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2006年10月27日 (金)

量子力学の交換関係の問題(その2)

今回も量子力学の交換関係の問題を解きます。

 

"線形演算子:A,Bが,[A,[A,B]]=0 または[B,[A,B]]=0 を満足するとき,e=e{A+B+[A,B]/2}が成立することを証明せよ。"

 

という問題です。

[解答] [A,[A,B]]=0 と仮定し,関数f(x)をf(x)≡exAxB と定義します。このとき,もちろんf(0)=1です。

 

 また,f(x)をxで微分すると,df/dx=AxAxB+exABexB{A+xABe-xA}f(x)と書くことができます。

 そこで,今度はg(x)≡exABe-xAという関数gを考えます。

 

 するとg(0)=B です。

 

 次にこれをxで微分すると,dg/dx=xA[A,B]e-xAですから,

 x=0 とおいてg'(0)=[A,B]です。

 

 さらに微分すると,d2/dx2=exA[A,[A,B]]e-xAよりg"(0)=[A,[A,B]]を得ます。

 

 結局,帰納的に考えると,g(x)=exABe-xAは,g(x)=B+[A,B]x+[A,[A,B]]x2/2!+[A,[A,[A,B]]]x3/3!+..とMaclaurin展開されることになります。

 そして,特にx=1とおくと,g(1)=Be-A =B+[A,B]+[A,[A,B]]/2!+[A,[A,[A,B]]]/3!+..が成立します。

 

 まあ,これは余談ですね。

 

 ところで,仮定より[A,[A,B]]=0ですから,この場合には

 g(x)=exABe-xAB+[A,B]xとなりますね。

 したがって,df/dx={A+B+[A,B]x}f(x)です。

 

 f(0)=1という条件下でこの線形微分方程式を解くと,解は一意的で

 f(x)=e{(A+B)x+[A,B]x^2/2}となります。

 

 これにx=1を代入すると,(1)=e=e{A+B+[A,B]/2} 

 が得られます。

一方,[B,[A,B]]=0 のときは,

df/dx=xAxB+exAxB

=f(x){-xBxB} と書けます。

 

そして,[B,[A,B]]=0 なら-xBxB=A+[A,B]xなので,

df/dx=f(x){A+B+[A,B]x}となり,同様にして

同じ結果が得られます。

http://fphys.nifty.com/(ニフティ「物理フォーラム」サブマネージャー)                                       TOSHI 

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練習問題1の(b)に移りますが、どうも良く分からないところがあるのです。 問題文中で説明されている内容もちょっと理解できないところがあるので厄介ですね。 ここは、模範解答を私なりに辿ってみて、疑問な点をあげておきましょう。... [続きを読む]

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