戦争,テロ,内政干渉
9.11テロを聞いたとき,複雑な感情をおぼえた。
心の中で,初めてアメリカ本土に爆撃を加えるのに成功した。日本はハワイの真珠湾止まりだったのに。やったという快哉!の気持ちだった。
私には,もちろんニューヨークの「貿易センタービル」にいるような肉親も親しい知己もいないので,当然「対岸の火事」だ。
そうしたことを考えた私は人非人とそしられるべきかもしれない。
どうせ「貿易センタービル」にいた人間なんて,日本人も含めてエリートばかりじゃないか。。
中には"便所掃除のおばさん"のような人たちもいたかもしれないが,そもそもアメリカ本土じゃ,ホームレスだって,飢え死にするどころではないエリートだ,
と思った。
攻撃した側は,日々食べていくのにも窮していて,今にも飢え死にしそうな悲惨な人間たち,を代表しているのではないか。。と当時は思った。
その後,テロ撲滅という名目でアメリカがアフガン,ついでイラクと「世界の警察」として,報復を始めた。
「われわれの攻撃はテロではないから民間人は攻撃しない。」そうだ。。
そうか,昔ヒロシマやナガサキで十数万人,原爆で殺したのも民間人ではなかったんだな?
それに対して日本は報復どころか降伏してしまった。
まあ,日本もベトナムもアフガンもイラクもワスプ(WASP=white angrosaxon protestant)から見れば,そこの住民は「人間ではない」のだから,何をやってもいいのだろう。。。
今はどうかわからないが,かつてはテロはゲリラとも呼ばれた奇襲手段のひとつで,貧しい者が大国,大権力者に有効な打撃を与える戦争の1手段だった。
私は戦争にはルールなどないと思っている。
テロが起こるのは,その国または地域と戦争状態にあるからだ。
テロも戦争のうちなのだ。日本も,また私も含めて,テロられるべきなのだ。
テロ撲滅の「警察」に支援を送るくらいなら,テロのほうに「義勇軍」を送るべきなのだとさえ思っている。
そうでなければ,他国の政治体制に干渉するのは,いわゆる「内政干渉」だ。
日本の江戸時代に民主的ではないからという理由ではないが,黒船で土足で上がってきた国は,今はイラクの江戸時代をも土足で踏みにじった。
そして,こうした侵略の本当の原因は実は「死の商人」などのエゴに基づく「下部構造=経済構造=エゴ構造」にあるのだろう。
エゴといえば「利己主義=エゴイズム」と「自己中心主義=エゴティズム」があるが,人間とはすべてエゴイストなので,それはそれでしようがない,
ただ「たちの悪いエゴイスト」とそうではないエゴイストがいるだけだ。
「自分はエゴイストではない。」という人がいれば,それは「私は神である。」と言っているのと同じことではないかな。
仏教の観点では生き物に優劣はないから,われわれもまた弱肉強食の環の中にいるのだからね。
たとえ,ベジタリアンであってもその環の中から逃げることはできない。
手を汚さない文明環境の中にいるから,自分自身の罪を意識していないだけだと思う。
http://fphys.nifty.com/(ニフティ「物理フォーラム」サブマネージャー) TOSHI
著者:小川 洋子 |
| 固定リンク
「006. 社会・経済・政治」カテゴリの記事
- 国家権力の正体(2018.07.31)
- 超直接民主制(コンピュート議会)(2018.05.01)
- 社会党に続く民進党のオウンゴール崩壊?(2017.10.01)
- 高木沙耶ちゃん逮捕に思う(大麻有害説のウソ)(2016.10.30)
- 舛添氏???(2016.06.14)
コメント
こんにちは。。耕士さん
もちろん、戦争に対するそういう認識は「死の商人」という名称でシンボライズしています。
確かに、たとえば今の日本の債務状況がちょうど日露戦争後の状況に似ていて、第一次大戦の「特需」のおかげで、好況に転じたということから、今の日本の負債も「特別会計」の予算を債務に当てるとかいうことでもしないとすれば、大きな戦争でも起きないと解消しませんね。
理想を言えば、21世紀は「鉄腕アトム」の世界で言えば、すでに「世界連邦」というのがあって、「国」というのは「支配権力」ではなく「地方公共団体」とか「県」のような存在になっていて、しかるべきなんだろうけど、おそらく、現段階の全世界の食料需給力をもってしても、中国をはじめとする莫大な人口に満足のいく生活を供給できないのだと思う。
もっとも、バースコントロールをしろと主張するわけではなくて、生産力が未熟な段階で自由競争をすれば、矛盾は目に見えて生じるわけで、レーニンの「国家と革命」ではないけれど「帝国主義の不均等発展」があって、矛盾が解消されない限り、火種はどこにでもあるから、単に儲けるための戦争と民族解放戦争のようなものは区別していいという気持ちもあります。
TOSHI
投稿: TOSHI | 2006年4月 4日 (火) 10時18分
悪の秘密組織アルカイダってCIAが創ったものですし、「テロとの戦い」なんていうことを言い出したのはソ連崩壊で敵がいなくなってからですし、今の状況、とってもうさんくさいです。「テロ」は見た目通りのものではないと思っています。
白人の非白人に対する、あるいは、ハム族のアラブに対する差別意識とか、確かにあるでしょうけど、そんなのは単に戦争するための理由づけにすぎません。殺し合いをやらされる立場とそれを利用して儲けている立場という見方の方が私には理解しやすいです。戦争は一部の人達にとっては儲かるものなのですから。
投稿: 耕士 | 2006年4月 3日 (月) 22時59分
こんにちは、ぼぶにいさん。
好意的なご意見をいただき、ありがとうございます。
確かに、主として白人の非白人、あるいはハム族のアラブ、に対する差別意識について書いています。
ただし、編集したものを転載しているわけではなく、思いつきながら、少し興奮したりしながら書いているので、読みづらいのはご容赦願います。
TOSHI
投稿: TOSHI | 2006年4月 2日 (日) 11時39分
欧米の非欧米への差別意識は以前として根強いものがあります。そして彼等は身勝手な言い訳を繰り返しています。他文化への理解と寛容こそが解決する唯一の手段なのですが、現実は大きくかけ離れています。
とても考えさせられる記事なのですが、少し読みづらいですね。
投稿: ぼぶにい | 2006年4月 2日 (日) 10時47分