電場と電束密度,磁場と磁束密度(2)
前記事の続きです。以下では,電場に双対な場である磁場について詳しく解説したいと思います。
本題に入る前に,電磁気学を学ぶ際の背景事情を述べてみます。
大学の学部で言えば,どちらかと言えば基礎科学としての理論を中心に考える傾向があって,言い過ぎかもしれないが詩や小説を書く文学などと同じく,直接には世間的に何の役にも立たず単なる興味で物理学を学ぶだけの理学部の物理学科の履修科目としての電磁気学があります。
一方,臨床に関わる医師のように実際に直接的に世間の役に立つ,いわゆる実学としての技術を体得するのを主目的とし,そうした技術を裏付ける理論としての物理学を必須の教養科学として学ぶと想像される工学部の幾つかの学科の履修科目にも電磁気学があります。
そうして,同じ物理学の一分野である古典電磁気学を学ぶのに際し,一般には,使うテキストさえ異なるという背景があります。
もっとも理学部の物理学科でも,大きく分けて実験物理と理論物理があって,かなり学問的性格は異なります。
まあ,実学だと言われている医学部を卒業して医学博士などを取っていても臨床のための医師免許も持ってなくて,野口英世などに代表されるように基礎医学にたずさわっていて,理学部の生物学科や農学部に近い分野の人もいます。
(実は,私の,ある病気の30年にわたる主治医も医学部のない大学で理学部の生物学の教授をしていて,確か今年定年退官を迎える予定です。)
別に区別する必要はないと思われるのに専門書を置いている比較的規模の大きい書店でも,理学系統の書籍と工学系統の書籍は離れた違う書棚にあって古典電磁気学であれば,多くの専門書については「電磁気学」とか「電磁気学入門」という両者の書棚で共通した名称になっていますが,工学棚にある書籍には理学棚にはない「電気磁気学」という少し古めの呼称の書籍などもあります。
まあ,通常は教授,助教授,講師,助手など大学の教師は理学部の先生は理学部出身で工学部の先生は工学部出身ですが,どちらか一方の学部しかない大学もあるし偶にこれと逆の場合もあります。
そして,大方の電磁気学のテキストで言えば,理学部で使っているテキストは理学部の先生が書いたもので,工学部で使っているテキストは工学部の先生が書いたものですね。
電磁気学だけではなく熱物理学や流体力学なども理学,工学両方ありますが,例えば工学部の書棚には内容は流体力学とほぼ同じでも「水力学」とか,少し技術的部分が入っている「水理学」とか,応用的色彩の濃い名称のものもあります。
まあ,別にいがみ合う必要はないと思われるのに,学問分野でも文科系と理科系という区別でのレッテル貼りと同じく,さらに狭い理科系の中でも世間で言う縄張り争いのようなもの,あるいはお互いのプライドとコンプレックスの入り混じった諍いのようなものがあるようです。
私自身は理学部出身ですが最初に就いていた仕事は工学畠ですし,これまで必要に迫られて理学,工学両系統の書籍をいろいろと買い集めて読んできていますが,これらは題名がほとんど同じの同じ分野のそれなら,専門用語の使い方など少しの違いを除けば同じだと感じています。
今の本には,昔日本語で書かれた書籍が不足していて共通の洋書で学んでいたような世代の人が書いた著書が多いですから,これも当然でしょう。
私の持っている洋書の中でも流体力学関係ではLamb(ラム)著の「Hydrodynamics」や,Chandrasekhar(チャンドラセカール)著の「Hydrodynamic and Hydromagnetic stability」などもありますが,このうち,ラムの本などは訳者が理学畠のせいか邦訳書では「流体力学」(今井功,橋本英則 訳)という名称で出版されてるようです。
しかし,これは単に直訳すると「水力学」ですし,別に"彼ら=原著者"を理学者だの工学者だのと区別する必要もないと思います。
物性科学の,"superconductorやsuperconductivity"などという専門用語は理学者なら「超伝導」,工学者なら「超電導」と訳して,こちらの方が正しいなどと主張し合っているらしいということも聞きますが,これなども変な話で結構むなしいものですね。
