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2007年8月12日 (日)

真空のゆらぎ,エネルギー

 真空エネルギーなどというと何かいかがわしい響きがあるような感じをおぼえます。

 

 量子論では真空というのは単に"エネルギーが最低の状態=基底状態"を意味します。

 

 そこで,その基準のエネルギー,または種々の基準の物理量の期待値が数の中でも特別なゼロという値を取るのでなければ理論体系そのものが無矛盾ではなくなり,さまざまな対称性を維持できなくなる,ことが当然予想されます。

 

 もっとも無限大という特別な数の存在を許すなら,ゼロでなくても無限大であればゼロに似た対称性をある程度は維持することが可能ではありますが,無限大というのは別の困難を生み出します。

 しかし,そもそも現在のところ自然を支配している基礎理論であるとされている量子論では,その本質的,確率的性格から,物理量というのはゆらいでいる方が自然であり,真空と言えどもその例外ではないと考えられます。

 

 実際,場の量子論に基づいて場の量のノルム(絶対値)の2乗の"真空期待値=真空のゆらぎ"を素直に計算すると無限大になります。

 

 したがって,これは場の量のノルムの2乗の積分を含む,いわゆる調和振動子のエネルギーという形で構成される"場のエネルギーの真空期待値=真空エネルギー"も無限大であることを意味します。

2007年7/2の記事「フォノンと多体問題(超伝導の基礎)(3)」では,hc≡h/(2π)をプランク定数として系全体のフォノンのエネルギーが,V(1/2)∑kcω{k,k}=∑kcω(bkk1/2) なる表式で与えられ,

 

2007年7/4の「フォノンと多体問題(超伝導の基礎)(4)」では,系全体の電子のエネルギーがe(1/2)∑kσεk{akσ,akσ}=∑kσεk(akσkσ-1/2)なる表式で与えられています。

ここに,bk,kは波数ベクトルを持つフォノンの生成演算子,消滅演算子,akσ,akσは波数とスピンσ(↑または↓)を持つ電子の生成演算子,消滅演算子です。

 

それ故,"真空=基底状態"|0>のエネルギーの期待値は,それぞれ<0|V|0>=(1/2)∑kcω,<0|e|0>=(-1/2)∑kσεとなって古典論の調和振動子では現われない"零点振動のエネルギー=零点エネルギー",つまり,ゼロではない真空エネルギーがここでも現われます。

固体結晶内のフォノンや電子のモードであれば,その自由度である波数やスピンの固有値であるやσの個数に制限があるので,こうした零点エネルギーの総和は無限大にはなりませんが,プランクの黒体輻射のように光子のモードであれば個数には制限がないので,系全体の零点エネルギーの総和は無限大になります。

 

そして光子の場合には零点振動は零点輻射と呼ばれます。

例えば,黒体輻射では個々の光子のエネルギーへの零点輻射の寄与は微小なのですが,零点輻射以外の輻射エネルギーはプランク分布に従っていて,総和すると全エネルギーには有限の寄与しかしないのに対し,零点輻射のエネルギーの総和は全エネルギーに無限大の寄与をします。

こうした,"零点振動のエネルギー=零点エネルギー"の存在は古典論での1次元調和振動子=p2/(2m)+(1/2)mω22を量子化したときに成立する交換関係[,p]=ihc のためにハイゼンベルクの不確定性原理ΔxΔp≧hc/2 が成り立つことに由来しています。

 

つまり,量子論そのものに全ての原因があると考えられます。

 

古典論では,バネなどが単振動している場合に,一般に保存量である"力学的エネルギー=(運動エネルギー+位置エネルギー)"が最小になるのは,x=p=0 ,つまり初期状態で完全に静止していて,いつまで経ってもそのまま動かない状態に対応します。

 

ところが,量子論ではこの状態は位置xも運動量pも完全にゼロに確定しΔx=Δp=0 である,ことに相当しますから,不確定性原理:ΔxΔp≧hc/2に矛盾します。

 

