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2008年5月30日 (金)

電磁気学と相対論(6)(真空中の電磁気学5)

続きです。

 

まず,このシリーズの最初の記事である,

電磁気学と相対論(1)(特殊相対論の運動学と力学のレヴュー)

から引用します。(若干,修正しています。)

 

(※引用開始)

"有限質量mを持ち速度で運動する粒子の運動方程式:

/dt=は,tの代わりにdτ≡(1-u2/c2)1/2dt

満たすスカラーである固有時τを使用し,の代わりに,

Minkowskiの力M/(1-u2/c2)1/2を用いて表現すれ

ば,d/dτ=Mとなります。

 

が空間ベクトルで,dτがスカラーなので,左辺のd/dτ

はMinkwski空間の4元ベクトルの空間ベクトル成分となります。

 

そこで右辺のMもそうです。

 

したがって,元の運動方程式d/dt=の両辺に,

1/(1-u2/c2)1/2を掛けてd/dτ=Mとし,運動量

の固有時間τによる微分とMinkowskiの力M等式という

形で表現したものは座標系に依存しない表現です。

 

また,運動方程式d/dt=と独立ではなくこれから

導かれる式ですが,エネルギー保存則を表わす式:

dE/dt=(Fu)も同じくdE/dτ=(M)と書ける

ので,((M)/c,M)はMinkowski空間の4元ベクトル

です。

 

そこで,これは4元エネルギー運動量ベクトル:

μ≡(E/c,)=(mc/(1-u2/c2)1/2,m/(1-u2/c2)1/2)

と同じ変換性を持ちます。

 

ただし,mは粒子の"質量=静止質量"です。

 

そこで,FMμ≡((M)/c,M)と書いてこれをMinkowskiの

4元力と呼べば,運動方程式は4次元共変な形で,

dpμ/dτ=FMμ と書けます。

 

そして,粒子の位置をxμ=(ct,)と書くと,

 

4元速度;Uμ≡dxμ/dτ

=(c/(1-u2/c2)1/2,/(1-u2/c2)1/2)

によって,μ=mUμとなりますから,

dpμ/dτ=FMμはd(mUμ)/dτ=FMμ

と変形されます。"

(引用終わり※)

 

ここで,電荷eを有する荷電粒子が電場,磁場の中を

速度で運動している系を考えると,これに働く電磁力は

Lorentzの公式=e(×)で与えられます。

 

そこで,この電磁力に対するMinkowskiの4元力の表現は,Mμ

=e((Eu)/{c(1-u2/c2)1/2},(×)/(1-u2/c2)1/2)

です。

 

そして,=(E1,E2,E3)=-c(F01,F02,F03),

=(B1,B2,B3)=-(F23,F31,F12)なるテンソル表現によれば

Mμ=eFμννが成立することがわかります。

 

 したがって,質量m,電荷eを持つ粒子が電磁場Aμの中を運動

 するときの4次元共変な運動方程式は,

 d(mUμ)/dτ=FMμ=eFμνν なる形に書けることが

 わかりました。

 

 ただし,Fμν=∂Aν/∂xμ-∂Aμ/∂xνです。

 

より一般の電荷密度ρの帯電物体が速度で並進運動している

場合について考えるために,速度で運動する質点粒子の力学を

S系で密度μを持ち速度で並進運動する連続体に一般化する

ことを考えます。

 

そのために,まず,この運動物体の速度がゼロ,つまり,

"物体が静止していると見える系=静止系"をS0系とし,この系

での物理量には全て上添字 0 を付けて表現します。

 

対象物体において,S系で密度μを持つ点の近傍の微小体積

ΔVとすれば,この領域の物体の全質量はμΔVで与えら

れますが,質量はLorentzスカラーですから,静止系S0での同

じ領域の体積をΔV0とし密度をμ0とすると,

μΔV=μ0ΔV0が成立するはずです。

 

ところが,ΔV=ΔV0(1-u 2/c2)1/2ですから,

μ=μ0/(1-u 2/c2)1/2 なる関係式が成り立ちます。

 

そして,スカラー量μΔV=μ0ΔV0が,質点の場合の運動方程式

dpμ/dτ=d(mUμ)/dτ=FMμでのmに相当しますから,

 

4元運動量pμ=mUμには,pμ=μΔVUμ=μ0ΔV0μ

対応します。

 

一方,Minkowskiの4元力FMμ≡((M)/c,M)は,

具体的には,

Mμ=((Fu)/{c(1-u2/c2)1/2},/(1-u2/c2)1/2)

