« S行列とレッジェ理論(3) | トップページ | S行列とレッジェ理論(5) »

2007年8月28日 (火)

S行列とレッジェ理論(4)

 前回の続きです。

 

 今までは部分波振幅の解析性を論じてきましたが,ここでこれまで

 の議論も踏まえて全散乱振幅f(k2,cosθ)の性質を調べます。

 

ここでもk2の複素数値への拡張の誘惑にかられますが,さらに

cosθの複素数値を導入するとより便利な解析が可能となります。

 

しかし,cosθという変数のままでは有用な拡張がむずかしいので,

cosθの代わりに運動量遷移の平方:Δ2を用いることにします。

 

すなわち,を入射粒子,'を散乱粒子の運動量(波数)として,

Δ2をΔ2('-)2'222'=2k2(1-cosθ)で

定義します。

 

この式から逆に,cosθがcosθ=1-Δ2/(2k2)と表現できます。

 

そこで,散乱振幅f(k2,cosθ)を(k22)の関数と考えて視覚

化します。

 

この段階では,2つの変数:k2とΔ2は実数で,k22平面上の点

として表示できます。

 

そうした2次元平面上に点(k22)をプロットすると,k2の物理的

な値は正の実数値ですが,

 

cosθの物理的に可能な値は-1と1の間ですから,これに対応して

2次元平面上での物理的領域は, 0≦Δ24k2(k20)で示され

る領域です。

 

これは,正のk220)とΔ24k2なる直線で区切られた角度

領域を示しています。

 

Δ22k2(1-cosθ)なので,cosθ=(定数)は原点(k22)=(0,0)

を通る直線で表わされます。

 

特に物理的領域の境界:正のk220),および,Δ24k2は,

それぞれ,cosθ=+1,および,cosθ=-1に対応しています。

 

 

散乱振幅f(k2,cosθ)=f(k2,1-Δ2/(2k2))に対してF(k22)

なる新しい表記を与えます。

 

そしてF(k22)を22の複素関数として,その解析性を調べる

ことにします。

 

散乱振幅F(k22)を部分波に展開することが可能な場合には,

F(k22)=∑l=0(2l+1)al(k2)Pl(cosθ)

=∑l=0(2l+1)al(k2)Pl(1-Δ2/(2k2))と,

級数表示で書けます。

 

そして,こうした場合,F(k22)が,各部分波振幅al(k2)が

持つような解析性を持つことを期待して,F(k22)自体の解

析性を論じるのに部分波振幅al(k2)の解析性を利用すること

も考えられます。

 

しかし,一般の物理的とは限らない固定したΔ2に対して,上に

示したF(k22)の展開級数の収束性を調べると,それが収束

することは必ずしも自明なことではなく,当然有限な収束半径

を持つと考えられます。

 

F(k22)の解析性を論じる際には,右辺の級数の収束半径

より外部の領域まで解析接続された(k22)の関数として

定義可能な全領域を対象とすべきであると思われるので,

これとは全く異なるアプローチをすることにします。

 

そして,以下に記述する方法の正当性についての証明を与える

ということに関しては,如何なる試みもしませんが,ある程度

もっともらしい論旨での簡単な説明はします。

 

実際,以下の方法による結果を厳密に証明しようとすれば,高度

な数学的道具が必要になりますから,それを証明するという問題

についての論議は別の機会に回します。

 

ここで採用する方法は以前に与えた散乱振幅のBorn級数展開に

おいて,個々の項の解析的性質を分析する方法です。

 

そして,ここでは級数が収束するかどうか気にせず,散乱振幅

解析性は下に再掲するBorn級数の和の解析性と同一である

と仮定します。

 

既に以前の記事で与えた散乱振幅:(k22)≡f(,')

Born級数展開式は,

 

(k22)=-4πf(,')

'|V|

+(2π)-3∫d'|V|>[(k+iε)2-p2]-1|V|

+(2π)-6∫d12'|V|1>[(k+iε)2-p12]-1

1|V|2>[(k+iε)2-p22]-12|V|>+..

