素数定理への入り口
"実数x以下の素数全体の個数をπ(x)とすると,x→ ∞ではπ(x)~(x/logx)となる。"という素数定理に関する部分は時間がなくて尻切れトンボになってしまいました。
Eulerによるゼータ関数ζ(s)の素数pによる無限積表示ζ(s)=Π(1-1/ps)-1でs=1とおけば,Π(1-1/p)-1=∑(1/n)と書けます。
[∑1n(1/n)-logn]→γ (n→ ∞)(ただしγはEuler数で 0<γ<1)ですから,∑1x(1/n)~logx (x→ ∞)です。
したがって,[-∑log(1-1/p)]~ log(logx)です。
ところが,log(1-x)~ -xですから,上式は∑(1/p)~log(logx)なることを示唆しており,これは素数定理への入り口を与えるものでしょう。
ここでの∑はp≦xのあらゆる素数にわたる総和です。
と書きましたが,どうしてこれが素数定理への入り口になるのか?の明確な意味を述べていませんでした。
昨晩から今朝までの夜勤の合間の休憩時間にちょっと計算し,これは次のような意味であろうと推測しました。
p~x付近でのπ(x)の変化をΔπとすると,その付近での∑(1/p)の変化はΔ[∑(1/p)]~(1/x)Δπと近似できるため,
∑(1/p)~log(logx)から,(1/x)Δπ~Δlog(logx)=[Δlogx]/logx=Δx/(xlogx)です。すなわちΔπ~Δx/logxと考えられます。
したがってπ(x)~∫dx(1/logx)であると予想されるわけです。
素数定理としては,このままの式でもいいのでしょうが,xが大きいときは分母のlogxは大体xの桁数を表わすだけなので,これはxに対してほとんど変動がないのと同じです。
結局,π(x)~(x/logx)であるとしても,同じ意味と思われます。
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