そこで少なくとも,|xp|=hc/2であることが必要であり,一般にA,B>0 に対して(A+B)/2≧(AB)1/2が成り立つので,H=p2/(2m)+(1/2)mω22|xp|ω=hcω/2,つまり最低でもエネルギーhcω/2 が存在することが必要であるというわけです。

 

古典論はhc→ 0 の極限なのでこうした量は存在しません。したがって量子論である限りこのディレンマを回避することはできません。

 こうした量子論の調和振動子の位置xのゆらぎ0|x2|0>が場の理論では,単一の実スカラー場をφ(x)とするときの真空のゆらぎ0|φ2(x)|0>=∞ に相当するわけです。

 

 そこで,いわゆる正規順序積:φ2(x):≡φ2(x)-0|φ2(x)|0>なる演算子を定義して対症療法的に無理矢理<0|:φ2(x):|0>=0 とするわけです。

また"散乱行列=S行列"の要素:Sfi≡<f;out|i;in>=<f;in|S|i;in>を計算する際にも,真空から真空への散乱振幅も計算上は,<0|S|0>=∞ となります。

 

つまり,本来はその性格上1を超えることのない確率という量でさえも発散してしまいますから,場の理論ではSfi≡<f;in|S|i;in>/<0|S|0>と再定義することで規格化して,真空から真空への無意味な泡グラフを除去します。

まあ,観測にかかる物理量については,そもそも真空を基準にした値,つまり真空からの差としての値しか我々には検知できないし,こうした観測値しか意味がないという自然科学として極めて健康な考え方としては,これら対症療法的に理論値と実験値が合うような処方として有効理論を基本理論として採用すれば当面は何の問題もないわけです。

紫外発散を除去する処方を与える,くりこみ理論も当初はこうした実測値の再現に主眼をおく有効理論という意味合いが強かったはずです。

 

しかし,くりこみ群やくりこみ群方程式を分析してゲージ条件とくりこみ可能性の関係や,漸近的自由性,クォーク閉じ込めなどを考察するに至って,くりこみ理論は公理論的分野までカバーする重要な地位を占めるようになっています。

もっとも,2006年10/14の「零点エネルギーとファン・デル・ワールス力」でも考察したように,

 

個々の電子の零点エネルギーが分子間力の主要な部分であるファン・デル・ワールス力に寄与するというような意味で,量子論では零点エネルギーは物理的に意味のある必要な量であり,単純に無視して捨てられるようなものではないことがわかります。

ある人の情報によると,零点輻射エネルギーはホーキング輻射に寄与しているらしいし,宇宙論で真空エネルギーと呼ばれている量はアインシュタインもその導入を後悔していた宇宙項を引力による収縮に対抗して宇宙を膨張させる斥力効果として復活させる際に,この項の存在の原因となる量子論的効果として注目されているようです。

ゼータ関数における記号的表記ζ(0)=1+1+...=-1/2の解析接続による正当化をくりこみの手続きと同一視したと言われるカシミール効果などもそうですが,総和すると無限大になったりして厄介なため,種々の方法で除去されている零点エネルギーも個々の原子や分子に関わる微視的現象などにとっては重要な量であり必要不可欠なものです。

 

QED(量子電磁力学)でのくりこみによる輻射補正やアノマリー(量子異常)と同じく量子論の本質的効果としては,これは存在する方が当然の量です。

 

というか,紫外発散も零点エネルギーも局所的な同一点での演算子積は本質的に特異であって超関数としてしか定義できないという意味では同根の現象ですね。

 

というのは,運動量pの空間は,p=ck;k=2π/λなる関係により,時空を座標刻みがΔx~λ程度の座標格子の空間と考えたときの"逆格子=運動量格子"に相当しますから,"座標刻みの下限Δx ~ λ=切断波長"に対応する運動量はその逆数に比例するため,時空が座標刻みゼロの連続体であることは運動量pの上限が無限大になることに対応し,それゆえファインマン積分が紫外発散する原因は相互作用が時空の局所的な同一点Δx ~ 0 で生じるとしていることにあります。