 

です。

 

まず,ポテンシャルVが純粋に湯川ポテンシャル:

(r)=gexp(-μr)/rであるような単純な場合

を考えます。

 

Born級数を陽に表現するには,|V|'>を評価することが

必要なのでこれを計算します。

 

|V|'>=g∫exp{i(')}{exp(-μr)/r}d

なる表式において,右辺を極座標表示して積分を実行します。

 

|V|'>

=g∫exp{i|'|rcosθ-μr}rdrd(cosθ)dΦ

=2πg0dr[{exp(i|'|r)-exp(i|'|r)}

/(-i|'|)]{exp(-μr)}

=4πg/{(')2+μ2]

なる陽な表式が得られます。

 

この結果は,直ちにBorn級数:F(k22)=-∑n=1n(k22)

に反映されて,

 

1(k22)=g/(Δ2+μ2),

2(k22)={g2/(2π2)}∫d/[{('-)2

+μ2}(k2-p2iε){()2+μ2}],

 

3(k22)={g3/(4π4)}∫12/[{('-1)2+μ2}

(k212iε){(12)2+μ2}(k22iε)

{(2)2+μ2}] and so on,

 

と書けることになります。

 

第1項F1(k22)=g/(Δ2+μ2)は単純で,k2にはよらないの

で固定したΔ2に対しては,もちろん全てのk2に関して解析的です。

 

他の項の解析性については,それほど容易ではないですが,対応する

積分は分母が消えない限りはk2とΔ2についてwell-definedであり,

解析的であると思われます。

 

この条件から直ちに,正のk2軸上に1つの特異性が存在することが

わかります。

 

何故なら,k22のような分母があり,2 0 から ∞ まで変動

するので,それは2のある値に対して消えるからです。

 

この特異性は,前に部分波振幅の解析で見た右切断であると考えら

れます。

 

そして,'の虚部が十分小さい限り,ポテンシャルに由来

する()2+μ2('-)2+μ2の分母が消えることは

ありません。

 

というのは,1i2と置くと,()2+μ20 は,

(1)2-k22μ20  ,かつ 20 を意味し,最初の

等式は虚部の2乗k22が少なくともμ2より大きいことを要求

するからです。 

 

生憎,このk22に対する制限はそれほど十分な拘束条件を与える

ものではありません。

 

そして,より大きな領域での解析性を見出すには,例えば1に関

する実積分を複素積分に変更するとか,部分的にFeynmanの方法に

よる積分を実行するとか,ここで展開する予定には入っていない

複雑な数学的手法に頼る必要があります。

 

そこで,ここでは単にそうした手法で証明できる結果を述べるだけ

にします。

 

すなわち,

 

"固定した非負のΔ2に対して,ポテンシャルが湯川ポテンシャルで

ある場合のBorn級数:F(k22)=-∑n=1n(k22)の右辺

項は,2軸の右切断を除く全ての複素数k2について解析的である。"

 

という結論が得られています。 

 

(k22)のΔ2の関数としての解析性は,より複雑であり,既に

与えたFn(k22)の陽な積分表現から容易に帰納することはで

きません。

 

しかし,Δ2の特異性は物理的領域に密接したところにあると

考えられるので,それの物理的意味を調べるのは重要であると

思われます。 

 

第1の特異点は,最も単純なもので,それはBorn級数の第1項:

1(k22)=g/(Δ2+μ2)に由来する1つの極:Δ2=-μ2

です。

 

これは明らかにポテンシャルに依存する特異点,つまり動力学

的特異点です。 

 

この特異性が単純な極であるという事実は,明らかに相互作用

ポテンシャルが単一の湯川ポテンシャルのみから成る,とした

事実とユニークに関連しています。

 

そして,この極の位置はポテンシャルのレンジ(=有効範囲):

1/μで決まります。

 

レンジが大きいほど,μは小さく,極Δ2=-μ2は,

"物理的領域=0≦Δ24k2;k20 "に近くなります。

 

(極限のケースは,"μがゼロの湯川型=Coulombポテンシャル"で

あり,その場合の特異点はΔ20 で,これはθ=0 の前方散乱を

意味し物理的領域の端点です。)

 

Born級数の他の項に由来する特異性を理解するには,それらの項

の物理的意味を思い出すのが最善です。

 

