2020年7月 7日 (火)

学生時代の回顧(どこかの馬の骨の自伝))

私,脳科学者に分析してもらいたいくらい年齢

の割に,海馬が異常なようで70歳になっても,うん

十年前の記憶が,死ぬ直線でもないのに,走馬灯の

ように沸いてきます。

例えば5歳の幼稚園さくら組で隣の席のおカッパ

色黒で,ややサメ肌の難波S代ちゃんに好意を持って

いたとか,ちょっと考えると,脳裏に蘇えったりします。

また,絶対音感はないと思うけれど,その5歳の頃,

親にハーモニカを買ってもらって吹いてたのを,5年

くらい前に思い出して,Amazonでハーモニカ購入して

吹いてみると,音符なしでメロディーを知ってるモノ

は,ハーモニカの音域に入ってる限り,スグ吹けるよう

です。まだ,相対音感はあるのかな?

そういえば,小学6年のとき,小学校代表で「朧月夜」

を独唱し.カゼを引いてた雨の日に県の地区予選で

負けて銀賞をもらいました。(1位金賞以外は全員

銀賞)という記憶もあります。(※子供のとき,歌が

得意だったという記憶はないが),体育や図工の実技

以外のペーパーテストではその田舎小学校1学年50人

の2クラスでは,全科目トップで私立中学を受けて

入ったとき,音楽の女先生(小橋先生?)に,

「トシちゃん勉強もできたのね。」と言われました。

音楽の先生だけが担任の男先生と別でしたから。.

こうして自動書記的にいくらでも想い出の枝葉

が沸いてきて,キリがありません。。

私は人生の成功者でもない,どこかの馬の骨です

から,自伝のようなものを書いても,大して意味ない

自己満足ですが.「ホームレス中学生」でもなく,中学

時代に父が病死で母子家庭になってから,社会人になる

までを,つらつらと思い出して書いてみます。

1965年昭和40年,和や市が15歳の中3のときに,

父が病死しました。父は戦前は大阪高島屋で係長,

戦後は,岡山県税事務所間税課の地方公務員で,才一

係長から課長に昇進する直前だというのに,酒も

タバコもやらないのに肝硬変で亡くなりました。

私は4人兄弟(男女男男)の末っ子として1950年

2月1日(父31歳.母29歳)に生まれ,父死の当時,

岡山県の金光学園という6年制の私立校に在籍して

いました。高校入試はなく,そのまま,高校に入学

しましたが,当時の国立大の授業料千円/月よりも

高校の授業料の方が高かったらしいです。

生活が急に,中の上レベルから母子家庭で奨学金

をもらうという境遇に変わりました。

教育パパの死をいいことに,2年半くらい卓球部に

のめりこみ,成績は若干落ちました。

1968年に高校を卒業,一応,奨学金とアルバイトで国立

なら,大学に行けるだろう,というので,一期校の京大理学部

と二期校の静岡大学理学部を受けることにしました。

高校の担任教師は,京大理学部は定員280名程度で難しい

ので京大工学部か定員が1千人もいる東大理科1類を

受けるよう指導されました。

その当時は,まだ,日本人でノーベル賞をもらったのは

京大の湯川先生だけで.私は中学時代から「数式を使わ

ない物理学入門」とか「宇宙時代の常識」とかの物理

関係の啓蒙新書を読んでいて,何となく岡山から近い京大

それも理学部物理学科にあこがれていたため,教師は東大

とか工学部とか勧めても聞こえませんでした。

当時は今と違い京大理科系では不人気だった薬学部と

農学部が工学系より合格ラインが900点満点で100点

くらい低かったので。京大に入りたいというだけなら

志望学部を変えて,そこを受けるだけでしたが。

また,建設関係の大手S住宅から旧帝大の建築学科に

入って,卒業後にその会社に入るという条件付きで,学費

などを全て出す,という甘い話もありましたが,建築学を

やる気はなかったので,断りました

二期校も,ネームバrツーが欲しいなら横浜国大とか

もありましたが,残念ながら理学部物理学科がないので

眼中になかったです。

私,今も昔も,そういう目先の自己のやりたいことに

ついては,後の人生での有利,不利とか世間の見る目など

気にしない,という,要領が悪くあくまで自分に忠実で

不器用,かつ,頑固な奴なんです。

たとえ,失敗して後悔しようが,人生は1度しかなく,

失敗も含め糧としてっきた結果,現在の自分があるの

ですから,現在の自分を否定する必要がないなら過去

のやり直しがきかないことへの反省はなしです。

しかし,高3の3月4,5,6日頃,現役で私を含め

同級生6人で京大理系を受験し,sその結果,私だけ

が落ちました。後で点数が学校に戻ってくるのですが,

6人中4番目の成績でした。まあ,志望学部が違うので

仕方まいですね。

それで,1年は浪人するつもりでしたが,一応3月24

~25日頃,兄に付き添われて静岡大学を受け.こちらは

合格しましたが,入学手続きを蹴って浪人しました。

やがて1968年の4月から毎日,加計学園グループの

広島県境の福山英数学館という予備校に通いました。

卓球部との両立もないし,自宅浪人と違って講義を

聞いて模擬試験を受けたりしてればいい,だけなので,

放課後は福山城公園などで草野球などして遊んだり

と,高校時代より楽しい毎日で,試験成績も良くなり

いつも広島英数学館と合わせて約850人中で1番に

張り出されていました。

ただし,正月を過ぎた頃から4番に下がりました。

元々,あがり症で高校の卓球の試合も含め,本番には

弱い性格だったので,いざ受験近づくとダメでしたね。

そして3月京大受験日,待ち合わせても農学部を

受ける友人1人しか来ませんでした。

実は1969年は,全共闘の東大安田講堂占拠で東大入試

が中止となり,東大受験生が京大に流れてくるというので,

一緒に受ける予定の残りの数人は併願していた阪大とか

名大とか,要領よくレベルを落として受験したので待合

わせに現われなかったと後で知りました。

携帯もない時代で,待合わせスッポかされても待つしか

ありませんでしたが,2人だけで京都に向かいました。

京大の理系入試は問題がやさしいときでも900点満点

の7割の630点もあれば,医学部でも通るはずでしたが,

この年は問題が東大1次に似たや,さしさで,私も7割

くらいはできたのに,理学部合格の最低点が,確か690点

近くまで上がり,またも10日頃に「サクラチル」という

電報が自宅に着てガッカリしました。

気を取り直して3月下旬に1人で静岡大学を受けました。

ここの問題自体は,例えば数学は京大入試よりも難しく

5門中1問正解でも合格というレベルでしたが,私は

問題が難問の方が得意であったこともあり,こちらは,また,

合格しました。これ以上の浪人は経済的に無理ですから

大学入試はこれで打ち切りです。

長兄の付き添いで,当時できたばかりの東名高速の近く

で大学も近い家賃4800円の4畳半の長屋式アパートの部屋

を決めて4月には布団と机だけ持って入居しました、

しかし,大学はまだ封鎖中で入学式があったのは5月に

入ってからでした。実は受験も大学ではなく安倍川近く

の「元祖安倍川餅」と「本家姉川餅」が並んでいた当たり

の静岡商業高校校舎で受けたのでした。

(※京大も京都工繊大で受験)

その安倍川の端の上から覗いた中洲に,粗末な掘建

て小屋が並んでい,て何だろう?と思ったら在日

朝鮮人が住んでいる集落とのことでした、

巨人で活躍した静岡商出身の新浦投手も,この

当たりの出身だとか,受験とは関係ないけど,ぬるま

湯育ちの自分には,この光景は少なからず,ショック

でしたね。

さて,下宿生活は特別奨学生で月8千円(就職後に返す

のは5千円)を支給され,国立大授業料は年間で1万2千

円で半期ごとに6千円を納めるのですが,最初は私立より

安い入学金と6千円を実家でもらって払いました。

大体,大学には生協食堂しかなく,その日替わりのA定食

が80円,B定食が120円という時代で,朝飯抜きで日に2食

なら学食じゃなくても,1日200円くらいで,それだけなら

食費は6千円程度ですから家賃と合わせても1万1千円

くらいですが,それではギリギリ生きてるというだけで,

学費も間食も娯楽もなしの味気ない生活です。

当時,テレビは高価で岡山の自宅に父の月給以上の値段

で,それを買ったのが,私が小学5年の10~11歳の頃で,

洗濯機も冷蔵庫も電気釜もなく,お風呂はマキで炊く

五右衛門風呂,洗濯は洗濯板とたらい,水道もなく井戸水

を使い,ごはんはお釜,冷暖房はうちわと火鉢にこたつ,

やっと扇風機が1台あったぐらいでした

実家は風通しの良い昔ながらの開放的和室で夏や冬も

今ほど厳しい暑さ寒さはなく,岡山県南部は気候温暖で

冷暖房は不要でしたね。

というわけで,下宿した部屋にテレビや個人の冷蔵庫

があるのは,かなり金持ちの子女くらいで,私たち庶民

学生は,娯楽の電化製品など何もなく冷蔵庫は10部屋

ずつの2階長屋ての各階に共同で1個ずつ,洗濯機も

1階に共同で1個だけ,競合風呂もガスで沸かすのが

20名で,1つあるという生活でした。

最初3万円を持って,くにを出て月8千円の奨学金

の他は,8歳上でもう就職していた長兄と母を合わせて

ときどき,5~7千円が届く程度でしたから,7月前には

金欠となり,下宿の2階にいた甲府一校出身の人文学部

の同級生S君が家庭教師の口を紹介してくれて,自転車

で10分くらいの静岡済生会病院の医師夫婦の息子2人.

小5と中2の家庭教師を週3回,1回2時間で月7千円と

いう契約で始めました。末っ子の私,アルバイトは

生まれて初めてでしたが,やらないと食べていけません

からね。

当時の学生アルバイトの相場は,競輪場のガードマン

とか,デパートの棚卸しとか,単発仕事が日給2千円で

家庭教師は週2回で月8千円が相場でしたが,新米の

私は少し条hが悪くても手を打ちました。

それから,2年教え子2人がそれぞれ,中学,高校に

進学したところで家庭教師はやめました。

さて,大学入学後,まもなく,理学部1年甲(数学科35名,

物理学科45名),ほとんど男子でICU(国際基督教大学)を

中退してワサワサ静大数学科にきた.という異色のAさん

という女子がいたくらいのクラスで,当時大多数の日共

民青員とその親派やノンポリの暴力反対派の学生達に,

対抗して.私は非合法活動も辞さない新左翼(反日共系)

のP共闘(物理学科共闘会議)を少数派数名と共に作り

学生運動に邁進していきました。

丁度,1970年安保改定の時期で.ベトナム戦争や沖縄

返還問題もあり,今の香港のように,まわりの風潮に

流されず,ひたすら勉強して将来に備える,普通の自分

ファーストの個人主義的学生生活を貫くには,逆に

ある意味,強い精神力が必要で,当時,大学生なら誰も

が何らかの社会的立場を主張して学生運動に巻き込

まれる方が,むしろ普通でした。

ところが,普通に勉強して成績優秀だった同級生が

約80名のクラスから,入学の翌年にかなり消えました。

実は,東大入試が復活したので,国立二期校で我慢して

いた隠れ浪人たちがいて,大学を受け直して合格した人

がやめたのでした。イヤ,これには,アキレましたね。

(⤴※何と要領がイイんだ?)

私は,ベトナム戦争にしてもアメリカに追随していると

そのうち日本も巻き込まれる,という反米愛国の反対派に

対して,「革命樗木祖国敗北主義」とか「自己否定」とか

述べてアメリカ兵とか,ベトナム人民とかじゃなく,人が

戦争の犠牲になり不幸になる事態は,日本国や自分を犠牲

にしても反対という主張の新左翼に共感し,自分や自国の

家族同胞の安全のためでなく戦争に反対するのは偽善者

で金持ち子弟の青臭いお遊びの理想主義と批判されても,

私は金持ちのボンボンじゃないし,その少数派に属して

理想を主張して何が悪い?とか議論して,ヘルメットに

覆面,ゲバ棒,火炎ビンン等で武装.無駄な抵抗をしたモノ

でした。「べ平連(ベトナムに平和を市民連合)などのデモ

にも参加し,学内運動から外へと出ていき,20歳の3月

4月には,成田の「三里塚芝山連合空港反対同盟」の支援

のため,成田の芝山町公民館や近隣の農家に滞在して援農

や空港工事現場の座り込みなどしながら過ごし,結局,留年

して3年生を2度やる破目になりました。

当然,留年中は奨学金が出ません。三里塚から帰ったの

を機に,家庭教師のアルバイトはやめて,生活の金がある

うちは部屋でゴロゴロした生活で,生活費が不足すると

大学の掲示板にある人気のない残りものの仕事をして

日給をもらい,また,ゴロゴロ暮らすという自堕落な生活

形態になりました。

大学入学後,学内封鎖で講義も切れ切れの頃から理系

の勉強より,学生運動の理論武装の必要や純粋な興味から

当時の左翼主流だったマルクス主義関係の哲学や経済学

の書籍を読むことが多くなり,マルクス主義に対抗する

近代資本主義経済の書物も読み,シュールレアリズム,

ダダイズムなど文学書なども乱読したのは,この頃です。

ただし,この時期でも理系で独学が可能で実は物理より

好きだった数学の理論については,細々.コツコツと専門書

を読んで勉強をしていました。

物理学科は,物理学実験と統計力学Ⅰの必須2科目4単位

が不足していただけなので,大学に行ったときは時間が有り

過ぎて,1年間数学科の3年(1年後輩だが留年で同学年)の

講義を受けました。

物理の先生のチンプンカンプンで自学でやるしかなかった

講義と違って,数学科の先生は,何故か講義が丁寧で,わかり

やすく,聞いているだけで身に付きました。

転んでもタダでは起きません。このとき受けた物理学科

では受けることのない,専門数学の講義が後の自己満足的

ですが,理論物理の勉強に大いに役立っています。

さて,3年目から,色々とアルバイトをやりました。

給料が安かったのは,静岡新聞の高校生向け就職案内の

ビラ配りや競輪儒の警備ガードマンなど。。比較的賃金

高ぁめは,日東興業か東洋製缶という会社だったかで,

ベルトコンベアから降りてくる空のダンボール箱を

重ねるとか,箱造りをするとかの徹夜作業,東名高速

牧之原付近の昼間に摘んだ新茶の山を今なら機械で

やるのでしょうが,夜間にいぶしながら足で踏んで

つぶして新茶にするとかを数日泊まりで食事付き

1日1万円以上とかもありました。

春でも暑かったです。

また,「富士コカコーラボトリング」で,チャップリン

の映画じゃないが,コンベアで流れてくる使用済みの

ビンの栓抜きと洗浄,同じコンベアの別場所のコーラ

ビンを詰める木の箱の掃除とか,4つくらいの工程を

 

20分やっては10分休みの交代で一晩中やるとかは,

普通のバイトが日給2千円の相場なのに3200円で,それ

でも安いと,値上げ交渉もしました。,

また,日給は相場通りですが「今村白蟻研究所」で

民家床下でのヒ素の散布や,ヤマトシロアリの巣を

探すとかは,予定より早く終わり,残りの時間は当時

セミプロ級だったパチンコで稼ぐことも多かったです。

静岡警備保障の東名浜名湖パ-キングエリアの交通

整理ガードマンとか,東名高速のバイトも多かったです。

ガードマンは,これと競輪場の他にも運動場の体育館

での夜間宿直もやりました。

その他,ボウリング場の椅子の組み立て長崎屋の棚卸し

と,挙げるとキリがないです。

ただ,何人かの友人がやっていて収入がいいと聞いた

ウェイターやバーテンダーなど接客業だけはシャイな

ため不可能でした。家庭教師は子供相手なので例外

でしたね

そうして5年目は奨学金が復活,卒業見込み証明書

を持って,まず,大阪の富田林市の「理学電機工業」と

いう会社を受けて不採用になり,日立系の「NBC(日本

ビジネスコンサルタント)」を受けて採用内定した後

9月には,関西で,いくつか大学院を受験する予定でした。

2年間は,バイトに便利な大学から遠い静岡駅周辺に

住んでましたが,この23歳の春に最初に住んでいた大学

に近い最初の長屋アパートの近くで,同じ作りの長屋の

1室に引っ越してきたのが,間違いのもとでした。

それから,57歳の春に東京で心臓手術を受けて障碍者

プータローになるまでの33年間.仮面ウツ病で苦しみ,

トランキライザーを手放せない人生となったのでした。

わずかなキッカケで,学生全体のイジメ,大学周辺

でのムラハチに逢い,そのうち,イジメが妄想か現実か

区別できない精神状態のノイローゼになり,逃げること

もできなくて部屋に閉じこもるようになって就職を

考えるどころではなくなりました。

心を許せる友もいたのですが,大半は留年せずに卒業

していなくなっており,知らない学生が多くて残る友人

も(被害妄想かも知れないが),いく人かは,むしろ,

心を許していた故に,辛い敵となったため.以後人生

で表面的な付き合いの友はいても,心は許せなくなり

喜怒哀楽を隠すポーカー仮面となったのでした。

ともあれ,バイトはしないと飢え死にするので大学

周辺は避けて「イハラグリーン」で,東名高速の清掃

関係,掛川にジャスコデパートができたときに商品棚

の組み立て,また,高速パーキングのガードマンなど,

静岡や清水から遠い場所で仕事をしました。

この頃は,辛くて人生そのものからも逃げたくて

死にそうな心でした。この当たり70歳の今だにトラウマ

が消えてないので,よく覚えているけれけどあまり思い出

したくないです。

とにかく,夏休みに大阪の伯父伯母の家に逃げて滞在

し,そこを起点に計5つの大学の大学院院を受けました。

以前は,大学入試の敵討ちで,京大も受ける計画でした

が,そうした元気はなくて,阪大理.阪大基礎工,関学大

理,大阪市大理,神戸大理に願書を出しました。

受験は,この順だったか?はっきりしないけど最初の

3つまでは受験どころじゃなく,被害妄想で嘔吐しそう

になって途中トイレに閉じこもったりしました。

特に,蛍池で阪大を2回受けたときはヒドかったと記憶

しています。関学は私立で入学金,授業料など高い学費が

心配でしたが,冷やかしじゃなく,尊敬している今村先生

に逢って師事できればという期待もありました。

気分悪かったながらも,1次合格で面接を受け,何か失敗

したらしく,最終的に不合格でしたが,高い学費が心配

というのもあったので,これは少しホッとしました。

大阪市大も有名な中野先生を知っていましたから

素直に素粒子論をやりたいと言えばよかったのに,1次

合格の5名に入りましたが,面接で,病気のせいか?

