ベリーの位相とアハラノフ・ボーム効果(5)
続きです。一応,これで本項目についての記事は終わります。
さて,前記事まででファイバー束(fiber bundle)に関する基本的説明も終わったので話をベリーの(Berry)の位相に戻し,ここまでの説明を生かして次のようなファイバー束:(E,π,F,G,M)を考えます。
前の記事「ベリーの位相とアハラノフ・ボーム効果(2)」において,
"系のハミルトニアンH(t)が周期的で時間周期Tを持っていて,その時間依存性はパラメータの集合を一般的なn次元のベクトルで表現したR(t)を通してのみ現われるとします。(ただしR(0)=R(T)です)"
と書きました。
ここで,底空間MはハミルトニアンH(t)の時間依存性を示すパラメータR(t)の構成する空間であり,ファイバーFは,そこで定義した自明な時間発展の位相因子を除去した波動関数|φ(R(t))>のつくる空間であるとします。
そして構造群Gは,その作用が波動関数|φ(R(t))>にかかる位相因子として現われる1次元ユニタリ群U(1)です。
つまり,そこで書いたように,ハミルトニアンH(t)の表現する物理系が断熱定理の条件を満足するようなごく一般的な場合には,t=0 でH(t)のm番目の固有値Em(0)に属する固有状態:|m(R(0))>にあった波動関数|ψ(t)>は時刻tでは|ψ(t)>=|m(R(t))>exp{{(-i/hc)∫0tEm(t')dt'}exp{-iγm(t)}なる形に表わされます。
これの右辺から因子exp{{(-i/hc)∫0tEm(t')dt'}を取り去った残りを|φ(R(t)>≡|m(R(t))>exp{-iγm(t)}と定義して,これらの全体で作られる空間をMとするわけです。
既に記述したように,R(t)が 0≦t≦Tにおいて閉路Cを構成し,しかも状態ベクトルの1価性:|m(R(T))>=|m(R(0))>が満たされる場合には,波動関数の1周期当たりの全体としての位相のずれはγm(C)≡γm(T)=-Im∫C<m(R)|∇m(R)>dR=-∫∫SVm(R)dS;ただしVm(R)≡Im[Σn≠m{<m(R)|∇H|n(R)>×<n(R)|∇H|m(R)>/(En-Em)2]で与えられます。
この閉路C,あるいは1周期T当たりの位相変化量γm(C)のことをベリーの位相と呼びます。
波動関数の非1価な位相の動きを制限する条件式は<φ(R(t))|(d/dt)|φ(R(t))>=0 で与えられます。
これはγm(t)の定義γm(t)≡i∫0t<m(R(t'))|(d/dt')|m(R(t'))>dt'を考慮して実際に計算をすれば確かめられます。
そして,この条件を満足する位相変化を,このファイバー束(E,π,F,G,M)の中での理論,つまりHのG=U(1)不変性という対称性に対応する平行移動であると定義します。
つまり,平行移動は|φ(R(t))>の変化d|φ(R(t))>が|φ(R(t))>に直交する方向に向かう動きであることを示すとします。
|φ(R(T)>≡|m(R(0))>exp{-iγm(C)}であり,γm(C)=γm(T)=i∫0T<m(R(t))|(d/dt)|m(R(t))>dt=i∫C<m(R(t))|∇Rm(R(t))>dR(t)です。
それ故,A(R)≡i<m(R)|∇|m(R)>と置いて,これをベクトルポテンシャルと呼べば,結局,|φ(R(T)>≡|Φ(R(0))>exp{-i∫A(R)dRですから,このファイバー束Eにおける平行移動に関連した接続AμはベクトルポテンシャルA(R)≡i<m(R)|∇|m(R)>となります。
そして,ベリーの位相:γm(C)は,このファイバー束のホロノミー群に対応していて,exp{-iγm(C)}∈Gが,このホロノミー群の個々の要素になっています。
ベクトル束Eの底空間Mが,2次元リーマン多様体で与えられる例として,通常の我々の3次元ユークリッド空間内での,単位球面上の点における長さ1の接ベクトルaの平行移動について考察してみます。