で与えられます。

 

これは,上述の密度μを持つ点の近傍ΔVでは,ΔVと書いて

Mμ=((fu)ΔV/{c(1-2/c2)1/2},

ΔV/(1-2/c2)1/2)=((fu)/c,)ΔV0

と表わすことができます。

 

そこで4元力密度をfμ≡((fu)/c,)によって定義すれば,

Mμ=fμΔV0と書けます。

 

以上から,質点粒子に対する運動方程式:

dpμ/dτ=d(mUμ)/dτ=FMμは,連続体に対しては,

d(μ0μΔV0)/dτ=fμΔV0となることがわかります。

 

そこで,もしも,質量湧き出しも吸い込みもなくて運動中に物体

の固有質量が保存されるなら,つまりd(μ0ΔV0)/dτ=0 なら

運動方程式はμ0dUμ/dτ=fμとなるのですが,

一般には,d(μ0ΔV0)/dτ=0 が成立するとは限りません。

 

一般に,dV/dt=∫σσ=V(div)dV

V(∇)dVが成立するので,ΔVが微小なら,

d(ΔV)/dt=(div)ΔV(∇)ΔVです。

 

また,一般に,d(μ0ΔV0)/dt=d(μΔV)/dt

=(dμ/dt)ΔV+μ{d(ΔV)/dt}

=[dμ/dt+μdiv]ΔV

=[∂μ/∂t+div(μ)]ΔVです。

 

それ故,d(μ0ΔV0)/dτ=0 なる式が成立することは,

質量保存の連続方程式∂μ/∂t+div(μ)

=dμ/dt+μdiv=0 が成立することと同等であること

がわかります。

 

0系ではdt0=dτですから,d(ΔV)/dt=(div)ΔVは

d(ΔV0)/dτ=(div00)(ΔV0)を意味しますが,

 

速度が物体の4元速度Uμについて∂Uμ/∂xμを考えると,

これはLorentzスカラーなので,S0系での4元速度U=(c,0)

とS系のそれについて,等式:∂U/∂x=∂Uμ/∂xμ

成立します。

 

定義:Uμ(c/(1-u2/c2)1/2,/(1-u2/c2)1/2)から,

∂U0/∂x0=cu(∂u/∂x0)/(1-u2/c2)3/2なので,

 

0 のS0系では∂U0/∂x0はゼロですから,

∂Uμ/∂xμ=∂U/∂x=div00

が得られます。

 

故にd(ΔV0)/dt=(div00)ΔV0=(∂Uμ/∂xμ)ΔV0

です。

 

これを用いると,d0ΔV0)/dτ

=(dμ0/dτ)ΔV0+μ0d(ΔV0)/dτ

=[(dμ0/dτ)+μ0(∂Uμ/∂xμ)]ΔV0

と書けます。

 

それ故,運動方程式d(μ0μΔV0)/dτ=fμΔV0は,

[d(μ0μ)/dτ+μ0μ(∂Uν/∂xν)]ΔV0

=fμΔV0と変形されます。

 

また,d(μ0μ)/dτ

={∂(μ0μ)/∂xν}(dxν/dτ)

={∂(μ0μ)/∂xν}Uνですから,

 

結局,連続物体の運動方程式は,

∂(μ0μν)/∂xν=fμ となります。

 

そこで,この連続体のエネルギー運動量テンソルを,

θμν≡μ0μνで定義すれば,運動方程式は,

∂θμν/∂xν=fμと,エネルギー運動量の保存則を示

す形になります。

 

さて,S系で電荷密度ρの帯電物体が速度で並進運動して

いる場合の考察に入ります。

 

ρ0をS0系における電荷密度とすると,ρ=ρ0/(12 2/c2)1/2

ですから,上と同じようにS系,S0系での微小体積をΔV,ΔV0

とすると,この領域の総電荷量はρΔV=ρ0ΔV0です。

 

そして,今の場合に,粒子の運動方程式:

d(mUμ)/dτ=FMμ=eFμννの右辺の電荷eに

相当するのはρΔV=ρ0ΔV0です。

 

そこで,この帯電体の運動方程式は,

d(μ0ΔV0μ)/dτ=fμΔV0=ρ0ΔV0μνν

となります。

 

のときの4元力の密度はfμ=ρ0μννですが,

4元電流密度sμ=(cρ,ρ)=ρ0μを用いると,

μ=ρ0μνν=Fμννとなりますから,

 

