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2008年6月

2008年6月27日 (金)

ネーターの定理と電磁エネルギー運動量テンソル(補遺)

前記事「ネーターの定理と電磁エネルギー運動量テンソル」で延期(Pending)にしておいた問題について気になっていたので,他の事をやっている合間にも細々と考えたり計算していたら何とか解決したので,補足記事にしておきます。

まずは,問題そのものがどうだったか?について思い出すために,前記事のその部分を再掲します。

(※再掲開始)

 

ここで,古典解析力学で多体系に対して定義されるPoisson括弧式:

 

[u,v]P.B.

≡Σs[(∂u/∂qs)(∂v/∂ps)-(∂u/∂ps)(∂v/∂qs)]

 

を連続体の場の理論に拡張します。

 

場φi(x)に正準共役な運動量πi(x)を,πi(x)≡/∂(∂0φi)

で定義して,Poissojn括弧式を,

 

[u,v]P.B.

≡Σi[(∂u/∂φi)(∂v/∂πi)-(∂u/∂πi)(∂v/∂φi)]

 

とします。

これを使用すると,場の量φ={φi(x)}とNoether保存量:Qについてはi(x),Q]P.B.Σk[(∂φi/∂φk)(∂Q/∂πk)-(∂φi/∂πk)(∂Q/∂φk)]∂Q/∂πiと書けます。

 

Q=∫j0(,t)d3,j0(,t)=j0(x)

=Σk{∂/∂(∂0φk)}Gkj,∂μφj)-η00j,∂νφi)

=Σkkj,∂μφj)πk(x)η00j,∂νφi) です。

 

ij,∂μφj),μj,∂νφi)が,∂0φj,またはπjと独立な場合,

∂Q/∂πiij,∂μφj)なので,

 

i(x),Q]P.B.=Gij,∂μφj) なる等式が得られます。 

すなわち,この無限小変換に際しては,δLφi=ε∂Q/∂πi

εi(x),Q]P.B. が成立します。

 

このような関係を満たす量Qを,この変換の生成子(generator)

と呼びます。

 

理論を不変(作用を不変)に保つ対称性変換に対しては,Noether保存量:Qは常にその変換の生成子になっていると考えられます。

一方LπiδL{/∂(∂0φi)}=∂(δL)/∂(∂0φi)

=ε{∂(∂μμ)/∂(∂0φi)}ですが,先にも述べたように,

μj,∂νφi)が,∂0φj,またはπjと独立な場合を想定するなら,

δLπi=0 です。

 

また,i(x),Q]P.B.Σk[(∂πi/∂φk)(∂Q/∂πk)-(∂πi/∂πk)(∂Q/∂φk)]=-∂Q/∂φiであることもわかります。

 

そこで,φi(x),πi(x)の汎関数で与えられる任意の物理量を,

A=A(φjj)とすると,この対称性変換によるAのLie変分は

δLA=Σk[(∂A/∂φk)δLφk(∂A/∂πk)δLπk(x)]で,

δLπk=0 ゆえ,δLA=εΣk(∂A/∂φk)δLφk となります。

 

一方,ε[,Q]P.B.=εΣk[(∂A/∂φk)(∂Q/∂πk)-(∂A/∂πk)

(∂Q/∂φk)]Σk[(∂A/∂φk)δLφkε(∂A/∂πk)(∂Q/∂φk)]

と書けます。

物理量Qが,δLφi()=ε∂Q/∂πiεi(x),Q]P.B.を満たし,

変換の生成子となっている場合,

 

一般に,δLε[,Q]P.B.となるであろうという予測に基づいて考察していたのですが,今のところは,どうもうまくいきません。

 

古典論でLie微分とPoisson括弧は,HamiltonianをHとして,

dA/dt=[A,H] P.B.なる関係があることから類推して,

 

Lie変分についてもPoisson括弧は同等な内容を与えると思ったのですが,

当面はこの項目の議論を延期します。(Pendingです。)

 

(再掲終わり※)

こういうのは解析力学の原点に帰って,1変数qのtを陽には含まないLagrangian;L=L(q,qd)で考えるのが一番です。

 

ここでは,簡単のためqd=qdot≡dq/dtとしました。

そして,δLq≡εGなる変換q→q+δLq=q+εGに対して,

δLL=εdX(q,qd,t)/dt=ε[∂X/∂t+(∂X/∂q)qd

+(∂X/∂qd)(dqd/dt)]と書ける場合を考察します。

δLL=(∂L/∂q)δLq+(∂L/∂qdLdですが,

δLd=δL(dq/dt)=d(δLq)/dtです。

 

運動方程式であるEuler-Lagrange方程式:

(∂L/∂q)-d(∂L/∂qd)/dt=0 から,

∂L/∂q=d(∂L/∂qd)/dtを代入すれば,

 

δLL={d(∂L/∂qd)/dt}δLq+d(δLq)/dt

=d{(∂L/∂qdLq}/dt=εd{(∂L/∂qd)G}/dt

が得られます。

一方,既に述べたようにδLL=εdX/dtと書けると仮定しているので,上のδLLの表式の最右辺と等置すれば,

εd{(∂L/∂qd)G}/dt=εdX/dt です。

 

そこで,Q≡(∂L/∂qd)G-Xとおけば,dQ/dt=0 となりますが,

このQが先の記事でも述べたような,この変換q→q+δLq=q+εG

に伴なうNoether保存量です。

 

そして,qに正準共役な運動量p≡(∂L/∂qd)を定義して,q,pによる

Poisson括弧で表現することを考えれば,Q=pG-Xなので,

[q,Q]P.B.∂Q/∂p=G+p(∂G/∂p)-(∂X/∂p)]

となります。

  

そして,関数:X=X(q,qd,t)が特にX=X(q,t)とq,tのみの関数の場合には,もちろん∂X/∂p=0 です。

また,p=(∂L/∂qd)を逆に解いたqd=qd(p,q)に対して,無限小変換q→q+δLq=q+εGにおける関数Gのpに対する依存性は.

G=G(q,qd)=G(q,qd(p,q))で与えられます。

  

この変換が座標qに依らない大域的変換であるとすれば,Gはqの時間微分qdにも依存せず,したがってpにも依存しないので∂G/∂p=0 となるはずですから,結局,[q,Q]P.B.∂Q/∂p=Gとなります。 

そこで,δLε[q,Q]P.B.ε∂Q/∂pが成立し,やはりNoether保存量Qがこの変換の生成子といえることがわかります。

 

一方,p=(∂L/∂qd)なので,δLδL(∂L/∂qd)

=∂(δL)/∂qdであり,仮定:δLL=εdX/dtによって

δLε∂(dX/dt)/∂qdと書けます。

 

そして,今はこのδLLを与える関数X=X(q,qd,t)が,X=X(q,t)のようにq,tのみの関数形に書ける場合を考えています。

 

先の記事では,dX/dtがqdに独立なためδL0 になると早合点しましたが,実はXがqdに独立でもdX/dtはdに独立ではなく,

dX(q,t)/dt=∂X/∂t+(∂X/∂q)qdとなります。

 

これは簡単なqdの1次式ですから,δLp=ε∂(dX/dt)/∂qd

=ε∂X/∂qとなってδLpはゼロではありません。

一方,Q=pG-Xより,[p,Q]P.B.=-∂Q/∂q

=-p(∂G/∂q)+(∂X/∂q)ですから,変換q→q+δL

=q+εGが,やはり座標qに依らない大域的変換であるとすれば,

 

∂G/∂q=0 なので,[p,Q]P.B.=∂X/∂q

となることがわかります。

 

これと,上のδL=ε∂X/∂qなる表式を比較すれば,

δLε[p,Q]P.B.=-ε∂Q/∂q が得られます。

以上からLε[q,Q]P.B.ε∂Q/∂p,δLε[p,Q]P.B.

=-ε∂Q/∂qであり,結局q,pの任意関数A=A(q,p)に対して,

 

δL(∂A/∂q)δL(∂A/∂p)δL

=ε[(∂A/∂q)(∂Q/∂p)-(∂A/∂p)(∂Q/∂q)],

つまり,δLε[A,Q]P.B.なる等式が得られることがわかりました。

結局,理論の対称性を示す無限小変換:q→q+δLq=q+εGに対し,

Noether保存量をQとすると,任意の物理量に対して常に,

δLε[A,Q]P.B.が成立する,という法則が得られました。

 

そこで,改めてQが変換の生成子(generator)であるとは,こういう意味だったのか,と再認識することができました。

 

また,古典論ではLie変分とPoisson括弧が同等な意味を持っていること,

もわかりました。

 

1変数の考察を多変数に拡張し,さらに連続的な場の量に対するものに拡張するのは直線的作業で平易なので,これを詳細に書くことはしませんが,

 

δLφiε[φi,Q]P.B.ε∂Q/∂πi,δLπiεi,Q]P.B.

=-ε∂Q/∂φiから,φiiの任意関数A=A(φ,π)に対して

δLε[A,Q]P.B.が得られる,という内容に変わりはありません。

 

 

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2008年6月22日 (日)

ネーターの定理と電磁エネルギー運動量テンソル

電磁場と相対論に関するシリーズ記事は一応終了しましたが,最後の物質中の電磁力学における電磁エネルギー運動量テンソルについてのMinkowskiの表現形式とAbrahamのそれについての論題が少し気になりました。

 

これは,解析力学における「Noether(ネーター)の定理」と関連づけて更に掘り下げた考察を行なうことが可能であると感じ,いささか個人的興味が湧いたので少し論じてみたいと思います。

電磁場に限らず,4次元Minkowski空間内の領域Σに例えば連続体の各点における変位などを表現した古典的な場φ(x)={φi(x)}があって系のLagrangian密度が場φi(x)とその1階微分∂μφi(x)の関数として

i(x),∂μφi (x))で表わされるとします。

このとき,作用積分は,S[φ]=∫Σ4i,∂μφi)

で与えられます。

 

そして場の従う基本的な運動方程式はφi(x)の変分に対する作用Sの

停留条件:δS=0 から決まります。

 

すなわち,系を支配する運動方程式は,δS/δφi

=∂/∂φi-∂μ{∂/{∂μφi }]=0 で与えられます。

 

これはよく知られた,Euler-Lagrange方程式です。

そして,「Noetherの定理」は"ある連続変換の下で作用Sが不変な場合には,その変換に対応した保存量が必ず存在する。"という定理です。

これの証明は,既に2008年2/29の記事「ネーターの定理と場理論」で行ないましたが,ここでは改めて概略的な証明を与えることにします。

 

以下,証明です。

ε>0 を無限小パラメータとし,時空座標の変換μ→xμ*=xμ+εημ,および,それとは独立な場の変換φi(x)→φ*i(x)=φi(x)+εgij,∂μφj)があるとします。

 

これは,座標の変分δμ=εημと共に場のLie(リー)変分:

δLφi()=εGij,∂μφj)=ε[ij,∂μφj)-ημμφi]

があるとして表現されます。

 

この変換の下で作用積分Sが不変である,すなわちS[φ]=S[φ*]が成立する,という対称性が存在するとします。

このことは,Lagrangian密度のLie変分が高々全微分であること,

つまり,恒等的に,δL

(x,φi*(x),∂μφi*(x))-(x,φi(x),∂μφi(x))

=ε∂μμj(x),∂νφi(x))と書けるある関数:

μj,∂νφi)が存在することを意味します。

 

この命題については,先述の記事,2008年2/29の「ネーターの定理と場理論」に詳しい証明を与えてありますから,ここでは改めて証明することはせず単に認めることにします。

他方,変換:x=xμ+εημi*(x)=φi(x)+εGij,∂μφj)の下でのLagrangianのLie変分δLを素朴なεの1次の変分項という意味で計算します。

 

δL(x,φi*(x),∂μφi*(x))-(x,φi(x),∂μφi(x))

=Σi[(∂/∂φi)εGij,∂μφj)+

{∂/∂(∂μφi)}ε∂μij,∂μφj)]-(∂μ)εημ

と書けます。 

さらに,先に述べたEuler-Lagrange方程式:

/∂φi-∂μ{∂/∂(∂μφi)}=0 によって,

上式の右辺の∂/∂φiμ{∂/∂(∂μφi)}

で置き換えます。

 

このとき,δL=εΣi[∂μ{∂/∂(∂μφi)}εGij,∂μφj)

+{∂/∂(∂μφi)}∂μij,∂μφj)]-ε(∂μμ

=ε∂μi{∂/∂(∂μφi)}Gij,∂μφj)-ημ]

となります。

 

ただし,ε>0,および時空座標の変換:x=xμ+εημにおけるパラメータημが点xに依らない定数の大域的変換を仮定しています。

そこで,2つの方法で得られたのリー変分δLを等置することから,

δL=ε∂μi{∂/∂(∂μφi)}Gij,∂μφj)-ημ]

=ε∂μμj,∂μφi)が得られます。

 

εは任意の定数パラメータなので,結局,

 

μi{∂/∂(∂μφi)}Gij,∂μφj)-ημμj,∂μφi)]

=0

 

が成立することがわかります。

これは,jμ(x)≡Σi{∂/∂(∂μφi)}Gij,∂μφj)-ημ

μj,∂νφi)とおけば,∂μμ0 ,

つまり,カレントjμ(x)の保存を意味します。

 

こう定義したカレントjμ(x)を"Noether-current"と呼びます。

つまり,上記カレントjμ(x)の第 0 成分を用いて,Q(t)≡∫j0(,t)d3なる量Q(t)を定義すると,∂μμ0 の結果から,

dQ/dt=0 となって,Q(t)はtに依らないことがわかります。

 

tに依らず一定なので,Q(t)は単にQと書いてもよく,このQがカレント密度(,t)に対応する1つの保存量になるというわけです。

 

Qは保存量ですから,ある1つの物理量と同定されます。

 

以上で「Noetherの定理」の証明は終わりました。

ここで,古典解析力学で多体系に対して定義されるPoisson括弧式:

 

[u,v]P.B.

≡Σs[(∂u/∂qs)(∂v/∂ps)-(∂u/∂ps)(∂v/∂qs)]

 

を連続体の場の理論に拡張します。

 

場φi(x)に正準共役な運動量πi(x)をπi(x)≡/∂(∂0φi)

で定義して,Poisson括弧式を,

  

[u,v]P.B.

