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2007年9月 9日 (日)

無限次元ヒルベルト空間

 ちょっと前にEMANさんのボードで話題になっていて,私のブログ

 でも数人がコメントを寄せて論じ合っている量子論の状態空間

 に関する話題では,私自身に説明が求められているようです。

 

 しかし私自身がそうした話について.完全にスッキリしていると

 いうわけではないし,かなり本質的な話題なので現時点での認識

 を覚書き程度に書いておきます。 

 

 量子論では,物理系の状態は,Hilbert(ヒルベルト)空間:の,

 ある規格化可能なベクトルとして記述されます。

  

 そして一般に量子力学では,は可分(separable)な空間である

 とされています。

 

 可分とは,一般に位相空間が与えられているとき,それが可算で稠密

 な部分空間を含むことをいいます。

  

 例えば,実数集合:Rは,可算稠密な部分集合として有理数集合:Qを

 含むので距離空間として可分です。

 

 状態ベクトルの空間が,可分ということは,その空間には高々可算個

 の基底ベクトルが存在して,任意の状態は,必ずそれらの高々可算個

 の重ね合わせ(1次結合)で,いくらでも精密に近似できることを意味

 します。

 

 これは,事実上,任意のベクトルが可算基底で展開できるという意味

 に取れます。

 

 一方,2006年8/19の記事;スペクトル展開と超関数(量子力学)

 や,2006年12/14の過去記事:

 「演算子のスペククトル展開の例(空洞光子の量子場)」,

 

 そして,最近の2007年8/8の「量子力学の基礎(表示の話)(1)

 で書いたように,

 

 関数解析の,"Riesz(リース)の表現定理"や,演算子(作用素)の

 "スペクトル展開定理"というものがあります。

 

 それらは,物理量を表わす演算子の固有ベクトル全体が完全系を

 作っていて,その固有ベクトル全体を直交基底として任意の状態

 ベクトルを展開できるという定理です。

 

 しかし位置座標や運動量・エネルギーを表示対象の物理量とした

 場合,それらの固有値は一般に連続的な値を取り,基底をなすと見

 える固有ベクトルの個数は一般に可算個ではなく非可算個である

 ということになります。

 

 しかし,こうした連続固有値に属する"ベクトル"は,固有ベクトル

 とは呼んでいるものの,これらの"線スペクトル"は,

 

 先に,"物理系の状態はヒルベルト空間のある規格化可能な

 ベクトルとして記述されます。"と書いた条件,

 を満足していません。

 

 これらは,規格化可能ではなく,ノルムとして無限大の大きさを

 持ちますから,に属するべクトルでさえないので,物理的状態

 とは云えない,ということになります。 

 

 そして,2007年5/24の記事:
 「有限な1次元空間に限定された運動量演算子」では,私自身が
 "物理的状態としての境界条件を満たさないような固有ベクトル
 で展開できたとしても,それに何の意味があるのか?"と書いて
 言及しています。
 
 要するに,
 連続スペクトルによる積分展開形式というのは,必ずしも物理
 的状態よる展開ではなく,状態空間が可分なヒルベルト空間
 であるなら,もしも本質的な意味で物理的状態のみで展開しよ
 うとするなら,基底は可算個で十分である,ということになる
 はずです。
 
 つまり,台のLebesgue測度がゼロの超関数のような存在を認めない
 なら,そもそも位置座標や運動量・エネルギーというような
 "連続固有値を持つ"と見える物理量は,実は,
 "Hilbert空間:においては全く固有値を持たない。"
 とさえ云えるわけです。
 
 EMANさんのボードで,hirotaさんもその証明を書かれておられる
 ように,
  
 "連続(非可算)固有ベクトルによる積分スペクトル展開が存在する
 ことは,可分であるということと矛盾するものではない。"
 ということがわかっています。
 
 つまり,任意の状態を示す波は,形式上は"ある点で大きさ無限大
 の確率密度を持つ波,あるいはノルムが無限大の波の積分として
 連続個,非可算個のスペクトルに展開されているように見えます。
 
