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2008年8月17日 (日)

相対論の幾何学(第Ⅰ部-7空間曲面(3))

相対論の幾何学(空間曲面)の続きです。

これまでの議論では,空間ベクトルの基底として曲面(u,v)の各点におけるu,v,を用いてきましたが,その代わりに互いに直交する単位ベクトルの系,すなわち正規直交系を使った表現による定式化を試みます。新しい基底は正規直交標構と呼ばれます。

曲面(u,v)に対する各点での正規直交標構はまだ未定義ですが,これらを記号1,2,3と表わすと,"内積=スカラー積"について,(i,j)=δijを満足することが正規直交標構であるための必要十分条件となります。

ここで,"内積=スカラー積"の記号(i,j) etc.は(i,j)≡tijを意味します。ただし,右辺の積は行列の積を意味します。

 

i etc.で表わされる空間のベクトルは成分を縦に並べた列ベクトルとし,tiは列ベクトルiの転置行列で,成分を横に並べた行ベクトルを意味します。

接平面を構成する1,2については任意性がありますが,これらの1組は例えば,u,vが既知のとき,1u/|u|,2{v(v,1)1}/|v(v,1)1|と置けば得られます。

 

次に,1,2にが決まっていれば,331×2なる"外積=ベクトル積"で定義されます。この定義から,3は接平面の単位法ベクトルとなりますから,符号を除いて,以前の方法で与えた単位法ベクトルと同じです。

上のように,1u/|u|,2{v(v,1)1}/|v(v,1)1|で定めた1,2であれば,31×2は以前の方法での単位法ベクトルの定義:e≡(u×v)/|u×v|と完全に一致していて,3となります。

 

もしも,3=-なら12を入れ替えて定義して,とにかく31×2となるようにしておきます。 

ここで接平面の以前の基底u,vを新基底1,2で表わす基底間の線型変換が,u111+a122,v=a211+a222,または(i,j)成分がajiで与えられる2×2行列によって(u,v)=(1,2)Aで表わされるとします。

ただし,ここでの(u,v)=(1,2)Aでは,特別に(u,v),(1,2)は内積tuv ,t12を表わすのではなく,u,v1,2を成分として横に並べた行ベクトルを意味するとしています。 

そして,上の表現(u,v)=(1,2)Aから,外積についての公式u×v(detA)(1×2)=(detA)3も成立しますが,今は31×2(u×v)/|u×v|となるように基底を取っているので,detAはゼロではなく,いたるところでdetA>0 です。

 

ただし,detAはAの行列式を表わしています。

次に,曲線(u,v)上でのdu,dvに伴なう微小変位udu+vdvで与えられます。

 

これはd=(111+a122)du+(211+a222)dv=(11du+a21dv)1(12du+a22dv)2と変形されます。

 

そこで,θ1≡a11du+a21dv2≡a12du+a22dvとおけば,θ11+θ22となり,dr1,2の線型結合で書けます。

曲面(u,v)の第1基本形式IはI≡E(dudu)+2F(dudv)+G(dvdv)=(d,d)=tです。E=(u,u)=tuu,F=(u,v) =tuv,G=(v,v)=tvvですが,I=(d,d)=tt=θ1θ1+θ2θ2と表現されます。 

さらに,iの微分iも,空間のベクトルなのでd1=ω111+ω122+ω133,2=ω211+ω222+ω233,3=ω311+ω322+ω333,つまりdi=Σj=13ωijjと表わせます。

 

これは,(i,j)成分がωji3×3行列をΩとすると,d(1,2,3)=(d1,d2,d3)=(1,2,3)Ωと書けます。

 

ただし,di(∂i/∂u)du+(∂i/∂v)dv=Σj=13ωijjなので,dはu,vの1次の無限小であり,それ故,ωijは全てdu,dvの線型結合で与えられます。

そして,(i,j)=δijより,(di,j)+(i,dj)=0 ですから,i=Σj=1ωijjによってωij+ωji0 (i,j=1,2,3)が得られます。つまり,Ωは交代行列(反対称行列)で,対角成分は全てゼロ:ω11=ω22=ω330 です。