Σi[(∂u/∂φi)(∂v/∂πi)-(∂u/∂πi)(∂v/∂φi)]

 

とします。

これを使用すると,場の量φ={φi(x)}とNoeter保存量:Qについては,

i(x),Q]P.B.Σk[(∂φi/∂φk)(∂Q/∂πk)-(∂φi/∂πk)

(∂Q/∂φk)]∂Q/∂πiと書けます。

 

Q=∫j0(,t)d3,j0(,t)=j0(x)

=Σk{∂/∂(∂0φk)}Gkj,∂μφj)-η00j,∂νφi)

=Σkkj,∂μφj)πk(x)η00j,∂νφi)

です。

 

ij,∂μφj),μj,∂νφi)が∂0φj,またはπjと独立な場合,

∂Q/∂πiij,∂μφj)なので,

i(x),Q]P.B.=Gij,∂μφj)なる等式が得られます。 

すなわち,この無限小変換に際しては,δLφi=ε∂Q/∂πi

εi(x),Q]P.B.が成立します。

 

このような関係を満たす量Qを,この変換の生成子(generator)

と呼びます。

 

理論を不変(作用を不変)に保つ対称性変換に対しては,Noether保存量Qが常にその変換の生成子になっていると考えられます。

一方LπiδL{/∂(∂0φi)}=∂(δL)/∂(∂0φi)

=ε{∂(∂μμ)/∂(∂0φi)}ですが,先にも述べたように,

μj,∂νφi)が,∂0φjまたはπjと独立な場合を想定するなら,

δLπi=0 です。

 

また,i(x),Q]P.B.Σk[(∂πi/∂φk)(∂Q/∂πk)-(∂πi/∂πk)(∂Q/∂φk)]=-∂Q/∂φiであることもわかります。

 

そこで,φi(x),πi(x)の汎関数で与えられる任意の物理量を,

A=A(φjj)とすると,この対称性変換によるAのLie変分は

 

δLA=Σk[(∂A/∂φk)δLφk(∂A/∂πk)δLπk(x)]で,

δLπk=0 ゆえ,δLA=εΣk(∂A/∂φk)δLφkとなります。

 

一方,ε[,Q]P.B.=εΣk[(∂A/∂φk)(∂Q/∂πk)-(∂A/∂πk)(∂Q/∂φk)]Σk[(∂A/∂φk)δLφkε(∂A/∂πk)(∂Q/∂φk)]と書けます。

 

物理量QがδLφi=ε∂Q/∂πiεi(x),Q]P.B.を満たし,変換の生成子となっている場合,

 

一般にδLA=ε[,Q]P.B.となるであろうという予測に基づいて考察していたのですが,今のところは,どうもうまくいきません。

 

古典論でLie微分とPoisson括弧は,HamiltonianをHとして,

A/dt=[,H]P.B.なる関係があることから類推して,

 

Lie変分についてもPoisson括弧は同等な内容を与えるであろうと思ったのですが,当面はこの項目の議論を延期します。(Pendingです。)

 

(Arnoldの「古典力学の数学的方法」やAi.George(ジョージ・アイ)の「物理学におけるリー代数」,あるいは微分幾何や力学系の本でも読めばいいのかしら。。)

今は古典場の話をしているのですが,u,vが量子論の演算子,または作用素である場合には[u,v]を交換子:[u,v]≡uv-vuと定義します。

 

古典論のPoisson括弧と量子論の交換子の間に[u,v]P.B.=[u,v]/(ihc)なる対応原理を与えれば,これは古典論を量子化して量子論にすることと同等であるという命題が,Diracらによって示された,という歴史的経緯もあります。

 

ただし,hc≡h/(2π)はPlanck定数です。

この対応原理を適用すれば,古典論の生成子Qに対する

i(x),Q]P.B.=Gij,∂μφj)なる基本式は,

 

Qが演算子であって,φi(x)が量子場を示す演算子である場合には,

(i/hc)[i(x)]=Gij,∂μφj)なる表式に変わります。

 

そこで,この対称性変換での量子場の無限小変換は,

φi(x)+δLφi()=φi(x)+εij,∂μφj)

φi(x)+(iε/hc)[i(x)] と書けます。

ここで,θをパラメータとする場φi(x)のユニタリ(unitary)変換:

exp(iθ/hc)φi(x)exp(-iθ/hc)を考えると,

 

この変換において,特にθが無限小:θ=εの場合,

 

これはexp(iε/hc)φi(x)exp(-iε/hc)

φi(x)+(iε/hc)[i(x)]と書けるので,

 

φi(x)+εij,∂μφj)

=exp(iε/hc)φi(x)exp(-iε/hc) となります。

 

したがって,この変換に伴なって場が受ける変換は,Noether保存量Qに相当する演算子を生成子(generator)としたユニタリ変換という形で表現されることがわかります。

そして,古典場の場合と同様,Aをφi(x),πi(x)の任意の汎関数とすると,δL(iε/hc)[,]ですから,

exp(iε/hc)Aexp(-iε/hc)=AδLAとなるはずです。 

これ以上の余談的な考察を続けるには,対称性変換が線型リー群と呼ばれる変換群を形成し,群全体の代数的性質を決定するには無限小(接触)変換を調べれば十分であること,

 

それ故,"群の生成子の線型結合やそのPoisson括弧,または交換子で構成される線形空間=リー環,あるいはリー代数"の構造を調べればよい,とかいった数学的議論になると思われるので,

 

何かその種の数学の本を参照しなければ無理ですが,この記事での本題ではないので,そうしたことは,またの機会に譲って次に移ります。

,必要なのは場のエネルギー運動量テンソルですが,これは並進,つまり,時空座標の平行移動変換:x=xμ+εημ=xμ-δμに対して作用が不変なこと,

 

すなわち,時空の一様性,言い換えると時空座標の原点をどこに取ろうと理論は同じであるという性質から得られるNoether保存量です。

 

この対称性を有するLagrangian密度は,これまで前提としてきた最も一般的な形の座標xを陽に含んだもの:(x,φi(x),∂μφi(x))ではなくて,xを陽には含まない(φi(x),∂μφi(x))なる形と考えます。

そして,この場合の変換ではgi0 なので,x=xμ+εημ=xμ-δμに伴なうφiのLie変分はδLφi(x)=εGij,∂μφi)=δρρφj(x)となります。

また,Sだけでなくもこの座標変換の不変量であると考えると,δL=ε∂μi{∂/∂(∂μφi)}Gij,∂μφj)]=ε∂μμj,∂μφi)=δρρ が成立します

そこで,関数が座標xに陽には依存しない場合のNoeter保存カレントの表式:jμ(x)=Σi{∂/∂(∂μφi)}Gij,∂μφj)μj,∂νφi)の両辺にεを掛けた等式で,εGij,∂μφi)=δρρφjμj,∂νφi)=δρρを代入します。

 

この時空座標の平行移動の対称変換については「Noetherお定理」の証明における最後の式ε∂μμ(x)=0 を意味するものとして,δρμi{∂/∂(∂μφi)}∂ρφi-δρμ]0 なる恒等式が得られます。

したがって,この場合は唯一の無限小パラメータεに関する恒等式:

ε∂μμ(x)=0 から,唯一のカレントjμ(x)の保存:

μμ(x)=0を導き出した前記の証明での手続きにおけるものとは違う形の恒等式が得られます。

 

すなわち,ρ=0,1,2,3の各々に対応した独立な4つの任意パラメータδρに関する恒等式:δρμi{∂/∂(∂μφi)}∂ρφi-δρμ]0

を得ます。

 

それぞれのρに対応して,∂μρμ(x)=0 を満たす4つのNoether保存カレントjρμ(x)が存在することがわかります。

 

それらは,jρμ(x)=Σi{∂/∂(∂μφi)}∂ρφi-δρμ

で表現されます。 

そして,これら時空座標の平行移動に対する理論の不変性に伴なうカレントjρμ(x)を特にTρμ(x)と書いて,これを(正準)エネルギー運動量テンソル(canonical energy-momentum tensor)と呼びます。

 

この場合,保存カレントjμ(x)の第ゼロ成分から構成され,変換の生成子を形成するNoether保存量:Q=∫j0(,t)d3も4つの保存カレントjρμ(x)=Tρμ(x)に対応して,ρ=0,1,2,3の各々の平行移動変換の生成子を形成します。

これら4つの"生成子=Noether保存量"をQρ≡∫Tρ0(,t)d3と表記することにします。

 

さらに,混合テンソル表現;Tμν=Σi{∂/∂(∂νφi)}∂μφi-δμνを反変テンソル表現に変えて,

 

μν=ημρρν=Σi {∂/∂(∂νφi)}∂μφi(x)-ημν

と表わせば,Qμ=∫Tμ0(,t)d3と書けます。 

ところが,元々Noether保存カレントやNoether保存量は,全体に共通の定数を乗じても保存方程式を満たす保存量としての意味は同じです。

 

これは,単位はどのように取ってもかまわない,という意味でもありますが,要するに,その定義には定数係数だけの任意性があり一般に一意には決まりません。

しかし,時間の一様性,つまり時間tについての無限小平行移動:t*=t-ηに対する不変性に伴なう"Noether保存量=生成子"は系のエネルギーEであり,空間についての無限小平行移動*δに対する不変性に伴なう"Noether保存量=生成子"は系の運動量である,とされています。 

また,0=∫T00(x)d3=∫i{∂/∂(∂0φi)}∂0φi]3の右辺は,系のLagrangianをL=∫3と書いたとき,

 

多粒子系のHamiltonian:H=Σi{∂L/∂(dqi/dt)}(dqi/dt)

-L=Σii(dqi/dt)-Lの連続体への拡張になっていることが

明らかです。

 

それ故,0系のエネルギーEを意味すると考えられるので,

0=E=∫T00(x)d3と書けます。 

ところが,時空座標の無限小の平行移動x=xμ-δμのうち,特に保存量:Q0の存在を保証する第ゼロ成分の座標x0=ctに関する平行移動:

*0=x0-δ0を,時間座標tに関するそれで表現すると,

ct*=ct-δ0,またはt*=t-δ0/cとなります。

そこで,恒等式δρμρμ(x)=δρμi{∂/∂(∂μφi)}∂ρφi(x)-δρμ]0 から決まるカレントρμ(x)によって,

0=E=∫T00(x)d3を与える恒等式のρ=0 の成分に対する係数パラメータはδ0ではなく,t*=t-δ0/cに対応してδ0/cです。

 

パラメータ係数δρの無限小変換から定まるカレントρμ(x),あるいは保存量Qρをρについて対等に扱うと,

 

ρ=0 のt*=t-δ0/cに対応するQ0=Eから,保存量の反変ベクトル

μ(Q0,)が,4元運動量PμによりQμ=Pμ/c=(E,/c)

と表現できることがわかります。

余談ですが,一般に時空の一様性は,対象領域が空間の一部に限定されたような場合には成立しません。

 

例えば熱統計力学を考察する際に通常設定される狭い箱の中に閉じ込められた多粒子系というモデルでは,空間の一様性に起因する運動量保存は成立せず,時間の一様性によるエネルギー保存のみが成立します。

さて,電磁場の場合,私がかつて学生時代の専門としていたQED(量子電磁力学)のように微視的個数の電子と光子の衝突散乱などを対象とする場合,

   

空気のような媒質中の現象を対象とする場合は,物質中の電場,磁場でも真空中の微視的効果の巨視的平均と考える「Lorentzの電子論」と同じく,基本的に光子を表わすものとして真空中の電磁場のみを考えます。

そして真空中の物理系であれば「電磁気学と相対論(6)(真空中の電磁気学5)」で書いたように,不変質量密度がμ0で携帯電流密度がsμの真空中にある連続物質の帯電体も含め,

 

系全体のLagrangian密度は=-(c2ε0/4)Fμνμν-Aμμ-μ02=(-c2ε0/4)(∂Aν/∂xμ-∂Aμ/∂xν)(∂Aν/∂xμ-∂Aμ/∂xν)-Aμμ-μc2(1-2/c2)1/2と書けます。

 

そして,自由物質場の項:-μ02や電磁場と物質電荷密度の相互作用項-Aμμを除いた自由電磁場のLagrangian密度項は,

E≡-(c2ε0/4)Fμνμνとなります。

この総Lagrangian密度に対して上述のEuler-Lagrangeの運動方程式:

{∂/∂φi}-∂μ{∂L/(∂μφi)}=0 における場φi(x)を,

電磁場Aν(x)に置き換えれば,確かに電磁場のMaxwell方程式:

∂Fμν/∂xν=-sμ/(c2ε0)が得られます。

そして,このLagrangian密度からNoether定理に基づく系の(正準)エネルギー運動量テンソルの反変テンソル表現Tμνを求めると,

μν=Σi{∂/∂(∂νφi)}∂μφi(x)-ημν

{∂/∂(∂νρ)}∂μρ-ημνL となります。

 

これが,先に別の考察から得られたエネルギー運動量テンソルの表現:

 

μνθμν+Sμνμν≡μ0μν,

μν≡-(c2ε0)[Fλμλν-(1/4)ημν(Fσρσρ)]

=-(c2ε0)[ημδλδλν-(1/4)ημν(Fσρσρ)]

 

と完全に一致すればよかったのですが,実は∂tμν/∂xν=0 を満たす

テンソルtμνだけ違っています。

すなわち,真空中で特に物質場を無視した電磁場単独のLagrangian密度:

E=-(c2ε0/4)Fμνμνに対し,Noether保存量として得られるエネルギー運動量テンソルの反変テンソル表現は,

 

Eμν{∂E/∂(∂νρ)}∂μρ-ημνE

=-(c2ε0)[-ημδδλλν-(1/4)ημν(Fσρσρ)]

 

となります。

 

上にも述べたように,この表現は真空中の電磁気学のこれまでの議論から得られた電磁エネルギー運動量テンソルの表現:

μν=-(c2ε0)[ημδλδλν-(1/4)ημν(Fσρσρ)]

とは微妙に異なっていて.

 

μν≡-(c2ε0μδλδλνとすれば

μν=TEμνμνとなります。

 

Noetherの定理によって,もちろん∂TEμν/∂xν=0 ですが,

運動方程式:∂Fμν/∂xν=0 より,明らかに

∂tμν/∂xν=-(c2ε0μδ(∂λνδ)Fλν=0 ですから

 

Eμν,Sμνのいずれを電磁エネルギー運動量テンソルとして採用しても問題はありません。

 

しかし,Sμνの方は対称テンソルでかつtraceless(対角和がゼロ)という閉じた系でのエネルギー運動量テンソルの条件を全て満足していますから,

 

通常は素朴なNoetherカレントTEμνではなく,これにtμνを加えたSμνを電磁エネルギー運動量テンソルとします。

 

物質中と異なり真空中の電磁場については,これで異論もなく全く問題はありません。

 

一方,物質中の電磁場に対するMinlowskiの電磁エネルギー運動量テンソルSμνもAbrahamのそれ:Aμν,元々物質が電磁気的に等方的な場合,

 

すなわち,εを誘電率,μを透磁率として,Hμνν/c2

=εFμνν,Fμνλ+Fνλμ+Fλμν

=μ(Hμνλ+Hνλμ+Hλμν)と書ける場合,

 

ε→ε0,μ→μ0としたとき真空のSμνに帰するよう作られています。

そして,Minkowskiの電磁エネルギー運動量テンソル:Sμν=-ηνσμλσλ+(1/4)Fλσλσημνが,(正準)エネルギー運動量テンソル:

Eμν=ημρEρν{∂E/∂(∂νρ)}∂μρ-ημνE に,

μνを除いて一致するような電磁場のLagrangian密度Eを考えて,

E=-(1/4)Fλσλσとします。

 

これは,ε→ε0,μ→μ0では確かに真空中のLagrangian密度:

E=-(c2ε0/4)Fμνμνに一致します。

 

このE=-(1/4)Fλσλσにおいて,λσ=∂λσ-∂σλであり,

0系ではE0=-(1/4)0λσ0λσ=-(2ε/4)F0λσ0λσです。

 

(正準)エネルギー運動量テンソル:TE0μνはTE0μν+t0μν

{∂E0/∂(∂0νρ)}∂0μ-ημνE0+t0μν

=-ηνσ0μλ0σλ+(1/4)F0λσ0λσημν=S0μν

となります。

 

すなわち,静止系S0ではTE0μν+t0μνはMinkowskiの電磁エネルギー運動量テンソルS0μνに一致します。

 

そこで,テンソルの性質から任意のS系においてもTEμν+tμν=ημρEρν{∂E/∂(∂νρ)}∂μρ-ημνE+tμν=Sμνです。

  

