イジメ自殺に思う
ニュースによると去年の今頃,北海道で女子中学生が学校の教室で首吊り自殺をはかり,その後死亡したらしいのですが,そのとき明らかに"いじめられた。"という内容の長い遺書を残していたということです。
しかし,当地の教育関係者が,実質的にそうした事実を握りつぶしたと言う報道がなされています。
まあ,厳密に言えば証拠はすべて情況証拠であり,たとえ遺書があろうと,それに本心が書かれるとは限らないわけです。
自殺の真意は本人以外には知り得ないとは思いますが,法廷ではないので証拠不十分などという理由でイジメがあったかどうかをも本気で調査せず,"事なかれ"を決めるのはいかがなものかと思います。
一般論で言うと日本社会とかアメリカの田舎などでは,他人と同じであることが徳であるとされ,少しでも個性的であって突出した者はそれが優れてであろうと劣ってであろうと関係なく集団から疎外されパージを受けるという傾向が見受けられます。
かつての映画「イージー・ライダー」ですね。個人主義の国を標榜するアメリカですらそうですから,ましてや日本ではなおさらでしょう。
パージを受けたり追い詰められた者の行動としては,それが外に向かうと"窮鼠猫を噛む。"というわけでアメリカなどでは拳銃の乱射などとなり,日本では長じて後の大阪の池田小学校事件や奈良の女児殺害事件となるなどと推察されます。
一方,内に向かうと自殺する,ということになる場合も多々であるようです。
私自身イジメを受けた経験者という立場で考えると,もし殴る蹴るのイジメだったらほとんどトラウマ(=心的外傷)は残らず,また暴力には抵抗することも可能なので,私的にはあまりダメージはありませんが,シカトとか面前での陰口など陰湿なと感じる行為にはどうにも抵抗できません。
面前での罵倒であれば暴力などで対抗できますが,陰口というのはそれとなく自分のことではないかと仄めかすという意味の罵倒なので,本人には妄想=被害妄想(← "自他共にイヤラシイことと認じていること")と区別できないのがミソです。
対抗しようとしても,被害妄想だと言われたら逆に自分自身だけが恥を掻いて傷つき,さらにミジメになり,うつ病のようなノイローゼ傾向へと意図的に導かれるわけです。
殴る蹴るのイジメならストレスのたまった動物にもあることで,人間も動物なのでイジメはある種の種としての免疫活動であり,本能であるとさえ云えると思います。これを絶滅させることはこの世がストレスのないユートピアにでもならない限り不可能なことだと思います。
つまり,学校とか教室とかが,例えばやりたくもない勉強を無理矢理させられる生徒達と教えたくもないことを教えなければいけない教師という雰囲気と化している場合とか,そうでなくても閉じ込められたニワトリ小屋のような1つのストレス社会となっていると考えることもできます。
かつて雨続きのときには狭い部屋に大勢で閉じ込められているというストレスのためか,飯場では必ず誰かを対象にしてイジメが起きたと聞いています。
"閉鎖社会において受けるストレスのため,その生態系にある種のゆがみが生じ,それを除去しようとする免疫反応としてイジメが起こるのであろう。だから,根本的解決法は全員がそのストレスから解放されることしかないだろう。"
とかいう理屈も考えましたが,まあ,そんな評論家的なことばかり言っていても始まりません。
いずれにしてもイジメを受けたとすれば,"彼女が皆にとってキモイ"のではなく,"イジメた側が本当にキモイ奴らである",ことは間違いないでしょう。
明日は我が身だということを肝に銘じて思い知るがいいと思います。
若いから簡単に自殺できるのかも知れません。
復讐のために自殺するという意味があるのかもしれませんが,私は自分が死んだのでは決して復讐になるとは思えません。
歳を取れば取るほど命が惜しくなります。
生きていて後から思えば"あれくらいのこと"で自殺したらかえって相手の思う壺だと思える時が来たかもしれませんが,渦中にあった本人にとっては"あれくらいのこと"とは思えないほど苦しかったに違いありません。
合掌。。。。
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