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2007年5月 4日 (金)

複素数に対する算術幾何平均2

 同じ話題ばかりでなく別の話題も取り上げたいところですが,こんな中途半 端なところで中断したのでは収拾つかなくなるので,話を続けます。

 前記事では,Jacobiのテータ関数まで持ち出して, 

"(1)k'(τ)≡p2(τ)/q2(τ)とするとき,k'(τ)=b/aとなる

τで,Imτ>0 なるものが存在すれば,そのτに対する

μ≡a/p2(τ)は,M(a,b)の1つの値を与える。

 

そして,これはよい数列:an=μp2(2nτ),bn=μq2(2nτ)の共通の

極限になっている。"

 

ということを証明しました。

 

そこで,今回は,

 

'(τ)=b/aとなるτでImτ>0 なるものが存在すれば,

という前提,"(2)与えられたa,bに対して,k'(τ)=q2(τ)/p2(τ)

=b/a,Imτ>0 なるτが存在する。こと"

 

を証明します。

 

ただし,p(τ),q(τ)は先に定義したJacobiのテータ関数です。

 

そして,以後の方針としては,これを証明した後,まず,

 

"ある変換群(実はFuchs群)に属する変換Tに関してk'(τ)は

保形関数(保型関数)であること,すなわち,b/a=k'(τ)

=k'(Tτ)なること"

 

を証明します。

 

それによって,結局a,bの算術幾何平均;M(a,b)=μ≡a/p2(τ)

は,a/p2(Tτ)なる形で与えられる全ての値を取ることが可能なこと

がわかります。

 

そこで,1組のa,bに無数に多くの算術幾何平均:M(a,b)が対応する

ことが示されるため,M(a,b)はa,bの多価関数である,

ということになります。

 

さらに,M(a,b)が取り得る全ての値を与えることもできます。

 

さて,まずは,"(2)k'(τ)=q2(τ)/p2(τ)=b/a,Imτ>0 なるτ

が存在すること"から証明しましょう。

 

結論からいうと,

 

"k'2(τ)=q4(τ)/p4(τ)は複素τ平面のImτ>0

の上半平面の-1<Reτ≦1の領域から,中心が(±1/2,0)にあり半径

が1/2の2つの半円の領域|τ±1/2|≦1/2を除いた全領域において,

0と1を除く全ての値を唯一回だけ取ること"

 

が示されます。

 

(※↓ 上記に詳細述べられた基本領域を下に図示します。)

 

 その結果a≠0,b≠0,a/b≠-1 の各a,bに対し,

k'(τ)=b/a,またはk'(τ)=-b/a,かつImτ>0

を満たすτが存在することが示されます。

 

そして,k'[τ/(2τ+1)]=-k'(τ)なる等式が成り立つことを示す

ことから,上記の問題:"(2)k'(τ)=q2(τ)/p2(τ)=b/a,Imτ>0

なるτが存在する。"という命題が肯定的に解決されます。

 

この前半の証明をGaussがどのようにして行ったかは不明なのですが, 

現在であれば,

 

"f(τ)が閉曲線Cの内部で有理型の関数であるなら,

この領域でf(τ)=cを満たす点τの数とf(τ)の極の数の差は

[1/(2πi)]∫C[{df(τ)/dτ}/{f(τ)-c}]dτに等しい。"

 

という複素関数論の「Rouche(ルーシェ)の定理」を使って証明できる,

と参考文献には書いてありました。

 

Roucheの定理は,(df/dτ)/(f-c)が,log(f-c)のτによる微分係数であることから,これが成立することは,ほぼ自明です。

 

そして,∫C(dk'2/dτ)/(k'2-c)dτ

=∫C[d{log(k'2-c)}/dτ]dτ

=∫C[d{log(q4-cp4)}/dτ]dτ-4∫C [d(logp)/dτ]

です。

 

p(τ),q(τ)は零点は持つけれど極は持たないので,Roucheの定理から,    (k'2(τ)=q4(τ)/p4(τ)=cとなるτの個数)

=({1/(2πi)}∫C[d{log(q4-cp4)}/dτ]dτ

-(p(τ)の零点の個数)×4)

ということになります。

 

p(τ)の無限積表示によれば,p(τ)はImτ>0 には零点を持ちません

から,結局,k'2(τ)=q4(τ)/p4(τ)=cとなるτの個数

={1/(2πi)}∫C[d{log(q4-cp4)}/dτ]dτです。

 

