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2007年2月21日 (水)

遠心力,コリオリ力の相対性(マッハ原理?)

μを時空の局所座標とし,Xμをその点における「等価原理」に

基づいて重力が消去された局所慣性系の時空座標とすると,

 

この重力場の中での自由粒子の運動方程式は,d2μ/dλ2=0

で与えられます。

 

ここでλは任意のパラメータです。

 

これは重力場内での自由落下の方程式でもあります。

 

この方程式に基づく粒子の軌道を測地線(geodesic)といい,

この方程式を測地線の方程式といいます。

 

測地線の方程式のxμに対する表現は,固有時間τ≡s/cを

パラメータとして導入し,両端を固定した一般的な変分原理:

 

δ∫τ1τ2ds=δ∫τ1τ2c{gμν(dxμ/dτ)(dxν/dτ)}1/2dτ

=0

 

から導くこともできます。

 

そして測地線の方程式をこの変分原理の解としてのオEulerの方程式

の形で求めると,

 

(d/dτ){gμν(dxμ/dτ)}

=(1/2)(∂gλσ/∂xμ)(dxλ/dτ)(dxσ/dτ)

 

なる表現が得られます。

 

ただし,τ≡s/cより,gμν(dxμ/dτ)(dxν/dτ)=c2

なる条件があります。

 

もっとも,質量のない光線の場合は,c2dτ2=ds20 という条件

が加わるのでτを独立変数パラメータとして採るのは不可能です。

 

測地線の方程式は,τの代わりにλを任意パラメータとして,

 

(d/dλ){gμν(dxμ/dλ)}

=(1/2)(∂gρσ/∂xμ)(dxρ/dλ)(dxσ/dλ),

ただしgμν(dxμ/dλ)(dxν/dλ)=0

 

という一般形式に変わります。

 

測地線の方程式はChristoffellの記号:Γを用いた馴染み深い形

で表現すると,d2μ/dλ2+Γμρσ(dxρ/dλ)(dxσ/dλ)=0

と書けます。

 

この方程式において,ある瞬間に静止している粒子:(dxi/dτ=0)

について,μ=i=1,2,3とおけば,

 

ij(d2j/dτ2)+d{gi0(dx0/dτ)}/dτ

=(1/2)(∂g00/∂xi)(dx0/dτ)2

 

となります。

 

一方,勝手な運動をしている粒子については,

前記事で定義したようにγij(g0i0j/g00-gij),

dσ2=γijdxidxjですが,γi≡gi0/g001/2とおけば,

 

γij=-gij+γiγjです。

 

そして,

 

2dτ2=ds2=gijdxidxj+2g0idx0dxi+g00(dx0)2

=-γijdxidxj+(g0idxi+g00dx0)2/g00

=-dσ2+g00(dx0)2{1+γii/(cg001/2)}2

 

です。

 

ただし,ui≡dxi/dt=c(dxi/dx0)(粒子の速度成分)

です。

 

これを,(dx0)2で割ると,c2(dτ/dx0)2

=-u2/c2+g00{1+γii/(cg001/2)}2

(ただし,u≡dσ/dt=c(dσ/dx0) )

です。

 

これを解くと,gi0(dx0/dτ)=

cγi[{1+γkk/(cg001/2)}2-g002/c2]-1/2

となります。

 

そこで,瞬間的に静止している粒子に対しては,

両辺をτで微分した後に,uk=0 (k=1,2,3),u=0 とおくと,

 

(d/dτ){gi0(dx0/dτ)}

=(1/g001/2){c2(∂γi/∂x0)-γiγk(d2k/dt2)/g001/2},

およびd2k/dτ2=(1/g00)(d2k/dt2)

 

を得ます。

 

この式と,先に求めたgi0(dx0/dτ)

=cγi[{1+γkk/(cg001/2)}2-g002/c2]-1/2において,

 

k=0 (k=1,2,3),u=0 としたものを,

ij(d2j/dτ2)+d{gi0(dx0/dτ)}/dτ

=(1/2)(∂g00/∂xi)(dx0/dτ)2に代入すると,

 

結局,γij(d2j/dt2)

