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2007年4月22日 (日)

無事生還致しました。

 こんにちは。。。TOSHIです。

 表題のとおり,本日午前11時過ぎに,外科手術のため,転院していた順天堂大病院の心臓血管外科から退院して自宅に戻りこれを書いています。

 心配してもらえるのは親兄弟ら身内くらいかな?と思っていたのですが,前記事にお見舞いのコメントをいくつか頂き,この場を借りてまとめてお礼申し上げます。

 なかたにさん,耕士さん,明男さん,かんねんさん,nashさん,T_NAKAさん,夢追いギャンブラーさん,どうもご心配かけました。「辞世」などと大げさでしたね。手術で亡くなる確率は全国平均で2%だけだったのですから。。。

 例によって入院中にたまっていたジャンクコメントをまとめて削除しているうちに,またしてもうっかり耕士さんのコメントを読む前に削除してしまいました。ごめんなさい。。。

 入院経緯を申し上げますと,まずは3月24日早朝に,1月以来,2回目の心筋梗塞で心不全ということで帝京大病院の心臓内科に緊急入院しました。

 急性心筋梗塞の死亡率は30%ということですし,2回起こしても生き残っている単純確率は49%ですから,まあ運がよかったのかもしれません。

 内出血しているので胃がんの恐れがあるらしく,入院して3日目くらいに胃カメラ(内視鏡)を飲んで医師達が胃や食道などの内部を見たのですが幸い胃がんではありませんでした。大腸も便をしらべたところ大丈夫だったようです。

 そこで安静にして体力を温存した後,3月30日に右腕の動脈から心臓」まで極く細いカテーテルを挿入して造影剤を入れ,医師達が心臓の周りの冠動脈周辺を見たところ,最初は細い部分や詰まっている部分をバルーンで広げて,ステントという金属の薄い板の棒で固定しサビ止めをする予定だったらしいのですが,あまりにひどかったらしくて中止になりました。

 後で映像で見せてもらいましたが,血管は普通の人の半分以下の太さ(直径)で切れ掛かっているのもあって「今年見た中で最悪だった。」とか「よく血管が切れずに生きていたものだ。」とか言われ,主治医=渡先生にも「どうすればいいのかを数日間考えてみる。」と言われました。

 4月2日に主治医に呼ばれて,とりあえず心臓バイパス手術をしたほうがいいと言われました。

 私は内科だけで直ると思っていたのですが,「外科手術を受けるのなら帝京大病院の心臓外科でもいいけれど,順天堂大病院に天野先生という有名な心臓外科の名医がいることを以前から知っていたので,そちらに転院したい。」との意向を医師に告げました。

 帝京大病院の心臓外科にもいい先生がいるのかもしれませんが,私自身はよく知らないので,私自身が信頼に足りると以前から思っていた名医の方がいいと,素人考えをして強く希望した結果,数日待って先方のベッドが空いたら転院する,ということになりました。

 ところが,来週くらいかなと思っていたところへ,翌日に先方から受け入れ可能との連絡が入り,その午後に救急車で順天堂大病院の7階に移りました。

 そしていろいろな検査の結果,手術には耐えられると判断され,4月10日(火)の朝8:30から手術をすることに決まりました。

 内容は心臓バイパスと,よくわかりませんが僧帽弁の手術ということでした。

 身内はすべて大阪より西にいるので,一応連絡はしてありましたが15年以上も会っていないし来るとは思わなかったので,自分だけで手術を認めるサインをしましたが,手術当日に,次兄が大阪から来る旨を聞きました。

 どうも手術開始直後に到着して待っていたようです。

 あとは,まず麻酔がかかりやすいようにハルシオンを飲み,5階の手術室に行って全身麻酔を受けたので,手術がどのくらいかかったのかわかりませんが,気がついたら7階の集中治療室にいて,その日の夕方だったようです。

 夜中の12時を過ぎて口から管がはずされて,しゃべれるようになったのですが,何故か意思の通りに手足を動かすことが全くできません。私は「これは神経でも切られたな。」と思ってパニックに陥りました。

 ナースコールしようにも身体が意思通りに動きませんし,呂律もまわらないので大声で呼びましたが,「他の患者の迷惑になりますからやめてください。」と看護師に無視されました。

 しかし,事態をのみこめなかった私は手遅れになる,全身不随になったら死んだ方がましだ,などと考え,わずかにできること=身体をゆすることをし,わめき続けましたが交代した看護師に笑われました。

 夜中の2時頃になると意思通りに身体が動くようになりましたので「騒いで悪かった。」と看護師に謝りましたが,後で朝来た若い医師に聞くと「何故かわからないけど手術後はみんなそうなるみたい。」と言われました。