それ故,Noether理論による電磁エネルギー運動量テンソルTEμν+tμνが,Minkowskiの電磁エネルギー運動量テンソルSμνに一致することがわかります。

さらに,系全体のLagrangian密度は携帯電流密度sμを全電流密度Jμに変えた形のE-Aμμ-μ02

(1/4)Fλσλσ-Aμμ-μc2(1-u2/c2)1/2になります。

 

そこで,Aν(x)についてのEuler-Lagrangeの運動方程式

{∂/∂Aν}-∂μ{∂L/(∂μν)}=0 も拡張されたMaxwell方程式

である∂Hμν/∂xν=-Jμになります。

 

したがって,Noetherの定理の観点から電磁エネルギー運動量テンソルを見直すなら,Abrahamの表現と比較してMinkowskiの表現の優越性が示されるようです。

 

部分的な電磁場のみのテンソル:TEμν+tμν=Sμνが非対称でも,物質場を含めた全体のテンソルμν=θμν+Sμνは対称テンソルになることが可能なので,電磁エネルギー運動量テンソルについてはMinkowskiの非対称な表現でも問題ないと思います。

 

参考文献:九後汰一郎 著「ゲージ場の量子論Ⅰ」(培風館),L.Fonda and G.C.Ghirardy 著「Symmetry Principles In Quantum Physics」(Marcel Dekker Inc. New.York(1970))

 

PS:「インターネット検索」から,Michael Forger and Hartmann Römerによる表題「Currents and the Energy-Momentum Tensor in Classical Field Theory」の2003年の論文:

(http://arxiv.org/abs/hep-th/0307199)を見つけて入手しましたが,

印刷すると91ページの大部で読むだけでも大変です。

そこで,取り合えずざっと眺めてみましたが,その限りでは上で論じたような計量が平坦なημνの時空上だけではなく,一般の曲がった計量gμνを持つ時空上の話を想定しているようです。

 

平坦な時空でNoether保存量としてエネルギー運動量テンソルを得る基になった時空の対称性,すなわち単純な"時空座標の平行移動に対する不変性=時空の大域的一様性"は曲がった時空においては局所的領域で考える必要があることなども述べられています。

そして,電磁場のようなゲージ(gauge)場と物質場との総和の総Lagrangian:L=Lg+Lmを考えているわけですが,

 

gを自由ゲージ場のLagrangianとして,物質場とゲージ場の相互作用項はLmの中に含めた表現を取るとき,gについては論じる必要がなく改善された正しい総エネルギー運動量テンソルは物質場のLagrangianLmのみから決まるということが述べられています。

次に,上のLmをさらに物質場と"時空自身の重力場=ゲージ場"とに分割して改めてLg+Lmと書けば,Noether保存量として得られる総エネルギー運動量テンソルTμνはTμν=-2δLm/δgμνなる式で与えられ,

これはgμνが対称なので必然的に対称テンソルであるという話を数学的に展開しているようです。

 

これは真空中の場であり,それゆえ上記ブログ記事での物質中の電磁場のMinkowskiやAbrahamの話とは関係がなさそうです。

 

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2008年6月19日 (木)

重力崩壊によるブラックホール形成についての小考察

好評発売中の「趣味で物理学」に続き,最近「趣味で相対論」が新発売となったばかりの著書でも有名なEMANさんのホームページ「EMANの物理学(談話室)」でのトピック「連続的な重力収縮」のツリーに関連した記事を書きました。

重力崩壊(重力収縮)によるブラックホールの形成過程では,重力崩壊も質量を持つ物体の重力による自由落下のプロセスには違いないので,遠方の観測者である我々にとってはいわゆる星の外核質量が臨界面を通過して崩落する際に見かけの特異面である事象の地平面まで到達するのに無限大の外部時間がかかるのではないかという疑問があります。

これに関連して派生した話題で,重力場の方程式の球対称な解であるシュヴァルツシルト解(シュワルツシルト解,シュバルツシルト解)は,中心にある重力源が質点である場合のみの特殊な解ではないか?という発言に対して次のようなコメントがありました。

 >シュヴァルツシルト解は球対称を仮定したのと,あとはニュートン近似に合うように調整しただけなので,質量が全て中心の一点に集中していない場合であっても適用していいと考えています。

以下は,私が最初はこのコメントをフォローする意図で書いた文章と,それに続いて,幾分脱線気味ですが,このトピックの全体像に対しても発言をしたものを本ブログ用にまとめたものです。

 ニュートンの万有引力の法則を考えても,質量Mで半径Rの太陽が中心にあるだけとした太陽系の太陽半径の外側r>Rの重力場を表わす際に,場の中心の太陽を質点近似せず,普通に太陽は有限な半径Rを持った体積有限の球であるとしても,重力場の万有引力ポテンシャルUが太陽中心の1点に全質量Mが集中しているとした質点に対するポテンシャルU=-GM/rと全く同じであることが簡単な計算からわかります。

 そこで,ニュートンの万有引力の法則が球対称シュヴァルツシルト解の重力が弱い場合の正しい近似であるという事実から,シュヴァルツシルト解に対する上のコメントでの指摘も全くその通りだと思います。

 また,ブラックホールを語るのに,必ずしも球対称でそれゆえ定常解となるシュバルツシルト解だけでなく,角運動量のある場合に相当するカー解(Kerr解)なども含めた一般の軸対称解などをも考慮すべきだとのご意見もありました。

 

 しかし,私は古典論でブラックホールを考える際には,現実のわれわれの太陽を中心とした惑星の公転などの2体問題に用いても,ニュートン力学の万有引力に対する解と同じく,近似的に正しい公転軌道である楕円軌道を与え,また水星の近日点の移動も十分な精度で表現できる球対称シュヴァルツシルト解(S波)のみで考えても十分であると思います。

 

 なお,シュヴァルツシルト時空における"測地線=自由落下軌道"として大げさな方法で惑星の公転軌道を導いたものとして,2007年4/27の記事「シュヴァルツシルト時空内の測地線(惑星の公転軌道)」があります。

 

 また,これを応用して水星の近日点の移動を計算したものが2007年4/29の記事「惑星の近日点の移動」にあります。 

 

 よかったらご覧ください。

 

 また,以前,2006年8/25の記事「ブラックホールの形成時間」では簡単な考察を述べただけで,ブラックホール形成の明確な具体的な描像を与えることをしませんでした。

 

 しかし,今回は急に真面目な考察をする気になったので,一応,一般相対論を駆使するようなむずかしい計算に頼ることなく,近似的な話としてこれの簡単な説明をしてみます。

まず,重力崩壊をするはずの星の半径をR,星の全質量をMとします。

 

特に現状の重力崩壊前ではR=R0=一定とします。

 

そしてMが星の中心に集中しているとした場合の,シュヴァルツシルト時空のシュヴァルツシルト半径をRsとすると,cを光速としてRs2GM/c2となります。

 

これは星が太陽の場合の質量Mに対しては,約3kmであり,もちろん,この場合はRs<<R0ですから,現状では太陽はブラックホールではなく半径の外に事象の地平面が現われることもありません。

 ちなみに,たとえ太陽がブラックホール化したとしても,太陽質量Mが今と同じままなら,我々の生命の源泉である太陽からの光,あるいは熱エネルギーが途絶えてしまうというような重力以外の効果を抜きにすれば,太陽系の中心にある"太陽=ブラックホール"の半径約3kmの事象地平面から外の領域で,はるか遠方にある地球に及ぼす太陽の重力は以前と変わりがあるわけではなく,地球は従来通りの公転軌道を描くはずです。

 そして,星の密度が均質であるという一見バカげていますが,それほど見当違いでもない理想化をすれば,"星の半径Rより内側=星の内部=中心からの半径r<Rの位置"で物体に働く重力は,それが球対称な引力で中心力であることを考慮し,さらにガウスの定理を用いると,大きさFがrに比例することがわかります。

単位質量の物体に働く力で考えると,r<Rでのrに比例した大きさを持つ引力がr=Rでr≧Rでの万有引力=-GM/r3に連続的につながり,=―∇Uで与えるポテンシャルUもr=Rで連続でr≧RでのU=-GM/rになるとすれば,星の内部r≦Rでは=-GmM/R3,U=-3GM/(2R)+GMr2/(2R3)となるはずです。

星の内部での引力を与える重力場はシュヴァルツシルトの外部解で与えられるものではないのは明らかです。

 

そこで,相対性理論で考えても,星の質量Mが不変に固定された場合の仮想的な事象地平面(半径Rsの球面)よりも外側のRs<r≦Rにある部分質量が重力崩壊という名の自由落下で,固定地平面r=Rsまで到達するまでの外部時間は有限であって,決して無限大ということはないと考えられます。 

 しかも重力崩壊の過程において,落下していく際の目標である仮想地平面がシュヴァルツシルト半径r=Rsの固定地平面であると考える必要もありません。 

現状の太陽のように重力崩壊が無視できて,R=R0=一定である状態では,密度が均質の仮定の下でr≦Rを満たす任意のrに対して,半径rの球の内部の質量はm=M(r/R)3です。

 

このmに対するシュヴァルツシルト半径を考えて,それを,rs(m)≡2Gm/c2=Rs(r/R)3と書けば,rs(m)<Rsです。

 

それ故,太陽の場合ならm<Mに対するrs(m)はMに対する仮想半径Rs=約3kmよりも,さらに小さいわけです。

 

そして,現実にはr>rs(m)を満たすrの位置にある部分の質量がrs(m)<Rsを満たす半径rs(m)の仮想地平面を目指して落下していくわけです。

 

固定面Rsに落下する質量について,上でも述べたように,rs(m)へと落下していく質量が存在する位置のrに対し,"宇宙空間=星の構成物質の質量がゼロの空間"との境界で定義される星の表面を示すその時点での星の半径Rはもちろんr≦Rを満たしています。

 

それ故,rs(m)<Rなので落下運動はシュヴァルツシルト時空に支配されるわけではないため,落下してr=rs(m)に"張り付く"までの外部時間は有限なはずです。 

そして崩壊(収縮)が進んで星を形成する質量やエネルギーが次第に中心部に集中してゆき,中心部の質量mがm→ Mと大きくなると,ブラックホールができる前の段階では中心部のみの質量mによる仮想地平面の半径rs(m)=2Gm/c2,m→Mに連れて大きく膨らんでいきます。

一方,星の半径の方は逆にR→小と痩せていくわけですが,仮想地平面が星の内部にあってrs(m)<Rである限り,現実に星の外に事象の地平面があるブラックホールではないので,質量が重力によって自由落下して中心部が質量的に太る重力崩壊の過程で,無限大の外部時間がかかるわけではなく有限時間で終了します。

 結局,質量の自由落下m→Mに連動したrs(m)→ 大,かつR→小の末にはrs(m)=Rとなって,仮想地平面が星の表面に全く一致した状態になりますが,これはr=Rでのrs2Gm/c2=Rs(r/R)3がRに一致すること,つまりrs(m)=R=Rsとなることを意味します。 

そしてまた,これは星の内部質量がm=Mとなった状態,すなわち,全質量Mが中心部に崩壊落下した結果,膨らんでいきつつあった仮想地平面の半径rs(m)がついにはRs=rs(M)と一致し,仮想地平面が星の表面まで達したため,仮想から現実の地平面になる瞬間を示しているわけです。

そして,この瞬間までの重力崩壊の間,実質上のシュヴァルツシルト半径であるrs(m)は崩壊中の時々刻々の星の半径Rより常に小さくて,星の内部にあるため,r=rs(m)の球面は,まだブラックホールの事象地平面としての意味を持たず,この状態に到達するまでの外部時間は無限大ではなくて有限です。

 

すなわち,重力崩壊において星を構成する外核物体が落下して,いわゆる事象の地平面に"張り付く"までの時間は,落下物体の固有時間だけではなく,外部観測者にとっての時間でも決して無限大ではなく,有限であることが明確に示されたと思います。

 さらに,R=Rsとなった瞬間から後にも更なる質量の中心への集中過程で,R<Rsとなって星の半径はシュヴァルツシルト半径よりも小さくなっていく,言い換えると相対的に事象の地平面が星の外部にせり出して本格的にブラックホールが形成されていくわけです。

 

 こうした更なる質量集中のプロセスは,事象地平面の内部の力学に支配されると考えられるので,これについて無限大の時間がかかるという類の困難はもはや存在しないと思います。

  

 以上の考察に大きな誤りがないなら,

 

 星の半径Rについての時間,つまり"(R=Rsとなって地平面に張り付くまでの時間)+(R=RsからR<Rsとなるまでの時間)=(ブラックホールの形成時間)"が外部観測者にとっては無限大になる。

 

 そして,一方,宇宙開闢から現在までの時間は誰にとっても有限なため,真のブラックホールが存在するとしても,それは重力崩壊によって形成されたものではない。重力崩壊だけで形成されるブラックホールは現在も将来も存在し得ないのではないか?"

 

 という疑問に関しては,否定的に解決されたと思います。

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2008年6月18日 (水)

インモラルと人間の解放(再掲記事)

 このブログを始めた2006年の3月の終わりには,ブログを開始したばかりで少し張り切っていたこともありますが,2歳だけど今より若く,心臓手術を受けて障がい者のはしくれになった今とは違って普通に仕事もできていました。

 そのころの考え方を振り返ってみて,まあ2年しかたってないので当たり前でしょうが,今もほとんど心境は同じです。

 裏を返せば何の成長も進化もないわけですが,たまには手抜きをして過去の代表的な記事をそのまま再掲してみようと思います。

 以下,2006年3月24日の記事「インモラルと人間の解放」の再掲です。

 今日は,人間の解放とか倫理,モラルなどについて書きたい放題に書こうかなと思います。

 私が大嫌いな価値観(言葉)のひとつにモラルというものがあります。私自身はこのことに関連しては,自分は反社会的人間ではなく非社会的人間であると思っています。

 思えば,自分は,ものごころついてから高校卒業まで,あるいは浪人までは,子供であったせいもありますが,現状の社会の価値観を意識的にも無意識的にも自動的に受け入れ,自慢ですが体育の実技以外のペーパーテストでは,いつも成績トップクラスでした。

 そして,当時ではそういう子供がやるのが当然の学級委員などを毎回やる,世間でいわゆるところの優等生であり,性格なのかわかりませんが無口でもあったため,「おとなしいいい子ね。」とほめられて喜ぶ今思えば「やな奴」でした。

 たまたま,大学入学前後の時代が東大安田講堂攻防戦などもあって,大学に入っても学内は封鎖中であったり,スト決行中であったりして,学生運動や当時の学生の流行でもあったマルキシズムの洗礼を受けたのが結果的には現在の「価値観=思想」の形成を決定づけた主要な原因になったと思います。

 まあ,時代のイデオロギーや環境にあまり影響を受けず自分を貫くような人もいるだろうことは否定はできませんが,私自身はモロに影響を受けました。そもそも唯物論を示す有名な言葉「存在が意識を規定する」とマルクス自身が言っているではありませんか。

 「国際勝共連合=統一教会」の歌に「人は決して物じゃないトコトットット云々」というのがあったと思いますが,唯物論は決して物質(至上)主義ではありません。

 極端な話,ユングやフロイトなどにはじまる心理学ですら,「ア・プリオリ(先験的)な意識があって,存在(あり方)を規定している。」とするわけではなく,「彼にそういう心理が生じたのは,実は何らかの"原因=事件"があったからである。」ということを追求する学問であると思っていますが,それは科学であるし近代的な唯物論そのものですよね。

