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2008年2月21日 (木)

非ネーター保存量

私がサブマネージャーをしているfolomyの物理フォーラム,さらにそこで世話役をしている「量子の部屋」において,先日ある方から「非ネーター保存量について」という表題の質問がありました。

 

http://folomy.jp/heart/?m=pc&a=page_c_topic_detail&target_c_commu_topic_id=9533&comment_count=3

その質問内容は,

 

"かつては,物理系の保存量というのは対称性変換に対する作用,またはLagrangianの不変性からNoether(ネーター)の定理を通して定まるものだけでした。

 

エネルギー(時間の一様性=時間の平行移動不変性),運動量(空間の一様性=空間の平行移動不変性),角運動量(空間の等方性=空間の回転不変性),電荷(荷電(アイソスピン)空間の等方性=荷電空間の回転不変性)など全てはそれに当てはまります。

 

ところが,1979年にはLutzky,1992年にはHojuman,その他によって,その範疇には入らず,系の運動方程式の不変性のみから定まる別の種類の保存量の存在が指摘されたということで,そうした新種の保存量と従来のNoether保存量との違いについて知りたい。"

  

というものでした。

しかし,実は私自身は今まで保存量は系の対称性からNoetherの定理によって保証されるもの以外には存在しないと思っていて,寡聞にしてそうした新保存量の存在は全く知りませんでした。

 

そこで,ネットで検索してみると,2004年にZhangとChenによって,それらをまとめたと思われる論文を見つけたので,有料でしたがネットから直接Downloadしてそれを入手してみました。

 

その中には参考文献としてLutzkyらの原論文もあるようですが,それよりも,この取り寄せた論文を解読すれば,よりわかりやすく疑問が解決されると考えたので,とりあえず全文を翻訳してみることにしました。

 

以下はまず,Downloadした論文の翻訳です。

"The Unified Form of Hojman's Conservation Law and Lutzky's Conservation Law"

 

(Hojmanの保存則とLutzkyの保存則の統一形式)    

 Hong-Bin ZHANG and Li-Qun CHEN:Journal of Physical Society

 of Japan Vol.74,No.3,March,2005,pp905-909

  

1.     序文(introduction)

 

 力学系の対称性は物理学において最も重要な課題の1つである。これに関しては長い間研究がなされてきた。

 

 力学系の対称性は系の不変量(または第1積分)と密接に関連しているので運動方程式を積分する際に役に立つと思われる。

 

 こうした不変量(保存量)を見出す近代的なアプローチは主としてNoether対称性,Lie対称性,および,Mel形式の不変性によるものである。

Noether対称性は連続群の無限小変換の下での作用(=作用積分)の不変性である。

 

Noetherの定理は1つ1つの保存量が,各々Noether対称性に関わるというものである。

 

また,Mel形式の不変性は連続群の無限小変換の下での非ポテンシャル的一般化力(=非保存力),一般化拘束etc.で構成されるLagrangianのような,系の動力学関数の不変性である。

 

新しいタイプの保存量はMel形式を用いても得られる。

Lieの手法は微分方程式系を不変に保つ連続な対称性の群を見つけることから成る手法である。

 

こうした対称性の変換はそれぞれLie群を構成している。

 

ひとたび,対称性の群が得られたならば,第1積分を見つけるいくつかの方法がある。

1979年にLutzkyはある種のLagrangian系の運動の恒量(保存量)は作用を不変に保たないような点対称性からでも決定される,ということを示した,

 

そしてこうした保存量の陽な形は対称性群の生成子に関する知見から定められる,ことを示した。

2003年には,FuとChenが非Noether対称性と非保存力学系の保存量についてさらに研究を進めた。

 

1992年には,HojmanがLagrangianもHamiltonianも用いることなく,単に対称性の存在に基づいて,新しい保存則を与えた。

 

この直接的な方法は大勢の注意を引き付けた。

本論文では,Hojmanの保存則とLutzkyのそれの統一された形式を導く。

 

また,こうした保存量が運動方程式の対称性変換ベクトルによってのみ構成されることを示す。

 

その際,時間と一般化座標の両方の変分を考慮に入れる。

 

Hojmanの保存則とLutzkyのそれは,この統一された形式の特別な場合とみなされる。

 