 そうならそうと無視したり笑ったりしないで説明してくれればよかったのにと思いました。

 手術直後だからといって,頭までおかしくなってはいませんでしたから。。。。

 とにかく被害妄想かも知れませんが,11日の朝の医師と看護師の朝礼では私の失態が話題になっているように聞こえました。

 とにかく11日朝まで起きていて,鼻などの管もはずされ,最後に女の看護師2人に尿道カテーテルをはずしてもらって(これは恥ずかしいというより痛かった)、パンツもはかせてもらい,10時40分には集中治療室から出て元の4人部屋に車椅子で帰りました。

 下では次兄が待っていたので15年ぶりに積もる話をしました。

 10日朝から11日朝は,たった1日なのにとても時間を長く感じましたが2度と集中治療室には戻らないので,手術の日のことは,日にちが経つにつれて忘れていきました。

 昼食前にはトイレに行きたくなり,トイレに座るまでは,さすがに車椅子かなと思っていたら看護師の肩につかまって点滴台をひきずって歩かされました。

 これは非常に辛かったが,甘えちゃいかんと思いました。

 しかし4回目まではオシッコをすると尿道が痛みましたね。

 心臓そのものについては,これで大丈夫というお墨付きをもらいましたが,胸骨が骨折状態で癒着するのに約3ヶ月かかるそうです。

 最初は痛み止めをもらっていたし,起き上がったり寝たりすると痛くてつらかったです。

 まあ,なんとかリハビリをして手術から12日目の退院となりました。私は糖尿病であるにもかかわらず,回復力は普通で早くも遅くもないということでした。

 帝京大病院と順天堂大病院でわがままな私の相手をして下さった医師や看護師の皆さん,どうもお世話になりありがとうございました。

 ところで,病院の入院を機会に,ひょっとしたら終わりかも,とか転んでも只では起きないぞ,とか思って,

 今までやりたかったけどきっかけがつかめなかった「フックス型の線形常微分方程式」の本を2冊持ってゆき,手術日と手術後2日間を除いては,フックス,ポアンカレを中心とした確定特異点やフックス群の保型関数の理論について書いてある2書を転記しながら熟読しました。

 専門書を懸命に読書している姿は,他人に見られたくなかったけど,病院の大部屋では見られてもしかたありません。

 そのうち私の変人ぶりを見て教授とか呼んで揶揄されていたらしいのですが気にはしていられません。

 これは私の最大の趣味でありライフワークなのですから。。。

 世界には食糧難や貧困に苦しみ,食べていくことがせいいっぱいの人がいっぱいいるのに,,こんな小市民的な趣味を持っている事自体が恥ずかしい,と思いましたが,とにかく自分は何故か幸せで飽食の国に生まれ,この趣味も性分ですから,仕方ありません。

 いずれ,罪滅ぼしをしようと思います。

 とにかく,普段ならネットや将棋など誘惑も多く,しかも専門書の蔵書だけでも自慢ではないけど千冊以上あるので目移りして集中できないのですが,気分転換に小説を読むことはあっても,専門書は2冊だけだったので眠れなかったこともあり,仕方なく集中して1冊半を読み退院前日にノルマと課していたものを読破して理解もしました。

 普通は,こうした転記しながら読むという作業では,1冊当たりに約3ヶ月かかるし数冊以上の参考書も必要なのですが,結局,小事にこだわらず参考書なしで入院30日で5ヶ月分くらいの作業ができたことになり,まさに「転んでも只では起きない=災い転じて福と成す」ということを実践できたと感じました。

 手術費,差額ベッド代などは2つの病院を合わせて,保険の3割で170万円余りでしたが,高額医療費は住んでいる北区から出るらしいので,とりあえずは,数十万円の出費で済みそうです。

 貯金がなく借金しかない私にはとても痛いのですが,今月中に支払うという約束をして退院しました。

 これはかきあつめれば何とかなりそうですが,残りの生活費がありませんから困ったものです。

 しかも,少なくとも3ヶ月間は激しい運動や労働をすると,胸骨が開いて元に戻らなくなるので,やってはダメだそうです。

 でも,とにかく命を長らえたのですから後はケセラセラですね。

 ところで私が入院している間に,この3月いっぱいでニフティのフォーラムというのが消滅したらしく「nifty物理フォーラムサブマネージャー」という私の肩書きははずさねばならないようです。

