電磁気学と相対論(8)(物質中の電磁気学2)
一週間ほど西の方へ旅に出ていたため,前回のシリーズ記事からは
ずいぶんと時間が経ったので,私自身の復習も兼ねて,物質中の現象
論的な電磁力学に関する前回の話を要約し,それから新しい論題
に入ります。
前回の記事では,運動する物質中の電磁場に対して2つの2階
反対称反変テンソルFμν,Hμνを導入しました。
それによって,
電場E,磁束密度B,電束密度D,磁場の強さHを,
E=(E1,E2,E3)≡-c(F01,F02,F03),
B=(B1,B2,B3)≡-(F23,F31,F12),
D=(D1,D2,D3)≡-c-1(H01,H02,H03),
H=(H1,H2,H3)≡-(H23,H31,H12)
で定義しました。
そして,ρを物質の電荷密度,Uμを運動物質の4元速度:
Uμ≡(c/(1-u2/c2)1/2,u/(1-u2/c2)1/2)として,
4元電流密度をJμ≡(cρ,J)=ρ0Uμ+sμ
=(cρ,ρu+s),sμ=(s0,s)
=Jμ-(JλUλ)Uμ/c2=(0,J-ρu)
とします。
こうすれば,任意の座標系における電磁力学の基本方程式は,
∂Fμν/∂xλ+∂Fνλ/∂xμ+∂Fλμ/∂xν=0 ,
∂Hμν/∂xν=-Jμ と表現されます。
さらに,Fμν,Hμνから4元ベクトルFμ≡FμνUν
=((Eu)/{c(1-u2/c2)1/2},(E+u×B)/(1-u2/c2)1/2),
および,
Kμ≡HμνUν/c2
=((Du)/{c2 (1-u2/c2)1/2},
{D+(u×H)/c2}/(1-u2/c2)1/2)
を作ります。
また,Fμν,Hμνに双対な擬テンソル
F*μν≡(1/2)εμνλσFλσ,
H*μν≡(1/2)εμνλσHλσ) を構成します。
そして,4元擬ベクトルF*μ≡-F*μνUν/c
=((Bu)/{c(1-u2/c2)1/2},{B-(u×E)/c2}/(1-u2/c2)1/2)=((B~u)/{c(1-u2/c2)1/2},B~/(1-u2/c2)1/2),
および,
K*μ≡-H*μνUν/c
=((Hu)/{c(1-u2/c2)1/2},{H-(u×D)/c2}/(1-u2/c2)1/2)
を作ります。
特に,u=0 の静止系S0では,
F0μ=(0,E0),K0μ=(0,D0),F*0μ=(0,B0),K*0μ=(0,H0)
です。
これら4元ベクトルFμ,Kμ,F*μ,K*μを,S系のMinkowskiの
4元力の表現:FMμ≡((FMu)/c,FM)
=({(Fu)/c}/(1-u2/c2)1/2,F/(1-u2/c2)1/2)
と比較します。
すると,E~≡E+u×B,およびD~≡D+(u×H)/c2は,
それぞれ,単位量の試験電荷に作用する"canal field",および
"gap field"の電気力,
B~=B-u×E,および,H~=H-(u×D)/c2は,
それぞれ単位磁極の試験磁荷に作用する"canals field",
および"gap field"の磁気力であることがわかります。
そして,S系での量E~≡E+u×B,D~≡D+(u×H)/c2,
B~=B-u×E,H~=H-(u×D)/c2の,S0系(u=0)での
表現:E0,D0,B0,H0に対しては,等方性媒質の場合,εを誘電率
μを透磁率と呼ばれる比例定数としてD0=εE0,B0=μH0と
書けます。
このことから,D~=εE~,B~=μH~,あるいは,
Kμ=εFμ,F*μ=μK*μが成立し試験体に作用する
"canal field"の力と"gap field"の力が互いに比例する
という表式が得られます。
これらの式はまた,HμνUν/c2=εFμνUν,
F*μνUν/c=μH*μνUν/c とも書けます。
そして後者:F*μνUν/c=μH*μνUν/cは,
FμνUλ+FνλUμ+FλμUν
=μ(HμνUλ+HνλUμ+HλμUν)なる等式と同等
であることを示すこともできます。