何となく心と裏腹に確率過程のようなことをやりたい,

と言って「うちにはそうした関係の研究室はないよ」,

と言われたので失敗したのかもしれません。

神戸大も大阪市大と同じく物理は零点に近かったけど

数学の成績が抜群に良かったらしく,80名程度の受験者

で1次合格の8名?に入りました。

その後も,両方の発表を親戚の家で待っていて神戸大

合格の連絡がありました。大阪市大は博士課程もあり,

かなり行きたかったのですが,どうも私以外の4名は

合格したらしいので,よほど面接の言動がまずかった

のかな?と思います。ま,1つだけ引っかかったので

よかったです。

さて,神戸に入学するとしても.24歳の来春のこと

なので,就職も内定してたけど,精神の病のせいで学生

の方が楽そうなので,就職を断って,何とか神戸で学生

を続ける道を選び,辛いけれど静岡に帰りました。

相変わらずの,病気に耐えながらの隠遁バイト生活,

でも,先に希望があり,自殺もせず乗り切って,24歳

の春,大学を卒業,4月には神戸の6畳9千円の部屋

に引っ越しました。

アパートは,大学のある六甲駅に近い阪急西灘駅近く

の五毛天神というバス停のそばでした。2階奥端の部屋

で向かいが浪人生,隣が若い保母さんでした。

西灘駅は,今は名称が王子公園駅に変わったらしです。

当時も公園と動物園があったようでした。実家は新倉敷

最寄りで,そこから帰ってくるときは「こだま」で1時間

新神戸は,布引の滝のそばにあり,バスで五毛天神まで

直行できました。

(※32年ぶりの2008年に新神戸に行くと地震のため,滝

のあった当たりがコンクリート補強されていました。)

静岡大には,医学部がなかったけど,神戸大には医学部

と付属の大学病院があり,高速神戸という駅から歩いて

10人くらい,大学病院の精神神経科にかかりました。

精神科は人目をはばかる時代で,病院玄関から長い廊下

を経てポツンと遠い場所にありました。

とにかく診察の結果,強迫観念症?というような診断

で精神安定剤を処方され,飲むと辛い症状が軽減された

気がしました。

転地したからといって,妄想が消えて完治するような

簡単な病気じゃなく,薬で興奮した交換神経を休ませ,

周囲に鈍感で,いつも眠いという安定剤特有の効果

があります。しばらくして大学近くのバス内で嘔吐して

親切なおばさんに助けられました。薬が強すぎたようで,

再度受診して量を減らしてもらい,なんとか日常生活が

できました。

でも病気のせいで,気付かぬうちに,普通じゃない姿

をさらしていたようで,研究室事務の女性などに,変な

奴と誤解される行動などもあったようです。

とにかく,静岡では耐えてるだけでしたが,診察を受けた

安心感とプラシ-ボ効果もあって,少しはまともな生活

を取り戻しました。

1年先輩で東大出身のTさんに,大手重機会社重役の

孫で,灘高1年生H君の数学の家庭教師の口を譲り受け,

その収入が週1回で月3万円,そして大学院の奨学金が

3万2千円(前年までの2万5千円から増額),これだけ

でも暮らせましたが,さらに西宮北口の立聖館予備校の

非常勤講師,芦屋のマンションで,宝塚志望の中2女子

2名,逆瀬川で高2男子の家庭教師もあり,神戸にいた

3年は.大学時代のような,泥臭いバイトはしません

でした。

神戸は,当時,父が養子なので血のつながりはない

けど大伯父が兵庫県知事で,また,5つ年上の実姉が

伊丹の武田食品に勤務の夫と西宮北口にいて甥と姪

もいました。また,大阪市生野区には養子に行った

住友生命社員の次兄夫婦に甥,姪が,そして同じ西灘

の福住通りには父の実妹の叔母夫婦も住んでいて

親戚ばかりでしたが。西宮の姉の家以外は交流は

少なかったです。

山歩き,スキーなど,先輩に混じって経験なかった

レジャーもやり,やがて修士課程の2年が過ぎて,

別大学の博士課程を受けることにしました。

研究室は坂田・谷川2中間子論で有名な谷川安孝先生

の研究室でしたが,指導教官は北添徹郎助教授で,後に

宮崎大教授になったらしいです。

一応,指導を受け修士論文は年内にはできました。

谷川先生は,推薦状を2通しか書かないというので

大阪市大と北大の2つにしました。

当時,北海道の札幌は,私が京都の次に住みたい街

でした。修士課程の入試は9月でしたが,博士の入試

は春3月末でした。

大阪市大は普通に論文審査で,作ってあったOHP

スライドで説明し面接受けましたが,実験の先生の

質問に,ついトンチンカンな答したようで落ちました。

偉い先生が「どうせアインシュタインの受け売りだろう

」とかいうので.よほど「てめーらだってそうじゃねえか」

と言いそうになったけど思い留ままりました。

私の論文,自分でも大していいとは思ってませんでしたし。

北大はJR神戸駅で、復5千円途中下車OKの普通

乗車券を買って,まず東京で.東大大学院地球物理にいた

友人H君宅に1泊,翌日東京観光を案内してもらった後,

「八甲田」という夜行急行列車で青森に向かい,早朝

に着いて,青函連絡船で函館にわたりました。

そこからまた,列車で札幌に到着したのは16時頃

でした。札幌の春はまだ雪が残っていました。一応,

予想して雪で滑りにくい靴を履いてましたが,歩くと

ときどきキュッキュと音がするのが気になりましたね。

かなり疲れてましたが1泊するホテルを決めた後,大学に

行って下見をしました。

翌朝,試験会場に行くと,作業着姿の事務か清掃員のような

オジさんが出てきて,論文面接じゃなく,トイレの場所など

細かく紹介してくれ1部屋を与えられで,出入り自由,何を

見てもいいからと,5問くらいのペーパーテストの問題用紙

と答案用紙を渡され「帰るとき私の部屋のドアの封筒

に入れといて」と言われました。

実は,そのオジさんが,かなり有名な素粒子論の主任教授

だったのです。

予想外のことで参考書も持参してないし,大学外へ出て

本屋や図書館に行って同じ問題の答を見てもいいわけ

でしたが,そこまでやる気もなく.1問目から自力で記憶

にも頼って,完全解答をしようと力んだ余り時間を使い

過ぎて,昼食は軽食を用意してたけど,夕食は近くで

済ませた後,このままじゃ,もう1泊になり,そんなお金

ないので,夜8頃に切り上げて中途半端な解答を上の階

の教授室の封筒に入れて,また夜行電車で帰りました。

その夜は結局,仙台で途中下車して東北大大学院の縫う仁友人

K君宅に泊まりました。H君もK君も元P共闘の同志ですが

彼らは4年で卒業,希望の大学院に合格してました。

それから,1年奨学金はもうないけど,聴講生として

大学研究室の私の机のある3人部屋に前と同じく在籍

して,研究勉強を続け,また博士受ける浪人でしたが論文

は新たな論文は書けず,教授の紹介で東京の会社の就職

試験受けて,27歳(1977年)春に学生時代は終わりました。

学生最後の秋は薬のせいか?体重が30kgから74kg

と異常に増えました。身長は178~176bmのままです。

話は,変わりますが,父は大正7年に兵庫県

明石の貧しい家庭の4人兄弟(男男男女)の

長男で生まれ,小学5年で岡山の名家で子供が

いない伯母(実後の姉)の養子に行きました。

どうしれも中学校に行きたかったかららしい

です。それで,「中学なのかどうか岡山第一

商業学校(元岡山東商業高校)に入って

卒業後,大高島屋に就職しました。

そこで若山出身の母に出逢い,できちゃった

結婚をしたらしいです。

父の就職から4,5年後に日本は本格的戦争に

入り,父は病弱だったせいか乙種で招集され

ませんでしたが,日本の敗色が濃厚で学徒出陣

まで,総動員の頃には海軍に招集されました。

最後,護衛艦で沖縄決選に向かう途中肝臓病

で浜松か松山で降ろされたので戦死を免れた

のでした。そうでないと私生まれてません。

戦後は20年間券の公務員で肝臓病再発して

46歳で死にました。岡山済生会病院で真夜中

昏睡したままでの臨終に立ち会いました。

長年勤務しても大学での後輩たちが自分を

追い抜いて周世するのを見て,大学出てないせいと考え

子供たちには,いい大学に入れと,教育パパになったのでした。

しかも,父の義父の兄=私の大伯父が,その養子先で

兵庫県知事となっていて.自分もゆくゆくは岡山県知事

を目指し,息子たちにも法学部を出て代議士に」なれと

いうような教育をしてました

私も,その子供を大事にする優しさの余り,コワい父

に逆らう度胸はなかったので,もし生きてれば高校で卓球部

にも入れず,理科系にも進めず,ましてや学生運動などせず

別の人生となったでしょう。

 

1965年4月の父の死は,くしくも母校の岡山東商が平松

投手を擁して春の選抜高校野球で優勝した日でした。

また.父の養父(私の祖父)は戦前に亡くなってますが明治に

なる前は下級武士(郷士)で,明治になり造り酒屋を始めた

らしく,地元では大地主で,私の時代,母子家庭とは

なりましたが,土地はあったようです。

裏庭の壊れかけた土蔵などに酒造りの道具などありました。

父の死後,自宅の敷地の半分以上は,姉の結婚などの費用

で何度かに分けて売却し,子供時代広かった屋敷の塀の

中の遊び場も荒れて後を継いだ長兄夫婦が一部を近所の

駐車場としているらしいです。

(以上1977年に就職で上京する前まで)

 

  

 

 

| | コメント (0)

2020年6月21日 (日)

冷温蔵庫の騒音の原因がわかりました。

 まだ買って半年くらいのペルチエタイプの冷温蔵庫

いっても,今のところ冷やすほうしか使用してませんが

本格的なコンプレッサーもないのに,最近えらくうるさい

思いました:。音がする原因のモーターは冷却ファンのみ

で,それの故障か劣化かなと思って,もっと別のに買い替え

ようかなど検討していて,ふと電源コードを抜いて差し替え

ようとしたところ.なんと2電源のACでなく車載用のDC電源

つながっているのがわかり,正しいACに差し替えると全く

静かになりました。

 バカですね。。また無駄遣いするところでした。

2

日後 久しぶりに病院行って帰ってスイッチいじってると

また騒音 。。

どうも欠陥品か仕様でしかたないのか。スイッチオフしました。

50年前の1970年私20歳で,明治公園から日比谷公園まで

2日続けてヘルメットに覆面でデモをやった記憶がある日

安保粉砕を叫んで。。沖縄の日でもありましたね。。

| | コメント (0)

2020年6月13日 (土)

くりこみ理論(次元正則化)16)

「くりこみ理論(次元正則化)」の続きです。

§7-5:(質量に依らない対称なくりこみ)

の続きからです。以下,本論です。

※(有効作用のくりこみ)の項です。

前記事の「質量に依らないくりこみ」

により得られる有効作用Γ[φ~,m2,λ;μ2]

を考えます。(※φi~はスカラー場:φi

期待値を表わしています。)

今は,φの脚のない真空泡グラフは,考慮

していないので,Γ(0)については,省くと

,Γ[φ~,m2,λ;μ2]

=Σn=2(1/n!)∫(2π)-441.∫(2π)-44n

(n)i1i2..in(,m2,λ;μ2)(2π)4δ(Σj)

×φi1~(-p1i2~(-p2)..φin~(-pn)].(18)

と展開され,係数としてのn点頂点関数:Γ(n)

が,Pと2の有限な関数として計算されます。

展開:(18)は,φi~=0の対称な真空のまわり

の展開ですから,各頂点関数Γ(n)は,対称な

真空の上の頂点関数に対応しています。

しかしながら,上記くりこみ操作を各Γ(n)

個々の頂点関数のくりこみと,摂動論的に考える

ことなく,むしろ有効作用Γ[φ~,m2,λ;μ2]

という1つの量に対するくりこみと見なすこと

もできます。

この観点を取れば,Γ自体は,Γ(0)=Sがλφ4

の項を含むため,4次発散の量ですが,それを次元

1を持つ引数φi~(p)で展開すれば,発散が1次

ずつ下がるので,展開で考えるとΓ(0)(2)(4)

までが発散し,これらはそれぞれ,4次,2次,対数

の発散量となりますが,真空泡グラフの寄与Γ(0)

は考慮する必要がないので,無視します。

さらに,Γ(2)(4)を引数p2とm2で展開し,

その初めの展開でΓ(2)の定数項:Γ(2)|p2=m2=0,

2の係数:(∂Γ(2)/∂p2)|p2=0.2m2=μ2,

(m2-μ2)の係数:(∂Γ(2)/∂m2)|p2=0,m2=μ2.

Γ(4)の定数項Γ(4)|p2=0,m2=μ2.(19)の4つの

量だけが発散するので,これらに対して.先の

(2)~(5)のくりこみ条件下で指定される引き算

操作をしたものが,有効作用Γのくりこみ操作

であると,考えることができます。

こうした立場では,有効作用Γを,φi~の汎関数,

かつ,m2の関数として丸ごと有限化したのであり.

展開:(18)のように,対称な真空:φi~=0 の上の

n点頂点関数:Γ(n)のそれぞれを有限にしたもの

ではない,という点が重要です。

つまり,Γを有限にするのに,そのφi~による,

φi~=0のまわりのTaylor展開で,初めの発散する

係数を持つ4項だけを(19)の指定により,引き算操作

しただけであり,決して,それ以降の収束する項まで,

φi~=0のまわりのTaylor展開と見る必要はない,

ということです。

このことは,通常のBPHZくりこみにおいて

発散するFeynman積分の被積分関数に対して,その

外線運動量pに関してTaylor展開した初めの数項

を引き算した手続きと丁度,同じで,その場合も.

決して,被積分関数をp=0のまわりに無限次まで

展開したわけではなく,初めの数項を引き算した

残りの積分は,展開などせず,単に有限な関数である

としたのと同様な見方ができます。

それ故,(19)の4項を引き算することで,有効作用

Γは,φ~の有限な汎関数,かつm2の有限な関数と

なるわけです。

このような単に見かけの違いに過ぎないような

「有効作用のくりこみ]という立場を強調する

のは。次の理由からです。

実際のところ,対称性が自発的に破れる場合,

特に,質量パラメータm2がある負の値(-M2)を

取る場合に興味があります。

この場合にはφ~i=0の対称な真空は不安定で

あり,Feynman伝播関数にタキオン(tachyon)の極

(p2<0の領域の極)が出てくるので,φ~=0のまわり

の展開(18)の係数で与えられる真空上のn点頂点関数

Γ(n)は無矛盾(well-defined)な量でなくなります。

(※つまり,この不合理なタキオンの極をどのように

避けるのか?がまだ指定されていません。)

しかし,Γ[φ~,m2,λ;μ2]自体は,m2<0の

領域でも無矛盾です。

2=-M2<0の場合には,まず,有効作用Γの

引数:φi~(x)を定数φi~(※これは運動量表示の

φi~(p)では,φi~(p)=∫d4xexp(ipx)φi~(x)

なので,φi~の(2π)4δ4(p)倍に相当)に置いて

得た有効ポテンシャル:V[φi~,-M2,λ;μ2]

=Γ[φi~(x)=φi~,-M2,λ:μ2]/∫d4x.

(20)の停留条件:∂V/∂φi~=0を満たす安定な

真空解:Φi~=viを求めます。

次に,有効作用Γをφi~(p)=vi(2π)4δ4(p)

のまわりで,汎関数Taylor展開を実施すれば.

Γ[φi~,-M2,λ:μ2]

=Σ(1/n!)∫(2π)-441.∫(2π)-44n

v(n)i1i2..in(,m2,λ;μ2)(2π)4δ(Σj)

×φi1^(-p1i2^(-p2)..φin^(-pn)].

ただし,φi^(p)=φi~(p)-vi(2π)4δ4(p)

(21)と書けます。

このとき,係数Γv(n)が,その安定な真空上の

期待値:vi=<φi~(ⅹ)>上でのn点頂点関数

を与えます。この場合,もちろん,φi~=viには

タキオンはなくΓv(n)はWell-definedです。

この手続きでは,(20)の有効ポテンシャルVも

(21)の有効作用Γも同じく,既に有限になっている

量と見ることができて,m2を負の値に取ったから

といって,新たにくりこみをやり直す必要など

ないとわかります。

結局,m2=-M2<0の対称性の自発的破れのある

理論も「対称な理論の相殺項」でもって,くりこむ

ことができるわけです。

何故なら,ここで用いた有効作用に対する引き算

項は(19)に与えた4項で,それらは質量パラメータ

2がゼロ,または.μ2>0の対称な理論の相殺項

であったからです(※もう少し正確には対称な理論

のくりこみ因子Zと言うべきです。実際の相殺項は

m2φ2のようにm2に陽に依存しています。)

※(注16-1):私的解釈では,有効作用Γを複素数m2

の複素関数と見て,m2=0,m22の物理的領域から

2が負の領域まで特異点を避けて解析接続できる

とすれば,実際には発散する関数という解析関数

としては有り得ない量を考察しているという点で,

数学的には問題あり,ですが,これを除けば物理的

には理解できます。(Diracの超関数の例なと同様)

発散する裸の量でなく相殺項を引いて,くりこんだ

Γを質量m2について解析接続するなら数学的にも

題ないことに後で気づきました。 

(注16-1終わり※),

このような「有効作用のくりこみ」という観点

に立ち,質量に依らないくりこみ処法を用いて,対称性

が破れている理論,を対称な理論の相殺項でくりこむ

方法を「質量に依らない対称なくりこみ」

(Symmetric mass-independent renormalization)

略して,「SMIくりこみ」と呼びます。

以上のことから前節のゲージ理論のスカラー場の

部分に,このSMIくりこみを適用すれば,対称性が

自発的に破れてHiggs現象が起こっているような

場合でも,くりこみ可能であることが,対称な場合

のくりこみ可能性から従うことが理解されます。

さて,次は,※(ゲージ場の質量項による赤外正則化)

の項です。

ここで,少し話題が変わりますが,質量に依らない

くりこみの1つの応用として,ゲージ場の質量項

(1/2)m2Aμ2を付加することにより,対称性の自発的

破れのないゲージ理論における赤外発散を正則化する

方法について考察してみます。

赤外発散は,例えばQCD(quantum chrono-dynamics

量子色力学)において,零質量のグルオンというゲージ

粒子のみが回るloop積分:∫(2π)-44lで,被積分

関数が,運動量lに関して4次以下であれば外線運動量

を全てゼロにしたとき,l~0の赤外側で,積分が発散

するという問題のことです。

したがって,これは外線運動量:p=0のまわりでの

Taylor展開で紫外発散を引くという元々のBPHZ

くりこみをゲージ理論に適用しようとするときにも,

起こる問題であり,零質量粒子のみから成るloopの

グラフの対数発散項は赤外でも発散し元のBPHZ

の手続きが使えなくなります。

もちろん,外線運動量pをゼロ以外の点におけば

積分は問題ないのですが,pはLorentzスカラーでは

ないので,p=0以外の点を選ぶと,かなり面倒なこと

になります。

そこで,ゲージ場に.仮にゼロでないし質量mを与え,

p=0でも赤外発散が生じないようにするのが,この

赤外正則化の方法です。,

実際に求めたいものは,m=0の理論ですが,まず,

ゲージ場が一般の質量mを持つ場合に枠を広げた後

に「質量に依らないくりこみ法」を適用してm2

あるくりこみ点:μ2(>0)の(p=0でも赤外発散の

ない)ところでの相殺項によって任意のmを持つ理論

を全て有限にするわけです。

ゲージ理論のBRS不変なLagrangianにゲージ場

の質量項:(1/2)m2μ2を付け加えても(他の次元2

のスカラー場の質量項が少し変化を受ける点以外

には)そのまま,くりこみ可能であることは以前の

命題1とSymmanzikの定理から,ほぼ明らかです。

しかし,今の場合,線形でもなくBRS対称性を

破る項を付加する点や,対数発散の相殺項は全て

BRS不変でないm2=μ2の理論のものを用いる

点から,若干,不安をおぼえるかもしれないので,

念のため,以前のWT恒等式を用いた議論を質量項:

2μ2/2がある場合に拡張して,これらのこと

を,以下で直接証明することにします。

まず,ゲージ場の質量項:m2μ2/2がある場合の

WT恒等式を導きます。

前節で与えたBRS不変な作用積分Sに.この質量項

と,BRS変換の外場項を加えた作用積分をIとします。

すなわち,I=S+∫d4x{m2μ2/2+Mδ(Aμ2/2)}

(22)です。

(※S=∫d4x{L(ΦI)+KIΦI})

+K(δc)}です。)

ここで,δ(Aμ2/2)=Aμ(Dμ)

=Aμμa (23)です。

また,外場:Mは次元が1,FPゴースト数が

FP=-1の量です。

系の作用積分Iに対応する有効作用Γに

対するWT恒等式は,前の§5-6と同様にして,

(δΓ/δΦI)(δΓ/δKI)

+(δΓ/δc)(δΓ/δK)

+i(δΓ/δc~)B=m2(δΓ/δM).(24)

となります。

※(注16-2):上記(24)を第5章のBRS対称性

を持つ系のWT恒等式の基本に戻って証明します。

[証明]:作用積分を,引数を陽に書いてI[Φ,K,M]

とすれば,連結Green関数の生成汎関数:

W(J,K,M)=I(Φ,K,M)+J・Φは.

exp{iW(J,K,M)}

=∫DΦ[expi{I(Φ,K,M)+J・Φ},

なる等式を満たします。ただし,J・Φ

=∫d4x{JIΦI+J~c+Jc~+JB})

です。

この式で,汎関数積分(配位空間経路積分)

の内部にBRS変換を行なえば,BRS不変で

ないのはIの中の(m2μ2/2)項とJ・Φのみ

であり,一方,真空はBRS不変:Q|0>=0

なので,左辺=exp(iW)=exp{i(I+J・Φ)}

のBRS変換

=<0|[iQ,Texpi(I+J・Φ)}|0>=0

という恒等式が成立します。

そこで∫DΦ [m2{(δ(Aμ2/2)+JI(δΦI)

-J ~ c~(δ)-iJa}exp(iW(J,K,M)]

=0, つまり,[m2(δ/δM)+JI(δ/δKI)

-J~c~(δ/δKc)-iJ(δ/δJ)]

×W(J,K.M)=0 なる恒等式を得ます。

そこで,Legendre変換:Γ[Φ,K,M]

=W[J,K,M]-J・φによって,有効作用:Γ

を定義すれば,-(-)|I|I=(δΓ/δΦI),であり

,WのK,Mによる左微分は,Γのそれに等しいので.