それ故,曲面(u,v)の第2基本形式:Π≡-(d,d)=-(udu+vdv,udu+vdv)=L(dudu)+2M(dudv)+N(dvdv),L=-(u,u),M=-(u,v),N=-(v,v)については,Π=-(d,d3)=-(θ11+θ22311+ω322)=-θ1ω31-θ2ω32=θ1ω13+θ2ω23と書けます。 

ところで1=a11du+a21dv2=a12du+a22dv,すなわち,t12)=At(du,dv)ですが,detA≠0 よりAの逆行列A-1が存在しますから,両辺の左からA-1を掛けることにより,t(du,dv)=A-1t12)を得ます。

さらに前に述べたようにijは全てdu,dvの線型結合で与えられますから,t(du,dv)=A-1t12)によりωijはθ12の線型結合で書けます。

 

すなわち13=b11θ1+b12θ223=b21θ1+b22θ2,あるいは,(i,j)成分がbijの2×2行列Bによってt1323)=Bt12)の形に書けます。

これを用いれば,Π=θ1ω13+θ2ω2312)t1323)=(θ12)Bt12)=Σi,j=12ijθiθjとなって,Πはθの二次形式の形になります。

 そして,上のBが対称行列であることも証明しておきます。 

(証明)d3udu+vdvの両辺とuの内積を取れば-Ldu-Mdv=(d3,u)=(ω311+ω322,a111+a122)となります。そこで,Ldu+Mdv=ω1311+ω2312が成立します。

 

 同様に,Mdu+Ndv=ω1321+ω2322が成立します。

 

 したがって,第1行が(L,M),第2行が(M,N)の行列をSとすると,St(du,dv)=tt1323)=tABt12)=ttBAt(du,dv)ですから,変数du,dvの独立性からS=tABAとなることがわかります。 

そこで,S=tABA,つまりtS=ttBAですからSの対称性tS=SとdetA≠0 によって,Bの対称性:tB=Bが得られます。

 

(証明終わり)

このことから実行列Bの固有値は実数値であることがわかります。

すなわち,Bの固有値をλとしこれに属する固有ベクトル(複素数を成分とする2次元の列ベクトル)を≠0とすればB=λですが,とこれの"複素内積=ユニタリ内積"を取るとt*=λt*=λ||2となります。

そして,この両辺の複素共役を取るとBが実行列なのでt*=λ*||2となりますが,さらに転置を取るとt*t=λ*||2です。

 

これにtB=Bを代入すればt*=λ*||2が得られます。そこで,λ*||2=λ||2が成立しますが,≠0 ですから,λ*=λ,つまりλが実数であることがわかるのです。

以上から,Bの2つの固有値は実数であることがわかりましたが,これらは先に定義した曲線(u,v)の主曲率κ12に一致します。 

というのは,S=tABAによって,B=t(-1)SA-1=AA-1t(-1)SA-1=A(tAA)-1SA-1なので,Iを単位行列とする固有値方程式:det(B-λI)=0 において,B-λI=A{(tAA)-1-λI}-1ですから,固有値方程式はdet{(tAA)-1-λI}=0 と等価です。

ところが,行列として(u,v)=(1,2)Aが成立するのでt(u,v)(u,v)=tt(1,2)(1,2)Aと書けますが,tij=δijによりt(1,2)(1,2)=Iですから,行列tAAはtAA=t(u,v)(u,v)と表現されます。

そしてE=tuu,F=tuv,G=tvvですから,tAA=t(u,v)(u,v)は1行目が(E,F)=(tuu,tuv),2行目が(F,G)=(tuv,tvv)の対称行列です。

 

それ故,tAAの逆行列:(tAA)-1は1行目が(EG-F2)-1(G,-F),2行目が(EG-F2)-1(-F,E)の行列となります。したがって,行列(EG-F2){(tAA)-1S-λI}は1行目が((GL-FM)(EG-F2)λ,GM-FN),2行目が(-FL+EM,(-FM+EN)-(EG-F2)λ)の行列です。