接ベクトルaの単位球面上での平行移動を次のように定義します。まず,aをこの球面が存在する3次元ユークリッド空間内の通常の意味での平行移動を行い,その後にそれから球面に対する垂直成分を切り捨てて球面の接ベクトルとし,残ったベクトルの長さを1にします。
この移動は次のような条件式で表現されます。すなわち,da/dt=s×aです。ここでsは,aが接している点の位置ベクトルをrとしたとき,s≡r×(dr/dt)で定義されます。
実際,aはrにおける接ベクトルなのでa・r=0 であり,またs(dr/dt)=0 です。そして(a+da)(a+da)=1+2ada=1+2a(s×a)dt=1 ですから確かにda/dt=s×aなる移動はaの長さ:1を保存します。
単位球面上ではrと(dr/dt)は垂直であり,sはrと(dr/dt)が作る平面に垂直ですから,任意のベクトルはs,rと(dr/dt)の1次結合で表わされますがa・r=0 なのでaはsと(dr/dt)だけでa=c1(dr/dt)+c2sと書けます。c1,c2は定数です。
仮にc1=0 なら,|dr/dt|=rω=ωとすると|s|=|r×(dr/dt)|=ωです。そしてaは長さが1なのでa=(dr/dt)/ωです。
そこで(da/dt)-s×a=(d2r/dt2)/ω+(dr/dt)2r/ωとなりますが,|dr/dt|=ωであり,球面運動なのでrではd2r/dt2=-ω2rですから,(da/dt)-s×a=0 すなわち,da/dt=s×aです。
一方,c2=0 ならda/dt=s×aはda/dt=0 を意味します。
rの球面上の運動では(dr/dt)は,sに垂直なので,この場合にはaに垂直ですから,確かにda/dt=0 です。
以上から一般の重ね合わせ:a=c1(dr/dt)+c2sで与えられるaについても,da/dt=s×aが成立するわけです。
ついでにb≡r×aなるベクトルbも定義しておきます。
そして記号的に,|ψ>≡(1/2)1/2(a+ib)と置きます。
今の場合,|ψ>,|φ>etc.は単なる3次元複素ベクトルであり,<φ|ψ>はそれらの数ベクトルとしての内積を示しているとします。
da/dt=s×aと同じく,db/dt=s×bですから(d/dt)|ψ>=s×|ψ>が成立します。
ところで,<ψ|ψ>=1(時間に依らず一定)なので,Re<ψ|(d/dt)|ψ>=0 です。
そして,Im<ψ|(d/dt)|ψ>=(1/2){a(db/dt)-b(da/dt)}=(1/2){a(s×b)-b(s×a)}=s(b×a)=0 です。
故に球面上の平行移動の条件da/dt=s×aは条件<ψ|(d/dt)|ψ>=0 と同等であることがわかりました。
ベクトルa,あるいは|ψ>は単位球面上のあるループに沿って平行移動して元の位置に戻ったとき,出発時とは異なるベクトルになるということは既によく知られている事実です。
そして今問題としているファイバー束:(E,π,F,G,M)においては,ファイバーFは波動関数|ψ>(=(1/2)1/2(a+ib))の空間,Gはユニタリ群U(1)で,これは|ψ>に位相因子exp(iθ)を掛ける作用を示す群です。
そして底空間Mは|ψ>=|ψ(R(t))>のパラメータR(t)の空間ですが,今これを単位球面とします。
単位球面上の点r=(sinθcosφ,sinθsinφ,cosθ)における局所的に1価の基底を次のように選択します。
すなわち,|n1(θ,φ)>≡(-sinφ,cosφ,0),|n2(θ,φ)>≡(-cosθcosφ,-cosθsinφ,sinθ)とします。
|ψ>=(1/2)1/2(a+ib)なる表式でn1からaへの方向への角度がγであるとするとa=cosγ|n1>+sinγ|n2>,b=-sinγ|n1>+cosγ|n2>です。
