます。

(x)の正振動数部分をB(x)と書けば,B(x)=(2π)-3/2∫d4pθ(p0)δ(p2){b^(p)exp(-ipx)です。

 

同様に,Aμ(x)の正振動数部分をAμ+(x)と書けばAμ+(x)=(2π)-3/2∫d4pθ(p0)δ(p2)aμ^(p)exp(-ipx)です。

こうすれば,運動方程式,□B=0 ,□μ(1-α)∂μB=0 ,∂μμ+αB=0 は,それぞれp2b^(p)=0 ,p2μ^(p)=i(1-α)pμb(p),pμμ^(p)=-iαb(p)となります。

また,交換関係は[b^(p),b^(q)]=0,[aμ^(p),aν+(q)]=δ4(p-q)[-ημνδ(p2)+(1-α)pμν-2δ(p2)],[aμ^(p),b(q)]=-δ4(p-q)pμδ(p2)です。

グプタ・ブロイラーの方法では,物理的状態を|phys>と表記すると,その条件は,∂μμ+(x)|phys>=0 とされています。これはα=0 のランダウゲージ以外では,b(p)|phys>=0 と同値です。

 

そこで,逆に物理的状態であるための条件をb(p)|phys>=0 であることと定義します。

さて,運動量がpμの1光子状態は,aμ^(p)|0>とb^(p)|0>であるとします。ただし,pμμ^(p)|0>=-iαb(p)|0>なる条件がありますから,このうち独立な偏光成分は4つだけです。

これら1光子状態は,p2^(p)=0 より,p2b^(p)|0>=0 を満たし,p2μ^(p)=i(1-α)pμb(p)より,p2μ^(p)|0>=-i(1-α)pμb^(p)|0>を満たすことがわかります。

 

ここで,簡単のために,pμ(p0,p1,p2,p3)=(E,0,0,E)(E≠0)なる座標系を取ります。これは,光子の運動方向をz軸方向に取るというだけの意味ですから,決して一般性を失なうものではありません。

  

このとき,pμμ^(p)=-iαb(p)は,1光子としては,E(a0^(p)-a3+(p)|0>=iαb(p)|0>なることを意味します。 

さらに,スカラー光子を|p,S>≡b^(p)|0>,縦波光子を|p,L>≡a3^(p)|0>,横波光子を|p,Tj>≡aj^(p)|0>(j=1,2)と表記しておきます。

すると,p2b^(p)|0>=0,p2μ^(p)|0>=-i(1-α)pμb^(p)|0>は,p2|p,S>=p2|p,Tj>=0 ,かつp2|p,L>=-i(1-α)E|p,S>を意味します。

そこで,スカラー光子|p,S>と横波光子|p,Tj>は固有値p2=0 に属するp2の固有状態ですから,これらは質量がゼロの粒子状態を表わしています。

 

しかし,縦波光子|p,L>はα=1の場合を除いて,p2の固有状態ではありません。しかし,(p2)2|p,L>=0 を満たすので,いわゆる双極ゴースト(dipole ghost)です。

さらに,[b^(p),b^(q)]=0 により,<q,S|p,S>=0 です。また,[aμ^(p),b(q)]=-δ4(p-q)pμδ(p2)により,<q,S|p,Tj>=0,<q,S|p,L>=-δ4(q-p)Eδ(p2)です。

そして,[aμ^(p), aν+(q)]=δ4(p-q)[-ημνδ(p2)+(1-α)pμν-2δ(p2)]により,<q,L|p,L>=δ4(p-q)δ(p2)+(1-α)E2-2δ(p2)]です。

 

さらに,<q,Tj|p,L>=0,<q,Tk|p,Tj>=δkjδ(p24(p-q)であることもわかります。

また,再び[b^(p),b^(q)]=0 により,b^(q)|p,S>=0 です。そして,[aj^(p),b(q)]=0 (j=1.2)によって,b^(q)|p,Tj>=0 です。

 

一方,[a3^(p),b(q)]=-δ4(p-q)Eδ(p2)なので,p2=0,かつq=pなら|b(q)|p,L>≠0 です。

 

そこで,双極ゴースト粒子の縦波光子は非物理的状態であり,観測可能な状態ではないことがわかります。

したがって,スカラー光子と横波光子のみが物理的状態となる条件を満たす物理的粒子です。

 

ただし,スカラー光子のノルム<p,S|p,S>は常にゼロです。

 

それ故,スカラー光子は,確かに質量がゼロの物理的粒子ですが,観測される確率はゼロという意味で閉じ込められるため,実光子ではなく仮想光子と呼ばれます。

  