さらに,σを電気伝導度とすると,S0系でのオームの法則は
J0=σE0で与えられます。
そこで,sμ=(s0,s)=Jμ-(JλUλ)Uμ/c2=(0,J-ρu)
のS0系での形は,s0μ=(0,J0)=(0,σE0)=σF0μ
と書けます。
それ故,S系ではsμ=σFμより,
Jμ-(JλUλ)Uμ/c2=σFμなる形で,オームの法則の
テンソル表現が得られます。
結局,電流密度Jμが与えられている場合の電磁力学の
基本方程式の閉じた形式は,
∂Fμν/∂xλ+∂Fνλ/∂xμ+∂Fλμ/∂xν=0 ,
∂Hμν/∂xν=-Jμと,HμνUν/c2=εFμνUν,
FμνUλ+FνλUμ+FλμUν
=μ(HμνUλ+HνλUμ+HλμUν),
Jμ-(JλUλ)Uμ/c2=σFμ
の組で与えられます。
原理的には,これらから物質内の場を決定できるはずです。
ここで,物質と真空の境界で場の量が満足すべき境界条件は,
EとHについては方程式:
rotE~+dB~/dt=0,rotH~+dD~/dt=J-ρu=s
を物質の境界面のすぐ内側と外側に相対する2辺を持つ小さな
長方形が囲む無限小面内で積分することから得られます。
これは,E,あるいはHの境界面に平行な成分が連続であるべき
という条件になります。
一方,BとDについては,方程式 divB=0,divD=ρ
を積分することにより,
Bの垂直成分:Bnは境界で連続であるべきで,
Dの垂直成分:Dnは物質外部から内部に向かって境界表面
の電荷密度分:ΔDnだけ不連続に変化してDn+ΔDnになる
べきという条件が得られます。
ただし,定義:E~≡E+u×B,D~≡D+(u×H)/c2,
B~≡B-u×E,H~≡H-(u×D)/c2におけるuは
"境界の外=真空領域"でも物質の速度に等しいとして
います。
先に2008年5/30の記事
sμをローレンツの電子論における電流密度とするとき,
真空中での電磁気力の4元力密度fμが,
fμ=ρ0FμνUν=Fμνsνなる表式で与えられる
ことを見ました。
4元力がこの形に書けることは,静電荷(u=0)に作用する力
の密度がρ0E0であるという電場の定義から明らかです。
しかしε≠ε0,μ≠μ0の一般の物質内で作用する力の密度を
一意的に表現するのは容易ではありません。
このような力の定義の曖昧さは当然ながら,エネルギー運動量
テンソルの曖昧さを呼び起こします。
ともあれ,ここではまず電子論での話にならって,
fμ=Fμνsνにおいて携帯電流ρuのみで書かれた
4元電流密度sμを,ρuに伝導電流(Cを加えた物質
における全4元電流密度Jμで置き換えた4元ベクトル量:
FμνJνを取り上げて考えてみます。
場の方程式:
∂Fμν/∂xλ+∂Fνλ/∂xμ+∂Fλμ/∂xν=0 ,
∂Hμν/∂xν=-Jμ によって,
FμνJν=-Fμν(∂Hνλ/∂xλ)
=-∂(FμνHνλ)/∂xλ+(∂Fμν/∂xλ)Hνλ
=∂(FμνHλν)/∂xλ
+(1/2)(∂Fμν/∂xλ+∂Fλμ/∂xν)Hνλ
=∂(FμνHλν)/∂xλ-(1/2)(∂Fνλ/∂xμ)Hνλ
=∂(FμνHλν)/∂xλ-(1/4)∂(FνλHνλ)/∂xμ
-(1/4){(∂Fνλ/∂xμ)Hνλ-Fνλ(∂Hνλ/∂xμ)}
が得られます。
したがって,
FμνJν-(1/4){Fσλ(∂Hσλ/∂xμ)-(∂Fλσ/∂xμ)Hσλ}
=-∂Sμν/∂xνが成立します。
ただし,Sμν≡-ηνσFμλHσλ+(1/4)FλσHλσημν
です。
このテンソルSμνの空間成分;Sij≡-tijを,
E=(E1,E2,E3)=-c(F01,F02,F03),
B=(B1,B2,B3)=-(F23,F31,F12),および
D=(D1,D2,D3)=-c-1(H01,H02,H03),
H=(H1,H2,H3)=-(H23,H31,H12)
を用いて表わすと,
tij=EiDj+HiBj-(1/2)(ED+HB)δij
となります。
それ故,Sμνの空間成分Sijにマイナス符号をつけた
