S行列とレッジェ理論(3)
散乱理論の続きです。
ul(k2,r)の漸近的性質を考えるとき,それがexp(±ikr)に
比例する2つの項の和として挙動することを保証したいなら,
d2ul(k2,r)/dr2+[k2-V(r)-l(l+1)/r2]ul(k2,r)
=0 の左辺の他の項:d2ul(k2,r)/dr2+k2ul(k2,r)
と比較して,V(r)ul(k2,r)とl(l+1)ul(k2,r)/r2
をr→ ∞で無視できることが必要です。
そして,これが可能なら,exp(±ikr)が
d2ul(k2,r)/dr2+k2ul(k2,r)=0
の独立な2つの解なので,確かに,ul(k2,r)r→∞
~ φ-(l,k2)exp(ikr)+φ+(l,k2)exp(-ikr)
なる表式が正しくなり,Jost関数はwell-definedである
はずです。
次に,k2を複素数に拡張したときには,kの意味するところを明確
にすることが必要です。
それを定義するのに,√k2 が正の虚部を持つように選びます。
つまり,Green関数の定義で現われたように物理的なケースでは,
kとして,(k+iε)が示唆されるような簡単な通路を許すように
定義するわけです。
波動関数ul(k2,r)のk2の関数としての解析性がφ±(l,k2)
の解析性を意味しない場合があります。
というのは,近似式:
ul(k2,r)r→∞
~ φ-(l,k2)exp(ikr)+φ+(l,k2)exp(-ikr)
がうまく当てはまらない場合があるからです。
まず第1に,k2が実数で,かつ負なら正の虚部を持つという条件
では,k=i|k|なのでul(k2,r)の漸近形の第1項における因子
exp(ikr)はexp(ikr)=exp(-|k|r)となりますが,
第2項における因子:exp(-ikr)は,
exp(-ikr)=exp(|k|r)となり,こ
の第2項はr→ ∞ で爆発的に増加するという
挙動を示します。
今,ポテンシャルとして想定している湯川型のポテンシャルの形
はexp(-μr)/rであり,指数因子exp(-μr)を持っているので,
ul(k2,r)r→∞
~ φ-(l,k2)exp(ikr)+φ+(l,k2)exp(-ikr)
における第1項の分離が正当化されるのは,|k|が小さくて,
exp(ikr)=exp(-|k|r)がそれほど速い減衰を示さない
場合のみです。
ポテンシャルが単一の湯川ポテンシャル:
V(r)=gexp(-μr)/rの場合には,
k=i|k|としたときr→ ∞ ではul(k2,r)の第2項:
φ+(l,k2)exp(-ikr)が支配的になるので,
r→ ∞ では,V(r)ul(k2,r)
~ gφ+(l,k2) exp{(|k|-μ)r}/r となります。
この|k|-μ>0 のときに爆発的な挙動を示す項において,
|k|>(μ/2)ならば,(|k|-μ)>-(μ/2)>-|k|が成立する
ので,exp{(|k|-μ)r}>exp(-|k|r)です。
したがって,V(r)ul(k2,r)>gφ+(l,k2)exp(-|k|r)/r
となるため,ポテンシャル項:V(r)ul(k2,r)は,
少なくとも,exp(-|k|r) 程度の大きさを保持します。
ところが,k2ul(k2,r)の第1項の部分も,
k2φ-(l,k2)exp(ikr)=k2φ-(l,k2) exp(-|k|r)
なる挙動をしますから,
そもそもこの場合には,k2ul(k2,r)に対して,V(r)ul(k2,r)
を無視するという近似は無意味になります。
そこで,V(r)ul(k2,r)を無視するという近似で求めたJost関数
による球面波の分離という漸近形そのものが意味を持たなくなると
考えられます。
それ故,k=i|k|,かつ|k|>(μ/2),
すなわち,実数であって-∞<k2<-μ2/4 を満たす
エネルギーk2に対しては,Jost関数φ±(l,k2)はwell-defined
ではなく,ul(k2,r)の解析性からこれの解析性を推論するのは
