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2008年8月29日 (金)

相対論の幾何学(第Ⅰ部-9:曲面上の幾何(1))

 さて,またまた相対論の幾何学の続きです。

(u,v)平面内の領域Dの上で定義される空間曲面(u,v)上の各点に対して第1基本形式:I=(d,d)=Edudu+2Fdudv+Gdvdvが与えられているとします。

 

すなわち,領域Dにおいて定義されたu,vの関数:E,F,Gが与えられているとします。

 

ただし,常にI=(d,d)>0 ですから右辺が第1基本形式を表現するためには正値である必要があります。それ故,E>0 で判別式が負,つまりEG-F2>0 であるとします。

このように,D上の正値2次形式で与えられた第1基本形式をD上のリーマン計量(Riemannian metric)といいます。

一方,曲面上の曲線の長さを弧長パラメ-タをsで表わすとds=|d|,つまりds2=(d,d)です。

 

そこで,習慣上はRiemann計量を,I=(d,d)=Edudu+2Fdudv+Gdvdvという表現の代わりに,ds2=Edudu+2Fdudv+Gdvdvなる表現で書くのが普通です。

 

u,vをu1,u2と表記し,E=g11,F=g12=g21,G=g22として,Einsteinの縮約の規約を用いてI=ds2=gijduidujと表わす表現の方が馴染み深いかもしれません。

一般に,(u,v)座標平面内の領域Dとは別に,(x,y)座標平面内の領域D'があって,それぞれに"Riemann計量=第1基本形式":Edudu+2Fdudv+Gdvdv,および,E'dxdx+2F'dxdy+G'dydyが与えられているとします。

 

このとき,DとD'の間に微分可能な写像u=u(x,y),v=v(x,y)によって1対1の対応が与えられていて,この変換をEdudu+2Fdudv+Gdvdvに代入したときE'dxdx+2F'dxdy+G'dydyが得られる場合には,そうした対応は等長対応と呼ばれ,これら2つのRiemann計量は本質的に同じものとみなされます。

前の記事では,θ12をD上の1次独立な1次微分形式としてd=θ11+θ22と表現することから,I=(d,d)=θ1θ1+θ2θ2なる表式を得ました。

  

まず,これの逆として,与えられたRiemann計量:ds2=Edudu+2Fdudv+Gdvdvから,D上の1次独立な1次微分形式θ12が存在して,ds2=θ1θ1+θ2θ2と表わせることを証明します。

まず1=a11du+a12dv,θ2=a21du+a22dvとします。

 

このとき,ds2=θ1θ1+θ2θ2とds2=Edudu+2Fdudv+Gdvdvの両立は,E=(a11)2+(a12)2,F=a1121+a1222,G=(a21)2+(a22)2を意味します。

 

そこで例えばa11=E1/2,a12=0,a21=F/E1/2,a22=(EG-F2)1/2/E1/2とすれば,これらは満たされるので,確かに1次独立なある1次微分形式θ12を使ってds2=θ1θ1+θ2θ2と表わせることが示されました。

また,前の記事でも示したように,θ12が与えられればω21≡b1θ1+b2θ2と置いて,これがω21=-ω12,および第1構造式:dθ1=θ2∧ω21,dθ2=-θ1∧ω21を満たすことから,dθ1=-1θ1∧θ2,dθ2=-2θ1∧θ2です。

 

そこで,ω211θ1+b2θ2を決める係数b1,b2,したがってω21=-ω1211=ω220 は全て決まります。

 

このω11,ω21,ω1222を成分とする2×2交代行列Ω≡(ωji)を接続形式と呼びます。

こうして得られるω21から,第2構造式dω21=Kθ1∧θ2によってKを定義し,これをGaussの曲率と呼びます。

ここで,θ12とは別のdu,dvの1次微分形式θ^1,θ^2があってds2=θ1θ1+θ2θ2同じように,ds2=θ^1θ^1+θ^2θ^2と書けると仮定します。