つまり,項Fnはポテンシャルによるn回の継続的散乱に対応して

いることを思い出すわけです。

 

こうした単に物理的意味だけから複雑な特異性を理解しようと

する扱いは,実際上厳密な扱いとはいえませんが,ここではこの

方法で得られる特異性についての可能な限りの情報を理解しよ

うと努めるのみです。 

 

Fの第1項F1がΔ2=-μ2におい無限大になるという事実は,

多くの粒子が非物理的な遷移運動量:Δ1

('=Δ1;Δ1iμ:Δ12=-μ2)を持ち逃げするという

意味に解釈できます。

 

何故なら,このケースには散乱振幅が無限大になるように見える

からです。

 

もしも,それら散乱振幅において支配的な粒子が再び散乱される

なら,それらは再び同じ大きさの運動量遷移Δ2:Δ2iμをもた

らすと予期されます。

 

しかし,この第2の運動量遷移は,一般に同じ空間方向に生じると

は限りません。

 

すなわち,'=Δ1Δ2であり,

2(k22)={g2/(2π2)}∫d/[{('-)2+μ2}

(k2-p2iε){()2+μ2}]において,

ΔΔ1Δ2です。

 

||=iμはの特異性に属しますが,

Δ2の特異性に対応して,||=iμのとき常に,

|'-|=iμが成立する場合は,,,'が同一直線上

にあって,Δ=|'-|=|Δ1Δ2|=2iμとなる場合

だけです。

 

そこで,F2において特異点Δ2=-2が存在すると予測されます。

 

同様に考えてFnには特異点Δ2=-n2μ2が存在します。 

 

しかし,問題はそれほど直線的で単純ではなくて,特異性を生じる

別の道筋もあります。

 

運動量の代わりに角度を考えると,Δ2=-μ2における特異性は,

またcosθ01+μ2/(2k2)で決まる角度θ=θ0における特異性です。 

この角度θ=θ0があたかも物理的な角度であるかのような推論をしてみます。

 

この角度に1回散乱された粒子群は前方のまわりに半角がθ0の円錐を作ります。

 

ただし散乱強度はとても大きいと仮定しています。

 

それらが再び散乱されると,その円錐上の粒子は再び優先的に角度θ0で散乱されて滑らかに半角がθ=0の円錐内に分布します。 

そして,この新しい円錐表面の散乱粒子群は再び散乱角θ=0の特異性に対応していてこの仮想的散乱角において粒子散乱振幅が増大するという特異現象が存在するはずです。

 

そしてcosθ01+μ2/(2k2)と2倍角の公式cos2θ02cos2θ0-1から cos2θ01+2μ2/k2+μ4/(2k4)となるので,Δ2の特異点としてΔ22k2(1-cos2θ0)=-4μ2-μ4/k2が得られます。 

2におけるΔ2の特異性は,2つの特異点Δ2=-2Δ22k2(1-cos2θ0)=-4μ2-μ4/k2のみです。 

3では特異点が3つあってΔ2=-2Δ22k2(1-cos3θ0),およびこの2つのメカニズムの混合に由来するものです。

 

つまりF2におけるΔ2=-2からcosθ11+4μ2/(2k2)によって得られるθ1方向への第3の散乱によって,θ=θ0+θ1の方向に起こる特異性によりΔ22k2{1-cos(θ0+θ1)}に持つと考えられる特異点です。

45つの特異点を持ちます。

 

そしてFnの持つ特異点の個数はnの増加につれてnの任意のベキよりも急速に増加します。

 

各々の特異点の具体的な位置を書き下すことも可能ですが,それらは全てΔ2≦-2を満たすΔ2負の実数値に対応しています。 

以上からFはΔ2≦-2の実Δ2軸上に無限個の特異点を持つことがわかりましたが,特異点Fnの全ての特異点は大きい正の2の値に対して,負の方から特異点Δ2=-n2μ2に群がるという傾向を持ちます。 

結論として,あらゆる2とΔ2≦-2の実Δ2軸と極Δ2=-μ2を除くΔ2のあらゆる値に対して,F(k22)は解析的であるといえます。

 

