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2008年1月21日 (月)

多原子系の方法論(分子軌道)(2)

前回,時間がなく最後が尻切れトンボになってしまいました。分子軌道法(MO)の続きです。

前記事においては,

 

[再掲]:特に,系が2原子分子なら核配置による固有値:[電子束縛エネルギー+Unn()]=u()(断熱ポテンシャル)は,対称性を考慮するとき,2つの核A,B間の距離RAB|AB|だけで決まると思われます。

  

そこでu()を単にu(RAB)と書くと,n=Kn+u()=-hc2A2/(2MA)-hc2B2/(2MB)+u(RAB)と書けます。(hc≡h/(2π)はPlanck定数)

これは中心力の2体問題ですから,2つの原子核の質量MA,MBから換算質量M≡MAB/(MA+MB)を求め,相対位置ABを単にと書いて相対運動の1体問題とし扱うことが可能です。

 

この1体系の(相対)ハミルトニアンをnrel≡-hc22/(2M)+u(R)とすれば,断熱ポテンシャルu(R)は原子核間の距離Rだけで決まる核間に働く力場を与えるポテンシャル(位置エネルギー)を示すことがわかります。[再掲終わり]

 

と書きました。

また,同じ記事で,水素分子イオン(H2)の例を挙げて断熱ポテンシャルu(R)のRに対する変動曲線を参照して図示しました。(下図)

 

   

 

この例の基底状態のエネルギー固有値に対応する最小のu(R)曲線は核間距離Rの関数として次のような挙動をします。

 

まず,2つの原子核が接近密着しているとき:R ~ 0 のときにはu(R)~ ∞です。

 

ここから,ある距離R=Reまでは急激な単調減少曲線となっているので,大きなCoulomb斥力(反発力)が働いていると考えられます。

 

R=Reに到達すると極小になって,そこから先は逆にRの増加と共にu(R)は急激に増加し,その後はある程度までRが大きくなると,(R)=u(∞)なる水平な漸近線に近づくという猫像です。

ここで,F=-du(R)/dRが核の間に働く力を示しており,F>0 なら斥力,F<0 なら引力になります。

 

それ故,R<ReならF>0 の反発力,R>ReならF<0 の引力が働き,R=ReではF=0 です。ここは丁度釣り合いの位置になります。

 

そこで,このeは平衡核間距離と呼ばれます。これは分子の結合の長さを意味しています。

さらに,断熱ポテンシャル(R)はe(,)ψ(,)=u()ψ(,)なる電子ハミルトニアンe=Ke+Unn+Une+Ueeの固有値()の2原子分子のときの値に対応しています。

 

e≡Σi{-hc2i2/(2m)}は電子の運動エネルギー,Unn≡ΣA<B{ZAB2/(4πε0AB)}は核間相互作用,Une≡ΣA<B{-ZA2/(4πε0Ai)}は原子核と電子の相互作用,Uee≡Σi<j{e2/(4πε0ij)}は電子間相互作用です。

そこでR→∞ のときには,明らかに,Unn0であり,またUneは個々の原子核とその周りの電子とのみの相互作用,Ueeもは個々の原子核の周りの電子同士のみの相互作用の寄与しかありません。

 

このときのe=Ke+Une+Uee,分子を構成する個々の原子が離散して独立な単独原子として存在するケースに相当します。

 

したがって,u(∞)は単純に自由な原子の個々の結合エネルギーの総和です。それ故,De≡u(∞)-u(Re)が分子から個々の原子を分離する分子の結合エネルギーに相当すると思われます。

ところが,u(R)は平衡点R=Reにおいて下に凸な曲線なので,そこでの2階微分は正:κ≡{d2(R)/dR2}|R=Re0 です。

 

それ故,u(R)を平衡点の近傍で展開すると,u(R)~u(Re)+(κ/2)(R-Re)2 κ>0 なる調和振動子で近似されます。

 

故に結合エネルギーはRの十分大きい値におけるDe(κ/2)(R-Re)2で近似されます。

ところが調和振動子は固有角振動数ωとすると,量子論的には基底状態でも零点振動のエネルギーEω0=hcω/2を持ちます。

 

今の場合はκ≡{d2(R)/dR2}|R=Re0に対して調和振動子の周期はT=2π(M/κ)1/2であり,よって角振動数はω=2π/T=(κ/M)1/2,です。

 

そこで,(κ/2)(R-Re)2の零点振動のエネルギーはEω0=hcω/2=(hc/2)(κ/M)1/2となります。

したがって実際の2原子分子を解離させるのに必要なエネルギー(解離エネルギー):D0e=u(∞)-u(Re)よりも,Eω0(hc/2)(κ/M)1/2だけ小さいことになります。

 

すなわち,D0e-Eω0=De(hc/2)(κ/M)1/2です。

 

水素分子なら換算質量がM=mH/2 なので,D0e-Eω0=Dec{κ/(2H)}1/2ですね。

今日はこれで終わります。

参考文献:大野公一 著「(化学入門コース)量子化学」(岩波書店)

  

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