左微分:(δ/δKI)W=(δ/δKI)Γ,および,

(δ/δM)W=(δ/δ)Γを,それぞれ,単に

δΓ/δKI,および,δΓ/δMと書けば,

WT恒等式として,

2(δΓ/δM)-((δΓ/δΦI))(δΓ/δKI)

-(δΓ/δc)(δΓ/δKc)

-i(δΓ/δc~)B=0(24)が得られます。

[証明終わり] (注16-2終わり※)

他のNL場,反ゴースト場の運動方程式

から従う§7-4で論じた後2つのWT恒等式:

δΓ/δB=fIΦI+w+αB.および,

I(δΓ/δKI)+i(δΓ/δc~)=0は,

ゲージ場の質量項の付加で変更を受けません。

そこで,以前の§7-4でやったように作用I

と有効作用ΓからB依存部分を除いた,I~,

Γ~を定義し,また,外場KIの代わりに,変数

K~=KI+ic~Iを用いれば,c~への

依存性も消えます。

こうすれば,後の2つのWT恒等式は不要

となり,残るWT恒等式:(24)は*演算を用いて

Γ~*Γ~=m2(δΓ~/δM).(25)と,書き直す

ことができます。

この恒等式(24),方程式(25)は,実は元々,

ΦI0,K~I0,M0等の裸の量を引数とする,裸の

有効作用Γ~0に対して成立している裸の式

ですが,これをくりこんでも同じ形になる

ように§7-4の(15):A0μ=Z31/2μ,

φ0i=Zi1/2i,+vi)=Zi1/2φ~i,

(c0,c0~)=Z~31/2(c,c~),(18):

0μ=Z3-1/2μ,および,

0i=(Z~31/231/2/Zi1/2)Ki,

さらに,(19):K0c=Z31/2,

そして,(20):g0=Zi3-3/2g.を

考慮します。

そして,ゲージ場Aμの2乗質量m02

外場:M0についても,m02=Z2,

0=Z31/2Z~31/2M.(26)として,

くりこみを行ないます。

すると,(24)は元々,Γ~0を含め全ての量

に添字0を付けた裸の量で成立する恒等式

ですが,これが,くりこんだ量:Γ~と,ΦI,K~I,

,K.m2,Mで書かれた恒等式となり,

共通因数の(Z31/2Z~31/2)をはずすと,裸の式と

同じ形になります。

ゲージ場の2乗質量m2に関しては,

「質量に依らないくりこみ」をしていますが,

(26)のm02=Z2で,ゲージ場の裸の質量

はm2に比例する部分しかない,と暗に述べて

います。これはゲージ対称性(BRS対称性)に

より,m2=0なら,裸の2乗質量は,(m02-δm02)

ではなくて,m02であり,これもゼロであることが

保証されているからです。

前と同様,数学的帰納法により,hcのオーダー

まで有限にくりこめた,と仮定すると,hc(n+1)の

オーダーで現われる発散Γdiv(n+1)は,WT恒等式

(24)を書き直した(25)Γ~*Γ~=m2(δΓ~/δM)

より,Γ~(0)=I~であり,

I~*Γdiv(n+1)=m2(δΓdiv(n+1)/δM)なる

方程式を満たすことが従います。

それ故,今度の場合は前のS~*X=0と

違って,I~*X=m2(δX/δM.(27)という

くりこみ方程式の解:Xの一般形を求めればよい,

ということになります。

まず,Xは次元が4以下であるとして,次元2

を担うm2の高々1次関数として,X=X0+m21

(28)(X0,X1はm2に独立な量)と書いてよい

ことになります。

(※次元4のm4の項は場によらないので,今の

真空泡グラフを考えない場合,落とします。)

また,作用積分:I~でも,m2部分を分離して

I~=I~0+m2I~1.(29)とします。

このとき,I~0=S~+∫d4x{M(Aμμ)},

1=∫d4x(m2Aμ2/2)+MAaμ (30)です。

すると,(27)のI~*X=m2(δX/δM)は,

(I~0+m2I~1)*(X0+m21)=m2(∂X0/δM)

+m4(δX1/δM)となり,これはm2の多項式と

して恒等式なので,両辺の同じm2べきの係数

を等置して,方程式:I~0*X0=0.(31),

I~1*X0-(δX0/δM)=-I~0*X1.(32)

I~1*X1-(δX1/δM)=0.(33)を得ます。

これを,(33),(32),(31)の順に解きます

そこで,まず,I~1-(δX1/δM)=0ですが,

X=X0+m21より,X1は次元2以下の量です。

これが,大局的ゲージ不変性とFPゴースト数

FP=0を満たす,という要求を考慮すると,

その一般形は次式で与えられることが

わかります。

すなわち,X1=∫d4x{aAaμ2/2+b|φi|2}

(34)(a,bは定数)です。

ゲージ群がU(1),またはU(1)因子群を含む

場合は,Mcの項も要求を満たすように見えます

が,c(―x)→ ―c(x),M(―x)→ M(x)

なので.CPT不変性からこの項は(34)から排除

されます。とにかく,cの奇数次の項などは存在

し得ません。

一方,I~1=∫d4x{Aμ2/2}(30)なる陽な

表式と.§7-4の演算*の定義から,任意のXに

対して.I~1*X=Aμ(δX/δK~μ).(35)

です。そこで,(34)のX1は,任意のa,bについて,

1*X1-(δX1/δM)=0.(33)の方程式を満たす

ことがわかります。

(※何故なら,δX1/δK~μ=0,かつ,δX1/δM=0

であるからです。)

この(33)の解である(34)のX1を,(32)の方程式

I~1*X0-(δX0/δM)=-I~0*X1の右辺に

代入すると.{Aμ(δ/δK~μ)-(δ/δM)}X0

=-aAμ(∂μ).(36) を得ます。

(※何故なら.I~0*X1においては,φiに関わる

項:(δI~0/δKi)(δX1/δφ)

と(δI~0/δKi)(δX1/δφ)が,相殺して

消えて,Aμに関する項だけが寄与するからです。)

ここで.X0=aMAaμ∂(∂μ)が(36)の特解

になるのは,明らかです。

斉次(同次)方程式:{Aμ(δ/δK~μ)

-(δ/δM)}X0=0の一般解を求めるため,

K^μ­=K~μ+MAμ.(37)と置けば,

δX0/δK~aμ=δX0/δK^μ,および,

δX0/δM=Aμ(δX0/δK^μ)

(※X0はK^aμを通してのみMに依存)

となります。

故に,同次方程式は左辺=δX0/δK^μ

=0,つまり,これの一般解はK^μに独立な

任意の汎関数です。

よって,このX0の同次解をX~0と書けば,

(36)の一般解は,X0=X~0

+∫d4x{aMAaμ(∂μ)}(38)と書けます。

以後,変数として,Φ,c,K~i,Kの他に

(37)のK^μを採ることにすれば,X~0はK^μ

独立なので,Mに依存しない汎関数です。

最後に,方程式:(31)I~0*X0=0に.

上の(38)のX0を代入します。

すると,I~0=S~+∫d4x{M(Aμμ)}

ですから,S~*X~0

+M∫d4x[∂μ(δ/δK^μ)

-Aμμ(δ/δK)]X~0=0.(39)

が得られます。

※(注16-3):何故なら,まず,S~*{MAμ(∂μ)}

=(δS~/δK^μ)(δ/δAμ){MAμ(∂μ)}

=(δμ)(δ/δAμ){(δ(-MAμ2/2)}

δ(-MAμ2/2)]=0を用いると,

S~*X0=S~*X~0が導かれます。

Mの項は,[∫d4x{M(Aμμ)}*X~0

=M∫d4x(∂μ)(δX~0/δK^μ),

-MAμμ(δX~0/δK)です。

そして,M2の項は同じものの*積なのでゼロ

です。つまり,[∫d4x{M(Aμμ)}*

[∫d4y{M(Aμμ)}]=0 です。 

(注16-3終わり※)

そして,(39)の第1項はMに依存しないので,

第1項と第2項は,それぞれ独立にゼロです。

すなわち,S~*X~0=0,かつ,

M∫d4x[∂μ(δ/δK^μ)

-Aμμ(δ/δK)]X~0=0. です。

ところが,S~*X~0=0の解は,前節で,

方程式:S~*X=0を解いた一般解Xと

同じ形で与えられます。

つまり,S~*X=0の一般解:Xは,

X=∫d4x[fゲージ不変I)

+β{K~I(δΦI)+K(δ)}

+(β-γ){Aμ(∂GI/∂Aμ)

-K~μ(∂μ)}

+γφ(d)ijj

{∂(GI+K~iδφi)/∂φj}].(63)

でしたが,この右辺の表式で,K~μを,

K^μ=K~μ+MAμに,置き換えたもの

が.今のS~*X~0=0の一般解:X~0

与えます。

特に,X~0の,K^μ,K依存部分を

X~0と書ヶば,X~0K=K^μ(∂μ)

-βg(μ×)}

+K(g/2)(×)}(40)である

ことがわかります。

ところが,このX~0Kは,(39)の第2項の

M∫d4x[(∂μ)(δ/δK^μ)

-Aμμ(δ/δK)]X~0=0を自動的

に満たします。(※証明は省略)

それ故,これ以外のK^μもKも含まない

部分を加えた全体のX~0をX0に置換しても,

これが満足され,結局,このX~0が(31):I~0*X~0=0

の一般解を与えることがわかります。

 以上から,解:X=X0+m21は(34),(38)により,

X={X~0-γMAaμ(∂μ)}

+∫d4x[(a0+γ)MAμ(∂μ)

+am2μ2/2+bm2|φi|2](41)

で与えられることになります。

このうち,|X~0-γMAaμ(∂μ)}は,

前節の(63)の一般式に一致し.既にBRS不変な

作用S~のZ因子やviをずらして得られる相殺項

で相殺できる,ことを示しました。

今度の作用積分Iで新たに加えられた部分:

(I~-S~)=∫d4x{m2μ2/2+M(Aμμ)}

において,くりこみ操作を実施すれば,

裸の,(I~-S~)0

=∫d4x{Z32μ2/2

+Z3mZ~3M(Aμμ)}(42)

となるため,Z因子をずらすと,Δ(I-S)

=∫d4x{(δZ+δZ3)m2μ2/2

+(δZ+δZ3m+δZ~3)M(Aμμ)}

(43)を得ます。

それ故,前節のδZ3=-(α+2β-2γ),

δZ~3=-γに加えて,a+δZ+δZ3=0,

(a0+γ)+δZ+δZ3+δZ~3=0δを

要請して.δZ=-a+(α+2β-2γ)(44)

とすると,(43)の2つの項が,丁度,(41)の第1項

と第2項を相殺します。

残る(41)の最後の項:(-bm2i|2)については,

(63)のμ2に比例する発散項(-αμ2i|2)と一緒

にして,スカラー場の裸の質量項を,

-(Zm1μ2+Zm2bm2)Zii|2.(45)と分離して

おけば,2つの相殺項を用意することができます。

以上で,ゲージ場の質量項を加えても,スカラー場

の質量項が少しの変更を受けるだけで,ゲージ理論は,

くりこみ可能に留まるという予想を証明すること

ができました。

しかし,これは,あくまで,赤外正則化の暫定的

方法であることに注意すべきです。

何故なら,そもそもゲージ場の質量がゼロでない

理論は,有限にはできても,BRS不変性を持たず,

故にBRS電荷:Qは保存されないし,ベキ零性

δ2=0も成立しないから,物理的解釈のできる

理論とはならないからです。

例えば,Paulli-Villers正則化では,ゲージ粒子

の作るloop積分の対数発散部分はln(Λ2/m2)の

形となり,Λ2→∞で紫外発散,m2→0で赤外発散

しますが,とりあえず両者とも相殺項で有限に

できることは示しました。

そこで赤外発散については正則化の後にm2→0

の極限を取ったとき,無矛盾に留まればいいです。

(※QEDでは、エネルギーがゼロの無数の実光子の

寄与が,無数の仮想光子の寄与で相殺される,という

方法で赤外破局(Infrared catastrophe)は解決され

ました。)

 これで,第7章が終わったので,ここで,この記事

シリーズを一旦,終わります。

(「くりこみ理論(第2部)」につづく)

(参考文献):九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅱ」

(培風館)

 

 

| | コメント (0)

2020年6月 7日 (日)

くりこみ理論(次元正則化)(15)

くりこみ理論(次元正則化)」の続きです。

「くりこみ理論(次元正則化)(10)」の最後の方

から始まった,「ゲージ理論のくりこみ可能性」

を証明するという課題は,記事(11),(12),(13)を

経て前回の記事(14)でやっと完了しました。

6月に入りました。

今回は第7章の新しい節である:

§7-5:(質量に依らない対称なくりこみ)からです。

以下,本論です。

前節のゲージ理論のくりこみ可能性の議論

では,「対称性の自発的破れ」がないと仮定し,

大局的ゲージ不変性の要請を,多くのところで

用いました。しかしながら,対称性が自発的に

破れて,Higgs現象が起きているような場合でも

ゲージ理論は依然として,くりこみ可能である

ことを示すことができます。

実際,前節では,既に対称性が自発的に破れて

いる場合も含めて考えていました。

つまり,対称性を陽に破るパラメータ:fi

含む一般線形ゲージの場合を論じたのでスカラー

場:φiは真空期待値:viを持ち,自発的破れのある

場合と本質的に同値な状況を既に考えたことになる,

わけです。

すなわち,対称性の自発的破れがある場合には,

スカラー場:φiはtreeレベルでゼロでない真空

期待値:vi(0)を持つのですが,そのパラメータvi(0)

(≠0)をゲージ固定項のパラメータ:fiと同様,

大局的ゲージ変換の下で,その添字に応じて変換

する共変量と見なすことにすれば,依然として

大局的ゲージ不変性の要求を満たす理論に対する

場合と同じ議論が可能となります。

そうすれば,前節の議論で大局的ゲージ不変性を

用いたところで,新たにvi(0)がφiと同じ変換をする

次元1の量として加わるという点のみを考え直せば

結局,前と同じく,くりこみ因子Zや真空期待値vi

をシフトすることによって発散を全てくりこむこと

ができます。

本節では,これを陽に行なうことはせず,むしろ

対称性が自発的に破れた理論のくりこみを,自発的

破れを起こしていない対称な理論のくりこみに帰着

させる,という方法について述べます。

この方法の基本的考え方は次の通りです。

摂動論の範囲内では,対称性の自発的破れを

起こしている場合と破れを起こしていない場合

の違いは,単にスカラー場:φの質量項:-μ2|φ|2

のμ2の符号の違いだけです。

※(注15-1):質量項を-μ2|φ|2とすると,

有効ポテンシャルVは,

V[φ~]-(λ/2)|φ~|4-μ2|φ~|2

=-(λ/2)(|φ~|2+μ2/λ)2-μ4/(2λ)

であり,{φ~{2≧0なので,普通にμ2>0なら

Vの最小値を与えるφの期待値φ~は確かに

φ~=0であり,そのときVmin=0ですから,

この場合は対称性は破れていません。

しかし,もしも質量が,異常なμ2<0の

パラメータなら,V[φ~]=-(λ/2)|φ~|4

-|μ2||φ~|2=-(λ/2)(|φ~|2-|μ|2/λ)2

+μ4/(2λ)なので,Vが最小になるのは|φ~|2

=|μ|2/λ=-μ2/λ>0のときであり,この

とき,Vmin=μ4/(2λ)>0ですから,対称性が

破れています。

これは,第6章「対称性の自発的破れ」で紹介

した単純なGoldstone模型です。

(注15-1終わり※)

ところが,くりこみの一般論の第7章の命題

からもわかるように,このような次元2の質量項

の違いはゲージ理論のくりこみの本質的な部分

である次元が4,または3の演算子(発散部分)の

くりこみには影響しません。

このことを反映して,実際,任意の理論において

そこに現われる場の質量パラメータに依存しない

形で,くりこみができること,それ故,質量

パラメータを変数とする(連続無限個の)理論の組

が一度に有限となることを示すことができます。

このくりこみの方法を「質量に依らないくりこみ

(mass-independent renormalization)」と呼びます。

これを利用して,対称な理論で一たび,くりこみが

できる,ことがわかれば,(ゲージ理論であれ何であれ)

理論は質量パラメータμ2の値の如何に依らず一挙に

有限にできることになるので,このLagrangianでμ2<0

の対称性の自発的に破れた理論も有限であるといえます。

さて,※(質量に依らないくりこみ)の項の本論です。

このくりこみ法は,元々はt’HooftとWeinberg

によって提唱されたのですが,ここではCallanに従って

最も簡単なスカラー理論の場合で説明します。

例として,O(N)対称性を持つλφ4理論を採用すれば

その摂動の第0次のLagrangian密度は,スカラー場を

φ=φ12,..φ)として,=(∂μφ)2

-(m2/2)φ2-(λ/8)(φ2)2.(1)で与えられます。

ここで,φ2=Σj=1Nφj2であり,m2は質量の2乗

パラメータですが,これは非負とは限らないとします。

(※通常のスカラー粒子の2乗質量に用いるμ2は後

でくりこみ点に用いる予定なので,ここでは使わずに,

残しておきます。)

この(1)のLに対する有効作用:Γを有限にする

ためには,2次発散する2点頂点関数Γ(2)と対数

発散する4点頂点関数Γ(4)を考えれば十分です。

これらに対して,適切なくりこみ条件の本質的な

点は,n点頂点関数Γ(n)を質量をパラメータm2

関数と見て有限化することです。

それ故,m2をΓ(n)の運動量変数:の2乗:2など

と同等に扱います。

例えば,次のようなくりこみ条件を設定します。

すなわち,Γ(2)ij(P2=0,m2,λ;μ2)|m2==0=0.(2),

(∂/∂m2(2)ij(P2=0,m2,λ;μ2)|m2=μ2=-δij(3),

(∂/∂p2(2)ij(P2,m2,λ;μ2)|P2=0,m2=μ2=+δij.

(4)です。

そして,Γ(4)ijkl(P2=0,m2,λ;μ2)|m2=μ2

=-λδij.kl(5)です。

ただし,は,一般のn点関数のとき,

=(p1,p2。..pn-1)|pn=-(p1+p2+..pn-1)

表わし,また,δij,,kl=δijδkl+δikδjl+δilδjk

(6)です

2点関数ではΓ(2)は2次発散なので(次元2の)引数:

2,および,P2でTaylot展開すれば発散次元は2

ずつ下がり,初項が2次発散し.次の1階微分の2項

(∂Γ(2)/∂m2)と(∂Γ(2)/∂p2)が対数発散します。

そして,それ以降は収束ということになります。

上記の(2),(3),(4)のくりこみ条件は,この発散

する初めの3項に対する条件で,(2)は質量

パラメータm2がゼロのときは,粒子が本当に零質量

なるべし.(3).(4)は,m2があるべき項μ2(>0)のとき

2がゼロでのΓ(2)の(p2-m2)に関する数係数が,

treeレベルのΓ(2)=δij(p2-m2)の満たす値から

ずれてはならない。という要請です。

これに対して,4点関数:Γ(4)は対数発散なので.

(m2,p2)平面のどこか1点の値を指定すればいい

です。(5)の条件は,m22のとき,p=0のΓ(4)

がtreeレベルの-λδij.klから,ずれないという

条件です。

(2)の条件がm2=0で与えられているのに対し

(3)~,(5)の条件がm2=μ2>0で与えられている

のは,(3)~(5)の量は対数発散なので,mもpも皆,

ゼロにすると赤外発散の困難に遭うからです。

(※理解しやすいように,Paulli-Villersの正則化

で見ると,対数発散量は切断パラメータをΛ2として

lnΛ2に比例して発散することを意味しますが,Λ2

次元を持っており,これの対数関数というのは物理的

には有り得ず,必ず,無次元量として,ln{Λ2/(ap2+bm2)}

の形で現われるため,p2=0としたとき,m2=0とすると

赤外発散を生じるからです。)

くりこみ条件を与えたm2の値:μ2

「くりこみ点(renormalization point)」と呼びます。

このことから,くりこまれたΓ(n)

くりこみ点:μ2にも依存するようになるので,

(2)~(5)でΓ(2)(4)の引数としてμ2を陽に書いた

のでした。

こうした,くりこみ条件を実現するためには

次の相殺項が必要となります。

すなわち,count=(A/2)(∂μφ)2-(B/2)m2φ2

+(1/2)δm2φ2-(Cλ/8)(φ2)2.(7)です。

つまり,摂動論(例えばhc展開)の各オーダーごとに

相殺項の係数:A,B,δm2,Cを決めてゆきます。

くりこみ条件の(2)はδm2の,(3)はBの,(4)はAの,

(5)はCの,自由度を用いて,それぞれが満たされるように

できます。この相殺項を加えるということは,系の裸の

Lagrangian:00=(1/2)(∂μφ0)2

-(1/2)(m02-δm0202-(λ0/8)(φ02)2count(8)

と書けることを意味し,φ0=Zφ1/2φ,より,1+A=Zφ.(9),

02=Z2,δm02=Zφ-1δm2より,1+B=Zφ.(10),

λ0=Zλλより,1+C=Zλφ2.(11)を満たす係数A,B,

δm2,Cを持つ相殺項:countを採ればいいことを意味します。

与えられた1つの質量の理論をくりこむ通常の場合と少し

異なっているのは,裸の質量が,(m02-δm02)のように2つ

に分離しているところです。

今の場合,m2はp2と同様な変数であり,(10)を導いた式:

{(1+B)m2-δm22/2=(m02-δm0202/2

=(Zφ2-δm22/2から,わかるようにm02はm2

比例する線形項ですが,δm02はm2に依らない定数項に対応

しています。

(※なお,Dirac Fermionの場合は,同様にmに

比例する部分:m0=Zmと,定数部分δm0

分けると.実は,δm0は自動的にゼロになります。

これは,カイラル対称性のせいで,くりこまれた質量

(treeレベルの質量)がゼロであると裸の質量も

ゼロになるからです。(※※つまりカイラル対称性

を持つは質量項のないDirac粒子の場合です。

そこで,くりこんだ結果:δmψ~ψ=0なら

裸の質量:m0-δm0におけるδmに関わる

部分のδm0=0なのです。)

スカラー理論でも,次元正則化を用いるなら定数部分

δm02は自動的にゼロとなります。)

いずれにしろ,以上のくりこみ手続きでΓ(2)(4),それ故

Γ(n)が,摂動の各次数ごとに運動量pと質量パラメータm2

の関数として有限にできるということがわかりました。

このとき,対数発散項の相殺にあずかる因子:

φ,Z,Zλは,くりこみ条件(3)~(5)がm2=μ2

ところで与えられているので,切断パラメータをΛ

として,Zi=Zi0,Λ/μ) (i=φ,m,λ).(12)

の形で決まります。

こうしてZiは,変数としての質量パラメータm2

には依存していないということが重要な点で,

「質量に依らないくりこみ」という名称は,これ

に由来しています。

もう1つの重要な注目点は,裸のLagrangian

(故に裸の有効作用)に現われるδm02が,m2にも

δm2にも依存しないという事実です。

すなわち,δm02=Λ200)(13)と書けます。

このことは,過去記事;「くりこみ理論(6)」で

与えた関係式を,μ2をm2に置き換え,くりこみ

点を表示して書き直した,

Γ(n)(,m2,λ;μ2)

=Zφn/2Γ0(n)(,m0202),(14)

を思い出せば,裸の,Γ0(n)は,くりこまれた

それ:Γ(n)と比例関係にあることから,

Γ(2)に対するくりこみ条件(2)を裸の

Γ0(2)に対するように書き換えると,

Γ0(2)ij(p2=0,m02=0,δm020;Λ2)=0.