この右辺が,Imτ>0 (|q|<1)で,-1<Reτ≦1 (q=exp(iπτ)の偏角θ≡πτが-π<θ≦πで1価),かつ|τ±1/2|>1/2(|τ|2>±Reτ)の範囲で丁度1に等しい,ことが証明できればいいのですが,残念ながら今のところ,いくらトライしてもうまく証明できません。

 

しかし,楕円テータ関数の公式がのっている文献では,

"k'(τ)=q2(τ)/p2(τ)=b/a,Imτ>0 なるτが存在する。"

というのは,既に明確な事実のようです。

 

ここでは,k'2(τ)=q4(τ)/p4(τ)は-1<x≦1の領域から中心が

実軸上(±1/2,0)にある,半径1/2の2つの半円領域|τ±1/2|≦1/2を

除いた全領域において,0,1を除く全ての値を唯一回だけとる

 

という命題が正しいと認めます。

 

したがって,a≠0,b≠0,a/b≠-1なるa,bに対しk'(τ)=b/a,

またはk'(τ)=-b/a,Imτ>0 を満たすτが存在することは証明

できたとして先に進み,

 

次に"(3)Imτ>0 のときk'[τ/(2τ+1)]=-k'(τ),かつ

Im[τ/(2τ+1)]>0 "なる等式を証明します。

 

まず,τ/(2τ+1)=τ(2τ*1)/|2τ+1|2

(2|τ|2+τ)/|2τ+1|2 故,Imτ>0 なら

Im[τ/(2τ+1)]>0 です。

 

そして,テータ関数の無限級数表示から,p(τ+1)=q(τ),

q(τ+1)=p(τ),そしてr(τ+1)=exp(iπ/4)r(τ)

となることがわかります。

 

また,Jacobiの虚数変換の公式から,p(-1/τ)=(-iτ)1/2(τ),

q(-1/τ)=(-iτ)1/2(τ),r(-1/τ)=(-iτ)1/2(τ)

です。

 

それ故,τ1=-1/τ,τ2=τ12,τ3=-1/τ2とおけば,

τ3=-1/(τ12)=-1/[-(1/τ)-2]=τ/(2τ+1)

となります。

 

k'(τ3)=q23)/p23)=q2(-1/τ2)/p2(-1/τ2)

=r22)/p22)=r212)/p212)

=-r21)/p21)=-r2(-1/τ)/p2(-1/τ)

=-q2(τ)/p2(τ)=-k'(τ)

 

得ます。

 

これで,k'(τ)=-b/aのときにも,k'[τ/(2τ+1)]=-k'(τ)

=b/aとなり,k'(τ)=q2(τ)/p2(τ)=b/a,Imτ>0 なるτ

の存在がわかりました。

 

次には,上の命題を成立させるような全てのτを求めます。

  

そのために,まず,次の命題を証明します。

 

(4)α,β,γ,δ∈,αδ-βγ=1,α≡δ≡1 (mod 4),

β≡γ≡0 (mod 2)ならp2[(ατ+β)/(γτ+δ)]

=(γτ+δ)p2(τ),q2[(ατ+β)/(γτ+δ)]

=iγ(γτ+δ)q2(τ)が成り立ち,

 

したがってk'[(ατ+β)/(γτ+δ)]

=iγ'(τ)が成り立つ。

 

これが示されれば,(4)の条件の他にγ≡0 (mod 4)なら,

k'[(ατ+β)/(γτ+δ)]=k'(τ)となることがわかります。

 

では,これの証明にトライします。

 

ΓをSL(2,Z)の部分群とし,α,β,γ,δ∈に対して

11=α,a12=β,a21=γ,a22=δなる4つの成分を持つ2行2列

の行列をA=(aij)として,Γ'≡{τ→(ατ+β)/(γτ+δ)|A∈Γ}

とおきます。

 

変換の集合Γ'はΓにおいて行列A∈Γと-A∈Γとを同一視したものと

同型な群になります。そこで,Γ'≡Γ/{±}と書くことにします。

 

これは,τ→(ατ+β)/(γτ+δ)という準同型な変換の核が{±1}であるという事実に群の準同型定理を適用しただけです。

 

ここで,α,β,γ,δ∈に対してSL(2,)の階数pの合同変換群:

{A∈SL(2,)|A≡I(単位行列)(mod p)}をΓ(p)と書くことに

します。

 

そして,Γ(2)0{A∈Γ(2)|α≡δ≡1(mod 4)},Γ2(4)={A∈Γ(2)0|γ≡0 (mod 4)}と定義します

Γ(2)0はΓ(2)の,Γ2(4)はΓ(2)0の部分群であることは明らかです。

このとき,まず,"(ⅰ)Γ(2)/{±}に属する1次分数変換は複素τ平面の実軸を実軸に上半平面を上半平面に写す。"ことを示します。

 

A∈Γ(2)でα,β,γ,δ∈ですから,τ∈なら明らかに(ατ+β)/(γτ+δ)∈であり,逆に(ατ+β)/(γτ+δ)∈ならA-1よりτ∈ですから,確かに実軸を実軸に写します。

 

一方,(ατ+β)/(γτ+δ)=(αγ|τ|2+αδτ+βγτ*+βδ)/|γτ+δ|2となり,αδ-βγ=1より,Re[(ατ+β)/(γτ+δ)]=[αγ|τ|2(2αδ-1)Reτ]/|γτ+δ|2,Im[(ατ+β)/(γτ+δ)]=Imτ/|γτ+δ|2です。

 

そこで,Imτ>0 ならIm[(ατ+β)/(γτ+δ)]>0 です。

 

もちろん,A-1∈Γ(2)なので,Im[(ατ+β)/(γτ+δ)]>0

→Imτ>0 も成立すしますから,Γ(2)/{±}は上半面全体を

上半面に写します。(以上)

 

次に,"(ⅱ)Uτ≡τ+2,Vτ≡τ/(2τ+1)によって,

Γ(2)/{±}に属する2つの変換UとVを定義すると

Γ(2)/{±}はこのUとVとで生成される。

 

"ことを証明します。

 

1t(1,0),2t(2,1)として,U≡(1,u2),1t(1,2),2t(0,1)

によって,V≡(1,v2)と行列表現するとき,Γ(2)がUとVと-I

で生成される,すなわち,Γ(2)が±Uと±Vで生成されることを示せば

いいということになります。

 

これらの行列を用いてその積を計算すると,(±U)a(±V)bτ

(±1)a+b[(1+4ab)τ+2a]/(2bτ+1)∈Γ(2),(±V)c(±U)dτ=(±1)c+d(τ+2d)/[2cτ+(1+4cd)]∈Γ(2)です。

 

±2a≡±2b≡±2c≡±2d≡0 (mod 2),1+4ab≡1+4cd≡1(mod  4)≡1≡-1 (mod 2),-1-4ab≡-1-4cd≡3 (mod 4)≡1≡-1 (mod 2)で偶数,奇数の全ての可能性を尽くしています。ただし,a,bやc,dは正,負,ゼロのあらゆる整数を示しています。

 

よって,(±U)a1(±V)b1(±U)a2(±V)b2...(±V)bnはΓ(2)の部分群となっており,a1b1a2b2...UanbnはΓ(2)/{±}の部分群をつくることがわかります。

 

β≡γ≡0 (mod 2)なのでβ=2ℓ,γ=2mとすれば,条件αδ-βγ=1によってαδ=4ℓm+1です。

 

またα≡±1 (mod 2),δ≡±1(mod 2)ですから,α≡1,3 (mod 4),δ≡1,3 (mod 4)のうちで,α≡δ≡1 (mod 4),またはα≡δ≡3 (mod 4)です。

 

すなわち,α≡δ≡±1(複号同順)の場合(つまり,α=4p±1,β=4q±1(複号同順)の場合)のみが許されます。

 

したがって,こうしたα,β,γ,δのΓ(2)の元は全て,

±Ua1b1a2b2..Uanbnなる形で表現されます。

 

つまり,Γ(2)/{±}はUとVで生成されることが示されました。(以上)

 

そして,これに基づいて,"(ⅲ)Imτ>0,-1<Reτ≦1の領域から中心が

実軸上(±1/2,0)にある半径が1/2の2つの半円領域:|τ±1/2|≦1/2

を除いた全領域をFとするとき,∀τ∈F,∀T∈Γ(2)/{±}

(ただしT≠I)についてTτはFの元ではないこと,

 

