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2007年1月27日 (土)

ガロア理論(5)

 今日は,まず,

 "Fが体であって1の原始n乗根ωに対してE=F(ω)であるとすれば,Gal(E/F)はZnの単元の乗法群U(Zn)≡{[i]∈Zn:(i,n)=1}の部分群と同型になり,それ故,Gal(E/F)はAbel群(可換群)になる。"

 ことを証明します。

 すなわち,E=F(ω)なので∀σ∈Gal(E/F)はωにおけるσの値によって完全に決まります。すなわち,σ(ω)=ωiなるiが(mod n)で一意に決まります。

 

このσをσiとし,0≦i≦(n-1)と仮定します。

 

ωが1の原始n乗根になることと,(i,n)=1 が同値であることは巡回群のよく知られた性質によって自明です。

 

σの巡回群:<ω>への制限は,巡回群:<ω>の自己同型です。

 

したがって,ψ:σi[i]は写像ψ:Gal(E/F)→U(Zn)を定めます。

 

そして,σjσi(ω)=σji)=(ωi)j=ωij=ωjiなので,ψ(σjσi)=[ji]=ψ(σj)ψ(σi)より,ψは準同型になります。

 

したがって,Gal(E/F)はU(Zn)の部分群に同型であり,それ故Abel群になります。

 

そして,

 

"Fは1の原始n乗根を含み,f(x)=xn-c∈F[x]とする。E/Fがf(x)の分解体であれば,単射φ:G≡Gal(E/F) →Znが存在する。

 

さらにf(x)が既約になる必要十分条件はφが全射になることである。"

 

という定理が成立します。証明は次の通りです。

 

ωが1の原始n乗根で,αがf(x)の根であればαn=cとなり,f(x)の全ての根はα,αω,αω2,..αωn-1となります。

 

σ∈Gならσ(α)=αωi であり,σはiによって完全に決まるので,

σ(α)=αωiのとき,φ(σ)=[i]と定義します。

 

ωはFに含まれているので,τ∈Gのときτ(ω)=ωです。

 

よって,τ(α)=αωj のとき,φ(τσ)はτσ(α)=αωj+iより,

φ(τσ)=[j+i]=φ(τ)+φ(σ)となり,Gは加群としてのnに準同型で,もちろん単射(injection)です。

 

そして,φが全射(surjection)になるための必要十分条件は,Gがf(x)の根の集合に推移的に作用することですが,これは明らかにf(x)がFで既約になることと同値です。

 

多項式f(x)∈F[x]がベキ根によって可解なら,拡大列:F≡B0⊂B1⊂...⊂Btのベキ根塔における拡大Gal(Bi+1/Bi)は素因数分解に沿って細分化することにより全て素数pi次の純拡大にすることができます。

 

(x)∈F(x)が可解になるためには,Fはこれら1の原始pi乗根を全て含むことが必要です。

 

このときBi+1はある多項式のBi上の分解体になるので,Gal(Bt/Bi+1)/Gal(Bt/Bi)~ Gal(Bi+1/Bi)です。

 

右辺は素数位数の巡回群Zpiになって,もちろんAbel群になることがわかりました。

 

このことは,GiGal(Bt/Bi)とおくと{1}=Gt⊂..⊂G1⊂G0Gal(Bt/F)なる正規部分群の列が存在して,それらの商群が全てAbel群であることを示しており,Gal(Bt/F)が可解群であるという定義に一致します。

 

参考文献:J.ロットマン 著(関口次郎 訳)「ガロア理論」(シュプリンガーフェアラーク東京)

 

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