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2008年8月14日 (木)

三角関数を含むある関数の定積分

 今日はちょっと気になる計算があったので計算をしてみました。実はT_NAKAさんのブログの2008年8/10の記事「 T_NAKAの阿房ブログ(高次モーメントを考える)」に関連したものです。。

 普通は公式集にあるものなら全面的にそれに頼り,わざわざ確かめたりもしませんが,偶々,所持している岩波の数学公式集,丸善の新数学公式集を見ても,適合するものが全く見つからなかったため,自力で計算せざるを得ず,実行しました。

 

 夏休み中で頭もボーッとしているし,最初予想していた結果と違っていたこともあって,かなり手間取りました。

計算するのは,定積分:Ik≡∫-∞k(x)dx=∫-∞dx[xkcos2x/{x2-(π/2)2}2]=∫-∞dx[xkcos2x/{(x-π/2)2(x+π/2)2}](k=0,1,2,..)です。

これはkが奇数なら被積分関数:fk(x)=xkcos2x/{x2-(π/2)2}2が,xの奇関数なので,その積分はゼロですから,以下ではkは偶数であるとし,fk(x)がxの偶関数の場合のみを計算します。

x=±π/2はfk(x)の特異点,特に極であるように見えますが,実は真の特異点ではありません。

 

例えばy≡x-π/2と変数変換すれば,fk(x)=xkcos2x/{(x-π/2)2(x+π/2)2}=(y+π/2)ksin2y/{y2(y+π)2}なので,y→ 0ではfk(x)→ (π/2)k2,y→ -πではfk(x)→ (-π/2)k/(-π)2となります。

 

そこで,y=0,-π,すなわち,x=±π/2は,fk(x)の真の特異点ではなく,これらの点でx→±π/2でのfk(x)の極限値をfk(±π/2)と定義すれば被積分関数fk(x)はx=±π/2でも連続なので,普通に積分を実行することができます。

 しかし,実際にxを実数のままで,この積分を評価するのはかなり面倒なのでxを複素変数zに変えて,複素z平面である閉曲線Cを周回する積分を考えてみます。

 

 その際,cos2z=[{exp(iz)+exp(-iz)}/2]2={exp(2iz)+exp(-2iz)+2}/4 なので,Ik(C)≡∫Ck(z)dz=∫Cdz[zk{exp(2iz)+exp(-2iz)+2}/{4(z-π/2)2(z+π/2)2}](k=0,1,2,..)を計算します。

 

 これ自身は,上に述べたようにz=±π/2も含めてfk(z)が全z平面で解析的なのでCが閉曲線の場合には常にIk(C)=0 です。

まず,∫Cdz[zkexp(2iz)/{(z-π/2)2(z+π/2)2}を考えます。原点を中心としR>>1で実軸上[-R,R]を直径=2Rとする上半円周をCとします。

  

ただし,今の場合,被積分関数はfk(z)ではなく,その一部gk(z)≡zkexp(2iz)/{(z-π/2)2(z+π/2)2}です。

 

これに対しては,z=±π/2 は確かに真の特異点(極)なので,Cは点±π/2 の周りでは特別に回避経路としてA±≡limε→ +0{z(θ)|z(θ)=±π/2+εexp(iθ),θ:π→ 0 (時計回り)}で与えられる微小半径ε>0 の上半円周経路を含むとします。

そして,Cの無限遠を意味する半径Rの円周上の点z=Rexp(iθ)=R(cosθ+isinθ) (0≦θ≦π)では,|∫gk(z)dz|=πR|zkexp(2iz){(z-π/2)2(z+π/2)2}|z|=R ~πRk-3exp(-2Rsinθ)→ 0 ですから,これの寄与は無視できます。

 

結局,0=∫C+dz[zkexp(2iz)/{(z-π/2)2(z+π/2)2}]=∫-∞dz[zkexp(2iz)/{(z-π/2)2(z+π/2)2}]+A+Aなる表現で書けます。

 

ここで,微小半円経路A±を回る積分の寄与を同じ記号A±で省略する表現をしました。

∫gk(z)dzにおけるA±の寄与を評価する必要がありますが,これは被積分関数のローラン展開において 1/(z±π/2)の係数に(-πi)を掛けたもので与えられます。

 

これはAの場合には,limz→(-π/2)(d/dz)[(z+π/2)2k(z)]で与えられます。

 

すなわち,limz→(-π/2)(d/dz)[zkexp(2iz)/(z-π/2)2]=limz→(-π/2)[{(kzk-1+2izk)/(z-π/2)2-2zk/(z-π/2)3}exp(2iz)]=-(-π/2)k-1(k-πi)(-π)-2+2(-π/2)k(-π)-3=(πk-3/2k-1)(k-1-πi)です。

 

したがって,結局A=(-πi)(πk-3/2k-1)(k-1-πi)が得られました。ここで,kが偶数であることを用いました。

同様にAの場合には,limz→π/2(d/dz)[(z+π/2)2k(z)]=limz→π/2[{(kzk-1+2izk)/(z+π/2)2-2zk/(z+π/2)3}exp(2iz)]=(π/2)k-1(k+πi)π-2-2(π/2)kπ-3=(πk-3/2k-1)(k-1-πi)ですから,A=(-πi)(πk-3/2k-1)(k-1-πi)=Aです。

 

以上のことから,∫-∞dz[zkexp(2iz)/{(z-π/2)2(z+π/2)2}]=-(A+A)=-2A=(2πi)(πk-3/2k-1)(k-1-πi)が得られました。