 しかし,これらのスペクトルを有限な大きさの波束とし,正しい
 Hilbert空間:の物理的ベクトルの集まりとして構成すれば,
 状態は高々可算個の基底ベクトルの和の形で,正しく展開され,
 表現される,と考えられます。
 

2007年8/12の記事:「真空のゆらぎ,エネルギーや,

2007年8/14の記事:「プランクの法則と零点エネルギー

でも書きましたが,

 

物理的に許されない無限大のノルムの固有基底のようなものが

出現するのは,

無限大の零点エネルギーや,"紫外発散部分=くりこみ部分"が

存在するのと同じく,そもそも量子論自体の確率波という性格,

あるいは不確定性原理に根本の原因があると考えられます。

 

そこで,量子論では,それらを注意深く考察することは避けて通

れない問題だと思われます。

 

場の理論では時空点における物理量の密度演算子は局所的場の

1次形式で与えられ,それらが局所的な1点での場の積で与え

られる限り超関数としてしか定義できません。

 

ゆらぎの期待値が無限大になるということは,連続固有値の

1点での固有ベクトルのノルムが無限大になることと無縁

ではありません。

 

ただ,デルタ関数のように,空間の点の関数として見たとき

1点では無限大ですが,総和すると有限というような性格

を持っています。

 

(ただし,2乗して積分すると無限大になるので,

2-空間のベクトルのノルムというような意味では,

有限ではありませんが。。。)

 

もっとも,通常の量子力学の状態空間は可分とされていますが,

 

場の量子論での状態空間(フォック空間)は,そうした連続

スペクトルの物理的状態としての存在をも許していると

いう面もあるように見えるので,その空間は可分でさえない

と思っています。

 

 まあ,ここらへんの量子論の本質的問題を考えることで,ときどき

 夢の中でもうなされることがあります。

 

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111. 量子論」カテゴリの記事

310. 関数解析・超関数」カテゴリの記事

コメント

「ゲルファントの3つ組」というのは「Rigged Hilbert Space」のことですね。
正確な定義は知らないが、ヒルベルト空間の超関数みたいなものだろうと思っています。
(シュワルツの)超関数は、L2 (2乗可積分関数の空間) より小さい「コンパクトな台を持つ無限回微分可能な関数の空間」を考えて、その双対空間を作れば、逆に L2 より大きい空間になる (これが超関数の空間) つまり、
 A ⊂ L2 ⊂ A* (A の双対空間=超関数の空間)
というわけですが、ヒルベルト空間 H に対しても
 φ ⊂ H ⊂ φ*
という3つ組を考えて H より大きい空間を作るようです?

投稿: hirota | 2008年2月18日 (月) 12時25分

清水明著「新版 量子論の基礎」
3.16 連続固有値に関する数学的注意
に、
連続固有値aに属する固有ベクトルを|a>とすると、
狭い範囲のaについて、|a>を重ね合わせた状態を |a>の代わりに用いる方法とか、
それから、
僕には、全然わかりませんが、
「ゲルファントの3つ組」による方法がある
と、あります。
尚、この教科書は、通常の本とは逆に、
普遍的一般原理から、演繹的に記述されており、あたかも数学書のような、おもしろい本です。

投稿: kafuka | 2008年2月17日 (日) 15時19分

この論議に対する、私の感想をkafukaさんのところに述べさせていただきました。
http://blogs.yahoo.co.jp/kafukanoochan
(kafukaさん、勝手にリンクしてすみません。)

投稿: 凡人 | 2008年2月 7日 (木) 23時55分

>集合論の専門家
今時「集合論の専門家」って居るんだろうか?(みんな数理論理学に行っちゃった、という記憶も古かったりして)

投稿: hirota | 2008年2月 7日 (木) 11時00分

あっ、そうなんですか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E7%B6%9A%E4%BD%93%E4%BB%AE%E8%AA%AC
を、ちょっとだけ読んで、早とちりしました。
ただ、
>多くの集合論の専門家は、連続体仮説は偽であると考えているか、または真偽に対して中立的な立場を取っている

と、書いてあります。

投稿: kafuka | 2008年2月 6日 (水) 16時01分

 こんにちはTOSHIです。
 
 あれ?hirotaさん。。新しく設置した検索機能使ったんですか?コメント先間違ってませんか?