そして,一方,τをImτ>0 なる複素平面上の任意の点とすればTτ∈FとなるようなT∈Γ(2)/{±}が必ず存在すること。"

 

(保形関数の用語を使えば,"Fはこの変換群Γ(2)/{±}の基本領域であるということ。") を証明します。

 

(ⅱ)によって∀T∈Γ(2)/{±}はU±1:U±1τ=τ±2と

±1±1τ=τ/(±2τ+1)の複数個の積として与えられます。

  

T=U±1のとき,τ∈Fなら1<Reτ≦1ですから,Re(τ+2)>1,Re(τ-2)≦-1より,Tτ=U±1τはFの元ではありません。

 

一方,T=Vのとき,|Tτ±1/2|21/4=|Tτ|2±Re(Tτ)で

|Tτ|2|τ|2/|2τ+1|2,Re(Tτ)=[2|τ|2Re(τ)]/|2τ+1|2,

 

Im(Tτ)=Imτ/|2τ+1|2より|Tτ±1/2|2

1/4=[(1±2)|τ|2±Re(τ)]/|2τ+1|2  です。

 

τ∈Fなら,Imτ>0 よりIm(Tτ)>0 であり,±1/2|21/4より|τ|2±Re(τ)>0 ですから,|Tτ-1/2|21/4=[-|τ|2Reτ]/|2τ+1|20,つまり|Tτ-1/2|<1/2です。

 

よって,Tτ=VτはFの元ではありません。(ちなみに,|Vτ+1/2|21/4=[3|τ|2Reτ]/|2τ+1|2) 

 

同様に,T=V-1のときは,|Tτ+1/2|<1/2が得られるので,やはり

Tτ=V-1τはFの元ではありません。(ちなみに|V-1τ-1/2|21/4=[3|τ|2Reτ]/|2τ-1|2) 

 

そして,τがFの元ではないとき,もしm-1<Re(τ)≦m+1(m≠0)なら

T≡U-mτと置けば,-1<Re(Tτ)≦1とすることができます。

 

一方,-1<Re(τ)≦1ですが,|τ-1/2|≦1/2のときは|V-1τ-1/2|21/4=[3|τ|2Re(τ)]/|2τ-1|2なので,あるk≧1が存在して[3|V-kτ|2Re(V-kτ)]>0 とできます。

 

つまり,|V-kτ-1/2|>1/2とできます。

 

同様に,-1<Re(τ)≦1ですが|τ+1/2|≦1/2のときは,

あるℓ≧1が存在して,|Vτ+1/2|>1/2とできます。

 

 かくして,τがFの元でないとき,U,U-1,V,V1の適当な複数個の積

の組み合わせによって作られる変換T∈Γ(2)/{±}を用いてTτ∈F

とすることができます。

 

 ということは,τ∈FについてTの作用によってTτがFの元でなくなっても,さらに何度かの作用によってTτ∈Fとなることがあるわけですが,

 

 結局,それはトータルとしての変換が恒等変換Iに一致するときしか有り得ないことは自明です。(以上)

 

 というわけで,次に"(ⅳ)(ⅱ)によって,∀T∈Γ(2)/{±}を

T=U1122..Unn,(ak,bk∈Z)と表現したとき,

 

 Tτ=(ατ+β)/(γτ+δ)なら,p2(Tτ)=(γτ+δ)p2(τ),

2(Tτ)=(-1)Σbi(γτ+δ)q2(τ)である。"

 

 という命題を証明します。

 

 Uτ=[τ/(2bτ+1)]+2aですが,p(τ+2a)=p(τ),

p[τ/(2bτ+1)]=p[(-1)/{(-1/τ)-2b}]

=(-i)1/2{(-1/τ)-2b}1/2[(-1/τ)-2b]

=(-i)1/2(-i)1/(-1)1/2(2bτ+1)1/2(τ)

=(2bτ+1)1/2(τ)となります。

 

 したがって,p[{τ/(2bτ+1)}+2a]=(2bτ+1)1/2(τ),

そして{τ/(2bτ+1)}+2a={(4ab+1)τ+2a}/(2bτ+1)

です。

 

