« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »

2007年10月

2007年10月30日 (火)

楽天ショップ開店

 今年2月の入院前にホームページを作成し,私が店長をやっている健康用品関係のネットショップ「TRS健康ランド」(TはTOSHIのT)にほとんど注文が入らないので,退院後に楽天と契約して出店として新装開店することにしていましたが,私の体調のこともあってやっと本日(10/30)のお昼に新しい楽天のURLで開店しました。⇒「TRS健康ランド」です。

 実は,このところ,長めのブログを書く暇がなくて滞り勝ちだったのは,この新装開店の準備のせいもありました。

 しかし,そもそも私のブログは商売の宣伝が目的で作ったものではないので本格的な宣伝記事は今回だけにします。

 でも,まあ私的な目的であることは商売についても同じですし,ある意味で私の収入に関わることにブログを利用してもいいと思うので,もう少しだけ宣伝させてもらいます。

 お店の目玉商品はエスシーエス株式会社からほぼ専売として託されている、食中毒の菌などから食品や食器類を守る洗浄剤の「SCS(家庭用)」と「SCS(業務用)」,そして沖縄産の「黒ウコン」や眠り草と呼ばれるクワンソウなどを含んだ青汁を錠剤にした「眠りの妖精」,そしてこれからの季節に不快な静電気から手首などを守るサポーターやハンカチ「静電気:ピタッと元気」です。

 目玉商品といっても今のところ8品目しかありませんから全てが目玉と言ってもいいかもしれません。

 品物の出所は板橋区志村にあるちゃんとした代理店です。

 まだ,私自身が全て把握しているわけではありませんが,ネット以外ではこれまで通常の販売形式で利益をあげてきた会社ですから,通常のそうした系列のお店と比較して,展示した品物はちゃんとした安全で便利な製品です。

 宣伝ついでに,別に頼まれたわけでも礼金をもらったわけでもありませんが以前住んでいて,いまだにその界隈の飲み屋に出没している関係でちょくちょく利用している巣鴨駅南口から徒歩2,3分のところの巣鴨一丁目に最近開店した中古パソコン店も紹介しておきます。

 「メディエーター巣鴨店」かな?。。。もちろん,秋葉原にあるような本格的なパソコン専門店の中古部門ほど品数は豊富ではありませんが,私のみるところ結構安くてそこそこ新しい品がそろっています。

 また,私にだけかもしれませんが,若い兄ちゃんたちが結構やさしく対応してくれています。

 というわけで今日は宣伝記事でした。

 しかし,楽天に出店する前の個人的ホームページで開店したときにはほとんど何も反応がありませんでしたが,本当かウソかわかりませんが開店当日の現時点で,もう「スポニチ九州」からの宣伝広告掲載依頼の電話と,スカパー関係のTVショッピングのプロデューサーなる人物からの宣伝番組企画のFAXが届きました。

 これが続くとすると,やはり楽天恐るべしですね。

http://www.rakuten.co.jp/trs-kenko-land/「TRS健康ランド」-- 黒ウコン,SCS(洗浄剤)専売などの店:  私が店長 です。

http://www.mediator.co.jp/category/pages.php?id=115「中古パソコン!メディエーター巣鴨店」

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
    物理学

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月26日 (金)

ケプラー問題(Kepler)

 すぐ前の記事で一般相対性理論で光線の湾曲について論じたのを機会に初心に戻って,相対論以前のニュートンの万有引力に従って太陽の周りを公転する1惑星の運動,すなわち,素朴な2体問題としてケプラー運動(Kepler運動)を計算してみます。

 まず,一般的な中心力場の2体問題の定式化をします。

太陽と惑星の質量をそれぞれm1,m2とし,位置ベクトルを1,2とします。そして,それらの間に働く力を12(1が2に及ぼす力),および21(2が1に及ぼす力)とします。

 

作用・反作用の法則によって,21=-12,かつ(12120 が成立します。

太陽,惑星を質点とすれば,運動方程式はm1(d21/dt2)=21,m2(d22/dt2)=12となります。

 

そして,"物体2=惑星"の"物体1=太陽"に対する相対運動を考察するために,太陽を原点と想定したときの位置ベクトルを21によって定義します。 

このとき,運動方程式は唯1つの式でd2/dt2=d2(21)/dt212/m121/m2(1/m11/m2)12なる形に書けます。

 

惑星の換算質量mを1/m≡1/m11/m2によって定義し,太陽1が惑星2に及ぼす力を改めて12によって定義すると,m(d2/dt2)=となり,結局,2体問題は1体問題に帰着します。

当面の問題では太陽の質量1が惑星の質量2よりはるかに大きい:1>>m2ので,1/m=1/m11/m21/m2ですから,事実上m=2として換算質量を惑星質量と同一視してもかまいません。

 

さらに後の便宜上,太陽の質量1をMで表わすことにします。 

さて,は特に相対位置だけに依存した力場,しかも保存力場である,つまり,渦なしの場:rot=∇×0 であるとすると,ポアンカレの補題によって,あるポテンシャルV()が存在して,=-gradV()=-∇V()と書くことができます。

特に,Vがの絶対値r≡||,すなわち,太陽と惑星の間の距離|21|だけの関数である,つまりV()=V(r)=V(|21)であるとすれば12-∇V=(-dV/dr)(/r)=(-dV/dr){(21)/r}です。

 

そこで,保存力場の内力が12-∇2,21-∇1Vで与えられるとするなら,あるいは,このように内力のポテンシャルが2質点間の距離だけの関数の場合には,作用・反作用の法則は自動的に満足されます。

さて,m(d2/dt2)==-∇V(r)を積分します。

 

V(r)≡mU(r)と置いて単位質量当りのポテンシャルU(r)を定義すれば,2/dt2-∇U(r)と書けます。

 

この両辺に速度/dtを掛けて内積を作ると,(d2/dt2)(d/dt)=-∇U(r)(d/dt)です。

 

それ故,(d/dt)[(1/2)(d/dt)2]=(dU/d)(d/dt),つまり,(d/dt)[(1/2)(d/dt)2(r)]=0 が得られます。

このことから,(1/2)(d/dt)2]+(r)=(時間によらず一定)が得られます。右辺の定数は単位質量当りの力学的エネルギーを示していると考えられるので,これをEと置きます。

 

つまり,(1/2)(d/dt)2(r)=Eです。

また,角運動量×m(dr/dt)と定義すれば,d/dt=×m(d2r/dt2)ですが,m(d2/dt2)=ですから,/dt=×となります。

 

内力に関しては(12120 より,×0 なのでd/dt=0 すなわち,角運動量は時間によらず保存されます。 

したがって,×m(dr/dt)=一定,つまり×=一定ですから,ベクトルの外積の性質から,一定ベクトル×は常にの両方に垂直です。

 

すなわち,一定ベクトル×は,の作る平面の法線ベクトルであって,これが一定であることから,の作る平面は常に一定です。したがって,運動は常に一定の平面内に限られることになります。

ここで,極座標(r,θ,φ)を導入します。x=rsinθcosφ,y=rsinθsinφ,z=rcosθです。

 

このとき,運動エネルギー(1/2)(d/dt)2(1/2)(d/dt)2(1/2)[(dr/dt)2+r2(dθ/dt)2+r2sin2θ(dφ/dt)2]と表現されます。

 

したがって,(1/2)(d/dt)2(r)=Eは,(dr/dt)2+r2(dθ/dt)2+r2sin2θ(dφ/dt)22{E-U(r)}となります。

また,角運動量は/m=×(d/dt)={-r2(dθ/dt)sinφ-r2(dφ/dt)sinθcosθcosφ}+{r2(dθ/dt)cosφ-r2(dφ/dt)sinθcosθsinφ}2sin2θ(dφ/dt)=r2(dθ/dt)(-sinφ+cosφ)+2sinθ(dφ/dt)(sinθ-cosθcosφi-cosθsinφ)です。

 

先に述べたように,運動はある平面上に限定されるので,それが特にxy平面になるように座標系を取って,θ=π/2=一定とすれば,/m=2(dφ/dt)≡h(一定)と書くことができます。

よって,(dr/dt)2+r2(dθ/dt)2+r2sin2θ(dφ/dt)22{E-U(r)}は(dr/dt)2+h2/r22{E-U(r)},あるいはdr/dt=±[2{E-U(r)-2/r2}]1/2です。

 

一方,dφ/dt=h/2ですが,両辺をこれで割ればdr/dφ=±[2{E-U(r)}-2/r2]1/22/hとなります。

 

したがって,惑星の軌道は±dφ=[2{E-U(r)}/2-1/r2]-1/2-2drで与えられることがわかります。

特に,ニュートンの万有引力の場合はU(r)=-GM/rですから,軌道の初期条件の向きが+符号の方であるとすれば,φ+α=[2{E+GM/r}/2-1/r2]-1/2(dr/r2)となります。

 

φ+α=∫ds{2E/2+(2GM/2)s-2}-1/2,したがって,[2E/2-(GM/2)2]1/2cos(φ+α)=[1/r-(GM/2)],つまり1/r=(GM/2)+{2E/2-(GM/2)2}1/2cos(φ+α)となります。

 

そこでℓ≡2/(GM),e≡{2222]1/2/(GM)と置けば,惑星の軌道は,よく知られた円錐曲線r=ℓ/{1+ecos(φ+α)}で与えられることがわかります。

 

eは離心率と呼ばれる非負の数ですが,0≦e<1なら,この曲線は2つの焦点の1方を太陽とする楕円であり,特にe=0 なら中心が太陽の円です。また,e=1なら放物線,e>1なら双曲線になります。

 

一般に,太陽系の惑星とされている星はエネルギーEが比較的小さいために 0≦e<1を満たし,太陽付近に接近すると太陽に捕獲されて楕円軌道になります。

 

実際,これらの惑星では,eはゼロに近くて楕円軌道は円に近いものになっています。

 

ところが,彗星(comet;箒星)などはEが大きいため,離心率eは大きく,それでもe<1なら楕円軌道になるので,太陽や地球の付近に1度現われたとすれば,周期は数年,数十年ととても長くても,再び接近することがあります。

 

しかし,中にはe≧1を満たすため2度と接近しないものもあります。

 

そして,もしもeが小さいなら周期も小さくて,ときには彗星ではなくて惑星であると同定される場合もあるようです。

 

(2007年4/27の記事「シュヴァルツシルト時空内の測地線(惑星の公転軌道)」も参照してください。)

 

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

http://homepage2.nifty.com/toshis-kaiga-auction/健康商品の店 「TRS健康ランド」

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
    物理学

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年10月21日 (日)

光線の湾曲(一般相対論)

現在,EMANさんが「趣味で物理学」に続いて「趣味で相対論」という本の出版を計画しているらしいこともあり,EMANさんのボードT_NAKAさんのブログなどで一般相対論が話題にあがることが多いようです。

そういえば,退院直後の2007年4月27日の私のブログ記事「シュヴァルツシルト時空内の測地線(惑星の公転軌道)」やそれに続く4月29日の記事「惑星の近日点の移動」で関連した話題を取り上げました。

 

しかし,太陽付近を通過する光線の太陽の重力による湾曲についての計算はまだやってなかったなと思い出しました。

しかし,実は4月27日の記事での惑星の公転軌道の計算結果で,惑星を光に置き換え,その質量をゼロとするという簡単な修正を行なうだけで,直ちにこの問題が解けることに気づきました。

 

そこで,ちょっと手抜きですが4月27日の記事を再掲して一般相対性理論に従って太陽重力による光線の湾曲の角度を計算してみます。

 

まず,2007年4/27の記事「シュヴァルツシルト時空内の測地線(惑星の公転軌道)」を再掲します。

  

※(再掲開始)

 ニュートン力学では,太陽と1つの惑星だけの2体問題を想定して惑星の近似的な公転軌道を求めるという昔から有名な問題があります。

 

 すなわち,太陽は1点に固定されて対象とする惑星よりもはるかに大きい質量を持つ不動点であり,一方惑星は質点であるという近似の下で,太陽と惑星の間には万有引力と呼ばれる重力のみが働く,という想定でニュートンの運動方程式の解としての公転軌道を求める問題ですね。

 

 この解は,太陽に近いという通常の初期条件の下では,いわゆるケプラーの法則(Kepler's law)に従う楕円軌道になりますが,こうした計算問題は,通常は大学初年級での力学の演習で学ぶと思われます。

 しかし,最近ニフティ(@nifty)から移動して新装開店したfolomy「物理フォーラム」の「相対論の部屋」で次のような質問を受けました。

 

 "ケプラー運動を一般相対論で計算したいのですが,どうすればいいのでしょうか?"という内容の質問でした。

 

 これは大げさだなとは思いましたが,

 

"とりあえず太陽中心を中心と考えて,球対称で静的な解であるシュヴァルツシルト解を採用して,その計量でシュヴァルツシルト半径より外側の点であるという初期条件の下での質点の測地線を計算することによって軌道を求めたらどうか?"

 

 と答えたのですが,その後,まったく音信不通でした。

 

 そこで,クリストッフェルの記号の計算などが面倒だとは思いましたが,それは普通,重力場のシュヴァルツシルト解を求める際に得られるものなので,こうしたクリストッフェルの記号などについては,相対論の参考書をフルに参照しながら微分方程式を導き,これを自分で解いてみようと思います。 

 そもそも重力が弱いとき,ニュートンの万有引力の法則に近似的に一致するシュヴァルツシルト時空(シュワルツシルト時空)の計量(metric)を実際に書き下すと,ds2=gμνdxμdxν(1-2m/r)c2dt2-dr2/(1-2m/r)-r2(dθ2sin2θdφ2)となります。

 

 ここで,μ=(x0,x1,x2,x3)≡(ct,r,θ,φ)ですが,これは極座標で表わした時空の座標です。また,2m=2GM/c2はシュヴァルツシルト半径を示しています。Gは万有引力定数でcは光速,Mは今の場合は太陽の質量です。 

 そして,重力場の中での自由粒子の運動を表わす測地線の方程式はλを任意パラメータとしてd2μ/dλ2+Γρνμ(dxρ/dλ)(dxν/dλ)=0 で与えられます。

 

 ただし,Γρνμはクリストッフェル(Christoffel)の記号です。Γρνμ(1/2)gμσ(gσρ,ν+gσν,ρ-gρν,σ)で与えられます。ここで,ρν≡∂gρν/∂xσ etc.です。

 

 光の運動が対象の場合はds20 ですが,質量を持つ質点の運動の場合はτを固有時としてds2=c2dτ2と書けます。

 

 そこで,今の惑星を質点近似する場合なら,λ≡τと置いて測地線の方程式をd2μ/dτ2+Γρνμ(dxρ/dτ)(dxν/dτ)=0 と書いてよいことになります。

 

 そして,計量によりc2=gμν(dxμ/dτ)(dxν/dτ)という拘束があります。

 シュヴァルツシルト時空ではゼロでない計量成分は対角成分だけであり,それはg00(1-2m/r),g11=-1/(1-2m/r),g22=-r2,g33=-r2sin2θです。

 