 ともあれカントールの集合論についての記事2006年7/17「集合の濃度(可算,非可算)」では以前にもどなたかに同じ誤りの指摘を受けたけれどまだ当該箇所をまだ直してなかったのに気づいたので直しておきました。どうもありがとうございました。。。

            TOSHI

 ※追伸:kafyhukaさんのコメントに対するレスでしたか。。失礼しました。。。

投稿: TOSHI | 2008年2月 6日 (水) 15時58分

連続体濃度を「アレフ1」と書くのは間違い。
「アレフ1」の定義は「アレフ0の次の濃度」だから、「アレフ0」と「アレフ1」の中間濃度は存在しない。
連続体濃度の定義: 連続体濃度 = 2^(アレフ0)
連続体仮説 ≡ 「連続体はアレフ1か?」 ≡ 「2^(アレフ0) = アレフ1?」
連続体がアレフ1でないならアレフ0 (可算) と連続体の中間濃度 (アレフ1はその一つ) が存在する。
ゲーデルとコーエンの証明では、連続体がアレフ1であってもなくても矛盾はない。(決定不能ということ)

投稿: hirota | 2008年2月 6日 (水) 11時41分

連続固有値の集合が、連続(χ1)なのに、可付番でないといけない
ということでしたら、
http://blogs.yahoo.co.jp/kafukanoochan/54600359.html
が、その解決策です。
「測定値の集合は、測定操作を伴うから、可付番と言われれば、そうだが、
相互作用の結果は、固有状態の重ね合わせである。その個数は、可付番か?」
と言われると思います。
それは、次回、書きます。
尚、そもそも「測定値の集合」≡「固有値の集合」かと言われると、困ります。

投稿: kafuka | 2008年2月 6日 (水) 01時26分

>表題の本
第三部に「ベクトル空間」の記述があります。
僕でもわかる内容なので、
本格的な「量子力学の数学的な論究」とは、言えないかも知れません。
この内容は、|x>=(x1,x2,x3,...xn)の空間をRN、
|x>=(x1,x2,x3,...x∞)の空間をRH、
|x>=(関数1,関数2,関数3,...)の空間をRs
とした記述です。

投稿: kafuka | 2008年1月25日 (金) 03時24分

>凡人さん私も含めてお互いいい歳でいろいろ病気もあるようですがご自愛ください。
TOSHIさんの仰るとおりです。私も気を付けるようにしたいと思います。

>凡人さん,期待されている方とご自分に敬語をつけるのはいかがなものかと。。^^;)
申し訳ありませんでした。

>本当に私のブログ記事に期待してくださっている人が何人もおられるというのはかなり疑問です。
TOSHIさんのブログのカウンターの回り具合を見て、そのように思っているのですが、いかがでしょうか?

投稿: 凡人 | 2008年1月23日 (水) 22時03分

 kafukaさん,凡人さん,まとレスで申し訳ないですが,コメントありがとうございます。TOSHIです。

 しばらく見ないと思っていたらkafukaさんも入院なさっていたのですね。

 凡人さん私も含めてお互いいい歳でいろいろ病気もあるようですがご自愛ください。

 朝永さんの表題の本は量子力学の数学的な話については論及していないと記憶していますが。。。

 RHというのは実ヒルベルト空間のことでしょうか?あまり一般的でなくて本に固有の記号については説明つけてくださるとありがたいのですが。。,例えばリーマン予想もRHです。。。