そこで,1τ+β1)/(γ1τ+δ1)=U22..Unnに対して,

[(α1τ+β1)/(γ1τ+δ1)]=(γ1τ+δ1)1/2(τ)が成り立つ

と仮定して,Tτ=U111τ+β1)/(γ1τ+δ1)とすると,

 

p(Tτ)=p({(α1τ+β1)/(γ1τ+δ1)}/[2b1{(α1τ+β1)/(γ1τ+δ1)}+1]+2a1)=[2b11τ+β1)+(γ1τ+δ1)}1/2(τ)

を得ます。

 

よって,帰納法でp2(Tτ)=(γτ+δ)p2(τ)が得られました。

 

一方,q(τ+2a)=q(τ),q[τ/(2bτ+1)]

=q[(-1)/{(-1/τ)-2b}]

=(-i)1/2{(-1/τ)-2b}1/2[(-1/τ)-2b]

=(-i)1/2{(-1/τ)-2b}1/2(-i)b(-1/τ)

=(-i)b(2bτ+1)1/2(τ) となります。

 

そこでq(Uτ)=(-i)b(2bτ+1)1/2(τ)です。

 

そして再び帰納法によって,q2(Tτ)=(-1)Σbi(γτ+δ)q2(τ)

を得ます。(以上)

 

"(ⅴ)特にTτ=(ατ+β)/(γτ+δ)において,α≡δ≡1なら

2Σbi≡γ (mod 4)である。"を示します。

 

τ=[τ/(2bτ+1)]+2a={(4ab+1)τ+2a}/(2bτ+1)

ですが,この変換ではα=±(4ab+1),β=±2a,γ=±2b,δ=±1

(複号同順)です。

 

+(4ab+1)≡1 (mod 4),-(4ab+1)≡3 (mod 4)より,

α≡δ≡1 (mod 4)となるのは符号を(+)にとったときです。

 

このときは確かに2b≡γ (mod 4)です。

 

そこで,1τ+β1)/(γ1τ+δ1)=U22..Ukki=2i≡γ1 (mod 4),そして,α1≡δ11 (mod 4)と仮定します。

 

このとき,U111τ+β1)/(γ1τ+δ1)

=[α1τ+β14a111τ+β1)

+2a11τ+δ1)]/[2b11τ+β1)+γ1τ+δ1]

です。

 

分母=(2b1α1+γ1)τ+2b1β1+δ1なので,

分子でα=α14a11α12a1γ1≡α11(mod 4)と取れば,

分母でδ=2b1β1δ1≡δ11(mod 4)となり,

γ=2b1α1+γ12b1+γ1(mod4)です。

 

よって,帰納的に2Σbi≡γ(mod 4)が得られます。(以上)

 

(ⅴ)から,Σbi(γ/2)+2m (m∈Z)がわかりますから,

2(Tτ)=(-1)Σbi(γτ+δ)q2(τ)において

(-1)Σbi=iγです。

 

したがって,"(4)k'(τ)=q2(τ)/p2(τ)について

k'[(ατ+β)/(γτ+δ)]=iγ'(τ)"が示されました。

 

これとγ≡0 (mod 2)よりk'2 (τ)=q4(τ)/p4(τ)は,Γ(2)/{±}に属する変換により不変,すなわちk'2 (τ)はΓ(2)/{±}に関する保形関数であることがわかりました。

 

そしてその基本領域が先に述べたFです。

 

以上で,k'(τ)=q2(τ)/p2(τ),Imτ>0 なるτを全て求めるという問題は解決されました。

 

すなわち,そのようなτが1つ決まったならば,そこを通る

Γ2(4)/{±}の軌道:{Tτ|T∈Γ2(4)/{±}}が求めるものです。

 

このとき,∀T∈Γ2(4)/{±}について,MT(a,b)≡a/p2(Tτ)

と書けば,M(a,b)=MT(a,b)がa,bの無数の算術幾何平均:

M(a,b)の値を与えることがわかりました。

 

最後に,まだM(a,b)の値が全てこれらで尽くされることを確かめる必要があるのですが,これは以下で本題とする予定である線形常微分方程式のフックス群に関する保形関数についての議論では,本来の目的ではないので,考察しないことにします。

 

今日はここまでとします。

 

まだ,入院前の1998年頃に読んだ部分の復習が終わらない段階ですから,

今回入院中に読んだ部分には,入っていません。

 

参考文献:斎藤利弥 著「線形微分方程式とフックス関数I(ポアンカレを読む)」(河合文化教育研究所)

 

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