 もっとも,folomyというところで継続するという話を入院前のメールで聞いていたので,これから行ってみます。

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コメント

 どもShigeさん、TOSHIです。

 ご心配ありがとうございます。

 手術後の体力の消耗のため、長時間外出できない他は普通に暮らしています。

 室内ではまったく生活に支障はなく静養中で、当分仕事もしないので時間が余っているため、前のようにブログで科学記事を書いています。

 よかったらご鑑賞ください。

              TOSHI

投稿: TOSHI | 2007年4月27日 (金) 09時33分

TOSHIさん 退院おめでとうございます。
私はNIFTYフォーラムで10数年前おじさんが物理を勉強する場について質問をしたものです。その時1度お返事をいただきました。
まだコツコツと仕事、遊び、ビールの合間に考える日々です。
TOSHIさんのブログを見つけ、なつかしく拝見しておりましたが、入院ということでしばらくブログが更新されず、心配しておりました。まずはほっとしています。
よかった!!
これからも無理せずに頑張ってください。
かくれたる1ファンより。

投稿: Shige | 2007年4月26日 (木) 22時04分

 ども、kafukaさん、TOSHIです。

 次の記事のコメントも含めて以後よろしくお願いします。

              TOSHI

投稿: TOSHI | 2007年4月24日 (火) 13時57分

ご退院おめでとうございます。

コメント、ありがとうございました。
ブログ友達に、心臓の専門家がいます。
よろしかったら、のぞいてみてください。
http://blogs.yahoo.co.jp/suipelksa

投稿: kafuka | 2007年4月24日 (火) 07時40分

 お久しぶりです。murakさん、どうもお気遣いくださりありがとうございます。

 入院中は神経質な性格のため、大部屋では不眠症となり、毎晩、睡眠薬をもらって飲んでいました。

 退院して、これではいけないと思い、自力で眠ろうとしましたが、まだよく眠ることができなくて今、午前5時半頃ですが、起きて巡回しています。

 まあ、当分は昼間でもいつでも寝ていてよいので、そのうち眠くなると楽観して無理に眠ろうとするのはやめました。

 とにかく、無理はしないつもりです。

            TOSHI

投稿: TOSHI | 2007年4月24日 (火) 05時24分

退院(御生還)おめでとうございます。
お一人での入退院・養生は何かと大変かとお察し致しますが、まずは御無事で何よりでした。無理をなさらぬようお気をつけ下さい。

投稿: murak | 2007年4月24日 (火) 01時44分

 ども明男さん、ありがとうございます。

>余程の胆力の持ち主と畏敬致します。

 単にこういうことに「鈍感」なだけだと思います。(^^;)「まな板の鯉」という心境でした。。。

TOSHI

投稿: TOSHI | 2007年4月24日 (火) 00時33分

御無事で何よりでした。
端からは凄まじい経験と思えますが、淡々と受容されている姿勢には驚かされました。
余程の胆力の持ち主と畏敬致します。
僭越ですが、呉々も御自愛下さい。

投稿: 明男 | 2007年4月23日 (月) 23時54分

 T_.NAKAさん、耕士さん、なかたにさん。。。TOSHIです。

 まとコメで申し訳ないですが、ありがとうございます。

 昨日は大量の未読メールの処理やブログのジャンクの削除で大忙し、今日は区役所で「高額医療費の認定の申請(今月中でなければならない)」や未払いの料金の振込みなどで独り者の私は、入院でなまったために足や身体が動かなくても、無理にでも動かざるを得ないという始末でした。

 帰宅は午後9時過ぎになり、それからシャワーで胸の傷を洗ったりで、まだアクセスするひまもブログを書くひまもないという状況です。しかし明日(24日)は丸1日間安静にしているつもりです。

 自分が元気になることが皆様のご心配への感謝のしるし、になると思います。とにかくありがとうございます。

               TOSHI

投稿: TOSHI | 2007年4月23日 (月) 22時56分

とにかく無事に退院されて何よりです。安心いたしました。
入院中も「転んでもただでは起きない」という勉学姿勢にはひたすら脱帽です。久しぶりの記事もTOSHIさんの健在ぶりが感じられてうれしい限りです。すみやかなご全快をお祈りしております。

投稿: なかたに | 2007年4月23日 (月) 22時34分

ご退院おめでとうございます。
胸骨を切断して心臓の手術をされたのですね。骨がくっつくまでは無理なさらないでください。

私の消されてしまったコメントは、
・コメントが読まれるのは退院後だろうから、気が早いですが退院おめでとうございます。
・人生に意味があるかどうかは基準のとりかた次第なのでどうでもいい。
というような内容でした。

投稿: 耕士 | 2007年4月22日 (日) 22時24分

何はともあれ、ご退院おめでとうございます。

投稿: T_NAKA | 2007年4月22日 (日) 20時16分

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