さて,自由場を離れて相互作用(4元電流密度)がある場合には,運動方程式は,□μ-∂μνν-∂μB=□μ(1-α)∂μB=-jμ(x)となります。

 

特に静電場なら,j0(x)=j0(,t)=ρ()(電荷密度)だけがゼロでない成分で,時間変動はありませんから,∂0=∂/∂t=0 を代入すると,-∇20=ρ,∇2k=-(1-α)∂kBとなります。 

-∇20=ρは,0をφと書けば∇2φ=-ρです,

 

これから,静電ポテンシャルはφ()=-∫d3y[ρ()/(4π||)]で,静電場は(x)=-∇φ()で与えられます。

 

そこで補助場B(x)の存在に関係なく,静電場のクーロンの法則は確かに成立します。補助場B(x)は単にゲージ変換と同等な意味しか持たないわけです。

そして,-∇20=ρは,運動量表示では,20^(p)=ρ^(p)と同等です。同じく,∇2k=-(1-α)∂k2k^(p)=-i(1-α)pkb^(p)です。

μμ+αB=0 よりpμμ^(p)=-iαb(p),あるいはp2=0でpμ=(p0,p1,p2,p3)=(E,0,0,E)(E≠0)なら,2=E2でE{a0^(p)-a3^(p)}=-iαb^(p)です。

 

そしてE23^(p)=-i(1-α)Eb^(p)です。これらの式から,a3^(p)を消去すると,a0^(p)=ib^(p)/Eを得ます。同様にa0^(p)=-ib^(p)/Eとなります。

 

そこで,φ()=i(2π)-3/2∫d4pθ(p0){δ(p2)+(p+iε)-2δ(p2)}{a0^(p)exp(-ipx)+a0^(p)exp(ipx)}のa0^(p),a0^(p)を,それぞれib^(p)/E,-ib^(p)/Eに置き換えたものが静電場のクーロンポテンシャルに相当することがわかります。

 

それ故,クーロン相互作用は,閉じ込められていて観測されない質量ゼロのスカラー光子の媒介によるという描像が得られました。

 

ちょっと,詳細を省いていますが,理論の概略としてはこの程度です。

 

今日はここで終わります。

参考文献:J.D.Bjorken,S.D.Drell「Relativistic Quantum Fields」(McGraw-Hill),中西 襄 著「場の量子論」(培風館)

 

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2009年6月14日 (日)

電磁場の共変的量子化(2)(中西理論;不変デルタ関数)

「電磁場の共変的量子化(中西-Lautrap理論)」の続きです。PCトラブルで,ちょっと間があきました。

 

今日は,一般的な不変デルタ関数を考察します。

 

無用な煩雑さを避けるため,素朴な質量mのクライン・ゴルドン方程式に従う1成分の自由な中性スカラー場φ(x)の考察から始めます。

 

(簡単のため,c=h/(2π)=1の自然単位を採用します。)

 

自由な中性スカラー場φ(x)のラグランジアン密度00(φ,∂μφ)=(1/2)(∂μφ∂μφ-m2φ)で与えられます。

(ただし,∂μφ≡∂φ/∂xμetc.です。)

 

φの変分δφに対して,作用S=∫0(φ,∂μφ)d4xの変分δSが停留値を取るべきであるという作用原理から,場の運動方程式はオイラー・ラグランジュ方程式∂μ{∂0/∂(∂μφ)}-∂0/∂φ=0 で与えられます。

 

当然ながら,これは素朴なクライン・ゴルドン方程式(□+m2)φ(x)=0 に一致します。ここに□≡∂μμ=∂2/∂t2-∇2で,これはダランベルシャン(d'Alembertian)と呼ばれる微分演算子です。∇2はラプラス演算子(Laplacian)です。

 

正準共役な運動量密度演算子はπ(x)=∂0/∂(∂0φ)=∂0φ=∂0φで与えられます。

 

そこで,同時刻の正準交換関係は,[π(x),φ(y)]|x0=y0=-iδ3(),および[φ(x),φ(y)]|x0=y0=[π(x),π(y)]|x0=y0=0 となります。

 

そして,φ(x)の自由平面波によるフーリエ(Fourier)展開式はφ(x)=(2π)-3/2∫d3k(2ωk)-1/2{a^()exp(-ikx)+a^()exp(ikx)}と書けます。

 

ただし,ωk≡(2+m2)1/2>0 であり,exp(-ikx)=exp(-iωkt+ix),exp(ikx)=exp(iωkt-ix)です。また,a^()はa^()のエルミート共役です。 

