カルツァ・クラインの5次元統一場理論(1)
今日は量子論ではなく古典論ですが。。。
現在では,素粒子論'(量子論)のモデルとしての超弦理論
(Superstring theory)などにおいて,26次元や10次元,11次元
など当たり前とされている,4次元より大きい時空の,
余剰次元を想定する理論のはしりとなった1920年代の
Kaluza- Klein(カルツァ・クライン)による5次元統一場理論
の内容を紹介します。
その昔,私がM2のときに何ヶ月間か,毎週1回,一般相対性理論
の集中講義を受けた故内山龍雄先生の著わした
「一般ゲージ場論序説」(岩波書店)に基づいて,これを紹介したい
と思います。
まず,4次元時空よりも大きい5次元の擬Riemann空間
の中に,適当な座標を設けて,その空間内の位置座標が,
xi(i=0,1,2,3,4)で与えられるとします。
以下,ラテン文字の添字は 0~4を示し,
ギリシャ文字の添字μ,ν,λ,etc.は通常の時空座標 0~3
を示すとします。
隣接した2点間xiとxi+Δxiの距離は,
Δσ2(x)≡γij(x)ΔxiΔxj で与えられるとします。
そして,この5次元時空においては局所対称性があり,
全ての物理量は無限小な平行移動:xi→ xi+εξi(x)
に対して,その値を変えないとします。
ただし,ξiは大きさ1の5次元ベクトル成分(γijξiξj=1),
εは無限小の任意パラメータです。
それ故,Δσ2(x+εξ)=Δσ2(x),
すなわち,γij(x+εξ)Δ(xi+εξi)Δ(xj+εξj)
=γij(x)ΔxiΔxj が成立します。
この等式は,εの1次までの近似では,Δξi=ξi,kΔxkより
γij,kξk+γkjξk,j+γkjξk,j=0,
または, 5∇iξj+5∇jξi=0 となります。
ただし,ξi,k≡∂ξi/∂xk, γij,k≡∂γij/∂xk,
5∇iξj≡∂ξi/∂xj-5Γkijξk, 5Γkij
≡γkl(γli,j+γlj,i-γij,l)/2≡γkl・5Γkk,ij
です。
そして. 5∇iξj+5∇jξi=0 は一般相対論でよく
知られたKillingの方程式であり,ξi(x)はKillingのベクトル
と呼ばれます。
今日も夜勤の仕事のため時間がないので,これまでとして,
続きは後日書きます。
http://fphys.nifty.com/(ニフティ「物理フォーラム」サブマネージャー) TOSHI
人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)
← クリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)
![]() 物理学 |
| 固定リンク
「115. 素粒子論」カテゴリの記事
- くりこみ理論(第2部)(2)(2020.12.30)
- 物理学の哲学(15)(終)(アノマリー)(2020.11.03)
- 物理学の哲学(14)(アノマリー)(2020.10.28)
- 物理学の哲学(13)(アノマリー)(2020.10.10)
- 物理学の哲学(12)(アノマリー)(2020.10.08)
「105. 相対性理論」カテゴリの記事
- 記事リバイバル⑪(ロ-レンツ変換の導出)(2019.01.16)
- タキオンと因果律(再掲)(2013.01.02)
- Diracの空孔理論(2)(荷電共役)(2011.12.20)
- Diracの空孔理論(1)(2011.11.29)
- 水素様原子の微細構造(補遺5-2)(2011.11.23)
「103. 電磁気学・光学」カテゴリの記事
この記事へのコメントは終了しました。
コメント