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2008年1月 6日 (日)

水,氷,水蒸気の比熱

 たまには化学の話題,といっても物理化学;物理学なら物性物理学ですが,その基礎的な量子化学の入門関係の話を少ししてみましょう。

 というのも水や氷,水蒸気の比熱について少し思うところがあったからです。

気体としてのH2,すなわち水蒸気なら理論的には常温での3原子分子の自由度は6です。

 

古典統計物理学におけるエネルギー等分配の法則,すなわち,"絶対温度Tにおいて1自由度当りの内部エネルギーはkBT/2 である。"という法則によれば,水蒸気の定積モル比熱はCv,mol(1/2)R×6=3Rとなるはずです。

 

B≡R/N0はボルツマン定数~ 1.38×10-23JK-1)で,Rは気体定数~ 8.31Jmol-1-1),N0はアボガドロ数r~ 6.022×1023mol-1)です。

そして,マイヤーの法則(Mayer's relation)によると,定圧モル比熱はCp,mol=Cv,mol+R=4Rと書けるので,比熱比はγ≡C/Cv=4R/(3R)~1.33となるはずです。

1モルのH2Oの質量は18gです。

 

そこで,質量1g当りの熱容量に換算するとCv8.31×3J/(molK)=1.385J/(gK)=0.33cal/(gK),C8.31×4J/(molK)=1.846J/(gK)=0.44cal/(gK)となるはずです。

 

しかし,理科年表によると,摂氏100度の水蒸気について,定圧比熱がC2.051J/(gK)=0.50cal/(gK)で,比熱比がγ≡C/Cv1.33となっていました。

これらの実測値は,比熱比γについては理論と一致していますが,定圧モル比熱については実測はCp,mol4.5R=(9/2)Rとなっています。

 

これは,今私が計算した理論値のCp,mol=4Rよりも大きく,実測のCp,molからマイヤーの規則で計算すると,定積モル比熱はCv,mol3.5R=(7/2)Rとなりますから,これからはγ≡C/Cv~1.28となって実測のγ1.33と矛盾します。

 

まあ,水蒸気は理想気体でないのは明らかですから,何らかの理由があるのでしょう。

一方,液体の水の比熱は定義によると1gの水を摂氏14.5度から15.5度まで1度上昇させるに要する熱量が1calです。

 

常温での水の比熱はC1cal/(gK)=4.19J/(gK)です。

 

また,氷の比熱は実験によると,C0.50cal/(gK)=2.085J/(gK)となっています。つまり,C,mol~9R,C,mol4.5R=(9/2)Rですね。

 

もしも氷が固体金属と同じような格子結晶であるなら,デュロン・プティの法則(Dulong-Petit's law)によってC,mol=3RなのでC0.33cal/(gK)になるはずですが,実際にはそうなっていません。

 

(固体金属の場合は電子の自由度は常温では無視できて,格子位置の陽イオンの格子振動,つまり自由度が2の調和振動子の3方向の自由度6の寄与のみにより,常温でのモル比熱がほぼC金属=3Rで与えられるということが理論的にも実験的にも認められています。(デュロン・プティの法則))

 

このことから,古典的には水の自由度は18,氷の自由度は9と考えられ,液体の水の場合はH2O分子を構成する3つの原子の個々がそれぞれ自由度6,固体の氷の場合はそれぞれ自由度3を担わなければならないという勘定になります。

一般に,1つの粒子が単なる質点なら自由度は高々3です。一方,質点ではなく大きさがあって重心運動の他に回転の自由度がある剛体とか,3次元の調和振動子のように内部振動をするような構造を持つなら丁度6の自由度を持ちます。

 

2Oを構成する3原子の各々が互いに全く束縛されることがない自由粒子であり,しかも構造を持たない質点である場合なら,個々の自由原子の持つ自由度が3なので合計で2O分子の自由度は9になります。

  

また,2Oを構成するそれぞれの原子が自由粒子でかつ内部構造(大きさ)を持ち,例えば回転自由度3を追加された剛体であれば,H2O分子の自由度は18になります。

 

さらに振動の自由度を加えれば独立な1方向当たり2ずつ自由度が増えます。つまり,原子をさらに核と電子に分けるなど内部の詳細構造を追及していけば,まだまだ比熱に寄与しそうな自由度を増やすことが可能であるという勘定にはなります。

 

そこで液体の水についても,これをH2Oを構成する3つの原子の各々がそれぞれ調和振動子であるとか,またはH2Oの重心運動と全体としての回転運動はあっても振動はできない剛体のようなものと見なせるような奇妙な構造の模型を仮定すれば説明できるかな?という程度の認識に到ります。

結局は,水素結合などの特別な化学結合が関係していると思われるので,こうした問題意識を動機として,次回からは化学結合関連についての知見について復習し,その内容の詳細については事実上初めての真面目な勉強をしてみます。

 

本日は単に化学結合についての記事を書く動機のみを書きました。

 

水分子の結合や,その相転移などの説明については,水素結合などを理解した後,できたらまたの機会に詳述したい,と考えています。

参考文献:「理科年表1997年版」(丸善出版)

 

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コメント

 どうも明男さん、おめでとうございます。TOSHIです。

 ずっと昔はもっとひねくれていて,「正月がなんぼのもんじゃい。何がめでたいんじゃ?」とか言って「あけおめ,ことよろ」も言えなかった自分がいましたが今はもっと達観しています。

 頭のこと脳のことは他人事とは思えないのでご自愛ください。

 昨日もおとつい新年会の続きで5つ上=昭和20年生まれの酔っ払いオヤジを連れて行ったおわびと称して同じ店2件で飲んだくれていました。

 ほぼ1年ぶりに9つ下の元チンピラの友人にばったり会って,私がイキがった話をしていると「粋がってみても俺が1発殴って打ちどころが悪かったら抵抗する間もなくあんただって死ぬこともある。あんたはそれでいいかも知れんが殺した人間に迷惑かかるだろう、と逆に説教されました。」ひょっとしたら殴られていたかも知れん、ということもありました。

 2件目では小池ゆり子と桂銀淑を足して美人にしたようなよその店の知り合いのママが着物姿で飲みに来て,最終的には朝5時頃いい気分で帰宅しました。

 正月からこれでは先が思いやられます。と書いたところで,これ今日のブログにしてお茶濁そうという気分になったので少し修正して転載し1月9日の記事にします。

                   TOSHI

投稿: TOSHI | 2008年1月 9日 (水) 14時19分

あけまして、おめでとうございます。明男です。ピンぼけですが、正月を寝て過ごしたので、世間と時間軸がずれました。あはは。
「脳天気」という言葉がありますが、これって差別語ですかね。今年のモットーにしようかと思った途端、気になり始めました。そう言えば昔は「脳病院」、そして「精神病院」、いまは「心療内科」だの「神経内科」(?)だの、どこを治療するのかさっぱり分からない。
新年早々こんなことを考えている私こそ、少し治療が必要なことは言うまでもないことですが。。。
今年も宜しくお願いします。

投稿: 明男 | 2008年1月 9日 (水) 00時28分

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