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2006年8月 4日 (金)

空気の質量を計る方法

 今日は中学生くらいにもわかる軽い話題です。

(子供にもわかるように,多少くだけた表現を多用しています。例えば,「質量」を地上環境では同等な「重さ」と表現しているとか。。です。)

  (参考:私がサブシスだった@nifty「物理フォーラム」と「化学フォーラム」兼用の「理科の部屋」の過去ログから: http://sci.la.coocan.jp/fchem/log/rika/13520.html )

 ある温度(常温)で空気の質量(密度)を測る簡単な方法を提示してみます。

 「通常のゴミ袋のような密閉可能な袋に空気を入れて密閉して"はかり"で重さを計り,袋の重さも同じように計ってこれを引いた後の空気の重さを,袋の容積で割ればいい。」などという人がいました。

 しかし,袋に空気を入れようと入れまいと,"はかり"の上にはいつも空気があるので,これは無意味ですね。

 実験が苦手な私なりに考えた質量を計る方法は次のとおりですが,既に多くの人によって提示されているありふれたものかもしれません。

 まず,少しくらいの圧力には耐えられる(少々押したり引っ張ったりしても膨らんだり萎んだりしない)容器で,その中に自転車の空気入れのようなもので空気を入れることができるものであって,

 さらに,密閉することもできて,しかも,予め水などを入れそれをメスシリンダーなどに移して計ったりすることにより容積のわかっているフラスコのようなもの,

 を用意します。

 元々まわりの外気はほぼ1気圧だし,最初はフラスコの中も外と同じ1気圧です。

 そしてできるだけ精密な"はかり"でフラスコの重さを計ります。この重さというのは「("フラスコ+空気"の重さ)-(浮力)=(フラスコの重さ)」です。

 その後,内部の気圧が2気圧か3気圧か,になるように空気入れで無理矢理空気を入れます。

 実験には詳しくないのですが,何らかの方法で気圧計でフラスコの中の気圧を測ることができるでしょう。

 ただし急激に空気を入れると,その仕事量の分だけ,断熱圧縮されて中の温度が上がってしまうので,そうならないよう,うまく熱が逃げて温度は変わらないように空気をゆっくり入れます。

 そしてそのときのフラスコの重さを同じ精密な"はかり”で計ります。

 例えば気圧が2.5気圧だったとしましょう。

 そのときは増加した分の重さは1気圧のときの空気の1.5倍であると考えられるので,増加した分の重さを1.5で割ります。

 さらにフラスコの容積で割れば,例えば1立方cmあたり何gかというように空気の密度が原理的には計れるはずです。

 重さと質量の違いはありますが,この地球の地上でははかりの重さの目盛りが質量と同じ値になるようになっていますから重さで問題ありません。

 空気を注入したフラスコにも浮力が働くので,重さの増加分は元の"(1気圧の空気の重さ)=(浮力)"を引いたものであることに注意してください。

 念のため述べておきますが,これは"温度と体積が一定のときには圧力と空気の質量(つまり空気分子の個数)が比例する。"ことを利用したものです。

http://fphys.nifty.com/(ニフティ「物理フォーラム」サブマネージャー)                                       TOSHI 

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