 また,ゼロでないクリストッフェルの記号は,Γ010Γ100(m/r2)/(1-2m/r)=m/[r(r-2m)],Γ001={m/r2)(1-2m/r)=m(r-2m)/r3, Γ111=(-m/r2)/(1-2m/r)=-m/[r(r-2m)], Γ221=-r(1-2m/r)=-(r-2m),Γ331=-rsin2θ(1-2m/r)=-(r-2m)sin2θ,Γ122=Γ2121/r,Γ332=-sinθcosθ,Γ133=Γ3131/r,Γ233=Γ323=cosθ/sinθとだけになります。 

 故に,測地線の方程式は,

 

(1)d2/dτ2[2/{r(r-2m)}](dt/dτ)(dr/dτ)=0 ,

 

(2)d2/dτ2[c2(r-2m)/r3](dt/dτ)2[m/{r(r-2m)}](dr/dτ)2(r-2m)(dθ/dτ)2(r-2m)sin2θ(dφ/dτ)20 ,

 

(3)d2θ/dτ2(2/r)(dr/dτ)(dθ/dτ)sinθcosθ(dr/dτ)(dφ/dτ)=0 (4)d2φ/dτ2(2/r)(dr/dτ)(dφ/dτ)+(2cosθ/sinθ)(dθ/dτ)(dφ/dτ)=0 となります。

 また,拘束条件はc2[c2(r-2m)/r](dt/dτ)2[r/(r-2m)](dr/dτ)2-r2(dθ/dτ)2sin2θ(dφ/dτ)2です。

 

 これは単に計量の式:ds2=c2dτ2(1-2m/r)c2dt2-dr2/(1-2m/r)-r2(dθ2sin2θdφ2)を書き直しただけなので,方程式を解く際には積分定数を決めるのに役立つだけです。

 まず,(3)d2θ/dτ2(2/r)(dr/dτ)(dθ/dτ)sinθcosθ(dr/dτ)(dφ/dτ)=0 は,あるτにおいてθ=π/2,dθ/dτ=0 という初期条件で解くと,d2θ/dτ20 となります。

  

 結局,常にdθ/dτ=0 (一定)であり,θ=π/2(一定)となります。

 

 すなわち,このような初期条件では"質点=惑星"の運動は常に,赤道面θ=π/2という特別な平面内に束縛された運動になります。

そして,θ=π/2 (一定)を,(4)d2φ/dτ2(2/r)(dr/dτ)(dφ/dτ)+(2cosθ/sinθ)(dθ/dτ)(dφ/dτ)=0 に代入すると,d2φ/dτ2(2/r)(dr/dτ)(dφ/dτ)=0 ,つまり[d(r2dφ/dτ)/dτ]/r20 が得られます。

 

すなわち,d(r2dφ/dτ)/dτ=0 なので,r2dφ/dτ=h (一定)となります。

 

これは角運動量の保存則,または面積速度一定の法則を示しています。後者はケプラーの法則の1つです。

一方,(1)d2/dτ2[2/{r(r-2m)}](dt/dτ)(dr/dτ)=0 にdt/dτを掛けると,(1/2)d(dt/dτ)2/dτ+[2/{r(r-2m)}](dt/dτ)2(dr/dτ)=0 となります。

 

そこで,A≡(dt/dτ)2とおけば,dA/dτ=-[4mA/{r(r-2m)}](dr/dτ)です。

 

dA/A=[4/{r(r-2m)}]dr=2[dr/r-dr/(r-2m)]より,lnA=2ln[r/(r-2m)]+const.となります。

 

つまり,(B/c)2を適当な積分定数として(dt/dτ)2=[B22/{c2(r-2m)2}]=(B2/2)/(1-2m/r)2,あるいはdt/dτ=±[Br/{c(r-2m)}]=±(B/c)/(1-2m/r)を得ます。

最後に,これらを全て(2)d2/dτ2[c2(r-2m)/r3](dt/dτ)2[m/{r(r-2m)}](dr/dτ)2(r-2m)(dθ/dτ)2(r-2m)sin2θ(dφ/dτ)20 に代入すると,d2/dτ2mB2/{r(r-2m)}-[/{r(r-2m)}](dr/dτ)2-h2(r-2m)/r40 が得られます。

 

さらに,この全体に[2/(1-2m/r)](dr/dτ)を掛け,C≡(dr/dτ)2/(1-2m/r)]と置けば,(d/dτ)[C-B2/(1-2m/r)+h2/r2]=0 です。

 

したがって,C-2/(1-2m/r)+h2/r2≡-ε(一定),すなわち,[(dr/dτ)22]/(1-2m/r)+h2/r2=-ε(一定)となります。

 

そこで,(dr/dτ)2/(1-2m/r)=-ε-h2/r22/(1-2m/r)により,dr/dτ=±[{(-(ε+h2/r2)(1-2m/r)+2}1/2=±[2-ε+2mε/r-h2/r22m2/r3]1/2を得ます。

定数εを決定するために,計量の拘束式ds2=c2dτ2(1-2m/r)c2dt2-dr2/(1-2m/r)-r2(dθ2sin2θdφ2)に,θ=π/2=一定とdθ=0 ,そしてdφ/dτ=h2/r2,(dt/dτ)2=B2/[c2(1-2m/r)2]を代入します。

 

すると,2[-(dr/dτ)2+B2]/(1-2m/r)-h2/r2となるので,結局ε=2であることがわかります。 

したがって,2m=2GM/2を使用するとdr/dτ=±[222GM/r-2/r2+2GM2/(c23)]1/2が得られます。

 

あるいは,これを運動エネルギーを表わす式と考え,(dr/dτ)2/2=(22)/2+GM/r-h2/(2r2)+GM2/(c23)と書くこともできます。

ここで,軌道を求めることを優先するのであれば,dr/dτの表式の両辺をdφ/dτ=h/r2で割ることにより,dr/dφ=±[(22)r4/h22GM3/2-r22GMr/c2]1/2が得られるので,これを積分すると±∫dr/[(22)/h2)4(2GM/2)r3-r2(2GM/c2)]1/2=φ+αとなります。

 

便宜上,r≡1/sと変数変換すればdr=-ds/s2であり,±∫ds/[(22)/h2) +(2GM/2)s-2(2GM/c2)s3]1/2=-(φ+α)となります。

ここで,(2GM/c2)s3,あるいはdr/dτ=±[222GM/r-2/r22GM2/(c23)]1/2における 2GM2/(c23)は分母のc2のせいで,rが十分大きいときには他の項と比較してごく小さいという意味で無視します。

 

そうすれば,±∫ds/[(22)/h2+(2GM/2)s-2]1/2=-(φ+α)となるため,±∫ds/[(2222+G22)/h4-(s―GM/2)2]1/2=-(φ+α)と近似されます。

 

さらに,s-GM/2[(2222+G22)1/2/h2]cosuと置くことにより,±∫du=φ+αときわめて簡単になります。

 

そこで例えば左辺で+符号を取って惑星が正の向き(反時計周り)に回転すると仮定すれば,u=φ+αとなります。

 

s-GM/21/r-GM/2[(2222+G22)1/2/h2]cos(φ+α),つまりr=(2/GM)/[1+{(22)2+G22}1/2/(GM)]cos(φ+α)]が得られます。

 

ここで,ℓ≡2/(GM),e≡{(22)2+G22}1/2/(GM)≡{1-ℓ(c22)/(GM)}1/2とおけば,この軌道はニュートン力学で得られる円錐曲線の式:r=ℓ/[1+ecos(φ+α)]と完全に一致します。

 

この曲線は離心率eの値によって楕円,放物線,双曲線になりますが,一般に太陽系の惑星軌道は22であって,離心率eが 0≦e<1を満たす場合に相当し,この2体近似では惑星の軌道は一方の焦点に太陽が位置する楕円を表わします。

 

特にeがゼロのときは2つの焦点が一致して完全な円を表わしますが,実際の太陽系の惑星の軌道の離心率eはかなりゼロに近く軌道が円に近いものが多いようです。

 

これらの結果はケプラーの法則を示しているので,dr/dτ=[222GM/r-h2/r22GM2/(c23)]1/2において2GM2/(c23)を無視する近似は,丁度ニュートン理論に対応している,と考えることができます。

 

ニュートン力学は相対論的力学での計算結果において光速cが無限大の極限を取れば得られると予想されるので,2GM2/(c23)→ 0 という近似がこれに対応するのでしょうね。

 

また,時間についてのニュートン近似はdτ→ dtなので,これは(dt/dτ)2(B2/2)/(1-2m/r)2(B2/2)/{1-2GM/(c2r)}2→1 に相当します。

 

それ故,c2→∞ と同時にB2→∞ となるべきことが示唆されます。そして,この極限で(B2-c2)は有限に留まると予想されます。

そこで,さらに進めて,恐らく初等的に積分することは不可能だと思われますが,dr/dτの中に項 2GM2/(c23)を含む正しい式を考え,この項がごく小さいことを考慮して何らかの摂動展開によって,より高次の近似計算を行なえば,惑星の近日点の移動なども計算できるだろうと予測されます。

 

しかし,今日のところは相対論での球対称なシュヴァルツシルト計量の時空の測地線を求めるという見地から,ニュートン理論で得られるケプラーの法則に従う惑星の楕円軌道を再現できたことに満足してひとまず終わりにします。

 

精確な相対論に基づく高次の計算については,機会があればまた別の日にやってみようと思います。(以上再掲終わり)※

さて今日のブログに戻って,光線の湾曲を計算します。

上の過去記事では重力場の中での測地線の方程式はλを任意パラメータとしてd2μ/dλ2+Γρνμ(dxρ/dλ)(dxν/dλ)=0 で与えられる。と書いた後で,惑星の運動ではds2=c2dτ2(1-2m/r)c2dt2-dr2/(1-2m/r)-r2(dθ2sin2θdφ2)によって与えられる固有時τを任意パラメータλとして採用し,λ=τとして以下の計算を実行しています。

 

しかし,惑星でなく光の場合にはds2=c2dτ20 なので,常にdτ=0 のため,パラメータをλ=τに選ぶことはできません。そこで,λは任意のパラメータとして残しておきます。

そうすると,θ=π/2=一定やdθ=0 はそのままですが,角運動量の保存(面積速度=一定)dφ/dτ=h/r2は,dφ/dλ=h/r2とする必要があります。

 

また,dt/dτ=±Br/[c(r-2m)]=±B/[c(1-2m/r)]も,dt/dλ=±Br/[c(r-2m)]=±B/[c(1-2m/r)]に変更する必要があります。

 

しかし,実はパラメータλは任意に取っていいので,ここで積分定数BをB≡cと取れば,dt/dλ=±1/(1-2m/r)と簡単になります。

さらに,ds2=c2dτ2(1-2m/r)c2dt2-dr2/(1-2m/r)-r2(dθ2sin2θdφ2)から得られたc2[-(dr/dτ)2+B2]/(1-2m/r)-h2/r2は, 0[-(dr/dλ)2+c2]/(1-2m/r)-h2/r2です。

 

そこで,結局,2m=2GM/2を使用してdr/dλ==±[c2-h2/r22GM2/(c23)]1/2になります。または,(dr/dλ)2/2=c2/2-h2/(2r2)+GM2/(c23)とも書けます。

そして,dr/dλの表式の両辺をdφ/dλ=h/r2で割ることにより,dr/dφ=±[c24/h2-r22GMr/c2]1/2が得られ,例えば+符号をとって惑星が正の向き(反時計回り)に回転すると仮定すれば∫dr/[(c2/h2)4-r2(2GM/c2)]1/2=φ+αとなります。

 

φ/dλ=h/r2 ですから,hは任意パラメータλをどう取るかに依存するわけですが,今の場合はB=cとなるようにλの単位を定めています。

上に得られた光の軌道は,パラメータ次第で十分遠方から直進して来て太陽半径付近を通過して去っていく光線(恐らく双曲線)の軌道をも表わすと考えられます。

 

そして,太陽半径の位置の動径をr=r0とすると,φ(r)=φ(r0)+∫r0dr/[(c2/h2)4-r2(2GM/c2)]1/2と書けます。

特にφ(r0)=0 となるようにφの始線を選ぶと,φ(r)=∫r0dr/[(c2/h2)4-r2(2GM/c2)]1/2です。

 

このとき, 遠方から飛来して太陽付近を通過して曲げられた後に方向を変えた遠方へと去っていく光線の正味の角度変化をΔφとすれば,明らかにΔφ=2φ(∞)-πと書くことができます

特に,ニュートン近似として,2GMr/c2を無視すると,r=h/{ccos(φ+α)],すなわち,r=h/[ccos{φ(r)}]です。

 

このときには太陽半径r0はr0/cで与えられます。r=h/[ccos{φ(r)}]なら,cos{φ(∞)}=0ですから,φ(∞)=π/2 です。それ故,ΔφNewton=φ(∞)Newton-π=0 です。

 

一方,ニュートン近似をせず,φ(r)=∫r0rdr/[(c2/h2)4-r2(2GM/c2)]1/2を直接用いれば,(dr/dφ)r=r0=1/(dφ/dr)r=r0=0 です。

 

そこで,f(r)≡1(2GM/c2)/rとおけば,(dr/dφ)r=r0=0 により,(c2/h2)04-f(0)r020 ですからc2/h2=f(0)/r02でありφ(∞)=∫r0dr/[4(0)/r022()]1/2です。

 

そして,[4(0)/r022()]-1/2-1{r2(0)/r02()}-1/2=r-1 [(r2/r02){1-2GM/(20)}{12GM/(2)]-1/2=(r0/r)[r2-r02-2GM(2/r0-r02/r)/c2]-1/2 ~ (r0/r)(r2-r02)-1/2+(GM/c2)r-2(3-r03)(2-r02)-3/2と近似できます。

 

これの,第1項はニュートン近似ですから,前と同様φNewton(∞)=r0dr(r0/r)(r2-r02)-1/2=π/2となります。 

一方,第2項の積分は(GM/c2)∫r0(dr/r2)(r3-r03)(r2-r02)-3/2=(GM/c2)∫r0dr{r(r2-r02)-3/2-r03-2(r2-r02)-3/2}==(GM/c2)∫0s0ds{s03(s02-s2)-3/2-s3(s02-s02)-3/2}=2GMs0/c2=2GM/(c20)ですから,φ(∞) ~ 2GM/(c20)+π/2 となり,曲がり角としてΔφ=2φ(∞)-π ~ 4GM/(c20)が得られます。

 

現実の太陽半径:r0 ~ 7.0×105km,およびシュヴァルツシルト半径:rg ~2GM/c2~ 3.0kmを代入すれば,Δφ~ 2g/r0 ~ (6/7)×10-5×180/π×3600~ 1.76秒という光線の曲がり角の近似計算値が得られます。

 

これは観測結果とよく一致しています。

 

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

http://homepage2.nifty.com/toshis-kaiga-auction/健康商品の店 「TRS健康ランド」

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
    物理学

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年10月20日 (土)

反文明についての雑感

 ここ1年くらい,ブログネタを考えるのが面倒臭いという理由で,しかも人間関係のストレスがないというわけで,息抜きに自然科学ネタばかり書いていますが,だんだんどちらが息抜きなのかわからなくなってきています。

 ちょっと前に,飲み屋ではちょくちょく会うので飲み友達というのでしょうか,かつては学校の先生をしていた既に還暦を3つくらい過ぎていると思われる熊さんという博学な人と歓談していましたが,私がパソコン関連の話をすると,彼から「TOSHIさんにはパソコンというのはあるのが前提の話なんでしょうが。。」という話が出掛かって,酒を飲みながらだったので,すぐに脱線してそうした話題は立ち消えになりました。