>私の様に、TOSHIさんのご活躍に期待されている方が、。。

 凡人さん,期待されている方とご自分に敬語をつけるのはいかがなものかと。。^^;)

 とはいえ,飲み友達でUFO研究会の金井チャンという方にも「おまえのブログはちょくちょく読んでるけど何を書いてるのかわからん。」というので「くやしかったら理解してみろ。。」などと応戦しましたが,本当に私のブログ記事に期待してくださっている人が何人もおられるというのはかなり疑問です。

               TOSHI

投稿: TOSHI | 2008年1月23日 (水) 13時52分

kafukaさん
久しぶりに、kafukaさんのコメントを拝見しまして、安堵いたしました。
ところで、「角運動量とスピン」は所持していませんが、文面からすると、私が疑問にしている内容と同一ではないかと思います。
またひとつ、よろしくお願いします。

TOSHIさん
kafukaさんへの挨拶のついでで申し訳ありませんが、お体をお気を付け下さい。
私の様に、TOSHIさんのご活躍に期待されている方が、大勢いらっしゃると思いますので、どうかよろしくお願いします。

投稿: 凡人 | 2008年1月23日 (水) 00時26分

ご無沙汰しております。
持病で入院していました。

その間に、朝永博士の「角運動量とスピン」のp190~192を読みまして、
やっと、ここの記事が何を問題視しているのかが、わかりました。
フォン・ノイマンが、RHに付け加えた、2つの公理の内の1つ
「RHの中で、いたるところ稠密なベクトル列が存在する」と、
RHでは「規格化されお互いに直交するベクトルの集合は、可付番である」
との関係でしょうか、、、
朝永博士も「読者をまどわせる」とのことで、書かれておられません。

投稿: kafuka | 2008年1月22日 (火) 23時28分

神奈川大の宮沢弘成博士の記事ですが、
http://www7.ocn.ne.jp/~miyazaw1/papers/probability.htm
>量子化すると場は量子の集団となる。現在の扱い方は、場を完全関数系で展開するなどにより、離散的自由度の力学系にして、それを量子化する。すなわち対象は可付番無限自由度の質点系であって、場ではないのである<
とあります。
この問題もご存知だと思いますが、
こちらは、非可算にならないことが問題ですね。
直接の関係はないようですが、おもしろいと思いました。

投稿: kafuka | 2007年10月15日 (月) 20時19分

<凡人様
位置xの演算子は、xそのものですね。

TOSHI様のブログでは、なんですから、EMAN様のところにスレッドを作りましたので、
そこで、やりませんか。
とりあえず、
1.「たとえ、ψ(x)が有限区間内にしかなくても、
   宇宙のn周目のも解になる」という仮定
2.「ψ(x)が、周期関数なら、ψ(x)は、可算なExp(ikx)の和で表される。
   したがって、pの固有値の集合は、可算となる」
3.「ψ(p)が可算なExp(ikx)の和で表される時、ih~∂pから導かれるxの固有値
   の集合も可算となる」
4.「位置xの演算子をxそのものであるとすると矛盾が出る時は、3のものだけになる」
   という仮定
5.「pとxを可算しか許さないなら、pやxについては、連続固有値の問題は回避できる」
   という仮定
について、できればコメントをお願いします(同意・不同意だけでも結構です)

投稿: kafuka | 2007年10月 4日 (木) 22時40分

kafukaさん
私もまだまだ勉強途上ですが、不確定性原理を自分で導出するところあたりからやられてみてはいかがでしょうか。
もう、そんなことはすっかり分かっていると仰るならば、離散固有値や連続固有値あたりを勉強されたらいかがでしょうか。
そうすれば何故、連続固有値の完備性が問題になるのかがお分かりになると思うのですが。

投稿: 凡人 | 2007年10月 4日 (木) 00時43分

p演算すれば、ψ(x)は、宇宙全体に広がります(Bellの定理の実験から光円錐の外側にも広がると言えます)
ということは、宇宙を1周しますよね。
宇宙の半径を、150光年とすると、それから、最大波長λ0が計算できます。
pの固有値は、λ0から出る値の整数倍に
なります。
宇宙の最初では、宇宙の半径が、ずっと小さかったですから、3°Kの輻射のスペクトルが、こまかく分かれていたら、
僕の屁理屈は、証明されます。

以上です。これ以上は、TOSHI様のブログをよごしませんので、ご安心下さい。

投稿: kafuka | 2007年10月 3日 (水) 20時52分

僕の言いたいのは、
理論的なヒルベルト空間で、理論に問題があっても、実際の宇宙に対応するヒルベルト空間では、支障がでないのなら、
それで、いいのでは、ということです。
僕の提案は、Addhockに「時空を量子化や離散化」するよりきれいだと、思います。

場の理論は、全然わかってないのですが、スピンなんかも、連続個,非可算個になるのでしたら、
僕の提案は、ナンセンスですが、、、
もちろん、連続になる物理量がxyztとその相補量以外にあるのでしたら、
だめですね。

投稿: kafuka | 2007年10月 3日 (水) 20時08分

愚論のついでと言っては、なんですが、
弦理論は、8次元だったか、10次元では、
うまくいくのに、4次元に巻き込むと、
うまくいかないそうですが、
「xyzt以外の次元では、この宇宙は、開いている」
とすれば、この記事の論点(量子論の矛盾?)により、どなにかなって、現実の宇宙には、影響が現れない、とする。
というのは、どうですか。

投稿: kafuka | 2007年10月 3日 (水) 01時45分

波束に最小限があるというのは、間違いです。
でも、可算には、なりますよね。

投稿: kafuka | 2007年10月 3日 (水) 01時20分

Notisionレベルなことを書きますが、

>連続個,非可算個のスペクトルに展開されてはいますが、これらを有限の大きさの波束として正しくヒルベルト空間H の物理的ベクトルの集まりとする<ための案です。

xyz空間が閉じていれば、ψは、1周または2周目で、位相が合わないと存在できませんね。
この場合、波束に最小限があり、可算です。量子力学としては、
連続個,非可算個のスペクトルに展開されるが、実際に宇宙に存在できる波束は、可算になる、という屁理屈です。
光円錐の外が関係ないのでしたら、成り立ちませんが、宇宙全体がEntangledであればいいです。
宇宙が1個の素粒子から出発すれば、当然Entangledです。
で、宇宙の最小波束の波長が、超弦の長さになるのでは?

投稿: kafuka | 2007年10月 3日 (水) 01時00分

TOSHIさん
>まにあわせの有効理論以外で解明できないのかな?と思っています。
時空を量子化、または、離散化するしかないと思うのですがいかがでしょうか?
良くわかりませんが、格子ゲージ理論から時空を量子化、または、離散化する方法についてヒントを得るという事は出来ないのでしょうか?
http://soken-pn.kek.jp/riron/kenkyu/naiyo02.html

投稿: 凡人 | 2007年9月21日 (金) 01時45分

>完備性
運動量が確定した固有状態は単色平面波で、単色平面波を重ねて任意の波が出来ることを完備性と言ってるのかと思いましたが、違いましたか?
関係ないなら忘れてください。

投稿: hirota | 2007年9月20日 (木) 17時04分

ども、はじめましてかつらさん。TOSHIと申します。コメントありがとうございます。

 荒木氏の著書を探していたらトランクルームの奥に隠れていました。積読で読んでいませんでしたが、代数的量子論で作用素超関数ではなく作用素環で考えるというのは、この本では局所環と書いてあるセクター理論のことでしょうか?

 これなら、少しかじったことがあって歯茎から血が出ましたが、いわゆるconformal symmmetryを考えた対称性変換に基づく同値類別において局所作用素(operator)の代わりにそれで作った同値類(class)を作用素と同定するものでしょうか。。。

 まあ、ちょっと前、金に困ってsplingerの厚い洋書「Conformal Field Theory」を処分してしまったので参考文献がありません。

 いずれにしろ、局所観測量である限り、演算子は超関数になるという無限大に関わる困難についての本質自体にはかなり興味があるのですが,「くりこみ」にしろ公理論からの「セクター」にしろ、いわゆる有効理論(Effective theory)にすぎないような気がしていまいちもの足りません。

 そもそもたいていの物理量はそれ自身=「代表元」よりも本質は「同値類」であるという認識なら持っています。

 それよりなぜゆらぎなど局所観測量は無限大になり超関数でしか表現できないのか?ということ(おそらく量子化=量子論そのものが原因です。)を、まにあわせの有効理論以外で解明できないのかな?と思っています。

           TOSHI

投稿: TOSHI | 2007年9月20日 (木) 14時13分

>というのは、単なるフーリエ変換で、このフーリエ積分は運動量連続固有関数による展開ですから、そういう意味の完備性は自明。
で述べられている、運動量連続固有関数とは、波動関数(状態関数)の事でしょうか?
私が問題にしている「完備性」は、状態関数が収縮した後の状態の固有状態の固有値についてなのですが、私が誤っていますでしょうか?

投稿: 凡人 | 2007年9月19日 (水) 20時42分

>連続固有値の完備性
「連続な位置パラメーターで表した波動関数」が「連続な運動量パラメーターで表した波動関数」に変換できる。
というのは、単なるフーリエ変換で、このフーリエ積分は運動量連続固有関数による展開ですから、そういう意味の完備性は自明。
他の連続固有関数による展開も、調べたことはないけど、とっくに明らかになってるでしょう。(大学で、一般的な2階線型微分方程式の解関数による展開がどうした。なんて講義があった気がする)
もちろん、離散固有値とは完全に別扱いで、次元やら何やらとは無関係です。
「代数的場の量子論」も無関係でしょう。

投稿: hirota | 2007年9月19日 (水) 19時15分

http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~yasuyuki/msj05.pdf
の中では、
>さて,これらは1 と書かれる真空ベクトルを持つHilbert 空間にはたらくはずだが,完備性とか正定値内積とかは忘れて,単にC-係数の無限次元ベクトル空間ということにしよう.
>これにあたる問題は頂点作用素代数では最近,Huang [14] によって解決されたが,作用素環のネットでは未解決である.これも完全有理的な場合には正しいと予想している.
と記されていますが、「代数的場の量子論」というのは、無限次元のヒルベルト空間に対応する、連続固有値の完備性について、解決を与えているのでしょうか?

投稿: 凡人 | 2007年9月17日 (月) 11時10分

代数的場の量子論(algebraic QFT)の立場では,Hilbert空間とその上に作用する演算子という枠組みをはじめは仮定せずに,observablesの交換関係とその抽象的なobservableたちのなす作用素環(のnet)からの正の線形写像を状態(state)と同定する立場で進める可能性を模索しています。
このような枠組みの中でGelfand Naimark Segalの表現定理によってその状態はある巡回ベクトルを持つHilbert空間に忠実に表現されるので,stateをHilbert空間の言葉で語ることもできるとされています。

[参考]
荒木不二洋 量子場の数理(岩波)
R.Haag Local Quantum Physics 2nd ed.(Sprintger,1996)

投稿: かつら | 2007年9月17日 (月) 09時57分

TOSHIさん
>まあ、ここらへんの量子論の本質的問題を考えることで今はときどき夢の中でもうなされています。
TOSHIさんが、さらに夢見が悪くなるような事を申し上げて、大変申し訳ありませんでした。
私も、TOSHIさんと同様、夢見が悪くなれるように、量子力学の勉強に励みたいと思いますので、どうかよろしくお願いします(?)ではなくて、どうかご容赦下さい。

投稿: 凡人 | 2007年9月10日 (月) 23時14分

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