なぜ,こうした話をしたかというと,電磁気理論においてマクスウェル(Maxwell)とファラデー(Faraday)をめぐる相克があるとしたら,これもこうした流れと似ていて工学分野では磁場を磁界と呼ぶこととか,磁束密度(磁場)Bと磁場の強さ(磁界)Hのどちらを先に定義するか?などの水掛け論などの存在も不要なものです。
電場と磁場の2種類の量を定義して表現するのに,初めからE,D,H,Bと4種類の場の概念を用いる必要があるという不条理さを感じるのも,実際には必要なことなのかもしれないけれど,ひょっとしたら,こうした諍いの帰結ではないかと思ったからです。
しかし,余談はこのくらいにして,本題の磁場の話に入りましょう。理学部流?の入り方を採用することにして,まず,磁場を表現する量として磁束密度Bを導入することから始めます。
まず,磁束密度Bは,電束密度Dと同じように"磁場があるところには目には見えないが"磁力線の束=磁束"が存在している。"という概念に基づくものです。
電束密度と同様,ある向きの単位面積をそれに垂直にB本の磁力線が貫いているなら,その点での磁束密度はBであるといい,その磁力線の向きを持つベクトルBを磁束密度ベクトルと呼ぶわけです。
そして,真空中では磁力線は途切れることなく続いているが,もしも空間のある点にそれの湧き出しがあるなら,その点に"正の磁荷,あるいはN極がある"といい,吸い込みがあるなら"負の磁荷,あるいはS極がある"といいます。
それ故,磁力線の向きは正の磁荷から負の磁荷,あるいはN極からS極に向かうものと約束し,"湧き出しや吸い込みでの磁気量=磁荷"はそこで湧き出すか吸い込むかの磁力線の代数的本数である,と約束します。
上のように定義すると,電束密度の場合と同じようにガウスの定理が成り立ちます。
すなわち,"任意の閉曲面Sを通って出てゆく磁力線の総数はSの内部(Sで囲まれた体積=V)に含まれる磁気量に等しい。"という定理が得られます。
つまり,磁荷密度ρmを単位体積当りの磁気量(磁荷)とすると,∫VρmdV=∫SBdSが成立します。ただしBdS=(Bn)dSです。
そして,この定理は数学におけるガウスの法則,lim V→0[(∫SBdS)/V]=divBによって,divB=ρmという微分型の形に表わすこともできます。
そして,Bに基づいて真空中での磁場の強さ(磁界)HをH≡B/μ0で定義すると,divH=ρm/μ0とも書けます。
μ0は慣例によって真空の透磁率と呼ばれる定数です。
さらに,磁束密度Bも電場Hも重ね合わせの原理を満たす,つまり磁束密度B1,B2で表わされる2つの磁場があれば,c1,c2を任意の定数としてB≡c1B1+c2B2で表わされる磁場も存在し得るとします。
すなわち,磁場は線形性を持っているとします。
磁束,あるいは磁力線から得られるガウスの定理を満たす磁場は"湧き出し,あるいは吸い込み=点磁荷"に対して等方的であろう,という物理的直観から,磁荷qmの点磁荷か1つだけあって,あらゆる方向に合計qm本の磁力線が出ているとしたとき,湧き出しと吸い込み以外では磁力線が途切れることはないので,点磁荷を中心として半径rの球面全体を貫く磁力線の総本数もqm本となるはずです。
そして,真空中の磁場の空間的等方性から,点磁荷を中心とした半径rの球面上の任意の点での磁場ベクトルH,あるいは磁束密度ベクトルBは,全てその大きさが等しく球面に垂直な方向を持ち,中心の点磁荷が正(N極)なら外向き,負(S極)なら内向きであろうと考えられます。
そして,球面の総面積は4πr2ですから,球面を貫く全磁束=全磁力線は4πr2Bで与えられるはずです。
したがって,4πr2B=qmなる等式から,B=qm/(4πr2),あるいはB={qm/(4πr2)}(r/r)=qmr/(4πr3)なる式が得られます。
これと磁場Hの定義:H≡B/μ0から,HはH={1/(4πμ0)}(qm/r2)}(r/r)={1/(4πμ0)}(qmr/r3)と書けます。