 そのときも一瞬感じましたが,後で考えて「ああ,この人にもタブーというものがあるのだなあ」と思ってしまいました。

 もちろん,プライドとかいうものもそうですが,私も含めて程度の差はあれ,万人にタブーというものはあるでしょう。

 彼の言いたかったことを邪推すると,私流の陳腐な表現では,恐らくパソコンというのは所詮機械であって人間の血が通ってない云々,という話ではないかと思います。

 しかし,私だって無批判にパソコンも含めた文明,特に機械文明を受け入れているというわけではないです。

 しかし,既に文明の庇護がなければ,数時間か数日のうちに死んでしまうような実体と化してしまっています。

 今年4月に,私自身が受けた心臓の手術にしたって,もしも輸血を認めない「エホバの商人」の言うとおりにしていたら,手術不可能で恐らく命が1年も持たないわけです。

 日ごろ,いくら偉そうなことを言って威張っていても,例えば今と比べて何の文明の利器もないだろう西部開拓時代のアメリカのゴーストタウンに近い鄙びた街にいきなり一人でタイムスリップして放り出されたなら,夜の暗闇が恐ろしくてガタガタと震えだすに違いないでしょう。

 そうした状況なら,日頃は自分が忌み嫌っている権力(例えば「おまわりさん」という顔をした警察権力など)ではあるけれど,文明社会では,自己の権力への服従の代償として,生きるために必要な大きな庇護をこうむっていて,一人で文明を否定して生きるということの厳しさ,を改めて痛感するに違いない,とか思ってしまいます。

 だからと言って,文明を肯定するわけではないけれど,極端な話,私も含めて地球にとって最大の害虫である人間の所業をもし認めないというのであれば,パソコンなどという害毒のほんの一端だけの拒否反応ではなくて,車,エアコン,テレビなどを含む機械文明全体を否定する生き方,例えばヤマギシズムなどがどの程度徹底しているのか知らないけど,そうした生き方を覚悟しなければならないでしょう。

 開き直りかもしれないけど,徹底するのでなければ,自己の害虫としての存在を肯定し,害虫とか益虫とかいう価値観の外で,あるがままに生きるしかないと考えています。

 ある意味では文明に対しては,どっぷりつかっていて,いちいちタブーなど感じないマヒした頭になっている自分を否定して,自殺もできないチキンに成り下がっています。

 要するに,私自身がそうしたモラル一般に対して,はっきりとした主張がなく,他人の価値観を否定したり笑ったりできるわけではないので,まあ,そのー,いわゆる1つの雑感です。

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

http://homepage2.nifty.com/toshis-kaiga-auction/健康商品の店 「TRS健康ランド」

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
    物理学

| | コメント (22) | トラックバック (0)

2007年10月19日 (金)

植草事件に思う

 経済学の専門家である植草一秀氏に痴漢行為などの罪で実刑判決が出たそうです。

 本人は否定しているらしいです。

 痴漢というのは現行犯でしか捕まることがないし親告罪だと思いますが,やったやらないというのは当事者には明らかなのでしょうが,所詮情況証拠だけの微妙な話なので冤罪云々の話を私的にどうこう論じようとは思いません。

 ただ,別に偉い先生だから弁護するというわけじゃなく,たとえこうしたハレンチ罪を現実に実行していたのが本当だとしても,有名人であることもありますが女性の人権などと声高に述べる人々が言うほど大げさな話ではないと私的には思います。

 そも加害者とされている個人の人生を云々し,社会的に抹殺するほどの問題じゃないと個人的には思うので,ある意味でかわいそうだと思いました。

 へそから下の下半身には人格がない,とはよく言われる例えですが,痴漢はさておき,これも本人は否定していますし,田代まさし氏のときもそうですが,たかがミラーなどで女の子のパンツを見たとか写真を撮ったからといって,それがなんぼのもんじゃい?という感じを受けます。

 個人の性向については,それが変態的であろうが,抑止することは不可能ですからね。

 とりあえず,若者たちが注意されたときの常套句ではないけれど,「他人に迷惑かけなければいいじゃないか」とか,「実害がなければいいじゃないか」とか思います。

 そうした弁明が実際には通らない状況というのは,現実に何らかの迷惑,あるいは実害を与えている,あるいはそれを受けたと感じている方が大勢おられる場合でしょう。

 しかし,もしも本当に迷惑かけていなければ,確かに迷惑ではないのですから,その場合は,私はやってもいいと思います。

 極楽トンボの山本氏とかも含め,事実関係については関係者ではないのでよく知りませんが,この種の淫行,痴漢,のぞき,などのハレンチ罪については,自分もやりかねないことなので,どうも評価が甘くなってしまいます。

 これらは時の法律に触れるというだけの話で,加害者の人生を左右し社会的に抹殺するに値するほどの被害者がいるのでしょうか?

(単に,痴漢に対して"抹殺=死刑"は,過剰防衛,または量刑不当と主張しているだけで,無罪主張ではありません。)

 売春や買春ならオーストラリアの某都市ではむしろ市が観光の目玉として奨励しているとも聞きます。所詮,相対的な価値観で裁かれているのです。

 実際に痴漢行為等によって,トラウマが残るほどの被害を受けられた方がおられるなら,その方は本当にお気の毒と思います。

 が,そうでないケースならパンツを見た程度の加害者や冤罪なのに嫌疑を受けられたという方のほうに同情してしまうのは男であり,変態を自認している私の性(さが)でしょうか。

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

http://homepage2.nifty.com/toshis-kaiga-auction/健康商品の店 「TRS健康ランド」

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
    物理学

| | コメント (9) | トラックバック (0)

2007年10月18日 (木)

木原美知子さん逝く

 私の故郷:岡山県の同世代の先輩に当たる木原美知子(木原光知子))さんが亡くなられたそうです。59歳.まだ若いのにクモ膜下出血が原因です。

        

 丁度,私が高2のときに,彼女は高3で,そのころは一段と輝いていて当時の我々岡山県の高校生にとってはあこがれの的でした。

       

 高校2年のとき,私は高校の卓球部に入っていましたが,地区で開催される新人戦予選の個人戦で5回戦に勝ってベスト32に入れば,後日山陽総合体育館で行われる県の中央本大会に出場することができて,その総合大会の岡山市の山陽総合運動場で行われる卓球も含めた全競技の開会式では木原美智子さんが選手宣誓をされる予定になっていました。

 しかし,新人戦だと3年生は出場できないはずなので,宣誓ではなくただのゲストだったのかもしれません。それとも私の記憶違いで別の大会だったのかなあ,ちょっとあまりに昔なのでさすがに記憶があやふやです。

 とにかく,そういうことも励みになって,私は当時確か倉敷の体育館で開催された高校卓球の新人戦の大会で珍しく頑張って5回戦:ベスト64まで進んだのですが,そこで第3シードの関西高校の1年生新谷(にいや)君に,21本3セットのフルセットの末に順当に敗退してしまいました。

 その日の最後の試合になったため,注目を浴びたのですが,力及ばず敗退し,あと一歩のところで,結局彼女と接近遭遇することはできなかった,という思い出があります。

 合掌!

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

http://homepage2.nifty.com/toshis-kaiga-auction/健康商品の店 「TRS健康ランド」

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
    物理学
光る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

形式論理学(4)

 これまでは文の分析は,文そのものを最小単位とするところで終わっていました。

 

 今日は,より複雑な論証の分析に耐えられるように,論証を構成する文とその規則を一般化します。

 "ワトソン(Dr.Watson)がモリアーテイ(Pf.Moriarty)を捕まえることができるならホームズ(S.Holmes)にもできる"は,W⇒H;"ホームズはモリアーテイを捕らえることができない"は,¬H;そこで,"ワトソンはモリアーテイを捕まえることができない"は,¬W;

 

 のような論証の前提や結論は,単に分析の最小単位となる原子文:W,Hを,⇒ や ¬ といった真理関数的結合子で結合した,いわば"分子"になっています。

上の論証の前提と結論の論理構造は,分析の最小単位となる原子文を示す文字と,原子から分子を作るための括弧,否定記号,条件法を表わす矢印を使って表現されています。

こうした論証の妥当性は,前提と結論が持つ分子構造による妥当性であって,原子文の内部構造はとりあえず無視されていました。

ところが,一般に我々が行う論証の多くは,こうした単純なやり方での分析では手に負えない有機的で複雑な構造を持っています。

"誰であれ,モリアーティを捕まえることができるとしたら,それはホームズだ。";"ホームズはモリアーティをを捕まえることができない。"それ故,"誰もモリアーテイを捕まえることができない。"

 

という論証を与えたとき,これは今までのような単純な構造になっていないことがわかります。

この論証が妥当であるということを示すためには,分析を原子よりもさらに下のレヴェルまで行なう必要があります。

 

つまり,原子文を,それ自体が文でも真理関数的結合子でもない構成要素にまで分解して分析しなければなりません。

そこで我々は単純な真理関数的論理に別れを告げることになります。

 

手始めに前提と結論を既に自由に扱えるようになった論理的表記法と日本語を混ぜた形に直して論理的構造を見やすくしてみます。

"あらゆるxについて(xはモリアーティを捕まえることができる⇒ホームズはモリアーティを捕まえることができる)";"¬(ホームズはモリアーティを捕まえることができる)":それ故,"¬(モリアーティを捕まえることができるようなxが存在する) "

こうすると,第1の前提と結論に出てくる,"あらゆるxについて~"とか,"~のようなxが存在する"に対応する論理的表記法が必要になります。そこで,これらを次のように表わすことにします。

すなわち,"あらゆるxについて~"を,∀x(普遍量化子,または全称量化子)で,そして,"~のようなxが存在する"を,∃x(存在量化子)で表現します。

そこで小文字a,bで,それぞれ,ホームズとモリアティという人称を表わし,大文字のTを"~は~を捕まえることができる"という関係を表わす句の代わりに用いれば,上に例示した論証は全て論理的表記法で表現することができます。

 

こうした表記法ではTabなどが原子文になります。この例では,∀x(Txb⇒Tab);¬Tab;故に¬∃xTxbと表現されます。

こうした∀xや∃xのような論理的表記におけるxを,変項と呼ぶことにします。そして,それぞれの論証で変項が表わすことのできるものを集めた集合を,その変項の論議領域といいます。

そして,この論証が妥当であることを示すためには,変項xがどのような範囲のものを表わしていようと,つまりxの論議領域が何から成っていようと,そしてその何かがa,bという名称で指定されていようと,さらにTなる関係を如何なるものと解釈しようと,論証の前提の全てと結論の否定が同時に真になることは決して有り得ないことを示せばいいわけです。

こうした論証の妥当性もテストできるように真理の木の方法を拡張することを試みます。

 

まず,論証の前提と結論の否定とをリストアップします。

1.∀x(Txb⇒Tab);2.¬Tab;3.¬¬∃xTxbと書きます。

 

まず,3.¬¬∃xTxbをチェックして,4.∃xTxbを得ます。

ところで,1.∀x(Txb⇒Tab)において,(Txb⇒Tab)の前提は∀xなので,xが何であっても括弧の中の命題は成り立つはずです。

 

そこでx=bとして,5.Tbb⇒Tabが成立します。

 

しかし,命題 1.からは,なお,5.とは独立な別の情報をも引き出せる余地があるので,この時点で 1.にチェックをつけることはしません。

 

この新しい規則を普遍例化(UI)と呼びます。

そして,5.Tbb⇒Tabは,¬Tbb∨Tabと論理的に同値ですから,このステップで2つに分岐して,6.¬Tbb,Tabの左右両方の2つの経路になります。

 

この段階で,6.の右側のTabの分枝は,2.¬Tab があるので閉じています。

 

しかし, 6.の左側の¬Tbbにつながる分枝は,なお開いています。

一方,4.∃xTxbはTxbを成立させる,ある人物xが存在することを意味するので,この少なくとも1人の存在する誰かの名称をcと置いて, 7.Tcbと書くことができます。

 

この4.は1度しか使えないので,4.にはチェック印をつけます。この新しい規則は存在例化(EI)と呼びます。

さらに,1.∀x(Txb⇒Tab)をもう1度用いて,x=cとおいて,8.Tcb⇒Tab,あるいは 8.¬Tcb∨Tabと書くことができますから,9.¬Tcb,Tabと展開できます。

 

これで9.の左側の分枝:¬Tcbは 7.Tcb によって閉じます。

 

また,9.の右の分枝:Tabも再び 2.¬Tab によって閉じます。

以上で木のあらゆる経路=分枝は全て閉じて,全体として閉じた木になるため,例として出された論証の妥当性は真理の木によって証明されました。

 

したがって,真理の木による妥当性検証の方法は量化子と変項を含んだ一般的な論証に対しても拡張適用が可能なことがわかりました。

内部構造を有する原子文は一般にMa,Tab,Rabc,..などの形をとります。

 

そこで我々は在庫として,まず個体の名称,原子文を表わす文字(文記号),そして個体の持つ属性を表わす記号:2つの個体,3つの個体,あるいはそれ以上の数の個体の間に成り立つ関係を表わす記号を持つ必要があります。

 

特定の論証を分析するには,こうした記号は有限個あれば足ります。

しかし,我々が出会うあらゆる論証を分析するには一体どれだけの記号が必要であるかわかりません。

 

とにかく今のところは,アルファベットの小文字を名称に使い,これを大文字の後に続けて書くことで文を作ることにします。

 

この大文字の方は述語と呼びます。

0-項述語とは原子文を表わす文字・文記号の別の言い方です。

 

1項述語とは,変項xの値に成れるもの,つまり個体の属性を表わしています。

 

こうして例えばMなる属性を文にするためには,1つの個体を示す名称=小文字が必要でMaと書けば文になります。

同様に2項述語:T,3項述語:Rはそれぞれ2つ,3つの個体の間の関係を表わします。すなわち,Tab,Rabcです。

 

同様に,一般に任意の非負整数nについてn項述語が定義できます。

かくして,論理形式に適した文の新しい形成規則としては,出発点となる文の範囲(0)をやや拡張し,与えられている文から新しい文を作るための方法を定める規則:1~5 に,量化子∀,∃を扱う規則;6を追加したもので与えられることになります。

 

0:出発点.任意のn項述語の後ろにn個の名称を続けたものは文である。(n=2の場合の例:Tab,Tbbは文です。しかし,Txbは文ではありません。xは変項であって名称(名前)ではないからです。)

 

※新しい文を生み出す6つの操作 

 

 1:否定.任意の文の先頭に ¬ をつける。

 2:連言:2つ以上の任意の文の列において隣り合う文の間に∧を書き,そうしてできたものを括弧でくくる。

 3:選言:2つ以上の任意の文の列おいて隣り合う文の間に∨を書き,そうしてできたものを括弧でくくる。

 4:条件. 任意の2つの文の間に⇒を書き,そうしてできたものを括弧でくくる。

 5:双条件. 任意の2つの文の間に ⇔ を書き,そうしてできたものを括弧でくくる。

 6:量化.何らかの名称rが現われているが変項が現われない全ての文,..r..において,rが現われる全ての箇所をxで置き換え,先頭に ∀x,または ∃xを付ける。

 後にさらに改定した規則を与えるまでの間は,規則:0~6 から得られるもの以外に文であるようなものは存在しないとします。

 今日はここまでにします。

 参考文献:Richard Jeffrey著(戸田山和久 訳)「形式論理学」(その展望と限界)(産業図書)