不可能です。
そこで,より一般的に相互作用のポテンシャルが湯川ポテンシャル
の重ね合わせの場合に,φ±(l,k2)の解析性を論じるとき,
ポテンシャルにおけるμの最小値μ0に対してJost関数:
φ±(l,k2)は複素k2平面の実軸上k2=-μ02/4に特異点を
有し,実軸上-∞<k2<-μ02/4に切断を持つと考えて,
この部分を常に避ける必要があります。
動径波動関数の漸近近似として,
ul(k2,r)~ φ-(l,k2)exp(ikr)+φ+(l,k2)exp(-ikr)
が正しくないもう1つの場合はk2= 0 のときです。
というのは,そのときには,もちろんk2と比較して2つの項
(V(r) +l(l+1)/r2)を無視することはできないからです。
そこで非常に大きい値Rを取るとk2の十分小さい値:
k2=l(l+1)/R2に対して,r<Rでは上記の漸近形は正しく
ないといえます。
言い換えるとエネルギーがゼロ,つまりk2=0 では遠心力障壁:
l(l+1)/r2は常に入射粒子のゼロ運動エネルギーより大きく,
それ故,波動関数は内向き球面波と外向き球面波との和で与えら
れた上記の漸近形とは全く異なる形になるわけです。
そこで,Jost関数はk2=0 のまわりにも特異点を持つと予測
されます。
実際,これは基礎量子力学でも知られており,小さいk2の物理的
な(正の)値に対して位相のずれ:δl(k2)はk2l+1のような挙動を
することが示されています。
そこでは,δl(k2)はk2ではなくkの解析関数となります。
同じ結果はJost関数に対しても正しく,これらがkの関数
としても解析的であることを示すことができます。
そこで,変数をk2ではなくkとして,Jost関数φ±(l,k2)を
φ±(l,k)と書くことにします。
kの関数としては,Jost関数は原点k=0 に特異性を持たず,
k2<0 の切断-∞<k2<-μ02/4の上ではwell-definedで
ないので,対応してkの2つの切断k=iμ0/2~i∞,および
k=-iμ0/2~-i∞が存在することになります。
kと-kの交換はk2のみに依存するSchroedinger方程式を
変えないし,原点でのul(k2,r)の境界条件も変えないので,
ul(k2,r)はこの交換で変化しません。
そこで,Jost関数にも関連した対称性があります。
すなわち,kと-kの交換ではexp(±ikr)が交換されるので,
φ+(l,k)=φ-(l,-k)という関係式が得られます。
これらの関数をk2の関数として視覚化してみます。
複素k2平面をkの可能な2つの選択に対応して2つのRiemann面
の重ね合わせと見ることにします。
つまり,複素k2面は
Imk>0 を想定した物理的シート(Physical sheet)と,
Imk<0 を想定した非物理的シート(Unphysical sheet)の2枚
が,境界:Imk=0;複素k2面の正の実軸を共有して交差した形で
重なり合っていると考えます。
すなわち,A:k2+iε(物理的シート)は,B:k2-iε
(非物理的シート:Imk<0)のごく近傍にあります。
然るに,物理的シート(Imk>0)の上にあるけれども,k2の虚部
が負のC:k2-iε(物理的シート;Imk2<0ですが,Imk>0)は,
A,Bの両方から遠いと考えます。
これは,物理的シートでは,Imk>0 ,非物理的シートでは,
Imk<0 なので,
物理的シート上のA:k2+iεに対してのkを,kA≡k+iε,
非物理的シート上のB:k2-iεに対してのkを,kB≡k-iε
とおいたとき,
物理的シート上のC:k2-iεのkはkC≡-k+iεとなり,
kC ~ -kA ~ -kB となるからです。
k2=0 はいわゆる分岐点です。そして複素k2面の正の実軸
は切断です。これを右切断と呼ぶことにします。
また,物理的シートには,もちろん実軸上-∞<k2<-μ02/4
に切断があります。これは左切断と呼びましょう。
物理的シートAから物理的シートCへの移動は,kから-k