ちなみに,単位の話をすると,MKSA単位では磁荷qmと磁束の本数は同じ単位:Wb(Weber=J/A:ウェーバー)を持つとされていて,それゆえ磁束密度Bの単位は(Wb/m2)です。
そして,その意味は後述する予定ですが,真空の透磁率はμ0=4π×10-7(N/A2)なる値と単位で与えられることがわかっています。
そこで磁場の強さ(磁界)H≡B/μ0は(Wb/m2)/(N/A2)={(J/A)/m2)}/(N/A2)=(A/m)なる単位で表わされます。
ここでJ=Nmはジュール(Joule),Nはニュートン(Newton),A=C/sはアンペア(Ampere;Cはクーロン(Coulomb))です。
これらの単位の意味を理解するには磁束密度や磁場,および磁荷や電流と磁力の関係,つまり応用力学の一分野としての磁気学の位置を知る必要があります。
ここまでは前記事で電束密度と電場について解説した際の文章において,電束密度D,電場Eをそれぞれ磁束密度B,磁場Hに,そして電荷q,電荷密度ρをそれぞれ磁荷qm,磁荷密度ρmに機械的に置き換えただけなのですが,ここで今まで残しておいた磁力と磁場,あるいは磁力と磁束密度の関係を述べておきます。
まず,"磁力が働くとされている空間内の点に磁荷の大きさがqmの試験磁荷を置いて,これに働く力がFであるとき,Fをqmで割った比(F/qm)を取って,これのqm→ 0 の極限を取り,これをHと書いて磁場(磁界)という。
"あるいは,"単位磁荷当りに働く磁力をHと書いて磁場という。"のように電場Eを電気力から定義したのと同じ表現で書いてみます。
もちろん,この定義でもいいのですが,実は磁気は電気と完全に対称な概念とは言えず,ある"決定的な違い"があります。
電気の場合には電荷というのは観測可能な量であって,比較的明確な意味を持っていたのに対し,磁気の場合にはそれに対応するとされる磁荷qmというのは一体何者なのか?というある種の不明瞭さがあることがわかっていて,磁場についての上の表現にはやや違和感があります。
すなわち,"正あるいは負の磁荷が単独で存在することは不可能である。",あるいは,"この世の中に単独磁荷=磁気単極子(モノポール)というものは存在するとしても現在までのところ発見されていない。"というのが,電気との決定的な違いです。
古典電磁気学では,正あるいは負の磁荷(N極あるいはS極)が単独で存在することはなく,磁荷(磁極)は大きさが等しい正負(NS)の磁荷(磁極)が無限小の距離で並ぶ対として,つまり流体力学でのダランベールの背理で現われる"2重湧き出し"と同じように磁気双極子(ダイポール)という形でしか存在し得ないとされています。
ちなみに,磁気単極子,あるいはモノポールに関係した私のブログの記事が2007年8/24の「磁気単極子(モノポール)」,8/25の「磁気単極子(モノポール)(補遺)」にありますので,よかったら参照してみてください。
(既に私のブログのバックナンバーには,多くの物理学,数学のトピックスが揃っていますから,よろしかったら必要に応じて,検索するなりしてご覧ください。)
しかし,敢えてF=emH,H={1/(4πμ0)}(qm/r2)}(r/r)={1/(4πμ0)}(qmr/r3)なるモノポール的な表現を取ると,磁力はF=emH=(kmemqm/r2)(r/r),km=1/(4πμ0)となって,形の上では電気力のクーロンの法則と全く同じになります。
そして,さらに前記事で静電場E=E(r)が位置rのあるスカラー関数,"静電ポテンシャル=電位"φ(r)によって,E(r)=-gradφ(r)=-∇φ(r)と表わせるという事実からのアナロジーで,静磁場HもH(r)と表示して,これをH(r)=-gradφm(r)=-∇φm(r)なる形で表わすスカラー関数φm(r)があるとします。
このφm(r)を"静磁ポテンシャル=磁位"と呼びます。
すると,位置r0に単一の点磁荷があるとした場合の磁場H(r)={1/(4πμ0)}(qm/R2)}(R/R),R≡r-r0を表わす磁位関数φm(r)は,R→ ∞ でφm(r)→ 0 なる境界条件を満たすとすればφm(r)=qm/(4πμ0R)となります。