さらに自明な保存量を除外するために,ある条件が与えられる。

 

最後に,この結果の応用を示すために,2つの簡単な例を与える。

2. 無限小変換と決定方程式

 

 αs(t,,d)が力を表わす関数であるとし,系の運動を表わす

 2階微分方程式:s2d=αs(t,,d)(1)の集合を考える。

  

(※注:以下では,このブログ記事で数式を表記する方法の限界のため,

 論文本文での時間微分を示す上付きdotの代わりに,上付き添え字:

 dの表記:qsd≡qsdot≡dqs/dt,s2d≡dqsd/dt

 =d2s/dt2 etc.を用います。)

 ここで,時間,一般化座標,一般化速度について無限小変分を導入する。

 

 t*=t+Δt(2),qs*=qs+Δqs(3),または展開された形式で

 t*=t+ετ(t,,d)(4),qs*=qs+εξs(t,,d)(5)

 とする。

 

 ここに,εは無限小パラメータで,τ(t,,d),ξs(t,,d)は

 係数関数である。

 

(※注:取り合えず,τ,ξsはt,,dの任意関数としておきますが,後に対称性変換となるための条件を与えます。)

 X(0)≡τ(∂/∂t)+ξs(∂/∂qs) (6)を無限小変換(4),(5)の生成子ベクトルとする。

 

 このとき,X(0)の1次の延長という概念をX(1)≡X(0)sd-qsdτd)(∂/∂qsd) (7)で定める。

  

 (1)はX(0)の1次の延長を記述する演算子とする。

 ここでは,軌跡に沿っての時間による全微分を表わすのに,文字の上にドットを付けている。

 

 すなわち,Id≡dI/dt=∂I/∂t+qsd(∂I/∂qs)

 +αs(∂I/∂qsd) である。

[定義1]:無限小変換(4),(5)が系1のLie対称性変換であるとは次の決定方程式を満たす関数τ(t,,d),ξs(t,,d)が存在することをいう:

 

 ξs2dsτd-qsdτ2d=X(1)s) (8)

(※注:t*=t+Δt,qs*=qs+Δqs ,ただし,

 Δt=ετ(t,,d),Δqs=εξs(t,,d)

 です。

 

 この無限小変換に伴なうqsd=dqs/dtの変分:

 Δ(qsd)=Δ(dqs/dt)は,dqs*/dt*-dqs/dt

 =d(qs+Δqs)/{d(t+Δt)}-dqs/dtです。

 

 そして,d(t+Δt)=d(t+ετ)=dt+εdτ

 =dt+ε(dτ/dt)dt=dt+ετddt

 =dt(1+ετd)です。

そしてεは無限小なので1次の無限小まで考えて微分量とεの積など

2次以上の無限小を無視すると,

  

(qs+Δqs)/{d(t+Δt)}=d(qs+εξs)/{dt(1+ετd)}

={dqs+εdξs)/dt}(1-ετd)

=dqs/dt+εdξs/dt-ε(dqs/dt)τd

=dqs/dt+ε(ξsd-qdsτd)ですから,

  

Δ(qsd)=Δ(dqs/dt)

=d(qs+Δqs)/{d(t+Δt)}-dqs/dt=ε(ξsd-qdsτd)

となります。

 つまり,t*=t+ετ(t,,d)(4),qs*=qs+εξs(t,,d)(5)

 の変換に伴なってqsd=dqs/dtもqsd*=qsd+εsd-qdsτd)

 なる変換を受けます。

 

 それ故,I(t,,d)を一般の任意の物理量とするとき,

 この無限小変換に伴なってI→I+=I+ΔIと変換される際,

  

 変分ΔIは,1次の無限小まで取るなら,

 ΔI=ετ(∂I/∂t)+εξs(∂I/∂qs)

 +ε(ξsd-qdsτd)s(∂I/∂qsd)

 =εX(0)(I)+ε(ξsd-qsdτd)(∂I/∂qsd)

 となります。

 

 すなわち,ΔI=εX(0)(I)ではなく,ΔI=εX(1)(I)

 で与えられると考えられます。(注終わり※)

3.     Hojmanの保存則とLutzkyの保存則の統一形式

 