への移動なので,単なるφ+とφ-の交換に対応しています。
つまり,これは,
exp{2iδl(k2)}=S(l,k2)=(-1)l+1φ-(l,k2)/φ+(l,k2)
→ exp{-2iδl(k2)}=1/S(l,k2)
=(-1)l+1φ+(l,k2)/φ-(l,k2)
なる変換であり,
S(l,k2)を逆数:1/S(l,k2)にする変換に対応しています。
次に部分波振幅:al(k2)=[exp{2iδl(k2)}-1]/(2ik)
={S(l,k2)-1}/(2ik)を考察します。
S(l,k2)=(-1)l+1φ-(l,k2)/φ+(l,k2)より,
al(k2)=(-1)l+1{φ-(l,k2)-φ+(l,k2)}/{2ikφ+(l,k2)}
でありal(k2)はJost関数と同じ特異性を持つk2の解析関数です。
すなわち,これも左切断と右切断を持ちます。
また,φ+(l,k2)がゼロになるところに極を持ちます。
部分波振幅:al(k2)の極については後で詳細に考察するとして,
今は,まずkの関数,あるいは物理的,非物理的シート上でのk2
の関数として部分波振幅:al(k2)の性質を明らかにすることに
努めます。
これは,まずS(l,k2)の性質を考えることで容易になされます。
再び,Riemann面上の2点B:k2-iε(非物理的シート),および,
C:k2-iε(物理的シート)を考えます。
これらは,一方が他方の真上にあって,同一のk2の値に対応して
います。
当面の課題は非物理的シート上の点BでのS(l,k2)を明確に
することです。
ここで明確な区別をするため,物理的シート上のk2に対しては
今まで通りS(l,k2)なる表記を保持し,非物理的Sシート上のk2
に対してはSIm(l,k2)と表記することにします。
前にkC ~ -kA ~ -kBと表現したように,BとCはkの反対
符号の値に対応しています。
それ故,直ちにSとSImの関係が得られます。
すなわち,SIm(l,k2)=(-1)l+1φ-(l,-k)/φ+(l,-k)
=(-1)l+1φ+(l,k)/φ-(l,k)=1/S(l,k2)です。
そこで,この式はal(k2)の解析接続によって取られる値:
aIml(k2)を定義します。
すなわち,al(k2)={S(l,k2)-1}/(2ik)からk → -k
としてaIml(k2)をaIml(k2)={SI(l,k2)-1}/(-2ik)
={1/S(l,k2)-1}/(-2ik) で定義します。
したがって,aIml(k2)=al(k2)/{1+2ikal(k2)}
となります。
かくして,非物理的シート上で生じることは,物理的シート上で
生じることから決定されるという結論が導かれました。
結果として特に非物理的シート上にもk2<-μ02/4 に切断
(左切断)が存在するといえます。
そこで特に断らない限り,以下の議論は物理的シート上の話に
制限します。
それ故,k2の正の実軸(右切断)を横切ることは特別な注意なし
には禁止します。
既に見たように,左切断とポテンシャルの到達距離(1/μ)の間に
は重要な関係があります。
相互作用のレンジが小さいほど低エネルギーでの位相のずれは
急速に変動すると予想されます。
この種の関連性は非常に重要です。
そして,この時点で先に示唆した部分波振幅al(k2)の極の話に
戻ると極と位相のずれとのより重要な関連性が得られます。
すなわち,部分波振幅はal(k2)=[exp{2iδl(k2)}-1]/(2ik)
=(-1)l+1{φ-(l,k2)-φ+(l,k2)}/{2ikφ+(l,k2)}と表わさ
れるので,
あるk2値でφ+(l,k2)が消える場合を除けば,φ±(l,k2)が解析的
である場合はいつでもal(k2)は解析的です。
そして,al(k2)の極はφ+(l,k2)の零点なので,1つの極k2の
まわりではφ+(l,k2)=0 によって,
r→ ∞ での波動関数の漸近形式が,
ul(k2,r) ~ φ-(l,k2)exp(ikr)+φ+(l,k2)exp(-ikr)