そこで,磁気モーメントがm0≡qm0d0(d0は無限小)で与えられる磁気双極子の磁位は,φdm(r)={m0/(4πμ0)}grad0(1/|r-r0|)={m0/(4πμ0)}∇0(1/|r-r0|)={1/(4πμ0)}{m0(r-r0)/(|r-r0|3)}となります。
したがって,この"磁気双極子=磁気モーメントm0の磁石"による磁場(磁界)はH(r)=-gradφdm(r)=-∇φdm(r)={-1/(4πμ0)}[m0/(|r-r0|3)-3{m0(r-r0)}(r-r0)/(|r-r0|5)]です。
一方,一般の磁場(磁界)H(r)がある場合に,位置rにあって磁気モーメントがm≡qmdの磁石に働く力F(r)はF(r)=lim d→0[qm{H(r+d/2)-H(r-d/2)}]=(m∇)H(r)と書けます。
H(r)が磁気モーメントm0の磁気双極子による磁場の場合には磁力は,F(r)=(m∇)H(r)にH(r)=-gradφdm(r)=-∇φdm(r)={-1/(4πμ0)}[m0/(|r-r0|3)-3{m0(r-r0)}(r-r0)/(|r-r0|5)]を代入したものとなります。
これの計算はかなり複雑になると予想されますから,具体的な計算は割愛します。
さて,見方を変えて,磁束密度B=B(r)に着目します。
先に述べたように磁気単極子が存在しないということは,磁気を帯びた物体なら必ずその表面の一方に正極=N極,他方に負極=S極が同じ大きさの対として現われ,これをどんなに細かく切り刻んでも両端には金太郎飴のように際限なく正極と負極(N極とS極)が対で現われるということを意味します。
"双極子=2重湧き出し"では常に"(湧き出し+吸い込み)=ゼロ"であるという事実によって,磁束密度B=B(r)に対するガウスの定理∫SBdS=∫VρmdV,あるいはdivB=ρmは,常に∫SBdS=0,あるいはdivB=∇B=0 となって簡単になります。
そして,経験によって電場Eと磁束密度Bが共存している中を電荷がqの粒子が速度vで運動するとき,これには電気力と共にローレンツの力と呼ばれる磁力が働き,位置rでの電気力と磁力の合力はF=q(E+v×B)という形に書けることがわかっています。
特に磁場Bだけがあって,電場Eはゼロのときには働くのは磁力だけであり,F=q(v×B)です。
ここで真空中では,磁束密度と磁場の強さ(磁界)の関係がB=μ0Hで与えられることを考慮すると,真空中でのガウスの定理は,divH=∇H=0 と同等であり,また電荷がqの粒子が速度vで運動するとき,これに働く力はF=(μ0q)(v×H)とも表わせます。
ここで同じ磁場Hによって働く磁力を表わす2つの表現式F=(m∇)HとF=(μ0q)(v×H)があることになるので,もしも双方の磁力の働く対象である運動する電荷と磁気双極子が全く同じものを表わすような場合があれば,そのときこれらに働く力の表現は一致する必要があると考えられます。
しかし,磁気モーメントmを持つ"磁石=磁気双極子"のは磁荷の対であるという意味では,単極子ではなく双極子であり,ある明確な向きを持つ磁場によって磁石に働く力は無限小距離だけ離れた双極子の正負の磁荷(磁極)に対し,大きさが等しく向きが反対ですから,もしも作用点が全く同じであれば釣り合って磁石は動かないはずです。
しかし,無限小距離とはいえ,空間的に離れた双極子であるという意味では,磁力が働くのは同じ作用点ではないので,合力はゼロですが偶力として,トルク(能率=力のモーメント)はゼロでないはずです。
実際,一様磁場の中に磁針を置くと,それは引き付けられたりして平行移動するのではなく,その場で回転してNとSを結ぶ方向が磁力線の方向と一致するとトルクがゼロになって静止することを我々は常識として知っています。
一方,我々の経験では,鉄などの磁性体が磁化されて磁石になったとき,それが別の磁石の磁場の中にあれば,単に回転するだけではなく,引き寄せられることも知っているので,上の磁針についての知見とは矛盾するように見えます。