  微分方程式の系(1)に対する対称性変換の生成子:

 τ(∂/∂t)+ξs(∂/∂s)+(ξsd-qsdτd)(∂/∂qsd)を決定する

 2つの係数項τ(t,,d)とξs(t,,d)に基づき,次の定理に関連した保存量を構成することができる。

[定理1]:関数τ(t,,d)とξs(t,,d)が条件(8)を満たし,

 関数λ(t,,d)が方程式:∂αs/∂qsd+d(lnλ)/dt=0 (10)

 を満たすとき,物理系(1)は次の保存量Iを有する。

 

I≡(∂τ/∂t)+(∂ξs/∂qs)+(∂/∂qsd)(ξsd-qsdτd)

+X(1){lnλ}-τd   (9)

(証明)まず,式(9)によるIの定義から,これをtで全微分すると,

dI/dt=(d/dt){(∂τ/∂t)+(∂ξs/∂qs)

+(∂/∂qsd)(ξsd-qsdτd)}+(dX(1){lnλ}/dt)-τ2d (11)

となる。

ここで一般に任意関数A(t,,d)に対して,以下の関係式が成立することを容易に示すことができる。

 

すなわち,(d/dt)(∂A/∂t)=(∂/∂t)(dA/dt)-(∂αk/∂t)(∂A/∂qkd)(12),(d/dt)(∂A/∂qs)

=(∂/∂qs)(dA/dt)-(∂αk/∂qs)(∂A/∂qkd)(13),

 

 および,(d/dt)(∂A/∂qsd)

=(∂/∂qsd)(dA/dt)-(∂A/∂qs)-(∂αk/∂qsd)(∂A/∂qkd)

(14),

  

(1){∂A/∂qsd}=(∂/∂qsd){X(1)(A)}-(∂τ/∂qsd)(∂A/∂t)

-(∂ξk/∂qsd)(∂A/∂qk)

-(∂/∂qsd)(ξsd-qsdτd)(∂A/∂qkd) (15) である。

τ(t,,d),ξs(t,,d)がqs2d=αs(t,,d)に対する対称性を定義する条件式は(8)で与えられるが,この式を用いると,もしX(1)が対称性変換の生成子なら次式が成立することが示せる。

 

すなわち,A(t,,d)を任意関数とするとき,(12)(14)から

dX(1)(A)/dt=X(1){dA/dt}+τd(dA/dt)(16)が成立する。

 また,(d/dt){(∂τ/∂t)+(∂ξs/∂qs)+(∂/∂qsd)(ξsd-qsdτd)}=τ2d+τd(∂αs/∂qsd)+(∂/∂qsd)(ξs2dsτd-qsdτ2d)-(∂αk/∂t)(∂τ/∂qkd)-(∂αk/∂qsd)(∂ξs/∂qkd)-(∂αk/∂qsd)(∂/∂qkd)(ξsd-qsdτd)(17)なる表式を得る。

 さらに,(8)と(15)からX(1){∂αk/∂qkd}=(d/dt){(∂τ/∂t)+(∂ξs/∂qs)+(∂/∂qsd)(ξsd-qsdτd)}-τ2d(∂αs/∂qsdd (18)である。

 そして,式(8),および(16)-(18)を式(11)に代入すると,

 結局dI/dt=0 (19)が得られる。

 

 (証明終わり)

 [定理1]から次の3つの系を容易に導くことができる。

[系1]:λ(t,,d)が(10)を満足する関数ならば,τ(t,,d)=0

 であり,かつξs(t,,d)が決定方程式:ξs2d(∂αs/∂qkk

 -(∂αs/∂qkdkd0 (21)を満たすとき,

 物理系(1)は次の保存量Iを有する。

 

 I≡(1/λ){∂(λξs)/∂qs}+(1/λ){∂(λξsd)/∂qsd} (20)

 である。

 実際,この系1はλ=λ(q)のときのHojmanの保存則そのものを

 示している。

[系2]:λ(t,,d)が(10)を満足する関数ならば,ξs(t,,d)=0

 であり,かつ τ(t,,d)が方程式:2αsτd+qsτ2d+τ(∂αs/∂t)

 -qsdτd(∂αs/∂qkd)=0 (23)を満たすとき,

 物理系(1)は次の保存量Iを有する。

 