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

http://homepage2.nifty.com/toshis-kaiga-auction/健康商品の店 「TRS健康ランド」

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
    物理学

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2007年10月17日 (水)

mixi(ミクシィ)に入会しました。

 巣鴨地蔵通りの韓国料理の居酒屋というのかな,家庭料理の店「まどか」のママ,と言ってもえらく若い女性なのですが,たまたま客となって夜中に飲んでいたどこの馬の骨だかわからない私と話しているうち,そのまどかさんが私をmixiに紹待してくださることになって,mixiを通した招待メールを頂いたのは9月の初旬でした。

 mixiについては少しは予備知識があったのですが,できたら入ってみたいと思っていたので,即入会手続きをしました。

 ところが,このコミュニティを管理する側がセキュリティのために身元調べをするためでしょうか,各個人に固有の携帯の携帯番号から個人情報の1部を調べるらしいのです。

 私の携帯電話は,そもそも6年以上も前に買ったもので電話とメールと,i-モードしかできない,ドコモのかなり古い機種であり,携帯番号の表示に非対応ということで入会不可能ということでしたので,その場はあきらめました。

 しかし,そもそも携帯を持っていない人もいるのですから,後日インターネットで調べると,どうすればいいのかが書いてある掲示板がありました。

 プロキシサーバー経由で繋いで外国人のふりをすれば携帯のメールアドレスを訊かれない,ということらしいのでそれを試してみました。

 確かに今度の入力フォームは携帯のメールアドレスは訊かれない形になっていて,もちろん携帯には認証メールは来ませんでした。

 しかし,なぜか以前入力した情報がまだ生きているらしくて,入るときにPCの認証だけでなく,携帯の認証も要求されたので,もはやどうしようもありません。

 それから忘れていて1と月くらい経ったのですが,知り合いに「今時、こんな年代物の携帯は珍しい,恐らくポイントだけで新しくできるのでは?」と言われたので,板橋のドコモショップに相談したら,movaからFOMAに変更しても写メール用の写真とかワンセグとかなどの機能が何もないものなら,色々な割引を併用すればポイントに,プラスして夜中に飲んだときに使うタクシー代の1回程度で買えるというので,すぐに機種を新しくしました。

 帰宅してから,マニュアルを斜めに見つつ,色々設定したり試したりしているうちに,mixiを思い出しました。招待状は確か60日間有効で,もちろん削除などしていなかったので,改めて手続きをしたらすぐに入会できました。

 入ってみても,最初は一体何をするところなのかわかりませんでしたが,とりあえずプロフィール関係を整備し,日記に関しては既にブログを持っているので,外部リンクさせました。

 そしてミュージックのソフトをダウンロードしてインストールし適当に,今流行らしい曲を聴いてみました。

 一瞬,今から17年前の1990年頃の春に,リアルタイムで全国の人と将棋を指すという目的で,はじめてニフティサーブというパソコン通信に入会してログインしたときを思い出しました。

 しかし,そのころと違って今はOSもマウスベースのWindowsだし,はるかに動きやすい状況で,昔のように右も左もわからず,電話代を心配しながら手探りでうろうろするという感覚とは月とスッポンです。

 そのうち,人物(友人)を検索するという便利な機能があるのに気付いて知り合いを手当たりしだいに検索してお願いしてゆけば,マイ・ミクシィという「友達の環」ができること,そしてその友達関係のコミュニテイ:私なら「物理・数学」,「将棋」,「巣鴨」などのグループに入会して登録するとそれらの情報が手軽に入って双方向に交流できることなどがわかってきました。

 現在で「友達の環」はちょうど10人ですが,パソコン通信(TTY)としてのニフティがなくなって音信不通になっていた当時のチャット仲間にまたしても文字の上とはいえ会えたのはかなりうれしかったです。

 特に,昔よくチャットで話をしていた当時関西にいた女性なのですが,昔,1度だけ顔も知らなかったのに東京に来るというので待ち合わせて,自己紹介し合ってお酒を飲んだことのある方に,やはり文字の上だけではありますが,ほぼ10年ぶりで会えたのもうれしいことです。

 プロフィールから彼女は今は結婚して関東にいるらしいこともわかりました。

 しかし,このコミュニティの雰囲気が気に入るかどうかはまだわかりません。

 私は,一旦はまると,とことんのめり込むタイプではありますが,覚めるのも早くて意外とあっさりしているところもあるので,どうなるか,まあしばらくは探検してみます。

 PS:しかし,ネズミ講が多いみたいですねえ!!

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

http://homepage2.nifty.com/toshis-kaiga-auction/健康商品の店 「TRS健康ランド」

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
    物理学

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2007年10月15日 (月)

形式論理学(3)

 真理の木による論証のテストに関する考察の続きです。今日は,真理の木による方法が形式論理学の方法として信頼できるものであることを示します。

まあ,推論規則が信頼に足りるものであることは既にわかっているので,それに従って,トートロジー変形,つまり論理的に同値な変形を行った結果も,当然信頼できるはずですから,結局は問題としている木において開いた経路(分枝)があれば論証は非妥当であり,全ての経路が閉じていれば論証は妥当である,ということさえ証明されればいいわけです。

 出発点となるところの,妥当性を検証(テスト)すべき論証に対応する文のリストが無限に長いものでなければ,そのテストはいつかは終了します。これを決定可能性と言います。

テストが決定可能であれば,それはリストの整合性,つまりの妥当性について黒白の判定をつけることができる方法として信頼できるための1つの要件を満たしています。

 

しかし,このようにして決着がついたその結果が正しいのかどうかという問題が残ります。

 テストの結果,文の集合が矛盾であるという判定が出たならその判定が信頼できるとき,このテストは健全であると言われます。

 

 つまり,文の集合が矛盾ならば常に論証は妥当であると判定されること,そして現に整合的な文集合を矛盾と判定することは決してないということをテストの健全性と呼びます。

 これは同じ言葉を使ってはいますが以前に定義した論証の健全性とは別物です。

 テストの結果,文の集合が整合的という判定が出たならこれを信頼できること,これを矛盾と妥当性に対するテストの完全性と言います。

 

 すなわち,現に矛盾した文集合を整合的と判定をすることは決してないことを,テストは完全であるというわけです。

 真理の木を用いたテストは,上に定義した意味で健全かつ完全です。そして,また決定可能性をも満たしています。

 

 真理の木によるテストの決定可能性とは,最初に与えられたリストが有限であれば,テストが有限個のステップの後に終了することを意味します。

 まず,真理の木が決定可能性を満たすことを証明します。

(証明)それぞれの木は,完成したものも成長中のものも含めてある決まった認識番号を持つとします。ここではそれを無限数列として定義します。つまり,認識番号とは言うものの単なる1つの数字ではなくて,無限個の数字の羅列なわけです。

 まず,初項を,その木に現われている長さ1のチェック済みでない文の個数とし,第2項を長さ2のチェック済みでない文の個数,...,以下同様に際限なく続くものとします。

 

 しかし,もし木が有限個の行しか持っていないなら,この数列はある項から先には 0 がずっと続くだけになるはずです。

 木のどれかの行をチェックして新しい行を書き足すごとに,それで得られた新しい木の認識番号は,ある意味で"小さく"なっていきます。

 

 つまり,ある行をチェックしたとき,そのチェックした行は不要になってチェック済みの印を付けられ,代わりに推論規則に従って得られた有限の行が追加されます。

 

 しかし,推論規則に従えば,それぞれの追加される行は必ず今チェックした行よりも短かいので,結局,新しい木で行の数は増えても,認識番号を構成する数列で以前の木と数が異なる箇所のうち最も右にある数は必ず小さくなっています。これを"小さく"なると称するわけです。

 そこで,次々と木の行をチェックするにつれて認識番号を構成する数列の 0 でない項における値は単調に減少していくわけですが,チェック前の元の木では,認識番号を構成する数列の項の値は全て有限であったわけですから,こうしたステップは必ず有限回で終わらなければならないことになります。(証明終わり)

 次に,先に述べた健全性ですが,これは最初に与えられた文のリストが整合的ならば,そのリストに推論規則を適用して得ることのできるどんな木にも必ず開いた経路がある,ということを意味します。

 

 これらの開いた経路の存在する木は完成したものに限る必要はなく,例えば最初に与えられた文のリストそのものを木とみなしたものに対しても適用されます。

 では,真理の木の健全性を証明します。

(証明)まず,ある場合Cには最初に与えられたリストに含まれる全ての文が真になるものとします。すなわち,与えられたリストは整合的であるとします。

 そうすると,このリスト自体は開いています。つまり,このリスト自体がある文○の肯定と否定:すなわち,○と¬○を同時に含んではいないはずです。

 

 なぜなら,○と¬○を同時に含んでいるなら,一方は他方の真理値を逆転させるものなので,場合Cにおいて偽になってしまい,場合Cが全ての文が真になる場合でなくなってしまうからです。

 次に,場合Cにおいて,ある経路に含まれる行が全て真になるとします。そしてその経路の中のどれかの行に推論規則を当てはめて,経路の先に新しい行を書き足して経路を延長していくとします。

 

 我々の与えた推論規則そのものについては,通常の論理学として既に健全性は保証されているので,こうして延長して作られた経路のうちには,新しく書き足された全ての行が場合Cで真になるような経路が少なくとも1つ存在します。

 したがって,木が最終的に成長を終えたときには,場合Cにそこに現われる全ての行が真になるような経路が少なくとも1つは存在することになります。

 

 この経路は最初に与えられたリストと同様に,同じ理由で開いた経路です。つまり,どこまで行っても閉じて終わるということがありません。(証明終わり)

 最後に,完全性ですが,これは完成した木の中に1つでも開いた経路があれば,最初に与えられた文のリストは整合的である,ということを意味します。

 以下,真理の木の完全性の証明です。

(証明)完成した木が開いた経路Pを含んでいるとします。

 

 このとき最初に与えられた文のリストが全て真になるような場合が1つでも存在することを示せばいいことになります。

経路Pに文を示す単独の文字,例えばAとか,Bなどが1つの行として現われているときには,その文は全て場合Dで真になり,1つの行としては現われず複合的な文の一部としてだけ経路Pに現われる文字があれば,それが表わす文は全て場合Dで偽になる,ようなものとして,ある場合Dを想定することにします。

特に,¬Aが1つの行として経路Pに現われているとすると,単独の文字Aで表わされる文は場合Dでは偽になります。

 

なぜなら,Pは開いた経路なので¬AがPに現われている以上,Aが1つの行としてPに現われることはないからです。

最初に与えられた文のリストが整合的であることを示すために,経路Pに含まれる全ての行が,場合Dにおいては真になることを示すことにします。

 

このことを示せば最初に与えられた文のリストが真になる場合があることになります。

,木が完成しているものであると考えています。

 

完成した木なので,経路Pに含まれるある行に何らかの推論規則が適用可能なときに規則を適用した結果のリストは既にPの中に含まれているはずです。

 

こうした推論規則によって,ある長い行から幾つかの短かい行が得られたとします。

 

推論規則そのものは既に完全であることが保証されているので,そうした短かい行が全て場合Dにおいて真であるとわかっているなら,元の長い行もDにおいて真です。

かくして場合Dにおける真理に関しては,既にDにおいて真であるとわかっている行から,規則に従ってより長い行へとさかのぼっていくことができます。

 

こうしたプロセスは有限回のステップで終了します。

 

そして長い行ではなくて,元々経路Pに現われる単独の文字だけの行はDの定義によって既にDにおいて真であるとわかっています。

このようにして経路Pに現われる行は全て場合Dにおいて真になります。言うまでもないことですが任意の経路は出発点から連続していますから,経路Pも当然最初に与えられた文のリストを含んでいます。

 

それ故,場合Dは最初に与えられた文のリストが全て真である場合の1つになりますから,結局,Pが開いているならばリストが整合的なることが示されました。(証明終わり)

今日はここまでにします。

 参考文献:Richard Jeffrey著(戸田山和久 訳)「形式論理学」(その展望と限界)(産業図書)

 

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

http://homepage2.nifty.com/toshis-kaiga-auction/健康商品の店 「TRS健康ランド」

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
    物理学

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年10月10日 (水)

ローレンツ変換の導出

有名なEMANの物理学の「掲示板(談話室)」において,最近,あまり注目されていませんでしたが,相対論における慣性座標系間の変換について言及する投稿をされておられる方がいました。

 

これは,電磁気学の方程式の共変性によるのではなく,光速度不変の原理,および最低限の運動学的な条件だけから,慣性座標系間の変換を空間座標や時間の線形変換(1次変換)に限定することなく,一般的に考えてもローレンツ変換に一致するようになるのかどうか?を問題にしておられた投稿です。

これは,かつてのパソコン通信時代のニフティのフォーラムでも,たびたび出ていた話題です。

 

これが可能なことは,既にいろいろな方により何度も示されていたので,私もよく知ってはいましたが,試しに私的に具体的に示してみよう,という気になりました。

 

一応,必ずしも光速度が不変である必要はないけれど,有限な限界速度が存在してそれが不変であり,それが今のところは,たまたま光速と一致している,ということを想定した形にしました。

元々,歴史的には時空間の一様性などから,"特殊相対性原理を満たす座標変換は線形変換(1次変換)である"と直感的に設定され,最初からそれを仮定すれば,簡単にローレンツ変換(Lorents transformation)を導くことができます。

 

そして,実際にそうして得られるローレンツ変換が現実の物理現象と合致することもわかっているので,いまさらという感もありますが,そうした物理的な発想を意識することなく,数学であると考え,変換の不変式などの条件から数式的な考察で導出してみます。

まず,ある慣性座標系S:O-xyz-t系と,これに対してS系から見て相対的に等速度で運動している別の慣性座標系S':O'-x'y'z'-t'系を考えます。

 

そして,(x,y,z,t)を(,t),(x',y',z',t')を(',t')と書くことにします。

これらの座標系で,全く同一の"事象(event)=時空点"がS系では座標(,t)で,S'系では座標(',t')で与えられるとき,両者の関係式を一般的に導出することが本記事の目的です。

用いるべき条件は,まず第1には,"S系での時刻t=0 の瞬間にはS系から見てS'系の空間部分は完全にS系のそれと重なっている。

 

特にt=0 の瞬間での原点'=0 では,S'系での時刻もt'=0 でS系での時刻t=0 と一致している"という条件です。

 

そして第2には,"物理的な速度の大きさには有限な限界が存在して,それは光速,あるいは限界速度cで与えられ,この値は如何なる慣性座標系でも同じ値をとる"という,いわゆる"光速度不変の原理,あるいは限界速度不変の原理,が成立する"ことを仮定します。

さらに,第3の条件は,

 

"S'系で常に空間座標系に張り付いて共に運動している,S'系に静止して固定されている全ての点:('(t'),t')=(',t')は,

'/dt'0,あるいはd'=0 を満たしていますが,

  

これに対応する点のS系での時系列としての軌跡:((t),t)は,

/dt=v,あるいはdx=vdtで与えられる",

 

