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2006年7月 1日 (土)

ユダの福音書(つづき)

  6/25の記事「ユダの福音書」で紹介した「ユダの福音書」を神学者の解説も含めて読み返してみました。

 どうも正統派から異端派とされているグノーシス派の福音書のようです。

 ユダ以外の12使徒はイエスをこの世を創造した創造神の神の子と誤解していて,ユダだけが違うと思っているというわけです。

 創造神は劣悪な神で,この地上世界はいわゆる失敗作だから,イエスやユダにとっては,こんな世の中はいらないということらしいですね。

 一神教どころか,天使を含めて神は無数にいるが,その中でも唯一の聖なる神にイエスが属しており,アダムとイブの第3の子であるセツの一族だけが,この世の肉の身を捨てたのちに魂として神の国に帰れる。

 そしてセツ以前の邪悪な神と関わる人間達もセツの家系であるイスカリオテのユダの仲介で救われる,というもので,イエスは肉の身で復活などしないし,誰も肉の身で復活するとも述べていません。

 この世を全知全能の神が創ったなら,なぜ邪悪な世界となったり,悪魔が存在するのか?というグノーシス派の主張なら私も知っていました。

 彼らグノーシス派とか,この「ユダの福音書」とかの主張は,「この世という邪悪な世界を完全に否定していて,肉の身で復活することなど必要はなくて神の国で魂として復活することのみが重要である」というわけです。

 したがって,勝ち組であるところのいわゆる正統派のカトリックの見解とは,ほぼ正反対の主張であるようです。

http://fphys.nifty.com/(ニフティ「物理フォーラム」サブマネージャー)                                                  TOSHI

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