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2007年5月 7日 (月)

量子化された場と調和振動子(パラ統計)

今日は,すぐ前の記事「スピンと統計の関係(微視的因果律)」に深く関わる「量子化された場と調和振動子」という論題について書いてみたいと思います。

 

1体の粒子を表わす確率波を共変的に記述する際,相互作用があると正負の振動が区別できなくなる状況になったりします。

 

そこで,状態関数のノルムを確率と解釈すると負振動部分の存在のために,確率が負になるという矛盾が生じたり,負振動部分は負エネルギーに対応するので物理的ではない,

 

など幾つかの解釈上の困難の原因となるにも関わらず,これら負の振動部分を単に捨て去っていいわけではないことがわかります。

 

かつて,2006年8月8日のブログ記事「負エネルギー解と相対論的因果律 」では,逆に負振動部分を捨て去ると以下に述べる問題が生じることの証明を書きました。

 

すなわち,西島和彦氏が著わした「相対論的量子力学」(培風館)においても指摘されていることですが,

 

"波動方程式の正負の振動数の重ね合わせから成る解から,単に「負振動数=負エネルギーの部分」を捨てたものが粒子を表わす物理的波動であると解釈して負振動部を捨てると.相対論的因果律が破れてしまう。"

 

という問題です。

 

さらに,一般に相互作用がある場合には,1体の粒子という描像そのものが必ずしも適切なものではなく,粒子の吸収,放出や崩壊などの現象,あるいは生成や消滅といった現象を扱う必要が出てきます。

 

こうして,粒子の生成,消滅をも含むことができるように,相対論的量子論の理論の枠を広げておく必要性が出てきます。

 

その際には,もちろん負振動数にまつわる困難も回避できた方が望ましいわけですが,幸いにして既に「場の量子論」というこれにぴったりの理論があります。

 

そして,「この理論=場の量子論」の場合でも,相互作用が終わって十分時間が経てば,1体の自由粒子として運動するという描像は成り立ちます。

 

それらの自由粒子の波動場を記述する方程式がPoincare'群の既約表現に対応して決まる,という考え方はそのまま成り立ちます。

 

量子化された場というのは,電場や磁場などと同じく,単純にそれら自身を確率振幅として採用することはできませんが,

 

それら電磁場と同じ様に,現実に時空間に実在する"粒子の波=物質波"が,時空点の関数として表わされて,それを粒子に付随した「局所場の演算子」として表現したものです。

 

話を簡単にするため,質量がゼロではなく有限な値:m>0 を持つ粒子のみを考察します。

 

相互作用のない自由粒子の場合には,スピンがゼロの粒子場:

U(x)は,時空点の関数としてKlein-Gordon方程式:

(∂μμ-m2)U(x)=(□-m2)U(x)=0 を満足し,

 

スピンがn/2(n≧1でnは奇数,または偶数)の粒子場:

ψ[μ1μ2..]n(x)は,Bergman-Wigner方程式:

(iγμ(j)μ-m[μ1μ2..]n(x)=0 (j=1,2,..n) 

に従うとします。

 

そして,場の量子化(第2量子化)という操作は,

これらU(x)やψ[μ1μ2..]n(x)を量子論的な演算子(作用素)

と見なすこと,

  

それ故xの関数としては,ある種超関数的なものとして

理解することです。

 

そして,例えばスピンがゼロの粒子場U(x)が満たす波動方程式は,

 

全系のエネルギーがHamiltonian:Hで与えられるときの

量子論の基本方程式であるHeisenbergの運動方程式:

 

i∂U(x)/∂t=[U(x),H]

に一致すると考えられます。

 

 

※(注):Heisenbergの運動方程式はNoetherの定理からの1つの帰結:

 

"時間軸原点の平行移動に対して理論が不変であるという対称性(時間の一様性)からエネルギーHの保存法則が得られる。"という一般原理を

 

量子論における表現として時間の平行移動に関わる生成子Hで表わした

ものに相当します。(注終わり)※

 

ただし,この記事ではA,Bの交換子を[A,B]≡AB-BAなる記号で表わします。

 

もちろん,スカラーだけではなく,スピノルや,ベクトル,テンソルの場を表わすψ[μ1μ2..]n(x)についての波動方程式も,Hで表現すると,

 