=-(∂/∂xi)(c200/2)+cg001/2(∂γi/∂t)

なる式が得られます。

 

ここで,最後の式の左辺:ai≡γij(d2j/dt2)は,

この重力場がこの粒子に与える加速度を,われわれの準拠系で

の共変成分として表現したものに他なりません。

 

したがって,この重力場の力学的な働きは関数g00とγiとで

記述されることになります。

 

さらに,g00≡1+2φ/c2とおけば,

i=-∂φ/∂xi+c(1+2φ/c2)1/2(∂γi/∂t)

が得られます。

 

この式と荷電粒子に作用する電気力をポテンシャルで表わした式

との類推から,φおよびγiは,それぞれ,

 

重力場のスカラー・ポテンシャル,およびベクトル・ポテンシャル

と呼ばれるべきものに相当していると考えられます。

 

そしてg00は,スカラー・ポテンシャルφがゼロのときに1に一致する

ように規格化されています。

 

また,特にγiに陽な時間依存性がないなら

i=-∂φ/∂xiとなります。

 

さて,宇宙項がない場合のEinsteinの重力場の方程式は,

μν-gμν/2=-κTμν,あるいは

μν=-κ(Tμν-gμνT/2)

で与えられます。

 

ただし,RμνはRiemann-Christoffellの曲率テンソルを縮約したRicciテンソルであり,またR≡Rμμです。

 

μνはエネルギー運動量テンソルと呼ばれる量でT≡Tμμです。

 

重力場が弱く時間に依存しない静的なときには,

重力場の方程式は近似的にNewtonの万有引力の法則を表わす

Poissonの方程式:∇2φ=-4πGρに近づくはずです。

 

ここで,φは重力のポテンシャル,Gは万有引力定数,

ρは空間における質量の密度です。

 

慣性系の計量をημν (ただし,η00=1,η11=η22=η33=-1,

ηi0= 0,ηij= 0 (i≠j) )とおき,gμν≡ημν+hμν

とおくと,

 

重力場が弱い場合にはhμνとその微分は小さくて,

それらの2次以上の微小量は無視できます。

 

Christoffellの記号:Γλμνはgμνの微分ですから,

μνの微分でもあります。

 

そこで,曲率テンソルにおいては,Γの積を含む項は

無視できます。

 

それ故,Rμν~ ∂νΓλμλ-∂λΓλμν

λσ/2)(∂λσμν)+(1/2){(∂μνh)

-(∂λνμλ)-(∂λσλν)}

と近似されます。

 

ここで,hμλ≡ηλσμσ,hλν≡ηλσσν,h≡hλλ

と同定できます。

 

μνやTμνが時間tに依存しない静的な場合には,

00についてR00=(ηλσ/2)(∂λσ00)=∇2φ/c2

を得ます。

 

そして,静止した物質中で応力エネルギーがエネルギー運動量テンソル

に与える小さな寄与を無視すると,第1近似では,

μν=δμ0δν0ρc2です。

 

そこで,Rμν=-κ(Tμν-gμνT/2)においてμ=ν=0

とおいた式から,確かにPoissonの方程式:∇2φ=-κρc4/2

を得ます。

 

実際,重力の弱い静的な状況では重力場も物質エネルギーも00成分のみ

が支配的なので,これはNewtonの万有引力の法則を表わしている

と見なすことができます。

 

これを,Newtonの引力を与える方程式:∇2φ=-4πGρと

比較すれば,κc2=8πG/c2と同定されます。

 

議論を少し元に戻すと,Rμνλσ/2)(∂λσμν)

+(1/2){(∂μνh)-(∂λνμλ)-(∂λσλν)}

=(1/2){□hμν-(∂μλχλν)-(∂νλχμλ)}

です。

 

ただし,χμλ≡hμλ-δμλh,χμν

≡hμν-ημνhです。

 

ここで,ゲージ(gauge)変換を行なって∂λχμλ=0 とすることが

可能なので,重力が弱いときの重力場の方程式は,

□χμν=-2κTμνと比較的簡単な形で表わすことが

できます。

 