以上から行列Bの固有値λに対する方程式det[(tAA)-1S-λ]=0 は(EG-F2)2λ2(EG-F2)(EN+GL-2FM)λ+(GL-FM)(-FM+EN)-(GM-FN)(-FL+EM)=0 となります。左辺の最後の2つの定数項の和は(EG-F2)(LN-M2)と因数分解されます。

 

そこで,結局,EG-F20 の場合は(EG-F22(EN+GL-2FM)λ+LN-M20 と同値になり,これは主曲率κ12を2つの解とするλの2次方程式に一致します。 

これによって行列Bの2つの実数固有値が主曲率κ12になることが示されました。

 

そこで,ガウスの曲率はK=κ1κ2(LN-M2)/(EG-F2)=detB=b1122-b1221であり,平均曲率はH=(κ1κ2)/2=(EN+GL-2FM)/{2(EG-F2)}=(1/2)traceB=(1/2)(b11+b22)です。

さらに,dθ11+θ22(1,2)t12),3(1,2)t3132)=-(1,2)t1223)=-(1,2)Bt12)より,κがBの固有値でt12)が=κを満たす固有ベクトルに一致するならd3=-κ(1,2),すなわち3=-κとなります。

 

正規直交標構を用いた表現では行列Bの2つの固有値が主曲率κになるということの意味も明確です。 

さて,これまでadu+bdvのような微分表現を用いてきましたが,これは2変数の場合の外微分形式,または単に微分形式と呼ばれるものの特別な場合であると考えられます。

(u,v)平面内の領域D上で定義された微分形式とは,D上の微分du,dvの線型結合の和や積という形で与えられるものですが,"和=加法"はともかく,"積=乗法"は微分を単純に掛け合わせただけというわけではなく,ベクトルの外積と同じ乗法規則を持つという性質によって規定される演算であり,特別な記号∧を用いてdu∧dv etc.と書かれ外積と呼ばれます。

乗法規則は基本的にdu∧du=0 ,dv∧dv=0 ,du∧dv=-dv∧duで代表されます。

 

単なる関数は 0次微分形式,fdu+gdvは1次微分形式,fdu∧dvは2次微分形式と呼ばれますが,これらの"積=外積"に関しては通常の結合則,分配則が成立するとします。

例えば,2つの1次微分形式α≡a1du+a2dv,β≡b1du+b2dvの積はα∧β=(a1du+a2dv)∧(b1du+b2dv)=a12du∧dv+a21dv∧du=(a12-a21)du∧dvなる2次微分形式になります。

 

この係数a12-a21,1行目が(a1,a2),2行目が(b1,b2)の行列の行列式に一致しています。

さらに,明らかにα∧α=0 ,β∧β=0 ,α∧β=-β∧αが成立し,α∧β≠0 なることはβ=cαと表わせないこと,つまりαとβが1次独立なることに同値であることもわかります。

そして2次微分形式γ≡fdu∧dvから結合法則を満たすものとして,γ∧α,γ∧βなどで3次以上の微分形式を定義しようとしても,これらは各項に,必ずdu∧du,dv∧dvを含むのでゼロになって意味を成しません。

次に外微分dを次のように定義します。0次微分形式fに対してはdf≡(∂f/∂u)du+(∂f/∂v)dv,1次微分形式φ=fdu+gdvに対してはdφ≡df∧du+dg∧dv=(∂f/∂v)dv∧du+(∂g/∂u)du∧dv=(-∂f/∂v+∂g/∂u)du∧dv,2次微分形式ψ=fdu∧dvに対してはdψ≡df∧du∧dv={(∂f/∂u)du+(∂f/∂v)dv}du∧dv=0 です。

元々,微分形式を外微分形式とも呼ぶのは,この形式が"外積代数=グラスマン代数(Grassman algebra)"を満たす上記の外微分演算を含んでいるからです。

 