そして,|n(θ,φ)>≡=(1/2)1/2{|n1(θ,φ)>+i|n2(θ,φ)>}と置くと|ψ>=(1/2)1/2(a+ib)=|n>exp(-iγ)と書けます。
ここで|ψ>をMの元であるR(t)の単位球面上のループCに沿って平行移動させて1回転させたときの複素数としての偏角のずれγ(C)≡∫Cdγを計算します。
まず,<n|dn>=<ψ|exp(-iγ){idγ|ψ>exp(iγ)+d|ψ>exp(iγ)}=idγ+<ψ|dψ>です。
平行移動の条件によって<ψ|dψ>=0 ですから,dγ=-i<n|dn>より,偏角のずれはγ(C)=∫Cdγ=-i∫C<n|dn>=Im∫C<n|dn>=Im∫∫S<dn|×|dn>と表現されます。
これは,γ(C)=Im∫∫S<dn|×|dn>=∫∫Sdθdφsinθ=∫∫SdΩと書けます。
偏角のずれγ(C)=∫∫SdΩは.ループCによって囲まれる立体角,つまり単位球面上でループCによって囲まれる面積に等しいことがわかります。
なお,基底ベクトル:|n(θ,φ)>を変更しても,それはθ,φを変更するのと同等で単に位相因子の変更に過ぎないので,今の結果には影響しません。
以上,で一般の状態ベクトルの平行移動<ψ|dψ>=0 が初等幾何学的な平行移動と同等な概念であることの例示による説明を終わります。
次にアハラノフ・アナンダン(Aharonov-Anandan)の位相というものを定義します。
そのために,以前の記事「ベリーの位相とアハラノフ・ボーム効果(2)」で系のハミルトニアンとして与えたH=-σ・B(t)において特にH=-B3σ3の場合を考えます。
シュレーディンガー方程式:ihc∂ψ(t)/∂t=Hψ(t)(hc≡h/(2π)はプランク定数)の解ψ(t)=u(t)で,初期時刻t=0 でu(t=0)=t(cos(θ/2),sin(θ/2))を満たすものを考えます。
すると,その後の時間発展はu(t)=exp(-iHt/hc)u(0)=exp(iB3σ3t/hc)u(0)=t(exp(iB3t/hc)cos(θ/2),exp(-iB3t/hc)sin(θ/2))で与えられます。
u(t)はH=-B3σ3の固有状態ではありませんから,エネルギーが一定の定常状態ではありません。
この状態でのσ3の期待値はu+(t)σ3u(t)=cos2(θ/2)-sin2(θ/2)=cosθです。
ここで前の記事「ベリーの位相とアハラノフ・ボーム効果(2)」を思い起こします。
そこでは"H(t)=-σB(t);B(t)≡(B0cosωt,B0sinωt,B3)であり,H(t)の固有値は±B;B≡(B02+B32)1/2であって,それの-B,Bのそれぞれに属する固有ベクトルu1(t),u2(t)はu1(t)=t(exp(iωt)cos(θ/2),sin(θ/2)),u2(t)=t(exp(iωt)sin(θ/2),-cos(θ/2))で与えられます。"と書きました。
このうちの1つの固有ベクトルu1(t)=t(exp(iωt)cos(θ/2),sin(θ/2))と,H=-B3σ3に対する波動関数u(t)=t(exp(iB3t/hc)cos(θ/2),exp(-iB3t/hc)sin(θ/2))の類似性に着目します。
特にB3/hc=ω/2と置けば,u(t)=exp(-iωt/2)u1(t)です。
したがって,B3/hc=ω/2なら,u(t)はu1(t)と同様,H(t)=-σB(t);B(t)≡(B0cosωt,B0sinωt,B3)のH(t)の固有値-B;B=(B02+B32)1/2に属する固有ベクトルになっていますが,今のH=-B3σ3の場合には固有ベクトルではありません。
しかし,u(t)はこれの正確な解です。
ここでアハラノフとアナンダンは,次のようなファイバー束:(E,π,F,G,M)を考察しました。
まず,ファイバーFは規格化された状態ベクトルの空間をHとし,ψの底空間Mへの射影πはπ(ψ)={ψ'∈H:ψ'=cψ,c∈U(1)}であるとします。