 I≡(1/λ){∂(λτ)/∂t}-(1/λ){∂(λqsdτd)/∂qsd}-τ2d (22)

 である。

系2は新しい形の保存則である。

 

これは例1で示す予定の自明でない保存量を与える。

[系3]:LagrangianL(t,,d)を有し運動方程式が(1)で与えられるn次元力学系があるとする。

 

 このとき,X(0)≡τ(t,)(∂/∂t)+ξs(t,)(∂/qs)(24)によって生成される1径数Lie群に対して運動方程式(1)が不変であるなら,この物理系は次の保存量Iを有する。

 

 すなわち,I≡2{(∂ξs/∂qs)-qsd(∂τ/∂qs)}-nτd+X(1){lnλ}(25)である。

 

 ここに,λ=det(∂2L/∂qsd∂qkd)であり,X(1)≡はX(0)の延長,または接続である。

 よく知られているように,τ(t,)とξs(t,)は恒等式:

 ∂τd/∂qsd=∂τ/∂qs (26),および,∂ξsd/∂qsd=∂ξs/∂qs (27)

 を満足する。

 保存量Iを表わす式(25)は(9),(26),(27)を用いれば得られるが,この系3がLutzkyの保存則そのものを示すことは明らかである。

4.     自明な保存量を除外するための条件

 

 保存量(9)は,いくつかの場合には自明なそれ,つまり恒等的にゼロになる,ことを指摘する必要がある。

 

 本節では,そうした自明な保存量=ゼロを除外するための条件を与える。

 物理系(1)が非特異LagrangianLで表わされる系であるとき,その要素が(∂2L/∂qsd∂qkd)で与えられる行列の行列式をDとおけば,

 

 簡単な計算から,∂αs/∂qsd+d(lnD)/dt=0 (28)なる等式が成立することがわかる。

 

 そこで,λ=Dに取れば,これによって条件(10)が満たされる。

 

(※注:非特異Lagrangianとはdet(∂2L/∂qsd∂qkd)≠0 なるLagrangian Lのことです。

 

 Lagrangianが非特異のときには,一般化運動量psが与えられると,

これを定める定義式ps=∂L/∂qsdを逆に解いてqsd,のみで表現することができるため,Lagrangian形式からHamiltonの正準形式に移行することが可能となります。

 

 そこで,この場合には,この形式から何の障害もなく正準量子化によって簡単に量子論を定式化することが可能です。

  

 余談ですが,Lagrangianが特異な場合,つまり,det(∂2L/∂qsd∂qkd)=0 である場合には,それが原因で例えば電磁場のようにゲ-ジ変換の任意性があるようになります。

 

 このとき,正準形式の定式化は通常のPoisson括弧の代わりにDirac括弧を用いる修正が必要で,共変的量子化は単純ではありません。)

 このとき,問題としている変換:τ(∂/∂t)+ξs(∂/∂qs)

+(ξsd-qsdτd)(∂/∂qsd)がNoether対称性の変換になるための条件は,

 

 (∂L/∂t)τ+(∂L/∂qss+(∂L/∂qsd)(ξsd-qsdτd)+Lτd

 =dG(t,,d)/dt(29) で与えられる。

  

 ここに,G(t,,d)はゲージ関数と呼ばれる。

 (29)式においてqk2d≡dqkd/dtに関係する項のみを分離すると,

 

 (∂L/∂qsd){(∂/∂qkd)}(ξs-qsdτ)+{∂(Lτ)/∂qk}

 =∂G/∂qkd (30),

 

 および,(∂L/∂t)τ+(∂L/∂qss

 +(∂L/∂qsd)[(∂/∂t)(ξs-qsdτ)+qkd(∂/∂qk)(ξs-qsdτ)}

 +L[(∂τ/∂t)+qkd(∂τ/∂qk)]

 =[(∂G/∂t)+qkd(∂G/∂qk)] (31) となる。

(30)から,G=Lτ+(ξs-qsdτ)(∂L/∂qsd)-∫(ξs-qsdτ)

(∂2L/∂qsd∂qkd)dqkd+c(t,) (32)と表わせることがわかる。

 

