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2008年6月19日 (木)

重力崩壊によるブラックホール形成についての小考察

好評発売中の「趣味で物理学」に続き,最近「趣味で相対論」が新発売となったばかりの著書でも有名なEMANさんのホームページ「EMANの物理学(談話室)」でのトピック「連続的な重力収縮」のツリーに関連した記事を書きました。

重力崩壊(重力収縮)によるブラックホールの形成過程では,重力崩壊も質量を持つ物体の重力による自由落下のプロセスには違いないので,遠方の観測者である我々にとってはいわゆる星の外核質量が臨界面を通過して崩落する際に見かけの特異面である事象の地平面まで到達するのに無限大の外部時間がかかるのではないかという疑問があります。

これに関連して派生した話題で,重力場の方程式の球対称な解であるシュヴァルツシルト解(シュワルツシルト解,シュバルツシルト解)は,中心にある重力源が質点である場合のみの特殊な解ではないか?という発言に対して次のようなコメントがありました。

 >シュヴァルツシルト解は球対称を仮定したのと,あとはニュートン近似に合うように調整しただけなので,質量が全て中心の一点に集中していない場合であっても適用していいと考えています。

以下は,私が最初はこのコメントをフォローする意図で書いた文章と,それに続いて,幾分脱線気味ですが,このトピックの全体像に対しても発言をしたものを本ブログ用にまとめたものです。

 ニュートンの万有引力の法則を考えても,質量Mで半径Rの太陽が中心にあるだけとした太陽系の太陽半径の外側r>Rの重力場を表わす際に,場の中心の太陽を質点近似せず,普通に太陽は有限な半径Rを持った体積有限の球であるとしても,重力場の万有引力ポテンシャルUが太陽中心の1点に全質量Mが集中しているとした質点に対するポテンシャルU=-GM/rと全く同じであることが簡単な計算からわかります。

 そこで,ニュートンの万有引力の法則が球対称シュヴァルツシルト解の重力が弱い場合の正しい近似であるという事実から,シュヴァルツシルト解に対する上のコメントでの指摘も全くその通りだと思います。

 また,ブラックホールを語るのに,必ずしも球対称でそれゆえ定常解となるシュバルツシルト解だけでなく,角運動量のある場合に相当するカー解(Kerr解)なども含めた一般の軸対称解などをも考慮すべきだとのご意見もありました。

 

 しかし,私は古典論でブラックホールを考える際には,現実のわれわれの太陽を中心とした惑星の公転などの2体問題に用いても,ニュートン力学の万有引力に対する解と同じく,近似的に正しい公転軌道である楕円軌道を与え,また水星の近日点の移動も十分な精度で表現できる球対称シュヴァルツシルト解(S波)のみで考えても十分であると思います。

 

 なお,シュヴァルツシルト時空における"測地線=自由落下軌道"として大げさな方法で惑星の公転軌道を導いたものとして,2007年4/27の記事「シュヴァルツシルト時空内の測地線(惑星の公転軌道)」があります。

 

 また,これを応用して水星の近日点の移動を計算したものが2007年4/29の記事「惑星の近日点の移動」にあります。 

 

 よかったらご覧ください。

 

 また,以前,2006年8/25の記事「ブラックホールの形成時間」では簡単な考察を述べただけで,ブラックホール形成の明確な具体的な描像を与えることをしませんでした。

 

 しかし,今回は急に真面目な考察をする気になったので,一応,一般相対論を駆使するようなむずかしい計算に頼ることなく,近似的な話としてこれの簡単な説明をしてみます。

まず,重力崩壊をするはずの星の半径をR,星の全質量をMとします。

 

特に現状の重力崩壊前ではR=R0=一定とします。

 

そしてMが星の中心に集中しているとした場合の,シュヴァルツシルト時空のシュヴァルツシルト半径をRsとすると,cを光速としてRs2GM/c2となります。

 

これは星が太陽の場合の質量Mに対しては,約3kmであり,もちろん,この場合はRs<<R0ですから,現状では太陽はブラックホールではなく半径の外に事象の地平面が現われることもありません。

 ちなみに,たとえ太陽がブラックホール化したとしても,太陽質量Mが今と同じままなら,我々の生命の源泉である太陽からの光,あるいは熱エネルギーが途絶えてしまうというような重力以外の効果を抜きにすれば,太陽系の中心にある"太陽=ブラックホール"の半径約3kmの事象地平面から外の領域で,はるか遠方にある地球に及ぼす太陽の重力は以前と変わりがあるわけではなく,地球は従来通りの公転軌道を描くはずです。

 そして,星の密度が均質であるという一見バカげていますが,それほど見当違いでもない理想化をすれば,"星の半径Rより内側=星の内部=中心からの半径r<Rの位置"で物体に働く重力は,それが球対称な引力で中心力であることを考慮し,さらにガウスの定理を用いると,大きさFがrに比例することがわかります。

単位質量の物体に働く力で考えると,r<Rでのrに比例した大きさを持つ引力がr=Rでr≧Rでの万有引力=-GM/r3に連続的につながり,=―∇Uで与えるポテンシャルUもr=Rで連続でr≧RでのU=-GM/rになるとすれば,星の内部r≦Rでは=-GmM/R3,U=-3GM/(2R)+GMr2/(2R3)となるはずです。

星の内部での引力を与える重力場はシュヴァルツシルトの外部解で与えられるものではないのは明らかです。

 

そこで,相対性理論で考えても,星の質量Mが不変に固定された場合の仮想的な事象地平面(半径Rsの球面)よりも外側のRs<r≦Rにある部分質量が重力崩壊という名の自由落下で,固定地平面r=Rsまで到達するまでの外部時間は有限であって,決して無限大ということはないと考えられます。 

 しかも重力崩壊の過程において,落下していく際の目標である仮想地平面がシュヴァルツシルト半径r=Rsの固定地平面であると考える必要もありません。 

現状の太陽のように重力崩壊が無視できて,R=R0=一定である状態では,密度が均質の仮定の下でr≦Rを満たす任意のrに対して,半径rの球の内部の質量はm=M(r/R)3です。

 

このmに対するシュヴァルツシルト半径を考えて,それを,rs(m)≡2Gm/c2=Rs(r/R)3と書けば,rs(m)<Rsです。

 

それ故,太陽の場合ならm<Mに対するrs(m)はMに対する仮想半径Rs=約3kmよりも,さらに小さいわけです。

 

そして,現実にはr>rs(m)を満たすrの位置にある部分の質量がrs(m)<Rsを満たす半径rs(m)の仮想地平面を目指して落下していくわけです。

 

固定面Rsに落下する質量について,上でも述べたように,rs(m)へと落下していく質量が存在する位置のrに対し,"宇宙空間=星の構成物質の質量がゼロの空間"との境界で定義される星の表面を示すその時点での星の半径Rはもちろんr≦Rを満たしています。

 

それ故,rs(m)<Rなので落下運動はシュヴァルツシルト時空に支配されるわけではないため,落下してr=rs(m)に"張り付く"までの外部時間は有限なはずです。 

そして崩壊(収縮)が進んで星を形成する質量やエネルギーが次第に中心部に集中してゆき,中心部の質量mがm→ Mと大きくなると,ブラックホールができる前の段階では中心部のみの質量mによる仮想地平面の半径rs(m)=2Gm/c2,m→Mに連れて大きく膨らんでいきます。

一方,星の半径の方は逆にR→小と痩せていくわけですが,仮想地平面が星の内部にあってrs(m)<Rである限り,現実に星の外に事象の地平面があるブラックホールではないので,質量が重力によって自由落下して中心部が質量的に太る重力崩壊の過程で,無限大の外部時間がかかるわけではなく有限時間で終了します。

 結局,質量の自由落下m→Mに連動したrs(m)→ 大,かつR→小の末にはrs(m)=Rとなって,仮想地平面が星の表面に全く一致した状態になりますが,これはr=Rでのrs2Gm/c2=Rs(r/R)3がRに一致すること,つまりrs(m)=R=Rsとなることを意味します。 

そしてまた,これは星の内部質量がm=Mとなった状態,すなわち,全質量Mが中心部に崩壊落下した結果,膨らんでいきつつあった仮想地平面の半径rs(m)がついにはRs=rs(M)と一致し,仮想地平面が星の表面まで達したため,仮想から現実の地平面になる瞬間を示しているわけです。

そして,この瞬間までの重力崩壊の間,実質上のシュヴァルツシルト半径であるrs(m)は崩壊中の時々刻々の星の半径Rより常に小さくて,星の内部にあるため,r=rs(m)の球面は,まだブラックホールの事象地平面としての意味を持たず,この状態に到達するまでの外部時間は無限大ではなくて有限です。

 

すなわち,重力崩壊において星を構成する外核物体が落下して,いわゆる事象の地平面に"張り付く"までの時間は,落下物体の固有時間だけではなく,外部観測者にとっての時間でも決して無限大ではなく,有限であることが明確に示されたと思います。

 さらに,R=Rsとなった瞬間から後にも更なる質量の中心への集中過程で,R<Rsとなって星の半径はシュヴァルツシルト半径よりも小さくなっていく,言い換えると相対的に事象の地平面が星の外部にせり出して本格的にブラックホールが形成されていくわけです。

 

 こうした更なる質量集中のプロセスは,事象地平面の内部の力学に支配されると考えられるので,これについて無限大の時間がかかるという類の困難はもはや存在しないと思います。

  

 以上の考察に大きな誤りがないなら,

 

 星の半径Rについての時間,つまり"(R=Rsとなって地平面に張り付くまでの時間)+(R=RsからR<Rsとなるまでの時間)=(ブラックホールの形成時間)"が外部観測者にとっては無限大になる。

 

 そして,一方,宇宙開闢から現在までの時間は誰にとっても有限なため,真のブラックホールが存在するとしても,それは重力崩壊によって形成されたものではない。重力崩壊だけで形成されるブラックホールは現在も将来も存在し得ないのではないか?"

 

 という疑問に関しては,否定的に解決されたと思います。

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