つまり,底空間Mは長さ1の波動関数からなる空間Hのベクトルから位相の差異を無視した空間です。
すなわち,MはH/U(1)なる商空間,つまり位相を無視するとした同値関係による"同値類=射線(ray)"の空間です。また,構造群GはもちろんU(1)です。
こうした前提の下で,先に述べた波動関数u(t)を考察します。
この波動関数は時刻tと共にEの中で曲線C^を描きますが,この曲線のMへの射影をCとします。
このときM内の曲線Cは時間T=ω/(2π)の後に出発点に戻りますからCは閉曲線です。
しかしEの中での曲線C^は一般に閉じていません。
そこでu(0)とu(T)の位相の差φを求めてみると,明らかにu(T)=exp(iπ)u(0)です。
この全位相差φ=πから,通常の力学的発展部分φd≡-(1/hc)∫0Tu+(t)Hu(t)dt=πcosθを除いて,φ≡φd+γと書けば,γ=π(1-cosθ)でγ=-π(1+cosθ)(mod 2π)です。
これは以前の記事で,"断熱近似の下では,ψ(t)~u1(t)exp(-iE-t/hc);E-~ -B+(hcω/2)(1+cosθ)ですからψ(t)の位相因子exp(-iE-t/hc)の位相(-E-t/hc)は(Bt/hc)-(ωt/2)(1+cosθ)={(B/hc)-(ω/2)(1+cosθ)}tで近似されます。"と書いたものと一致しています。
こうした結果は位相γがハミルトニアンに依存するというよりもむしろ,波動関数がファイバー束の中でどのように時間発展してゆくかに依存することを示しています。
一般的には,状態ベクトル:|ψ(t)>に対して新しい波動関数|φ(t)>を|φ(t)>≡exp{-iγ(t)}|ψ(t)>;γ(t)≡i∫0t<ψ(t')(d/dt')|ψ(t')>dt'と定義し,この波動関数|φ(t)>がファイバー束の中を移動する様子を考えます。
今の場合には|ψ(t)>は正確なシュレーディンガー方程式に従うのでγ(t)=(1/hc)∫0t<ψ(t')|H|ψ(t')>dt'=(1/hc)∫0tE(t')dt'です。
こうして定義した新しい波動関数|φ(t)>は<φ(t)(d/dt)|φ(t)>=0 なる条件を満たします。
そこでπ(φ)がファイバー束の底空間Mで閉曲線Cを描くとき,|φ(t)>自身の描く曲線C^は閉じていません。そしてC^の両端での|φ(t)>の位相差をアハラノフ・アナンダンの位相と呼びます。
これも今考えているファイバー束でのホロノミ-群の要素として捉えることができます。これは断熱定理が成立しない場合にも適用可能であり,Hが周期的でない場合,パラメータR(t)が周期的に元に戻るとは限らない場合にも拡張されたベリーの位相です。
最後にアハラノフ・ボーム効果(AB効果:Aharonov-Bohm effect)について考察します。
1つの荷電粒子が空間のある点Aから遠方のスクリーンに向かって運動してスクリーン上の点Cに到達するとします。
そして,その途中のある位置での2つのスリットUとDで挟まれた場所に遮蔽された磁場Bが存在しているとします。
その磁場Bはスクリーン面に平行で荷電粒子の進行方向,およびUDに垂直な向きを持ち,Bの大きさと向きは時間的に一定でその全磁束はΦであり,しかも遠方のスクリーン上,特に点CではB=0 になっているような系を考察します。
この物理系を"AB系=アハラノフ・ボーム系"と呼びます。
このとき,ベクトルポテンシャルAはB=∇×Aで定義されますから,空間内の閉曲線CをA→D→C→U→Aに取れば,∫CAds=∫∫S(∇×A)dS=∫∫SBdS=Φです。
古典電磁気学によれば,荷電粒子に対する電磁場の作用は電場Eと磁場Bによって生じるはずでAには関係なく,それゆえ全磁束Φにも無関係なはずです。
しかし,上述の実験では点CではEもBもゼロであるにも関わらず,荷電粒子が作用を受けるという結果が得られ,古典電磁気学での素朴な常識が否定されています。