電磁ポテンシャルとのアナロジーから,これを解いて,

μν(xi,t)={κ/(2π)}∫[(T'μν-T'/2)/r]dV'

なる具体的表式を得ます。

 

ただし,r≡{Σ(x'i-xi,)2}1/2でT'μν,および

T'はdV'のある場所rで時刻(t-r/c)における値を

採ることを意味しています。

 

静的な物質分布Tμν=δμ0δν0ρc2の場合には,

00={κc2/(4π)}∫[(ρ(x',y',z')/|

'|]dV',hi0= 0 ,hij=δij00

となります。

 

静的なので,ρはtを含まず,そこで重力ポテンシャルも,

普通のNewtonの重力ポテンシャル;φ=-c200/2

=-G∫[(ρ(x',y',z')/|'|]dV'

で与えられます。

 

そして,計量(metric)は,ds2(1+2φ/c2)c2dt2

-(1-2φ/c2)(dx2+dy2+dz2)となります。

 

特に,ある1箇所に質点M0だけがあるときには,これは,

r≡||として,ds2={1+2GM0/(c2r)}c2dt2

-{1-2GM0/(c2r)}(dx2+dy2+dz2)

となります。

 

全く同様にして,物質の流れが定常的に分布する場合も,

Einsteinの近似式:hμν{κ/(2π)}∫[(T'μν-T'/2)/r]dV'

で扱うことができます。

 

例えば,Thirring-Lense(ティリングとレンズ)は,

 

"中心原点にある天体の自転が重力場に及ぼす影響,あるいはこの影響

の結果がさらに衛星の運動に及ぼす影響"を計算しましたが,

 

そうした影響は観測にはかからないほど小さいものでした。

 

しかし,この種の計算が重要な意味を持つ場合が存在します。

 

それは,回転系自体を準拠系とした場合に現われる遠心力やCoriolis力

の本性や起源についての観点を与えることです。

 

一般相対性理論は"あらゆる座標系が対等である"という,Mach(マッハ)原理に必ずしも従うものではない,ことは既にわかっています。

 

例えば数理論理学(数学基礎論)の不完全性定理,完全性定理で有名な

数学者:Gödel(ゲーデル)による,一般相対性理論に基づく

「ゲーデル宇宙」ではマッハ原理が成立しない,らしいです。

 

しかし,より一般的な宇宙でMach原理が成立するか否かは,

未だに未解決な問題です。

 

例えば,自転する地球が実は自転していなくて,

逆に周りの宇宙全体が同じ角速度で逆向きに回転している,

 

という回転座標系も慣性系と対等である,というような

Mach原理が成立すると仮定してみます。

 

上記の,地球が自転してないという回転系をも慣性系と対等な基準系

として採用することもできるわけです。

 

これを準拠系とすると,地球上で我々が受ける遠心力やCoriolis力

というような重力'の源を,地球からはるか遠方で回転している星

たちに求めることになります。

 

これら,遠方にある天体の質量の効果を,直接,弱い場に対する近似解

を用いて評価することは許されませんが,

 

一様な密度を持つ球殻が回転しているとするとき,

球殻の内部には遠方の天体の質量の回転と同様な効果が現われる

であろうと考えられます。

 

そして,こうした定常的な一様球殻の回転を仮定したモデルに

ついては,弱い場に対するのと同じ近似解を適用してもいい

と思われます。

 

この球殻が回転せず静止しているときには,

 

φ=-G∫[(ρ(x',y',z')/|'|]dV'

で与えられるφは球殻内で一定で,

 

φ=-GM0/Rまたは,2φ/c2=-{κc2/(4π))(M0/R)

です。

 

ここに,M0は球殻の全質量,Rはその半径で,

φの値は球殻の厚さには無関係です。

 

計量:ds2(1+2φ/c2)c2dt2-(1-2φ/c2)(dx2+dy2+dz2)

には,(1+2φ/c2)や(1-2φ/c2)という係数があっても,

 

これらは単なる定数なので空間や時間のスケールを変えるだけで,

これらの係数は除去できます。

 

そこで,この場合は線素は特殊相対論と同じです。

 