  ともかく,そうした運動にまきこまれた結果,無口な性格,優等生的価値観はガタガタとくずれていきました。

 今ではそれでよかったと思います,後悔はしていません。むしろ,そのまま上を向いて生きていったとしたら,と思うとゾッとします。

 無口ではなく,しゃべること,自慢もふくめて自己主張することは決して悪いことではない,純粋にアメリカ的個人主義というわけではないけれど,どんどんしゃべるようになりました。

 そう,今は,むしろ,おしゃべりですね。自分としては耳が悪いわけではなくて「聞かれて困るようなことなんか何もないから声が大きいんだ,コソコソ小声でやってたら,むしろ陰口でも言ってるのじゃないかと思われるじゃないか。」というのが口癖になりました。

 もっとも,スパイだの秘密諜報員だのをやってるんだったら,おしゃべりだの声が大きいだのは,それこそ聞かれると困るわけですから駄目なんですけどね。それに「口外しないでくれ」と頼まれれば,もちろん,しゃべりません。

 TPOはあります。学生運動,社会運動などでも官憲に聞かれて困ることは多いので,やはり,のべつまくなしにしゃべるのはどうかなと少し反省することもありました。

 まあ,そのほかにも,余談ですが同じ下宿にいた人でT大の理系を1年で中退して私の入っていた大学の哲学科に入学し直したという奥野さん,という変人の先輩と仲良くなり卒業してからもつきあっていて,しゃべるとか自己主張する,とかいう意味ではずいぶん,影響を受け,お世話にもなりました。

 今は会いたいけれど,どこでどうしているか知らないし,音信不通です。

  「沈黙は金なり」,「口は災いのもと」,「無口なのが男らしい」(「男は黙って○○ビール」)などというのは,そればかりではないですが,すべて当時の権力者,為政者が,庶民には忍従していてもらいたい,何か批判や主張を声高に演説などされてはたまらない,ということの現われだと思っています。

 西洋ではキリスト教などの,忍従してなんでも甘受する宗教がローマ帝国以来保護,優遇されていったのもそういうことでしょう。

 ニーチェの「道徳の系譜」ではないですが,その時代の支配的イデオロギーはその時代の為政者に都合のいいものが淘汰されて残り流行していく,というわけですね。

 もっとも,自分はニーチェの「英雄道徳」ではなくてショーペンハウアーの「同情道徳」のほうが好きですが。。。

  同情とか慈善とかいうと「上に立っている,見下している」,「慈善=偽善」ということだからやらないほうがいい,卑近な話,電車の中で老人などがすわっている席の前に立っていても席を譲ってあげるのは偽善だ,「席を譲るという行為で快感を感じたと同時に,既に報いを受けている。」と思っていました。

 若い頃は敢えてそうした行為をした直後にも,その頃の若さに特有な恥ずかしさと同時に後ろめたさをも感じていたものでした。

 しかし,今となっては,「たとえ偽善でもそれは偽善という名前の善には違いない,やらないよりまし」と思うようになりました。

 金持ちのはした金,あるいは売名行為とも思える庶民には多額の寄付金と,子供などがコツコツと貯金した金をふんだくる某テレビ局などの「慈善」とを,比べて,子供の寄付金のほうが多額の慈善より上だ,なんて思っても,現実の話,受ける側にとっては多額のほうがいいに決まっているのですよねえ。悲しい。。。

  いずれにしても,そうしたことも含めて,「上を向いていく=上昇志向する,出世したい,金持ちになりたい,名誉が欲しい」という生き方を否定し,「下を向いていく、下には下がある,世界には飢え死にしそうな人たち,先進国のエゴのために,戦場と化し悲惨な状況にある人を見て,微々たる力でもたまたま帝国主義本国に生まれてきたという理由だけで,幸福を享受している我が身を役立てたられたらいいな。」という生き方をめざすようになったわけです。

 私は,過去にやったことを"若気の至り"とかいって言い訳はしません。

 それはともかく,善悪というのは普遍的倫理でも何でもなく単なる一つの相対的な価値観に過ぎないですから,ときたま「性善説」とか「性悪説」などという言葉を説明用の術語ではなく真面目に論じている大人がいたりすると,本気で言ってるのか,と首をかしげることが多いです。

 善悪というのはイデオロギーであり,国によっても地域によっても,時代によっても違うものです。極端な話,人殺しは絶対悪かというと,戦場では敵である人をたくさん殺すと英雄になったりもするし,肉親を惨殺された人が報復として殺すことが本当に悪なんでしょうか。

 ただ,私自身,愛するものを理不尽に殺されたりしたことがないのでこれらのことは他人事ではありますが,権力によって代わって報復してもらうのは正直言ってイヤですね。私であれば自分でカタキをうちたいです。

 「ペストなどの疫病が流行ったり,戦争が起こったり,ホモ,レズが増えたりするのは,人が多くなりすぎて地球全体の生態系がこわれるのを防ぐ,"神の摂理"が働いている。」のだとすると,せいぜい法律とそれを支える罰則とか,"拘束力=暴力装置"としての国家だとか,による善悪の判断などは,結局,人間のサル知恵で考える相対的なものでしかないでしょう。

  これで,表題のモラルという話に戻るわけですが,どこかの教授ではないですけど「下半身には人格がない」ですね.

のぞきとか盗撮とか痴漢とかもあるわけですが,私自身も変態なのでそうした欲望はあります。写真とかビデオとかでそういうものを見て楽しんでもいますが,話によると実行したほうがより大きい快楽が得られるそうです。

 まあ,おそらく実行することはないと思いますが,実行した人がつかまって,家宅捜索でいろいろな変態的写真などが見つかって社会的に非難されていることがよくあります。

 しかし,そもそもそうしたものを個人で楽しむ分には何を言われる覚えもないでしょう。

 のぞき,盗撮にしても,それを受けた当人が気づかなくて社会的影響などの意味も含めて実害を全くこうむらないのであればアリだと思います。

 昔,感動を受けた題名には平岡正明 著の「すべての犯罪は革命的である」というのがありました。「造反有理」に通じるものを感じたからかもしれません。

 そもそも,人間はサルの一種なんです,真に解放されるには毛皮がないサルにはむずかしいけど,衣服を脱ぐ必要があります。

 変態の私は最高に解放されるということは男ですから最高に勃起する,最高の射精をする,ということでもあります。もっとも,歳のせいか,弱くて困ります。

 ところで,ある人に「俺はプライドなんか持ってない」と言ったら,「プライドのない人間なんかいるはずがない」と言われました。

 「そりゃそうだな,俺はプライドなんか持ってないというプライドをちゃんと持っているんだ。」ということに気づきました。。。。

 ということで脱線しそうだからやめますが,ライヒではないですが「インモラルは解放への最大の道だ」と断言して終わります。(再掲記事終わり)

 まあ,今思うと,現時点で刹那的に最大の快楽を得ることが私にとって最良であること,早く言えば,もちろん将来まで続いていけばいいのは当たり前ですが,先のことなど関係なく今さえ良ければいい=「いいじゃないの今が良けりゃ(←盗作?)」という生き方の方がいいと述べているだけです。

 先々の栄冠(=快楽?)に目標を定めるなどして,ストイックにコツコツと忍耐努力するような生き方よりも動物としての生態にマッチしていていいだろうという,社会的モラルからはずれているだろうことを述べているのです。

 しかし,このこと自体は最初に書いた上昇志向性を捨てることや同情道徳が好きであるという思想とは矛盾しています。

 当時も気付いていましたが,私は別に意識しなくても,自分の実存と社会性の矛盾した面を承知の上で使い分けるという,ある意味では二枚舌を使う姿勢を既に肯定してしまって開き直るような人間になっています。

 ところで,モラルというのは政治を行なおうとする側の発想であって,現状の秩序をこわすような争いを避けようとするものです。

 そこで,少なくとも精神的意味では人間は悟性である,あるいは理性そのものであることを求めるのですね。

 人間の動物ではない部分を強調しようとするあまり,感性的なもの,赤ん坊の頃には誰しもがそればかりで,それ故,むしろ若者に属する部分である人間の動物的な部分,本能に属する部分を顕わにすることを極端に恥かしいと感じて無理に隠そうとするような規範を与えるものをモラルと呼ぶのであろうと思います。

  そして,私の求める「人間の解放=幸福」は,動物であることを恥ずかしいなどとは思わず,個々人が感じるままに動物として忠実に生きていけること,ある意味で赤ん坊に回帰することを意味しているので,モラルに反するのは当然ですね。

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ついに羽生が永世名人に!!

 6月16,17日の名人戦の第6局で挑戦者・羽生(善治)が森内(俊之)名人を下し通算で名人5期となって規定により棋士引退後の19世名人に就位できることが確定したらしいです。(羽生義治 永世名人誕生(You -Tube 動画))

 プロの将棋というと,私は出身が倉敷で関西に近いということもあって,元々神戸出身の谷川(浩司)九段(17世名人)が中学生で"プロ=4段"になった頃からの彼のファンなのですが,歳のせいか彼の切れ味が鈍ってきたように見える頃から急速にプロ棋戦への興味が薄れてきています。

 谷川と羽生は世代が違い谷川がカミソリを思わせる特攻隊のような攻め将棋でとにかく危険をおかしても「光速の寄せ」と呼ばれる最速の寄せ勝ちをめざすのに対して,羽生も場合によっては「光速の寄せ」を見せるのですが,むしろ鈍刀といった感じで,若い頃からどんな局面でも冷静で老巧な対応ができるマルチ棋士という感じを受けていました。

 私が谷川を好きなのは彼の「光速の寄せ」という棋風に惚れたところもありましたから,ごく時偶に彼が振飛車や穴熊などを指すとイメージが狂う思いもありました。

 まあ,これが過去の私的には似た棋風と思う升田(幸三)や内藤(国雄),芹沢(博文),あるいは先崎(学),村山(聖)など勝負よりも美学を尊んでよく言えば潔い棋士とは違い永世名人にまで登りつめた所以であるかもしれません。

 その前の世代,大山(15世名人)は私の知らない時代の升田などと争っていた若い頃には攻めが中心でむしろ矢倉など居飛車をも指したらしいのですが,晩年は振飛車一辺倒で当時は振飛車というのは守りに偏した戦法と考えられ実際大山の守りは特別だったみたいです。

 その大山の牙城をくずしたのが特殊なバランス感覚を持った中原(誠)(16世名人)でした。中原氏の同世代の神童と呼ばれたクリスチャンなのに行動がらしからぬ加藤(一二三)氏はかわいげを感じて憎めませんが,同じように同世代の米長(邦雄)氏は棋風も含めてどうも好きになれませんね。

 まあ,いずれにしても勝負を争う将棋とか囲碁などでは攻めるべきか守るべきかの岐路における決断が勝負を決めると思われて,その際にかまわず攻めるか守ってまたの機会にするかの判断が重要な鍵になります。

 囲碁では劫,あるいは劫材の見極めが重要ですね。

 まあ,囲碁が19×19なのに対して,将棋は9×9なので遠方の火の粉が中央に飛ぶ危険性が高く,よそで優勢でも王様が死ねば終わりなので勝負も早く,あまり気長に楽しむことができないのでおそらくは囲碁とはタイプ的に似て非なるもので,単純に比較すること自体が間違いでしょう。

 実際,升田や真部など囲碁も強いらしい棋士もいましたが,プロまではいかず,違う才能だったようです。

 攻め中心,守り中心といってもそもそもごく微妙な比較の問題でプロの世界では,ある局面での最善手は一目で浮かぶのが普通らしく,アマのレベルで考えられるようなものではないと思います。

 日本全国1億人以上の中でプロは100人前後しかいない世界です。

 昔,米長七段(当時)と山田(道義)九段の棋譜を見て一見,攻めているほうが有利でその王は固く守られていてどうしようもないと思われた局面で1手のゆるみから,たちまち攻守逆転してまたたくまに終わってしまうという棋譜を見たことがあります。

 ,プロにとって,攻めが強い,守りが強いというのはプロの常識でも考えられないような常識はずれの「コペルニクス的転回」の攻め,あるいは守りの手を連続で思いつくような才能を持っているという意味です。

 永世名人はそうした特別な才能を持った天才だけがなれると思います。

 もちろん,この種のパターン認識に優れた天才があらゆる分野においても天才であるというわけではないでしょうが,以前の記事でも書いたように十分な専門バカと言えるという意味で尊敬に値します。

 谷川,羽生に比べて森内(18世名人)に何となく違和感を感じるのは,他の永世名人が名人位のタイトルだけでなく竜王,王将など他のタイトル戦でも活躍しているのに対して,森内氏は羽生氏に比較して名人位というタイトル戦以外ではあまり目立っていないという印象があるからでしょうか,

 また同世代で相次いで同時に永世名人が誕生したのも将棋界の過去にはないことです。

 私はといえば,昔は通勤時に新聞で棋譜を読むことや暇なときに気分転換で詰将棋を考えるというのは,1つの楽しみであり,プロの棋戦を棋譜などで楽しむことも自分の棋力を向上させるのに役立っていたという時代もありました。

 今はワザワザ他人の対局の棋譜も読みません。プロの対局に昔ほどの興味を失なってからも,ネットやごく偶に道場で将棋を指します。

 昔,戯曲にもなった阪田(三吉)氏が大戦後に棋界に復帰したときには,もはや勝負にこだわらず仙人のように将棋を楽しんでいたらしいといってもゲームとしての将棋は勝負を争うものであり,負けることを望んで対局するという境地ではなかったと思います。

 ところが,私は気分によっては"負けたい"という意図で将棋を指したりするので,もはや精神状態が普通ではないのでしょう。

 もはや,私の勝ち負けは強い弱いとか,うまいヘタとは関係なく,そのときの精神や,肉体の状態のバロネーターと化しているようです。そういえば心臓で入院する直前にはレーティングの点数が極端に下がりましたね。

 負けたいのならさっさと投了すればいいのでしょうが,それは将棋を指して負けたいという意味がないし,また相手に失礼だと思うし,別に負けようと思わなくても私はそんなに強くはないのでほぼノータイムで無意識に手なりで指せば,ときどき間違えて勝つ(偶然でも相手が即詰みになったら本能なのか詰めてしまうので)のを除いて,普通に負けるわけですから問題なしです。

 まあ,いずれにしても少し情熱が失せてきていますから,今年は8月の9.10日に愛知県の知多市で行なわれる予定の将棋のオフ会「夏合宿」に2年ぶりに参加して,この分野でも少しよみがえりたいと考えています。

 これはそもそもインターネットもなかっただろう時代の1990年に私が全国の棋友と将棋したいという理由からパソコン通信に参加するきっかけとなったニフテイの「将棋フォーラム(FSHOGI)」を受け継ぐ「将棋・チェスネット」http://www.shogi-chess.net/bbs/protect.plで毎年行なわれている行事です。

 現在は,審査もなく会費も無料で会員にはすぐなれますが,会員であるなしに関係なく,事前に申し込めば誰でも参加できるもので,旅費の実費を除けば安価(交通費を除いて15000円程度)で1泊2日ですが,温泉に入れて,プロのタイトル戦と同じく旅先での対局を楽しむことができるし,男子プロ,女子プロの指導も受けられるのでおいしいと思います。

 ニフティ時代の初代シスオペであった「柿木将棋」の柿木さんやプロの竜王戦にも現われた新戦法「西田スペシャル」の考案者のだにい(西田)さんなどアマでも名を知られた方が来られることもあります。過去には女流でかつてはアマ名人だったタバサさん(是安さんかな?)も来られました。

 女流プロは過去には,蛸島元女流名人,山田久美さん,寺下紀子さん,なども来られました。

 ここ最近は坂東香菜子さん(通称バンカナ)がいらしているようです。

 男子プロは現在は普及にも力を入れておられる北島(忠雄)6段が来られるのでしょうかね。

 ニフティ時代の昔には,私もフォーラム・スタッフの1員だったこともあり,この場を借りてこのオフ会「夏合宿」の宣伝しておきます。

 私は,仕事で使う大型コンピュータしか知らなかった40歳(1990年)のときにパソコンを購入して,それからすぐにパソコン通信を始め,ニフティ・サーブで「将棋フォーラム」から「科学フォーラム(FSCI)」」を知り,そこから派生した「物理フォーラム(Fphys)」に参加して現在に至ります。

 旧ニフティを引き継ぐ@niftyではフォーラムという制度は廃止され,こうした方針の異なる@niftyとは廃止前から袂をわかっていた将棋フォーラムの一部会員は「将棋・チェスネット」http://www.shogi-chess.net/bbs/protect.plを作ってこれを引き継ぎました。

 一方,「科学フォーラム(FSCI)」」「物理フォーラム(Fphys)」はfolomy  http://folomy.jp/heart/ においてこれを引き継いで現在に至っていますが,もはや過去のパソコン通信しかなかった時代の隆盛はないようです。

 本題の羽生名人とかけはなれ,かなり脱線してしまいましたが,むしろブログらしく久しぶりに趣味の1つである自分の将棋との関わりを述べる動機になりました。

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2008年6月15日 (日)

電磁気学と相対論(8)(物質中の電磁気学2)

一週間ほど西の方へ旅に出ていたため,前回のシリーズ記事からは

ずいぶんと時間が経ったので,私自身の復習も兼ねて,物質中の現象

論的な電磁力学に関する前回の話を要約し,それから新しい論題

に入ります。

 

前回の記事では,運動する物質中の電磁場に対して2つの2階

反対称反変テンソルFμν,Hμνを導入しました。

 

それによって,

電場,磁束密度,電束密度,磁場の強さを,

E=(E1,E2,E3)≡-c(F01,F02,F03),

B=(B1,B2,B3)≡-(F23,F31,F12),

D=(D1,D2,D3)≡-c-1(H01,H02,H03),

H=(H1,H2,H3)≡-(H23,H31,H12)

で定義しました。

 

そして,ρを物質の電荷密度,Uμを運動物質の4元速度:

μ≡(c/(1-2/c2)1/2,/(1-2/c2)1/2)として,

4元電流密度をJμ≡(cρ,)=ρ0μ+sμ

=(cρ,ρ),sμ=(s0,)

=Jμ-(Jλλ)Uμ/c2=(0,-ρ)

とします。

 

こうすれば,任意の座標系における電磁力学の基本方程式は,

∂Fμν/∂xλ+∂Fνλ/∂xμ+∂Fλμ/∂xν=0 ,

∂Hμν/∂xν=-Jμ と表現されます。

 

さらに,Fμν,Hμνから4元ベクトルFμ≡Fμνν

=((Eu)/{c(1-2/c2)1/2},(×)/(1-2/c2)1/2),

および,

μ≡Hμνν/c2

=((Du)/{c2 (1-2/c2)1/2},

{+(×)/c2}/(1-2/c2)1/2)

を作ります。

 

また,Fμν,Hμνに双対な擬テンソル

*μν≡(1/2)εμνλσλσ,

*μν≡(1/2)εμνλσλσ) を構成します。

 

そして,4元擬ベクトルF≡-F*μνν/c

=((Bu)/{c(1-2/c2)1/2},{-(×)/c2}/(1-2/c2)1/2)=((~)/{c(1-2/c2)1/2},~/(1-2/c2)1/2),

および,

≡-H*μνν/c

=((Hu)/{c(1-2/c2)1/2},{-(×)/c2}/(1-2/c2)1/2)

を作ります。

 

特に,0 の静止系S0では,

=(0,0),K=(0,0),F*0μ=(0,0),K*0μ=(0,0)

です。

 

これら4元ベクトルFμ,Kμ,F,Kを,S系のMinkowskiの

4元力の表現:Mμ≡((M)/c,M)

=({(Fu)/c}/(1-2/c2)1/2,/(1-2/c2)1/2)

と比較します。

 

すると,~≡×,および~≡+(×)/c2は,

それぞれ,単位量の試験電荷に作用する"canal field",および

"gap field"の電気力,

  

~=×,および,~=-(×)/c2は,

それぞれ単位磁極の試験磁荷に作用する"canals field",

および"gap field"の磁気力であることがわかります。

 

そして,S系での量~≡×,~≡+(×)/c2,

~=×,~=-(×)/c2の,S0系(0)での

表現:0,0,0,0に対しては,等方性媒質の場合,εを誘電率

μを透磁率と呼ばれる比例定数として0=ε0,0=μ0

書けます。

  

このことから,~=ε~,~=μ~,あるいは,

μ=εFμ,F=μKが成立し試験体に作用する

"canal field"の力と"gap field"の力が互いに比例する

という表式が得られます。

 

これらの式はまた,Hμνν/c2=εFμνν,

*μνν/c=μH*μνν/c とも書けます。

 

そして後者:F*μνν/c=μH*μνν/cは,

μνλ+Fνλμ+Fλμν

=μ(Hμνλ+Hνλμ+Hλμν)なる等式と同等

であることを示すこともできます。

 

さらに,σを電気伝導度とすると,S0系でのオームの法則は

0=σ0で与えられます。

 

そこで,sμ=(s0,)=Jμ-(Jλλ)Uμ/c2=(0,-ρ)

のS0系での形は,s=(0,0)=(0,σ0)=σF0μ 

と書けます。

 

それ故,S系ではsμ=σFμより,

μ-(Jλλ)Uμ/c2=σFμなる形で,オームの法則の

テンソル表現が得られます。

 

結局,電流密度Jμが与えられている場合の電磁力学の

基本方程式の閉じた形式は,

 

∂Fμν/∂xλ+∂Fνλ/∂xμ+∂Fλμ/∂xν=0 ,

∂Hμν/∂xν=-Jμと,Hμνν/c2=εFμνν,

 

μνλ+Fνλμ+Fλμν

=μ(Hμνλ+Hνλμ+Hλμν),

μ-(Jλλ)Uμ/c2=σFμ

 

の組で与えられます。

 

原理的には,これらから物質内の場を決定できるはずです。

 

ここで,物質と真空の境界で場の量が満足すべき境界条件は,

については方程式:

rot~+d~/dt=0,rot~+d~/dt=-ρu=s

を物質の境界面のすぐ内側と外側に相対する2辺を持つ小さな

長方形が囲む無限小面内で積分することから得られます。

 

これは,,あるいはの境界面に平行な成分が連続であるべき

という条件になります。

 

一方,については,方程式 div=0,div=ρ

を積分することにより,

 

の垂直成分:Bnは境界で連続であるべきで,

垂直成分:Dnは物質外部から内部に向かって境界表面

の電荷度分:ΔDnだけ不連続に変化してDn+ΔDnなる

べきという条件が得られます。

 

ただし,定義:~≡×,~≡+(×)/c2,

~≡×,~≡-(×)/c2における

"境界の外=真空領域"でも物質の速度に等しいとして

います。

 

先に2008年5/30の記事

電磁気学と相対論(6)(真空中の電磁気学5)」では,

 

μをローレンツの電子論における電流密度とするとき,

真空中での電磁気力の4元力密度fμが,

μ=ρ0μνν=Fμννなる表式で与えられる

ことを見ました。

 

4元力がこの形に書けることは,静電荷(=0)に作用する力

の密度がρ00であるという電場の定義から明らかです。

 

しかしε≠ε0,μ≠μ0の一般の物質内で作用する力の密度を

一意的に表現するのは容易ではありません。

 

このような力の定義の曖昧さは当然ながら,エネルギー運動量

テンソルの曖昧さを呼び起こします。

 

ともあれ,ここではまず電子論での話にならって,

μ=Fμννにおいて携帯電流ρのみで書かれた

4元電流密度sμを,ρに伝導電流(を加えた物質

における全4元電流密度Jμで置き換えた4元ベクトル量:

μννを取り上げて考えてみます。

 

場の方程式:

∂Fμν/∂xλ+∂Fνλ/∂xμ+∂Fλμ/∂xν=0 ,

∂Hμν/∂xν=-Jμ によって,

 

μνν=-Fμν(∂Hνλ/∂xλ)

=-∂(Fμννλ)/∂xλ+(∂Fμν/∂xλ)Hνλ

   

=∂(Fμνλν)/∂xλ

+(1/2)(∂Fμν/∂xλ+∂Fλμ/∂xν)Hνλ

 

=∂(Fμνλν)/∂xλ-(1/2)(∂Fνλ/∂xμ)Hνλ

=∂(Fμνλν)/∂xλ-(1/4)∂(Fνλνλ)/∂xμ

-(1/4){(∂Fνλ/∂xμ)Hνλ-Fνλ(∂Hνλ/∂xμ)}

 

が得られます。

 

したがって,

μνν(1/4){Fσλ(∂Hσλ/∂xμ)-(∂Fλσ/∂xμ)Hσλ}

=-∂Sμν/∂xνが成立します。

 

ただし,Sμν≡-ηνσμλσλ+(1/4)Fλσλσημν

です。

 

このテンソルSμνの空間成分;ij≡-tijを,

E=(E1,E2,E3)-c(F01,F02,F03),

B=(B1,B2,B3)-(F23,F31,F12),および

D=(D1,D2,D3)-c-1(H01,H02,H03),

H=(H1,H2,H3)-(H23,H31,H12)

を用いて表わすと,

 

ij=Eij+Hij-(1/2)(EDHBij

となります。

 

それ故,Sμνの空間成分Sijにマイナス符号をつけた

ijは,静止系S0では物体におけるMaxwellの応力テンソル

に一致します。

 

さらに,/c≡(S01,S01,S03)と定義すれば,×

ポインティングベクトルになっています。

 

また,h≡S00とするとh=(1/2)(EDHB)となります。

 

すなわち,静止系S0ではおよびhはそれぞれ定常運動して

いる物体の電磁エネルギー流,および電磁エネルギー密度に

一致します。

 

また,c≡(S10,S20,S30)で与えられる3次元ベクトル

すると×となり,真空中の理論からのアナ

ロジーで,これは電磁運動量密度を示していると思われます。

 

これらのことから,

μνν-(1/4){Fσλ(∂Hσλ/∂xμ)-(∂Fλσ/∂xμ)Hσλ}

=-∂Sμν/∂xν の左辺がこの際の電磁的な4元力密度 fμ

であって,Sμνが電磁エネルギー運動量テンソルを表わしてい

と暗示されます。

 

この結果,,h,は静止系S0だけでなく,任意の座標系

おいても電磁エネルギー流,電磁エネルギー密度,電磁

運動量密に相当するものとして扱えると考えられます。

 

,h,を上述のように表現することは,Minkowskiに始まります

が,これらはε=ε0,μ=μ0のときには,いずれも電子論における

表現形式に帰着します。

 

ところで,一般物質から成る対象帯電物体が均質かつ等方的

であれば,Fμνν-(1/4){Fσλ(∂Hσλ/∂xμ)

-(∂Fλσ/∂xμ)Hσλ}=-∂Sμν/∂xν の左辺第2項

はゼロになることを示せます。

 

すなわち,

(1/4){F0σλ(∂H0σλ/∂x0μ)-(∂F0λσ/∂x0μ)H0σλ}

=(1/2)[0(∂0/∂x0μ)-0(∂0/∂x0μ)

-(∂0/∂x0μ)0+(∂0/∂x0μ)0]

=-(1/2)[|0|2(∂μ/∂x0μ)+|0|2(∂ε/∂x0μ)]

となりますが,S0系でεとμが定数ならば最右辺はゼロです。

 

この式は座標系によらない表現なので,任意の系Sでもゼロである

というわけです。

 

こうして,均質かつ等方的な物体内部では,fμ=Fμνν

となりますが,Jμ=(cρ,)より,

μ=((EJ)/c,ρ+(×))

を得ます。

 

つまり,=ρ+(×)

=ρ[+(×)]+(×),

0=(EJ)/c={)}/c

~EC)/c=(fu~)/c

となります。

 

すなわち,cf0fu~ですが,これは静止S0系(=0)

では物体中の単位体積中で単位時間に発生する熱量=ジュール熱

を表わしたもの;~000と一致しています。

 

一方,fuはどんな座標系でも力学的仕事を示すので,

μ相対論的力学において定式化された4元力密度の

一般的な表現形式:μ=((fu+q)/c,)(qは単位時間

当りに系が自身の運動で放出する非力学的エネルギー)

と合致するためには,

 

先の式の項このプロセスで発生する熱量率qを示して

いる,と考える必要があります。

 

実際,系の力学的エネルギーをEmとすると,

cf0=dEm/dt=(エネルギーの増加率)ですから,

これは力学系が受け取るエネルギー率そのものです。

 

そこで,独立な4個の方程式:fμ=-∂Sμν/∂xνは,

通常のエネルギー運動量の保存法則を示しています。

 

そして,fμ=Fμνν=((EJ)/c,ρ+(×))

から,μμ=Uμμνν=U0μ0μν0ν

=(00)0=(不変量) が得られます。

 

0は静止系での力学的効果以外の効果を示しており,

もちろんLorentzスカラーですが,μ=((fu+q)/c,),

μ=(c/(1-2/c2)1/2,/(1-2/c2)1/2)から得られる

μμの表式において,0 とおけばわかるように,

0=q/(1-2/c2)1/2,あるいはq=q0(1-2/c2)1/2

が成立します。

 

一方,先に同じく2008年5/30の記事

電磁気学と相対論(6)(真空中の電磁気学5)

で述べたように,

  

対象とする帯電物体の"密度(静止質量密度)をμとし,

μ0 を物質の不変質量密度(静止系での物質密度)とすれば,

μ=μ0/(1-2/c2)1/2と書けるので,

 

この物体の微小体積をΔVとしたとき,これが従うべき運動

方程式は,d(μ0ΔV0μ)/dτ=fμΔV0 となります。

 

そして,この方程式が,∂(μ0μν)/∂xν=fμなる式

と等価であることも示しました。

 

そこで,この両辺にUμを掛けてμで縮約すると,

μμ=c2,,かつUμ(dUμ/dτ)=0 であって,

μμ=q0なので,∂(μ0ν)/∂xν=q0/c2,

 

つまり∂μ/∂t+div(μ)=q0/c2なる質量保存の

連続方程式が得られます。

 

連続方程式の右辺は質量の湧き出しですから,この式は

正に非力学的エネルギーq0,今の場合は,

"q0=(00)(~0,C0)=(ジュール熱)"を受け取ること

によって,物質の固有質量がq0/c2だけ増加することを意味

しています。

 

つまり,電磁場の話は質量とエネルギーについてのEinstein

の一般定理:E=mc2の典型例の1つを示していると考えら

れます。

 

Minkowskiの電磁エネルギー運動量テンソル:

μν=-ηνσμλσλ(1/4)Fλσλνημνは,

電子論の場合のそれと同じくトレ-スレス(対角和がゼロ)

という性質:Sμμ=-Fμλμλ+(1/4)4Fλσλσ=0

を確かに満たしています。

 

しかし,Fμλνλ≠FνλμλなのでSμν≠Sνμとなり,

μνは対称テンソルではありません。

 

μνの空間部分:

ij=-tij-Eij-Hij(1/2)(EDHBijは,

等方性物体なら静止系S0では0=ε0,0=μ0なので,

対称テンソルですが,

 

時間と空間の混合成分は静止系でも,

i0-S0i=c(gi-Si/c2)=c(εμ-ε0μ0)(0×0)≠0

となって確かに対称ではありません。

 

したがって,一般に等方性物体でもS0系以外ではSij≠Sji

であって空間成分も非対称です。

 

こうしたMinkowskiのエネルギー運動量テンソルの非対称性

ついては長い間文献上で議論が続けられ,この非対称性の

中にMinkowski理論の真の難点が現われているという感があ

りました。

 

そこで,Abrahamは対称性を持つ電磁エネルギー運動量テンソル

の表現形式を作ってみました。

  

彼の電磁エネルギー運動量テンソルの表現:SAμνはとにかく

静止系S0で等方性物体の場合には,

Aij=-tAij=-Eij-Hij+(1/2)(EDHBij,

×=c(SA01,SA01,SA03),h=(1/2)(EDHB)

=SA00となるように作られています。

 

しかし,電磁運動量密度については,

Mikowskiが,自身のテンソルSμνから,

≡(S10,S20,S30)=×として,これを与えたのに対し,

Abrahamは,あくまでもテンソルの対称性が保たれるように,

静止系S0=(×)/c2/c2の形をとるものと仮定

しました。

 

AbrahamのテンソルSAμν,静止系S0では対称ですから,

任意の座標系Sでも対称です。

 

しかしS0系以外の任意系Sでの成分はS0系での表現:

Aij=-tAij=-Eij-Hij+(1/2)(EDHBij,

×=c(SA01,SA02,SA03),h=(1/2)(EDHB)

=SA00のような簡単な形にはならず,

 

場を示す変数,,,でSAμνを表わそうとすると,

物質速度を示すが非常に複雑な形で入ってきます。

 

そして,テンソルSAμνから方程式fAμ=-∂SAμν/∂xν

満たすものとして導かれるAbrahamの4元力密度fAμは,先

の表現式:fμ=Fμνν=((EJ)/c,ρ+(×))から

のずれも,きわめて複雑な形になります。

 

Minkowskiの表現の場合,静止系でもFμννからのずれが,

(1/4){F0σλ(∂H0σλ/∂x0μ)-(∂F0λσ/∂x0μ)H0σλ}

=(1/2)[|0|2(∂μ/∂x0μ)+|0|2(∂ε/∂x0μ)]であり,

これは均質,かつ等方的な物質内ならゼロになります。

 

一方,Abrahamの表現の場合には,静止系では空間成分の力の

密度:Aが,A+{(εμ-ε0μ0)/c2}(∂/∂t)と

表わせることがわかっています。

 

これによれば,Abrahamの力の密度:AはMinkowskiのそれ:

よりも{(εμ-ε0μ0)/c2}(∂/∂t)だけ異なります。

 

しかし,この違いを実験的に検証するのは困難らしいです。

 

そして,ごく最近まで,ほとんどの物理学者はAbrahamの理論

を採用する方向に向かっていましたが,これについてはまだ

決着が付いていたわけではなく,最近,Tamm(タム)はこの問題

の論議を再開して,結局,Minkowskiの表現形式の方が正しい

という結論を得ています。

  

(↑※最近というのは"参考文献=メラーの著書"が書かれた

当時のことですが,現在については,まだ調べていません。)

 

すなわち,ある物体中の電磁場は本質的には閉じた系ではない

ため,電磁エネルギー運動量テンソルが対称であるべき,という

先験的理由(a-prioriな理由)はありません。

 

Abrahamがテンソルが対称であるべきことを主張する主な論拠は,

 

"巨視的理論に現われる諸量は,各々に対応する電子論の諸量を

適当な大きさの時空領域で平均して得られるべきで,電子論での

微視的なエネルギー運動量テンソルsμνは対称なので,その平均

として得られるSμν=<sμν>も対称でなければならない。"

 

というものでした。

 

しかし,Tammが着目したのは,"巨視的テンソルSμνは,必ずしも

μνの平均<sμν>に一致する必要はなく,むしろSμνが力

の密度,および力のモーメント(能率)を正しく与えるように定義

すべきである"ということです。

 

つまり,彼は,

"fμ=-∂Sμν/∂xν=-<∂sμν/∂xν>,

および,αμν=xμν-xνμ+Sμν-Sνμ

=-xμ(∂Sνλ/∂xλ)-xν(∂Sμλ/∂xλ)+Sμν-Sνμ

=-<xμ(∂sνλ/∂xλ)>+<xν(∂sμλ/∂xλ)>

の成立を条件とすべきである"

と主張しました。

 

それ故,Tammによれば,aμνを∂aμν/∂xν=0 を満たす適切

な非対称テンソルとして,Sμν=<sμν>+aμνと書かれる

べきことがいえるのみです。

 

そして,これを力のモーメントテンソルの等式

αμν=-xμ(∂Sνλ/∂xλ)-xν(∂Sμλ/∂xλ)

+Sμν-Sνμ

=-<xμ(∂sνλ/∂xλ)>+<xν(∂sμλ/∂xλ)>

に代入すると,

 

-<xμ(∂sνλ/∂xλ)>+<xν(∂sμλ/∂xλ)>

=-<xμ><∂sνλ/∂xλ>+<xν><∂sμλ/∂xλ

が成立するときに限って,Sμνが対称となることがわかります。

 

そして,今の電磁場のテンソルの場合に,こうなる必然性はない

ということです。

 

さらに加えて,TammはMinkowskiのテンソル表現が電子論と一致

するのに反し,アブラハムの表現はある特別な場合には誤った

結果に導くことを示し得ました。

 

また,Dallenbachは電子論からMinkowskiのテンソルを一般的に

導く方法を与えました。

 

これらのことから,電磁エネルギー運動量テンソルは一般に

非対称であるとしてよいと思われますが,物質と電磁場の全

エネルギー運動量テンソルは依然として対称であると仮定

できます。

 

しかし,このときは逆に物質の力学的エネルギー運動量テンソル

が非対称になります。

 

これで「電磁場と相対論」のシリーズ記事は当面は終わりに

したいと思います。

 

そもそも,このシリーズは電場と電束密度,磁場と磁束密度の

関係を論じていた記事から派生したものでした。

 

参考文献:メラー 著(永田恒夫,伊藤大介 訳)

「相対性理論」(みすず書房)

 

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2008年6月13日 (金)

(続)ただいま旅行中(帰京しました。)

 先ほど(13日金曜日)16時前に東京巣鴨の自宅に無事帰り着きました。

 まず,西宮の姉と姪に送られて11時40分新大阪発のひかりで,静岡に向かいました。

 それは,この機会を利用して就職のため1977年に関西から東京に来て以来,去年9月まで30年間,私の精神科の主治医であり,今年定年退官予定の静岡大学教授Y.I氏に久しぶりに会ってみたくなったからです。

 しかし急に連絡したためか今日は都合が悪いと断わられました。

 まあ,うがった見方をすれば30年の付き合いとはいえ,これまでは医者と患者という微妙な関係だった精神科の元患者が,わざわざ遠くまで急に訪ねてくるなんて何かストーカー的な可能性を考えるかもしれないとも思いました。

 ま,いずれにしても名古屋に着く前にご本人と連絡ついたので,そのまま東京まで帰ることにして14時40分に東京駅に着いて山手線で13時半頃巣鴨の自宅に着きました。

 途中,三島で乗ってきた人が「将棋・チェスフォーラム」の湯河原の将棋オフで会ったことがある望月さん(「もっちゃん」ではなく「マッコウくじら」さんの方)にそっくりだったので,よっぽど声をかけようかと思ったけど,ちょっと前にも人違いがあったので自重しました。

 さて今回の旅では,もちろん母と11年ぶりに会えたのも収穫でしたが,私の3人の姪のうち,最年長で唯一独身のN子と友達になれたのも収穫でしたね。

 亡命ロシア人ウラジミール・ナボコフの書いた小説で,昔神楽坂にあったスナックの元マスターに10年以上も前に貸して返してもらっていない「ロリータ」を梅田のジュンク堂で見つけて,また読みたくなって買ってきたので「ロリコンおじさん」であることがバレました。

 N子よ,男らしい?のはいいけれど,少しは料理とか家事でもやって男に尽くすかわいい女の振りでもしろよ!

 また,西宮滞在3日目に大阪生野区にいる2番目の兄といとこ(=兄嫁)の夫婦にも会いましたが,その娘で一番下の姪Tkも4月に40過ぎの男性とパリで結婚式を挙げたようです。そこで彼女にはわりと名の知れた女優の義妹ができたらしいですね。

 そして,この私の2番目の兄からは,いままで知らなかった我が家のルーツなどの情報も聞けました。

 そして昨日は,関西の学生時代の2人目の先輩で既に還暦を過ぎたNさんとも会えました。

 もっとも苗字はNから0に変わっていました。お酒がダメらしいので昼間梅田の紀伊国屋書店前で待ち合わせて,甘味処で会いました。

 やはり昔話に花が咲きましたが主夫をしているとのことで,奥さんから電話でせかされていたように見えたので愛妻家あるいは恐妻家でしょうか。。

 実は,広島に嫁いで2人の女の子に恵まれ喫茶店をやっている姪K子に会ったり,下関にいるはずの「フサフサハエル」という名前で名が体を全く現わさない会社員時代の先輩でニックネームが「レロちゃん」という人に会いにいこうとも思っていたのです。

 私はあまり予定も立てず適当にさまようタイプの人間なので,これ以上ブラブラしていると時間がいくらあっても足りないと感じ,東京への里心もついたのでやめました。

 生きてればまた会えるだろうし,全員と会えば死期が近づくかもしれません。

 というわけで,とにかく久しぶりに東京近郷から外に出ましたが,少々の旅では昔ほどバタバタしなくなりましたね。。

 感性の鈍りと相俟ったことなので,これがいいことか悪いことかはわかりませんが。。

 結局,遊んできただけですが,それでもそれなりに疲れたので今夜は静養して明日から普通の生活に戻ります。

 といっても世間では明日は週末ですね。。。

 今日は13日の金曜だしデーモン閣下に祝杯でも挙げるとかいう口実で,近くにでも飲みに行ってこようかな。。 

 ※追伸:一応,岡山名物「ままかりの酢漬け」を3個みやげに買ってきて,賞味期限中に渡すという口実で,16日夜まで巣鴨1丁目界隈で個人的に帰京祝いをしましたが,まだ久しぶりに飲みに行く予定が残っています。

 久しぶりに母や姉のところで好物の「カレーライスとゆで卵」をたらふく食べさせてもらいました。

 外食と違ってやはり一味違うので,おかわりをしましたね。えらい安上がりやなあ。。

 そうそう,関西で,まずとまどったのはエスカレーターと動く歩道に乗る位置が右左全く逆なことでした。

 知ってはいたけど最初はつい左側でじっとしていたら,次々とよけて追い越されてああそうか?と気づきました。

 東京に戻ってから今度は逆のことをしました。

 慣れるのに2,3日かかりますね。

 また東京に戻ってもつい「三宮は思ったほど変わってへんかった。」とか関西弁を使ったりしました。

 両親が岡山県出身ではなく,共に明石と和歌山の関西出身で,現在の長兄以外の私の兄弟は関西在住,親戚も関西に多く,私自身も30年以上前とはいえ,学生時代に関西に3年いたということもあります。

 ジモティではないので発音は変でしょうが,ちょっと関西に行くと関西弁に染まってしまいます。

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2008年6月12日 (木)

ただいま旅行中

 お久しぶりです。

 モバイルノートを持って西に出かけて行きましたが,実家のある岡山県新倉敷の田舎ではe-mobileの中継ターミナルがなく,しかもどこかの店にショッピングに行くにもその隣の店が1kmも離れていました。

 地元の人は子供と老人を除いてほとんど自前の車で移動するようで,少なくとも自転車が必要という土地柄ですから,"よそ者"の私は徒歩で歩き回って自宅からかなり離れたホーム・センターの隅にやっと1つだけネット・カフェを発見した頃には疲れきっていて長時間居座るほどの余裕もなく,結局, 6/9 昼から, 6/11 夜まではネット通信ができず,通信依存症気味の私はずいぶん困りました。

 6/6の午後3時頃の新幹線で新大阪に向かい,夜8時頃西宮の姉の所に着きました。

 そこには未亡人の実姉と姪だけがいて,甥は別のところに住んでいるので空いていた甥の部屋に3日間泊まりました。

 彼女たちと会うのは父の33回忌(平成9年4月)以来ほぼ11年ぶりでしたが,そのとき会ったのも1,2日のことで,あり,実質的に姪に会うのは私が関西の大学で学生をしていた時代前後の約30年前の4歳か5歳の頃(何?歳がばれる?)で,まだ親のひざの上にすわってキョトンとしていた頃ですから,ものごころついてからは初対面のようなものです。

 しかし,やはり血は水よりも濃いのでしょうか,すぐ仲良しになりました。

 しかし最初のうちは「オジサン」付きでしたがやがて「としちゃん」とタメ口の呼び方になってしまいました。

 2日目は阪急電車でわざと鈍行に乗って,昔降りたことのある駅名を見ながら神戸三宮まで行きました。

 1995年1月の震災より後には来たことがなかったのですが,花時計のあたりの道路が広くなっており,生田神社も昔より大きくなったような気がしました。

 ここら辺は昔は生田区と呼んでいたはずなのに長田区や垂水区なども含めて中央区と変わっていました。

 昔,このあたりの予備校で講師をしていた2人の先輩と30年ぶりに会えるかと探しましたが,もうその予備校自体が存在していなくてその2人ももういないとのことでしたが幸いHさんという1人の先輩とは連絡が取れて夜7時から10時まで「海鮮なんとか」という居酒屋で飲みながら昔話に花が咲きました。

 谷川(安孝)先生,北添(徹郎)先生,渡辺(正)先生の思い出.その他,麦林先生,谷内先生,嶽先生などの話も出ました。

 実はもう1人のN先輩とも連絡が付いて昼間ですが今日(12日)に梅田で会う予定です。

 その昔は,数週間あるいは数ヶ月(といっても1~2回/週ですが)の集中講義がよくあったのですが,私は聴講生も含めて3年間在籍していただけで東京に行ってしまいましたから,それほど多くの先生の講義は受けていません。

 しかし,当時のここの素粒子論研究室には元々私自身も含め毎年2~3人しか同級生がおらず,卒業生全体もまだ少なかったからでしょうか,卒業(修了)して別に職があっても,自分の部屋とその中の机をそのまま残して通っていれば,無給の副手という形で居残れる慣例があったのです。

 (近くであれば私もそうしたかもしれません)

 H先輩は予備校講師をしながらも数年間は在籍していたらしく,私が覚えていた集中講義は,内山(龍雄)先生,中村(誠太郎)先生,西嶋(和彦)先生くらいなのに対し,H先輩は佐藤文隆先生や集中講義ではないらしいけど晩年の湯川(秀樹)先生にも直接会ったらしく少しうらやましかったです。

 H先輩は大学生時代には空手部だったということで,それを裏付けるような武勇談も話題に上りました。(といってもかなり危ない話ですが。。)

 昔,大阪梅田(ウメダ=キタ)の「正宗」という居酒屋の2階で私も含め4人で飲んで盛り上がり,初めて会った龍谷大の学生2人とも意気投合して放歌高吟していたところ,たまたま居酒屋の女性にお酌をしてもらったのが気に入らなかったらしく,その座敷の向かいで並んで飲んでいた「山口組」らしい男4~5人,と連れの女2~3人の集団客の一人が「殴りたい」と言って立ち上がり,兄貴分のような人が止めて「やめろ,俺に殴らせろ」という事態になりました。

 ,階下からあわてて板さんなどが飛んできて「逃げろ」と叫び,すぐに大阪の機動隊が来たという思い出を思い出しました。そのときは機動隊に会うのも久しぶりでした。。。

 そのときも例によって私は逃げ足が速かったのですが,宇宙線研究室のO君が前歯を1本折られ,H先輩は髪をつかまれたのでやむなく相手の人中に正拳を入れたので相手が鼻血を垂らしていた記憶があります。

 結局,「双方とも手を出していないな?」(鼻血出したり,歯折られたりしてるのに。。)ということで解放されて,O君を蛍池の彼の自宅まで送って帰りましたが後日O君のみ事情聴取されたらしいです。

 まったく運の悪い人でした。

 この地での学生時代にやったアルバイトは家庭教師と特定予備校講師,そして春,夏,冬休みの他予備校の特別講師だけでした。まあ地方の大学生時代よりも報酬が高くて,こうした商売と奨学金だけで十分食べていけましたね。

 この時代の家庭教師の相手としては,芦屋のマンションでの甲南女子中の2人と逆瀬川にいた雲雀ヶ丘高校から報徳学園に転校した男子1人と,御影にいた灘高生でテニス部に入っていて,テニスと勉強を両立させたかった男子1人しか記憶にありません。

 とにかく私は数学と物理しか教えられませんから,それを教えていただけです。甲南女子中の二人は休憩時間には宝塚歌劇のことに夢中で他は「out of 眼中」のようでした。報徳学園に転校した彼は能力ではなく緊張すると胃腸がおかしくなるという性格が問題なので,そもそも私の力の及ばないところにいました。

 これら前者2組の家庭教師は結局,短期で終わりましたが,最後の灘高生のH君は住友重機の重役のお孫さんとかいうことで,当時東大から来た先輩のTさんに紹介され,結局ちょうどH君の高校3年間と私の在籍した3年間とが一致したたという偶然のために長期になったのでしょう。

 彼の妹も神戸女学院の高校生で,彼女をもごくたまに教えていましたね。

 そして,H君は現役で理科一類に合格しました。

 決して私のせいではなく本人の実力ですが,私は特別のお礼をもらい,私も東京に就職が決まっていて彼のお母さんから「東京でも付き合ってやってください」などと言われましたが,金持ちの御曹司の東大生と付き合うなど真っ平なのでお断りしました。

 その家が阪急御影駅付近にあるはずなので,なつかしくてそのお宅のそばと思われる辺りをぶらついてみました。。(つづく) 

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2008年6月 6日 (金)

我が半生の回顧

半生というより,もう後がないので全生かもしれませんが少し思いを書いてみます。

高校生,予備校生時代までは,今思うと鼻持ちならない田舎の秀才,優等生として,この世の有り方などについて,ほとんど何の疑問も抱かず,現状の世界や日本を無意識のうちに肯定的に捉え,中学生のときに病死で父親を失ったことを除けば貧乏母子家庭ながらも,子供なりの普通の価値観で生きていました。

しかし,大学に入った当時に,丁度その時代特有のイデオロギーに毒されて,価値観の逆転という,いわゆる"若気の至り"が思想的なトラウマ(外傷)となって無意識のうちに入り込んでしまっているのか,それとも意識的に好んでそうするのか,その後の人生を決めてしまうとは当時は思っていませんでした。

 

学生の初期の頃には,大学が"象牙の塔"であるというイメージに反発していましたが,それ以上に,帝国主義本国内の産学協同路線というのは嫌いでした。

 

しかし,まあその程度の自分のまわりについてだけの関心から,次第に社会的なことに関わるイデオロギーへと発展していったようです。

もっとも,自己が社会的な存在であることを完全に忘れた実存という意味では,ライフワーク(生きがい),あるいは夢ともいいますが,ガキの頃から変わらず有閑階層の贅沢な趣味を持ち続けていますが,この私の実存は社会的には単なるエゴに過ぎません。

私のことを"お前はもう人間じゃない"という友人もいますが,一応,人間である以上は社会的存在であることを拒否できません。

 

そういう意味では,学生から社会人となるときに,実力ではなく親戚のコネで安易な道,つまり,ある程度以上の安定した収入で"自分の好むこと=実存"を職業にできるチャンスがあったのですが,コネクションを利用することを,その当時潔しとするはずがありません。

 

それを断ってから後は,社会的には負け惜しみではなく,とにかく自分に忠実に,そして生活の糧を得られるギリギリの収入で苦労しながら,自分の面倒は見られない(実際身内や多くの親切な人々に迷惑をかけている)けれども,他人の面倒を見たい(これもエゴ?)という変態趣味に従って,自己の中で"実存=エゴ"と矛盾する価値観の葛藤があるようです。

 

生活ギリギリ以上の収入があれば,後は社会に還元するとか称して飲んだくれ,自分の身体の健康とか,着るもの,ファッションなど外見にはほとんど無頓着で来たおかげで,いろいろ病気になりましたが,依然として酒もタバコも自由にやっていてやめる気はありません。

 

まあ,歳と共に考えは変わってきていて,当然裏も表もあって表向きは品行方正な聖人君子のような理由をつけて気取っていても,中身はドロドロしたエゴのかたまりだったりします。動物ですから。。。。

 

また,イカガワシイお金でも,少しでも入ってくれば,飲み屋にでも奉仕しようかなと思っています。もっと大きなお金ならボランティアするけどね。。

営利企業に,正社員として就職して大型コンピュータをいじるサラリーマンであった頃には,やはり思想的トラウマのせいか,あるいは単に生来の怠け癖が出たのか,100%真剣に仕事をしていたとは言えない不良社員でした。

 

バブル時代だったので許されたこともあるでしょうが,正社員であるにもかかわらず,安い時給のアルバイトに任せるべき単純なデータを拾って入力するだけという作業に1年以上も熱中逃避して喜んで月給泥棒をしていたこともありました。

 

逆に,安月給のアルバイト社員で単純作業,肉体労働(といっても高々軽作業ですが)なら,貰う月給以上に一所懸命体を動かして同僚,先輩からバカじゃないの?と思われるくらいのこともありましたが,これもトラウマのせいでしょうか?  

  

もっとも大学生時代には家庭教師もしましたが,2年くらいでイヤ気がさして,コカコーラの会社(富士コカコーラボトラーズだったかな?)でやったと記憶している,ベルトコンベアで流れてくるビンの栓抜きと洗浄などに代表されるような単純作業も含めて百種類前後も単純労働のアルバイトをしたと思うので,こうしたのは何も考えず,というか常に考え事をしている自分には向いているのかも知れません。←変態だ。。。

 

平気で月給泥棒を働くくせに,"働かざるもの食うべからず"というポリシーがあるというのでは矛盾していると思われるでしょうが,まあそこはかせぎの悪い"義賊"を気取っているということでしょうか。。。

人付き合いでも,お金持ちであるとか,自分の働いていた会社も含めて比較的大きな企業の幹部や役員などの偉い人,公務員,特にキャリアや警察,検察関係であるだけで,最初から大嫌いになる,あるいは努めて嫌いになろうとする態度になってしまう傾向があり,貧乏ヒガミ根性の性格は直りません。

 

その人の組織人としての性格がどうあれ,個人的には人の親とかという家庭人としては見るからに優れた人間性で,つきあっても非常に好感を感じる人でも,結局は,"存在は意識を規定する"→"金持ちには貧乏人の気持ちはわからない"と合理化してしまう性向が私にはありますね。

 

まあ,結局,自分が不遇だとか貧乏だとかいう思いこみによる被害者意識からのヒガミでしょう。。

米国や日本が嫌い(もちろん,"国家=支配層"が嫌い,の意味で庶民は嫌いではありません)というのもこの延長線上にあります。

 

よく日本は米国の何番目の州だとか,植民地だとか言う人がいて,その気持ちはわからないでもないけど,そういう言い方は嫌いです。

 

もちろん,経済的意味であろうし,第一次帝国主義時代の植民地ではないでしょうけど,実際に日本の植民地であった韓国や北朝鮮が未だに日本を恨んでいるのに対し,

 

むしろ"植民地にしていただいてアリガトウ"という人もいるような"核の傘の下"にいる関係を,彼らと同列な呼称で呼ぶのはいかがなものでしょうか。。

日本も米国に負けず劣らず,主権を持った帝国主義の宗主国であるという重い責任があり,ポチだからという理由で責任を飼い主にゆだねて免罪符にしようというのもイヤラシイ話だと思います。

自己の思想的側面でも,かなりヒネくれていて,反社会的というほどでもなく,世間一般は嫌うであろう価値,例えば変態,ロリコン,天邪鬼とかが自分の好む価値になるような非社会的な性向があります。

 

こうした性向があることが自分の首を絞め,足を引っ張っても,マゾ的な自分にとっては,むしろ快感かもしれないとも思うのはやはり負け惜しみでしょうか?

これも学生時代に"造反有理"などという言葉を好み,自分はインサイダーではなく社会や自己を外から眺めるアウトサイダーであると気取っていたことの延長上の話でしょう。

 

アウトサイダーということはアウトローの意味をも含んでいて,"現状社会(治安,秩序)にけんかを売る"ことに意義を見出し,"あらゆる犯罪は社会秩序を破壊する意味で革命的である"とか,世間で"公徳心"とか言われる常識に反発して街をゴミで汚すことに理があるなどと主張して,実行していた過去もあって,今も意識がそのときのまま,ということもあるのでしょう。

 

(平岡正明著「あらゆる犯罪は革命的である」(現代評論社1972)参照)

そういえば先日,無意識に駅前のタクシー乗り場の近くの信号を無視して歩いていると,そばにいたパトカーがマイクを使って"赤信号ですよ"と抜かしたので,マイクへの対抗上大声で"車より歩行者の方が偉いんだぞ"と怒鳴り返したら,イカレタジジイだと思ったのかそれ以上相手が何も言わずに去っていきました。

 

そういえば,どこかのバカタレが,深夜の飲み屋のカラオケがうるさいと営業妨害のおまわりを呼んだときも,"今から中で実際にカラオケ唄うから外で騒音計で測ってみろ"とやったら,"カンベンしてください"と言って帰っていきました。

まあ,公僕として通報されたらアリバイ的にもやらざるを得ないことは私もわかっているし,末端の役人をイジメてもしょうがないと思いますが,単なるなりゆきです。

ところでブログを書いても読んでくれる人がどのくらいいるかわからないけど,元々自己顕示欲が強く,ガキの頃からわざと不良ぶって,あとで落ち込むのがわかっているのにでかいことを言ったり書いたりする露悪趣味なのは,これも性格だからしょうがないですね。

 

学生の終わり頃,ムラハチに会ってうつ病にかかったのも無理からぬ話で自業自得です。

これに関して,今,最も悔やまれるのは30年もかかったけど病がほぼ完治してしまったことです。

 

逆説的であり,ひょっとしたら私だけが感じることかもしれませんが,心因性の精神病だと最初の重い症状の頃なら治りたいとだけ思いますが,薬物で過敏な意識を麻痺させて治していく過程では,治りたいという気持ちと完治はしたくないという気持ちの葛藤があります。

精神の病が治るということは,それは被害妄想,顕示欲を含むイヤラシイ性格かもしれないけれど,その病の中に含まれているであろう生来の性格,あるいは感受性,感性もまた永久に失なわれるという感覚を持っているからです。

 

イヤラシかろうと馬鹿だろうと,それが親にもらった性格なのです。

 

性格は,体験によって変化するならともかく,薬物で鈍磨させて失いたくはありません。

病の渦中にあればイヤでイヤでしかたのない自己顕示欲の裏返しの恥ずかしいという感情,例えば妙齢の異性の前に出ると個人差はあっても当然感じるはずの赤面したり発汗したりという対人恐怖的な感情でも,これを失って老成し平然としてどう思われようが関係ないという鈍感な自分になっていくのは許せません。

 

(女性が恥じらいを失なうと共に色気を失なってしまうのと同列?)

実は長年の経験から,死にそうなほど恥ずかしいという感覚は大観衆のいる舞台で大向こうをうならせたいという極端な自己顕示欲の裏返しであり,逆に舞台俳優や歌手などをやる度胸はあって,やる前はドキドキでも,いざそれができたらショック療法で強迫観念から解放されると思っています。

まあ私的には図太いというか心臓手術を受けるといってもあまり恐怖を感じず,危ない人の前でも割とイキがったりして平気を装えるのも,実は単に鈍感になっただけで決して威張れたものではなく,単に歳と共に人並みの鋭敏な感性が失われているだけです。

 

感性は若さと同じく,二度とは回復できないものだと思うのでとても悲しいことです。

体をぶつけたら痛いのが人間,恥を感じるのも人間,寿命に限りあるからこそ動物,神でも仙人でもましてや機械でもない,欠点があるからこそ地球人でしょう。

 

ミスター・スポックのいるバルカン星の価値観なら感情は恥でしょうが,地球では当たり前です。

 

そもそも恥とかプライドという概念があるのなら,元々自己矛盾しているなと,昔スター・トレックを見てよく思っていました。

人間とか神とかいう話なら,今はテレビ番組などで薀蓄がもてはやされているようですが,関西で大学院生をしていた時代には物知りであることとか薀蓄があることが恥ずかしいことであるとされてよく揶揄されていました。

 

九州大から来た1年後輩の小太りで愛嬌のあったH君などには,比較的物知りだった私を称して,"物知りの量子数を持ったイヤミオン"とか呼ばれてからかわれていました。

 

専門以外の知識をひけらかすと,必ず,"モ・ノ・シ・リ"とからかわれて,私も若かったのでくやしい思いをしました。

 

そのせいで他人はほめてるつもりでも,物知りといわれると条件反射なのか?腹が立つこともときどきあります。

要するに,何についても物知りであるとか,万能であるとかいうのは,実は何一つ秀でて天才的なものがない,つまり多芸に秀でているというのはせいぜい人間の中の秀才であって,毎年,あるいは数年に1回もらえる金,銀,銅メダルのレベルにも到達しない奴=有象無象であり,

 

お前は本当に数十年か百年に1回しか現われない,一芸だけあって神の領域にいる天才ではないんだよ,他のことをやるくらいならもっと"専門バカ"になれ,

 

というような特殊な価値観の世界の中で判断していたのでしょうが,今から思うとずいぶん傲岸不遜な考えですね。

まあ,いずれにしてもかなり天邪鬼であることは事実です。

最近では健忘症なのか,人通りのない歩道でときどき本を読みながら歩いていたのに目的地に着いたら本が消えていてどこにもなかったりとか,ベッドから起きてトイレに向かう途中で台所で汚れ物に目がとまりちょっと水を飲むついでに洗い物をしてベッドに戻り,トイレに行くのを忘れるとか,末期症状が現われています。

 

昨日も電車に乗ろうとホームにいたのに考え事をしていたのか,結局2本も乗り損ねました。

 

もう長くはないみたいです。

脱線しそうなので終わります。

 

※追伸:ちょっと西の方に旅してきます。

 

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(実は偏執的性格なので,何かに取りつかれたら何かきっかけがないと止まりません。。。)

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2008年6月 5日 (木)

電磁気学と相対論(7)(物質中の電磁気学1)

前回までで真空中の電磁気学については一通り述べ終わったと

思われるので,約束通り物質中の現象論的な電磁気学,特に運動

物体中の電磁力学の話に入ります。

 

定常運動をしている物体内の現象論的な電磁力学の

Maxwel方程式は,中に含まれる電子数が莫大な通常の領域:

(ただし,巨視的に見れば,この電子数も小さいと見える領域)

においては,

 

電子論における個々の電子に対する基礎方程式を平均化すること

から導くことができるということが,既にLorentzによって示され

ていました。

 

電子論の基礎方程式(真空中のMaxwell方程式):

∂Fμν/∂xλ+∂Fνλ/∂xμ+∂Fλμ/∂xν=0,

∂Fμν/∂xν=-sμ/(c2ε0) 

は相対論的に共変な形になっているので,

 

これらの式を適当に取った時空領域について平均化することから

共変性が保たれた運動物体中の巨視的な電磁力学の方程式が得ら

れるはずです。

 

この方法は,主としてボルン(Born)とダレンバッハ(Dallenbach)に

よって行なわれました。

 

Maxwellの現象論的な方程式は,物体の静止系S0において,これが

正しいことを認めれば,同じ物体が運動中のS系でもLorentz変換

によって同じ方程式が得られるはずであると考えられます。

 

こうした考えから,最初にこの方法を用いたのはMinkowskiでした。

 

相対性理論によれば,恒星に対して静止した系であるS系において

定常運動をしている物体中のMaxwellの方程式は,その物体の静止

座標系S0系においてもそのまま成立し,その際にS0系の"恒星=

S系"に対する速度を考慮する必要はないはずです。

 

これは,電場や磁場などのS0系における物理量を上添字 0

をつけてで表現するとき,基礎方程式系として,

div00=0,rot00+∂0/∂t0=0,div00=ρ0,

rot00+∂0/∂t00

が成立するということを意味します。

 

ここに,0は電場,0は電束密度,0は磁場の強さ,0は磁束密度

であり,ρ0は巨視的電荷密度,0は巨視的電流密度です。

 

これらの量は全て原理的にはS0系での巨視的実験で決めることが

できます。

 

等方性の誘電体や常磁性体では,上述の方程式に加えて,

次の式が成立すると仮定されます。

すなわち,0=ε0,0=μ0,0=σ0 です。

 

ここにεは誘電率,μは透磁率です。

 

最後の式は,電子物性に由来するオームの法則(Ohm's law)を数学的

に表現したものです。

 

係数σは電気抵抗の逆数であり,電気伝導度と呼ばれるものです。

 

ここで,を与える反対称テンソルFμνを与える

反対称テンソルHμνの2つの2階反変テンソルを導入します。

 

すなわち,Fμνを任意の座標系Sにおける反対称テンソル成分

として,S系の3次元空間における極性ベクトルである電場

軸性ベクトルである磁束密度を,

 

E=(E1,E2,E3)≡-c(F01,F02,F03),

B=(B1,B2,B3)≡-(F23,F31,F12)

で定義することができます。

 

これが可能なことは既に真空中の電磁気学において見ました。

 

そして,同様にHμνを任意の座標系Sにおける反対称テンソルの

成分として,S系の3次元空間の極性ベクトルである電束密度

軸性ベクトルである磁場の強さを,それぞれ,

 

D=(D1,D2,D3)≡-c-1(H01,H02,H03),

H=(H1,H2,H3)≡-(H23,H31,H12)

によって定義します。

 

さらにS系における成分が(cρ,)で与えられる4元ベクトル

μ=(J0,J1,J2,J3)≡(cρ,)を導入し,これを4元電流密度

と呼びます。

 

テンソルFμν,Hμν,およびベクトルJμは,ある1つの座標系

での成分が与えられさえすれば,他のどんな座標系における成分

も,テンソルの変換公式F'μν=ΛμλΛνσλσ,

H'μν=ΛμλΛνσλσ,およびベクトルの変換公式:

J'μ=Λμννを用いて計算できます。

 

特に,空間軸の回転を伴わないLorentz変換がある場合のJμ

の逆変換はρ={ρ'+(uJ')/c2}/(1-2/c2)1/2,

'+(/2)[(uJ'){1-(1-2/c2)1/2}+ρ'2]

/(1-2/c2)1/2となります。

 

これまで通り,はS系に対するS'系の速度です。

 

こうして定義した量,,,,,ρが,物質の静止S0では,

それぞれ,0,0,0,0,00に一致するようにFμν,μν

μを定義すると,任意の座標系における電磁力学の基本方程式は

次のように書けます。

 

∂Fμν/∂xλ+∂Fνλ/∂xμ+∂Fλμ/∂xν=0 ,および,

∂Hμν/∂xν=-Jμです。

 

これらはテンソル方程式ですから,任意の慣性系で成立し,

しかも静止S0系では,div00=0 ,rot00+∂0/∂t0=0

div00=ρ0,rot00+∂0/∂t00 に一致します。

 

そこで,任意の慣性系で,div=0 ,rot+∂/∂t=0,

div=ρ,rot+∂/∂t=J が成立すると考えられます。

 

μνの反対称性と方程式:∂Hμν/∂xν=-Jμから,

∂Jμ/∂xμ=-∂Hμν/∂xμ∂xν=0 が成立することが

わかります。

 

μ=(cρ,)なる成分から,これは∂ρ/∂t+div=0

を意味しますが,ρは電荷密度,は電流密度ですから,これは

電荷の保存を示す連続方程式です。

 

絶縁体では静止S0系において0≡0 が成立するので,

ρ={ρ'+(uJ')/c2}/(1-2/c2)1/2,

'+(/2)[(uJ'){1-(1-2/c2)1/2}

+ρ'2]/(1-2/c2)1/2により,

 

ρ=ρ0/(1-2/c2)1/2,=ρ0/(1-2/c2)1/2=ρ

が得られます。はS系における絶縁体の速度です。

 

それ故,微小体積ΔV=ΔV0(1-2/c2)1/2の微小物質片

帯びている総電荷Δeが,Δe=ρΔV=ρ0ΔV0を満たし,

Δeが"不変量=Lorentzスカラー"であることを再確認でき

ます。

 

また,=ρなる形の電流は帯電物体の運動が電流を表現し

ているので携帯電流と呼ばれるものです。

 

絶縁体の場合には電流が純粋に携帯電流のみでしたが,一般の

場合には電流は常に,携帯電流ρといわゆる伝導電流の和

の形で=ρと書けます。

 

しかし,この分割の仕方は相対論的に不変ではありません。

 

静止系S0でρ0=0 なら,00となって静止系では純粋

伝導電流のみですが,この場合でもS系ではρ≠0 であり,

その結果,Sではρ0 なる携帯電流が出現します。

 

この状況を具体的に示すと,ρ00 ,00,および,

 

SとS'の間の変換式:

ρ={ρ'+(uJ')/c2}/(1-2/c2)1/2,

'+(/2)[(uJ'){1-(1-2/c2)1/2}+ρ'2]

/(1-2/c2)1/2において,0系をS'系とした式により,

 

ρ=(uC0)/{c2(1-2/c2)1/2},

0+(/2)[(uC0){1-(1-2/c2)1/2}]/(1-2/c2)1/2

=ρですから,

 

0+(/2)[(uC0){(1-2/c2)1/2-1}}

となります。

 

しかし0,Uμ,sμを次のような量として,これらによって

以下のようなJμの分解式を与えれば,この分解を相対論的に

不変なものとすることができます。

 

すなわち,Jμ≡ρ0μ+sμと書き,sμ=(s0,)を定義します。

 

こうすれば,この分解は最初から4元ベクトルの和の形をしている

ので相対論的に不変なのは自明です。

 

そして,ρ0μ,sμとをそれぞれ携帯4元電流,伝導4元電流と

見なすわけです。

 

ここで,もちろんρ0は静止系S0における物質の電荷密度,

μは4元速度Uμ=(c/(1-2/c2)1/2,/(1-2/c2)1/2)

です。

 

このとき静止S0で考えると,

=ρ0+s,U=(c,0)なので,

μ=(s0,)は,静止系でs=(0,0)となるような

4元ベクトルを示しています。

 

μμ=s0μ=0 ですから,Jμμ=c2ρ0より

ρ0=(Jμμ)/c2です。

 

故に,sμ=Jμ-(Jλλ)Uμ/c2なる表式を得ます。

 

よって,常にs0=0,-ρでJμ=(cρ,ρ)

ですから,sμ=(s0,)の空間成分は確かに伝導電流を

示しています。

 

以前,真空中の電磁気学では,sμ≡(cρ,ρ)と定義しました

が,これは伝導電流がゼロの場合の全電流Jμを示しています。

 

つまり,ここでのsμは真空中の電磁気学とは違う定義です。

 

場の方程式div=0 ,rot+∂/∂t=0, div=ρ,

rot+∂/∂t=に現われる量の中で,

 

ρ,については直接物理的意味を与えることができますが,

場の変数,,,には静止系の場合を除いて物理的意味

付けを与えること自体が簡単ではありません。

 

μ≡Fμννによって4元ベクトルFμを定義すれば,

S系でのFμの成分は,

μ=((Eu)/{c(1-2/c2)1/2},(×)/(1-2/c2)1/2)

となります。

 

したがって,これの静止系S0での成分はF=(0,0)となり,

これは,そもそも,このシリーズ記事の発端となった,以前の,

2008年4/21の記事「電場と電束密度,磁場と磁束密度(1)

 

で述べた,"canal field"

(誘電分極を示す直列に並んだ双極子の腕ベクトルの上に電荷を

置いた場合の電場),つまり物質中の電場の方向に入れた割れ目

の中の物質に対して静止した単位電荷に作用する力,

になっています。

 

さらに,~≡×と定義して,~なる量を導入すれば

μ=((~)/{c(1-2/c2)1/2},~/(1-2/c2)1/2)

となります。

 

これをMinkowskiの4元力:FMμ≡((M)/c,M)

=((Fu)/{c(1-2/c2)1/2},/(1-2/c2)1/2)の

表式と比較すれば,~はS系で単位量の試験電荷に作用

する"canal field"の電気力であることがわかります。

 

同様にKμ≡Hμνν/c2によって,4元ベクトルKμ

定義すれば,

μ=((Du)/{c2 (1-2/c2)1/2},

{+(×)/c2}/(1-2/c2)1/2)

となります。

 

~≡+(×)/c2とおけば,

μ=((~)/{c(1-2/c2)1/2},~/(1-2/c2)1/2)

であり,静止系S0ではK=(0,0)ですが,

 

これも,電場と電束密度,磁場と磁束密度(1) 

で述べた"gap field"

(誘電分極を示す直列に並んだ双極子と双極子の間に電荷を置いた

場合の電場),つまり物質中の電場の方向に垂直に入れた割れ目の

中の単位電荷に作用する力になっています。

 

そこで,~≡+(×)/c2はS系で単位量の試験電荷に

作用する"gap field"の電気力です。

 

(ただし,実際に"canal field"~と比較される力場としての

"gapfield"は,~ではなく~/ε0です。)

 

さらに,Fμν,Hμνに対偶な擬テンソルをそれぞれ,

*μν≡(1/2)εμνλσλσ,*μν≡(1/2)εμνλσλσ

とすれば,これは,→ -c,→ -/c,および,

→ -/c,→ -cなる変換なので,

 

≡-F*μνν/c

=((Bu)/{c(1-2/c2)1/2},{-(×)/c2}/(1-2/c2)1/2)

=((~)/{c(1-2/c2)1/2},~/(1-2/c2)1/2),および,

 

≡-H*μνν/c

=((Hu)/{c(1-2/c2)1/2},{-(×)/c2}/(1-2/c2)1/2)

として,2つの擬ベクトルを作ります。

 

μ.Kμ~,~のアナロジー(類推)からF,Kは,

それぞれ物質にあけた磁場に平行な割れ目,垂直な割れ目

に単位磁極の試験磁荷を置いたとき作用する4元力という

ことになります。

 

したがって~,~の場合と同じく,~=×,

~=-(×)/c2は,S系で単位磁極の試験磁荷に

作用する磁気力です。

 

以上から,ベクトル~,~,~,~ (Fμ,Kμ,K,F)は,

原理的にはS系の観測者の測定で直接得ることができます。

 

特に,Fμν,Hμνを逆にFμ,Kμ,K,Fで表現すると

μν=(Uμν-Uνμ)/c-εμνλσ*λσ/c,

μν=(Uμν-Uνμ)/c-εμνλσ*λσ/c

と書けます。

 

は空間の定ベクトルなので,

rot(×)=-(grad),rot(×)

=-(grad)+ρですから,

 

場の方程式:div=0 ,rot+∂/∂t=0 ,div=ρ,

rot+∂/∂t=は,

 

rot~+d~/dt=0, rot~+d~/dt=-ρu=s,

div=0 ,div=ρ 

 

となります。

 

ここまでは一定速度で運動している物体が唯1つある場合

のみを扱ってきました。

 

しかし,場の方程式が線型であるため,場の加法性が成立する

ことになり,いくつかの物体が,真空によって間を隔てられて

各々が互いに異なる速度で一様運動をしている場合でも,

 

∂Fμν/∂xλ+∂Fνλ/∂xμ+∂Fλμ/∂xν=0 ,

∂Hμν/∂xν=-Jμ を適用していいと思われます。

 

さらに,電磁力によって生じた物体の加速度が小さいと見てよい

場合には,上のテンソル方程式は,なお運動物体から成る系を記述

する良い近似式を与えると思われます。

 

今日はこのくらいにします。

 

参考文献:メラー 著(永田恒夫,伊藤大介 訳)

「相対性理論」(みすず書房)

 

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2008年6月 2日 (月)

生きている観音さま!!

 世の中には商売だけじゃなくて観音さまって本当にいるんですね。その観音さまに名刺あげてブログの宣伝してる俺ってバカじゃん!!

 アダルトでも何でもアリのブログもいいね。所詮は人間も動物。。。  

 ところで娼婦というのは太古からある職業の1つですね。日本なら遊女,巫女,白拍子,出雲の阿国と連想は果てしない。。

 "私が娼婦になったなら,いつでもドアは開けておく。。海からツバメが来るように~~ ,ラララララララララ~ ラララララララ~ ララララララ~ラーラー"(「私が娼婦になったなら」 寺山修司 作詞,浅川マキ 唄,作曲 より )

 全部が娼婦というわけではないけど,小説の中ではこの種の印象的な女性はマノン・レスコー,ソーニャやドロレス・ヘイズ(=ロリータ)ですね。

 高橋和己の小説「邪宗門」の「ひのもと救霊会」は出口なお,出口王仁三郎の「大本教」がモデルになっているらしいのですが,その「お筆先」の中にも男を無償で受け入れ梅毒で死んでいった"生き神様"の話がありましたね。

 実在した女性だとガロアが決闘で死ぬ原因を作ったと言われているココット(高級売春婦?),聖書だとサムソンを騙したデリラ,出エジプトのジェリコ(エリコ)の壁のラハブ,洗礼者ヨハネの首を望んだサロメ,そしてマグダラ(マグダレナ)のマリアなどが代表的でしょうか。。

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