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2006年10月15日 (日)

ガンマ関数の1公式の証明

 T_NAKAさんの阿房ブログに出題されたΓ関数についての問題:

 Γ(s)Γ(1-s)=π/sin(sπ)を示せ。

 について,私も解答を考えてみたのでここに掲載します。

 Γ(s)Γ(1-s)=π/sin(sπ)の証明について,最初から結果を見越してφ(s)=Γ(s)Γ(1-s)sin(sπ)と置き,φ(s)=π(一定)となることを証明する方法があります。

 φ(s)でsをs+1に置き換えると,φ(s+1)=Γ(s+1)Γ(-s)sin{(s+1)π}=sΓ(s){Γ(1-s)/(-s)}{-sin(sπ)}=φ(s)となるのでφ(s)は周期1の周期関数になることがわかります。

 しかも sin(sπ)/s=π-s2/3!+...をφ(s)=φ(s+1)=Γ(s+1)Γ(1-s)sin(sπ)/sに代入してs=0 とおくことによりφ(0)=πが得られます。

 したがって,mが整数ならφ(m)=πです。

 そして,f(s)=2sΓ(s/2)Γ{(s+1)/2}とおくとf(s+1)=sf(s)ですから,Aを定数としてf(s)=AΓ(s)が成立するはずです。

 そこで,Γ(s/2)Γ{(s+1)/2}=A2-sΓ(s)です。この式とこれのsを(1-s)に置き換えたもの:Γ(1-s/2)Γ{1-(s+1)/2}=A2s-1Γ(1-s)とを掛け合わせます。 

 sin(sπ/2)sin{(s+1)π/2}=2-1sin(sπ)なる公式を用いると,φ(s/2)φ{(s+1)/2}=(A2/4)φ(s)=Bφ(s)が得られます。

 この式でs=2kとおくとπφ(k+1/2)=Bπですから,φ(k+1/2)=B(一定)が得られます。

 ところで,Γ(s/2)Γ{(s+1)/2}=A2-sΓ(s)でs=1とおけばΓ(1/2)=A/2ですから,A=2√πとなります。そこでsが1/2の倍数のときもφ(k+1/2)=πですね。

 またφ(s/2)φ[(s+1)/2]=πφ(s)が成立することもわかりました。

 そこで,log{φ(s/2)}+log[φ{(s+1)/2}]=log{φ(s)}+logπですから,log{φ(s)}の2階導関数をψ(s)とおけば(1/4)[ψ(s/2)+ψ{(s+1)/2}]=ψ(s)です。

 sを閉区間[0,1]に限ればψ(s)は連続関数なので有界であり,ある正の数Mが存在して|ψ(s)|≦Mと書けますが,ψ(s)は周期1の周期関数なので,全区間で|ψ(s)|≦Mとなることがわかります。

 ところが,ψ(s)=(1/4)[ψ(s/2)+ψ{(s+1)/2}]なので|ψ(s)|≦(1/4)(M+M)≦M/2です。

 これを繰り返せば,|ψ(s)|≦M/2nがn→∞ でも成立するので,結局ψ(s)=0 です。よってlog[φ(s)]はsの1次関数でしかも周期1の周期関数ということになるのでこれは定数です。

 したがって,φ(s)=π(一定)が得られ,結局Γ(s)Γ(1-s)sin(sπ)=πという式が証明されました。

http://fphys.nifty.com/(ニフティ「物理フォーラム」サブマネージャー)                                       TOSHI

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