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2007年2月25日 (日)

円分多項式のガロア群

前記事で1のベキ乗根がベキ根で表わせることの証明をGalois理論

によって行った際に,その主要なエッセンスとして,

 

"円分多項式のGalois群::Gal(Q(ζp)/Q)は(Z/pZ)×に同型なので

Abel群であり,それゆえ可解群です。"とさらりと書いて,詳細な説明

や証明を与えませんでしたが,それは既に過去の記事

 

ガロア理論(5)」において,かなり詳細に説明しており証明

しているからです。

 

そこでは,"pの倍数の集合:pZ=(p)によって作られる

剰余類の集合=商環:(Z/pZ)"をpと表記していますが,

pが素数の場合には明らかに1つの体になります。

 

また,"Zp=(Z/pZ)から零元を除いた乗法群=位数が

(p-1)の巡回群"を上記では慣例にしたがって(Z/pZ)×

と表記していますが,

 

前述の記事「ガロア理論(5)」においては,nの単元の乗法群

をU(Zn)≡{[i]∈Zn|(i,n)=1}と表記しています。

 

pが素数の場合,[0]と異なる[i] (i=1,2,...,p-1 )

は,すべて単元なのでU(Zp)と(Z/pZ)×=Zp×

は一致します。

 

また,「ガロア理論(5)」での結論は,

"Gal(E/F)は乗法群U(Zn)の部分群と同型になる。"

というものでした。

 

pが素数なら,U(Zp)=(Z/pZ)×の部分群は,

"自明なもの=1"と(Z/pZ)×自身",しか存在しません。

 

円分多項式のGalois群:Gal(E/F)=Gal(Q(ζp)/Q)は,

もちろん1と同型ではないので,Gal(Q(ζp)/Q)から

(Z/pZ)×への準同型写像は全射であり,

 

れ故,位数が(p-1)の巡回群(Z/pZ)×と同型です。

 

したがって,Gal(Q(ζp)/Q)も巡回群ということになるので,

もちろん,Abel群であり,それゆえ可解群です。

 

ブログ記事「ガロア理論(5)」での関連部分を再掲しておきます。

 

"Fが体であって,1の原始n乗根ωに対してE=F(ω)とすれば,

Gal(E/F)はZnの単元の乗法群U(Zn)≡{ [i]∈Zn|(i,n)=1}

の部分群と同型になり,それ故,Gal(E/F)はAbel群になる。"

 

ことを証明します。

 

すなわち,E=F(ω)なので,∀σ∈Gal(E/F)は,

ωにおけるσの値によって完全に決まります。

  

すなわちσ(ω)=ωiなるiが(mod n)で一意に決まります。

 

このσをσiとし,0≦i≦(n-1)と仮定します。

 

ωが1の原始n乗根になることと,(i,n)=1であること

が同値であることは巡回群のよく知られた性質です。

 

またσの巡回群:<ω>への制限は,巡回群<ω>の自己同型です。

 

したがってψ:σi[i]は写像ψ:Gal(E/F)→U(Zn)を定めます。

 

そして,σjσi(ω)=σji)=(ωi)j=ωij=ωji

なので,ψ(σjσi)=[ji]=ψ(σj)ψ(σi)より,

ψは準同型になります。

 

したがって,Gal(E/F)はU(Zn)の部分群に同型であり,

それ故,Abel群になります。

 

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