同時刻の正準交換関係[π(x),φ(y)]|x0=y0=-iδ3(),[φ(x),φ(y)]|x0=y0=[π(x),π(y)]|x0=y0=0 から,a^(),a^()の交換関係[a^(),a^(')]=δ3('),[a^(),a^(')]=[a^(),a^(')]=0 が得られます。

これらa^(),a^()の交換関係から,同時刻とは限らない一般の場の交換関係のフーリエ積分表示として,[φ(x),φ(y)]=(2π)-3∫d3k(2ωk)-1[exp{-ik(x-y)}+exp{ik(x-y)}]を得ます。

これをiΔ(x-y)と定義します。

 

特に,質量mの関数であることを強調したいときには,Δ(x)の代わりにΔ(x,m2)と表記します。Δ(x),またはΔ(x,m2)は座標xμのローレンツ変換に対して不変なので,不変デルタ関数と呼ばれます。

 そして,iΔ(x-y)=[φ(x),φ(y)]ですから,Δ(y-x)=-Δ(x-y)であり,また,(□+m2)φ(x)=0 ですから,(□+m2)Δ(x)=0 を満たします。

 

 前記事の電磁場について,不変デルタ関数として与えたD(x)は-Δ(x,0)であり,□D(x)=0 の解です。

不変デルタ関数は,交換子[φ(x),φ(y)]で与えられる上記の関数だけではなく,(□+m2)Δ(x)=0 ,または(□+m2)Δ(x)=±δ4(x)を満たすローレンツ不変な関数Δ(x)は全て,クライン・ゴルドン演算子(□+m2)に対する不変デルタ関数と呼ばれるようです。

 同時刻交換関係[π(x),φ(y)]|x0=y0=[∂0φ(x),φ(y)]|x0=y0=-iδ3()から,このΔ(x)は∂0Δ(x)|x0=0=-δ3()を満たします。

 

 そして,[φ(x),φ(y)]|x0=y0=0 から,xとyが空間的(space-like)に離れているとき,すなわち(x-y)2<0なら[φ(x),φ(y)]=iΔ(x-y)=0 が得られます。

 空間的(x-y)2=(x0-y0)2-()2<0 の場合,適当なローレンツ変換によって,2つの事象x,yが同時刻:x0=y0となるような座標系を取ることが可能です。

 

 その座標系では同時刻なので[φ(x),φ(y)]|x0=y0=0 ですが,これはローレンツ変換に対して不変な関係ですから,[φ(x),φ(y)]=iΔ(x-y)=0 と結論されます。

 そういうわけで,(x-y)2<0 (空間的)なら[φ(x),φ(y)]=0 が成立します。これは理論が相対論的な微視的因果律を満たす十分条件になっています。

 さて,簡単な計算によって,ωk(2+m2)1/2>0との任意関数fk,)に対し,公式∫d3k(2ωk)-1f(ωk,)=∫d4kδ(k2-m2)θ(k0)f(k0,)が成立することがわかります。

ただし,θ(τ)はヘヴィサイド関数(階段関数)でθ(τ)≡1(τ>0),0(τ>0)によって定義され,常にθ(τ)+θ(-τ)=1を満たします。

 これを用いると,iΔ(x)=(2π)-3∫d3k(2ωk)-1[exp(-ikx)+exp(ikx)]より,Δ(x)=(-i)(2π)-3∫d4kδ(k2-m2)θ(k0)[exp(-ikx)-exp(ikx)]=(-i)(2π)-3∫d4kδ(k2-m2)ε(k0)exp(-ikx)と書けます。

 ここで,ε(τ)はε(τ)≡1(τ>0),-1(τ>0)でθ(τ)=(1/2){ε(τ)+1}で定義される符号関数です。

 一方,(□+m2F(x)=-δ4(x)を満たすグリーン関数として,よく知られた伝播関数(propagator)ΔF(x)があります。

 

 これは,T積の真空期待値:iΔF(x-y)≡<0|T(φ(x)φ(y)))|0>=θ(x0-y0)<0|φ(x)φ(y)|0>+θ(y0-x0)<0|φ(y)φ(x)|0>で与えられるグリーン関数です。

 φ(x)=(2π)-3/2∫d3k(2ωk)-1/2{a^()exp(-ikx)+a^()exp(ikx)}を代入すると,<0|φ(x)φ(y)|0>=(2π)-3∫d3k(2ωk)-1exp{-ik(x―y)},<0|φ(y)φ(x)|0>=(2π)-3∫d3k(2ωk)-1exp{ik(x―y)}です。

この<0|φ(x)φ(y)|0>,<0|φ(y)φ(x)|0>を示す関数を,それぞれΔ(x-y),Δ(x-y)と書けば,iΔF(x)=θ(x0(x)+θ(-x0(x)と書けます。

 

一般に,Δret(x)≡θ(x0(x)は遅延グリーン関数と呼ばれ,Δadv(x)≡-θ(-x0(x)は先進グリーン関数と呼ばれます。

  

そこで,伝播関数iΔF(x)は,iΔF(x)=Δret(x)-Δadv(x)とも表現されます。

一方,iΔ(x-y)=[φ(x),φ(y)]=<0|[φ(x),φ(y)]|0>=<0|φ(x)φ(y)|0>-<0|φ(y)φ(x)|0>=Δ(x-y)-Δ(x-y)です。よって,iΔ(x)=Δ(x)-Δ(x)です。

 

Δret(x)≡θ(x0(x),およびΔadv(x)≡-θ(-x0(x),用いると,iΔ(x)もiΔ(x)=θ(x0ret(x)+θ(-x0adv(x)と表現することができます。

いずれにしても,x0>0 の未来では,iΔ(x)=iΔF(x)=Δret(x)=Δ(x)となりますから,iΔ(x)もiΔF(x)も遅延グリーン関数として同じ意味を持ちます。

  

したがって,Δ(x)を用いてもΔF(x)を用いても,全く同じように初期値問題のキルヒホッフ表示が可能です。

 

なお,(□+m2F(x)=-δ4(x)から,ΔF(x)のフーリエ変換をΔF(x)≡(2π)-4∫d4kΔ~F(k)exp(-ikx)と書けば,(k2-m2)Δ~F(k)=1となります。

 

そこで,iΔF(x)=(2π)-3∫d3k(2ωk)-1[θ(x0-y0)exp{-ik(x-y)}+θ(y0-x0)exp{ik(x-y)}]は,別の表示として(2π)-4∫d4k[exp{-ik(x-y)}/(k2-m2+iε)]を持ちます

これは,ヘヴィサイド関数θ(τ)がθ(τ)={-/(2πi)}∫-∞dω[exp(-iωτ)(ω+iε)-1]と表わせることからも簡単に示せます。

Δ(x),ΔF(x)を,それぞれΔ(x,m2),ΔF(x,m2)と表記して質量mがゼロの場合のΔ(x,m2),ΔF(x,m2)を,それぞれD(x)≡Δ(x,0),DF(x)≡ΔF(x,0)と定義します。

(□+m2)Δ(x,m2)=0,(□+m2F(x,m2)=-δ4(x)でしたから,□D(x)=0,□DF(x)=-δ4(x)です。

(x)のフーリエ積分表示は,D(x)=(-i)(2π)-3∫d3k(2||)-1[exp(-ikx)+exp(ikx)]=(-i)(2π)-3∫d4kδ(k2)θ(k0)[exp(-ikx)-exp(ikx)]=(-i)(2π)-3∫d4kδ(k2)ε(k0)exp(-ikx)であり,∂0D(x)|x0=0=-δ3()です。

また,xが空間的:x2<0ならD(x)=0です。

一方,DF(x)のフーリエ積分表示は,DF(x)=(-i)(2π)-3∫d3k(2||)-1[θ(x0-y0)exp{-ik(x―y)}+θ(y0-x0)exp{ik(x―y)}]=(2π)-4∫d4k[exp{-ik(x―y)}/(k2+iε)]です。

さらに,E関数は□E(x)=D(x)を満たす関数であるとすると,□2E(x)=D(x)です。

 

D(x)=(-i)(2π)-3∫d4kδ(k2)ε(k0)exp(-ikx)でしたから,形式上はE(x)=(-i)(2π)-3∫d4kδ(k2)ε(k0)k-2exp(-ikx)です。

 

しかし,被積分関数がk2=0 に特異性を持つので何らかの特異点を避ける処理が必要です。k2をk2+iεで置き換えて,積分後にε→+0 の極限を取ることにします。

 

細かいことは後にして,,電磁場の共変的量子化を考えます。

 

すぐ前の記事では,D(x)は∂0D(x)|x0=0=δ3()を満たすと書いていることからもわかるように,前記事でのD(x)は-Δ(x,0)を意味していました。

 

そこでは,補助場B(x)がダランベール方程式□B(x)=0 を満たすので,キルヒホッフの積分表示がB(x)=∫d3z[{∂D(x-z)/∂x0}B(z)+D(x-z)∂B(z)/∂z0]で与えられるとしていました。

 

しかし,ここではD(x)=Δ(x,0)としているので,キルヒホッフの表示式はB(x)=∫d3z[{∂D(x-z)/∂z0}B(z)-D(x-z)∂B(z)/∂z0]となります。

 

ここで,記号∂0をf∂0g≡{∂f(x)/∂x0}g(x)-f(x)∂g(x)/∂x0によって定義すると,B(x)の積分表示は,B(x)=∫d3zD(x-z)∂z0B(z)と簡単になります。

 

右辺の積分式はz0に依存するように見えますが,左辺のB(x)がz0に依存しないので,右辺をz0で偏微分してもゼロのはずです。

 

実際,□B=0 を用いると確かに∂[∫d3zD(x-z)∂z0B(z)]/∂z0=∫d3z[∇2D(x-z)B(z)-D(x-z)∂z02B(z)]=0 となります。

 

4次元交換関係[B(x),B(y)]にB(x)=∫d3z{∂z0D(x-z)B(z)-D(x-z)∂z0B(z)}を代入すると,[B(x),B(y)]=∫d3z{∂z0D(x-z)[B(z),B(y)]-D(x-z)[∂z0B(z),B(y)]}が得られます。

 

右辺のz0は何でもいいので,z0=y0とおくと,既知の同時刻交換関係[B(x0,),B(x0,)]=0,[B(x0,),∂0B(x0,)]=0 から,[B(x),B(y)]=0 が得られます。

 

一方,運動方程式:□Aμ=(1-α)∂μB=0 から,前記事では,Aμ(x)=Cμ(x)+(1-α)∫d4zD(x-z){∂B(z)/∂zμ},□Cμ=0 なる表現ができるはずと書きました。

 

特に,□Cμ=0 を満たすCμ(x)を,Cμ(x)≡∫d3z{∂z0D(x-z)∂z0μ(z)}とします。

 

残りの非同次の部分:(1-α)∫d4zD(x-z){∂B(z)/∂zμ}は,前記事ではD(x)の符号が違うので,これを-D(x)に変更します。

 

すると,Aμ(x)=∫d3z{D(x-z)∂z0μ(z)}-(1-α)∫d4zD(x-z)∂zμB(z)となります。

 

さらに,□∂μB=0 ですから,∂μB=∫d3z{D(x-z)∂z0zμB(z)}とキルヒホッフ表示式で表現できます。

 

そこで,Aμ(x)=∫d3z{D(x-z){∂-z)∂z0μ(z)}-(1-α)∫d4y∫d3zD(x-y)D(y-z)∂zμB(z)となります。

 

ところが,□E(x)=D(x)から,E(x)はE(x)=-∫d4zD(x-z)D(z)なる表現を持ちますから,∫d4y∫d3zD(x-y)D(y-z)=E(x-z)と書けます。

 

したがって,結局Aμ(x)=∫d3z{D(x-z)∂z0μ(z)+(1-α)E(x-z)∂z0zμB(z)}なる表現を得ます。

 

これから,[Aμ(x),Aν(y)]=-iημνD(x-y)+i(1-α)∂xμxνE(x-y)なる4次元交換関係の表現が得られます。

 

最後の部分の詳細についてはは次回にして今日はここで終わります。

 

参考文献:J.D.Bjorken,S.D.Drell「Relativistic Quantum Fields」McGraw-Hill,中西 襄 著「場の量子論」(培風館)

 

PS:(6/17(水)早朝記す。) 何?「大政奉還すべきだ。」という主張の意味がわからない?だって。。発想が貧困だなあ。。

 

「別に政権を朝廷に返せ」などというアナクロな意味じゃないよ。。

 

これは,「政治を本来の主人=主権者に返還するべきだ。」という意味だろう?

 

いつまでも姑息な延命をはかるんじゃなくて,早く主権者に返して少なくとも審判を仰げ。。という素朴な意味だぜ。。

 

PS2:どうも,この記事はCatFalconさんのブログの記事「不変デルタ関数」http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/29567993.html とほぼ,かぶっているようです。

 

CatFalconさんの方が,時期的に少し前で,かなり似ているようですが参考文献が同じ中西さんの本なのでそうなりますね。。

 

ヒョッとしたら,記事を見かけてブログネタとして参考にしたかもしれませんが,内容をコピーしたわけではありません。

 

悪気はないので,よろしくです。。CatFalconさん

 

なお,「電磁場の共変的量子化(2)」の続きは今執筆中です。

                       

                         TOSHI

 

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2009年6月12日 (金)

PCクラッシュで数日間アクセス不可能でした。

 去る6月8日朝,急にシステムがない(No System)というエラーでPCに内蔵のOSの入ったハードディスク(C,およびD)を認識しなくなり,数日間全くPCのない生活を強いられました。

