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2006年12月11日 (月)

常微分方程式の解の存在定理④(連立方程式,高階の方程式)

連立常微分方程式系:dyi/dx=fi(x,y1,y2,..yn)(i=1,2,..,n)についての解の存在定理を考えます。

 

これは,(y1,y2,..yn),(f1,f2,..fn)と列ベクトル表示をすれば,d/dx=(x,)と書けます。

 

の定義域である閉領域DをD=I×,I≡[x0-a,x0+a],≡[0,0]とし,Dの上でのの連続性を仮定すれば,容易にDが2次元の領域の場合に還元できます。

 

そこで,この"拡張された解の存在定理"の成立自体は,ほぼ自明ですから証明は省略します。

 

この場合,"ノルム=n次元の絶対値"について,

|f(,1)-(x,)|<k|y1|なるLipschitz条件

を仮定すれば解の一意性も成立します。

 

そして,高階(n階)の常微分方程式:

n/dxn=f(x,y.dy/dx,d2y/dx2,..,dn-1y/dxn-1)は,

 

1=y,y2=dy1/dx,y3=dy2/dx,..,yn=dyn-1/dxとおき,最後にdyn/dx=f(x,y1,y2,..yn)とすれば,

  

上述の連立方程式:d/dx=(x,)に帰着します。

 

そこで,高階の常微分方程式の解の存在と一意性の問題は,連立方程式のそれに帰着します。

 

結局,1階の常微分方程式の「解の存在と一意性」の問題に還元されることがわかりました。(以上)

  

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