« 膨張宇宙における赤方偏移2(視角半径) | トップページ | カルツァ・クラインの5次元統一場理論(2) »

2007年3月 6日 (火)

カルツァ・クラインの5次元統一場理論(1)

 今日は量子論ではなく古典論ですが。。。

 

 現在では,素粒子論'(量子論)のモデルとしての超弦理論

(Superstring theory)などにおいて,26次元や10次元,11次元

など当たり前とされている,4次元より大きい時空の,

 

 余剰次元を想定する理論のはしりとなった1920年代の

Kaluza- Klein(カルツァ・クライン)による5次元統一場理論

の内容を紹介します。 

 

 その昔,私がM2のときに何ヶ月間か,毎週1回,一般相対性理論

集中講義を受けた故内山龍雄先生の著わした

「一般ゲージ場論序説」(岩波書店)に基づいて,これを紹介したい

と思います。

 

 まず,4次元時空よりも大きい5次元の擬Riemann空間

の中に,適当な座標を設けて,その空間内の位置座標が,

i(i=0,1,2,3,4)で与えられるとします。

 

 以下,ラテン文字の添字は 0~4を示し,

ギリシャ文字の添字μ,ν,λ,etc.は通常の時空座標 0~3

を示すとします。

 

 隣接した2点間xiとxi+Δiの距離は,

 Δσ2(x)≡γij(x)ΔxiΔxj で与えられるとします。

 

 そして,この5次元時空においては局所対称性があり,

全ての物理量は無限小な平行移動:xi→ xi+εξi(x)

に対して,その値を変えないとします。

 

 

 ただし,ξiは大きさ1の5次元ベクトル成分(γijξiξj=1),

εは無限小の任意パラメータです。

 

 それ故,Δσ2(x+εξ)=Δσ2(x),

  すなわち,γij(x+εξ)Δ(xi+εξi)Δ(xj+εξj)

 =γij(x)ΔxiΔxj が成立します。

 

  この等式は,εの1次までの近似では,Δξi=ξi,kΔxkより

 γij,kξk+γkjξk,j+γkjξk,j=0,

 または, 5iξj5jξi=0  となります。

 

  ただし,ξi,k≡∂ξi/∂xk, γij,k≡∂γij/∂xk,

  5iξj≡∂ξi/∂xj5Γkijξk, 5Γkij

 ≡γklli,j+γlj,i-γij,l)/2≡γkl5Γkk,ij

 です。

 

 そして. 5iξj5jξi=0 は一般相対論でよく

知られたKillingの方程式であり,ξi(x)はKillingのベクトル

と呼ばれます。

 

 今日も夜勤の仕事のため時間がないので,これまでとして,

 続きは後日書きます。

  

http://fphys.nifty.com/(ニフティ「物理フォーラム」サブマネージャー)                                  TOSHI 

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
 物理学

|

« 膨張宇宙における赤方偏移2(視角半径) | トップページ | カルツァ・クラインの5次元統一場理論(2) »

115. 素粒子論」カテゴリの記事

105. 相対性理論」カテゴリの記事

103. 電磁気学・光学」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: カルツァ・クラインの5次元統一場理論(1):

« 膨張宇宙における赤方偏移2(視角半径) | トップページ | カルツァ・クラインの5次元統一場理論(2) »