そしてポテンシャルが単独の湯川ポテンシャルではなくて幾つかの湯川型の重ね合わせの場合なら,Δ2=-μ2に対応した幾つかの極を持ち,他の特異性についても詳細な構造については,はるかに複雑になると考えられますが本質においては何ら変わらず,新しい特異性が生じることはないと思われます。 

次に,核子-核子散乱のような多粒子問題を想定すると,こうした相互作用では直接力だけではなくて交換力もあることを知っています。

 

この修正に対してこれまでの結論がどのような影響を受けるかを考察します。

交換力における交換とはどういう意味であったか,を思い起こしましょう。交換ポテンシャルの演算子Vexは,次式に従って波動関数Ψ()に作用します,すなわちVexΨ()=Ve(r)Ψ(-)です。

※注:"交換力"とはハイゼンベルク(Heisenberg)とマヨラナ(Majorana)によって導入された概念です。

 

一般に水素Hと水素イオンH+の間には,1つの電子が2つの陽子(水素原子核)の間で交換されることによって,HがH+に,+がHになってHとH+の位置が入れ替わることで働く力があります。

 

核力もこれに類似したものであり,中性子と陽子の間に何らかの粒子交換があって,"陽子と中性子の位置が入れ替わることで働く力=交換力"がその主要な力であろうと想定されます。 

そして,彼らは中性子と陽子の位置座標をそれぞれ1,2とし,r=|12|として,スピン座標を無視したとき,これら2粒子系の波動関数をΨ(1,2)としてこれに働く核力ポテンシャルの演算子をVHとすればVHΨ(1,2)=vH(r)Ψ(2,1)となると考えました。

 

実際には,核力には交換力だけではなく非交換力の寄与もあります。

 

そしてこの2体問題を1体のポテンシャル問題として12とすれば,交換力はVHΨ()=vH(r)Ψ(-)と表現されます。(注終わり)

通常の相互作用ポテンシャルV(r)の他に交換力Vexがある場合にもこれまでの議論が適用できるようにするために,まず波動関数Ψが偶関数である,すなわちΨ(-)=Ψ()と仮定します。

 

このときはVexは明らかに通常のポテンシャルVe(r)に等価です。

 

そこで入射波が偶数角運動量のみを含むならば有効ポテンシャルとしてV+(r)≡V(r)+Ve(r)を定義して,V(r)の代わりにV+(r)を用いれば,これまでの議論はそのまま当てはまります。

ポテンシャルV+(r)に対するシュレーディンガー方程式を普通に解いて得られる散乱振幅をf+(k2,cosθ),ポテンシャル{V(r)+Vex}に対する真の散乱振幅をf(k2,cosθ)とすると,{f(k2,cosθ)+f(k2,-cosθ)}/2={f+(k2,cosθ)+f+(k2,-cosθ)}/2となります。

なぜなら,(∇2+k2)[exp(ikr)f(k2,cosθ)/r]=[V(r)f(k2,cosθ)+Ve(r)f(k2,-cosθ)]{exp(ikr)/r}かつ,(∇2+k2)[exp(ikr)f(k2,-cosθ)/r]=[V(r)f(k2,-cosθ)+Ve(r)f(k2,cosθ)]{exp(ikr)/r}より,

 

(∇2+k2)[exp(ikr){f(k2,cosθ)+f(k2,-cosθ)}/r]={V(r)+Ve(r)}[exp(ikr){f(k2,cosθ)+f(k2,-cosθ)}/r]となるからです。

同様に入射波も散乱波も奇関数の場合は,VexΨ()=Ve(r)Ψ(-)=-Ve(r)Ψ()なので,散乱は有効ポテンシャルV-(r)≡V(r)-Ve(r)で記述されます。

 

これに対応するシュレーディンガー方程式による散乱振幅をf-(k2,cosθ)とすると,{f(k2,cosθ)-f(k2,-cosθ)}/2={f-(k2,cosθ)-f-(k2,-cosθ)}/2が得られます。

以上から,f(k2,cosθ)={f+(k2,cosθ)+f+(k2,-cosθ)+f-(k2,cosθ)-f-(k2,-cosθ)}/2 が得られます。

 