 

要するに不確定性原理ですね。

 もっとも,V(1/2)∑kcω{k,k}=∑kcω(bkk1/2)e(1/2)∑kσεk{akσ,akσ}=∑kσεk(akσkσ-1/2)なる表式に見られるように,0|V|0>=(1/2)∑kcω,<0|e|0>=(-1/2)∑kσεであり,真空の総エネルギー(零点エネルギー)としてボーズ粒子(Boson)は正の無限大の寄与を,フェルミ粒子(Fermion)は負の無限大の寄与をします。
 
 したがって,"超対称性=ボーズ粒子とフェルミ粒子の対称性"が完全に成立していて,ボーズ粒子とフェルミ粒子の間でモードの個数,およびエネルギー準位が完全に1対1に対応しているなら,宇宙全体の総和としては,"真空エネルギー=零点エネルギー"はうまく相殺してなくなるという可能性も考えられます。

 

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コメント

>一般相対論の重力は、時空(計量テンソル)に作用する力という違いがありますよね?

すいません。
作用というのは表現が、おかしかったです。

重力は、時空の状態を変える力、一方、
電磁力などの3種の力は、粒子の状態を変える力、という言い方が正しいかな?

作用ということでは、
重力 ・・・ 質量(mass)、あるいは、運動量・エネルギー(stress-energy)に対して
電磁力など ・・・ 荷(charge = electric charge, weak charge, color charge, other charge)に対して
ということになりますね?

投稿: 11元人 | 2007年8月23日 (木) 18時44分

日経サイエンスの記事をもう少し思い出しました。
なんでも、膨張するにつれて宇宙空間内に存在する輻射などのエネルギー密度が減少し、それが真空エネルギーを下回ると、相転移を起こして真空エネルギーが輻射エネルギーに転化する。といった内容だったと思います。

投稿: hirota | 2007年8月23日 (木) 17時10分

>エネルギーが0でないならすぐにでも相転移
いや、宇宙初期のインフレーションは相転移が遅れたことが原因ということになってます。
相転移してエネルギー 0 に落ち込むべきなのに落ち込まず、準安定な「過冷却」状態に留まってた期間に、真空エネルギーの存在によって宇宙が指数関数的膨張した。ということなので、瞬時に相転移してしまったらインフレーションが起こりません。
インフレーションの後、相転移でエネルギーが放出されて高温のビッグバンが始まるわけですが、今のところ都合の良い相転移の遅れが生ずるようなモデルが、うまく作れなくて困ってるようです。
まあ、これからダークエネルギーの正体が解明されれば、同じものではなくても何かヒントが得られるかもしれません。

投稿: hirota | 2007年8月23日 (木) 16時57分

ども、こんにちは、hirotaさん。TOSHIです。コメントありがとうございます。

>現在と宇宙初期のインフレーションはエネルギーレベルが違うだけだと思ってました。

 よくはわかりませんがインフレーションが相転移ならほぼ瞬間的に完了すると思われるのでビッグバンが起こったばかりなら、意味を持つような時間レベルでしょうけど、現在の宇宙ではどうなんでしょうかね。

 いずれにしても背景輻射などの宇宙空間のエネルギーがあるということと最低の量子状態=真空のエネルギー準位でのエネルギーが0であるということは別の話で、もし真空準位のエネルギーが0でないならすぐにでも相転移が起こるので、ゆっくりした膨張現象などとは違って、そうした急激な天変地異はそうそうは起こらないと思います。

           TOSHI

投稿: TOSHI | 2007年8月23日 (木) 16時03分

 ども、こんにちは、11元人さん。TOSHIです。コメントありがとうございます。

>一般相対論の重力は、時空(計量テンソル)に作用する力という違いがありますよね?
 