(15)となることがわかります。

これはδm02を決める関係式になっており,

ゼロでなくて次元を持つ量は,δm02の他には

Λ2のみを含んでいます。

そこで,次元解析を利用して(14)の解:δm02

が,δm02=Λ200)(13)の形に書けることが

わかります。この形式は,後に斉次くりこみ群

方程式を導くときに重要になります。

これを得るためには質量に依らないくりこみ

では,くりこみ条件(2)は必要不可欠です。

しかし,他の条件(3)~(5)は,いろいろとある

中の1つの選択肢で,他の条件も有り得ます。

例えば,(3),(5)を,それぞれ,

Γ(2)ij(p2=μ2,m2=μ2,λ:μ2)=0.(16-1),

Γ(4)ijkl(p,m2=μ2,λ:μ2)|pipj=(1-δij)/2

=-λδij,kl.(16-2)に置き換えてもいいです。

 

ここで,t’Hooftにより始められた,次元正則化

に基づく,質量に依らないくりこみ法について少し

コメントします。

この方法も本質的には上記のPaulli-Villers

正則化のそれと同じですが,ゲージ不変性を尊重

するという点で便利です。

まず,時空d次元では,dimφ=(d-2)/2,

dim()=dですから,裸の結合定数λ0が(4-d)

の次元を持ちます。しかし,くりこまれた結合定数

λ,および,くりこみ定数:Zλが常に無次元になる

ように.(11)のλ0=Zλλ,の代わりに,

λ0=Zλ(λμ(4--d))

=(1+hcλ(1)+hc2λ(2)+..)(λμ(4-d))(17)

の形でくりこみを行ないます。

ただし,μはくりこみ点に相当する次元1の

パラメータです。

こうすれば,次元正則化による摂動計算において,

結合定数は常に(λμ(4-d))の形で出てきます。

したがって,loop積分結果のd=4の極の近傍の

展開に現われる対数関数は,ln{(p2+m2)/μ2}の

ように,常に正しく引数が無次元の量となります。

次元正則化のこの方法では次元を持つ切断

パラメータΛは導入されないので.先の2次発散

のΓ(2)に対する,くりこみ条件(2):

Γ(2)ij(p2=0,m2,λ;μ2)|m2=0=0.は,自動的に

満たされます。(μ2はd→4では対数の引数には

出てきません。)

よって,条件(2)が陽に言及されることはないです。

 

他の対数発散部分に対してはは(17)の

λ0=Zλ(λμ(4--d))

=(1+hcλ(1)+hc2λ(2)+..)(λμ(4-d))

および,m02=Z20=Zφ1/2φとして,

例えば,先の条件(3),(4),(5)(ただし(5)では

右辺のλをλμ(4-d)に置換)のくりこみ条件:

つまり

(∂/∂m2(2)ij(p2=0,m2,λ;μ2)|m2=μ2

=-δij(3),

(∂/∂p2(2)ij(p2,m2,λ;μ2)|p2=0,m2=μ2

=δij.(4),Γ(4)ijkl(p2=0,m2,λ;μ2)|m2=μ2

=-λμ(4-d)δij.kl(.(5)’

を設定して,くりこみを実施します。

または,くりこみ条件に言及せず,

単に1/(d-4)の極の部分ε~-1だけを除きます。

そうすれば,次元をもたないZi(i=φ,m.λ)は,

(Λが存在しないので)μに陽には依存せず,

Zi(λ,d)=1+a1(λ)/(d-4)+a2(λ)/(d-4)2

+..の形になり,明白な質量に依らないくりこみと

なります。

このとき,Ziのくりこみ点:μへの依存性は

くりこまれた結合定数λを通してのみ依存します。

くりこまれたλは裸のλ0がμに独立なので,(17)から

μ依存性が決まります。

※(注15-2):「くりこみ理論(4)」,または,その

「要約(4)」の必要部分の再掲載を兼ねた,本論

の補足説明を注釈します。

まず,系の裸のLagrangianを0count

するとき,裸の質量がμ0のBosonの2点Green

関数(Feynman伝播関数)iΔF’(p2)への

1粒子既約な自己エネルギーグラフの寄与

が裸の量で-iΠ0(p2)であるとすると,

その2点Green関数は

Fij(p2)=iδij{p2-μ02-Π0(p2)}-1

=i[Γ0(2)(p2)]-1 で与えられます。

そして,iΔF’(p2)を,くり込んだものを

F~(p2)と書き,iΔF’(p2)

=i/{p2-μ02-Π0(p2)}=iZ3/(p-μ2)

=Z3iΔF~(p2)になると考えると,

Π0(p2)=(Z3-1)(p2-μ2)+δμ2を得ます。

ただし,δμ2=μ2-μ02としています。

系の裸のLagrangianが0cont

表わされるのに倣って,裸のΠ0もくりこまれた

Πと相殺項:Πcountの和として,

Π0(p2)=Π(p2)+Πcount(p2)と書くと

Π(p2)+Πcount(p2)=(Z3-1)(p2-μ2)

+δμ2です。

特に,最低次のオーダーでは,

Π(1-loop1)(p2)+Πcount(1)(p2)=Z3(1)(2-μ2)

+(δμ2)(1)となるべきことを意味します。

このくりこみの結果,μが実際に観測される

物理的質量という意味を持つための条件として

2=μ2の近傍では,Δ~F(p2)ij=δij/(p2-μ2),

または,Γ~(2)(p2)=p2-μ2となることが要求

されます。

くりこみ条件(2)はp=0,μ=0でΓ(2)=0

でした。

この条件はΠ(p2)+Πconht(p2)

=(Z3-1)(2-μ2)+δμ2の上では,p=0,

μ=0で,Π(0)+Πcount(1)(0)=(δμ2 なること

に相当しています。

これらは,質量をパラメータ:mとしてくりこみ

点を,m2=μ2とした頂点関数Γで考えるとp2=m2

=μ2の近傍では,Γ(2)(p2)=p2-m2となるべき

ことを意味します。

そして,これは,Γ(p2,m2)=Γ(0,0)+p2(∂Γ/∂p2)

+m2(∂Γ/∂m2)+..のベキ展開においては,

Γ(0,0)=0,(2) (∂Γ/∂p2)=1,(3),(∂Γ/∂m)=-1.

(4)の3条件です。

そして特に,最低次のオーダーでは,Π(1-loop1)(p2)

+Πcount(1)(p2)=Z3(1)(2-μ2)+(δμ2)(1)です。

そこで,Π(1-loop1)(p2,m2)+Πconht(1)(p2,m2)

=Z3(1)(2-m2)+(δm2)(1)であり,条件(2)は,

最低次ではΠ(1-loop1)(0,0)+Πcount(1)(p2)

=(δm2)(1)です。

さてBoson質量をμに戻して,くりこまれた量で

最低次の1粒子既約の自己エネルギーを計算すれば,

-iδijΠ(1-loop)(p2)

=∫ddk(2π)-4(-)Tr[(―igτi)i(-mF)-1

(-igτj)i{(k-)-mF}-1]+∫ddk(2π)-4

(-iλ/8)4×3+8)δiji/(k2-μ2)-iΠcount(1)(p2)

となります。ただし,mFはBosonが真空偏極する

グラフでloop積分すべき内線運動量を持った

仮想Fermionの質量です。

次元正則化で,最後にd→4の極限をとる前の

自己エネルギー部分の計算結果は,

-iΠ(1-loop)(p2)

={(-i)2・4g2/(16π2)}[(3ε~-1+1)

×(mF2-p2/6)-3∫01dx{mF2-x(1-x)p2

×ln{mF2-x(1-x)p2}]

+{-5λ/(32π2)}μ2{-ε~-1-1+ln(μ2)}

となります。

ただし,ε~-1は,d→4で発散する部分で,

ε-1=2/(4-d)および,ε~-1=ε-1-γ+ln(4π)

で定義されています。

それ故,-iΠ(1-loop)(p2)の発散部分は,

ε~-1を含む部分だけで,これを含む相殺項を.

-iΠcount(1)(p2)として,差し引くことで,有限

にする操作が,次元正則化のくりこみ手続きです。

したがって,1PIの自己エネルギーグラフの

最低次のくりこまれたネットの寄与は,

Π(1-loop)(p2)+Πcount(1)(p2)ですが,これが,

p=0,μ=0で(δμ2)(1)に一致するべし,と

いうのが,最低次でのくりこみ条件(2)の

意味するところです。

それ故,Π(1-loop)(0)|p2=0,μ2=0

={g2/(2π2)}{(3ε~-1+1)mF2-3mF2ln(mF2)}

を得ますが,相殺項:Πcount(1)(0)をε~-1を因子と

する発散部分:{3g2/(2π2)}ε~-1に有限限部分

の一部を加えて(-)符号を付けたものとして

これに加えると,(δμ2)(1)が(有限部分)

+Π(1-loop)(0)|p2=0.μ2=0で与えられることがくりこみ

条件(2)が満たされることに同値となります。

すなわち,Paulli-Villersの場合なら∫d

が∫d4kで,自己エネルギー部分の計算結果は,

-iδijΠ(1-loop)(p2)

=∫d4k(2π)-4(-)Tr[(―igτi)i(-mF)-1

(-igτj)i{(k-)-mF}-1]

+∫d4k(2π)-4(-iλ/8)4×3+8)δiji/(k2-μ2)

となり,被積分関数はkの(-2)次で,積分が∫d4

の4次であること,および,(mF22,2)の次元2を

持った量で展開すると,発散の次数が2ずつ下がること

から,これを理解できます。

いずれにしろ,Π(1-loop)(p2)は,外線運動量:p2の関数

として,p2の0次と1次の項しか含まず,それ故,丁度,

相殺項:-iΠcount(1)(p2)=i{Z3(1)(p2-μ2)+δμ2(1)}

で相殺できる形になります。

つまり,Paulli-Villers正則化では,δμ2(1)

=Π(1-loop)(p2=μ2)=(有限定数)

+{5λ/(16π2)-3g222ln2

+[{3g2/(2π2)}(mF2-μ2/6)-5λμ2/(32π2)]

×ln(Λ22)(発散量),

かつ,Z3(1)=[∂Π(-loop1)/∂p2]p2=μ2

=(有限定数)+{g2/(4π2)}ln(Λ22)(発散量)

と置き,一方,次元正則化では,

δμ2(1)=Π(1-loop)(p2=μ2)

=(有限定数)

+[{3g2/(2π2)(mF2-μ2/6)-5λμ2/(32π2)}ε~-1

(発散量),かつ,Z3(1)=[∂Π(-loop1)/∂p2]p2=μ2

=(有限定数)+{g2/(4π2)}ε~-1(発散量)と置くと

いずれの正則化でも,Π(1-loop1)+Πcount(1)は有限になり

(p2-μ2)の2次以上の項はなくなって,

伝播関数はp2=μ2の近傍では,iΔj(p2)ij

=iδij/(p2-μ2)の形になり,μがBosonの物理的

質量である,という要請が確かに満足されます。

(再掲部分関連終了※)

質量に依らないくりこみでは,裸の2乗質量

がμ02ではなくて,(m02-δm02),くりこまれた

質量がμ2でなくm2なので,上のδμ2=μ2-μ02

に相当するのは,m2-(m02-δm02)=δm2+δm02

です。先に述べたようにδm02はm2に依存しない

定数ですから,このパラメータはどう取ろうが自由

です。

自己エネルギーについては.

Π(p2)+Πcount(1)(p2)={Z3-1)(p2-m2)

+(δm2-+δm02)が満たされるべき条件です。

故に,くりこみ条件(2)はΠ(0)+Πcount(1)(2)

=δm2-+δm02ですが,δm02が何でもよい

なら;この条件は不要だと思うのですが。

(注15-2終わり※)

途中すが長くなったので今回はここで終わります。

(参考文献):九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅱ」

(培風館)

 

 

| | コメント (0)

2020年5月31日 (日)

くりこみ理論(次元正則化)(14)

「くりこみ理論(次元正則化)」の続きです。

前々回まででは,大局的ゲージ不変性と

いう対称性を持った系の有効作用Γを示す

Feynmanグラフがくりこみ可能であること

を証明するために,この有効作用Γ(orΓ~)

を,Γ=Γ(0)+hcΓ(1)+..+hΓ(n)

+hc(n+1)Γ(n+1)+,,と摂動展開し,初項

Γ(0)は作用S(orS~)に等しく有限なので

続くΓ(1)(2)(n)がくりこみで全て有限

にできたと仮定してΓ(n+1)も有限になると

いうことを示す,という帰納法に頼りました。

結局,この証明はΓ(n+1)の発散部分Γdiv(n+1)

を取り出すと,それが謂わゆるくりこみ方程式:

S~*Γdiv(n+1)=0を満たすことを示すことに

帰着することが導かれました。

そして,このくりこみ方程式に対しては,次の

命題が成立します。

これは,「大局が的ゲージ不変でFPゴースト

数ゼロ,次元が4以下の局所項から成る,ΦI,c,

K~I,Kの汎関数:Xがくりこみ方程式:

S~*­X=0を満たすとする。このとき解Xは

裸の作用積分:S0=S[Z31/2μ,.,Z~31/2μ

13-3/2,..]において,Zやviをずらせて

得られる変化分:ΔS

=δZ(ΔS)+δviviS)

=δZ[∂S~/∂Z] Z=1Vi=0+δvi[∂S/∂vi]Z=1Vi=0

(41)の形で与えられる。」 という命題です。

これが証明されればΓ(n+1)が有限になること

を示すことができて帰納法の証明が完結します。

そこで,この命題証明すればいいのですが,

これに関して.次の定理の成立が知られています。

[定理]:「ΦI,c,K~I,KのFPゴースト数

がゼロの局所多項式から成る汎関数Xでくりこみ

方程式S~*­X=0.を満たすものは,必ず,

X=Fゲージ不変[ΦI+S~*M[ΦI,c,K~I,K]

の形に書ける。

ここで.Fゲージ不変はΦI=(Aμi)のみで

書かれたゲージ不変な関数であり,一方,Mは

FPゴースト数が(-1)の任意の汎関数である。」

という定理です。

そして,この形で書かれる汎関数Xが.くりこみ

方程式:S~*X=0を満たすこと(解の十分性)の

成立はほぼ自明で,実際,容易に証明できました。 

しかし,証明が自明でないのは,逆の解となる

ための必要性の方でした。

このXがS~*X=0の解となるための必要性

  の一般的証明は,かなり面倒なので割愛する,と

述べました。ここまでが前々回の記事です。

前回は,当面必要なXが,次元4以下の局所項

から成る大局的ゲージ不変という特別な場合に

限れば必要性が証明できるというので,これを示す

途中での中断でした。結局,くりこみ方程式:

S~*X=0の解Xは­X=∫d4x[fゲージ不変I)

+β{K~I(δΦI)+Ka(δ)}

+(β-γ){Aμ(∂GI/∂Aμ)

-K~μ(∂μ)}

+γφ(d)ijj{∂(GI+K~iδφi)/∂φj}].

(63)と書けます。ただし,次元が4以下である

という条件からfゲージ不変I)の一般形は,

ゲージ不変I)

=α{(-1/4)Fμνaμν}

+αφ{(Dμφi)μφi}-α2φiφi)

-αλ{(λ/2)(φiφi)2}.(62)なる形で

与えられます。と書いたところで,前回記事

を終えました。

さて,今回はその続きです。

既述のように,作用S~は,(47)で与えた

S~=∫d4x[GII)+K~I(δΦI)

+K)].の形をしています。

ただし,δΦI=DIであり,

δ=(g/2)(×)です。

また,*演算は定義(31)によれば任意

  のΦI,c,K~I,Kの汎関数:F.Gに

対して,F*G=(δF/δΦI)(δG/δK~)

+(δF/δc)(δG/δK)

+(-)|F|{(δF/δK~I)(δG/δΦ)

+(δF/δK)(δG/δc)

ですから,S~*(K~μμ)

=(δS~/δAμ)Aμ+(δμ)K~μ

=(Aμ(∂GI/∂Aμ)

+K~μ{∂(Dμ)/∂Aμ}

+(Dμa)K~μです。

故に,証明に必要な第1式:

S~*(K~μμ)=Aμ(∂GI/∂Aμ)

-Kμ(∂μ).(64)を得ます。

次に,S~*(K)

=(δS~/δc)c+(δ)K

=-c(δS~/δc) +K(δS~/δK)

(65)です。

ところが,場(粒子)のFPゴースト数をNFP

  とすると,S~はNFP=0,cはNFP=1,K~I

FP=-1,KはNFP=-2のゴースト数を

持つため.{c(δ/δc)-K~I(δ/δK~I)

-2K(δ/δK)}S~=0(.66)

が成立します。

※(注14-1):何故なら,まず,S~をc,K~I

の関数と見て,ベキ級数展開したもの

を,S~=Σν1,v2,ν3{a(ν123)

×cν1(K~I)ν2×(K)ν3}と表わすと,

{c(δ/δc)-K~I(δ/δK~I)

-2K(δ/δK)}S~

=Σν1,v2,ν3{(ν1-ν2-2ν3)a(ν123)

×cν1(K~I)ν2(K)ν3} となります。

元のS~の展開の各項のベキ次数ν123

は,それぞれ,ゴースト場c;外場K~I,K

に対応する粒子の個数を示しています。

故に,(ν1-ν2-2ν3)は項のFPゴースト

  数を意味します。

一方,左辺のS~のゴースト数はNFP=0

ですが,これは右辺の展開の各項で満たされる

べきと考えられるので,全ての項において

ν1-ν2-2ν3=0が成立すべきで,その結果

としてl{c(δ/δc)-K~I(δ/δK~I)

-2K(δ/δK)}S~=0が得られます。

(注14-1終わり※)

したがって,(65)のS~*(K)

-c(δS~/δc) +K(δS~/δK)

は,S~*(K)=-K~I(δS~/δK~I)

-K(δS~/δK) と書き直せます。

故に,必要な第2式として,

S~*(K)

=-K~I(δΦI) -K(δ).(67)

を得ました。

最後に,S~*K~i=δS~/δφi

=δ{(GI+K~(δφj))/δφiです。

以上から,再掲(63)式:

X=∫d4x[fゲージ不変I)

+βA【K~I(δΦI)+Ka(δ)}

+(β-γ){Aμ(∂GI/∂Aμ)

-K~μ(∂μ)}+γφ(d)ijj

{δ(GI+K~jδφj)/δφj}](63)

の被積分関数は,fゲージ不変I)

-βS~*(K)+

-γ)S~*Kμaμ)

+γφ(d)ijjS~*K~j]と書けます。

すなわち,Xは,X=∫d1x[fゲージ不変I)

+S~*{(β-γ)Kμaμ -β

+γφ(d)ijjK~j}].(68)の形となり,

これは,定理が主張する(44)の形の解:

X=Fゲージ不変[ΦI+S~*M[ΦI,c,K~I,K]

に合致する,ことがわかり定理の必要性が証明

されました。つまり,これで.次元4以下で大局的

ゲージ不変な場合に,先の定理が証明されたわけ

です。(※大局的ゲージ不変性について,S~の

K~i(δφi),XのK~i~φi)の部分は疑問

ですが,これは議論の本質には無関係のようです。

要するに,追加の外場K~iの問題なので?※)

さて,まだ,直接,必要とされる先の命題の

結論となる形に書けること,つまり,解Xが作用

積分:S0=S[Z31/2μ,..Z~31/2μ

13-3/2,..]で,Zやviをずらせて得られる

変化分:δZ(ΔS)+δvi(ΔviS)(41)の形

で与えられる。ということを透明する仕事が

残っています。

これを証明するにはXの表式:(63)(再々掲)

X=∫d4x[fゲージ不変I)

+β{K~I(δΦI)+Ka(δ)}

+(β-γ){Aμ(∂GI/∂Aμ)

-K~μ(∂μ)}

+γφ(d)ijj{∂(GI+K~iδφi)/∂φj}].