Heisenbergの運動方程式: i[∂ψ[μ1μ2..]n(x)]/∂t

=[ψ[μ1μ2..]n(x),H]に一致すると考えることができます。

 

ここで,H≡∫d3(x)で定義されるエネルギー密度(x)が存在するとすれば,相対論的微視的因果律の要請によって,

 

"(x-y)20 (空間的:space-like)に離れている)なら,

[U(x),(y)]0 である。"

 

が成立するべきです。

  

これは"局所的なエネルギー密度が意味を持つ"という考えに基づくものですから「局所性の条件」とも呼ばれるべきものです。

 

簡単のために,自由場としてのU(x)を考え,それを正振動数部分U(+)(x)と負振動部分U(-)(x)に分解します。

 

すなわち,U(x)=U(+)(x)+U(-)(x)とします。

  

(+)(x)≡∫d3{(2π)-3/2(2ωk)-1/2}ei(x-ωkt)(),

(-)(x)≡∫d3{(2π)-3/2(2ωk)-1/2}e-i(x-ωkt)+()

です。

 

時空座標のLorentz変換:xμ'=Λμννをx'=Λxと書くと,

(x)はスカラー場なので,変換性がU'(x)=U(Λ-1)であること

より,

 

(),B()の変換性は,

A'()=A(Λ-1),B'()=B(Λ-1)で与えられる

ことがわかります。

 

ここで,記号Λ-1は,k=(k0,)に対するΛ-1kの空間部分を

表わしています。

 

Heisenbergの運動方程式:i∂U(x)/∂t=[U(x),H]は,

任意のxμに対して成り立ち,しかも明らかに,

dH/dt=[H,H]0 でもありHは運動の恒量です。

 

そこで,この運動方程式から,ωk()=[A(),H],

ωk()=[B(),H]が得られます。

 

それ故,エネルギーHの固有値Eに属する固有状態を|E>と書くと,

A()|E>,B()|E>もHの固有状態であり,これらの固有値は

共に (E-ωk)です。

 

また,方程式の両辺のHermite共役を取って,

-ωk+()=[A+(),H],-ωk+()=[B+(),H]

も成立します。

 

前と同様,A+()|E>,B+()|E>もHの固有状態ですが,

これらの固有値は今度の場合は,共に(E+ωk)となります。

 

つまり,A+()とB+(),またはA()とB()は,それぞれHの固有値をωkだけ増加,または減少させることがわかります。

 

その意味でA+()とB+()を生成演算子,A()とB()を消滅演算子と呼ぶことにします。

 

また,"真空=エネルギー準位が最低の状態"を|0>と書けば,この最低レベルという真空の定義によって,A()|0>=B()|0>=0 が満たされる必要があります。

 

これらのことから,U(x)の量子化というのは,実は,

これを異なるに対応する無限個の調和振動子の集まりと解釈することを意味すると考えられます。

 

スピンがゼロとは限らない一般の粒子場:ψ[μ1μ2..]n(x)についても,

それの量子化から今のωk()=[A(),H]k()

=[B(),H]によく似た式が得られます。

 

したがって,調和振動子の量子論を分析することが全ての種類の量子化された場の基本構造を論じることになります。

 

最も簡単な場合の古典的な1次元調和振動子:d2/dt2=-ω2xの量子論を考察します。

 

量子論ではxは1つのHermite演算子と考えます。さらに,方程式を2つに分解して,dx/dt=ωp,dp/dt=-ωxとします。

 

HamiltonianHの存在を仮定するとこれらがHeisenbergの運動方程式:

i(dx/dt)=[x,H]-,i(dp/dt)=[p,H]

に一致すべきなので,iωp=[x,H],-iωx=[p,H]

となります。 

 

そこで,a^≡(x+ip)/√2,a^(x-ip)/√2と置けば,

ωa^=[a^,H]-,および-ωa^+[a^+,H]なるよく知られた

調和振動子の量子論での運動の表現が得られます。

 

これらは,一見しただけで,それぞれωk()=[A(),H],

ωk()=[B(),H],および-ωk+( )=[ A+( ), H],

-ωk+()=[B+(),H]に対応することは明らかです。

 

したがって,A(),B()はそれぞれのに応じ1組の調和振動子を記述していることになります。

 