運動方程式は,

d(μ0ΔV0μ)/dτ=fμΔV0=FμννΔV0

とも書けます。

 

d(μ0ΔV0μ)/dτ=fμΔV0と同等な,

∂θμν/∂xν=∂(μ0μν)/∂xν=fμなる

表現では,∂θμν/∂xν=∂(μ0μν)/∂xν

=Fμννですね。

 

さて,次に電磁場を解析力学の形式で表現することを考えます。

 

まず,既に見たようにFμν=∂Aν/∂xμ-∂Aμ/∂xν

すれば,Maxwellの方程式のうちの4つの方程式:

∂Fμν/∂xλ+∂Fνλ/∂xμ+∂Fλμ/∂xν=0

は自動的に満たされます。

 

一般に系全体のLagrangian密度を,LagrangianをLとすると,

L=∫dV0です。

 

そして,作用積分はS=∫Ldx0=∫ΩdΣ と書けます。

 

dΣは,dΣ=dx0dV=cdτdV0なる4次元体積要素

でありスカラー量です。

 

ところで,自由粒子のLagrangianは,L=-mc2(1-u2/c2)1/2

ですが,電磁場との相互作用があるとき,電磁場自身の項:

(-c2ε0/4)∫V(Fμνμν)dVを除けば,

L=-mc2(1-u2/c2)1/2+eAu-eφ です。

  

そして,-mc2(1-u2/c2)1/2を連続体の場合の式に書き直せば

-∫μdVc2(1-2/c2)1/2=-∫μ02dVとなります。

 

Au-eφについては,∫ρdV(Au-φ)

=-∫ρ0μμdV=-∫Aμμ dVです。

 

そこで系全体のLagrangan密度は,

=-(c2ε0/4)Fμνμν-Aμμ-μ02

=(-c2ε0/4)×

(∂Aν/∂xμ-∂Aμ/∂xν)(∂Aν/∂xμ-∂Aμ/∂xν)

-Aμμ-μ02 と書けます。

 

このLagrangian密度を採用するとき,"任意変分に対して,

作用S=∫Ldx0=∫ΩdΣが停留値を取るべきである。"

という作用原理からMaxwellの基本方程式を導くことが

できます。

 

すなわち,Ωの境界でδAμ=0 を満たす任意の電磁場Aμ

の変分δAμに対して,δS=0 を要求します。

 

ただし,この変分の際にはsμとμ0は一定に保たれるとします。

 

すると,δ(∂Aν/∂xμ)=∂(δAν)/∂xμなので,

δS=∫δdΣ

=∫[(c2ε0)Fμν∂(δAμ)/∂xν-(δAμ)sμ]dΣ

=∫[-(c2ε0)∂Fμν/∂xν-sμ](δAμ)dΣ=0

です。

 

変分δAμは各μについて独立であり,しかも任意である

ことから,-(c2ε0)∂Fμν/∂xν-sμ=0,

つまり,電磁場の基本方程式:

∂Fμν/∂xν=-sμ/(c2ε0)

が得られます。

 

一方,電磁場Aμを一定に保って,荷電粒子の世界線のxμの変分

δxμに対してδS=0 を要求します。

 

S=∫dΣ=c∫dV0dτ=∫dV0τ1τ2dτです。

 

微小体積要素:ΔV0=∫dV0の領域を取って

∫(-Aμμ-μ02)dΣ

=c∫[-Aμρ0ΔV0(dxμ/dτ)-μ0ΔV02]dτ

=-c∫{ρ0ΔV0μ(dxμ/dτ)}dτ-c3∫{μ0ΔV0}dτ

を考えます。

 

そして,世界線の変分δxμ(τ)に対して,

δ(dxμ/dτ)=d(δxμ)/dτより,

δ∫τ1τ2[Aμ(dxμ/dτ)]dτ=

τ1τ2[(∂Aμ/∂xν)δxν(dxμ/dτ)

+Aμd(δxμ)/dτ]dτ

 

=∫τ1τ2[(∂Aμ/∂xν)Uμ-dAν/dτ]δxνdτ

=∫τ1τ2[(∂Aν/∂xμ)Uν-(∂Aμ/∂xν)Uν}]δxμdτ

=∫τ1τ2(Fμνν)δxμdτ

です。

 

電荷ρ0ΔV0が変動しないとすると,

-cδ∫{ρ0ΔV0μ(dxμ/dτ)}dτ

=-c∫τ1τ20ΔV0μνν)δxμdτ を得ます。

 