 

θ^1,θ^2もθ12と同じくdu,dvの1次微分形式であり,θ12が1次独立なので,θ^1=s11θ1+s12θ2,θ^2=s21θ1+s22θ2と書けるはずです。

 

これは,θ^≡t(θ^1,θ^2),θt12)と列ベクトルで表わせば行列形式でθ^=Sθと書けます。ここにS≡(sij)です。

 

そして,これの転置を取れば,tθ^=tθtS,つまり(θ^1,θ^2)=(θ12)tSです。そこで,結局θ^1θ^1+θ^2θ^2tθ^θ^=tθtSStθと書けます。

 

ところがθ^1θ^1+θ^2θ^2=θ1θ1+θ2θ2,すなわちtθ^θ^=tθθという仮定でしたから,これはtSS=I(Iは単位行列)が成立することを意味します。それ故,Sは直交行列です。

次に,上のθ^=Sθの外微分を取ればdθ^=dS∧θ+Sdθとなります。一方,第1構造式:dθ1=θ2∧ω21,dθ2=θ1∧ω12はベクトルと行列による表現ではdθ=-Ω∧θと書けます。

そこでdθ^=dS∧θ+Sdθの右辺でSdθ=-SΩ∧θと書けるのでdθ^=dS∧θ-SΩ∧θです。

 

さらに,右辺のθθ=S-1θ^を代入すると,dθ^=dSS-1θ^-SΩ-1θ^=-(-dSS-1+SΩ-1)∧θ^となります。

 

それ故,Ω^≡-dSS-1+SΩ-1と定義すればdθ^=-Ω^θ^となってθ^についても第1構造式の形に書けます。

 

そして,Ω^≡-dSS-1+SΩ-1の転置を取れば,tS=S-1,tΩ=-Ωにより,tΩ^=-Sd(S-1)-SΩ-1=dSS-1-SΩ-1=-Ω^となり,確かにΩ^も交代行列です。

こうして,I=ds2=θ1θ1+θ2θ2を与えるdu,dvの独立な1次微分形式θ12をθ^1,θ^2に変えたとき,対応する接続形式Ω=(ωji)は,Ω^=(ω^ji)=-dSS-1+SΩ-1なる形に変換されることがわかりました。

次に,同じくθ12をθ^1,θ^2に変えたとき,Gaussの曲率の変換性K→ K^の性質を調べるために,Ω^=-dSS-1+SΩ-1Ω^S=-dS+SΩと書いて両辺の外微分を取ります。

(Ω^S)=d(-dS+SΩ)=d(SΩ)で最右辺はdS∧Ω+SdΩですが,左辺は(Ω^S)=dΩ^S-Ω^∧dSであり,これの右辺第2項に再びΩ^=-dSS-1+SΩ-1を代入すれば,(Ω^S)=dΩ^S+dSS-1∧dS-SΩ-1∧dSとなります。

それ故,dΩ^S+dSS-1∧dS-SΩ-1∧dS=dS∧Ω+SdΩ,または右からS-1を掛けてdΩ^+dSS-1∧dS-1-SΩ-1∧dS-1=dS∧ΩS-1+SdΩS-1となります。

 

つまり,dΩ^=SdΩS-1-dSS-1∧dS-1+SΩ-1∧dS-1+dSS-1∧SΩS-1です。

ところが,dSS-1∧dS-10 であり,t(dS-1)=Sd(-1)=d(S-1)-dS-1=-dS-1ですから,dS-1は交代行列です。

 

また,SΩ-1が交代行列であることもわかるので,SΩ-1∧dS-1+dS-1∧SΩ-10 です。

以上から,dΩ^=SdΩS-1なる変換性が得られました。

 

これを,第2構造式dω21=Kθ1∧θ2,dω^21=K^θ^1∧θ^2に代入すると,K^θ^1∧θ^2(detS)(Kθ1∧θ2)を得ます。

 

