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2006年12月 4日 (月)

群の単位元と逆元

 しぶりに数学の話題を取り上げます。ごく軽い話題として群(代数群)の基本性質を証明してみましょう。

 

集合Gの任意の2つの元に,ある演算'・'が定義されていて,

 

(1)a,b∈Gならばa・b∈Gが成立し,

(2)a,b,c∈Gに対して結合則:(a・b)・c=a・(b・c)

が成立するとします。

 

このとき,"(1)左単位元e∈Gが存在して,∀a∈Gに対してe・a=a

が成り立ち,また,(2)各a∈Gに対して左逆元a-1∈Gが存在して

-1・a=eが成立するなら,

 

eは右単位元でもありa-1右逆元でもある。"こと

 

すなわち,"∀a∈Gに対してa・e=aが成立し,かつ,a・a-1=e

が成立する。"ことを証明してみます。 

・e=a・(a-1・a)=(a・a-1)・aですから,

a・a-1=eを証明すれば,a・e=e・a=aが成り立つ,

ことは自明です。

そこで,a・a-1=eを証明します。

 

・a-1(e・a)・a-1 [{(a-1)-1-1}・a]・a-1

{(a-1)-1}・a-1(a-1)-1-1=e ですね。

 

証明は以上です。

 

このことと,逆元の一意性も簡単に示せるので上の議論から

(a-1)-1=aとなることもわかりました。 

 今日は引越しなどを控えて少し疲れていたので,手抜きをしてしまいました。(^^;)

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