というものです。

 

ここで,後の便宜上,v≡||,β≡v/cと置きます。

そして,簡単のために,T≡ct;'≡',T'≡ct'と表記します。

 

また,未知の座標変換の変換式を'=(,T),T'=g(,T)という関数形で書いておきます。

 

光速(限界速)をcとすると,時刻T=T0X=X0を通る光の軌跡は|X―X0|=T-T0を満たしますが,限界速度cが不変である,という条件から,S'系でも|'―X0'|=T'-T0',または|(,T)-(0,T0)|=g(,T)-g(0,T0)が成立します。

さらに単純化して,S系のx軸をS'系のS系に対する相対速度の向きに選び,t=0 のときにS系とS'系の空間直交座標の軸は全て一致しているとします。

 

そして,d'=0 を満たす運動をする点はdx=vdtを満たすという条件から,S'系で座標系に張り付いて固定されたあらゆる点はdy'0 を満たしますから,これはdy0 に対応します。

 

そこで,t=0 でx=x'=0 のyz面=y'z'面上に固定された点に対して常にy'y,z'zとなりますから,この座標系のx軸に沿う相対運動では運動方向に垂直な向きには影響しないと考えます。

そこで座標の変換性としてはx座標と時間の2つのパラメータだけを考えれば十分ですから,改めて2次元の座標(x,t)と(x',t')の関係,すなわち(X,T)と(X',T')の関係だけを考察することに集中します。

 

そして,(X',T')を一般的に(X,T)と速度βの関数として,座標変換の変換性を,改めてX'=f(X,T;β),T'=g(X,T;β)なる関数で表現します。

限界速度(光速)が不変であるという条件は,|X'0'|=T'-T0',または|f(X,T;β)-f(X0,0;β)|=g(X,T;β)-g(X0,0;β)と書けます。

 

これは,f(X,T;β)±g(X,T;β)=f(X0,0;β)±g(X0,0;β)を意味します。

 

つまり,|X0|=T-T0,またはX2-T2=X02-T02を満たす光の軌跡:(X,T)=(X(T),T)に対しては,f2(X(T),T;β)-g2(X(T),T;β)=f2(X0,0;β)-g2(X0,0;β)が成立します。

2(X0,0;β)≡f2(X0,0;β)-g2(X0,0;β)と置くと,2(X0,0;β)は,定数0,0;βだけの関数ですから,,Tにはよらない単なる任意定数です。

 

そこで,これを単にC2と書けば,光の軌跡群はX'2-T'2=f2(X(T),T;β)-g2(X(T),T;β)=C2なる双曲線族で与えられることがわかります。

,F(X,T;β)≡f2(X,T;β)-g2(X,T;β) によって新しくXとTの関数:Fを定義します。

 

このとき,dF=(∂F/∂X)dX+(∂F/∂T)dTですが,上に示したように,光の軌跡上ではF(X,T)=C2ですからdF=0 です,

 

そこで,X=X0±(T-T0):dX=±dTに対しては常に±(∂F/∂X)+(∂F/∂T)=0 が成立します。このことから,F(X,T;β)はdX=dTに対しては(X-T)だけの関数,dX=-dTに対しては(X+T)だけの関数となることがわかります。

すなわち,ある1変数関数φ±が存在して,光線の上ではF(X0(T-T0),T;β)=φ(X-T;β)=φ(X0-T0;β)=C2(X0,0;β),かつF(X0(T-T0),T;β)=φ(X+T;β)=φ(X0+T0;β)=C2(X0,0;β)と表現することが可能です。

ところが,(X,T)を任意の時空点とすると,その点を通過する光線は必ず存在します。つまりX±T=X0±T0となるように(X0,T0)を選べば,いいわけです。このときには(X,T)と(X0,T0)を結ぶ光線が存在可能なのは明らかですね。

したがって,任意の時空点(X,T)に対し,X±T=X0±T0なる(X0,T0)を取れば,これに関してF(X,T;β)=φ±(X±T;β)=C2(X0,0;β)が成立します。

 

X±T=(一定),またはX2-T2(一定)の(X,T)に対しては共通の(X0,0)を与えることができますから,それらの点に共通な値C2(X0,0;β)はX2-T2のみの関数になります。

 

結局,ある1変数関数Φによって,F(X,T;β)=C2(X0,0;β)=Φ(X2-T2;β)と書くことができるわけです。

言い換えると,X'2-T'2=f2(X,T;β)-g2(X,T;β)=Φ(X2-T2;β) と書けることになります。

 

X=T=0 のときにはX'=T'=0 ですから,特にΦ(0;β)=0 です。また,恒等変換β=0 の場合には,もちろんX2-T2=f2(X,T;0)-g2(X,T;0)=Φ(X2-T2;0)です。または,簡単にいうと,Φ(X2-T2;0)=X2-T2です。

一方,dX'/dT'0:dX'0 に対応する点の軌跡:(X(T),T)はdX/dTβ:dXβdTを満たすという条件により,X'=X1'=(一定)の軌跡はS系ではX(T)=X1+βTと書けます。

 

そこで,この軌跡:X'=f(X,T,β)=(一定)の上では,f2(X1+βT,;β)=f2(X1,0;β)です。そして,任意の(X,T)に対しても,X1≡X-βTと置けば,X'2=f2(X,T;β)=f2(X-βT,0;β)が得られます。

この等式は,任意の(X,T)に対して成立しますから,結局,X'2=f2(X,T;β)はX-βTだけの関数で表現できることがわかりました。

 

そして,X'2-T'2=f2(X,T;β)-g2(X,T;β)=Φ(X2-T2;β)から, 0=f2(X,T;β)-f2(X-βT,0;β)=Φ(X2-T2;β)-Φ((X-βT)2;β)+g2(X,T;β)-g2(X-βT,0;β) です。

  

そこで,T'2=g2(X,T;β)=g2(X-βT,0;β)+Φ((X-βT)2;β)-Φ(X2-T2;β)も成立します。

ところで,X'2-T'2=Φ(X2-T2;β)でしたから,X2-T2=Φ-1(X'2-T'2;β)ですが,変換の対称性を考慮すると,明らかにΦ-1(ξ;β)=Φ(ξ;-β)なので,X2-T2=Φ(X'2-T'2;-β)=Φ(Φ(X2-T2;β);-β)となるはずです。

 

ところが,S'系の運動の向きが正反対:β→-β(v→-v)の場合でも,S系の同一の点(X,T)に対応する点(X',T')についてX'2-T'2の値は同一であろう,という物理的な考察によれば,Φ(ξ;-β)=Φ(ξ;β)であると考えられます。

 

この考察から,Φ(Φ(ξ;β);-β)=Φ(Φ(ξ;β);β)=Φ(ξ;η(β)),つまり,X2-T2=Φ(X2-T2;η(β))が得られます。

 

ここでη(β)は速度合成に関わるあるβの関数ですが,とにかく一般にゼロではないので,Φ(X2-T2;β)はβには無関係ですから,Φ(X2-T2;β)=X2-T2と結論されます。

 

これで,やっと重要な関係式:X'2-T'2=f2(X,T;β)-g2(X,T;β)=X2-T2を得ることができました。最初から座標や時間の1次式を仮定していれば,これは苦も無く得られる関係なのですが。。。

これを用いると,T'2=g2(X,T;β)=g2(X-βT,0;β)+Φ((X-βT)2;β)-Φ(X2-T2;β)なる関係式は,g2(X,T;β)-g2(X-βT,0;β)=(X-βT)2-X2+T2に帰着します。

 

この式に,X=βTを代入するとg2(βT,T;β)=(1-β2)T2が得られます

ところで,X'=X1'=(一定)のTに沿っての軌跡は,X(T)=X1+βTでしたが,T'=T1'=(一定)のXに沿っての軌跡T=T(X)はどのように表現されるのでしょうか?

X'2-T'22-T2において,T'=T1'=(一定)の軌跡を仮定すると,この上ではT'2=g2(X,T;β)=T1'2(一定)ですから,f2(X,T;β)=X'2=X2-T2+T1'2,またはf2(X-βT,0;β)=X2-T2+T1'2です。

 

βを固定すると,左辺はX-βTだけに依存する関数ですが,一見したところ,右辺はX-βTだけの関数には見えません。

そこで,Y≡X-βTとして,これをYで表わすとf2(Y,0;β)=(Y+βT)2-T2+T12となります。βを固定した今の場合,左辺はYだけの関数です。

 

Yを固定して,Tで偏微分すると∂f2(Y,0;β)/∂T=2β(Y+βT)-2T+dT1'2/dT=0 となります。つまり,dT12/dT=2T-2β(Y+βT)=2T-2βX=2(T-βX)です。これをTで積分するとT1'2(T-βX)2const.が得られます。

 

以上から,T'=T1'=(一定)のXに沿っての軌跡は,T1を定数としてT=βX+T1なる表式で与えられることがわかりました。

 

よって,2(X,βX+T1;β)=T1'2=g2(0,1;β)により,任意の点(X,T)に対してg2(X,T;β)=g2(0,T-βX;β)が成立します。すなわち,T'2=g2(X,T;β)はT-βXだけの関数になります。

 

したがって,f2(X,T;β)-g2(X,T;β)=X2-T2なる関係は2(X-βT,0;β)-g2(0,T-βX;β)=X2-T2と書き直されます。

 

これにT=βXを代入すれば,2((1-β2)X,0;β)=(1-β2)X2です。また,X=βTを代入すれば,2(0,(1-β2)T;β)=(1-β2)T2を得ます。

それ故,(X,0;β)=X/(1-β2)1/2,g(0,T;β)=T/(1-β2)1/2,すなわち,(X-βT,0;β)=(X-βT)/(1-β2)1/2,g(0,T-βX;β)=(T-βX)/(1-β2)1/2です。

 

結局,最終的には,X'=(X,T,0;β)=(X-βT)/(1-β2)1/2,'=(X,T;β)=(T-βX)/(1-β2)1/2となります。

 

すなわち,x'=(x-vt)/(1-v2/c2)1/2,'=(t-vt/c2)/(1-v2/c2)1/2なる最終的な変換式を得ることができました。

 

これは確かに通常のローレンツ変換です。

 

こんなのは,すぐできるだろうと簡単に考えていたら,ほぼ1日かかりました。恐らくはもっと簡単にできるトリックなどがあるのでしょうが,関数方程式を立てて地道に解くと大変なことがわかりました。

 

最近は計算などはほとんどパクリなので,自力で計算する力は歳のせいもあるのか,かなり落ちているようです。

 

もっとも,物理学とか数学とか,理論が主体の学問は,自分で発見しない限りは所詮,全てパクリの連続で単に誰かが考えて述べたことを追体験するだけですが。。。

 

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

http://homepage2.nifty.com/toshis-kaiga-auction/健康商品の店 「TRS健康ランド」

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
    物理学

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月 7日 (日)

昼まで飲んでました。

 ちょっと小金があったので,金曜日(10月5日)の夜10時ころににいきつけの飲み屋の中で唯一入院中にお見舞いに来てくれた伊藤時子(ママ)と渡辺由利姉妹のやっている神楽坂はみちくさ横丁の「サンドール」というスナックに久しぶりに行きました。

 聞けば去る日曜日に,12年前,48歳で肝硬変で亡くなり,大塚のお寺での通夜に私も行った,このお店のマスターであった故伊藤敏彦氏の13回忌の法事をした,との由で,改めて月日の経つのを痛感しました。

 このお店に客としてはじめて入ったのは25年くらい前の話ですが,私の場合は通い始めると,その店がなくなるか経営者が変わらない限り,金が続けば何年でも行くという習性があります。

 巣鴨には平成5年から13年以上も住んでいたのに,最近になって,近場では飲まないというルールを破って,平成17年の暮れから巣鴨界隈で飲み始めた最大の理由は,正直言ってお金がなくなったからです。

 神楽坂のその店「サンドール」に通っていたのは,そもそもこのマスターが好きだったからです。

 彼が亡くなってから2,3年は,この店もご無沙汰でしたが,いつだったか奥様のママだったかに来ない?と呼ばれてまた通いだしました。

 もっとも以前には,その他にも神楽坂には何件かいきつけの店があって,生意気にも芸者遊びなどもしてもいましたが,それらの店は今では存在しません。

 つもる話もしたかったのですが,夜中の12時ころに客が私だけになったころ,ママと大議論になってしまいました。

 いわゆるゲイバーとホモバーの違いについてという,たわいもない話です。

 ゲイバーは客が「ノンケ(気)」であるのに対して,ホモバーは客もホモで,ホモバーだと女性は入れてくれないところも多いという客の違いによる分類を述べたのですが,大反対されて議論になってしまいました。

 言葉の定義ですから所詮水掛け論です。

 まあ、客の言うことだからと100%ハイハイと認められてしまうのも味気ないですが,商売なんだから50%くらいは認めろよ,ってな感じです。

 そのままケンカ別れで2時頃,タクシーで王子に住居のある由利ちゃんと巣鴨まで帰り,これも久しぶりに「千石自慢ラーメン」という昼間なら列のできるラーメン屋で一番安いラーメンを一杯食べました。

 この時間なのにかなりお客がいましたね。私はまだ食が細いのでおいしいけど2/3くらいしか食べられませんでした。

 それから,外で王子に帰る彼女をタクシーに乗せて別れました。

 時間は2時半でしたが飲み直したい気分だったので地蔵通りで朝5時までやっている最近通い始めた韓国料理の飲み屋「まどか」に行きました。

 確かまだ8回目です。

 しかし,いつもと同じように,そこのママのまどかさんのお母さんに,まだ仕事もしてないのに今日の飲み代はどこから手にいれた?とか,からまれました。

 別の楽しい話をしたくて行っているのに,心配してもらえるのはありがたいのですが身の上話的な話を繰り返し聞かれて説教を受け,私の場合どこの飲み屋に行ってもほとんどそうなのですが,ストレスをためて帰りました。

 そもそも30年以上も飲み歩いておそらく飲み代だけでも,うん千万円のオーダーでしょうが,自慢ですけど付けというのはその三十数年の間にゼロ 回ならもっといいけど,金が無くてもいいから来いと経営者から無理に誘われたとかの数回しかありません、

 金が無ければ飲みにいかなければいいだけで,実際,アルバイトだけで完全失業していた3年間くらいは自宅以外では1滴も飲まないこともありました。

 だから,言いたくないけど代金を払っている以上,それが何で稼いだ金であろうと大きなお世話だという感覚です。

 また,たとえ1億円だろうと既に使ってしまった金をもっと有意義に使えばよかった。。などという馬鹿な後悔はしませんし,もちろん,これまでの人生が失敗だったというような後悔はしません。

 そうした無駄と思われる浪費とか失敗と思えることも含めての総体が私の人生なのですから。。。

 私は反省もしないし,逆に将来の計画や目標を立てるような人間でもなく,今がよければそれでいい明日は明日の風が吹く。。。という感じです。

 人生高々百年だし,どんな価値観持とうが自由です。

 ただ,私は変態の失格人間だけど,人を傷つけたり殺したりしなければ快感を得られないほどの変態に生まれなかったのは,幸いなことです。

 損したり騙し取られた金も誰かの役には立っているだろうと考えるような人間なので,ひょっとしたら変態だけでなく変人なのかもしれません。

 というわけで,朝5時頃,また飲み直したかったけど,もう近くでやっている店もないのでタクシーで帰宅して寝ました。

 そして土曜日,午後2時ころに目覚めて軽い食事をとり、くつろいでいるうちに夜になりましたが,やはり飲み直したくなって夜10時ころ巣鴨一丁目の「妃鶴」というスナックに行きました。