これを変形して評価するために,

v≡∫(ξs-qsdτ)(∂2L/∂qsd∂qkd)dqkd-c(t,)(33)

とおく。

(33)式の両辺をqkdで微分すると,

s-qsdτ)=(Msk/λ)(∂v/∂qkd)(34)と書ける。

 

ここに,λ=D≡det(∂2L/∂qsd∂qkd)であり,MskはLの2階微分係数で形成される行列(∂2L/∂qsd∂qkd)の余因子である。

これの右辺を式(31)の両辺の(ξs-qsdτ)に代入して変形すると,

次のvに対する等式が得られる。

 

(∂v/∂t)+qkd(∂v/∂qk)+(ξs-qsdτ)[(∂L/∂qs)

-(∂2L/∂t∂qsd)-qkd(∂2L/∂qk∂qsd)]=0 (35)である。

一方,Euler-Lagrange方程式方程式は,

∂L/∂qs=(d/dt)(∂L/∂qsd)

=(∂2L/∂t∂qsd)+qkd(∂2L/∂qk∂qsd)

+qk2d(∂2L/∂qkd∂qsd) (36)である。

 

この(36)式を(35)式に代入して簡単化すると,

(∂v/∂t)+qkd(∂v/∂qk)+qk2d(∂v/∂qk d)=0 (37),

すなわちdv/dt=0 (38)が得られる。

一方(34)から,λ(ξs-qsdτ)=Msk(∂v/∂qkd)(39)である。

  

そこで式(39)の両辺の全微分を取り(38)と(14)を用いると,

λ(d/dt)(ξs-qsdτ)

=-Msk(∂v/∂qsd)-Msk(∂v/∂qρd)(∂αρ/∂qkd)

-Msk(∂v/∂qkd)(λd/λ)(40)が得られる。

 

さらに条件(10)から,λd/λ=-(∂αs/∂qsd)(41)である。

 

したがってλ(d/dt)(ξs-qsdτ)=-Msk(∂v/∂qsd)(42)

となることがわかる。

(39)と(42)を(9)式に代入し(10)を用いると,不変量Iは,

 

I=(1/λ)[{∂(λτ)/∂t}+{∂(λξs)/∂qs}

+(∂/∂qsd){λ(ξsd-qsdτd)}]-τd

 

=(1/λ)[{∂(λτ)/∂t}+(∂/∂qs){λ(ξs-qsdτ)}

+(∂/∂qsd){λ(d/dt)(ξs-qsdτ)}+qsd{∂(λτ)/∂qs}

+qs2d{∂(λτ)/∂qsd}+(λτ)(∂αs/∂qsd)]-τd

 

=(1/λ){(d/dt)(λτ)-τλd}-τd=0

 

となる。

 

つまり不変量Iは自明な量であることが示されました。

 

この結果は次の定理にまとめられる。

[定理2]:τ(t,,d)とξs(t,,d)がNoether対称性を表現するものであり,λ=det(∂2L/∂qsd∂qkd)なら,式(9)で定義される保存量は恒等的にゼロである。

5.    

  

 これまでの節で展開された理論のさまざまな様相を描写するため,

 はLieの点対称性変換を与え,例2では,一般化されLieの対称性を導入する。

[例1]:第1の例としてLagrangian:L=(1/2)exp(γt)(q)2(γは定数)(43)を有する1自由度の減衰線型振動子を考える。

 この系の微分方程式はq2d=-γq(44)で与えられる。

 

 変換パラメータは,τ=τ(t,)(45),ξ=ξ(t,)(46)とする。

 

 このとき方程式(44)における(45),(46)の無限小変換の下でのLie対称性を決定する方程式は,ξtt+γξt(2ξtq+γτt-τtt)q

 (2ξqqtq2γτq)(q)2-τqq(q)30 (47) である。

 

 これは恒等式なので,(47)からξtt+γξt0 (48),

 2ξtq+γτt-τtt0 (49),2ξqqtq2γτq0 (50),

 τqq0 (51) を得る。

 (48)-(51)を解けば,τ=[c3+c4exp(γt)]q+c5+c6exp(γt)

 -(c23)exp(-γt)(52),ξ={(c1+c2)/γ2}exp(-γt)+

 c8+c7q-c32 (53)が得られる。

 