しかも,は無限個の値を取り得るのでωk()=[A(),H],

ωk()=[B(),H]を満足するA(),B()が無限個の

調和振動子の系であることがわかります。

 

そして,「場の量子論において生成,消滅演算子を記述するA+(),B+()とA(),B()に対応する1次元調和子a^+,a^の性質としては,

 

取り合えずωa^=[a^,H]と-ωa^+[a^+,H]が成立しさえ

すれば十分です。

 

通常の量子力学のように,xとpの間に正準交換関係:[x,p]=i

が成立することを初めから仮定する必要はありません。 

 

ここでのx,pは2階方程式を1階方程式にするために導入された補助変数に過ぎないわけで,ここでのpに,特にxを位置座標の演算子と考えたときの運動量というイメージを付与する必要はないことに注意すべきです。

 

そして,方程式ωa^=[a^,H],-ωa^+[a^+,H]は形式的には

da^/dt=-iωa^,da^+/dt=-iωa^+を示しています。

 

Hが運動の恒量:dH/dt=0 であることから,これは

(a^+)a^,または,a^(a^+)(m,n=1,2,..)の関数で与えられるだろうと考えられます。

 

しかし,これだけではあまりにも一般的過ぎてこれ以上の議論を進めていくことがむずかしいので,Hの具体的な形はa^+,a^の2次形式で与えられるという最も簡単な場合を想定します。

 

すなわち,HとしてはH=HA≡(ω/2)[a^+,a^],

またはH=HS≡(ω/2)[a^+,a^]であるとします。

 

ただし,[A,B]≡AB+BAは反交換子を表わす記号です。

 

しかし,これでも以下で示すように多くの解が存在します。

 

まず,H=HA≡(ω/2)[a^+,a^]の場合:

 

ωa^=[a^,H],-ωa^+[a^+,H]は,それぞれ

2a^=[a^,[a^+,a^]],-2a^+[a^+,[a^+,a^]]

となります。

 

ところで,この式は回転群の生成子の満たす式と同一であること

に気付きます。

 

すなわち,3次元回転群では[Si,Sj]=iεijkkですが,

これはS(±)=S1±iS2と置いたとき,交換関係:

[S(+),S3]=-S(+),[S(-),S3]=S(-)を満たします。

  

そこで,a^+をS(+)に,a^を(-)に,そして(1/2)[a^+,a^]をS3

対応させることで,a^,a^+系はa^+,a^,(1/2)[a^+,a^]を独立

な3個の生成子とする回転群と同じ構造を持つことがわかります。

  

これによって,回転群の既約表現からa^の示す行列要素が容易に

わかります。

 

すなわち,全ての既約表現は'角運動量'がr/2 (r=0,1,2,..)に対応する(r+1)次元表現で与えられます。

 

そして,H=HA ≡(ω/2)[a^+,a^]はωS3に対応していて,

負でない整数rが決まっているとき,

 

3は-r/2,-r/2+1,..,r/2-1,r/2という(r+1)個

の固有値を取りますから,H=HA の取り得る固有値はそれらの

ω倍になります。

  

それ故,最低固有状態を|0>とすれば,a^|0>=0,H|0>

(ωr/2)|0>となるはずです。

 

また,|n>≡(a^+)n|0>とすれば,

a^+|n>=[(r-n)(n+1)]1/2|n+1>,

a^|n>=[n(r-n+1)]1/2|n-1> 

となります。

 

ところで,これによれば,a^+|r>=0 となりますから,

|0>にa^+を次々に作用させてエネルギーをωずつr個まで生成

させることはできても,(r+1)個以上の生成は不可能です。

 

特に,r=1の場合は,真空|0>から生成されるωは高々1個です。

このとき,この調和振動子は1次元のFermi統計に従うといいます。

 

a^+|n>=[(r-n)(n+1)]1/2|n+1>,

a^|n>=[n(r-n+1)]1/2|n-1>は,

a^+|0>=|1>,a^|1>=0,a^|1>=|0>

に帰着します。

 

これとa^|0>=0,H|0>(ω/2)[a^+,a^]|0>=-(ω/2)|0>

を合わせると,よく知られた[a^,a^+]=1,(a^+)2=a^20 なる

関係が得られます。

 