tijは,静止系S0では物体におけるMaxwellの応力テンソル
に一致します。
さらに,S/c≡(S01,S01,S03)と定義すれば,S=E×Hは
ポインティングベクトルになっています。
また,h≡S00とするとh=(1/2)(ED+HB)となります。
すなわち,静止系S0ではSおよびhはそれぞれ定常運動して
いる物体の電磁エネルギー流,および電磁エネルギー密度に
一致します。
また,cg≡(S10,S20,S30)で与えられる3次元ベクトル
をgとするとg=D×Bとなり,真空中の理論からのアナ
ロジーで,これは電磁運動量密度を示していると思われます。
これらのことから,
FμνJν-(1/4){Fσλ(∂Hσλ/∂xμ)-(∂Fλσ/∂xμ)Hσλ}
=-∂Sμν/∂xν の左辺がこの際の電磁的な4元力密度 fμ
であって,Sμνが電磁エネルギー運動量テンソルを表わしている
と暗示されます。
この結果,S,h,gは静止系S0だけでなく,任意の座標系
Sにおいても電磁エネルギー流,電磁エネルギー密度,電磁
運動量密度に相当するものとして扱えると考えられます。
S,h,gを上述のように表現することは,Minkowskiに始まります
が,これらはε=ε0,μ=μ0のときには,いずれも電子論における
表現形式に帰着します。
ところで,一般物質から成る対象帯電物体が均質かつ等方的
であれば,FμνJν-(1/4){Fσλ(∂Hσλ/∂xμ)
-(∂Fλσ/∂xμ)Hσλ}=-∂Sμν/∂xν の左辺第2項
はゼロになることを示せます。
すなわち,
(1/4){F0σλ(∂H0σλ/∂x0μ)-(∂F0λσ/∂x0μ)H0σλ}
=(1/2)[B0(∂H0/∂x0μ)-E0(∂D0/∂x0μ)
-(∂B0/∂x0μ)H0+(∂E0/∂x0μ)D0]
=-(1/2)[|H0|2(∂μ/∂x0μ)+|E0|2(∂ε/∂x0μ)]
となりますが,S0系でεとμが定数ならば最右辺はゼロです。
この式は座標系によらない表現なので,任意の系Sでもゼロである
というわけです。
こうして,均質かつ等方的な物体内部では,fμ=FμνJν
となりますが,Jμ=(cρ,J)より,
fμ=((EJ)/c,ρE+(J×B))
を得ます。
つまり,f=ρE+(J×B)
=ρ[E+(u×B)]+(C×B),
f0=(EJ)/c={E(ρu+C)}/c
(ρE~u+EC)/c=(fu+E~C)/c
となります。
すなわち,cf0=fu+E~Cですが,これは静止S0系(u=0)
では物体中の単位体積中で単位時間に発生する熱量=ジュール熱
を表わしたもの;E~0C0=q0と一致しています。
一方,fuはどんな座標系でも力学的仕事を示すので,
fμが相対論的力学において定式化された4元力密度の
一般的な表現形式:fμ=((fu+q)/c,f)(qは単位時間
当りに系が自身の運動で放出する非力学的エネルギー)
と合致するためには,
先の式の項E~Cがこのプロセスで発生する熱量率qを示して
いる,と考える必要があります。
実際,系の力学的エネルギーをEmとすると,
cf0=dEm/dt=(エネルギーの増加率)ですから,
これは力学系が受け取るエネルギー率そのものです。
そこで,独立な4個の方程式:fμ=-∂Sμν/∂xνは,
通常のエネルギー運動量の保存法則を示しています。
そして,fμ=FμνJν=((EJ)/c,ρE+(J×B))
から,fμUμ=UμFμνJν=U0μF0μνJ0ν
=(E0J0)=q0=(不変量) が得られます。
q0は静止系での力学的効果以外の効果を示しており,
もちろんLorentzスカラーですが,fμ=((fu+q)/c,f),
Uμ=(c/(1-u2/c2)1/2,u/(1-u2/c2)1/2)から得られる
fμUμの表式において,u=0 とおけばわかるように,
q0=q/(1-u2/c2)1/2,あるいはq=q0(1-u2/c2)1/2
が成立します。
一方,先に同じく2008年5/30の記事
で述べたように,