 土曜日なのでいつもと違って結構客がいましたが,場が静かになってシラケてると昔からの宴会屋の性分が出て,本当に喜んでもらえてるのかどうかわからないけどサービスのつもりで歌ったり踊ったりして,つい色々とパフォーマンスをしてしまいました。

 特にサザンの「匂艶(にじいろ)the night club」に適当な振りをつけて歌ったときには2kgくらいは体重が減ったかと思うくらい疲れました。

 隣の席は九州出身の男性2人と女性1人だったので九州弁や,そのダジャレなどで盛り上がりました。

 夜中の2時ころ客がいなくなって,またストレスをためて,次はすぐそばの「若大将」に行きました。

 サラリーマン風の40代くらいの男性2人連れは歌うために来ていたらしく,そのうちの1人は安室チャンの歌ばかり歌うので,つい対抗心が起きて宇多田ヒカルの歌える数曲の中から結構好きな「Can you keep a secret」などを歌ったりしているうちに,近くに住んでいる博学の熊さんが来て,さらに4時前後には10歳くらい年下で石黒賢に似たいい男の石原(ヒロシ)がやってきました。

 どうも石原は前から,私が心臓手術をして退院して1ヶ月頃から,痛飲したりするのを見ていて,「命が惜しくないのか?」という感じで疑問をいだき興味を持っていたらしいのです。

 しかし,私が隣の熊さんとずっとモラルなどの真面目な話をしていて,朝5時ころ次に行った地蔵通りの和風スナック「けやき」でも熊さんとママと話しこんでいたこともあって,朝7時半ころ,「若大将」のマスター,熊さんと別れた後に,「次で話をしよう」。。おごってくれるという話になって,2人で駒込の「幸」というスナックに向かいました。

 タクシーを降りて店の近くで散歩中の70歳を過ぎたマスターとばったり出会って店に入り,上坂冬子にそっくりのやはり70歳くらいのママと60代中ごろの恵美ちゃんという高齢スタッフ3人と共に,例によって自分の病気自慢などをしながら歓談したり,夜中には禁止だったカラオケも朝ならいいということで少し歌ったりなどしていました。

 そのうちに昼すぎになり,午後1時ころにはちょっと下痢気味になりました。朝というか昼なのですから当然です。

 少し体が不調になり,これは,ひょっとして石原君が私を試しているのか,あわよくば合法的殺人を狙っているのかな?,とも思えたのでさすがに先に店を出ましたが,電車とバス(都営なら心臓の障害者なので料金は無料なのですが)で帰る気にもなれずタクシーで帰ろうと思いました。

 しかし日曜の2時ころ,駒込駅の界隈では空車が走っていないし坂が多かったので,なるべく平坦な道を選んでゆっくりと歩いていたところ,田端当たりでやっと1台拾えました。

 大嫌いな昼間の太陽から,やっと逃れることができて午後2時半頃自宅に帰り着きました。

 トイレで用を足したあと,不眠症の私はベンザリンという睡眠薬5mgを飲み、何時間か寝た後,けっこうさわやかに目覚めてこれを書いています。ちょっと腹減ったから飯を炊こう。。。

 さすがに,まだちょっと眠いのですが,これから1日くらいかけて飲み屋のストレスを素面で解消しなきゃと思っています。 

 しかしよく考えたら,以前3月末に2回目の心筋梗塞で入院したときもその2つ前の週の週末に4,5件はしごして午後帰りをした後でしたから,少し気をつけなければいけないなと思いました。

 もっとも金が続きませんがね。。。手術をした後,少し人生観が変わって享楽的な傾向になったかもしれません。 

 しかし,結構飲み疲れていても,人並みのモラルなど全く持ち合わせていないし,本音でも体を大事にする気もないので,今誘われても恐らく断れないという困った性分なのです。

 仮に誘われた場合には平気で3連ちゃんしてしまいそうです。

 (↑ そんなの自慢にならないって。。。)

 最近,ときどき夢に見るのが大勢の(2桁以上の)大好きな子供たちに囲まれて見取られながら息を引き取る幸せな自分の姿です。

 進むべき道を誤ったのかなあ,今さらネットなどで保父さんの資格取得情報などを調べても日本じゃ無理みたいだし,日本を脱出して東南アジアでも行くかなあ。。。

 自分の面倒もみられない奴が他人を云々するなどもっての他だ,などとよく言わますが,屁理屈が得意な私は,昔から自分の面倒が見られないからこそ他人の面倒をみるのだ。。

 他人の面倒を見ることこそが結果的に自分の面倒を見るための道だ。。,などとわけのわからん主張をしています。

 そもそも,遠い昔に親の厄介になっている身なのに社会運動として学生運動をしていたのも,後付けではなく,当然そういった強い意志の反映の1つだったと述懐されます。

 カスミを食って生きているわけではないけど帝国主義本国の日本ではホームレスでも飢え死にはしないと思います。

 きれいごとじゃなく食べていく以上の金儲けには興味はなく,自分がホームレスになっても,また自分が飢え死に凍え死にしそうな状態であろうと,日本ではなく他の国のボランティアをすることには興味があります。

 もっとも金儲けができるなら,それにこしたことはなく,ボランティアにもつながることではありますね。 

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

http://homepage2.nifty.com/toshis-kaiga-auction/健康商品の店 「TRS健康ランド」

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
    物理学
    

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月 6日 (土)

形式論理学(2)

 形式論理学の続きです。

 以下では,論証の妥当性を論じるのに,全ての場合について真理値を与えて,そのテーブル(表)を調べるという有る意味で真っ正直な真理表を用いる非効率的と思える方法よりも,はるかに効率的でしかも機械的に行なえる真理の木の方法を紹介して説明します。

 例えば"前提がB⇒¬A,¬B⇒C;結論がA⇒C"という論証が妥当であることは集合{B⇒¬A,¬B⇒C,¬(A⇒C)}が矛盾することと同等です。

 

 実際,この論証は妥当で集合は矛盾していますが,これは真理の木という手法では閉じた木になっているという事実によって示されます。

 これはどういう意味かというと,木のてっぺんから末端まで続く経路のなかの,継続したいくつかの分枝のどれにも,それぞれ何らかの文(肯定)とその否定の両方が現われているような木のことです。

真理の木の導入的な説明のために,上に例示した論証の妥当性を対応する集合の元の全てが同時に真となるような場合があるかどうかで確かめる真理の木を作ってみます。

 まず,出発点;startです。1.B⇒¬A,2.¬B⇒C,3.¬(A⇒C)ですね。

次に第1段階です。startの1と2については,それぞれ真になる場合は1つしかないので,3から始めます。

 

実はどこから始めても全体として経路が短いか長いかだけの違いですから,始まりはどこでもかまいません。

当然,推論規則として集合論ではド・モルガンの法則(deMorgan's law)とよばれる論理命題は大いに活用します。

 

つまり,¬(A∧B)=¬A∨¬B,¬(A∨B)=¬A∧¬Bですね。

 

その他,否定の否定は肯定である:¬(¬A)=Aとか,紛らわしくないときには,¬¬A=Aと書きますが,こうした規則を使用します。

そして,1.B⇒¬A(前提),2.¬B⇒C(前提)ですが,3.¬(A⇒C)から,4.A,5.¬Cを得ます。

 

4,5がどうして得られるのかも考えるのが嫌なら,A⇒Bと¬(A∧¬B)が論理的に同値であることを既に真理表によって示しているので,¬(A⇒C)はA∧¬Cと論理的に同値ですから,これも推論規則に含めておいてよいので,これの理由を考える必要がなくなります。

 

4.A,5. ¬Cは4'.A∧¬Cとまとめて書いてもいいわけです。

次に第2段階です。1.B⇒¬A(前提)を考えると,これと同値な言明(は¬(B∧A)=¬B∨¬Aです。

 

これは¬B,または¬Aであることを意味しますから,ここで木は2つの場合に分岐します。

 

4.A,5.¬Cと6.¬Aの分枝では,Aと¬Aの両方が現われているのでこの経路は閉じています。

 

つまり,この流れでは共に真になることは有り得ないAとAの否定の両方が現われているので,こちらの道では真に到ることに失敗したということで,下にバツ:×を書いてこの道はここで終わりにします。

次に,第3段階です。既に1.B⇒¬A(前提),2.¬B⇒C(前提),3.¬(A⇒C),4.A,5. ¬C,6.¬Bの分枝しか残っていません。

 

2.¬B⇒C(前提)を考えると,これと同値な言明は¬(¬B∧¬C)=B∨Cです。

 

これはBまたはCを意味しますから,再びBとCに分岐しますが,Bのほうは6.¬Bによって直ちに閉じるし,Cの方も5.¬C,6.¬BよりCと¬Cが共存しますから閉じます。

こうして木は完成し,集合{B⇒¬A,¬B⇒C,¬(A⇒C)}が矛盾することが示されたので,論証:"前提がB⇒¬A,¬B⇒C;結論がA⇒C"が妥当であることを明示することに成功したわけです。

 

もちろん,この例のような単純な論証では,むしろ複雑になったと感じるかもしれませんが,これの威力がわかるのはより複雑な論証に適用する場合です。

一方,妥当でない論証:"前提がA⇒B,¬A;結論がB"を真理の木でテストをするとどのようになるかを見てみます。

 

対応する集合は{A⇒B,¬A,¬B}です。

 

A⇒Bは¬A∨Bと同値です。これを¬A,¬Bの後に書くとそこで¬A,¬B,¬Aの経路と¬A,¬B,Bの経路に分かれますが,後者は¬BとBがあるので閉じていて,一方は開いたままです。

 

開いた経路:¬A,¬B,¬Aはこれらが同時に真になる場合,つまり反例の存在を意味します。

短かいけれど,今日はここまでにします。

 参考文献:Richard Jeffrey著(戸田山和久 訳)「形式論理学」(その展望と限界)(産業図書)

 

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

http://homepage2.nifty.com/toshis-kaiga-auction/健康商品の店 「TRS健康ランド」

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
    物理学

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月 4日 (木)

形式論理学(1)

 数回に分けて,真理の木による方法での形式論理学のエッセンスについて述べていきたいと思います。

形式論理学は演繹の科学です。

 

それは,それぞれの論証について,結論として主張されているものが,本当にその前提から帰結するかどうか,つまりその論証が"妥当"なのかどうかを判定するための系統的な手段を与えることを目指すものです。

まず,論証が妥当であるとは,どういう意味なのかについて,その定義を与えます。

 

[妥当性の定義]:

妥当な論証とは,その前提が全て真であるようなあらゆる場合に,その結論も真になるような論証のことである。

つまり,妥当な論証というのは前提が全て真なのに結論が偽になるような場合がない論証のことです。

 

以下では,前提が全て真なのに結論が偽になるような場合を反例と呼ぶことにします。

 

こうすれば,"妥当な論証とは反例がない論証のことである。"と言うこともできます。

我流で考えると,形式論理学というのは次のことを目指す学問です。

 

すなわち,「前提がこうだから結論はこうだ。」というような混乱しそうな具体的な論証について,頭の中であれこれ論理をめぐらして思案して迷うことなく,

  

与えられた前提や結論の命題,そして論理展開の各々を記号化して,その記号が従うべき規則の通りに文章を機械的に展開していくことです。

  

頭を悩ませることなく,自然にそうした論証が妥当かどうか?という情報を得る方法を与えてくれるものだ,と考えられます。

まず,例として"Mは家と船の両方にいることはない。Mは家にいる。だからMは船にはいない。"という簡単な論証を表わす文を考えます。

 

これは,いわゆる真理関数的論理の立場から見ると,妥当であることがわかります。

 

前の2つの文が前提で"だから"という言葉が結論を示すしるしになっています。

この程度の三段論法なら別に悩む必要もないのですが,記号論理化の出発点としては,この程度の単純なものから始める必要があります。

 

そして,これら単純なものから,複雑なものを構築するわけです。

そして今,"Mが家にいること"をA,"Mが船にいること"をB,として記号で表すと,上の論証は"¬(A∧B),かつA→¬B"と書けます。

 

この論証が"妥当である,あるいは反例がないこと"を示すための素朴な方法としては真理表を用いる方法があります。

すなわち,ある命題が真なるときは,T(=true),偽なるときはF(=false)なる文字,つまり真理値を与える,という約束の下で,あらゆる場合について,前提と結論の全てに関する真理値の表を作り,反例の有無を調べる方法です。

(1)A:T,B:Tの場合は¬(A∧B):F,A:T,¬B:F (2)A:T,B:Fの場合は¬(A∧B):T,A:T,¬B:T (3)A:F,B:Tの場合は¬(A∧B):T,A:F,¬B:F (4)A:F,B:Fの場合は¬(A∧B):T,A:F,¬B:Tとなります。

 

これを見ると2つの前提が共にTなのは(2)だけで,そのときは結論もTで,それ以外の場合で2つの前提が共にTなのに結論がFの場合という反例が全くないので,妥当性の定義によって,これは妥当な論証である,と結論されるわけです。

次の例として,"Mは家にいるか船にいる。MまたはHは家にいる。Mは家にはいない。"という前提から,どのような結論が得られるか? について考察してみます。

 

今度は"Mが家にいること"をA,"Mが船にいることをB"とする他に,"Hが家にいること"をCで表わすことにします。

前提は,"A∨B,A∨C,¬A"です。

 

これに対する真理表で,これら3つの前提が全てTとなる場合を調べると,それは,A:F,B:T,C:Tの場合で,それ以外にはありませんから,結論は"B∧Cである"ということになります。

 

前提が全て真の場合には,"B∧CがTである"という例しかないので,結論は間違いなく,"Mは船にいて,Hは家にいる。"ということです。

偽の前提から出発した論証は,たとえそれが妥当なものであっても,そして仮に結論が真であったとしても,欠陥があると思われます。

 

例えば,"月は惑星である。したがって地球または月は惑星である。"というようなものがそうです。

 

この論証は妥当であり,結論も真ですが偽の前提から出発しています。そこでこうした論証は"健全ではない。"と言います。

そして,「健全な論証」とは,"妥当でありしかも偽の前提を持っていない論証である。"と定義されます。

 

こう定義すれば,健全な論証なら結論が真なることが保証されます。

次の論証の妥当性は認めることにします。

 

すなわち,"もしAならばBである。Aである。だからBである。"という文です。

 

これの妥当性を認めるということは,"AがT,BがFなるときには,A⇒BはFでなければならない。"という言明が成立するのを認めることを意味します。

ここで,今までは定義しないで使ってきた記号たち:結合子を整理しておきます。結合子というのは文に働いて新しい文を生み出す文法上の道具を言います。

まず,"否定(but):でない"は ¬,"連言(and):そして(かつ)"は∧,"選言(or):または"は∨で表現します。

 

A∧Bを"連言肢",A∨Bを"選言肢"と呼びます。これらが否定と組み合わされた文は,¬A∧Bとか,¬(A∨B)と書かれます。

 