なお,r=0 は回転群の1次元表現に対応しますが,

この場合はa^|0>=a^+|0>=0 で恒等的にa^=a^+0 なので,

調和振動子そのものが無くなり系に物理的な意味がありません。

 

次に,H=HS≡(ω/2)[a^+,a^]の場合はωa^=[a^,H],

-ωa^+[a~+,H]は,それぞれ 2a^=[a^,[a^+,a^]],

-2a^+[a^+,[a^+,a^]]となります。

 

このとき,任意の状態:|ψ>のエネルギー期待値は

<ψ|HS|ψ>=(ω/2)[|a^|ψ>|2|a^+|ψ>|2]≧0

を満足しますから,エネルギー期待値は常に非負です。

 

すなわち,行列は正値ですからωa^=[a^,H]によって

消滅演算子a^の作用でエネルギー固有値はωずつ減少するにも

関わらず,固有値が最低の状態|0>が存在して最低固有値(ω/2)r'

は非負です。

 

すなわち,a^|0>0 ,H|0>(ω/2)'|0> (r'≧0)と表わすことができます。

 

a^|0>0,H|0>(ω/2)'|0>,H=HS≡(ω/2)[a^+,a^]

なので,a^a^+|0>'|0>です。

 

ここでもr'=0 の場合は,恒等的にa^=a^+0 となって物理的意味がないと考えられるので,以下ではr'>0 とします。

 

2a^+[a^+,[a^+,a^]]よりa^(a^+)2=(a^+)2a^+2a^+

であり,a^|0>0,a^a^+|0>r'|0>なので,

 

Sa^+|0>=(ω/2)('+2)a^+|0>,HS(a^+)2|0>=(ω/2)('+4)(a^+)2|0>,..,HS(a^+)n|0>=(ω/2)('+2n)(a^+)n|0>

となります。

 

このことから,H=HS の固有状態は常に(a^+)n|0>という形に書けて,その固有値はω(n+r'/2)であることがわかります。

 

ここで,質量の平方が負のタキオン(tachyon)という超光速の仮想的粒子を記述する3次元Lorentz群O(3,1)の生成子≡{H(+),H(-),H0}を思い起こします。

 

すると,(1/2)(a^+)2をH(+)に,(1/2)a2をH(-)に,そして(1/4)[a^+,a^]をH0に対応させることにより,このモデルの系の交換関係が上記3次元Lorentz群の生成子のそれと一致することがわかります。

 

これによって計算される行列要素については,結果だけ書くと,

a^+|n>=(n+r')1/2|n+1>(nが偶数),

a^+|n>=(n+1)1/2|n+1> (nが奇数),および,

 

a^|n>=n1/2|n-1>(nが偶数),

a^|n>=(n-1+r')1/2|n-1>(nが奇数)

 

となります。

 

それ故,[a^,a^+]|n>=r'|n>(nが偶数),

[a^,a^+]|n>=(r'-2)|n>(nが奇数) となります。

  

ただし,r'=1のときのみ,nが偶数,奇数であるに関係なく

[a^,a^+]1とすることができます。

 

このときには,系は1次元のBose統計に従うといいます。

 

ここで,x=(a^+a^+)/√2,p=i(a^+-a^)/√2で与えられる

xやpをその記号通りに位置や運動量と見なすことはできません。

 

もし,文字通りにこれらを位置,運動量とみなすなら,座標原点の取り方を変えてもxとpの関係式は不変でなければなりませんが,

 

これが満たされるものは,2a^=[a^,[a^+,a^]],

-2a^+[a^+,[a^+,a^]]に従うものの中には存在しません。

 

2a^=[a^,[a^+,a^]],-2a^+[a^+,[a^+,a^]]に従うも

の中で[x,p]=iという通常の正準交換関係:([a^,a^+]=1に相当)を満たすものに限られることがわかります。

 

調和振動子のエネルギーの単位ωが添字nを付けたωnで与えられる

ような多数の調和振動子の系についても,以上の議論を一般化するこ

とができます。

 

実際の量子化された場は無数の調和振動子の系から成っているわけですからそうした扱いが必要ですが,内容は本質的に1つの1次元調和振動子の話と変わらないと思われるので割愛します。

 

ただ,Fermi統計やBose統計はrやr'を1とした特殊解であって,上述のような一般の1よりも大きいr,r'に対して生成・消滅演算子が要求される交換関係を満たす場合の解は,

 

order:rのPara-Fermi(パラ・フェル)ミ統計,あるいはorder:r'の

Para-Bose(パラ・ボーズ)統計に従う,あるいは,総称してパラ統計に

従うといいます。

 

参考文献:大貫義郎 著「ポアンカレ群と波動方程式」(岩波書店)

 

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

 

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コメント

すいません。
そうなんですか!!

