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2006年4月13日 (木)

重力場(ファインマン)つづき,その2

 昨日,わからなかった部分は真夜中まで考えて,自分の中では解決しました。

 本文には作用の値の符号が変わると力の向きが変わると書いてありますが,これは一般の古典ラグランジアン:L=T-VのポテンシャルVの符号が変われば引力ならば斥力に変わり逆も成り立つことから想像できます。

 一方,電磁気力では電磁カレントをJμ,"光=電磁場"をAμとし相互作用ラグランジアン密度をL intで表わすとLint=-JA=-ρφ+JAとなります。ただし太字の部分は空間成分(3次元ベクトル)です。

 真空中の電磁波,すなわちρ=0 でクーロンゲージ(Coulomb gauge)を取る場合,つまり∇A=0 の場合にはAμの横波成分(もちろん空間成分)のみが残って,LintJAとなります。

 これのアナロジーで,重力では物質エネルギー運動量テンソルをTμν,重力場をhμνとすると相互作用ラグランジアン密度はLint=-Th → -Thとなります。

 やはり太字は空間成分(3×3テンソル)を意味します。

 こうして相互作用Sint=(Lintの4次元積分)はカレントが質量ゼロのベクトル場(スピン1;spin1)と相互作用する場合と質量ゼロのテンソル場と相互作用する場合で符号が異なることがわかります。

 したがって,「静場=時間成分」で考えたときにはポテンシャルVの符号が逆になり,電気力で斥力なら重力では引力になると結論されます。

 こうした考察から,奇数スピンと偶数スピンのゲージボソン(gauge Boson)の交換で,同符号の粒子間に働く力の向きは反対であることが帰納できます。

 という風に考えて納得しました。前回の文章では失礼しました。

http://fphys.nifty.com/(ニフティ「物理フォーラム」サブマネージャー)                                                  TOSHI

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