また,球殻が等速直線運動をしていても,Lorentz変換で静止の場合

に帰するので,特殊相対論の場合と同じですから,

 

遠方の天体質量が一様直線運動をしていても慣性系内に

重力場を作ることはないでしょう。

 

ところが,ThirringとLenseは,球殻状の物質が回転している場合

には,□χμν=-2κTμνから計算された球殻内の重力場が,

回転している座標系内の力場に似ていて,

 

普通の遠心力やCoriolis力に似た重力場が作られるという

興味深い結果を発見しました。

 

ここでは,少し簡略化した場合について考えてみます。

 

それは静止質量がM0,半径がRの環状物質が,xy面内で時計回り

に角速度ωで回転しているという場合です。

 

環状の1点の座標を(x',y',0)とすれば,

 

2=x'2+y'2,ij=Tij=ρ0ij/(1-R2ω2/c2),

i0=T0i=-Ti0=-ρ0ic/(1-R2ω2/c2), 

00=ρ02/(1-R2ω2/c2),T=T00-Tii=ρ02

 

となります。

 

密度ρ0は,物体が瞬間的に静止しているときの密度ですが,

運動系での微小体積ΔVは,静止系での同じ微小体積をΔV0

とすると,運動系ではΔV=ΔV0(1-u2/c2)1/2ですから,

 

ρΔV=ρ0ΔV0より,ρ=ρ0/(1-u2/c2)1/2

となります。

 

それ故,M0=∫ρdV=(1-R2ω2/c2)-1/2∫ρ0dV

です。

 

これらから計算した結果のうち,力学的ポテンシャルを

決めるのに必要な成分:gμ0=ημ0+hμ0

だけを書き下します。

 

Rに対して"原点=実は自転している地球のような天体の中心"から

の距離が小さい点の座標を(x,y,z)とし,x/R,y/R,z/R

の3次以上を無視しすれば,

 

10={Mκc2/(4πR)}(ωy/c),

20={Mκc2/(4πR)}(-ωx/c),g30= 0,

 

00=1-{Mκc2/(4πR)}{1+(x2+y2-2z2)/(4R2)+R2ω2/c2}

-{Mκω2/(16πR)}(x2+y2-2z2)

 

となります。

 

ただし,Mは,M=M0/(1-R2ω2/c2)1/2で与えられる

環状物質の相対論的質量です。

 

これらの式はRω/c<1を満たすあらゆるωについて成立します。

 

環が回転している場合に,あまり重要ではない定数項を別にすれば,

力学ポテンシャルは,γi={Mκc2/(4πR)}(ω/c)(y,-x,0),

φ=-{Mκc2/(16πR)}(ω2/2)(x2+y2-2z2)となります。

 

ところで,回転円筒系の計量は,

 

ds2(1-r2ω2/c2)c2dt2-2ω(-ydx+xdy)dt-dx2

-dy2-dz2より,

 

γi=(ω/c)(y,-x,0),φ=-(ω2/2)(x2+y2),

2≡x2+y2です。

 

もしも,宇宙の全質量Mと天体の質量分布の平均半径Rが,

{Mκc2/(4πR)}~1を満足する程度であれば,

 

回転する環の中の重力場と角速度の関係が,

回転円筒系内の重力場と全く同じになることは

興味深いことです。

 

そして,この環の中でCoriolis力を与えると思われる

ベクトル・ポテンシャルの形も回転系のそれと一致

しています。

 

ただ,スカラー・ポテンシャルφは(x2+y2)による普通

の遠心力に類似した項の他に,z2 による項を含んでいます。

 

この項は,遠心力に軸方向の成分を与えることになり,

物体を回転する環の平面の方に引き戻す働きを与えます。

 

こうした予期しない力が現われたのは,質量分布が特殊であるため

と考えることもできますが,Thirringによれば回転する一様球殻

の場合にも同様な項が現われるので,近似式が適切でないのかも

しれません。

 

まあ,いずれにしても遠心力やColiolis力に"Mach原理"が適用できる

と考えるのは,私見ですが少々無理であろう,と思います。

 