この場合の荷電粒子のハミルトニアンは以前の2007年11/24の記事「解析力学の初歩」で与えたように,H=(p-eA/c)2/(2m)+eV(q)です。
これはラグランジアンL=p(dq/dt)-H=m(dq/dt)2/2+eA/c-eV(q),および運動量の定義p=∂L/∂(dq/dt)=m(dq/dt)+eA/cから得られるものです。ただし,今の場合のAB系ではV(q)=0 です。
これによる波動関数の時間発展の結果を簡単に得るために,ファインマンの経路積分の手法に頼れば,ψ(q,t)=∫K(q,t;q0,t0)ψ(q0,t0)dq0,K(q,t;q0,t0)≡∫exp(iS(q)/hc)Dqです。
ここで,S(q)は作用積分で,S(q)≡∫t0tL(q),dq/dt',t')dt'です。ただし,q0≡q(t0),q≡q(t),t0<tです。
離散近似では,S0=S0(q)を電磁場のない自由粒子の作用として,S(q)=S0+(e/c)Σi=1NA[(qi+qi-1)/2][(qi-qi-1)/(ti-ti-1)](ti-ti-1)と書けます。
この式の右辺第2項は細分の個数Nが無限大の極限で,(e/c)∫qA(q)dqなる線積分になります。
結局,ファインマンの積分核KはK=∫Dqexp(iS0(q)/hc)exp[{ie/(chc)}∫qA(q)dq]で与えられます。
経路積分∫Dqというのは点A:q0≡q(t0)からスクリーン上の点C:q≡q(t)に到達するあらゆる経路を総和するものですから,それは磁場Bを多数回周回する経路も全て含んでいます。
1つの経路とホモトピー同値な経路をホモトピー類として同値類別し,経路A→D→Cを基準として,それとホモトピ-同値な経路をホモトピー類ゼロとし,Bをn回周回する経路にホモトピーなホモトピー類nの積分核Kへの寄与をKn(n=0,±1,±2,...)と定義してKの1価性を要求すれば,K=ΣnKnとなります。
基準となるホモトピー類ゼロの経路q0に対してF≡∫q0A(q)dqと定義すれば,経路qnに対しては∫qnA(q)dq=F+nΦ(n=0,±1,±2,..,)です。
故に,Kn(q,t;q0,t0)=exp{ie(F+nΦ)/(chc)}∫qnDqexp(iS0(q)/hc)≡exp{ie(F+nΦ)/(chc)}Kn0(q,t;q0,t0)となります。
自由粒子の作用S0(q)は,経路qが古典力学の運動方程式を満足するときに極小値を取ること(最小作用の原理)がわかっています。
その経路からずれるほどS0(q)は大きくなって,急激な振動のためにKnへの寄与は小さくなり,事実上,経路A→D→CによるK0と経路A→U→CによるK1の寄与以外は無視してよいことになります。
それ故,CではEもBもゼロであるにも関わらず,AがゼロでないためにゼロでないK0とK1の位相の効果として荷電粒子が力を受けます。
これがアハラノフ・ボーム効果と呼ばれる現象です。
これはψ(q,t)∝exp{ieF/(chc)}K00+exp{ie(F+Φ)/(chc)}K10によって,荷電粒子の存在確率|ψ|2が磁束Φの多寡によって変化する干渉パターンとして出現します。
参考文献:矢吹治一 著「量子論における位相」(日本評論社)
http://www.rakuten.co.jp/trs-kenko-land/「TRS健康ランド」-- 黒ウコン,SCS(洗浄剤)専売などの店: 私が店長 です。
http://www.mediator.co.jp/category/pages.php?id=115「中古パソコン!メディエーター巣鴨店」
http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。
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