を出発点とする方が早道です。

まず,唐突ですが,次式:

{Aμ(∂/∂Aμ)-g(∂/∂g)}GII)

=2{(-1/4)Fμν2}.(69)が成立することに

注意します。(※ただし,(-1/4)Fμνaμν

を,(-1/4)Fμν2と略記しました。※)

これは,)で(gAμ)をAμ

変数変換すれば,物質場:ΦIのLagrangianの部分

は,gに依らなくなる。ということから従います。

※(注14-2):実際,(gAμ)の1次の項は,

μ(∂/∂Aμ)の作用で(gAμ)となり,

g(∂/∂g)に対しても同じ(gAμ)になる

ため,これに比例した項は演算の結果として

消えます。すなわち,

{Aμ(∂/∂Aμ)-g(∂/∂g)}GII)

{(g,Aに独立な比例係数)(gAμ)}=0です

。残るのはFμν内の(gfabcμν)

のように,Aμの2次以上の項の場合で,

{Aμ(∂/∂Aμ)-g(∂/∂g)}

(gfabcμν)

=gfabcμν ですから.Fμν2

への演算の場合,この項から因子2が出ます。

gを含まないAのみの項ではAμ(∂/∂Aμ)

の作用は,各項で時空微分に関係なく元の項の

Aの次数倍を与えるので,(∂μν-∂νμ)2

に作用させると,2((∂μν-∂νμ)2です。

結局,{Aμ(∂/∂Aμ)-g(∂/∂g)}

(Fμν2)=2Fμν2)が得られます。

(注14-2終わり※)

次に,K~(δΦI)+K)では,

K~(δΦI)=(Dμ)の中の項:

K~μ(∂μ)が,gの0次項である以外,

全てgの1次の項ばかりなので,

{g(∂/∂g)-1}{K~(δΦI)+K)}

=-K~μ(∂μ).(70)となります。

これと先の(69)の

{Aμ(∂/∂Aμ)-g(∂/∂g)}GII)

=2{(-1/4)Fμν2}から

∫d4x{Aμ(∂GI/∂Aμ)-K~μ(∂μ)}

=gδS~/δg)+∫d4x[2{(-1/4)Fμν2}

-{K~(δΦI)+K)}].(71)です。

そこで,これらを(63)に代入します。fゲージ不変I)

については,(62)の具体的で陽な表式を代入すると,,

X=∫d4x[(α+2β-2γ){(-1/4)Fμν2}

+αφ|Dμφi|2-αμ2i|2-αλ{(λ/2)|φi|4}

+γ{K~(δΦI)+K)}]

+γφ(d)ijj(δS~/δφj)

+(β-γ)g(δS~/δg)].(72)という

解Xの表式を得ます。

一方,作用積分S~の引数の物質場,外場に,

0μ=Z31/2μ0i=Zi1/2i,+vi)

=Zi1/2φ~i,(c0,c0~)=Z~31/2(c,c~)

(15),K0μ=Z3-1/2μ,

0i=(Z~31/231/2/Zi1/2)Ki(18)

0c=Z31/2(19),g0=Zi3-3/2g.(20)

で指定されるZ,やviを含んだ裸の量:Φ0II,K0I,

0c,g0を入れたものを求めると,次のように

なります。

S~[Z31/2μ,..Z3-1/2μ,..Zi3-3/2g...]

=∫d4x[Z3(-1/4){∂μν-∂νμ

-Z13-1g(μ×ν)}2

+Zi|∂μφ~i+Z13-1g(T)ijμφ~j|2

-Ziμ2|φi|2-Zλi2(λ/2)|φ~i|4

+Z~3μ{∂μ-Z1-1g(μ×)}

-Z3K~iiZZ3-1g(T)ijφ~j

+Z~3(Zi3-1g/2)(×)].(73)

ただしZとZλは,今,陽に考えている物質場

の質量と,λφ4相互作用の結合定数λのくりこみ

因子として定義されています。

つまり,μ02=Zμ20=Zλλ.(74)です。

さて,Z因子やvをずらしたときのS~の

変化分は,(73)のS~の表式を微分して,

ΔS~=δZ(ΔS~)+δviS~)

=∫d4x[(-1/4){δZ3(F~μν(0))2

-Z3(0)(2δg~)(μ×ν)Fμν(0)

+δZi|D~μφ~i(0)|2

+Zi(0)(2iδg~)(T)ijμφ~jD~μφ~i(0)

+2(δvi)Zi(0)(ig(0))(T)ijaμD~μφ~i(0)

-{(δZ)Zi(0)+Z0)(δZi)}μ2|φ~i|2

-Z(0)i(0)(δvi)(∂/∂φ~i)(λμ2|φ~i|2)

-{(δZλ)Zi(0)2+Zλ0)(2δZi)}(λ/2)|φ~i|4

-Zλ(0)i(0)2(δvi)(∂/∂φ~i)(λ|φ~i|4/2)

+K~μ{(δZ~3)(Dμa(0))}

+Z~3(0)(δg~)(μ×)}

-{(δZ~3)g~(0)+Z~3(0)(δg~)}

×K~ii(T)ijφ~j(0)

-Z~3(0)K~iig~(0)(T)ij(δvl)

+(i/2){(δZ~3)g~(0)+Z~3(0)(δg~)}

(×)] と書けます。

ただし,0次近似では,Z(0)は全て1,vi(0),

j(0)は.全て0,g~(0)=gとします。

また,F~μμ=∂μν-∂νμ

-Z13-1(μ×ν),g~=Z13-1g,

D~μφ~i=∂μφ~i-ig~(T)ijμφ~j.

D~μc=∂μc-g~(μ×)としています。

そして,δZ,δvはZ(0)=1,v(0)=0から

  の変化分と考えます。

それ故,結局,δZ(ΔS~)+δviS~)

=∫d4x[δZ3{(-1.4)Fμν2}+δZi|Dμφi|2

-(δZ+δZi2i|2

-(δZ+δZλ)(λ/2)|φi|4

+δZ~3{K~I(δΦI)+K(δ)}]

+δvi(δS~/δφi)

+(δZ1-δZ3)g(δS~/δg)(75)

となります。

この形は,丁度,(72)で与えたくりこみ方程式

  の一般解:Xの表式にピッタリ一致します。

すなわち,くりこみ因子のずれ:δZ,δvは

(72)のパラメータ:α,β,γから次のように

決まります。

δZ3=-(α+2β-2γ),δZ~3=γ,

δZi=-αφ,δZ=-α+αφ,

δZλ=-αλ+2αφ,δvi=γφ(d)ijj,

δZ1=-(α+3β-3γ).(76)です。

(※符号が逆になっているのが多いのは,Xの

表式をΓの発散項としたとき,それがS~の

変化分で相殺されると考えるからです。※)

以上で,命題の証明,すなわち,ゲージ理論

のくりこみ可能性の証明が完了しました。

※(注14-3):ここまで,一貫して,大局的ゲージ

不変な理論がくりこみ可能であることを示して

きたわけですが,そもそも局所ゲージ不変理論

(第2種のゲージ変換)に対して不)な理論)なら,

時空点ごとに異なるゲージ変換のパラメータ

(位相)を,全ての時空点で同じ定数とした特別

な場合でも不変性は維持されるので,局所的

ゲージ不変なら,必ず,大局的ゲージ不変

(第1種ゲージ変換に対して不変)なので,

局所ゲージ不変な理論もくりこみ可能で

あることが示されたわけです。

逆の大局的ゲージ不変なら局所ゲージ不変

というのは必ずしも成り立ちませんがね。

(注14-3終わり※)

  • 7-4の目的であったゲージ理論のくりこみ

可能性の証明問題が完了して一段落です。

今日,これのアップは2020年5/31ですが,実際に

この原稿をつj作ったのは10日くらい前で,既に

新しい項の原稿(15)を書いている途中です。

米印参照ノートは「ゲージ場の量子論(5)」と題名

の付いたノートで,日付けがあるのは1ページ目の

(通算467ページ目)の1997年3/20(47歳)と最後

の通算573ページ目の1999年5/24(49歳)のみで

今日の原稿の内容を書いたのは,その間であろう

としか,わかりません。

そして,この題名のノートの全ては,今部屋の

どこにあるのかは真剣に探してみないと不明

ですが,確か,「ゲージ場の量子論(6)」が最後

で,2000年2/1(50歳)の前には読了して終了

したはずです。※

いずれにしろ,今回はここで終わります。

(参考文献):九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅱ」

(培風館)

 

 

| | コメント (0)

くり込み理論(次元正則化)(13)

くりこみ理論(次元正則化)」の続きです。

前回は,大局的ゲージ不変という対称性を

持った系の作用積分Sと,その有効作用Γを

裸の場を変数として構成した裸のS0とΓ0

において変数の裸の場を,くりこんだ場と

くりこみ定数Z,viで表わしたものに置換

する,という操作によって,くりこんだ有効

作用Γが有限になる,という手法で理論が

ゲージ不変性を保持したままの正則化に

よって,くりこみ可能となることの証明を

志向しました。

以下,これまでの手順の要約を記述します。

まず,上記の証明ため,Γ0の変数の裸の量に,

くりこんだ量による表式を代入して,計算

すべきΓを,Γ=Γ(0)+hcΓ(1)+hc2Γ(2)

+...+hcΓ(n)+hc(n+1)Γ(n+1)+...と

摂動展開します。

初項のΓ(0)はΓ(0)=Sにより明らかに有限

なので,以下のΓ(1)(2),..,Γ(n)が全て有限

にできた,という仮定の下で次のΓ(n+1)も有限

になることを示す,という帰納法に頼って証明

する手法を取りました。 

S,Γには有限な寄与が自明なNL場:B

反ゴーストc~を含む項があり.これらを除き

S~.Γ~とすると,満たされるべき基本的なWT

恒等式はΓ~*Γ~=0という式で与えられる

ことがわかりました。

SとS~.ΓとΓ~は,今の証明では本質的に

同じなので同一視してもよく Γ~の代わりに

Γの展開式:Γ=Γ(0)+hcΓ(1)+hc2Γ(2)+..

+hcΓ(n)+hc(n+1)Γ(n+1)+..をΓ~*Γ~

=0に代入して,Γ(n+1)の発散部分:Γdiv(n+1)

を取り出すと,くりこみ方程式:S~*Γdiv(n+1)

=0に帰着することが導かれました。

そして,このくりこみ方程式に対しては,

次の命題が成立することが証明できます。

※[命題]:「大局が的ゲージ不変でFP

ゴースト数がゼロ,次元が4以下の局所項から

成る,ΦI,c,K~I,Kの汎関数:Xが

くりこみ方程式:S~*­X=0.を満たすとする。

このときXは,裸の作用積分:

0=S[Z31/2μ,..,Z~31/2μ

13-3/2,..]で,Zやviをずらせて得られる

変化分ΔS=δZ(ΔS)+δvi(ΔviS)

=δZ[∂S/∂Z] Z=1Vi=0+δvi[∂S/∂vi]Z=1Vi=0

の形で与えられる。」

仮に,この命題が証明されたとすると,Xが

S~*Γdiv(n+1)=0を満たすΓdiv(n+1)である場合,

この発散が適切な相殺項で吸収され,有効作用Γ

がhc(n+1)のオーダーのΓ(n+1)まで有限となり,

帰納法によるくりこみ可能性の証明が完結する

ことになります。

実際の[命題の証明]においては,結局,

くりこみ可能性の証明はS~*X=0の一般解

Xが,X=δZ(ΔS)+δvi(ΔviS)の形で

与えられる,という純粋に代数的な命題の証明

に帰着することがわかりました。

そうして,くりこみ方程式:S~*X=0の解

  Xに関して.次の定理が成立することが

知られています。

※[定理] 「ΦI,c,K~I,KのFPゴースト数

がゼロの局所多項式から成る汎関数Xで,くりこみ

方程式S~*­X=0.を満たすものは,必ず,

X=Fゲージ不変[ΦI+S~*M[ΦI,c,K~I,K]

の形に書ける。

ここで,Fゲージ不変はΦI=(Aμi)のみで

書かれたゲージ不変な関数で,MはFPゴースト

数が(-1)の任意の汎関数である。」

この形で書かれる汎関数Xがくりこみ方程式:

S~*X=0を満たすこと(解の十分条件)の証明

は,S~のBRS不変性,S~*S~=0,および,

Jacobi恒等式から従う,演算:(S~*)のベキ零性:

つまり,∀Xに対しS~*(S~*X)

=-((1/2)X*(S~*S^)=0.から,容易に

証明できました。 

しかし,証明が自明でない,のは,逆の解と

なるための必要性の方です。

この定理は大変有用なものですが,一般的証明

  は,かなり面倒なので,この必要性の詳細証明は,

既存の文献に譲って,ここでの記述は割愛します。

と書いて,前回までの記事は終わりました。

 

さて,ここからは,今回のその続きです。

XがS~*X=0の解となるための必要要性の

一般的証明は,かなり面倒なので割愛する,と述べ

ましたが,今,必要なのはXが,次元4以下の局所

項から成る大局的ゲージ不変な場合で,この場合

に限れば,次のようにして,解の必要性も容易に

証明できます。以下は,この証明手順です。

※[必要性の証明]:話を明確にするために物質場

φiとしては,ゲージ群:Gのある既約表現に属する

スカラー場のみが存在する系の場合を考えます。

(※もっとも,可約表現の場合や,スピノル場が存在

する場合でも本質的には同じように証明可能です。)

系のゲージ不変なLagrangian密度GIが,

GII)=-(1/4)Fμνaμν

+(Dμφi)μφi-μφiφi-(λ/2)(φiφi)2.

(46)で与えられる場合を考察します。

このとき,外場を付加した作用積分:S~は,S~

=∫d4x[GII)+K~I(δΦI)+K(δ)]

(47)という形に書くことができます。

,ただし,δΦI=DI,δ=(g/2)(×)

です。一方,問題のXは,次元が4以下の局所項から成る

FPゴースト数:NFPが0の大局的ゲージ不変な汎関数

である,と仮定されています。

ところで,外場K:~Iは,NFP=-1で次元は2,

外場:Kaは,NFP=-2で次元は2です。

(※何故なら,dim(L)=4ですが,dim­(c)=1,

dim(g)=0なので,dim(δΦI)=dim(DI)

=2であり,dim(δ)=dim{(g/2)(×)}

=2でぁるからです。

また,一般線形ゲージ中の係数fIはNFP=0

  で次元が1の量であることから,BRS変換:δ

に似たG群に属する変換の演算子δ~を導入して

S~と同様,Xが次のように書けるとします。

つまり,X=∫d4x[~(ΦI)+K~I(δ~ΦI)

+K(δ~)],(48)とします。

未知の演算子δ~は,δ~ΦIが,δ~μ

=∂μ-βabcμ

-γgdabcμ,(49-1),および,δ~φi

=-βφ(ig)c(T)ijφj

-γφ(ig)c(dab)ijj(49-2)

の組で与えられ,ゴースト項の変換がδ~

=β(g/2)(×)=β(g/2)fabcc.

(49-3)と書ける一般形で与えられる,とします。

一見,δ~φiには,δaiのような項が

あってもよいように見えますが,系がφi→ -φi,

ai→ -faiなる変換の下での不変性を持つので,

こうした項の存在は許されません。

(※つまりδ~(-φi)=-δiが成り立つ必要

があるので,δaiのような項は存在不可能です。)

ここで,~(ΦI)は,ΦI=(Aμ,φi)のみの次元

が4以下の関数,γdφφは任意の

係数,dabcはTr(T)に比例する対称不変

テンソル,(dab)ijは,φiの表現行列:(T)ij

abcなどのゲージ群Gの不変テンソルで構成

される(存在すれば)添字が(abij)の不変テンソル

です。

そしてXがくりこみ方程式:S~*X=0を

満たすべき,という要請は,先に(49)で場に対する

変換性を具体的に示したBRS変換に類似した

変換::δ~を,(δX/δK~I)(δ/δΦI)

+(δX/δK)(δ/δc)

=(δ~ΦI)(δ/δΦI)+(δ~)(δ/δc)

δ~B.(50)を満たす演算子と見れば,

XとS~がδX+δ~S~=0,なる式を

満たすべき,ことを意味するとわかります。

※(注13-1):何故なら「くりこみ理論11)」での

任意のF,Gに対するF*Gの定義:(31):

F*G=(δF/δΦI)(δG/δK~I)

+(δF/δc)(δG/δK)

+(-)|F|{(δF/δK~I)(δG/δΦI)

+(δF/δK)(δG/δc)}により,

S~*X=,(δS~/δΦI)(δX/δK~I)

+(δS~/δc)(δX/δKc)

+(-)|S~|{(δS~/δK~I)(δX/δΦI)

+(δS/δK)(δX/δc)}です。

ところが,Xはゴースト数:NFPがゼロ

なので,Grassman偶であり,S~もそうです。

さらに,ΦIもGrassmann偶です。

しかし,cはGrassman奇で外場K~I

FP=-1なのでGrassman奇です。

最後に外場Kは,NFP=-2で,Grassman

  偶です。そして,Grassman数の微分は,右微分

か左微分かの違いがあるため,どちらかに統一

する必要がありますが,偶を奇で微分したり,

奇を偶で微分すると奇で,それ以外の量間で

の微分は偶です。そして奇と奇が反可換で

ある以外は,全て可換です。

それ故,(δS~/δφI)(δX/δK~I)

+(δS~/δc)(δX/δK)

=(δX/K~I)(δS~/δK~I)

+(δX/δK)(δS~/δKca)

=(δ~ΦI)(δS~/δΦI)

+(δ~)(δS~/δc)=δ~S~

が,Grassman数に対する式として

成立します。

また,(-)|S~|{(δS~/δK~I)(δX/δΦI)

+(δS~/δK)(δX/δc)}

=(δΦI)(δX/δΦI)+(δ)(δX/δc)

=δX となりまず。

以上から,S*X=δ~S~+δXであり,

S*X=0は,δ~S~+δX=0と同値

であることがわかりました。

(注13-1終わり※)

このδX+δ~S~=0に,S~の表式:

S~=∫d4x[GII)+K~I(δΦI)

+K(δ)],(47),および,Xの表式:

X=∫d4x[~(ΦI)+K~I(δ~ΦI)

+K(δ~)],(48)を代入すれば,

次の方程式を得ます。

すなわち,δ~(ΦI)-K~Iδ(δ~ΦI)

+Kcaδ(δ~)+δ~GII)

-K~Iδ~(δΦI)+Kcaδ~(δ)

=0.(51)です。

この方程式は,任意のK~I,Kcaについて

成立しなければならない恒等式なので,

δ~(ΦI)+δ~GII)=0,(52)

δδ~δ~δ={δ,δ~}=0.(53)

なる2つの独立な等式が従います。

(53)は,BRS変換δと(47)で定義された

BRSの類似変換δ~が反可換であるという

要請ですが,これはcの上では(49-3)の

δ~=β(g/2)(×)と.δ

=(g/2)(×)から,δ~=βδとなり,

δδ~δ~δ=βcδ2=0となるため,

自動的に満足されます。

しかし,Aμの上では,δ~μ=∂μ

-βabcμ-γgdabcμ,

(49-1)であり,δμ=Dμ=∂μ

-fabcμなので,

δδ~μδ(∂μ-βabcμ

-γgdabcμ)

=(g/2)∂μ(c×c)-βabc{(Dμ)c

+(g/2)μ(c×c)}-γgdabc{Dμ}c

+(g/2)Aμ(×)}であり,

一方では,δ~δμ=δ~(Dμ)

=βc(g/2)Dμ(c×c)a ですから,反可換で

要求される,δδ~μδ~δμ=0.

を満たすには,β=βc,0,かつ,γ=0.(54)

が必要十分です。

さらに,スカラー場:φlの上で成立するため

には,βφ=β(55)の条件の他,不変テンソル:

(dab)ijが,(T)ij(dbd)jk=(T)ij(dad)jk

=fabc(dcd)jk.(56)を満たすことが必要

となります。

※(注13-2):何故なら,(49-2)から,

δ~φi=-βφ(ig)c(T)ijφj

-γφ(ig)c(dab)ijj であり,

一方,δφi=-(ig)c(T)ijφjです。

そして,δ,δ~は,ゴースト場:cとは

反可換である,と考えられるので,

δ(cφi)=(δ-cδφj,

δ~(cφi)=(δ~-cδ~φj

です。それ故,δδ~φl

=-βφ(ig)(δ)(T)ijφj

+βφ(ig)(T)ij(δφj)

-γφ(ig)(δ)(dab)ijj

=(-ig2/2)βφ(×c)(T)ijφj

-(ig)2βφ(T)ij(T)jkφk

-(ig2/2)γφ(c×c)(dab)ijj

他方,δ~δφi

δ~|(-ig)c(T)ijφj}

=-ig{(δ~)(T)ijφj-c(T)ij

×(δ~φj)

=-(ig2/2)βc(c×c)(T)ijφj

-(ig)2βφ(T)ij(T)jkφk

-γφ(ig)2(T)ij(dbd)jkk)

ですから,δ~δφiδδ~φi=0

となるには,cがFPゴーストで,スピンゼロ

なのにFermionという,奇妙な反交換する場

で,c=-cであることを考慮

すると,δ~δφiδδ~φi

=(-ig2/2)(βc+βφ)(×c)(T)ijφj

-βφ(ig)2[T.T]ijφj

-(ig2/2)γφ(c×c)(dab)ijj

-(ig)2γφ((T)ij(dbd)jkk

と書けます。

ところが.[T,T]=ifabccであり,

定義により,(×)=fabcなので,

[T,T]ijφj

=ifabc(T)ijφj

=i(×)(Ta)ijφjです。

故に,β=βφであれば,右辺の第1項と

第2項は相殺して消えます。

第3項については,

γφ(-ig2/2]fabc(dad)ikj

-γφ(ig)2(T)ij(dcd)jkk}

=-(γφ2)[(i/2)fabc(dcd)ik

-(T)ij(dbd)jk](ck)=0

であればいいのですが,(ck)

がfabcと同じくa,bの交換について

反対称なのでこれらは独立でなく恒等式

の未定係数法を使うため,1つの独立な組

(a,b)の係数を取ってゼロとして,

{(i/2)fabc(dcd)ik-(T)ij(dbd)jk]

-{(i/2)fbac(dcd)ik-(T)ij(dad)jk]

=0 が得られます。

結局,(T)ij(dbd)jk -(T)ij(dad)jk

=,ifabc(dcd)jk となるべきであること

がわかりました。

しかし,この結論は,

(T)ij(dbd)jk=(T)ij(dad)jk

=fabc(dcd)jk.(56)を,満たす必要がある,

とされていた,参考文献の内容と違います。(?)

(注13-2終わり※)

いずれにしろ,(dab)ijは,さらに分解されて

(dab)ik=(T)ij(d)jk.(57)のようにできる

ことが示唆されています。(※ここで,同じ記号

dを使いましたが(57)両辺のdは別定義です。)

こうして,得られた(56),(57)および,βφ=β

=β,かつγ=0が,δδ~が反可換で

あることから得られたδ~の表現係数に関する

全情報です。

次に,δ~(ΦI)+δ~GII)=0,(52)を

  解いて.~(ΦI)の形を決める必要があります。

まず,(49)で具体的に与えたδ~の変換は,元

のBRS変換:δに係数;β=β=βφで比例

する部分を抜き出して.その他との和に分割すると,

δ~=βδ+(γ-β)(∂μ)(δ/δAμ)

-γφ{igc(T)ij(d)jk}(δ/δφi)

(58)となります。

そして,これの右辺第2項,第3項の微分演算

  は(∂μ)(δ/δAμ)

=[(Dμ)(δ/δAμ),Aν(δ/δAν)]

=[δ,Aμ(δ/δAμ)].(59-1)

{igc(T)ij(d)jk}(δ/δφi)

=[igc(T)ijφj(δ/δφi).

(d)jkk(δ/δφi)]

=[δ,(d)ijj(δ/δφi)].(59-2)

のように,BRS変換:δと何らかの交換関係

の形に書けます。

それ故,δ~=βδ

  +[δ,(γ-β)Aμ(δ/δAμ)

-γφ(d)ijj(δ/δφi)] となります。

したがって,δ~(ΦI)+δ~GII)

=0は,δGII)=0なので,δ~(ΦI)

δ{(β-γ)Aμ(∂GI/∂Aμ)

+γφ(d)ijj}(∂GI/∂φi)}.(60)

を意味します。

それ故,明らかに。右辺の括弧:{ }の中は(52)

を満たす~(ΦI)を与える1つの特殊解です。

(52)に対する~(ΦI)の一般解を得るには,

斉次(同次)方程式δ~(ΦI)=0の一般解を得る

必要がありますが.δが,ΦI=(Aμ,φi)の上

ではゲージ変換に過ぎないので,同次方程式の

一般解はゲージ不変な一般関数です。

結局,δ~(ΦI)+δ~GII)=0(52)を

満たす~(ΦI)の一般解は,~(ΦI)

=fゲージ不変I)+β-γ)Aμ(∂GI/∂Aμ)

+γφ(d)jk}(∂GI/∂φi).(61)

で与えられる,ことがわかります。

ところで,~(ΦI)には次元が4以下である,

という条件があったのでfゲージ不変I)の一般形

は,fゲージ不変I)=α{(-1/4)Fμνaμν}

+αφ{(Dμφi)μφi}-α2φiφi)

-αλ{(λ/2)(φiφi)2}.(62)で与えられます。

結局,くりこみ方程式:S~*X=0の解Xは,

­X=∫d4x[~(ΦI)+K~I(δ~ΦI)

+K(δ~)](48)である,としていたので,

X=∫d4x[fゲージ不変I)

+β{K~I(δΦI)+Ka(δ)}

+(β-γ){Aμ(∂GI/∂Aμ)

-K~μ(∂μ)}

+γφ(d)ijj{∂(GI+K~iδφi)/∂φj}].

(63) と書けることがわかりました。

 

途中ですが長くなったので,今回はここで

終わります。

(参考文献):九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅱ」

(培風館)

 

くりこみ理論(次元正則化)(13)

「くりこみ理論(次元正則化)」の続きです。

前回は,大局的ゲージ不変という対称性を

持った系の作用積分Sと,その有効作用Γを

裸の場を変数として構成した裸のS0とΓ0

において変数の裸の場を,くりこんだ場と

くりこみ定数Z,viで表わしたものに置換

する,という操作によって,くりこんだ有効

作用Γが有限になる,という手法で理論が

ゲージ不変性を保持したままの正則化に

よって,くりこみ可能となることの証明を

志向しました。

以下,これまでの手順の要約を記述します。

まず,上記の証明ため,Γ0の変数の裸の量に,

くりこんだ量による表式を代入して,計算

すべきΓを,Γ=Γ(0)+hcΓ(1)+hc2Γ(2)

+...+hcΓ(n)+hc(n+1)Γ(n+1)+...と

摂動展開します。

初項のΓ(0)はΓ(0)=Sにより明らかに有限

なので,以下のΓ(1)(2),..,Γ(n)が全て有限

にできた,という仮定の下で次のΓ(n+1)も有限

になることを示す,という帰納法に頼って証明

する手法を取りました。 

S,Γには有限な寄与が自明なNL場:B

反ゴーストc~を含む項があり.これらを除き

S~.Γ~とすると,満たされるべき基本的なWT

恒等式はΓ~*Γ~=0という式で与えられる

ことがわかりました。

SとS~.ΓとΓ~は,今の証明では本質的に

同じなので同一視してもよく Γ~の代わりに

Γの展開式:Γ=Γ(0)+hcΓ(1)+hc2Γ(2)+..

+hcΓ(n)+hc(n+1)Γ(n+1)+..をΓ~*Γ~

=0に代入して,Γ(n+1)の発散部分:Γdiv(n*1)

を取り出すと,くりこみ方程式:S~*Γdiv(n*1)

=0に帰着することが導かれました。

そして,このくりこみ方程式に対しては,

次の命題が成立することが証明できます。

※[命題]:「大局が的ゲージ不変でFP

ゴースト数がゼロ,次元が4以下の局所項から

成る,ΦI,c,K~I,Kの汎関数:Xが

くりこみ方程式:S~*­X=0.を満たすとする。

このときXは,裸の作用積分:

0=S[Z31/2μ,..,Z~31/2μ

13-3/2,..]で,Zやviをずらせて得られる

変化分ΔS=δZ(ΔS)+δvi(ΔviS)

=δZ[∂S/∂Z] Z=1Vi=0+δvi[∂S/∂vi]Z=1Vi=0

の形で与えられる。」

仮に,この命題が証明されたとすると,Xが

S~*Γdiv(n+1)=0を満たすΓdiv(n+1)である場合,

この発散が適切な相殺項で吸収され,有効作用Γ

がhc(n+1)のオーダーのΓ(n+1)まで有限となり,

帰納法によるくりこみ可能性の証明が完結する

ことになります。

実際の[命題の証明]においては,結局,

くりこみ可能性の証明はS~*X=0の一般解

Xが,X=δZ(ΔS)+δvi(ΔviS)の形で

与えられる,という純粋に代数的な命題の証明

に帰着することがわかりました。

そうして,くりこみ方程式:S~*X=0の解

  Xに関して.次の定理が成立することが

知られています。

※[定理] 「ΦI,c,K~I,KのFPゴースト数

がゼロの局所多項式から成る汎関数Xで,くりこみ

方程式S~*­X=0.を満たすものは,必ず,

X=Fゲージ不変[ΦI+S~*M[ΦI,c,K~I,K]

の形に書ける。

ここで,Fゲージ不変はΦI=(Aμi)のみで

書かれたゲージ不変な関数で,MはFPゴースト

数が(-1)の任意の汎関数である。」

この形で書かれる汎関数Xがくりこみ方程式:

S~*X=0を満たすこと(解の十分条件)の証明

は,S~のBRS不変性,S~*S~=0,および,

Jacobi恒等式から従う,演算:(S~*)のベキ零性:

つまり,∀Xに対しS~*(S~*X)

=-((1/2)X*(S~*S^)=0.から,容易に

証明できました。 

しかし,証明が自明でない,のは,逆の解と

なるための必要性の方です。

この定理は大変有用なものですが,一般的証明

  は,かなり面倒なので,この必要性の詳細証明は,

既存の文献に譲って,ここでの記述は割愛します。

と書いて,前回までの記事は終わりました。

 

さて,ここからは,今回のその続きです。

XがS~*X=0の解となるための必要要性の

一般的証明は,かなり面倒なので割愛する,と述べ

ましたが,今,必要なのはXが,次元4以下の局所

項から成る大局的ゲージ不変な場合で,この場合

に限れば,次のようにして,解の必要性も容易に

証明できます。以下は,この証明手順です。

※[必要性の証明]:話を明確にするために物質場

φiとしては,ゲージ群:Gのある既約表現に属する

スカラー場のみが存在する系の場合を考えます。

(※もっとも,可約表現の場合や,スピノル場が存在

する場合でも本質的には同じように証明可能です。)

系のゲージ不変なLagrangian密度GIが,

GII)=-(1/4)Fμνaμν

+(Dμφi)μφi-μφiφi-(λ/2)(φiφi)2.

(46)で与えられる場合を考察します。

このとき,外場を付加した作用積分:S~は,S~

=∫d4x[GII)+K~I(δΦI)+K(δ)]

(47)という形に書くことができます。

,ただし,δΦI=DI,δ=(g/2)(×)

です。一方,問題のXは,次元が4以下の局所項から成る

FPゴースト数:NFPが0の大局的ゲージ不変な汎関数

である,と仮定されています。

ところで,外場K:~Iは,NFP=-1で次元は2,

外場:Kaは,NFP=-2で次元は2です。

(※何故なら,dim(L)=4ですが,dim­(c)=1,

dim(g)=0なので,dim(δΦI)=dim(DI)

=2であり,dim(δ)=dim{(g/2)(×)}

=2でぁるからです。

また,一般線形ゲージ中の係数fIはNFP=0

  で次元が1の量であることから,BRS変換:δ

に似たG群に属する変換の演算子δ~を導入して

S~と同様,Xが次のように書けるとします。

つまり,X=∫d4x[~(ΦI)+K~I(δ~ΦI)

+K(δ~)],(48)とします。

未知の演算子δ~は,δ~ΦIが,δ~μ

=∂μ-βabcμ

-γgdabcμ,(49-1),および,δ~φi

=-βφ(ig)c(T)ijφj

-γφ(ig)c(dab)ijj(49-2)

の組で与えられ,ゴースト項の変換がδ~

=β(g/2)(×)=β(g/2)fabcc.

(49-3)と書ける一般形で与えられる,とします。

一見,δ~φiには,δaiのような項が

あってもよいように見えますが,系がφi→ -φi,

ai→ -faiなる変換の下での不変性を持つので,

こうした項の存在は許されません。

(※つまりδ~(-φi)=-δiが成り立つ必要

があるので,δaiのような項は存在不可能です。)

ここで,~(ΦI)は,ΦI=(Aμ,φi)のみの次元

が4以下の関数,γdφφは任意の

係数,dabcはTr(T)に比例する対称不変

テンソル,(dab)ijは,φiの表現行列:(T)ij

abcなどのゲージ群Gの不変テンソルで構成

される(存在すれば)添字が(abij)の不変テンソル

です。

そしてXがくりこみ方程式:S~*X=0を

満たすべき,という要請は,先に(49)で場に対する

変換性を具体的に示したBRS変換に類似した

変換::δ~を,(δX/δK~I)(δ/δΦI)

+(δX/δK)(δ/δc)

=(δ~ΦI)(δ/δΦI)+(δ~)(δ/δc)

δ~B.(50)を満たす演算子と見れば,

XとS~がδX+δ~S~=0,なる式を

満たすべき,ことを意味するとわかります。

※(注13-1):何故なら「くりこみ理論11)」での

任意のF,Gに対するF*Gの定義:(31):

F*G=(δF/δΦI)(δG/δK~I)

+(δF/δc)(δG/δK)

+(-)|F|{(δF/δK~I)(δG/δΦI)

+(δF/δK)(δG/δc)}により,

S~*X=,(δS~/δΦI)(δX/δK~I)

+(δS~/δc)(δX/δKc)

+(-)|S~|{(δS~/δK~I)(δX/δΦI)

+(δS/δK)(δX/δc)}です。

ところが,Xはゴースト数:NFPがゼロ

なので,Grassman偶であり,S~もそうです。

さらに,ΦIもGrassmann偶です。

しかし,cはGrassman奇で外場K~I

FP=-1なのでGrassman奇です。

最後に外場Kは,NFP=-2で,Grassman

  偶です。そして,Grassman数の微分は,右微分

か左微分かの違いがあるため,どちらかに統一

する必要がありますが,偶を奇で微分したり,

奇を偶で微分すると奇で,それ以外の量間で

の微分は偶です。そして奇と奇が反可換で

ある以外は,全て可換です。

それ故,(δS~/δφI)(δX/δK~I)

+(δS~/δc)(δX/δK)

=(δX/K~I)(δS~/δK~I)

+(δX/δK)(δS~/δKca)

=(δ~ΦI)(δS~/δΦI)

+(δ~)(δS~/δc)=δ~S~

が,Grassman数に対する式として

成立します。

また,(-)|S~|{(δS~/δK~I)(δX/δΦI)

+(δS~/δK)(δX/δc)}

=(δΦI)(δX/δΦI)+(δ)(δX/δc)

=δX となりまず。

以上から,S*X=δ~S~+δXであり,

S*X=0は,δ~S~+δX=0と同値

であることがわかりました。

(注13-1終わり※)

このδX+δ~S~=0に,S~の表式:

S~=∫d4x[GII)+K~I(δΦI)

+K(δ)],(47),および,Xの表式:

X=∫d4x[~(ΦI)+K~I(δ~ΦI)

+K(δ~)],(48)を代入すれば,

次の方程式を得ます。

すなわち,δ~(ΦI)-K~Iδ(δ~ΦI)

+Kcaδ(δ~)+δ~GII)

-K~Iδ~(δΦI)+Kcaδ~(δ)

=0.(51)です。

この方程式は,任意のK~I,Kcaについて

成立しなければならない恒等式なので,

δ~(ΦI)+δ~GII)=0,(52)

δδ~δ~δ={δ,δ~}=0.(53)

なる2つの独立な等式が従います。

(53)は,BRS変換δと(47)で定義された

BRSの類似変換δ~が反可換であるという

要請ですが,これはcの上では(49-3)の

δ~=β(g/2)(×)と.δ

=(g/2)(×)から,δ~=βδとなり,

δδ~δ~δ=βcδ2=0となるため,

自動的に満足されます。

しかし,Aμの上では,δ~μ=∂μ

-βabcμ-γgdabcμ,

(49-1)であり,δμ=Dμ=∂μ

-fabcμなので,

δδ~μδ(∂μ-βabcμ

-γgdabcμ)

=(g/2)∂μ(c×c)-βabc{(Dμ)c

+(g/2)μ(c×c)}-γgdabc{Dμ}c

+(g/2)Aμ(×)}であり,

一方では,δ~δμ=δ~(Dμ)

=βc(g/2)Dμ(c×c)a ですから,反可換で

要求される,δδ~μδ~δμ=0.

を満たすには,β=βc,0,かつ,γ=0.(54)

が必要十分です。

さらに,スカラー場:φlの上で成立するため

には,βφ=β(55)の条件の他,不変テンソル:

(dab)ijが,(T)ij(dbd)jk=(T)ij(dad)jk

=fabc(dcd)jk.(56)を満たすことが必要

となります。

※(注13-2):何故なら,(49-2)から,

δ~φi=-βφ(ig)c(T)ijφj

-γφ(ig)c(dab)ijj であり,

一方,δφi=-(ig)c(T)ijφjです。

そして,δ,δ~は,ゴースト場:cとは

反可換である,と考えられるので,

δ(cφi)=(δ-cδφj,

δ~(cφi)=(δ~-cδ~φj

です。それ故,δδ~φl

=-βφ(ig)(δ)(T)ijφj

+βφ(ig)(T)ij(δφj)

-γφ(ig)(δ)(dab)ijj

=(-ig2/2)βφ(×c)(T)ijφj

-(ig)2βφ(T)ij(T)jkφk

-(ig2/2)γφ(c×c)(dab)ijj

他方,δ~δφi

δ~|(-ig)c(T)ijφj}

=-ig{(δ~)(T)ijφj-c(T)ij

×(δ~φj)

=-(ig2/2)βc(c×c)(T)ijφj

-(ig)2βφ(T)ij(T)jkφk

-γφ(ig)2(T)ij(dbd)jkk)

ですから,δ~δφiδδ~φi=0

となるには,cがFPゴーストで,スピンゼロ

なのにFermionという,奇妙な反交換する場

で,c=-cであることを考慮

すると,δ~δφiδδ~φi

=(-ig2/2)(βc+βφ)(×c)(T)ijφj

-βφ(ig)2[T.T]ijφj

-(ig2/2)γφ(c×c)(dab)ijj

-(ig)2γφ((T)ij(dbd)jkk

と書けます。

ところが.[T,T]=ifabccであり,

定義により,(×)=fabcなので,

[T,T]ijφj

=ifabc(T)ijφj

=i(×)(Ta)ijφjです。

故に,β=βφであれば,右辺の第1項と

第2項は相殺して消えます。

第3項については,

γφ(-ig2/2]fabc(dad)ikj

-γφ(ig)2(T)ij(dcd)jkk}

=-(γφ2)[(i/2)fabc(dcd)ik

-(T)ij(dbd)jk](ck)=0

であればいいのですが,(ck)

がfabcと同じくa,bの交換について

反対称なのでこれらは独立でなく恒等式

の未定係数法を使うため,1つの独立な組

(a,b)の係数を取ってゼロとして,

{(i/2)fabc(dcd)ik-(T)ij(dbd)jk]

-{(i/2)fbac(dcd)ik-(T)ij(dad)jk]

=0 が得られます。

結局,(T)ij(dbd)jk -(T)ij(dad)jk

=,ifabc(dcd)jk となるべきであること

がわかりました。

しかし,この結論は,

(T)ij(dbd)jk=(T)ij(dad)jk

=fabc(dcd)jk.(56)を,満たす必要がある,

とされていた,参考文献の内容と違います。(?)

(注13-2終わり※)

いずれにしろ,(dab)ijは,さらに分解されて

(dab)ik=(T)ij(d)jk.(57)のようにできる

ことが示唆されています。(※ここで,同じ記号

dを使いましたが(57)両辺のdは別定義です。)

こうして,得られた(56),(57)および,βφ=β

=β,かつγ=0が,δδ~が反可換で

あることから得られたδ~の表現係数に関する

全情報です。

次に,δ~(ΦI)+δ~GII)=0,(52)を

  解いて.~(ΦI)の形を決める必要があります。

まず,(49)で具体的に与えたδ~の変換は,元

のBRS変換:δに係数;β=β=βφで比例

する部分を抜き出して.その他との和に分割すると,

δ~=βδ+(γ-β)(∂μ)(δ/δAμ)

-γφ{igc(T)ij(d)jk}(δ/δφi)

(58)となります。

そして,これの右辺第2項,第3項の微分演算

  は(∂μ)(δ/δAμ)

=[(Dμ)(δ/δAμ),Aν(δ/δAν)]

=[δ,Aμ(δ/δAμ)].(59-1)

{igc(T)ij(d)jk}(δ/δφi)

=[igc(T)ijφj(δ/δφi).