 いえいえ、重力は「万有引力」とも呼ばれますが天体力学では星と星の間に働く引力として知られているし、地球上で物が普通に落下したりするのも地球と物の間に重力が働いて、gという加速度があるとされていますから、重力もやはり粒子に作用する力と考えていいです。そういう意味では別に特別視する必要はないですよ。

 電磁場では時空は単なる空間=器ですが、重力においては時空(計量テンソル)そのものが、電磁気における電磁場=電磁波=光子に相当する役割を持っていて、時空そのものが重力場=重力波=重力子であると考えられます。

 光子はスピンが1ですが、重力子は存在すればスピンが2でやはり重力場という一般座標変換に対する接続としてのゲージ場を与えるボーズ粒子の場です。

 電気のクーロンの法則が仮想光子(スカラー場)の交換によるのと同じく、重力の万有引力は仮想重力子(仮想重力波)の交換に起因すると考えていいでしょう。

 もっとも超重力理論や超弦理論では重力子(graviton)のほかに重力微子(gravitino)などもあるようですが。。

 電気力の場合、それが作用する粒子は電荷を持っています、つまり電場を発生する源ですが、それを媒介する光は中性で電荷を持ちませんから電場の源ではありません。

 ところが重力の場合、それが作用する粒子はふつうは質量を持っていて、もちろん重力場発生する源です。それを媒介する重力子はやはり質量は0ですから同じように見えますが、実は重力というのは質量にも作用しますが質量がなくてもエネルギーがあれば作用するというのが電気のように電荷だけにあるいは磁気のように電流だけに働く力との違いです。

 質量が0でエネルギーも0なら存在しないのと同じですから重力を媒介する重力子ももちろんエネルギーを持っていますから、光子の電気力における関係とは違って、重力子の場合はそれ自身が粒子と同じ重力場の源になっています。

 だから重力の場合は電気と違って相互作用は1次的ではなく2次以上の効果がマルチにきいてくるため、必然的に場の方程式が非線型になります。これが量子化を困難にさせている元凶の1つです。

 まあ、エネルギーに働くという意味では粒子に働くだけでなく時空にも働くという意味ですから、11元人さんのご発言がそういう意味であればその通りですね。

 もっとも非可換なゲージ場であるQCDのカラー・グルオンによる力も非線型にはなりますが、こちらはうまく定式化できているようです。

               TOSHI

 

投稿: TOSHI | 2007年8月23日 (木) 15時46分

TOSHIさん今日は?

そもそも、ゲージ理論の電磁力、弱い力、強い力は、相対論的量子力学のレプトン、クォークなどの粒子(スピノル)に作用する力であるのに対し、一般相対論の重力は、時空(計量テンソル)に作用する力という違いがありますよね?

こうしたことから、重力理論の量子化は、果たして可能なのだろうか?

投稿: 11元人 | 2007年8月23日 (木) 11時26分

ちょいと前の「日経サイエンス」で、「そろそろ次の相転移が起こって真空のエネルギーが放出されるかもしれない」なんて記事を読んだもので、現在と宇宙初期のインフレーションはエネルギーレベルが違うだけだと思ってました。

投稿: hirota | 2007年8月22日 (水) 12時17分

 こんにちは、hirotaさん。TOSHIです。コメントありがとうございます。

>アハラノフ・ボーム効果は「ゆらぎ」じゃなく、はっきりした電磁ポテンシャルが電子ビームの位相に及ぼす効果でしょう。

 そうでした。私自身が2006年5月11日の記事「波動関数における位相と電磁場」の中で通常は認識されない状態ベクトルの位相によると書いたのを忘れていました。

 つい、カシミールと似ていると思ったので挙げたのですが、いい加減でした。。ごめんなさん。

>重力場のゆらぎは単に重力波の零点輻射で、宇宙膨張斥力は元々のインフレーション機構では真空中に存在する未知の場が最低エネルギー (零点) に落ちてないことによる「 真空エネルギー (暗黒エネルギー) 」の圧力だったはずで、「ゆらぎ」とは違うと思います。

 「インフレーション」はよく知らないのですが初期に「量子的真空=最低状態」での「エネルギー期待値」が 0 でなくずれていたために「自発的対称性の破れ」でそれが起こったとしても、今はその相転移は完了して「量子的真空=最低状態」での「エネルギー期待値」は 0 に落ち着いているのではないでしょうか?