から,ul(k2,r) ~ φ-(l,k2)exp(ikr)なる形に帰します。
そしてこれが物理的シート(Imk>0)の上の極であるなら,
波動関数ul(k2,r)の主要因子exp(ikr)の絶対値:
exp{-(Imk)r}は減衰指数関数になります。
つまり,al(k2)の物理的シート(Imk>0)上の極:k2のまわりでは
r→ ∞での確率=r2|ul(k2,r)/r|2 がゼロになるので,
ここでのul(k2,r)は有限な到達距離の内部に局在する状態の
動径関数を表わしています。
このときの波動関数ul(k2,r)の表現する物理的状態は束縛状態
以外の何物でもないと考えられます。
すなわち,al(k2)の物理的シート(Imk>0)上の極はこの系の
束縛状態を示しています。
ところが束縛状態ではエネルギーは負の実数ですから,この極k2
は負の実数です。
通常の相互作用ポテンシャルV(r)には現実に物理的状態として
束縛状態がありますから,物理的シートの上には確かにこれに対
応する実軸上でk2<0 のal(k2)の極があるはずです。
そして物理的シートの上には,それ以外の極は存在しないでしょう。
しかし非物理的シートの上にはどこかに極があるかも知れません。
なぜなら非物理的シート上の極k2の近傍での動径波動関数の
漸近近似ul(k2,r)~ φ-(l,k2)exp(ikr)はImk<0
のため,爆発的に増加する指数関数を与え,
極の位置を固定(fix)するような如何なる物理的情報も与えない
からです。
とにかく,そうした非物理的シート上の極に物理的解釈を与える
ことが可能か否かを考察してみます。
実際,その極が物理的領域の非常に近くにあるとき,つまり負の
虚部が小さいB:k2-iε(非物理的シート)のような点であれば
物理的解釈が可能です。
そうした極はk2の正の実数値に対応する物理的な点の非常に近く
で部分波振幅:al(k2)の挙動に大きな影響を与えます。
それを見るために再びS(l,k2)=exp{2iδl(k2)}
=1+2ikal(k2)を考えます。
al(k2)の極とS(l,k2)の極は一致します。
S(l,k2)が非物理的シート上のk2=kr2-iΓr/2 に1つの極
を持つとすると,
そこではSIm(l,k2)=1/S(l,k2)=∞となりますが,
より正確に書けば,SIm(l,k)=1/S(l,-k)=∞ です。
したがって,それは物理的シート上でのS(l,k2)=S(l,-k)
の零点になりますが,この状況をより詳細に分析してみます。
Schroedingerの動径方程式:
d2ul(k2,r)/dr2+[k2-V(r)-l(l+1)/r2]ul(k2,r)
=0 を満たすul(k2,r)と,これの複素共役を取った方程式
の解ul(k2*,r)とを比較すると,ul(k2*,r)=[ul(k2,r)]*
であると考えられます。
一方,Imkの符号が保存されるように,√k2*=-k*なる合理的な
規約を取れば,
ul(k2,r)の漸近形から,ul(k2*,r)
~ φ-(l,k2*)exp(-ik*r)+φ+(l,k2*)exp(ik*r)
なる漸近表式が得られます。
したがって,ul(k2,r)=[ul(k2*,r)]*によって,
ul(k2,r)
~ [φ-(l,k2*)]*exp(ikr)+[φ+(l,k2*)]*exp(-ikr)
となり,φ±(l,k2*)=[φ±(l,k2)]*となるはずです。
それ故,S(l,k2*)=[S(l,k2)]*です。
より明確にS(l,k2)をS(l,k)と表記すれば,
S(l,-k*)=[S(l,k)]*です。
今,Sが非物理的シート上のk2=kr2-iΓr/2に極を持つとすると,
SIm(l,kr2-iΓr/2)=1/S(l,kr2-iΓr/2)=∞です。
このときkr>0と仮定して,SIm(l,kr2-iΓr/2)をSIm(l,kr-iε)
と書き,S(l,kr2-iΓr/2)をS(l,-kr+iε)と書いておきます。