 また,(10)は-γ+d(lnλ)/dt=0 (54)を意味するが,これから解:

 λ=(qd)-1の存在がわかる。

(※注:q2d=-γq(44)より,-γ=d(lnqd)/dt(44),

  

 故に,-γ+d(lnλ)/dt=0 (54)は,

 d(lnqd)/dt+d(lnλ)/dt=0 です。

 

 よってlnqdlnλ=一定。すなわち.λ=c(qd)-1を得ます。

 c=1とおけばλ=(qd)-1です。※)

 式(52),(53),(55)を(9)に代入すると,保存量Iは次のように書ける。

 

 すなわち,I=c7+c1exp(-γt)/(γqd)+c2(qd+γq)

 exp(-γt)/(γ2d)-2c3(qd+γq)-2c4dexp(γt)

 である。

 実際には,(48)-(51)と(9)には次のような特殊解がある。

 

 すなわち,

 

 τ=0 ,ξ=exp(-γt)/γ2,I=exp(-γt)/(γqd) (57);

 τ=-exp(-γt)/γ3,ξ=qexp(-γt)/γ2,

 

 I=(qd+γq)exp(-γt)/(γ2d) (58);τ=q,

 ξ=-γq2,I=-2(qd+γq) (59);τ=qexp(γt),

 ξ=0 ,I=-2qdexp(γt) (60)

 

 である。

 明らかに,上の4つの非自明な保存量は独立ではなく,このうちの2つだけが関数的に独立である。

 

 特にξ=0 ,τ=exp(γt)q,λ=(qd)-1なら(22)によって

 I=-2exp(γt)qd (61)である。

 

 これは系2が自明でない保存量を与える例を示している。

[例2]:2次の自明でない2階常微分方程式q2d(q)2 (62)を考える。

 

 簡単のために,一般化されたLie対称性変換がdについて線型であると仮定する。

 

 すなわち,τ=τ1(t,q)q+τ2(t,q)(63),

 ξ=ξ1(t,q)q+ξ2(t,q)(64)とする。

このとき無限小変換(63),(64)の下で方程式(62)のLie対称性を決定する方程式は,

 

ξ2tt(2ξ2tq2t+ξ1tt-τ2tt)q

(2ξ1tq2tq-τ1tt +ξ2qq-ξ2q)(q)2

1qq-τ2qq+ξ1q-τ2q1tq1t)(q)3

1qq1q1)(q)40 (65)

 

であることがわかる。

これは恒等式なので,(65)から,

 

ξ2tt0 (66),

2tq2t+ξ1tt-τ2tt0 (67),

1tq2tq-τ1tt +ξ2qq-ξ2q0 (68),

ξ1qq-τ2qq+ξ1q-τ2q1tq1t0 (69),

τ1qq1q10 (70)

 

を得る。

(66)-(70)は次の解を有する。

 

τ={(c1t+c2)exp(-q)+(c3t+c4)exp(-2q)}qd

{(c9exp(-q)+c10)}t+c12 (71),

 

ξ={c62-c11exp(-q)-c3exp(-2q)} qd{c5exp(q)+c6}t

+c7exp(q)+c8-c9exp(-q) (72)である。

(10)から,2qd+d(lnλ)/dt=0 (73)が得られる。

 

(73)はλ=exp(-2q)(74)という解を持つ。

 

(71),(72),(74)を(9)式に代入して保存量Iを求めると,

I=(3c11-2c1)exp(-q)qd4c3exp(-2q){qd+t(qd)2}

-4c4exp(-2q)(qd)23c9(1+tqd)exp(-q)-2c8-c10 (75)

となる。

上の(75)の量に関して,力学系(62)による軌跡に沿って直線的に計算していくとdI/dt=0 が得られる。

 

解(71)-(72)と保存量(75)には次のような特殊ケースがある。

 

すなわち,τ=texp(-q)qd,ξ=-exp(-q)qd,

I=exp(-q)qd (76),τ=texp(-2q)qd,

ξ=-exp(-2q)qd,I=4exp(-q){qd+t(qd)2} (77),

 

τ=texp(-2q)qd,ξ=0,I=4exp(-2q)(qd)2 (78),

 