一般相対性理論では,座標系は全く対等であるとはいうものの,

この宇宙は1つの4次元の時空多様体であることはほぼ真実

なのですから,

 

その幾何学を否定するような座標系には疑問を感じますね。

 

参考文献;メラー「相対性理論」(みすず書房) 

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コメント

 どうもcatbirdさん。。長い説明ありがとうございます。TOSHIです。

 何度読んでもおっしゃっておられることはその通りだと思うし正しいので私には異存ありません。

 ところどころ左と右が逆ではないかと思うところもあろと感じましたが向かって右は左なのでそう解釈しました。

 風が円の下から出発して回転ようと円の上から出発して回転しようと右向きなら渦は左回転です。

 ただそれはコリオリ力(慣性力)ではないとおっしゃっておられますが説明されている内容は,まさに見かけの力であるコリオリ力のことだと私は思いました。

 水平な電車の床に静止?していたビー球が電車が右に急発進したとたんに床の左向にころがるのはビー球は静止しているのに床の方が右に進むためです。

 前に向かって電車の座席にすわっている人が急発進で背もたれに押し付けられるのも座席の方が前に進むためですが,これを「慣性の力=見かけの力」という力という名称で呼んでいるだけのことです。

 数式が苦手の人のためにも文章だけで説明していますが,もしも実際に地球大気の流体力学の運動方程式で渦度を計算すると,北半球では渦の向きの符号は左巻きのそれで,それは地球回転のためのコリオリリ力が由来です。

 地球回転がないなら最初の時に渦がゼロなら永久に渦はゼロのままです。

             TOSHI

投稿: TOSHI | 2010年2月16日 (火) 19時16分

TOSHIさんご感想を頂きありがとうございます。ご感想を聞くのを何よりの楽しみとしています。さて、追加の説明文を書き込ませていただきました。ご指摘の台風の進路と北半球では左回りの渦になるのとは、全く関係ありません。台風全体がどちらに動くかと言うことは渦には影響しません。台風の一部は右に寄り、一部は左(右左は地図上の表現です)によるから左回りの渦が生じるのです。何故その違いが起こるのかの説明を書き込ませて頂きました。また、感想を聞かせてください。