 数ヶ月前なら,このメインのPCである2004年4月HP製のデスクトップの他にDellのノートPCと富士通製の10年以上前の中古で買った仕事用のデスクトップの計3つのマシンがあったのですが,先月ノートは身内にプレゼントしたし,富士通も必要なくなったので,数ヶ月前に近くの飲み屋に寄贈して,今はメインのHP(Compaq)製のデスクトップPCしかなかったので,このクラッシュで困りました。

 HDを認識できないので,データを犠牲にしてリカバリーすることももできません。ネット喫茶などに行けばアクセスだけはできますが,自分への200通/日程度のメールと,mixiメッセージなどは確認できません。

 メールはほとんどが商用宣伝のものなので別に数日くらいはどうってことはないし,偶々ネットオークションなどに参加してる最中ではなかったので,そういう意味では運がよかったです。

 必要なデータ類は,主要なものがはほとんど外付けの3つのHDに入っていたし,ブログの原稿も1ヶ月前に関西に出かける前に16GBのUSBスティックにバックアップを取っていて,それ以後もここのホームページにあるので,とりあえず問題なしでした。

 しかし,ほんの少しの間でも自宅にPCのない生活になってみて,自分が如何にPC,あるいはネット依存して暮らしているかを思い知りました。最初は少し落ち着きませんでした。

 まあ,2007年の1月には1週間,3月下旬から4月下旬までの1ヶ月病気で入院中は確かにPCともネットとも無縁でしたから無ければ無いで,PC(ネット)中毒というほどではありませんが。。。

 しかし,私は常にプラス志向で「災い転じて福をなす。」というわけで,読みかけで放り投げていた本を4冊くらい読了しました。病気で入院したときも10年くらい積読だったものをかなり消化したし,心臓病のおかげでそうした障害の苦労を勉強することができたという思いもあります。

 最近は貧乏なおかげで料理が趣味の1つに加わりました。

 結局,昨夜近くの飲み屋に寄贈していた実は私以外,誰も使用していないしネットにもつながっていないPCを旧種でパフォーマンスも低いですが,自宅に新PCを入れることができるまで,貸してもらうことにして今朝,セットして久しぶりにアクセスしたわけです。

 使っていたマシンで,ほとんどイジってなかったのでソフトなどはほぼそのまま入っていたのでつないですぐ使用できました。まずメール820通あまりをチェックした後これを書いています。今晩までには以前とほぼ同じ状態に復活する予定です。まずは報告までです。          TOSHI

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2009年6月 5日 (金)

電磁場の共変的量子化(中西-Lautrap理論)(1)

ちょっと息抜きで,電磁場を共変的に量子化する「中西-Lautrap理論」の概略でも書いてみます。

自然単位系c=hc1 (ただしhc≡(h/(2π))での,自由電磁場Aμ(φ,)の単独のラグランジアン密度は,EM=-(1/4)Fμνμν,Fμν≡∂μν-∂νμで与えられます。 

理論が有するゲージ変換の自由度を消して,ゲージを固定するため,補助場Bというものを導入して,EM=-(1/4)Fμνμν+B(∂μμ)+(1/2)αB2としてみます。 

これに対する,オイラーラグランジュ方程式ν(∂EM/∂(∂νμ))-∂EM/∂μ0 ,および∂ν(∂EM/∂(∂ν))-∂EM/∂B=0 から,運動方程式として,∂ννμ-∂μB=0,すなわち,□μ-∂μνν-∂μB=0 ,および∂μμ+αB=0 を得ます。

μに対する運動方程式:□μ-∂μνν-∂μB=0 に,∂μを掛けると,□B=0 を得ますから,補助場Bも質量がゼロのスカラー粒子を表わす場です。

そして,Bに対する運動方程式:∂μμ+αB=0 をAμに対する運動方程式:□μ-∂μνν-∂μB=0 に代入すると,□μ(1-α)∂μB=0 が得られます。

 それ故,α=0 のときにのみ,∂μμ+αB=0 がローレンツ条件:∂μμ0 に一致し,α=1のときにのみ,Aμに対する運動方程式□μ(1-α)∂μB=0 がダランベール方程式:□μ0 に一致します。

これらの特別なゲージ,α=0 をランダウ(Landau)ゲージ,α=1をファインマン(Feynman)ゲージといいます。

ただし,□∂μμ0,□2μ0 はαの値に無関係に成立します。

 さて,EM=-(1/4)Fμνμν+B(∂μμ)+(1/2)αB2によ,正準運動量は,πk=∂EM /∂(∂0k)=-∂0kk0=-F0k(=Ek),π0=∂EM /∂(∂00)=Bとなります。 

そして,同時刻における通常の正準交換関係:[μ(x0,),πν(x0,)]=iημνδ3(),[μ(x0,),Aν(x0,)]=[πμ(x0,),πν(x0,)]=0 を設定します。