また,微分形式は多様体上の点における"余接空間=接空間の双対空間"に属する微分と呼ばれる線形写像の外積などというように多様体上の交代テンソル場などと関連して定義されることが多いようですが,素朴にはユークリッド空間Rnの上での積分における不変測度を表現したものでしょう。

 

つまり,今の場合だと2次微分形式:ψ=fdu∧dvの向き付けされた(符号つきの測度を持つ)積分表現∫ψ=∫f(u,v)dudvが積分変数の変換(→置換積分):x=x(u,v),y=(u,v)の際に,ヤコービアンをJ≡det(∂(u,v)/∂(x,y))として,∫ψ=∫f(x,y)Jdxdyとなる構造を積分記号をはずした内部の演算として形式的に捉えたのが微分形式の発想であったと思います。

 

以下,証明は省略しますが外微分に対しては次のような公式が成立します。

 

(1)f,gが共に 0次微分形式ならd(fg)=df・g+f・dg

(2)fが 0次,φが1次ならd(fφ)=df∧φ+f∧dφ,d(φf)=dφ∧f-φ∧df

(3)任意の微分形式θに対してd(dθ)=0 が成立する。

 

という公式です。 

 

最後の式(3)を,θが 0次形式,dθ=(∂f/∂u)du+(∂f/∂v)dvの場合に示しておきます。

 

すなわち,d(dθ)=(∂2f/∂u∂v)du∧dv+(∂2f/∂v∂u)dv∧du=0 ですね。

 

そして,"可縮な領域においては閉形式は完全形式である。"というポアンカレの補題(Poincareの補題)"が成立します。これは"1点にホモトープな任意の領域ではdφ=0 ならφ=dθを満たすθが必ず存在する。"という定理です。

 

これは物理学では"渦なし=回転がゼロ:rot0 "ならスカラーポテンシャルφが存在して=gradφ=∇φと書けること,また,湧き出し吸い込みがない=発散がゼロ:div=∇=0 ならベクトルポテンシャルが存在して=rot=∇×と書けることなどを示すものです。

 

これらの詳細,および一般的証明については2006年10/21の記事「ポアンカレの補題」を参照してください。

 

さて,曲面(u,v)上でd=(dx,dy,dz)をd=θ11+θ22と書くと,d(d)=((dx),(dy),(dz) )0 ですから,0=dθ11-θ1∧d1θ22-θ2∧d2=dθ11-θ1j=13ω1jj)+θ22-θ2j=13ω2jj)です。

 

すなわち,(dθ1-Σi=12θi∧ωi1)1(dθ2-Σi=12θi∧ωi2)2i=12θi∧ωi3)30 です。1,2,3は1次独立なのでdθj=Σi=12θi∧ωij(j=1.2),Σi=12θi∧ωi30 が得られます。

dθj=Σi=12θi∧ωij(j=1.2)は第1構造式と呼ばれます。ωijを成分とする行列Ωは交代行列なので,これはdθ1=θ2∧ω21,dθ2=θ1∧ω12を意味します。

 

一方i=12θi∧ωi30 にω13=b11θ1+b12θ223=b21θ1+b22θ2 or ωi3=Σj=12ijθjを代入すれば,Σi,j=12ijθi∧θj0 を得ます。

 

そこで,この式は(b12-b21)θ1∧θ20 ,つまりb12=b21を意味します。これから,行列Bが対称行列であることが再確認されます。

 

次に,di=Σj=13ωijj(i=1,2)とd(di)=0 により,Σj=13(dωijj-ωij∧dj)=0 ,それ故dωikΣj=13ωij∧ωjkです。

 

特にk=1,2に対しi=1,2の場合にはωi3Σj=12ijθjよりdωikΣj=13ωij∧ωjkΣj=12ωij∧ωjkωk3∧ωi3Σj=12ωij∧ωjkΣh,j=12khijθh∧θjを得ます。

微分形式による定式化の途中ですが今日はここまでにします。

 

参考文献:小林昭七 著「曲線と曲面の微分幾何」(裳華房)

 

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