投稿: catbird | 2010年2月12日 (金) 05時12分

追加説明です。確かに地球上に居て物を観測する際には、コリオリ力を考慮しなければなりません。しかし、具体的な力ではないので、観測上考慮するだけで良いのです。物が動く仕組みを考える際には、考慮してはなりません。コリオリ力とは例えば左回転(時計とは逆周り)している円盤上をビー球を転がした場合を想定しています。その時、円盤の中心から外に向かってビー球こ転がした時、円盤を上から見ている人には、ビー球は真直ぐに進んでいると見えます。しかし、円盤の円周上に居て円盤と共に左回転している人には、ビー球は左にそれていくと見えます。しかし、今度はビー球を円盤の円周上から中心に向かって転がして見てください。今度も円盤を上から見ている人にとっては、ビー球は真直ぐに進んでいると見えますが、円盤の円周上に立っている人にはやはり左にそれて行くと見えます。両方が左にそれたのでは、全く渦にならないのです。北極=円盤の中心から転がした場合左にそれて、赤道=円盤の円周上から転がした場合は、逆に右にそれないと、左回りの渦にはなりません。コリオリ力を説明する際、ビー球は静止している状態から転がしています。円盤と共に回転している人が、ビー球を転がすと、円盤と共に回転している人にとっては、真直ぐに転がると見えます。コリオリ力は全く働きません。実際に地球上の液体や気体は地球と共に回転しています。渦とは、気体や液体が中心に流れ込む際、真直ぐに流れ込まずに、左回りか右回りに回転しながら、中心に流れ込むことを言います。巨大な円盤想像して見てください。左回りに回転する巨大な円盤上を、静止した状態で円形に並んだ多数のビー球を、中心に向かって転がして見てください。円盤の上から見る人にとって、円形に並んだビー球は、真直ぐ中心に向かって転がると観測されます。渦にはならないでしょう。円盤上の人にとっても、全てのビー球は、同じ速度で左にそれながら中心に向かうと見えます。やはり渦にはならないでしょう。そもそも、円形に並んだビー球は静止した状態を想定しており、幾ら回転する円盤上を転がしても、その回転の影響は全く受けないので、渦になりようがありません。赤道側から中心に向かうビー球は右にそれ、北極側から中心に向かうビー球は左にそれなければならないのです(左右とは地図を見た時の表現です)。何故そうかるか。それば、ビー球が球体上にあり、球体と共に回転しているからです。球体上にビー球を円形に並べて見ましょう。赤道側のビー球の方が、大きな円周上を回っており、即ち速いスピードで回転しています。北極側のビー球は小さな円周上を回っており、遅いスピードで回転しています。この円形に並んだビー球を中心に向かって、転がして見ましょう。赤道側のビー球は中心に向かうにつれ、より小さな円周上を回転するようになります。慣性の法則により、ビー球はそのままの速いスピードで回転します。北極側のビー球は中心に向かうにつれ、より大きな円周上を回転するようになります。同じく慣性の法則により、ビー球はそのまま遅いスピードで回転します。赤道側のビー球と北極側のビー球が中心に来た時を想像してみてください。赤道側のビー球のスピードは速いので右により、北極側のビー球のスピードは遅いので左によります。これで左回転の渦が出来るのです。単なる慣性の力により北半球では左回転の渦が生じ、南半球では右回転の渦が生じるのです。その小さな左回転の力が、次第に大きな回転になるのです。何故なら、回転しながら中心に流れ込んだ方が、真直ぐに流れ込むより速く流れ込むことが出来るからです。ただし、台風等巨大な渦に限ります。洗面所の小さな渦などは、慣性の力よりも偶然に掛かる力の方が遥かに大きくどちら回りの渦になるかは、偶然によります。コリオリ力とは単に左にそれて見えると言うだけのことで、具体的になんらかの力がビー球に掛かっているのではないのです。コリオリ力は地球上でものを観測する場合に考慮しておかなければならないと言うだけのことで、コリオリ力で物が動く訳ではないのです。コリオリ力と慣性の力とは全く別ものです。

投稿: catbird | 2010年2月12日 (金) 05時04分

catbirdさん,はじめまして,TOSHIです。コメントありがとうございます。

>コリオリ力は力ではありません。

 これは松田卓也名誉教授による解釈ではその通りだと思います。でも力という名がついていますネ。

(2006年11/16の記事「非慣性座標系で現われる慣性力」 http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/nif_d7bb.html 参照)

 私の理解が誤りでなければ後半のご説明は2006年8/16の拙記事「台風の進路」 
http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_b407.html
の中で述べている内容と同じかと思いますがいかがでしょうか?

            TOSHI

投稿: TOSHI | 2010年2月 3日 (水) 10時08分

コリオリ力は力ではありません。北半球の渦が左回りなのはコリオリ力では説明できません。地上の液体及び気体は地球の自転と共に回転しており、それが赤道から北極点に向かっても真直ぐ北極点に向かうと思います。自転と共に回転していない場合にのみ、左にずれると思います。液体が中心に流れ込む時、北極側の液体も赤道側の液体も真直ぐ中心に向かいます。仮に液体が静止している場合を考えても、北極側から中心に向かう液体も左にそれ、赤道側から中心に向かう液体も左にそれます。コリオリの力では左回りの渦は生じません。ではなぜ、北半球の渦は左回りなのでしょうか。北緯45度の位置に液体を想定します。この液体が、中心に引き寄せられます。赤道よりの液体が中心に引き寄せられると、より小さい円周上を回ることになり、慣性より同じスピードで回るため、小さい円周上の液体より速く自転方向に動き、地図で言えば右に動きます。北極よりの液体は、中心に引き寄せられるとより大きい円周上を回ることになり、その円周上の液体より遅く自転方向に動く為、左に動きます。北極側の液体は左へ赤道側の液体は、右へ動きながら中心に流れ込みます。結果として液体全体は左回りに回転して中心に流れ込むようになります。コリオリ力?は関係ありません。

投稿: catbird | 2010年2月 2日 (火) 23時28分

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