 今「真空エネルギー(暗黒エネルギー)」とか呼ばれているときの「真空」は「量子的真空=最低状態」のことではなくて一般的な意味での「真空」:つまり何もない空虚な、と思える「宇宙空間」=「真空」と呼んでいるだけであり、私が問題としている「零点輻射」という意味での「零点」=「量子的真空」とは少し違うのではないかと思います。

 そして「真空エネルギー」=「零点輻射」という意味では、重力場を仮にスカラーφ(x)とすれば自由場のエネルギー密度が調和振動子としてE=(1/2)∂φ(x)^2+(1/2)m^2φ(x)^2で与えられることから考えて「エネルギーの真空期待値」そのものが重力場の2乗:φ(x)^2の真空期待値、つまり「場のゆらぎ」に相当していると述べているわけで「エネルギーのゆらぎ」=「エネルギーの2乗期待値」ではありません。

 また、もともと「真空エネルギー」=「零点輻射」は場の理論ではないものとして無視されていますから「自発的対称性の破れ」とは無関係で、普通「量子的真空」でのエネルギーは「零点輻射」の存在とは関係なく 0 であって無矛盾です。

 したがって、私が知ったかぶりをして憶測で記述しているとしても、「インフレーション」=相転移が完了して対称性が敗れてしまった後である、現時点での膨張の斥力の起源が「量子的真空のエネルギー」=「零点輻射」=「重力場のゆらぎ」にあるのではないか、あるいは、それが「宇宙空間としての真空のエネルギー」=「暗黒エネルギー」に相当しているのではないか、と述べてもその他の説と比較して、直ちに否定されるべきものとは思いません。

             TOSHI

投稿: TOSHI | 2007年8月21日 (火) 14時44分

アハラノフ・ボーム効果は「ゆらぎ」じゃなく、はっきりした電磁ポテンシャルが電子ビームの位相に及ぼす効果でしょう。
重力場のゆらぎは単に重力波の零点輻射で、宇宙膨張斥力は元々のインフレーション機構では真空中に存在する未知の場が最低エネルギー (零点) に落ちてないことによる「 真空エネルギー (暗黒エネルギー) 」の圧力だったはずで、「ゆらぎ」とは違うと思います。

投稿: hirota | 2007年8月21日 (火) 12時10分

 こんばんは。。はじめまして、11元人さん。TOSHIです。コメントありがとうございます。

>一般相対論+量子論の量子重力理論では、「時空」も「ゆらぐ」そうですね?

>「時空」が「ゆらぐ」と、どうなるのでしょうか?

 重力場の場合は「時空のメトリック」=「計量:つまり2点間の距離を決めるもの」あるいは「4次元空間の曲がり具合の程度」が電気の場合の電場や磁場に相当します。

 電気の場合、真空でのゆらぎはカシミール効果、アハラノフ・ボーム効果、ファンデル・ワールス力など、普段、意識しない静電気の力よりはるかに微弱な効果として現われています。

 重力の場合は電気よりはるかに弱い力ですから「時空のゆらぎ」は実際の観測ではほとんど検知できないでしょうが、本文にも書いたように全体としては現在も続いている「ビッグバンでの宇宙全体の膨張を促す斥力」として働くのではないでしょうか?

               TOSHI

投稿: TOSHI | 2007年8月21日 (火) 02時55分

こんばんは、はじめまして。

一般相対論+量子論の量子重力理論では、「時空」も「ゆらぐ」そうですね?

「時空」が「ゆらぐ」と、どうなるのでしょうか?

投稿: 11元人 | 2007年8月20日 (月) 21時23分

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