そして,cosθ=1-Δ2/(2k2)より,-cosθ=1-(4k2-Δ2)/(2k2)ですから,cosθを-cosθに変えるのはΔ2(4k2-Δ2)に変えるのと同じことになります。

 

そこで,F(k22)={F+(k22)+F+(k2,4k2-Δ2)+F-(k22)-F-(k2,4k2-Δ2)}/2 と書けます。

振幅F+(k22)とF-(k22)は共に交換力を含まないポテンシャルに対する散乱振幅なので,明らかにこれまでに確立した散乱振幅が有するのと同じ解析性を持っています。

 

したがって,それらはk2の正の実軸とΔ2の負の実軸上に生じる特異性を除いて解析的です。

 

そして,F+(k2,4k2-Δ2)とF-(k2,4k2-Δ2)は同じk2の正の実軸の特異性と4k2-Δ2が実数で4k2-Δ20 なる領域にあるk22を除いて解析的です。 

ポテンシャルが十分大きくて引力ならば束縛状態があると予想されます。既に記述したように束縛状態があるときはB>0 をその束縛エネルギーとして部分波振幅al(k2)はk2=-B< 0 に極を持ちます。

 

この極は,もちろん全振幅f(k2,cosθ)における極でもあり部分波展開から示される特異性であると思われます。

 

実際k2=-Bの近傍ではal(k2)は本質的にN/(k2+B)という形になり,そうしたk2の値に対しては全振幅f(k2,cosθ)においても,この項が支配的に出現すると考えられます。

すなわち,k2=-Bの近傍ではf(k2,cosθ)=(2l+1)[NPl(cosθ)/(k2+B)]+(正則関数),F(k22)=(2l+1)[NPl(1-Δ2/(2k2))/(k2+B)]+(正則関数)となるはずです。

しかし,F(k22)のボルン級数展開の項では,こうした束縛状態に対応するk2の極が存在するという性質を見出すことができません。

 

それは,少なくともボルン級数が束縛状態の存在と同時に発散するのがその理由であるということを示しています。

 

ボルン級数の解析性から全振幅の解析性を得るという推論において,ボルン級数だけが全てではない,ということも含めて手法的に注意を要することを示しています。

 

しかし,今まで述べてきたあらゆる結果は,普通にシュレーディンガー方程式から出発して地道に解を求めることからも証明できます。

 

我々がボルン級数の解析を展開したのは,それらが相対論的S行列理論に属する唯一のツールであるからです。

 

ここで得られた一般的で正しい結果は,ポテンシャル散乱の場合には,ここで言及したあらゆる特異性が存在するという事実だけであって,それ以上ではありません。

 

この部分を終わるのに際して得られた特異性を列挙しておきます。

 

(1)k2:実数で正,Δ2:任意 (2) Δ2:実数,Δ2<-2,k2:任意

(3) 4k2-Δ2:実数,4k2-Δ2<-2,k2:任意 

 もしもこれらの特異性が複素平面上での切断を作り,これを横切ることを禁止するならどんな特異性を横切ることも避けられます。

 

 我々の見出した結果は散乱振幅F(k22)を2つの引数の解析関数として扱うことを許すということです。

 

 ただし,これは非相対論的ポテンシャル散乱にはそれほど有用ではありません。というのも,これらについての全ての有益で適切な物理的情報は直接シュレーディンガー方程式から得ることができるからです。

散乱振幅F(k22)の解析性への関心は,これを相対論的な相互作用に拡張できるところにあります。

今日はここまでにします。

 

次回はいよいよ角運動量を複素数に拡張して"レッジェ極"の話題に入る予定です。

参考文献:R.omnes,M.Froissart「Mandelstam Theory and Regge

poles」W.A.Benjamin,Inc,New York(1963)

 

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

http://homepage2.nifty.com/toshis-kaiga-auction/健康商品の店 「TRS健康ランド」

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
    物理学

|

« S行列とレッジェ理論(3) | トップページ | S行列とレッジェ理論(5) »

115. 素粒子論」カテゴリの記事

111. 量子論」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: S行列とレッジェ理論(4):

« S行列とレッジェ理論(3) | トップページ | S行列とレッジェ理論(5) »