しかし,現実の磁化された磁石は,大きさのない質点と同一視できるような小さな磁針とは違って,有限な大きさを持っており,しかもそれに対して磁力を及ぼす別の磁石の磁場は一様ではなくて,磁石の近くでは磁力が大きく,遠くでは小さいという分布を持っています。
したがって,付近に磁石を置けば,そのN極に働く力とS極に働く力は向きは逆ですが,位置が違っているので,その大きさが等しいわけではないため,当然引き寄せられますから,別に矛盾ではありません。
というわけで,磁場の中で速度vで運動する電荷qの粒子と磁気モーメントm≡qmdを持つ"磁石=磁気双極子"は一方にはゼロでない力が働き,他方に働く合力はゼロなので,そのままで単純に同一視するわけにはいきません。
そこで今,この電荷qの荷電粒子が位置rを中心にしたある微小回路C上の各点で速度vを持ち動径r'で定常的に周回して環状電流をなす場合を想定し,これと磁気双極子mを同一視することを考えます。
この周回運動の周期はTであるとしておきます。
このとき荷電粒子の軌道中の微小時間dtの間に移動する微小部分dr'=vdtに働く力はdF=(μ0q){v×H}dr' =(μ0qv){v×H}ですから,回路全体に働く合力は確かにゼロ:∫CdF=0です。
しかし,Cの中心rの回りの全トルクはN=∫C(r'×dF)=∫0T[(μ0qv){r'×(v×H)}]dt=∫0T[(μ0qv){(r'H)v-(r'v)H}]dtとなります。
さらに周回軌道Cの動径r'とdr'=vdtは,常に直交するので回路Cの上では(r'v)=0 となることから,トルクについてN=∫C[r'×dF]=∫0T[(μ0qv)(r'H)v]dtなる表式が得られます。
ところで,dr'/dt=vなので(d/dt){(r'H)r'}=(r'H)v+(vH)r'が成立します。
これと恒等式:(r'×v)×H=(r'H)v-(vH)r'とを辺々加え合わせると,(d/dt){(r'H)r'}+(r'×v)×H=2(r'H)vとなります。
左辺の第1項を1周期にわたって時間積分すると∫0T(d/dt){(r'H)r'}=0 となってゼロになるので,これを利用すると∫0T[(r'H)v]dt=(1/2)∫0T[(r'×v)×H]dtを得ます。
以上から,この環状電流の全トルクはN=∫C(r'×dF)=(μ0qv/2)[∫0T(r'×vdt)]×Hと書けることがわかりました。
そして一方,磁気モーメントがm≡qmdの磁石に働く偶力のトルクNのもう1つの表現は,単極磁荷に働く力をF≡qmHとしてN=lim d→0[d×F]=lim d→0{d×qmH}=m×Hなる形で与えられます。
以上から,mと(μ0qv/2)[∫0T(r'× vdt)]=(μ0qv/2)[∫C(r'×dr')]とを等しいと置けば,トルクNに対する2つの表現は完全に一致することがわかります。
ところで,(1/2)∫C(r'×dr')は大きさがCの内部面積ΔSに等しく,向きは軌道面に垂直なベクトルを表わします。
それをΔSと表示すれば,"電荷qの荷電粒子が速さvで内部面積ΔSを持つ微小回路をまわる。"という電流の大きさがI=qvの環状電流は,結局,m=μ0qvΔS=μ0IΔSなる磁気双極子と等価であることが示されました。
以上の話は,磁場の強さ(磁界)Hを中心とした定義に基づく表現になっていますが,磁束密度Bを中心とした表現として磁気モーメントを改めてμ≡m/μ0によって定義すれば,磁力の表現はF=(m∇)Hの代わりにF=(μ0μ∇)H=(μ∇)Bとなります。
磁気モーメントは,m=μ0qvΔS=μ0IΔSの代わりにμ=(qv/2)[∫C(r'×dr')]=IΔSと表わされます。
途中ですが,話はまだまだ長くなりそうなので,今日はひとまず,ここまでとします。
参考文献:砂川 重信 著「理論電磁気学(第2版)」(紀伊国屋書店),高橋秀俊 著「電磁気学」(裳華房),ファインマン(R.P.Feynman)(宮島 龍興 訳)「ファインマン物理学Ⅲ(電磁気学)」(岩波書店)他
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