τ=exp(-q)t,ξ=-exp(-q),

I=3{exp(-q)+texp(-q)qd} (79) である。

 明らかに(78)の第1積分(=I)は,(76)のそれの平方であり,

 (77)のそれは(76)と(79)から得られる。

6.     結論

 本論文ではHojmanの保存則とLutzkyの保存則の統一形式を与えた。

 

 そして保存量は運動方程式の対称性変換ベクトルのみによって構成されること,Hojmanの保存則とLutzkyの保存則は,この統一形式の2つの特殊な場合であるとみなされることを示した。

 

 さらに,自明な保存量(ゼロ)を除外するための1つの条件を与えた。

 2つの例を挙げることにより,この新しい保存則から2階常微分方程式の関数的に独立な2つの自明でない保存量が得られることを示した。

 

 時間と一般化座標の両方の変分を考慮したので,この保存量に関する定理は場の理論や相対性理論を含む形式に拡張することができる。

 

 こうした問題については将来論じる予定である。

[謝辞(acknowledgement)]

 この研究はthe National Natural Science Foundation of China under Grant No.10172056 and the Science Reseach of the Education Bureau of Anhui Province under Grant No.2004KJ294.によってsupportされたものである。

 

[reference]

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5)S.Y.Wang and F.M.Mei: Chin.Phys.10(2001)373.

6)S.Y.Wang and F.M.Mei: Chin.Phys.11(2002)5.

7)F.X.Mei: J.Dyn.Control.2(2004)28.[in Chineses]

8)A.Cohen: An Introduction to the Lie Theory of One-Parameter Groups (Stechert,New York,1931)

9)G.W.Bluman and J.Cole: Similarity Method for Differential Equations(Springer,Berlin,1974)

10)G.W.Bluman and S.Kumei: Symmetries and Differential Equations(Springer,Berlin,1989)

11)P.J.Olver: Application of Lie Groups to Differential Equations(Springer,Berlin,1993)

12)M.Lutzky: Phys.Lett,A72(1979)86.

13)J.L.Fu and L.Q.Chen: Phys.Lett,A317(2003)255

14)S.A.Hojman; J.Phys,A25(1992)Ⅰ.291.

15)F.Gona’lez-Gaseo’n: J.Phys,A27(1994)Ⅰ.59.

16)M.Lutzky: J.Phys,A28(1995)Ⅰ.637.

17)T.Pilay and P.G.L.Leach: J.Phys,A29(1996)6999.

18)F.X.Mei: Chin。Sci.Bull,47(2002)1544

19)F.X.Mei: Acta.Phys.Sin. 52(2003)1048.[in Chineses]

20)H.B.Zhang and L.Q.Chen: Acta.Math.Sin. 36(2004)254.[in Chineses]

21)H.B.Zhang and L.Q.Chen: Commun.Theor.Phys. 42(2004)321

22)M.Lutzky: Phys.Lett,A75(1979)8.

23)W.Sarlet and F.Cantrijn:SIAM Rev. 23(1981)467                                        

(以上:全翻訳了※)

(後記):これを翻訳し,かつ読了した時点では,保存量が非自明となる理由や非Noeteherネーター保存量となる点について,ほとんど把握できていませんでした。

 

 しかし,考えて理解できないはずもないし,長くなったので,それらについては続編で書くことにします。

 

 今のところ,私が考えているのはNoether定理における対称性は,

 

論文の(2)(3)(4)(5)で定義されているt*=t+Δt,qs*=qs+Δqs (Δt=ετ(t,,d),Δqs=εξs(t,,d))のような無限小変換で与えられる局所的対称性ではなく,

 

 例えば時間や空間の一様性におけるΔt=ε,Δqs=εs (ε,εs は任意の無限小の"定数)であるような大域的対称性に対するものであった,と記憶していることぐらいです。

 

 もっとも,局所的対称性は特別な場合として大域的対称性を含みます。

  

 そこでτ(t,,d)=const.ξs(t,,d)=constが系の対称性条件を満足するなら,元の局所的対称性が成立すれば大域的対称性も成立するので,それで保証されたNoether保存量も存在するはずです。

 

 逆に大域的対称性があるからといって,局所的対称性があるとは限りませんが。。

 

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