一方,θ^1=s11θ1+s12θ2,θ^2=s21θ1+s22θ2  or θ^=Sθから,明らかにθ^1∧θ^2(detS)(θ1∧θ2)です。

 

したがって,K^=Kが結論されます。

そこで,Gaussの曲率KはRiemann計量ds2にのみ依存し,第1基本形式I=ds2=θ1θ1+θ2θ2を与えるdu,dvの1次微分形式θ12の選択には無関係であることがわかりました。

 

特に,以前の空間曲面の論議では,Gaussの曲率Kは第2基本形式Π≡-(d,d)=-(udu+vdv,udu+vdv)=L(dudu)+2M(dudv)+N(dvdv)=θ1ω13+θ2ω23の停留条件や固有値を与える2次方程式の解の積で定義された量だったのですが,今の方法からは,Kは第1基本形式だけから決まることが示されたのです。

この事実は,Gaussによって初めて発見され,"最も素晴らしい定理"(Theorema egregium)と名付けられました。

 

こうして,Gaussの曲率K≡κ1κ2が第1基本形式だけから決まるのに対し,平均曲率H≡(κ1+κ2)/2 の方は第1基本形式だけでは決まらないことを,反例を挙げて示すことができますが,これは割愛します。

次に,Riemann計量ds2を用いて,Gaussの曲率Kを具体的に表わすことを試みます。

Kはdu,dvの独立な1次微分形式θ12の選択には無関係に決まる量なので,最初の方で書いたようにθ1=a11du+a12dv,θ2=a21du+a22dv,ds2=θ1θ1+θ2θ2=Edudu+2Fdudv+Gdvdvにおいて,a11=E1/2,a12=0,a21=F/E1/2,a22=(EG-F2)1/2/E1/2とする特殊な表式を採用してみます。

 

すなわち,θ1=E1/2du, θ2=FE-1/2du+(EG-F2)1/2-1/2dvなる表式を採用します。

このとき,θ1θ2(EG-F2)1/2du∧dv,dθ1=-(∂E1/2/∂v)du∧dv,dθ2=-[∂(FE-1/2)/∂v+∂{(EG-F2)1/2-1/2}/∂u]du∧dvとなります。

 

一方,前にω21≡b1θ1+b2θ2と置くと,第1構造式dθ1=θ2∧ω21,dθ2=-θ1∧ω21から,dθ1=-1θ1∧θ2,dθ2=-2θ1∧θ2となるため,これからb1,b2が決まると書きました。

 

実際,今のケースでは,1(∂E1/2/∂v)(EG-F2)-1/2,b2[∂(FE-1/2)/∂v+∂{(EG-F2)1/2-1/2}/∂u](EG-F2)-1/2が得られることがわかります。

 

これによって,ω21[(∂E1/2/∂v1+(∂(FE-1/2)/∂v+∂{(EG-F2)1/2-1/2}/∂v)θ2]/(EG-F2)1/2と書けます。

故に,ω21[(∂E1/2/∂v)E1/2du+(∂(FE-1/2)/∂v+∂{(EG-F2)1/2-1/2}/∂u){FE-1/2du+(EG-F2)1/2-1/2dv}]/(EG-F2)1/2=(∂E1/2/∂v)E1/2+(∂(FE-1/2)/∂v+∂{(EG-F2)1/2-1/2}/∂u)FE-1/2]du/(EG-F2)1/2+(∂(FE-1/2)/∂v+∂{(EG-F2)1/2-1/2}/∂u)-1/2dvと書けます。

これの外微分を取って,dω21=fdu∧dvなる形式を求め,それをθ1θ2(EG-F2)1/2du∧dvで割れば,ω21θ1θ2に従うKが得られるはずですが,今は疲れたのでPendingにします。

参考文献:小林 昭七 著「曲線と曲面の微分幾何」(裳華房)

 

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