 これから,[μ(x0,),∂0k(x0,)]=iδμkδ3(),[μ(x0,),B(x0,)] =-iημ0δ3(),[μ(x0,),Aν(x0,)]=0,[∂0j(x0,),∂0k(x0,)]=0,[∂0k(x0,),B(x0,)]=0,[B(x0,),B(x0,)]=0 が得られます。

必要なもののうち,∂000Bだけが現われていませんが,これらのうち∂00は,∂μμ+αB=0 により,∂00kkk)-αB,そしてまた,∂0Bは□μ-∂μνν-∂μB=0 により,∂0B=□0-∂0ννkk(∂0k)}-△0と表現できます。

 

よって,これらの同時刻交換関係は,計算で得ることができます。例えば[B(x0,),∂0B(x0,)]=0 です。

ハミルトニアンHEMをHEM=∫d3EM^(x)と書けば,その密度はEMM^(x)=πμ0μEM(x)=(-Σk0k0k)+B∂00(1/4)Fμνμν-B(∂μμ)-(1/2)αB2(1/2)Σk(F0k)2+Σj,k(1/4)(Fjk)2(1/2)αB2+∂kΣk[F0k0+BAk]-Σk[(∂k0k)A0(∂k)Ak]で与えられます。

運動方程式ννμ-∂μB=0 によれば,Σkk0k0Bですから,EM(x)=(1/2)Σk(F0k)2+Σj,k(1/4)(Fjk)2(∂0)A0-Σk[(∂k)Ak]-(1/2)αB2と置けば,EM^(x)=EM(x)+∂kΣk[F0k0+BAk]と書けます。

空間積分においては,kΣk[F0k0+BAk]の項は効かないので,この項を省いても同じですから,EM=∫d3EM(x)となります。この新しいEM(x)の方をハミルトニアン密度と解釈します。

補助場B(x)は,ダランベール方程式□B=0 の解ですが,電磁場Aμ(x)は運動方程式:□μ(1-α)∂μB=0 を満たします。そこで,Aμは,□2μ0 の解ですが,α=1以外では,ダランベール方程式□Aμ0 の解ではありません。

 

したがって,Aμ(x)=(2π)-3/2∫d4pθ(p0){aμ(p)exp(-ipx)+aμ(p)exp(ipx)}と4次元的運動量表示をしても,一般には,□Aμ0 のため,p20 以外でもaμ(p)がゼロでない意味を持つことになります。

すなわち,質量がゼロのp20 の近傍でのみ,aμ(p)が意味を持つという付帯条件を付けることなどが必要になります。

 

あるいは,p20 のaμ(p)をどう解釈するか?を指示しないと,この運動量表示は不完全です。

 

以下では,こうしたことを明確にするための準備をします。

まず,□B=0 の解のB(x)を求めるために,ダランベール演算子の逆演算子:□-1を求める必要があります。 

□D(x)=δ4(x)を満たす,グリーン関数□-1δは,一般に不変D関数と呼ばれ,フーリエ(Fourier)積分の形では,D(x)≡Dret(x)-Dadv(x)=i∫d4(2π)-3θ(k0)δ(k2){exp(-ikx)-exp(ikx)}と表わされます。

ただし,Dret(x),Dadv(x)はそれぞれ遅延グリ-ン関数,先進グリーン関数です。

 

(2006年12/16の記事「電流によって発生する光子の個数分布」http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_a73e.html を参照)

ダランベール方程式□B=0 の解は,B(x)=∫d3[{∂D(x-z)/∂x0}B(z)+D(x-z)∂B(z)/∂z0]の積分形で書けます。

  

(2006年10/3の記事「ホイヘンスの原理の正当性」http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/huygens_8c9a.html を参照)

もしも,非同次方程式:□ψ=ρの解ψを表現するのであれば,ψ(x)=C(x)+∫d4zD(x-z)ρ(x), □C=0 と書いていいのでしょうが,Bは同次方程式の解なので,初期値問題に対するキルヒホッフ表示に書きました。

 

ということは,□μ(1-α)∂μB=0 は,μ(x)=Cμ(x)+(1-α)∫d4zD(x-z){∂B(z)/∂zμ},□Cμ0 という表現もできますね。意味あるかどうかは知らないけど。。

一方,電磁場Aμ(x)は□2μ0 の解なので,□2の逆演算子(□2)-1が存在するのなら,それに相当する□2グリーン関数E(x)も求めておきましょう。

 