対象とする帯電物体の"密度(静止質量密度)をμとし,
μ0 を物質の不変質量密度(静止系での物質密度)とすれば,
μ=μ0/(1-u2/c2)1/2と書けるので,
この物体の微小体積をΔVとしたとき,これが従うべき運動
方程式は,d(μ0ΔV0Uμ)/dτ=fμΔV0 となります。
そして,この方程式が,∂(μ0UμUν)/∂xν=fμなる式
と等価であることも示しました。
そこで,この両辺にUμを掛けてμで縮約すると,
UμUμ=c2,,かつUμ(dUμ/dτ)=0 であって,
fμUμ=q0なので,∂(μ0Uν)/∂xν=q0/c2,
つまり∂μ/∂t+div(μu)=q0/c2なる質量保存の
連続方程式が得られます。
連続方程式の右辺は質量の湧き出しですから,この式は
正に非力学的エネルギーq0,今の場合は,
"q0=(E0J0)=(E~0,C0)=(ジュール熱)"を受け取ること
によって,物質の固有質量がq0/c2だけ増加することを意味
しています。
つまり,電磁場の話は質量とエネルギーについてのEinstein
の一般定理:E=mc2の典型例の1つを示していると考えら
れます。
Minkowskiの電磁エネルギー運動量テンソル:
Sμν=-ηνσFμλHσλ+(1/4)FλσHλνημνは,
電子論の場合のそれと同じくトレ-スレス(対角和がゼロ)
という性質:Sμμ=-FμλHμλ+(1/4)4FλσHλσ=0
を確かに満たしています。
しかし,FμλHνλ≠FνλHμλなのでSμν≠Sνμとなり,
Sμνは対称テンソルではありません。
Sμνの空間部分:
Sij=-tij=-EiDj-HiBj+(1/2)(ED+HB)δijは,
等方性物体なら静止系S0ではD0=εE0,B0=μH0なので,
対称テンソルですが,
時間と空間の混合成分は静止系でも,
Si0-S0i=c(gi-Si/c2)=c(εμ-ε0μ0)(E0×H0)≠0
となって確かに対称ではありません。
したがって,一般に等方性物体でもS0系以外ではSij≠Sji
であって空間成分も非対称です。
こうしたMinkowskiのエネルギー運動量テンソルの非対称性
については長い間文献上で議論が続けられ,この非対称性の
中にMinkowski理論の真の難点が現われているという感があ
りました。
そこで,Abrahamは対称性を持つ電磁エネルギー運動量テンソル
の表現形式を作ってみました。
彼の電磁エネルギー運動量テンソルの表現:SAμνはとにかく
静止系S0で等方性物体の場合には,
SAij=-tAij=-EiDj-HiBj+(1/2)(ED+HB)δij,
S=E×H=c(SA01,SA01,SA03),h=(1/2)(ED+HB)
=SA00となるように作られています。
しかし,電磁運動量密度gについては,
Mikowskiが,自身のテンソルSμνから,
g≡(S10,S20,S30)=D×Bとして,これを与えたのに対し,
Abrahamは,あくまでもテンソルの対称性が保たれるように,
静止系S0でg=(E×H)/c2=S/c2の形をとるものと仮定
しました。
AbrahamのテンソルSAμνは,静止系S0では対称ですから,
任意の座標系Sでも対称です。
しかしS0系以外の任意系Sでの成分はS0系での表現:
SAij=-tAij=-EiDj-HiBj+(1/2)(ED+HB)δij,
S=E×H=c(SA01,SA02,SA03),h=(1/2)(ED+HB)
=SA00のような簡単な形にはならず,
場を示す変数E,D,H,BでSAμνを表わそうとすると,
物質速度を示すuが非常に複雑な形で入ってきます。
そして,テンソルSAμνから方程式fAμ=-∂SAμν/∂xν
を満たすものとして導かれるAbrahamの4元力密度fAμは,先
の表現式:fμ=FμνJν=((EJ)/c,ρE+(J×B))から
のずれも,きわめて複雑な形になります。
Minkowskiの表現の場合,静止系でもFμνJνからのずれが,