S(l,k2*)=[S(l,k2)]*,
つまりS(l,-k*)=[S(l,k)]*は物理的シート上では,
S(l,kr+iε)=[S(l,-kr+iε)]*であり,
非物理的シート上では,
SIm(l,kr-iε)=[SIm(l,-kr-iε)]*であること
を意味します。
ここで,k2の複素関数S(l,k2)が非物理的シート上
k2=kr2-iΓr/2に極を持つので,
SIm(l,kr2-iΓr/2)=SIm(l,kr-iε)=1/S(l,-kr+iε)
=∞ですから,S(l,-kr+iε)=0 であり,
そこでS(l,kr+iε)=[S(l,-kr+iε)]*=0 ,
すなわち,S(l,kr2+iΓr/2)=0 となります。
つまり,元々のSchroedingr方程式の係数の実数性のために
S行列の部分波成分がk2=kr2-iΓr/2に極を持つことは,
k2=kr2+iΓr/2 に零点を持つことを意味します。
S行列の部分波成分S(l,k2)は非物理的シートから正の実軸
(右切断)を避けて物理的シートに解析接続したものであると
考えられますから,
それはk2=kr2-iΓr/2 に極を持ち,k2=kr2+iΓr/2 に零点
を持つことがわかりました。
そこで,物理的,非物理的云々ではなくS(l,k2)は複素数k2の
1価の複素関数としてはk2=kr2付近で,
S(l,k2)=[(k2-kr2-iΓr/2)/(k2-kr2+iΓr/2)]Sp(l,k2)
という形式に書けると考えられます。
ここでSp(l,k2)はk2について比較的ゆっくり変動する関数です。
S(l,k2)=[(k2-kr2-iΓr/2)/(k2-kr2+iΓr/2)]Sp(l,k2)
を,δl(k2)を使って,
exp{2iδl(k2)}
=[(k2-kr2-iΓr/2)/(k2-kr2+iΓr/2)]exp{2iδlp(k2)}
と書けば,
cos{2(δl-δlp)}+isin{2(δl-δlp)}
={(k2-kr2)2-Γr2/4-iΓr(k2-kr2)}/{(k2-kr2)2+Γr2/4}
となります。
結局,位相のずれ:δl(k2)のk2の関数としての表現:
δl=tan-1{Γr/{2(k2-kr2)}+δlp が得られます。
これはエネルギーがkr2,幅がΓrの共鳴の近傍での位相のずれ
に対する"Breit-Winerの表現"そのものです。
δlpは慣習的にポテンシャル・フェーズ・シフトと呼ばれ,主要な
第1項は共鳴フェーズ・シフトと呼ばれます。
以上を要約すると次のような発見がなされたことになります。
すなわち,部分波振幅の動力学的特異性(ポテンシャル特異性)は
次の3つの事実に対応しています。
1. その位置が力の到達距離(レンジ)と関連する左切断の存在
2. 束縛状態のエネルギー位置に物理的シート上の極がある。
3. エネルギーk2の正の実軸に近いならば共鳴と解釈できる非物理的シート上の極がある。
さらにk2の負の実軸に近い非物理的シート上の極に言及して
おけば,例えば低エネルギーでの単一の陽子-中性子散乱では,
100keV程度の負エネルギーの非物理的シート上に1つの極が
ある,ことなど仮想状態に対応していると考えられます。
束縛状態と共鳴の両方に部分波振幅の極が関わっているという
事実はこの2つの概念の間には強い一致があることを示唆して
いると考えられます。
洋書を読んで翻訳した後に理解して要約したものを記事にして
いるので若干直訳調でわかりにくくなっているところもありま
すがご容赦ください。
今日はここまでにします。
参考文献:R.omnes,M.Froissart
「Mandelstam Theory and Regge Poles」
W.A.Benjamin,Inc,New York(1963)
http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。
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