一方,前にも見たように世界線の変分に対して質量Δm≡μ0ΔV0

が変わることを考慮すれば,

δ(Δmdτ)=δ(Δm)dτ+Δm(δdτ)ですが,

cdτ=(dxμdxμ)1/2より,

cδ(Δmdτ)=(1/2)δ{Δm(dxμdxμ)}(dxνdxν)-1/2

=ΔmUμδ(dxμ/dτ)(Uνν)-1/2dτ

=c-1ΔmUμδ(dxμ/dτ)dτ

です。

 

故に,δ∫τ1τ2Δmdτ

=(1/c2)∫τ1τ2{ΔmUμδ(dxμ/dτ)}dτ

=-(1/c2)∫τ1τ2{d(ΔmUμ)/dτ}δxμdτ

です。

 

以上から,作用原理がδS=c∫τ1τ2[-ρ0μννΔV0

+d(μ0μΔV0)/dτ]δxνdτ=0 と表わされること

がわかります。

 

したがって粒子の運動方程式として,

d(μ0μΔV0)/dτ=ρ0μννΔV0

が得られます。

 

これは,前に4元力密度がfμ=ρ0μνν=Fμνν

与えられ,粒子の運動方程式が,d(μ0ΔV0μ)/dτ=fμΔV0

となること,

 

あるいはそれと同等ですが,

粒子のエネルギー運動量テンソルθμν=μ0μνに対して,

その保存方程式:∂θμν/∂xν=fμ=Fμννが成立する

ことを改めて示すものです。

 

さて,Maxwellの方程式を用いれば上記の4元力の密度:

μ=Fμννはある対称な反変テンソルの4次元発散

として表現できることを示すことができます。

 

すなわち,Maxwellの運動方程式:

∂Fμν/∂xν=-sμ/(c2ε0)によって,

μ=Fμννの右辺に,sμ=-(c2ε0)∂Fμν/∂xν

を代入すれば,

 

-fμ/(c2ε0)=-Fμλλ/(c2ε0)

=Fμλ(∂Fλν/∂xν)

=∂(Fμλλν)/∂xν-(∂Fμλ/∂xν)Fλν

となります。

 

ここで,∂Fμν/∂xλ+∂Fνλ/∂xμ+∂Fλμ/∂xν=0

とFμνの反対称性により,

 

右辺第2項は,(∂Fμλ/∂xν)Fλν

=(∂Fμν/∂xλ)Fνλ=(∂Fνμ/∂xλ)Fλν

=(1/2)[(∂Fμλ/∂xν)+(∂Fνμ/∂xλ)]

=-(1/2)(∂Fλν/∂xμ)Fλν=-(1/4)∂(Fλνλν)/∂xμ

と書けます。

 

結局,Sμν≡-(c2ε0)[Fλμλν-(1/4)ημν(Fσρσρ)]

=-(c2ε0)[ημδλδλν-(1/4)ημν(Fσρσρ)]

とおけば,Sνμ=Sμνであり,fμ=-∂Sμν/∂xν

と書けます。

 

そこで,4元力の密度fμ=Fμννが対称な反変テンソル

μνの4次元発散として表現できることがわかりました。

 

対称テンソルSμνはトレースレス(対角和がゼロ)であることも

わかります。

 

すなわち,

μμ=-(c2ε0)[Fλμλμ-(1/4)4(Fσρσρ)]=0 です。

 

μνの空間成分:

ij=-(c2ε0)[Fλiλj-(1/4)ηij(Fσρσρ)]に,

=(E1,E2,E3)=-c(F01,F02,F03),

=(B1,B2,B3)=-(F23,F31,F12)の左辺の電場,磁場

を代入すると,

 

ij=(c2ε0)[Fλiλj-(1/4)ηij(Fσρσρ)

=(-c2ε0)[F0i0j+Fkikj-(1/2)δij(22/c2)]

=ε0ij+μ0-1ij-δijμ0-12

+(1/2)δij0-12-ε02)

となります。

 

すなわち,4元力密度はfμ=-∂Sμν/∂xνであって,

μνの空間成分をSij≡-tijとすると,

ij=ε0ij+μ0-1ij-(1/2)δij02+μ0-12)

と表現できて,tijはMaxwellの応力テンソルと呼ばれている

3次元空間のテンソルに一致しています。

 

また,3次元ベクトルの成分を,

k/c≡Sk0=S0k=-(c2ε0)Fλ0λkで定義すれば,

=(×μ0-1)=×であって,

 

これは電磁エネルギーの流れを示すポインティングベクトル

(Poynting vector)になっています。

  