すなわち,□2(x)=δ4(x)を満たすローレンツ不変な関数E(x)を求めます。

安易な道を取るなら,(x)=δ4(x)なので,D(x)=□E(x)なるE(x)を求めれば,□2(x)=δ4(x)となるはずですから,E=-1Dを利用して形式的には直ちにE(x)が得られるはずです

 

そして,D(x)=Dret(x)-Dadv(x)ですから,Dret(x)=□Eret(x),Dadv(x)=□Eadv(x),により,E(x)=Eret(x)-Eadv(x)を満たすEret(x),Eadv(x)も得られるはずです。

 いかにも途中ですが,今日はここで終わります。あとで書き直すかもしれないけど。。。

参考文献:中西 襄 著「場の量子論」(培風館)

 

PS:冤罪が晴れて無実が証明された菅家さん。それでも,不幸中の幸い?でした。死刑が確定しているような事件で執行されていれば取り返しがつきません。

 

(彼の今の外見から20年前の事件当時の人物像を推し量ることはできません。私は,その温厚で人格者のような外見は,長年の理不尽な扱いに対する諦観等で培われてきたところが大きいと思うからです。

  

 穏やかな人でも,何らかの事情(例えば正当防衛に似たもの)で,止むを得ず,殺傷するような人はいるでしょう。

  

 しかし,当時,恐らく個人的性癖とかの理由だと思いますが,それで幼女を殺すような人物に見えたのでしょうか? 私には疑問です。)

   

 本当に17年もの長い間ほうっておいてゴメンナサイ。。。

 

 心から謝罪します。。。。

 

(世の中に,理不尽がまかり通っていることを許している責任の一端は,私を含めあらゆる人にあるはずです。)

  

 そういえば,狭山事件の石川一雄さんはどうなったんだろう。。。

 

 (2006年6/9の記事「狭山差別裁判」http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_c46a.html 参照)

 

PS2:長崎のじゃがいもを貰ったのですが,肉とか他の食材がないので,昨日(6/6)は「イモの煮っころがし」と「ジャガイモとワカメの入った味噌汁」を作りました。

 

 前者は追いガツオなどもやりましたが,レシピ通りに味付けするとどうも甘すぎるようです。

 

 前に玉子焼きも味付けをレシピに頼ると甘すぎたので,このレシピの著者(甘党?)の味覚は私には合わないと思います。これからは,砂糖は半分以下に減らすつもりです。

 

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2009年6月 4日 (木)

極楽トンボの変態の悪人だ。

 自慢だけど,財布に67円しかないのに,4件はしごしました。1件は初めての店でした。ウィー。。。。

 (もちろん,他人のフンドシであり,1銭もツケなどしてはいません。そもそも金がないなら,ほぼ100%自分から外で飲酒することなどありません。。)

PS:コメントついたから削除できないよ。。。

 帰りのタクシーのお釣りと,朝,銀行で端数の小銭を下ろしたので,今日は1000円くらいあります。。またセブン・イレブンのナムコカードもあったので,今日は財産が増えました。

 久しぶりにTVで,「ハイヒールのモモコ」を見たら,エラくきれいになってる。。歳は取ったはずなのに。。髪型?化粧のせい?。。。

 うん。髪をアップでなくて,下ろしたせいやな。。俺のツボにグッときたな。。

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2009年6月 1日 (月)

超弦理論(24)(2-13)

 超弦理論(superstring theory)の続きです。

前回は,アノマリー(ゴースト)を生みだす可能性のある交換関係[Ji-,Jj-]が,[Ji-,Jj-]=-(1/p)2Σm=1m-miαmj-α-mjαmi)}なる形に表現できる,というところまで書きました。

 今日は,これの右辺の係数Δmの具体的な形を計算して,非共変な光錐ゲージを採用した場合も,弦理論がゲージ不変な理論として本質的にはローレンツ共変であるための条件:[Ji-,Jj-]=0 ,あるいはΔm=0 を満たすために,Dとaに課せられる条件を決定します。

 

 そのために,Ji-=li-+Ei-=xi-xi+Ei-,Jj-=lj-+Ej-=xj-xj+Ej-と分解して,各項ごとの交換関係を求めます。

 

 まず,[x,1/p]=i(p)-2です。

※(訳注52) 正準交換関係:[xμ,pν]=-iημνから,[x0,p0]=-i, [xD-1,pD-1]=i,かつ,[x0,xD-1]=[p0,pD-1]=[x0,pD-1]=[xD-1,p0]=0 です。

 

 そして,x=(x0-xD-1)/21/2,p=(p0+pD-1)/21/2ですから,[x,p]=-iです。よって,p[x,1/p]p=p-x=-[x,p]=iなので,[x,1/p]=i(p)-2を得ます。