僕は、大学1,2年向きのHowTo本しか、
読んでなかったもので、、、

こんど、近くの大学の図書館で、
いろいろ、調べてみます。

投稿: kafuka | 2007年5月13日 (日) 16時12分

 どもkafukaさん、こんにちは。。。

>本当は、p^=-ih~∂/∂x+αなのかも知れないという気がしてきました。

 いや、これは私が発案したオリジナルではなくて、ディラックの「量子力学」にも載っている有名な式なんですよ。

 確か、ディラックもこうした、無数にある座標表示での運動量の表現からα=0のものを採用しても一般性を失わないとかでp^=-ih~∂/∂xとしたのじゃなかったっけ?

 あと「量子力学の数学的構造」などでは、この表現には大そうな名前がついていて、異なるαに対する表現の同等性の証明などがかなり真剣に論じられているはずです。

            TOSHI

投稿: TOSHI | 2007年5月13日 (日) 05時48分

「正準交換関係」に頂いたコメントですが、

本当は、p^=-ih~∂/∂x+αなのかも知れないという気がしてきました。
αが、-∞から+∞の重ね合わせなので、打ち消しあって観測にかからない
(というか 相互作用に影響しない)とも考えられますから。
ほかに、どんな演算子が考えられますか?

投稿: kafuka | 2007年5月12日 (土) 14時10分

 ども、kafukaさん、コメントありがとうございます。TOSHIです。

>ご訪問、コメント、ありがとうございます。

 実は、ちょくちょくお邪魔しています。T_NAKAさんのブログと同様、私がコメントできることがあれば、気紛れですが以後もコメントすると思います。

>正準交換関係を前提としなくても、
量子化できるんですね。

 そうですね。xとp(位置と運動量)は正準交換関係[x,p]=iを満足する必要がありますが、「生成演算子a^+や消滅演算子a」は必ずしも、正準変数xとpを用いて、a^+=(x-ip)/√2,a=(x+ip)/√2で定義されたものと考える必要はない、という意味です。

 あるいはx=(a+a^+)/√2, p1=-i(a-a^+)/√2でxとp1を定義したとき、p1は単に「調和振動子」の満たすべき2階微分方程式を連立1階方程式にするための便宜上のパラメータですから、必ずしもp1を運動量pと同一視する必要はないという、意味です。

>ところで、僕の質問で、甘泉法師様が主張しておられること、どうなのでしょう?
>僕は、筋が通っていると思うのですが、、、
>(δ関数は、積分した形で議論しないといけないとは、思いますが)

 そうですね。実は最初は少し読んでいたのですが、「立腹云々」と感情的と思われる文言が出てきたので、最近は、あまりよく読んでいませんから、よくわかりません。

 一応、「量子の部屋」は任されているので、そのうち、気が向いたら、じっくり読むかもしれません。

 自然科学ですから、結局のところ、白黒ははっきりしていると思うので自己主張の一方通行でなく、間違っていると自覚したなら素直に認めて、冷静な対応をされることを、「甘泉法師」さんと「はんどる」さんには期待しています。

             TOSHI

投稿: TOSHI | 2007年5月 8日 (火) 11時04分

ご訪問、コメント、ありがとうございます。
TOSHI様にコメント頂けるとは、光栄です。
記事は、ごく一部しか理解できませんが、
正準交換関係を前提としなくても、
量子化できるんですね。
(早とちりかな-T_NAKA様におこられる~)
ところで、僕の質問で、甘泉法師様が主張しておられること、どうなのでしょう?
僕は、筋が通っていると思うのですが、、、
(δ関数は、積分した形で議論しないといけないとは、思いますが)

投稿: kafuka | 2007年5月 7日 (月) 22時13分

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