そしてh≡S00とおくと,

h=-(c2ε0)[Fλ0λ0-(1/2)(22/c2)]

=(1/2)(ε02+μ0-12)=(1/2)(EDBH)ですが,

これは電磁エネルギー密度を表わしています。

 

そこで,fμ=-∂Sμν/∂xνでのμ=0 の式は,

0=(fu)/c=(1/c){-div-∂h/∂t},

すなわち,∂h/∂t+div=-(fu)です。

 

これを,系全体を囲むある定まった閉曲面σで囲まれた有限

な体積Vにおいて体積積分し,W≡∫VhdVとすると,Gauss

の定理によって-dW/dt=∫σσ+∫V(fu)dV

となります。

 

これは,(Vにおける場の総エネルギーWの減少分)

=(境界面σから流出するエネルギー量)

+(電磁場による力dVがVの外部になす仕事)

という等式で表わされ,エネルギー保存を意味すると

解釈できます。

 

他方,μ=1,2,3についての式は,

i=∂tij/∂xj-∂(Si/c2)/∂tです。

 

静電場の場合には右辺第2項はゼロですから,

i=∂tij/∂xjです。

 

これは真空も含めた物質中の力の密度をMaxwellの

応力テンソルの空間微分で表現した有名な力の密度に関する

Maxwellの式です。

 

すなわち,fi=∂tij/∂xjはGaussの定理により,

i=∫VidV=∫V(∂tij/∂xj)dV=∫σijjdσ

を意味しています。

 

物体に働く応力の総体が=∫VdVであるとき,これは

応力テンソルτij≡-tijがあって,j軸に垂直な面に働く力

の第i成分がτijjdσで与えられることを示していて,

むしろ,Faraday的な見方ですね。

  

※ (注):応力テンソルτijというのは,を応力が働く向きの

法線ベクトルとするとき,j軸に垂直な面要素dσに働く力の

第i成分がτijjdσで与えられる,というのがその定義です。

 

ただし,閉曲面境界で囲まれた物体が受ける応力を考える際には,

慣例として物体境界の面要素dσの法線を外向き法線と定義

するため,普通との向きが逆になるので,電磁力の物体に及ぼす

力の密度がfi=-∂τij/∂xj=∂tij/∂xjとなるのですね。)

 

以上はMinkoeskiの考察によるものですが,Minkowskiと対立して

いたらしいAbrahamの指摘によれば,閉じた系で運動量が保存さ

れるためには,ベクトル量/c2を電磁場の運動量密度と

解釈する必要があるということです。

 

なぜなら,次のような考察ができるからです。

 

すなわち,上で実行した積分と同じく,系全体を囲む定まった

閉曲面Σで囲まれた有限な体積Vにわたって,

i=∂tij/∂xj-∂(Si/c2)/∂tの両辺を体積積分すれば,

Gaussの定理によって∫V(∂tij/∂xj)dVは閉曲面Σ上でtij

の面積分となります。

 

閉曲面の上では電磁場がゼロなので応力tijもゼロですから,

=∫VdV=-(d/dt)(∫VdV)となります。

 

ここではもちろん物体に作用する電磁力の総体です。

 

これはニュートンの運動の第2法則が示すところによれば,

単位時間当りの力学的運動量mの増加分に等しいはずです。

 

つまり,dm/dt=∫VdV となるはずです。

 

そこで,∫VdV=-(d/dt)(∫VdV)は,

(d/dt)(m+∫VdV)=0  と書くことができます。

 

そこで,時間的に一定なベクトル量として全運動量が存在する

ためには,力学的運動量mの他に∫VdVにある(定数)を加

えたものが電磁的運動量であると仮定して,力学的運動量と

電磁的運動量の和が全運動量であるとしなければなりません。

 

それ故,[/c2+(定数)]を電磁運動量密度と考えることが

できますが,電磁場がないときには電磁運動量密度はゼロで

あるべきですから,この(定数)はゼロであり/c2

電磁運動量密度を表わしていると考えてよいと思われます。

 

さらに*/hを電磁エネルギーの伝播速度と定義すれば

電磁運動量密度は/c2=(h/c2)*と書けます。

 

これは一般にエネルギーE=∫εdVの粒子が速度で運動

しているとき,その力学的エネルギー密度がεなら運動量密度

=(ε/c2)で与えられるという関係に類似しています。

 

すなわち,エネルギー:E=mc2/(1-u2/c2)1/2

運動量:=m/(1-u2/c2)1/2=(E/c2)を持つ

自由粒子の相対論的質量はm/(1-u2/c2)1/2=(E/c2)