括弧(bracket)は,それでくくられた文全体を示しますから,¬A∧Bが,"Aでなく,かつBである"という意味なのに対し,¬(A∧B)は"AかつBである"の否定を示すものです。

次に,条件法ですが,これは,"もし~ならば"を含む言明のことです。

 

論理的表記法ではこれを2つの言明の間に⇒を書いて作ります。

  

つまり,A⇒Bという表記によって,"もしAならばBである"という文を表わすわけです。

 

このときAを前件,Bを後件と呼びます。

ここで,A⇒Bと¬(A∧¬B)は,全く同じ言明を示していること,つまり,両者がいかなる場合も同じ真理値を持つことを示しておきます。

すなわち,¬(A∧¬B)がTになるのはA∧¬BがFのとき,つまりAがT,かつBがFなる文が否定されるときだけです。

  

これは,"AがTならば必ずBもTであること",あるいは,"BがFならばAもFであること"を意味するので,"A⇒BがTであること"と同じです。

 

¬(A∧¬B)がFになるのは,A∧¬BがTのときですから,

A⇒BはFです。

次に,"AならばBである。"と"Aであるときに限ってBである。"という2つの条件が同時に言明されている文章を考えます。

 

前者はA⇒Bということですが,後者は¬A⇒¬Bを意味していますから,B⇒Aなることと同じです。

 

そこで,全体として"(A⇒B)∧(B⇒A)"と表記することもできますが,これを論理的表記法では,A⇔Bと書き,双条件法と呼びます。

双条件法:A⇔Bが真(=T)になるのは,AとBが論理的に同値なとき,つまりAとBが全く同じ真理値を持つときです。

 

一応後付けながら「論理的同値の定義」を述べておくと,

 

"「2つの文が論理的に同値である」と言われるのは,あらゆる場合にそれらが同じ真理値を持つときである。"ということです。

 

ただし,これは「論理上の同値性」の意味でのことであり,現実の「事実としての同値性」を意味するものではありません。

ここで,論理形式に適した文の形成規則を与えます。

 

0:出発点.アルファベット,ただし添字がついていてもよい。

 

1:否定.文の先頭に¬をつける。

 

2:連言.2つ以上の文の列において隣り合う文の間に∧を書きそうしてできたものを括弧でくくる。

 

3:選言.2つ以上の文の列おいて隣り合う文の間に∨を書き,そうしてできた文を括弧でくくる。

 

4:条件.2つの文の間に⇒を書き,できた文を括弧でくくる。

 

5:双条件.2つの文の間に⇔を書き,できた文を括弧でくくる。

実際上は,より長い文の一部としてではなく,単独で現われているものについては両端の括弧は省きます。しかし,それでは文の判断がつかない場合は判断のため,規則通りに補助的に括弧を付けることにします。

 

こうした文法規則に従って作られる文を論理式と呼びます。

 

また,この形成規則の出発点となるアルファベットの大文字で表わされる文,結合子を一切含んでいない文は原子文,または原子式と呼ばれます。

次に,幾つかの文の集まりを考えます。

 

この"集まりが整合的である(無矛盾である)"というのは,そこに含まれる全ての文が真になる場合があることを意味します。

 

逆に,この集まりが矛盾しているというのは,そのような場合が全くないことを意味します。

例えば,"A⇒C;A⇒¬C;A"の3つの文の集まりは,矛盾した集合になります。

 

単独の文についても,それが真になる場合があるかないかに応じて整合的である,矛盾している,と言われます。

 

矛盾した単独の文のことは自己矛盾的な文,単に矛盾と言われます。

上述の整合性と矛盾の定義によれば"A∧B,¬A,故にB"のような前提と結論を有する論証の妥当性は,前提と結論を含む集合{A∧B,¬A,¬B}の矛盾を示すことに相当します。

 

つまり,前提A∧B,¬Aが共に真で結論Bが偽になるような場合は論証の反例ですが,集合{A∧B,¬A,¬B}が矛盾することはこうした反例がないことを意味します。

われわれが普通に真理と読んでいるものは,一方では理性的真理,あるいは論理的真理,もう一方は事実的真理と呼ばれるものであると思われます。

形式論理学の対象となるのは前者のほうで,論理的真理は現実の事象とは無関係にどんな場合でも真です。

 

"論理的真理の中で最も単純な種類のもの"="真理関数的論理"の範囲での論理的真理,つまり,"その文の最小構成単位となっている文たちの真理値がどんな組み合わせになっても,全体としては常に真になる文"をトートロジー(tautology:恒真,同義語反復)と言います。

 

正しくは,"トートロジーとはその真理表にFになる場合が全く出てこないような文を言う。"と定義されます。

トートロジーの実例としては,"A∨¬A","A⇒A","A∨B∨¬(A∧B)"があります。

 

次のような形式の論証が妥当になるのは,これに対応する1つの条件文:2がトートロジーであるときです。

 

すなわち,1."前提1,前提2,..,前提n,それ故,結論"に対応する1つの文 2."(前提1)∧(前提2)∧..∧(前提n)⇒(結論)"です。

なぜなら,2が偽になるのは1の前提が全て真であるにも関わらず結論が偽になるという場合ですが,これは論証1の反例ですから2がトートロジーであるということは,こうした反例が全くない,つまり論証1が妥当であることを意味します。

 

それ故,文2がトートロジーであるということ,恒真であること,と論証1が真理関数的に妥当であること,は同じことを意味するわけです。

この意味で,"形式論理学=真理関数的論理学"は演繹の科学であり,反証の科学であると同時にトートロジーの科学であるとも言えます。

今日はここまでにします。 

 参考文献:Richard Jeffrey著(戸田山和久 訳)「形式論理学」(その展望と限界)(産業図書)

 

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

http://homepage2.nifty.com/toshis-kaiga-auction/健康商品の店 「TRS健康ランド」

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
    物理学

| | コメント (7) | トラックバック (1)

2007年10月 1日 (月)

S行列とレッジェ理論(15)

レッジェ理論(Regge theory)の続きです。 最終回です。

最後に理論の実験との比較について述べて終わりにします。

 

結局,昔まとめたノートの内容とはいえ,1冊の洋書1~8章

のほぼ全体を直訳後,さらに意訳して解釈し,不明瞭な部分や

不親切な数式の行間を埋め,係数の間違いなどを他の文献を

参考にしたりして訂正,補足して説明を与えるという作業を

重ねてきました。

 

それらが,そのまま,このブログ記事シリーズ「S行列と

レッジェ理論」の(1)~(15)の上で再現されたことになり

ますね。

さて,実験によってRegge極仮説を検証するには,全く異なる

2つの方法があります。

 

例えば核子-核子散乱(N-N散乱)で考えます。

重心系(慣性中心系)のエネルギーが物理的N-N散乱に対応する

1/2で与えられるようなチャンネルを直接チャンネルと呼びます

が, 既に我々はこのチャンネルにおいて様々なRegge極があって,

それらの1つは例えば重水素核に対応することを知っています。

そして,このRegge極は,重水素核という束縛状態 or 共鳴状態

が存在するためには必要であるという直接の物理的意味を

持っています。

 

この種の物理的解釈は直接チャンネルでのみなされ,後述する

交叉チャンネルでの解釈はこれと対比すると,非常に異なる

内容です。

すなわち,sチャンネルでの物理的N-N散乱は,交叉チャンネル

では物理的N-N~散乱に対応しています。ここでN~は核子N

の反粒子を表記します。

 

このチャンネルでは重水素核の極などは,本質的にこのチャンネル

のエネルギー:t1/2またはu1/2での関数としての散乱断面積

漸近的な傾向への寄与として現われます。

そこで,実験的検証の手段として,Regge極を直接チャンネル

でテストするか,それとも交叉チャンネルでテストするかと

いう2つの方法のどちらを採用するかにより全く異なる様相

を有すると思われます。

直接チャンネルでの実験テストは全く貧弱なものです。

そのアイデアは以下の通りです。

各Regge極は,"well-definedな(無矛盾な)"量子数を持たなければ

なりません。

 

それは,対応する粒子,または共鳴の量子数です。

 

例えば,バリオン数,電荷,アイソスピン(荷電スピン),奇妙さ

パリティ(偶奇性),G-パリテイ,etc.です。

 

あらゆる粒子を,その量子数と符号,すなわち,スピンが偶数

か奇数か(ただし,Fermi粒子(Fermion)なら1/2を加えます)

に従って,安定粒子,不安定粒子,共鳴に分類します。

各々の分類での粒子群をRegge極の軌跡上に並べることが

できるかどうかを調べてみます。

 

これを行う際に唯一の面倒なことは現在知られている粒子

(小さいバリオン数)に対して,おそらく1粒子以上を含む

ものが3つの組み合わせしかなく,この方法で得られる

情報が乏しいことです。 

(※これはこのFroissartのtextbookをそのまま訳したもので,

当時;40年以上も前と比べて現在の状況は当然違っている

と思います。)

具体的な粒子のテーブルと解析部分はとばして結論だけを

見ると,幾つかの場合で最も楽観的なスピンやパリティを

選択し,なお同じ記号と添字で表される(つまり同じ軌跡の

上にある)粒子の3つの可能なペアのみが存在します。

 

それはNα(核子N,および核子の第3共鳴),Λα(ラムダ:Λ,

およびY0**(1815)),Δδ(π-N共鳴:Δ,およびπ-Nの第4共鳴)

です。

(※ギリシャ文字の下添字α,δ等はそれぞれの粒子記号での軌跡

添字です。)

もしも,これらのペアの各々が,それぞれ1つのRegge軌跡の

上にあるということが真実であるならば,Regge極の傾きに

よって,それがエネルギーと共にどの程度速く変動するか

を見積もることができます。

 

そして,実際にこれを行うことにより,3つの軌跡の平均値

として,傾き{dα(s)/ds}が,およそ1Gev-2に著しく近い値

であることがわかりました。これは偶然の一致でしょう。

しかし,とにかく,理論と実験の合致が真実なら,少なくとも

全ての強い相互作用をする粒子にとって,粒子の"エネルギー

=質量"のレベルを予測する際の大きさのオーダーを示して

いることは間違いありません。

 

そこで,既知の低エネルギーバリオンから,他の未知の励起

バリオンを探す際に,どのエネルギー領域で探すべきかという

指針として利用することができます。

一方,交叉チャンネルにおける実験テストは,既に述べたように

断面積の漸近的な動きの問題と関係しています。

 

より詳細に本質に入る前に,自明で初歩的ですが,非常に

重要な2つの注意について強調しておきます。

まず,最初の注意は,交叉対称性(crossing symmmetry)は

相対論的理論に固有の著しい特徴であり,交叉チャンネルに

おけるRegge極の物理的帰結に比較し得る,如何なる対応物も

非相対論的散乱理論においては存在せず,想像すらできない

ということです。

 

そこで,提案されている実験テストはRegge仮説だけではなく交叉

に内在する全てのアイデア,あるいは多分両方の理論の基礎となる

幾分深い考察,そして未知のアイデアのテストでもあるという

ことです。

第2の注意は,我々は単に漸近的な挙動のみをテストしている

に過ぎないということです。

よく質問されるのですが,一体,いつ漸近的領域に入るのか?

という疑問があります。


 現在知られているどんな理論も,この質問に答えるための

手がかりを与えることはできないというのが,

これの答です。

より堅固な例を挙げれば,気体運動論は"漸近的にゼロ圧力

の気体に適合する理論である。"というのがあります。

 

これは"漸近理論がいつ適切になるのか?"というのは先験的

(a priori)には予言できないという例になっています。

実験家にとっては実際の気体を取って理論との一致に到達

するまで,ひたすら圧力を下げて理論をテストするしか

ないわけです。

 

この圧力の臨界値は,気体の種類と温度に依存すると予想され,

例えば通常の条件下で水素に対してはうまくいっても

二酸化炭素ではあまりうまくいかないことを見ます。

後者では,彼は理論との一致を見出すのに,例えば初期圧力の

1/10を用いるよう強いられます。

 

もちろん,後の理論の改善によって,なぜ理論から逸れるのか

が予言できるようになり,どんな気体に対しても漸近領域の

臨界となる位置がどこであるかを予言できるようになる

でしょう。

Regge理論の場合には,まだ,この段階に到達していないので,

実験に見られる散乱振幅の挙動が理論から予期されるものと

合致するように見えるまで,ひたすらエネルギーを高くして

実験を行う必要があるということになります。

さて,交叉チャンネルでの実験結果から得られる重要な性質

としてポメランチュックの定理(Pomeranchuk)を説明します。

まず,以前に漸近的な挙動の説明のために採用した光学模型

に対する光学定理:ImA(s,0)=ks1/2σtot/(4π)によって,

前方散乱振幅の評価を得るために,最も簡単なパラメータ

である総断面積を使用します。

今の場合は,交叉チャンネルを扱っていて,例えばtチャンネル

が重心系のエネルギーであり,sが運動量遷移です。

 

そこでsをtと交換する必要があって,

光学定理は,ImA(0,t)=kt1/2σtot/(4π)

と読めます。

また,

A(s,t)=(1/2)[β(s)/sin{πα(s)}

{Pα(s)(-1-2t/(s-4))±Pα(s)(1+2t/(s-4))};

t=-2k2(1-cosθs),cosθs1+2t/(s-4)から,

A(0,t)=(1/2)[β(0)/sin{πα(0)}

{Pα(0)(-1+t/2)±Pα(0)(1-t/2)};kt(t-4)1/2/2

~ t1/2/2です。

 

それ故,t→ ∞において,

ImA(0,t) ~ tσtot/(8π),かつ A(0,t) ~ (定数)×tα(0)

となります。

ただし,種々のRegge軌跡の中でReαが最大のα(0)を考えて

います。

β(0)もα(0)と同様,実数であると仮定します。


そうするとt→ ∞での,A(0,t) ~ (定数)×t
α(0)

の定数の位相は,α(0)の値と符号にのみ依存し,+符号なら

πα(0)/2+nπ,-符号ならπ{1-α(0)}/2+nπ

になります。

なぜなら,

A(0,t)=(1/2)[β(0)/sin{πα(0)}

{Pα(0)(-1+t/2)±Pα(0)(1-t/2)}

~ (1/2)[β(0)/sin{πα(0)}{(t/2)α(0)±(-t/2)α(0)}

=(1/2)[β(0)/sin{πα(0)}[1±exp{±iπα(0)}](t/2)α(0)

=±2-α(0)exp{±iπα(0)/2}[β(0)/sin{πα(0)}ξ±(α(0))tα(0)

~ (定数)×tα(0)(複号同順);

ξ(α(0))≡cos{πα(0)/2},ξ(α(0))≡isin{πα(0)/2}

と表現されます。

 

α(0)のξ±(α(0))以外の係数である実数の位相はnπであり

-符号に対応する係数iの位相はπ/2だからです。

いずれにしても総散乱振幅のt→∞ での漸近的な挙動の理論式

としてtot(定数)×tα(0)-1なる形式が得られます。


これは少なくとも支配的な項を与える極に関して
α(0)を決める

ことを許す強力な結論をもたらします。

つまり,実験的にはあらゆる観測される反応において,高エネルギー

で総断面積σtotは定数に近づきますが,この実験結果が既に漸近的

な極限における挙動に対応すると推測するなら,α(0)=1である

と結論せざるを得ません。


 こ
のα(0)=1なる特徴的な極は,初期の段階で総断面積の定数性

を論じたポメランチュック(Pomeranchuk)の名を取って

ポメランチュック極(Pomeranchuk-pole)と命名されました。

 

