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2007年3月 9日 (金)

頭の体操(円周率:大学入試問題)

 昨日,勤務に向かう電車の中で,ある予備校の宣伝広告の中に

東京大学理科-前期入試問題として解答抜きで数学の入試問題

が1問出題してありました。

 

 この問題は以前もどこかで見たおぼえがあり気分転換=頭の体操,

としてほどよいので解いてみました。

 

 問題は「円周率は3.05より大きいことを証明せよ。」

という簡単なものです。

 

 そもそも円周率とは,素朴に円周の長さをその円の直径

で割ったものです。

 

まあ,すぐに思いつくことではありますが,円に内接する正n角形

の周は円周よりも常に短いので,

(2π)>(内接する正n角形の周)÷(半径),

という不等式が成立します。

 

n= 6,つまり正六角形なら,右辺は丁度 6 なのでπ>3

が得られます。

 

そこでn= 8,つまり正八角形なら π>3.05 が得られる

ことが予想されます。

 

実際にそうであることを証明しましょう。

 

三角形における余弦定理というのは確か,私が習ったのは中学3年

のときだったと記憶していますが,

 

それは⊿ABCの辺の長さa,b,cと内角A,B,Cの間に,

2=b2+c22bccosA etc.の関係式が成立する

という定理です。

 

 

 これを用いるなら,(半径rの円に内接する正n角形の周の長さ)

=nr[2{1-cos(2π/n)}]1/22nrsin(π/n)となります。

 

まあ、最後の形式などは別に余弦定理に頼らずとも得られるもの

ではありますが。。。。

 

よってπ>(n/2)[2{1-cos(2π/n)}]1/2ですが,

n= 8を代入すると π>4(2―√2)1/2が得られます。

 

(※下図は,円に内接する正八角形です。α=2π/8=π/4(45度)です。)

 

よって,4(2―√2)1/2≧3.05を示せばいいわけです。

 

そこで16(2―√2)-3.052を計算しましょう。

 

16(2―√2)-3.052=32-9.3025-16√2=22.6975-16√2です。

 

22.692=(23-0.31)2=529-14.26+0.312 > 514 > 512=(16√2)2ですから,π2>16(2―√2)>3.052

 

したがって,π>3.05 が証明されました。

 

ちょっと手抜きをしてしまいましたが,まあ息抜きですね。

 

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