で定義されます。

 

そこで,もしもE=∫εdV,m=∫μdVなら,この粒子の

相対論的質量に対応する相対論的密度が,

μ/(1-u2/c2)1/2=(ε/c2)で与えられるという事実から

のアナロジーで,

 

今の場合は,(h/c2)は*/hで運動する電磁場の相対論

密度を示していると考えるわけです。

 

しかも,偏った単色電磁波では(EB)=0 であり,,

つまりε0=μ0-1であって,ε0μ0=1/c2なので,

*=|*|=||/h

=2μ0-1||||/(ε02+μ0-12)=c

です。

 

そこで,これが電磁波の伝播速度を示していると考えるなら,

それは光速cに等しいので,電磁波のエネルギーは光速cで

伝わります。

 

一方,任意の運動している荷電粒子の場でも(EB)=0 ですが,

||/||=ε0||/(μ0-1||)=α≧1なので,

*=|*|=2cα/(1+α2)≦cです。

 

いずれにしても,u*は光速c以下なので,/c2=(h/c2)*

を電磁場の運動量密度とするAbrahamの描像は正しいと思われます。

 

しかし,これを3次元で体積積分して近似すると,電磁運動量

は(W/c2)*ではなく,=(4/3)(W/c2)*で与えられる

ので,4元ベクトルにならないとの考察があります。

  

すなわち,荷電粒子の速度*の大きさが光速cに比べて小さい

ときには,=∫dV=(1/c2)∫dV

=(1/c2)∫(×)dV=(ε0/c2)∫{×(*×)}dV

={2ε0*/(3c2)}∫2dV です。

 

同じ近似で,W=(ε0/2)∫2dVなので

=(4/3)(W/c2)* となるというわけです。

 

しかし,後の考察で4元速度Uμで運動する荷電粒子と相互作用

している電磁場のエネルギー運動量はGμ=(1/c2)∫Sμ0dV

ではなく,Gμ=(1/c2)∫SμννdVで与えられるのが正し

いということで,先に矛盾があると見えたのは,定義,または,

近似方法の誤りであると指摘されているようです。

 

さて,Tμν≡θμν+Sμνと書いて,これを系全体の

全エネルギー運動量テンソルと定義します。

 

このとき,粒子に働く4元力の密度:fμは電磁場のエネルギー

運動量テンソルSμνをテンソルポテンシャルとして

μ=-∂Sμν/∂xνと表現されます。

 

そして,この電磁力によって加速される粒子の運動方程式が

∂θμν/∂xν=fμで与えられるので,

∂Tμν/∂xν=∂θμν/∂xν+∂Sμν/∂xν=0

なる式が得られます。

 

これは閉じた系では,全系のエネルギーと運動量が保存される

ことを示しています。

 

μν=θμν+Sμνを陽に書いてみます。

 

まず,これの空間成分は,

ij=θij-tij=μuij/(1-2/c2)1/2-tij

となります。

 

また,先に電磁エネルギーの流れ密度を示すポインティング

ベクトルを×=μ0-1×として,Sk/c=S0k

定義しましたが,

 

ここでは改めてSk/c≡T0kと定義し直すと,

=μ02/(1-u2/c2)+×

=μc2/(1-u2/c2)1/2×

と書けます。

 

右辺は全エネルギーの流れ密度を表わしていると見えます。

 

そして,cgk≡Tk0で与えられる成分gkを持つ3次元ベクトル

とすると,=μ/(1-u2/c2)1/2+(×)/c2は,

系の全運動量密度であると解釈されます。

 

先にはS00が電磁エネルギー密度を表わすことを示し,これを

hと表記しましたが,今度はT00=θ00+S00を改めてhと書き

h=μc2/(1-u2/c2)1/2+(1/2)(ε02+μ0-12)

=μc2/(1-u2/c2)1/2+(1/2)(EDBH)と表わせば,

これは系の全エネルギー密度を与えるものであることが

わかります。

 

そして,Tμνのトレース(対角和)は,

μμ=θμμ=μ02=μ02/(1-u2/c2)1/2

となります。

 

これで,とりあえず真空中の電磁気学を中心とした話について

終わりにし,次回からのこのシリーズの記事では,物質中の

電磁気学の話をしたいと思います。

 

参考文献:メラー 著(永田恒夫,伊藤大介 訳)

「相対性理論」(みすず書房),

砂川重信 著「理論電磁気学(第2版)」(紀伊国屋書店)

 

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