学問するという贅沢
物理学とか数学とか,あるいは文科系の学問でもいいのですが,こうしたことを面前で論じるのは,私も含めて単なる趣味ではあるのですが,ある意味でインテリ臭がふんぷんと薫ってイヤらしいと感じることが多々あります。
まあ,これらは小市民(プチブルジョア)的な趣味であり,日々の生活の糧を得るのにも困窮している人民達にとっては,まことに贅沢な趣味ですからイヤらしさを感じるのも無理はないかもしれません。
要するに,私がかつてや今もサブマネージャーをやっているニフティやfolomyの物理フォーラム,あるいはこの私のブログでさえも,ある意味で知的なことを売り物にしているわけです。
もしも薀蓄を語るということにのみに意味を見出すなら,質問やコメントに答える際にも,「いかにも俺は知識階級だぞ」とか「何でも知ってるんだぞ」というような感じで,「頭がいいんだとか,知識があるんだ。」とか,というイヤらしくて馬鹿な優越感を感じることに意味を見出していることに通じ,そのためにフォーラムやブログなどを運営しているという自分を感じ恥ずかしくなってしまうことがよくあります。
かつて,パソコン通信時代のニフティの物理フォーラムで当時のシスオペも含めて「DHMOの恐怖」などというパロディがはやったことがあります。何のことはないDHMOとは"di Hydrogen mono Oxide=2水化酸素",つまり水のことです.。
これを"もの知り"を標榜するフォーラムの会員の各面々が,例えば「人はDHMO中毒でDHMOが不足すると禁断症状」云々と,サロン的に面白おかしく論じて笑い話として掲示板を賑わしていたわけですが,当時私自身はスタッフではないこともあって傍観していました。
しかし,さすがに少し不快だったので,私は参加することはしませんでしたが,ごく内輪で内部的に楽しんでいるだけのことですし,快不快も個人の価値観に属することなので別段どうでもいいことではあります。
また,彼らとはネットの上でしか会ったことがないとはいえ,チャットも含めて既にかなり親密な関係になっていると私自身感じていたので,そのときは批判を述べたい気持ちを我慢していました。
後年ホームページの時代になってから,というよりつい最近のことですが「物理のかぎしっぽ」なるところをのぞいてみると,同じく,DHMOが話題になっていて,さすがに1回だけ批判のコメントを書いたことがあるのですが,何の反響もありませんでした。
まあ,私憤の部類に入ることであり,何を怒っているのか理解できないかもしれないので,自分でもどうでもいいかな,とは思いますが。。。
かつてのフォーラムでは,ときどき物理学に関連した問題を出して模範的な解答を求めるということで,掲示板を盛り立てるという試行もありましたが,それにもめったに参加しませんでした。
昨今のTV番組でも出演者を試す,試験のようなものがはやっているようですが,私はどうも好きになれません。
クイズとか試験のようなものは,それを誰かから受けることも,そして教師のバイトをしていたときにも誰かを試験することも大嫌いですから。。。。
どうも,この種のフォーラムのスタッフとしてはフォーラムの存在理由自体にも疑問を持ち,何の活動もしない私のような者は適任ではないかも知れないとは常々思っています。
自慢だけど,私は自分には厳しいけど他人には甘すぎるくらい甘い人間です。とはいっても,もちろん他人の陰口,悪口を言うのは本能的に好きですが,面と向かった批判はめったに口にしません。
特に,いわゆる「近頃の若い者は。。」と自分より若い世代を批判するのは,亀田親子は極端な例ですが,子供のやったことの半分くらいは親に責任があると思っているので,実は半分以上自分を批判していることになると思うこともあって,実はやりたいのですが普通はやりません。
今日は少しイライラした気分だったので,自分の好きな趣味を楽しむことでさえ自分の思想的側面との矛盾を感じるストレスがあること,自己の「実存(生きがい)」と自己が人類という種族保存の本能を持った生き物に属するという「社会性に根ざした思想的背景」とのギャップについて,常日頃感じている個人的な愚痴などを書きました。
まあ,「思想的には平和主義者だけれど,軍人が生きがいで戦争や武器が趣味だ。」というほどのギャップはないのですから,まだましでしょうかね。。。
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コメント
TOSHIさんが心臓のお病気で入院したとき、私も仕事の過労から頻脈発作と不整脈で苦しんでいて、仕事を辞めたばかりでした。原因は自律神経の失調だったので半年近くなろうとしている今は元気ですが、仕事は失業中のままです。
私は、嘱託の外注のプログラマーなので納期、納期で忙しく深夜まで働いていたので何も考えなくて良かったのですが、現在、家計を切り詰め、不安の精神状態のまま自由人でいると、フィロソフィーも考えるし、物理の知らない計算の分野にも挑戦したり、「あれか、これか」実存主義者になったり鬱になったり躁になったり。。。TOSHIさんのこの記事を読んでシンクロしているなぁと思いました。
あ!TOSHIさんの思ってることとは違っていました。でも何か何処かで共感します。
投稿: はっしー帝國 | 2007年11月 7日 (水) 14時44分
私の場合は、科学は SF と同じで「こんな面白いことがある」と言いたいのが興味の理由なので、「おたく」としていやがられるのが大きいだろうと思っています。(それでも「トンデモ」に行かないのは、トンデモはワンパターンになってツマらない、が理由)
DHMO ネタは特に面白くは感じなかったし、何度も聞くとウザイと思ったりしますが、「水酸化ヒドロニウム (今なら水酸化オキソニウムで、やっぱり水のこと、DHMO より前です) 」がどうとか言ってた私には批判する資格がありません。
投稿: hirota | 2007年11月 7日 (水) 13時26分
TOSHIさん、こんばんは。
失礼でなければいいのですが、やはり「孤高の人」だなあと思います。誰しも人に嫌われたくない、良く思われたい、と思うことは自然で、何も恥じることではないと思うのですが、媚びることとの僅かな差が許せないのだと思います。
学問に没頭するという事は一面では、学問に逃避することと同じかも知れません。昔風に言えば、「女房子どもを質に置いても」自分の信じる道を行く芸人みたいなもので、一方では尊敬され、一方では生活破綻者の烙印です。
子どもの頃、「末は博士か大臣か」という言葉がありましたよね。名誉や地位は無条件に目指す価値のあるものと教えられ、疑問を持つことがなければ、単純であったのかも知れません。しかし、人生はそう容易いものではなかったことは、この年になると分かります。
結局、この短い人生に何を選択して生きるのかは、自由ではなく、大きな制限(業かも知れない)の中で足掻くしかないのでしょうね。せめて、好きなように「足掻かせてよ」
と言いたくなります(笑)。
投稿: 明男 | 2007年11月 7日 (水) 00時06分
当時のシスオペです(^^;
あの頃からTOSHIさんには色々教えていただいていましたが,フォーラム運営の協力をお願いする気には全くならなかった理由がわかった気がします。当時は漠然と"TOSHIさんは運営側に立つのが似合わないなぁ"と思っていましたが,そういう考えだったのをなんとなく感じ取っていたのかも知れません。
投稿: わか | 2007年11月 6日 (火) 22時20分