-(1/4){F0σλ(∂H0σλ/∂x0μ)-(∂F0λσ/∂x0μ)H0σλ}
=(1/2)[|H0|2(∂μ/∂x0μ)+|E0|2(∂ε/∂x0μ)]であり,
これは均質,かつ等方的な物質内ならゼロになります。
一方,Abrahamの表現の場合には,静止系では空間成分の力の
密度:fAが,fA=f+{(εμ-ε0μ0)/c2}(∂S/∂t)と
表わせることがわかっています。
これによれば,Abrahamの力の密度:fAはMinkowskiのそれ:f
よりも{(εμ-ε0μ0)/c2}(∂S/∂t)だけ異なります。
しかし,この違いを実験的に検証するのは困難らしいです。
そして,ごく最近まで,ほとんどの物理学者はAbrahamの理論
を採用する方向に向かっていましたが,これについてはまだ
決着が付いていたわけではなく,最近,Tamm(タム)はこの問題
の論議を再開して,結局,Minkowskiの表現形式の方が正しい
という結論を得ています。
(↑※最近というのは"参考文献=メラーの著書"が書かれた
当時のことですが,現在については,まだ調べていません。)
すなわち,ある物体中の電磁場は本質的には閉じた系ではない
ため,電磁エネルギー運動量テンソルが対称であるべき,という
先験的理由(a-prioriな理由)はありません。
Abrahamがテンソルが対称であるべきことを主張する主な論拠は,
"巨視的理論に現われる諸量は,各々に対応する電子論の諸量を
適当な大きさの時空領域で平均して得られるべきで,電子論での
微視的なエネルギー運動量テンソルsμνは対称なので,その平均
として得られるSμν=<sμν>も対称でなければならない。"
というものでした。
しかし,Tammが着目したのは,"巨視的テンソルSμνは,必ずしも
sμνの平均<sμν>に一致する必要はなく,むしろSμνが力
の密度,および力のモーメント(能率)を正しく与えるように定義
すべきである"ということです。
つまり,彼は,
"fμ=-∂Sμν/∂xν=-<∂sμν/∂xν>,
および,αμν=xμfν-xνfμ+Sμν-Sνμ
=-xμ(∂Sνλ/∂xλ)-xν(∂Sμλ/∂xλ)+Sμν-Sνμ
=-<xμ(∂sνλ/∂xλ)>+<xν(∂sμλ/∂xλ)>
の成立を条件とすべきである"
と主張しました。
それ故,Tammによれば,aμνを∂aμν/∂xν=0 を満たす適切
な非対称テンソルとして,Sμν=<sμν>+aμνと書かれる
べきことがいえるのみです。
そして,これを力のモーメントテンソルの等式
αμν=-xμ(∂Sνλ/∂xλ)-xν(∂Sμλ/∂xλ)
+Sμν-Sνμ
=-<xμ(∂sνλ/∂xλ)>+<xν(∂sμλ/∂xλ)>
に代入すると,
-<xμ(∂sνλ/∂xλ)>+<xν(∂sμλ/∂xλ)>
=-<xμ><∂sνλ/∂xλ>+<xν><∂sμλ/∂xλ>
が成立するときに限って,Sμνが対称となることがわかります。
そして,今の電磁場のテンソルの場合に,こうなる必然性はない
ということです。
さらに加えて,TammはMinkowskiのテンソル表現が電子論と一致
するのに反し,アブラハムの表現はある特別な場合には誤った
結果に導くことを示し得ました。
また,Dallenbachは電子論からMinkowskiのテンソルを一般的に
導く方法を与えました。
これらのことから,電磁エネルギー運動量テンソルは一般に
非対称であるとしてよいと思われますが,物質と電磁場の全
エネルギー運動量テンソルは依然として対称であると仮定
できます。
しかし,このときは逆に物質の力学的エネルギー運動量テンソル
が非対称になります。
これで「電磁場と相対論」のシリーズ記事は当面は終わりに
したいと思います。
そもそも,このシリーズは電場と電束密度,磁場と磁束密度の
関係を論じていた記事から派生したものでした。
参考文献:メラー 著(永田恒夫,伊藤大介 訳)
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