頭の体操(円周率:大学入試問題)
昨日,勤務に向かう電車の中で,ある予備校の宣伝広告の中に
東京大学理科-前期入試問題として解答抜きで数学の入試問題
が1問出題してありました。
この問題は以前もどこかで見たおぼえがあり気分転換=頭の体操,
としてほどよいので解いてみました。
問題は「円周率は3.05より大きいことを証明せよ。」
という簡単なものです。
そもそも円周率とは,素朴に円周の長さをその円の直径
で割ったものです。
まあ,すぐに思いつくことではありますが,円に内接する正n角形
の周は円周よりも常に短いので,
(2π)>(内接する正n角形の周)÷(半径),
という不等式が成立します。
n= 6,つまり正六角形なら,右辺は丁度 6 なのでπ>3
が得られます。
そこでn= 8,つまり正八角形なら π>3.05 が得られる
ことが予想されます。
実際にそうであることを証明しましょう。
三角形における余弦定理というのは確か,私が習ったのは中学3年
のときだったと記憶していますが,
それは⊿ABCの辺の長さa,b,cと内角A,B,Cの間に,
a2=b2+c2-2bccosA etc.の関係式が成立する
という定理です。
これを用いるなら,(半径rの円に内接する正n角形の周の長さ)
=nr[2{1-cos(2π/n)}]1/2=2nrsin(π/n)となります。
まあ、最後の形式などは別に余弦定理に頼らずとも得られるもの
ではありますが。。。。
よってπ>(n/2)[2{1-cos(2π/n)}]1/2ですが,
n= 8を代入すると π>4(2―√2)1/2が得られます。
(※下図は,円に内接する正八角形です。α=2π/8=π/4(45度)です。)
よって,4(2―√2)1/2≧3.05を示せばいいわけです。
そこで16(2―√2)-3.052を計算しましょう。
16(2―√2)-3.052=32-9.3025-16√2=22.6975-16√2です。
22.692=(23-0.31)2=529-14.26+0.312 > 514 > 512=(16√2)2ですから,π2>16(2―√2)>3.052
したがって,π>3.05 が証明されました。
ちょっと手抜きをしてしまいましたが,まあ息抜きですね。
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