(d)jkk(δ/δφi)]

=[δ,(d)ijj(δ/δφi)].(59-2)

のように,BRS変換:δと何らかの交換関係

の形に書けます。

それ故,δ~=βδ

  +[δ,(γ-β)Aμ(δ/δAμ)

-γφ(d)ijj(δ/δφi)] となります。

したがって,δ~(ΦI)+δ~GII)

=0は,δGII)=0なので,δ~(ΦI)

δ{(β-γ)Aμ(∂GI/∂Aμ)

+γφ(d)ijj}(∂GI/∂φi)}.(60)

を意味します。

それ故,明らかに。右辺の括弧:{ }の中は(52)

を満たす~(ΦI)を与える1つの特殊解です。

(52)に対する~(ΦI)の一般解を得るには,

斉次(同次)方程式δ~(ΦI)=0の一般解を得る

必要がありますが.δが,ΦI=(Aμ,φi)の上

ではゲージ変換に過ぎないので,同次方程式の

一般解はゲージ不変な一般関数です。

結局,δ~(ΦI)+δ~GII)=0(52)を

満たす~(ΦI)の一般解は,~(ΦI)

=fゲージ不変I)+β-γ)Aμ(∂GI/∂Aμ)

+γφ(d)jk}(∂GI/∂φi).(61)

で与えられる,ことがわかります。

ところで,~(ΦI)には次元が4以下である,

という条件があったのでfゲージ不変I)の一般形

は,fゲージ不変I)=α{(-1/4)Fμνaμν}

+αφ{(Dμφi)μφi}-α2φiφi)

-αλ{(λ/2)(φiφi)2}.(62)で与えられます。

結局,くりこみ方程式:S~*X=0の解Xは,

­X=∫d4x[~(ΦI)+K~I(δ~ΦI)

+K(δ~)](48)である,としていたので,

X=∫d4x[fゲージ不変I)

+β{K~I(δΦI)+Ka(δ)}

+(β-γ){Aμ(∂GI/∂Aμ)

-K~μ(∂μ)}

+γφ(d)ijj{∂(GI+K~iδφi)/∂φj}].

(63) と書けることがわかりました。

 

途中ですが長くなったので,今回はここで

終わります。

(参考文献):九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅱ」

(培風館)

 

 

| | コメント (0)

2020年5月30日 (土)

くりこみ理論(次元正則化)(12)

「くりこみ理論(次元正則化)」の続きです。

前回は,第7章BPHZくりこみで,

(対称性とくりこみ)の項において,大局的

ゲージ不変性を有する理論が,その対称性

を保持したまま,次元正則化で,くりこみ

可能であることを示すことを目的に考察

しました。

そのため,系のLagrangianに外場を付加

した作用積分Sとその有効作用Γを裸の場で

構成した裸の作用:S0と裸の有効作用Γ0

おける.裸の場をくりこんだ場とくりこみ定数

Zとviで表わしたものを代入して置き換える,

という操作で,これらが,くりこまれた有限なS

とΓに帰着する.ことを摂動論的に証明するため

に導入したPoisson括弧に類似した演算*を

用いて,有効作用ΓからBとc~への自明な

依存性を除いた部分:Γ~が満足すべき基本的

WT方程式が.Γ~*Γ~=0.(34)という式の形

で与えられることを見たところで,記事を

終えました。

今回は,その続きです。

前回で準備が整ったので,以下,本題の

有効作用Γ(実は,裸のΓ0 に同じ)のhcによる

摂動ベキ展開:Γ=Γ(0)+hcΓ(1)+hc2Γ(2)+.

(25)の各項:hcΓ(n)が有限になる,ということ

を,先のWT恒等式:Γ~*Γ~=0(34)に基づいて,

帰納法で証明します。

(ⅰ)まず,n=0のtreeレベルでの有効作用

Γ(0)ですが,これは,Planck定数hcを含む量子

効果が全くない古典的な作用積分の

(0)S[Φ~,K;g,,α]=S.(24)に等しく,

それ故,明らかに有限です。

しかも,ΓとΓ~の違いは,(27)のΓ=Γ~

+∫d4x[BΦ+(α/2)B]という

Γ~の定義式にあるように,treeレベルの寄与を

与える項のみですから,初項Γ(0)ではΓ~をΓ

の代わりに用いて論じてもよいということに

なります。さらに,Γ(0)=S(0)=S,Γ~(0)=S~

より,Γ-Γ~=Γ(0)-Γ~(0)=S-S~であり,

この差はtreeレベルと考えられるので.n≧1

のloop積分を含む項ではΓ~(n)=Γ(n)です。 

(ⅱ)次に,n≧1のhcのオーダーまで,

くりこみ定数Z,および,viを,それらをベキ

展開した.(Z)n=1+hc(1)+hc2(2) +..

+hc(n),および,(vi)=0+hci(1)

c2i(2) +..+hci(n).(35)に置き換えて

Γ(0)(1)(2),..Γ(n)が全て有限にできた,

と仮定します。そこで.Zやviに,上記の(35)

式,つまり,((n+1)次以降のZ(n+k),vi(n+k)

(k≧1)を全てゼロとしたもの.に置換して

(23)のS0S[Φ0~,K0;g0,0,α0]

=S[Z31/2μ,..,Z~31/2μ;Z13-3/2,..]

に,Zとして(Z)を.viとして(vi)を代入

した作用積分:(0)S[(Z3)1/μ,....,

(Z~3)1/2μ;(Z1)(Z3)-3/2,.]

=S(0)+hc(1)+..+hc(n)

+hc(n+1)(S(n+1))+hc(n+2)(S((n+2))

+… (36)に基づき,hc(n+1)のオーダーの

有効作用Γ(n+1)を計算します。

(※上記の(36)の展開において,hの(n次以下

のS(m)(m≦n)を.(S(m))としなかった理由

は,Zやviの(n+1)次以降の値:Z(n+k)

i(n+k)(k≧1)を,どう取っても,それらに影響

しないからです。※)

 一方,(n+1)次以降のS(n+k)(k≧1)は,

それらZ(n+k),vi(n+k)(k≧1)に依存します。

しかし,(S(n+k))(k≧1)の方は,Z(n+k)=0,

i(n+k)=0(k≧1)と取ったときの相殺項に相当

するものです。

特に,(S(n+1))はhcのn次以下のZ(m),vi(m)

(m≦n)の積で表わされる,hcの(n+1)次の相殺項

となるもの.を意味します。

(※例えば,Aμの4次項:-(1/4)g02(×)2

=-(1/4)Z123-12(μ×ν)2からは,

1(m)Zi(k)(Z3(l))(ただし,m+k+pl

=n+1,0≦m,k,l,p≦n)の係数を持つ,,,

(n+1)次の相殺項が現われます。

何故なら,例えばZ3-1=(1+hc3(1)+hc23(2)

+..)-1=1-hc3(1)+(hc2/2)Z3(2)-.etc.

です。※)

さて,Γ(n+1)の計算は,帰納法の仮定により,

Γ(m)(m≦n)が全て有限ですから,それらに効く

各々のFeynmanグラフにおいて全ての内部グラフ

は既に有限になっており,出現する可能な発散は,

最後の一番外側のloop積分を実行したとき初めて

現われるもの,つまり,「overallの発散」のみで

ある,と,考えられます。

そして,hc(n+1)のオーダーでoverallの発散

が現われるグラフは,もちろん,loop積分が1個

以上はあるので,その内部にはn次以下の相殺項

のS(m)(m≦n)しか,含むことはできず,そこで

Zやviの(n+1)次以上の項;Z(n+k)やvi(n+k)

(k≧1)の取り方には依存しません。

それ故,このoverallの寄与の総和を

Γoverall(n+1)m=0n(m)]と記すことにすれば,

n次の作用積分:(0)S[(Z3)1/μ,

....,(Z~3)1/2μ;(Z1)(Z3)-3/2,.]

に基づく(n+1)次のΓ(n+1)項の発散部分

は,Γdiv(n+1)= Γoverall(n+1)m=0n(m)]

+(S(n+1))(37)と表わせます。

ただし,右辺の(S(n+1))は,n次以下の,

(m),vi(m)(m≦n)の積のみで作られる

(n+1)次の相殺項です。

ここで,重要な点はoverallの発散:

Γdiv(n+1)は,以前「BPHZくりこみ」の

項で述べたように,外線運動量に関して有限次

までで,場の次元数を数えると,4次以下の局所

的項しか現われない。ということです。

※(注12-1):過去記事「くりこみ理論(7)では,

クラフ:Γの見掛けの発散次数ω(Γ)を与える

公式:ω(Γ)=4-E-(3/2)E+Σniδi(7)

により,ω(Γ)≧0となって発散するグラフΓ

は,E+(3/2)E(外線場の次元)≦4.(8)の

場合のみです。と記述しました。

それ故,今のdim(iint)≦4の場合にω(Γ)≧0

で発散する条件は,E+(3/2)E≦4です。

(注12-1終わり※)

さて,(37)の(S(n+1))も,もちろん相殺項で

発散項ですから,系の裸のLagrangianの作用積分:

0と同様,上記の性質を持つので,(37)のΓdiv(n+1)

も次元4以下の局所的項のみから成っています。

このような局所的項の積分形で与えられる

汎関数を一般に,局所的汎関数と呼びます。

一方,WT恒等式:Γ~*Γ~=0 (34)は,hcの値

に依らず(Zやviの値にも依らず)成立する式です。

つまり,これはhcについての恒等式ですから,Γ~を

cのベキで摂動展開して,左辺のΓ~*Γ~に代入し

c(n+1)の項を取り出すとき,その係数はゼロです。

つまり,Γ~(0)*Γ~(n+1)+Γ~(1)*Γ~(n)

+Γ~(2)*Γ~(n-1)+..=0.(38) が成立します。

先述のようにΓ~()=Γ(m)(m≧1)であり,

そして,左辺の第2項以下は,帰納法の仮定により

有限です。したがって,この式の発散部分のみを

取り出せば,それは左辺のΓ~(0)*Γdiv(n+1)であり

右辺の0の中には,もちろん発散部分はありません。

(※この発散部分は,今の次元正則化の場合,

時空の次元をdとすると,(d-4)-(k≧1)の形

の極の項であり,1つのloop積分で1/(d-4)の

特異性は1次ずつしか出ないのでΓ(n+1)の特異性

は1/(d-4),1/(d-4)2,..1/(d-4)(n+1)まで

です。※)

そして,Γ~(0)=S~(0)=S~ですから,結局,

S~*Γdiv(n+1)=0.(39)なる式を得ます。

この式は,Γ(n+1)にどのような発散が現われ

得るか?を規定する方程式であり,一般に,

「くりこみ方程式(renormalization equation)」

と呼ばれています。

このくりこみ方程式に対しては,次の命題が

成立することを証明できます。

※[命題]:「大局的ゲージ不変でFPゴースト数が

ゼロ,次元が4以下の局所項から成る,ΦI,c,K~I,

の汎関数:Xがくりこみ方程式:S~*­X=0.

(40)を満たすとする。このときXは,(23) の裸の

作用積分:S0=S[Z31/2μ,..,Z~31/2μ

13-3/2,..]で,Zやviをずらせて得られる

変化分;ΔS=δZ(ΔS)+δvi(ΔviS)

=δZ[∂S/∂Z] Z=1Vi=0+δvi[∂S/∂vi]Z=1Vi=0

(41)の形で与えられる。

ただし,SとS~の差はtreeレベルで,その

差は,Zやviには依らないので上記の(41)では

SをS~に置き換えて同一視してもよい。」

 

そして,仮に,この命題が証明されたとすると

今のXが,S~*Γdiv(n+1)=0を満たすΓdiv(n+1)

である場合,これがΓdiv(n+1)=α(n+1)(ΔS)

+βi(n+1)viS)の形に書けることを意味します。

ところが,この形の発散項は,Zやviを(35)

のn次までの(Z)や,(vi)から次に定義する値:

(Z)n+1=(Z)+hc(n+1)(n+1),および,(vi)n+1

=(vi),+hc(n+1)i(n+1).(42)へとずらした

ときに生じるhc(n+1)のオーダーの新たな相殺項:

(n+1)-(S(n+1))=Z(n+1)S)

+vi(n+1)viS)(43)により,Z(n+1)=-α(n+1),

かつ,vi(n+1)=-βi(n+1)と選べば,丁度. Γdiv(n+1)

が吸収されます。

それ故,(42)の(Z)n+1,および,(vi)n+1を(23)

の作用:S0に代入した作用:(S0)n+1に基づいた

有効作用Γは,hc(n+1)のオーダーのΓ(n+1)まで

有限となり,帰納法によるくりこみ可能性の証明

が完結したことになります。

では,以下,実際に[命題の証明]です。

[証明]:結局,くりこみ可能性の証明は

くりこみ方程式:S~*X=0(40)の一般解X

が,X=δZ(ΔS)+δvi(ΔviS)(41),

の形で与えられる,という純粋に代数的な命題

の証明に帰着することがわかりました。

くりこみ方程式:S~*X=0の解Xに関しては.

次元が4以下,大局的ゲージ不変という制限の

ない,次の定理が成立することが知られています。

[定理] 「ΦI,c,K~I,KのFPゴースト数

がゼロの局所多項式から成る汎関数Xで,くりこみ

方程式S~*­X=0.(40)を満たすものは,必ず,

X=Fゲージ不変[ΦI+S~*M[ΦI,c,K~I,K]

(44)の形に書ける。

ここで,Fゲージ不変はΦI=(Aμi)のみで書かれた

ゲージ不変な関数で,MはFPゴースト数が(-1)

の任意の汎関数である。

(44)の形で書かれる汎関数Xがくりこみ方程式:

S~*X=0を満たすこと(解の十分条件)は,S~の

BRS不変性,S~*S~=0,および,Jacobi恒等式

から従う,演算:(S~*)のベキ零性:つまり,

∀Xに対しS~*(S~*X)=-((1/2)X*(S~*S^)

=0.(45)から,自明です。

すなわち,∀F,GについてF*G~

=(-)(|F|+1)G*Fという*演算の対称性から,

GがFに等しいならF*F=-F*Fとなり,,

F*F=0が成立するので,S~*S~=0は自明

です。

一方,Jacobi恒等式から,S~*(S~*X)

+(-)|X|S~(X*S~)

+(-)2(|X|+1)X*(S~*S~)=0ですが,

S~はGrassmann偶なので,X*S~=-S~*Xであり,

XはFPゴースト数-1)でGrassman奇ですから,

2S~*(S~*X)=-X*(S~*S~)=0

が得られます。

それ故,特にS~*(S~*M)=0です。

また,FがΦIのみの関数であれば,

S~*F=(δS~/δK~I)(δF/δΦI)

+(δS~/δK)(δF/δc)

+(-)|S~|{(δF/δK~I)(δS~/δΦI)

+(δF/δK)(δS~/δc)}

=(δΦI)(δF/δΦI)=δFです。

そこで,Fがゲージ不変な関数:Fゲージ不変

なら,それは,BRS不変なので右辺はゼロです。

つまり,S~*Fゲージ不変=0です。

したがって,X=Fゲージ不変+S~*Mの形なら,

S~*X=S~*Fゲージ不変+S~*(S~*M)=0

となります。

以上から,(44)の形のXがくりこみ方程式

S~*X=0の解となるための十分条件を満たす

ことが証明されました。

しかし,証明が自明でない,のは逆の解となる

ための必要条件の方です。

この定理は過去記事「ゲージ場の理論(33)」

で記述した,第5章の§5-10で述べた観測可能量

の一般形に関する定理:§5-10(23)を,外場項:K~I,

を含む場合に拡張したものに相当し,大変有用

なものですが,一般的証明はかなり面倒なので,この

必要性の詳細証明は,観測可能量の定理の場合と同様,

既存の文献に譲って,ここでの記述は割愛します。

 

(※(注12-2):載)過去記事「ゲージ場の量子論(33)」

から,必要参照部分を抜粋して再掲します。

(※再掲開始)[定理]:「Heisenberg場の多項式で

与えられる局所的観測可能量=BRS不変な局所

演算子:Aは次の形を持つ。

(ⅰ)Aの持つFPゴースト数:NFPが負ならば,

Aは零演算子である。すなわち,このとき,ある

演算子Mにより.A=[Q,M]と書ける。

(ⅱ)Aの持つFPゴースト数がゼロならば,

A=Fゲージ不変(Aμ, φi)+[Q,M]と書ける。

ただし,Fゲージ不変は,ゲージ場;Aμと物質場:φi

のみから成る局所ゲージ不変な多項式である。

(ⅲ)Aの持つ.FPゴースト数が正ならば,

A=P[Ii(c);Fゲージ不変[Aμ, φi]+[Q,M]

と書ける。ただし,Pは.局所ゲージ不変関数:

ゲージ不変を係数とするIi(c)の多項式である。

そして,Ii(c)は同一時空点上のゴースト場:

のみの,微分を含まない,カラー1重項の多項式

であり,各時空点ごとに有限個しかない。」

という,今の有効作用:Γdiv(n++1)=Xの一般形に

関する定理に,類似した観測可能量:Aの一般形に

課する定理が.証明抜きで与えられています。

(再掲終了子※)(注12-2終わり※)

さて,途中ですが,長くなったので今回は,ここで

一旦終わります。

(参考文献):九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅱ」

(培風館)

くりこみ理論(次元正則化)(12)

「くりこみ理論(次元正則化)」の続きです。

前回は,第7章BPHZくりこみで,

(対称性とくりこみ)の項において,大局的

ゲージ不変性を有する理論が,その対称性

を保持したまま,次元正則化で,くりこみ

可能であることを示すことを目的に考察

しました。

そのため,系のLagrangianに外場を付加

した作用積分Sとその有効作用Γを裸の場で

構成した裸の作用:S0と裸の有効作用Γ0

おける.裸の場をくりこんだ場とくりこみ定数

Z,vで表わしたものを代入して置き換える,

という操作で,これらが,くりこまれた有限なS

とΓに帰着する.ことを摂動論的に証明するため

に導入したPoisson括弧に類似した演算*を

用いて,有効作用ΓからBとc~への自明な

依存性を除いた部分:Γ~が満足すべき基本的

WT方程式が.Γ~*Γ~=0.(34)という式の形

で与えられることを見たところで,記事を

終えました。

今回は,その続きです。

前回で準備が整ったので,以下,本題の

有効作用Γ(実は,裸のΓ0 に同じ)のhcによる

摂動ベキ展開:Γ=Γ(0)+hcΓ(1)+hc2Γ(2)+.

(25)の各項:hcΓ(n)が有限になる,ということ

を,先のWT恒等式:Γ~*Γ~=0(34)に基づいて,

帰納法で証明します。

(ⅰ)まず,n=0のtreeレベルでの有効作用

Γ(0)ですが,これは,Planck定数hcを含む量子

効果が全くない古典的な作用積分の

(0)S[Φ~,K;g,,α]=S.(24)に等しく,

それ故,明らかに有限です。

しかも,ΓとΓ~の違いは,(27)のΓ=Γ~

+∫d4x[BΦ+(α/2)B]という

Γ~の定義式にあるように,treeレベルの寄与を

与える項のみですから,初項Γ(0)ではΓ~をΓ

の代わりに用いて論じてもよいということに

なります。さらに,Γ(0)=S(0)=S,Γ~(0)=S~

より,Γ-Γ~=Γ(0)-Γ~(0)=S-S~であり,

この差はtreeレベルと考えられるので.n≧1

のloop積分を含む項ではΓ~(n)=Γ(n)です。 

(ⅱ)次に,n≧1のhcのオーダーまで,

くりこみ定数Z,および,viを,それらをベキ

展開した.(Z)n=1+hc(1)+hc2(2) +..

+hc(n),および,(vi)=0+hci(1)

c2i(2) +..+hci(n).(35)に置き換えて

Γ(0)(1)(2),..Γ(n)が全て有限にできた,

と仮定します。そこで.Zやviに,上記の(35)

式,つまり,((n+1)次以降のZ(n+k),vi(n+k)

(k≧1)を全てゼロとしたもの.に置換して

(23)のS0S[Φ0~,K0;g0,0,α0]

=S[Z31/2μ,..,Z~31/2μ;Z13-3/2,..]

に,Zとして(Z)を.viとして(vi)を代入

した作用積分:(0)S[(Z3)1/μ,....,

(Z~3)1/2μ;(Z1)(Z3)-3/2,.]

=S(0)+hc(1)+..+hc(n)

+hc(n+1)(S(n+1))+hc(n+2)(S((n+2))

+… (36)に基づき,hc(n+1)のオーダーの

有効作用Γ(n+1)を計算します。

(※上記の(36)の展開において,hの(n次以下

のS(m)(m≦n)を.(S(m))としなかった理由

は,Zやviの(n+1)次以降の値:Z(n+k)

i(n+k)(k≧1)を,どう取っても,それらに影響

しないからです。※)

 一方,(n+1)次以降のS(n+k)(k≧1)は,

それらZ(n+k),vi(n+k)(k≧1)に依存します。

しかし,(S(n+k))(k≧1)の方は,Z(n+k)=0,

i(n+k)=0(k≧1)と取ったときの相殺項に相当

するものです。

特に,(S(n+1))はhcのn次以下のZ(m),vi(m)

(m≦n)の積で表わされる,hcの(n+1)次の相殺項

となるもの.を意味します。

(※例えば,Aμの4次項:-(1/4)g02(×)2

=-(1/4)Z123-12(μ×ν)2からは,

1(m)Zi(k)(Z3(l))(ただし,m+k+pl

=n+1,0≦m,k,l,p≦n)の係数を持つ,,,

(n+1)次の相殺項が現われます。

何故なら,例えばZ3-1=(1+hc3(1)+hc23(2)

+..)-1=1-hc3(1)+(hc2/2)Z3(2)-.etc.

です。※)

さて,Γ(n+1)の計算は,帰納法の仮定により,

Γ(m)(m≦n)が全て有限ですから,それらに効く

各々のFeynmanグラフにおいて全ての内部グラフ

は既に有限になっており,出現する可能な発散は,

最後の一番外側のloop積分を実行したとき初めて

現われるもの,つまり,「overallの発散」のみで

ある,と,考えられます。

そして,hc(n+1)のオーダーでoverallの発散

が現われるグラフは,もちろん,loop積分が1個

以上はあるので,その内部にはn次以下の相殺項

のS(m)(m≦n)しか,含むことはできず,そこで

Zやviの(n+1)次以上の項;Z(n+k)やvi(n+k)

(k≧1)の取り方には依存しません。

それ故,このoverallの寄与の総和を

Γoverall(n+1)m=0n(m)]と記すことにすれば,

n次の作用積分:(0)S[(Z3)1/μ,

....,(Z~3)1/2μ;(Z1)(Z3)-3/2,.]

に基づく(n+1)次のΓ(n+1)項の発散部分

は,Γdiv(n+1)= Γoverall(n+1)m=0n(m)]

+(S(n+1))(37)と表わせます。

ただし,右辺の(S(n+1))は,n次以下の,

(m),vi(m)(m≦n)の積のみで作られる

(n+1)次の相殺項です。

ここで,重要な点はoverallの発散:

Γdiv(n+1)は,以前「BPHZくりこみ」の

項で述べたように,外線運動量に関して有限次

までで,場の次元数を数えると,4次以下の局所

的項しか現われない。ということです。

※(注12-1):過去記事「くりこみ理論(7)では,

クラフ:Γの見掛けの発散次数ω(Γ)を与える

公式:ω(Γ)=4-E-(3/2)E+Σniδi(7)

により,ω(Γ)≧0となって発散するグラフΓ

は,E+(3/2)E(外線場の次元)≦4.(8)の

場合のみです。と記述しました。

それ故,今のdim(iint)≦4の場合にω(Γ)≧0

で発散する条件は,E+(3/2)E≦4です。

(注12-1終わり※)

さて,(37)の(S(n+1))も,もちろん相殺項で

発散項ですから,系の裸のLagrangianの作用積分:

0と同様,上記の性質を持つので,(37)のΓdiv(n+1)

も次元4以下の局所的項のみから成っています。

このような局所的項の積分形で与えられる

汎関数を一般に,局所的汎関数と呼びます。

一方,WT恒等式:Γ~*Γ~=0 (34)は,hcの値

に依らず(Zやviの値にも依らず)成立する式です。

つまり,これはhcについての恒等式ですから,Γ~を

cのベキで摂動展開して,左辺のΓ~*Γ~に代入し

c(n+1)の項を取り出すとき,その係数はゼロです。

つまり,Γ~(0)*Γ~(n+1)+Γ~(1)*Γ~(n)

+Γ~(2)*Γ~(n-1)+..=0.(38) が成立します。

先述のようにΓ~()=Γ(m)(m≧1)であり,

そして,左辺の第2項以下は,帰納法の仮定により

有限です。したがって,この式の発散部分のみを

取り出せば,それは左辺のΓ~(0)*Γdiv(n+1)であり

右辺の0の中には,もちろん発散部分はありません。

(※この発散部分は,今の次元正則化の場合,

時空の次元をdとすると,(d-4)-(k≧1)の形

の極の項であり,1つのloop積分で1/(d-4)の

特異性は1次ずつしか出ないのでΓ(n+1)の特異性

は1/(d-4),1/(d-4)2,..1/(d-4)(n+1)まで

です。※)

そして,Γ~(0)=S~(0)=S~ですから,結局,

S~*Γdiv(n+1)=0.(39)なる式を得ます。

この式は,Γ(n+1)にどのような発散が現われ

得るか?を規定する方程式であり,一般に,

「くりこみ方程式(renormalization equation)」

と呼ばれています。

このくりこみ方程式に対しては,次の命題が

成立することを証明できます。

※[命題]:「大局的ゲージ不変でFPゴースト数が

ゼロ,次元が4以下の局所項から成る,ΦI,c,K~I,

の汎関数:Xがくりこみ方程式:S~*­X=0.

(40)を満たすとする。このときXは,(23) の裸の

作用積分:S0=S[Z31/2μ,..,Z~31/2μ

13-3/2,..]で,Zやviをずらせて得られる

変化分;ΔS=δZ(ΔS)+δvi(ΔviS)

=δZ[∂S/∂Z] Z=1Vi=0+δvi[∂S/∂vi]Z=1Vi=0

(41)の形で与えられる。

ただし,SとS~の差はtreeレベルで,その

差は,Zやviには依らないので上記の(41)では

SをS~に置き換えて同一視してもよい。」

 

そして,仮に,この命題が証明されたとすると

今のXが,S~*Γdiv(n+1)=0を満たすΓdiv(n+1)

である場合,これがΓdiv(n+1)=α(n+1)(ΔS)

+βi(n+1)viS)の形に書けることを意味します。

ところが,この形の発散項は,Zやviを(35)

のn次までの(Z)や,(vi)から次に定義する値:

(Z)n+1=(Z)+hc(n+1)(n+1),および,(vi)n+1

=(vi),+hc(n+1)i(n+1).(42)へとずらした

ときに生じるhc(n+1)のオーダーの新たな相殺項:

(n+1)-(S(n+1))=Z(n+1)S)

+vi(n+1)viS)(43)により,Z(n+1)=-α(n+1),

かつ,vi(n+1)=-βi(n+1)と選べば,丁度. Γdiv(n+1)

が吸収されます。

それ故,(42)の(Z)n+1,および,(vi)n+1を(23)

の作用:S0に代入した作用:(S0)n+1に基づいた

有効作用Γは,hc(n+1)のオーダーのΓ(n+1)まで

有限となり,帰納法によるくりこみ可能性の証明

が完結したことになります。

では,以下,実際に[命題の証明]です。

[証明]:結局,くりこみ可能性の証明は

くりこみ方程式:S~*X=0(40)の一般解X

が,X=δZ(ΔS)+δvi(ΔviS)(41),

の形で与えられる,という純粋に代数的な命題

の証明に帰着することがわかりました。

くりこみ方程式:S~*X=0の解Xに関しては.

次元が4以下,大局的ゲージ不変という制限の

ない,次の定理が成立することが知られています。

[定理] 「ΦI,c,K~I,KのFPゴースト数

がゼロの局所多項式から成る汎関数Xで,くりこみ

方程式S~*­X=0.(40)を満たすものは,必ず,

X=Fゲージ不変[ΦI+S~*M[ΦI,c,K~I,K]

(44)の形に書ける。

ここで,Fゲージ不変はΦI=(Aμi)のみで書かれた

ゲージ不変な関数で,MはFPゴースト数が(-1)

の任意の汎関数である。

(44)の形で書かれる汎関数Xがくりこみ方程式:

S~*X=0を満たすこと(解の十分条件)は,S~の

BRS不変性,S~*S~=0,および,Jacobi恒等式

から従う,演算:(S~*)のベキ零性:つまり,

∀Xに対しS~*(S~*X)=-((1/2)X*(S~*S^)

=0.(45)から,自明です。

すなわち,∀F,GについてF*G~

=(-)(|F|+1)G*Fという*演算の対称性から,

GがFに等しいならF*F=-F*Fとなり,,

F*F=0が成立するので,S~*S~=0は自明

です。

一方,Jacobi恒等式から,S~*(S~*X)

+(-)|X|S~(X*S~)

+(-)2(|X|+1)X*(S~*S~)=0ですが,

S~はGrassmann偶なので,X*S~=-S~*Xであり,

XはFPゴースト数-1)でGrassman奇ですから,

2S~*(S~*X)=-X*(S~*S~)=0

が得られます。

それ故,特にS~*(S~*M)=0です。

また,FがΦIのみの関数であれば,

S~*F=(δS~/δK~I)(δF/δΦI)

+(δS~/δK)(δF/δc)

+(-)|S~|{(δF/δK~I)(δS~/δΦI)

+(δF/δK)(δS~/δc)}

=(δΦI)(δF/δΦI)=δFです。

そこで,Fがゲージ不変な関数:Fゲージ不変

なら,それは,BRS不変なので右辺はゼロです。

つまり,S~*Fゲージ不変=0です。

したがって,X=Fゲージ不変+S~*Mの形なら,

S~*X=S~*Fゲージ不変+S~*(S~*M)=0

となります。

以上から,(44)の形のXがくりこみ方程式

S~*X=0の解となるための十分条件を満たす

ことが証明されました。

しかし,証明が自明でない,のは逆の解となる

ための必要条件の方です。

この定理は過去記事「ゲージ場の理論(33)」

で記述した,第5章の§5-10で述べた観測可能量

の一般形に関する定理:§5-10(23)を,外場項:K~I,

を含む場合に拡張したものに相当し,大変有用

なものですが,一般的証明はかなり面倒なので,この

必要性の詳細証明は,観測可能量の定理の場合と同様,

既存の文献に譲って,ここでの記述は割愛します。

 

(※(注12-2):載)過去記事「ゲージ場の量子論(33)」

から,必要参照部分を抜粋して再掲します。

(※再掲開始)[定理]:「Heisenberg場の多項式で

与えられる局所的観測可能量=BRS不変な局所

演算子:Aは次の形を持つ。

(ⅰ)Aの持つFPゴースト数:NFPが負ならば,

Aは零演算子である。すなわち,このとき,ある

演算子Mにより.A=[Q,M]と書ける。

(ⅱ)Aの持つFPゴースト数がゼロならば,

A=Fゲージ不変(Aμ, φi)+[Q,M]と書ける。

ただし,Fゲージ不変は,ゲージ場;Aμと物質場:φi

のみから成る局所ゲージ不変な多項式である。

(ⅲ)Aの持つ.FPゴースト数が正ならば,

A=P[Ii(c);Fゲージ不変[Aμ, φi]+[Q,M]

と書ける。ただし,Pは.局所ゲージ不変関数:

ゲージ不変を係数とするIi(c)の多項式である。

そして,Ii(c)は同一時空点上のゴースト場:

のみの,微分を含まない,カラー1重項の多項式

であり,各時空点ごとに有限個しかない。」

という,今の有効作用:Γdiv(n++1)=Xの一般形に

関する定理に,類似した観測可能量:Aの一般形に

課する定理が.証明抜きで与えられています。

(再掲終了子※)(注12-2終わり※)

さて,途中ですが,長くなったので今回は,ここで

一旦終わります。

(参考文献):九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅱ」

(培風館)

 

| | コメント (0)

くりこみ理論(次元正則化)(11)

「くりこみ理論(次元正則化)」の続きです。

前回は,第7章の「BPHZくりこみ」

の(対称性とくりこみ)の項目に入り,まず,

BPHZくりこみと,その収束定理から

従ういくつかの重要な命題を与え説明しました。

 系のLagrangianは,種々の内部対称性を持って

いますが,通常の線形で「明白な」対称性は全て

BPHZ手続きの各段階で保持されます。

それらは対称性を満たす制限された相殺項を

追加することでくりこみ可能です。

対称性が自発的に破れた真空の上で摂動計算

を行なう場合は,場の変換が非線形になり

「明白な」対称性ではなくなりますが,非線形

の「明白でない」対称性であっても,多くの場合,

Lagrangianを対称性を満たすものに限っても,

くりこみ可能です。

ただし,それら非自明な個々の場合に,それぞれ

くりこみ可能なことを証明する必要があります。

ゲージ理論のくりこみの問題も,基本的なBRS

対称性が非線形であり,この範疇の問題の1つです。

一般的なゲージ理論の系で,ゲージ不変性を保持

したままでの,くりこみ可能性を示すことが当面の

目的です。

そのため,まず,ゲージ理論の系で,ゲージを固定

したLagrangianに外場Kを付加した作用Sと

有効作用Γについて,裸の場に対する議論を考察

しました。

裸の量は一般に発散量なので,これらが意味を

持つためには,何らかの正則化が必要です。

ゲージ不変な正則化が存在し,これが次元正則化

で満たされることを主張します。裸の量で書かれた

有効作用:Γ0を,くりこまれた量で書き直せば,有限

な汎関数:Γになる,という主張です。

裸の場や外場をくり込み因子=(Z1,Z3,Z~3,Zi),

および,場φのシフトvlを与えて,くりこまれた場に

より定義して,Zやviの値の選び方如何に依らず,

常に基本的なWard-高橋恒等式(WT恒等式)が,裸

の量だけでなく,くりこまれた量でも同じ形で成立

することを要求します。

結局,くりこみ可能性の主張である,

Γ0[Φ~0,K0;g0,00]=Γ[Φ~,K;g,f,α].

は,パラメータ:やviを「正しく選んだとき」,

くりこまれた有効作用:ΓがΦ~,K;g,f,αの

有限な汎関数になることを意味します。

それ故.これを示すのが目的です。などと書いた

ところて終わりました。

今回はその続きから始めます。

さて,実際に有効作用:Γを計算するには,loop

展開.つまり,自然単位なので1として意識して

いないですが,実はPlanck定数:hcのベキ展開に

よる摂動で行なうので,Zやviもh摂動でベキ

展開します。

すなわち,Z=1+hc(1)+hc2(2)+,,,(21),

および,vi=0+hci(1)+hc2i(2)+,,,.(22)

です。これらを,(9)の裸の作用積分:

0=S[Φ0~,K0]=∫d4

[0GI0(GF+FP)+KI0I0

+(g0/2)K0c(0×0)]に代入して,摂動ベキ

に展開します。

つまり,S0S[Φ0~,K0;g0,0,α0]

=S[Z31/2μ,..,Z~31/2aμ;Z13-3/2,..]

=S(0)+hcS(1)+hc2(2)+… (23)です。

ただし,初項のS(0)は.くりこまれた有限な作用

Sです。つまり,S(0)S[Φ~,K;g,,α]=S

(24)です。初項:S(0)Sを摂動の第0次の作用,

第2項以降のS(n)を(n≧1)相殺項として用いて

全ての1PIグラフを計算します。

そうすれば,有効作用Γも,hcの各次数で逐次

得られます。Γ=Γ(0)+hcΓ(1)+hc2Γ(2)+… 

(25)です。

本節では,大局的ゲージ対称性が自発的に破れない

場合を考察することにしているので,(22)のvi

展開では,初項vi(0)は0であるとして,おきました。

(4)の一般的線形ゲージの場合,fiφiの項の

存在が大局的ゲージ不変性を破ることは,既に

述べました。しかし,係数fiを添字に応じて共変的

に変換する量と見なせば形式的に,この不変性は保持

される,と考えることができます。

以下,大局的ゲージ不変量というときには上記の

ことを了解済みのことしておきます。

※「くりこみ可能性の証明」

以下では,Zやviを摂動のhcのベキの各次数で

次々に適切に選んでゆけば,くりこまれたΓも展開

の任意の次数まで有限にできることを示します。

 まず,NL場:Baへの依存性は自明であることに

注意します。

すなわち,恒等式(12)の裸の式である(16)式の

δΓ00=∂μ0μ0iφ0i+w+α00.

または,くりこんだ量での(12)の表式,そのものの

δΓ/δ,=fIΦI+w+αB)においてw

をゼロとしたものから,ΓのBへの依存性が陽に

決まります。すなわち,(16)から,Γ=Γ~

+∫d4x[B0(f0iφi0+w)+(α0/2)B00]

(26)(裸の式でΓ=Γ0としたもの),および

Γ=Γ~+∫d4x[BΦ+(α/2)B](27)

です。ここで,残りの項として定義したΓ~はBには

全く依存しない量です。しかも,上記のくりこみ方法

から,裸の(26)と,くりこまれた(27)は全く等しいので,

Zやviを,以下でどのように決めようと,B依存部分

は,くりこんだ量で書いて有限な式になっています。

 

※(注11-1):何故なら,前記事で書いた通り,,

ΦIはΦI=(Aμi)のセットを意味します。

そして,A0μ=Z31/2μ0i=Zi1/2i+vi),

かつ,B0=Z3-1/2,f0i=Z31/2i-1/2i

とし,さらにα0=Z3α,w=-Z31/2ii

として裸の量を全てくりこんだ量で表わして

代入するのが我々のくりこみ手法です。

そこで,(26)の裸の被積分関数に,これらの

関係式を代入すると,B0(f0iφi0+w)

+(α0/2)B00=Z3-1/2[(Z31/2i-1/2i)

×{Zi1/2i+vi)-Z31/2ii,}

+(Z3α/2)Z3-1

=BΦ+(α/2)B]となって,

これは,(27)のくりこまれた式の被積分関数

に一致します。

くりこまれた場は有限と,仮定されているため

(26)のB0依存部分も,(27)のB依存部分と一致

して有限である,と結論されます。(注10-1終わり※)

 

したがって,以下ではBを忘れて,Γ~部分のみ

を考えればよい,ということになります。

さらに,反ゴースト場c~への依存性も,同様に,

ほとんど自明です。

すなわち,くりこまれたΓは,WT恒等式(13)

I(δΓ/δKI)+i(δΓ/δc~)=0を

満たします。

故に,Γ,または,Γ~のc~への依存は,

K~I=K+ic~aI,つまり,K~μ=Kμ

+c~μ,および,K~i=Ki+c~i(28)

と置くと,この変数K~を通じてのみ現われる

ことがわかります。

それ故,汎関数:Γ~[ΦI,c,c~;K]に

おいて,引数をΓ~[ΦI,c,c~;K~]の

ように,取り直せば,(13)のfI(δΓ/δKI)

+i(δΓ/δc~)=0は,

I(∂K~J/∂KI)(δΓ~/δK~J)c~

+i(δK~J/δc~)δΓ~/δK~J)c~

i(∂Γ/∂c~)K~=fI(δΓ~/δK~I)c~

-fIδ(δΓ~/δK~I)c~i(∂Γ~/∂c~)K~

=i(∂Γ~/∂c~)K~=0 となります。

そこで.Γ~[ΦI,c,c~;K~]は,c~

には依存しない,ことがわかります。

この点も,Zやviの値の具体的選び方には

依らないので,以下,KIの代わりに変数:K~I

を常に採用すれば,c~もB同様,忘れてよい,

ことになります。

以上から,結局,Γの代わりにΦI,c,;K~,

c(および,g,α)のみの汎関数,Γ~を,考えれば

いいです。

そして,残るWT恒等式(11)は,ΓをΓ~に

置き換えると,(δΓ~/δΦI)(δΓ~/δKI)

+(δΓ~/δc)(δΓ~/δK)

+(δΓ~/δc~)B=0 ですが,これは.

(δΓ~/δΦI)(δΓ~/δK~I)c~

+(δΓ~/δc)(δΓ~/δKc)=0.(30)

という式になります。

さて,ここでPoisson括弧に似た.次の演算を

定義します。

すなわち,F,Gを,任意のΦI,c,;K~,Kc

の,Grassman偶,または,奇の汎関数とするとき,,

演算*を,F*G=(δF/δΦI)(δG/δK~I)

+(δF/δc)(δG/δKc)

+(-)|F|{(δF/δK~I)(δG/δΦI)

+(δF/δKc)(δG/δc)}

=(δF/δQA)(δG/δPA)

+(-)|F|(δF/δPA)(δG/δQA).(31)

で定義します。

ここで.Qは座標類似変数,PAは運動量

類似変数と呼ばれるものです。

ここでは,Q=(ΦI,Kac)(32-1)としました

が,これはGrassman偶変数,また,P=(K~I,c)

(32-2)とし,こちらはGrassman奇変数です。

実際,(31)のF*Gは,Poisson括弧に似た性質

を持っています。

例えば,次の対称性や,Jacobi恒等式などが,成立

します。

すなわち,まず,F*G=-(-)F1G1G*F.(33-1)

です。ただし,∀Fに対し,F1=|F|+1)です。

そして,F*(G*H)+(-)F1(G1+H1)G*(H*F)

+(-)H1(F1+G1)H*(F*H)=0.(33-2)です。

(※以下,参照中の私の読書覚書きノートでは,

これらの性質の地道な証明が,延々と書いて

ありましたが,これらの性質が成立するという

証明は間違いなく完了した,という報告のみで,

内容は煩雑なので省略します。※)

さて、このPoisson括弧に似た演算記号*を

用いると,(30)のWT恒等式:

(δΓ~/δΦI)(δΓ~/δK~I)c~+(δΓ~/δc)

(δΓ/δKc)=0.は,とても,簡明な表式になり,

Γ~*Γ~=0.(34)と書けます。

途中ですが長くなったので,今回はここで終わります。

(参考文献):九後汰一郎著「ゲージ場の量子論Ⅱ」

(培風館)

| | コメント (0)

«くりこみ理論(次元正則化)(10の2)補遺