ポメランチュックは,こうした極が+符号しか取り得ないことを

示しました。

これはα(0)=1 なら,ξ(α(0))/sin{πα(0)}

=cos{πα(0)/2}/sin{πα(0)}

=(1/2)/sin{πα(0)/2}=1/2であり,+符号なら問題なし

ですが,

ξ(α(0))/sin{πα(0)}=isin{πα(0)/2}/sin{πα(0)}

=(i/2)/cos{πα(0)/2} ~ ∞なので-符号ではt→ ∞で

の,A(0,t)~(定数)×tα(0)なる挙動と矛盾するからです。

-チャンネルでb+a→b+aの弾性散乱を考え,sをその

際の運動量遷移とします。

 

これのs-チャンネルでの交叉反応は,b+b~→a+a~で

あり,このチャンネルではsはエネルギー変数であり,

ポメランチュック極:α(0)=1はsチャンネルでのRegge軌跡:

α(s)のs=0 における極です。

したがってポメランチュック極のあらゆる量子数はa-a~系の

それと一致しなければなりませんが,aの反粒子a~はaの

あらゆる量子数に対し,正反対の量子数を持つため,a-a~系

では相殺されるので,ポメランチュック極の量子数は全て

消えます。

 

これは,特に電荷がゼロ(中性)でアイソスピンもI=0 (1重項)

であることを意味しています。

もしも,粒子aとして中性のπ=π0を取るなら,~もπ0です

から,ポメランチュック極のG-パリティはG=+1であり,

2つのπによって物理的に許される,+符号を持つことが可能

な偶数の角運動量では波動関数の対称性によってパリティも

+1です。

こうして,全ての量子数のリストを作り,それが完全に一致する

実在の既知の粒子を探すと,記号ωと添字αを持つボーズ粒子

(Boson)f0に遭遇します。

 

そこでポメランチュック極に相当する質量ゼロ(s=0)の粒子

が存在すると仮定し,これをポメランチュック粒子,あるいは

ポメロン(Pomeron)と呼ぶことにすれば,これの示す極α(0)=1

は粒子f0 の極の示すRegge軌跡の上にあると考えられます。

そして前方散乱での大きい散乱振幅は,交叉チャンネルでの

ポメランチュック粒子,あるいはポメロンの交換による寄与

であると解釈することができます。

 

そして粒子f0ポメロンを結ぶ直線の傾きから,

(dα/ds) ~ 0.6 Gev-2となりますが,この傾きは前にバリオン

に対して得られた値:1Gev-2 と同じオーダーの値です。

また,Regge仮説の別の特徴も利用できます。

 

(0,t)=(1/2)[β(0)/sin{πα(0)}

{Pα(0)(-1+t/2)±Pα(0)(1-t/2)}なる表式は,

総断面積:σtotが留数:β(0)に比例することを意味

しています。

 

ところで,以前に示したように,sチャンネルでの部分波

振幅行列要素は,

{l(s)}λμλγμ)/{l-α(s)}+(有限部分)

なる形で表現されます。

 

そして,すぐ前に考察したtチャンネルのaとbの弾性散乱

の交叉反応b+b~→a+a~において,s1/2を入射粒子=

散乱粒子の重心系のエネルギーとするとβ(0)は,それぞれ,

aのみ,bのみに依存する2つの項の積です。

したがってtota+b=Xが得られます。

 

そして,特にσtota+a(X)2なので

σtota+btota+a×σtotb+b)1/2

なる散乱断面積の漸近振幅についての積公式も

得られます。

こうした高エネルギー極限での断面積の幾つかは,かなり

よく知られています。

 

例えばN-N散乱とπ-N散乱がそうです。

しかし,π-π散乱断面積の漸近極限値は未だ得られていません。

 

そこで,たった今上で得られた公式を利用すると,今のところ

入手できるデータから,σtotππtotπN)2/σtotNN15mb

なる予測ができます。

これまでは,総断面積の漸近極限として支配的な極=ポメロン

だけを想定して考察しましたがσtot ~ (定数)×tα(0)-1

代わりに幾つかの極αi(0)の寄与を考慮することもできます。

 

簡単のために,これらαi(0)は全て実数であるとします。

 

このときσtota+b=Σiiαi(0)-1と表現できます。

 

そしてηiをi番目の極の符号とすればbと~の足を交叉することによって,σtota+b~をσtota+bに関係付けることができます。

 

これらの交叉反応の総断面積の関係は,b→b~の交換だけで,

この交換に対応する散乱振幅ではcosθsを-cosθsに変える

だけでいいので,極の符号ηiを考慮することにより,

σtota+b~として,σtota+b~=Σiηiiαi(0)-1

なる表式を得ることができます。

この表式でも支配的な項はポメロンの寄与であり,その符号は

常にηi=+1です。したがって,この式も負の断面積を与える

ような不合理な公式ではないことがわかります。

次に,回折散乱を調べるために微分断面積についての考察を

します。

 

非相対論でもおなじみの弾性散乱の微分断面積の表式を

不変振幅で表現すると,t1/2が重心系のエネルギーである

ようなtチャンネルでは.

dσel/dΩt|A(s,t)|2/t です。

 

そして,cosθt ~ (12s/t)よりdΩt(4π/t)ds

なので,dσel/ds=4π|A(s,t)|2/t2 です。

 

ここで,(s,t)を支配的な項,すなわち,

リーディング・ポールα(s)の寄与だけで表現すれば,

微分断面積の漸近形として,

dσel/ds=g2(s)t2{α(s)-1}  が得られます。

この表式によるなら原理的にα(s)の測定が可能です。

 

両辺の対数を取り,ln(dσel/ds)と(lnt)の両対数曲線の

グラフとしてプロットするのが便利です。

 

すなわち,ln(dσel/ds)ln{g2(s)}+2{α(s)-1}(lnt)

と書けますから,右辺はsを固定すると(lnt)の1次関数です

から,切片と傾きを見ることで,(s)とα(s)の決定が可能です。

 

原理的には,測定は全ての負の物理的sの値に対して繰り返せます。

しかし,実際には,

"(1)(lnt)の大きい値に到達するのは困難である。

(2)一定のsに対応する実験室系の散乱角は(1/t)のように

変化する。

(3)測定された微分断面積は非常に急速に減衰する。

(4)曲線が漸近線に到達したと認識するのは困難である。"


などの理由で実験は非常にむずかしいものです。

 

しかし弾性p-p散乱などについて予備的実験が継続的に実施

されています。

|s|の大きい値についてポメランtyック軌跡を追跡すると,

興味深い疑問が生じます。


α(s)は値ゼロに到達するのだろうか?そして,もし到達するなら,

そこでは何が生じるのだろうか?という疑問です。

もちろん,観測されるα(s)は常に0と1 の間にあります。

そして,これ自体は現在のところ,何の困難でもありません。

 

しかし,もしも軌跡α(s)が実際にゼロと交差する場合には,

この点はポメランチュック軌跡の上にあるのですから,その上

の極の符号は+1です。

それ故,それは1つの"ゴースト(ghost-pole:幽霊極)"になります。

 

すなわち, 符号が+で,α(s) ~ 0 なら,

A(s,t)=(1/2)[β(s)/sin{πα(s)}

{Pα(s)(-1-2t/(s-4))±Pα(s)(1+2t/(s-4))}

~ [β(s)/sin{πα(s)} となります

これが,ゴーストである理由は,値:s=s0における極は質量が

01/2の粒子に対応するからです。


そしてtチャンネル散乱の物理的領域であるs0<0 に対しての

極:α(0)は虚数質量の粒子,つまり空間的な運動量を持つ粒子

に対応します。

 

そして,この虚数質量粒子は空間的運動量の和を大きく取ること

で,いくらでも大きい負の時間成分(エネルギー準位)を持つこと

が可能なので,エネルギーが最低の状態,基底状態を持つことが

できません。

そこで,(0,t)~ [β(0)/sin{πα(0)}の分母,分子の組み合わせが消えるのでなければ,全世界はこうした奇妙なものに崩壊することになります。

 

そこで,恐らくα(0)=0 なら同時にβ()=β(0)もゼロ

を通り,結果としてA(0,t)は有限値に留まると思われます。

こうしたことは偶然に起こることではなく,むしろ頻繁に起こる

現象と考えられます。


もっとも,それがどのようにして起こるかという正確なメカニズム

については解明されてはいません。

回折ピークの主題に戻って,以前に光学模型でなされた半古典的

表現に戻ってみます。


すなわち,
dσel/ds=g2(s)t2{αi(s)-1}

=g2(s)exp[2s{(∂α/∂s)lnt}]と書けば,

tが増加するとき,s<0 なので,指数部分は2(s)の部分

に打ち勝って急激に減衰します。

 

そこで,ln(dσel/ds)の回折ピークの幅は(1/lnt)の

ように衰えます。


そして,総弾性断面積は,
σel-∞0(dσel/ds)ds

2(0)/{2(∂α/∂s)lnt} → 0 as t→∞  です。

sにおける回折ピークの幅は次式によって実験室系の角度

における幅に関係付けられます。

 

すなわちlab~2m(-s)1/2/tであって,標的の有効半径Rは

R~1/plabθlab~(2m/t){t/2m(-s)1/2}

~1/(-s)1/2~(lnt)1/2で与えられます。


このRはt→ ∞ のときに無制限に増大しますが,総断面積
σtot

は一定のままです。

エネルギーが増加すると,標的がまるで煙のパフのように吹き出

して次第に透明になるかのように見えますが,これはむしろ古い

描像で,明確な描像は実験から確立する必要があります。

最後に非弾性散乱ですが,t→ ∞のとき総断面積σtotは一定

のままで,総弾性断面積はσel→ 0 ですから,非弾性散乱の

断面積は,σinelσtot(一定)という傾向があります。

 

しかし,非弾性散乱における測定は弾性散乱におけるそれより

もはるかに困難です。なぜなら,断面積を高い値に保つのに

回折に頼ることができないからです。

しかし,わずかに,ある条件では非弾性散乱も測定可能

になります。

例としてtチャンネルのp-p散乱を考察し,入射のp+pが

ポメロンの交換相互作用によって散乱され,終状態では励起核子

共鳴N*とpになり,その後N*がpとπ0に崩壊するような

プロセスを想定します。


こうしたポメロン極の交換反応なら,十分大きい断面積を呈する

と予想されます。

一方,ある量子数の保存則を満たせないためにポメロンの交換

が禁止されているプロセスもありますが,こうした反応ならば,

上記の反応よりも,はるかに急激に減衰する漸近断面積になる

と予想されます。

これは,例えばπ+-p散乱のチャンネル=Δ++-共鳴,の励起反応

で実現されます。つまり,Δ++-共鳴のアイソスピンはI=3/2

なので,明らかにI=0 のポメロンの交換は不可能です。

-p散乱の実験では出て行くpの運動量を注意深く測定して

失われた運動量に対応する質量:M2を計算します。

 

そして,そこでの微分断面積:(dσ/d2)が計算されます。

これは弾性散乱に対する大きいピークを持ちます。

 

それから,M2値に関する限り2番目,3番目,..の核子Nの

共鳴ピークを与えるはずです。

 

しかし,こうした実験から明確な理論的結論を見出すのは

かなりむずかしいことです。


というのは通常は背景散乱の断面積の方が,問題としている

反応に比べてはるかに大きいからです。

別種の実験もテストに使えます。

 

例えば1核子交換に対するRegge形式が通常の摂動計算より,

良い結果をもたらすかどうかを調べるものです。

 

より明確に言えば,後方π-N散乱を測定し,α値が核子の極

の値:1/2から変化するかどうかを見ることができます。

一応,ここまでで終わりですが,一番最後にそれとなく,さらり

と検証実験の話が書かれていますが,これは実は,後に強い相互作用

の理論だけではなく,重力をも含む4つの相互作用を包摂した

壮大な理論であるところの,弦理論,あるいは,ひも理論の元になった

重要なポイントを含んでいます。

つまり,S行列(散乱行列)の解析性という半分は現象論である

ような仮説だらけの相対論的Regge理論では,交叉対称性という

アイデアがその中心的役割を果たしていますが,現時点的な

言葉で言うなら,これは双対性(duality)という言葉で表現

されます。

伝統的な場の量子論に基づく摂動論では,s-チャンネルの反応

ダイアグラム(Feynman diagram)とt-チャンネルでの交叉

ダイアグラムは,散乱振幅にとっては,それぞれ独立した1つの

寄与を与えるものとして計算され,それらは全て総和されて

しまいます。

 

ところが,Regge理論では双対性ということを重視して互いに交叉

する複数のダイアグラム,つまり反応が多数のチャンネルに

またがって同時的に存在する場合には,そのダイアグラムは

散乱振幅に対して,共通な1つの寄与しかしない,と考えるので

これは,伝統的な摂動論とは異なるわけです。

 

この立場からは純粋な場の量子論の計算はダブルカウントや,

トリプルカウントetc.をしていて過剰計算になると考えられる

ので,これらのどちらが正しいかは実験すれば簡単に検証できる

はずです。

そして,相互作用の弱い電磁相互作用などの理論的摂動計算

についてはどちらの立場の計算結果も区別できませんが,

強い相互作用の多くの実験では伝統的場の量子論よりも

双対性に基づく計算の方が正しいとされています。

 

これが真実なら,いわゆるトポロジー(位相)的に同一な

ダイアグラム,つまり,例えば1つの反応で穴が1つのトーラス

と同相な多数のダイアグラムが存在するなら,それらは全て同じ

ものであって,二重に数えてはいけないという発想になりますが,

これは弦(ひも)理論における着想そのものです。

そして,こうした散乱振幅の双対性を体現するものが,

正にオイラー(Euler)のΓ関数から構成されるβ関数(ベータ関数)

である,ということに初めて気づいたのは,

ヴェネチツィアノ(Veneziano)です。

 

最初は彼の模型である"ヴェネツィアノ模型=双対共鳴模型

(dual resonance model)"を強い相互作用だけに関係する模型

であるとし,ゴースト・フリーな背景空間が,26次元のBose粒子

だけの模型を想定して出発したのが,弦(ひも)理論の原型です。

これに,Fermi粒子も含め,これが背景空間10次元の完全な

素粒子の模型を与える理論であるとして再構築し,さらに

Bose粒子とFermi粒子の間に超対称性と呼ばれる新しいタイプ

の内部対称性があるという仮説をも加味して,最後に弦の場

を量子化したものが超弦理論,あるいは超ひも理論

(superstring theory)の原型です。

参考文献:R.omnes,M.Froissart「Mandelstam Theory and Regge Poles」W.A.Benjamin,Inc, New York(1963)

 

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

人気blogランキングへ ← クリックして投票してください。(1クリック=1投票です。1人1日1投票しかできません。)

http://homepage2.nifty.com/toshis-kaiga-auction/健康商品の店 「TRS健康ランド」

にほんブログ村 科学ブログへクリックして投票してください。(ブログ村科学ブログランキング)

にほんブログ村 トラコミュ 物理学へ
 物理学

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »