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2008年7月27日 (日)

相対論の幾何学(第Ⅰ部-3:空間曲線(補遺))

記事「相対論の幾何学(第Ⅰ部-1:平面曲線 )」の最後で次のような平面曲線の曲率についての法則を述べましたが,前回の相対論の幾何学(第Ⅰ部-2:空間曲線)」において,これを空間曲線に拡張するという作業を落としていたので補遺として述べておきます。

(再掲記事)

ここで平面曲線(s)(a≦s≦b)の始点(a)と終点(b)が一致する,すなわち(a)=(b)なるとき,これは閉曲線と呼ばれます。

 

この閉曲線の曲率をκ(s)とするとき,m≡{∫abκ(s)ds}/(2π)で与えられるmは常に整数となることを示すことができます。

すなわち,曲率がκ(s)のこの曲線(s)(a≦s≦b)でsの変域を0≦s≦lとすると,上の証明におけるように(s)=(∫0scos{∫0tκ(u)du}dt,∫0ssin{∫0tκ(u)du}dt),(0≦s≦l)と表現できます。

 

そこでθ(s)≡∫0sκ(u)duと置けば(s)の接ベクトル'(s)=d/dsは'(s)=(cos{θ(s)},sin{θ(s)})と表わされ,θ(0)=0 によりθ(s)はsにおける接線'(s)がs=0 の接ベクトル'(0)となす角度を示しています。

 

そこで(s),(0≦s≦l)が滑らかな閉曲線:(0)=(s)なら,これは'(0)='(s)を意味し,偏角θ(l)=∫0lκ(s)dsは 2πの整数倍でなければならないことがわかります。(再掲終わり)

 

と書きました。この性質を空間曲線に拡張します。

上記記事のxy座標で記述される平面曲線では,その曲率がκ=x'y"-y'x"=(xd2d-yd2d)/{(xd)2(yd)2}3/2なる形で与えられることを見ました。

 

一方,空間曲線の曲率はκ=|"|=|d ×2d|/|d|3で与えられることを知りましたが,平面曲線は空間曲線の特別な場合でしかありませんから,両者が同じ概念を表わすものなら,それらは値としても一致するはずです。

 

実際,両者の曲率の定義は,空間曲線でのそれが非負であるのに対し,平面曲線のそれはパラメータsの増加に従って閉曲線の進む向きが正か負かの違いによって符号が変わるという違いを除けば一致します。

空間曲線については次の定理が成立することが知られています。

[定理6]:(フェンチェルの定理(Fenchel's theoem))

 空間内の閉曲線(s)(a≦s≦b;(a)=r(b))の曲率をκ(s)とすると∫abκ(s)ds≧2πである。

 以下ではこれを証明しますが,そのためにまず平面曲線で回転数:m≡{∫abκ(s)ds}/(2π)が常に整数になるというのを修正して,全曲率を∫ab|κ (s)|dsと定義するときこれは2π以上であること,つまり∫ab|κ (s)|ds≧2πであることを示しておきます。

 

 これもフェンチェルの定理と呼ばれます。

平面曲線の各点(s)に対して,2(s)に平行な,原点を始点とする単位ベクトルを対応させてこれも2(s)と表記します。こうした曲線と単位円の終点の対応を2(s)=g((s))と表現してガウスの表示と呼びます。

すると(s)が閉曲線を描くときには,g((s))の終点は単位円の上で周上を行きつ戻りつして,左回転,右回転を繰り返して連続的に変動しながら結局は元に戻るわけです。

 

半径がρ(ρ>0)の円の曲率はκ(s)=1/ρですから,sの微小変化ΔsをΔs=ρΔθと書いて角度Δθの単位円の中心を回る微小回転と見れば,κ(s)Δs=Δs/ρ=Δθであり,∫abκ(s)dsはg((s))が単位円上で移動する距離の代数和になることがわかります。

 

この意味では回転数m≡{∫abκ(s)ds}/(2π)が常に整数となるのは当然と思われます。

すなわち,上に示したことから,平面曲線では∫abκ(s)ds=2mπ,m=0,±1,±2,..ですが,∫ab|κ(s)|ds≧|∫abκ(s)ds|よりm=0 以外では,確かに∫ab|κ(s)|ds≧2πが成立します。

 

そこで,m=0,すなわち∫abκ(s)ds=0 の場合だけを考えれば十分です。

 

今,κ(s)の正味の総和への正負の回転の寄与を分けて,κ±(s)≡(1/2){|κ(s)|±κ(s)}≧0 とすると,κ(s)=κ(s)-κ(s),|κ(s)|=κ(s)+κ(s)なので∫abκ(s)ds=∫abκ(s)ds=(1/2){∫ab |κ(s)|ds}です。

 

それ故,∫abκ(s)dsがπ以上になることを示せばよいことになります。

ab |κ(s)|dsは|Δθ|=|κ(s)|Δsの総和であり,実際に閉曲線が左回転κ(s)と右回転κ(s)とから成ってそれらが相殺するとき,各々の回転角の絶対値の総和がそれぞれπを越えることは有限な内部領域を持つ閉曲線では直感的には自明です。

 

そこで厳密な証明(accurate proof)ではないかもしれませんが,以上の考察から平面閉曲線(s)(a≦s≦b)の曲率κ(s)については∫ab|κ (s)|ds≧2πが成立することが示されたと考えます。

次に空間曲線の場合の証明に入ります。

(定理6の証明)

 空間曲線を(s)とし,それのある平面Π:(,0)=0(は平面の法線単位ベクトル)の上への射影を(s)とします。このとき(s)はΠ上の平面曲線であって(,(s)-0)=0 を満足します。

 

 そして(s)-(s)は(s)から平面Πへの垂線なので(s)-(s)=K(s),つまり(s)=(s)-K(s)と書けます。

したがって,(s)-0(s)-0-K(s)より,K(s)=(,(s)-0)が得られます。すなわち(s)=(s)-(,(s)-0)です。

 そこで,初めから00 と座標原点を含むように平面Πを選んでおけば,平面Πの方程式は(,)=0 です。(s)のΠへの射影である平面曲線(s)は,(s)=(s)-(,(s))と表わされます。

 

 そして,(a)=(b)より(a)=(b)なので(s)はsをパラメータとする平面閉曲線です。

 このときd/ds=d/ds-(,d/ds)/で,|d/ds|=1すから一般に|d/ds|≠1ですから,空間曲線(s)の弧長s(ds=|d|)は,実は平面曲線(s)についてはds=|d|を満たす弧長ではなく一般のパラメータです。

さて,平面Π上での平面曲線(s)の曲率をκpと書くと,その絶対値|κp|は空間曲線での曲率の特別な場合の値に相当し,今の場合sは弧長ではないので|κp|=|"|/|'|3となります。ただし,'≡d/ds etc.の表記を用いることにしています。

ところで,空間ベクトルの外積の絶対値|×|を大きさが評価しやすい形に変換すると,|×|={22(,)2}1/20 となることがわかります。

 

これは,のなす角がθのとき|×|=||||sinθなる形に書けるという直感的イメージからもわかります。

そこで,|κp|={'2"2(',")2}1/2/|'|3となります。これに(,),つまり,'='-(,')n,p"="-(,")を代入します。

まず,'2{'2(,')2}となるので,|'|={'2(,')2}1/2です。同様に"2{"2(,")2}です。

 

また,(',")=(',")-(,')(,")ですから,|"|2'2"2(',")2{'2(,')2}{"2(,")2}-{(',")-(,')(,")}2'2"2(,")2'2(,')2"2(',")22(',")(,')(,")と書けます。

さらに,'=1であり|'|=|1|=1で,かつ(',')=(1,1)=1 (一定)なので(',")=0 となり,|"|2"2(,")2(,')2"2を得ますから,結局,p|={"2(,")2(,')2"2}1/2/{'2(,')2}3/2なる表現を得ます。

そして,この平面曲線の弧長はdsではなく|d|ですから,全曲率は∫|κp||d|=∫abp||'|ds=|=∫ab[{'2"2(',")2}1/2/|'|2]ds=∫ab[{"2(,")2(,')2"2}1/2/{1(,')2}]dsです。

 

ここで,',"がとなす角をそれぞれθ12と置けば(,')=cosθ1,(,")=|"|cosθ2より,'2(,')21-cos2θ1sin3θ1,"2(,")2(,')2"2"2(1-cos2θ2cos2θ1), (,")=cosθ2=(d/ds)(,')=-θ1'sinθ1ですから∫p||d|=∫{|"|(1-cos2θ2cos2θ1)/(1-cos2θ1)}dsです。

一方,∫abκds=∫ab|"|ds=∫ab{'2"2(',")2}1/2ds=∫ab|"|dsです。

 

1-(1-cos2θ2cos2θ1)/(1-cos2θ1)=cos2θ2/(1-cos2θ1)≧0 ですから,結局∫abκds≧∫p||d|≧2πが成立することが示されました。(証明終わり)

短いけれど,今日はここまでにします。

参考文献:小林昭七著「曲線と曲面の微分幾何」(裳華房),梅原雅顕,山田光太郎 著「曲線と曲面」(裳華房)

 

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コメント

 ども明男さん。。TOSHIです。

>違うかもしれませんが、厳密な証明をrestrict proofとされていますが、strict proofではないですか?

何か・・・違和感が。

 これは辞書引くとその通りでした。間違えて覚えていたようです。疑問に思っていれば辞書か検索でしらべるので,これは思い込みでしょうか。。制限するという意味しかないみたいです。

 厳密に言えばというのをrestrictly speakingとか覚えていました。strictは正しいようです。

 その他accurate,rigorous,exactなどもあって正確なという意味があるのが気に入ったのでaccurateに直すことにしました。

 ご指摘ありがとうございました。

           TOSHI
        

投稿: TOSHI | 2008年7月27日 (日) 20時47分

こんにちは、明男です。

違うかもしれませんが、厳密な証明をrestrict proofとされていますが、strict proofではないですか?

何か・・・違和感が。

投稿: 明男 | 2008年7月27日 (日) 19時07分

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