また,被積分関数gk(z)≡zkexp(-2iz)/{(z-π/2)2(z+π/2)2}に対しては,原点を中心としR>>1で実軸上[-R,R]を直径=2Rとする下半円周をCとすれば,同様な考察から 0=∫C-dz[zkexp(-2iz)/{(z-π/2)2(z+π/2)2}]=∫-∞dz[zkexp(2iz)/{(z-π/2)2(z+π/2)2}]+B+Bを得ます。

 

ここで,B±はA±と同様に実軸上の特異点±π/2を回避する微小な下半円周経路B±≡limε→ +0{z(θ)|z(θ)=±π/2+εexp(iθ),θ:-π→ 0 (反時計回り)}における積分の寄与です。

そして,B+B=2B=(2πi)(πk-3/2k-1)(k-1+πi)となりますから,∫-∞dz[zkexp(-2iz)/{(z-π/2)2(z+π/2)2}]=-(B+B)=-2B=(-2πi)(πk-3/2k-1)(k-1+πi)です。

したがって,cos(2x)={exp(2iz)+exp(-2iz)}/2によって,上に得られた2つの積分等式を加え合わせて2で割ると,∫-∞dx[xkcos(2x)/{x2-(π/2)2}2]=∫-∞dx[xkcos(2x)/{(x-π/2)2(x+π/2)2}]=2(π/2)k-1が得られます。

一方,∫Cdz[zk/{(z-π/2)2(z+π/2)2}]において±π/2は2位の極なので留数はゼロですから,例えば閉路Cを,C=Cに取れば 0=∫C+dz[zk/{(z-π/2)2(z+π/2)2}]=∫-∞dz[zk/{(z-π/2)2(z+π/2)2}]+lim R→∞|z|=Rdz[zk/{(z-π/2)2(z+π/2)2}]となります。

被積分関数がgk±(z)=zkexp(±2iz)/{(z-π/2)2(z+π/2)2}の場合と異なり,zk/{(z-π/2)2(z+π/2)2}の場合にはC=Cに取ろうと,C=Cに取ろうと,半円の半径R→ ∞で円周積分が必ずしもゼロにはなりません。

以上から,2∫-∞dx[xkcos2x/{x2-(π/2)2}2]=∫-∞dx[xk{1+cos(2x)}/{x2-(π/2)2}2]=∫-∞dx[xk/{x2-(π/2)2}2]+∫-∞dx[xkcos(2x)/{x2-(π/2)2}2]=-lim R→∞|z|=Rdz[zk/{z2-(π/2)2}2]+2(π/2)k-1が得られました。

右辺第1項はz=Rexp(iθ),dz=iRexp(iθ)dθによって∫|z|=Rdz[zk/{(z-π/2)2(z+π/2)2}]=iR∫0πdθ[Rkexp(ikθ)/{(Rexp(iθ)-π/2)2(Rexp(iθ)+π/2)2}]となりますから,R→∞では|∫|z|=Rdz[zk/{(z-π/2)2(z+π/2)2}]|~πRk+1/R4と書けます。

 

-∞dx[xk/{x2-(π/2)2}2]は実関数の実数積分であり,被積分関数はkが偶数ならx∈(-∞,∞)では非負なので,この積分の符号は非負です。

 したがって,kが偶数故k=2mとおくと,この項はm=0,1,すなわちk=0,2では(k+1)<4 によって,ゼロに収束しますが,m≧2 or k≧4 では,(k+1)>4 なので ∞ に発散します。

 以上からIk≡∫-∞k(x)dx=∫-∞dx[xkcos2x/{x2-(π/2)2}2]=∫-∞dx[xkcos2x/{(x-π/2)2(x+π/2)2}](k=0,1,2,..)はkが偶数の場合,k=0,2 ならIk=(π/2)k-1となって有限値,kが4以上のk=4,6,..ならIk=∞+(π/2)k-1となって∞ に発散するという結果が得られました。

 kが奇数の場合ならIkはゼロです。

 しかし,この結果には少し自信がありません。

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コメント

 ども甘泉法師さん。コメントありがとうございます。TOSHIです。

 T_NAKAさんのブログのコメントでは,あまり式は見ていませんでしたが,まあそういうことなのでしょう。

 ここで自信がないとは書いていますが,それは収束する=有限値をとる,発散する,とかいうことに関してではありません。

 結果に自信がないとは書いていますが,これよりもこの計算内容,つまり我流でsinx/xの定積分について書いている本を参照してそのアナロジーで自分なりに計算を試みた具体的な方法や値などの詳細に自信がないのです。
            TOSHI

投稿: TOSHI | 2008年8月21日 (木) 12時48分

甘泉法師です。
>しかし,この結果には少し自信がありません。 

T_NAKAさんのブログでのコメントと同じですが
------------------------
積分∫ x^2n cos^2 x / (x^2 - a^2)^2 dx 
区間X[-a,a]での積分は有限値。その外の区間の積分を考える。
∫ x^2n cos^2 x / (x^2 - a^2)^2 dx > ∫ x^2(n-2) cos^2 x dx
xを区間[mπ,(m+1)π]にわけcos^2 x>0 の区間内平均1/2を区間で最小の(mπ)^2(n-2)に掛けて 積分 > π/2 Σ(mπ)^2(n-2) = ∞ 発散 for n=2,3,4...
------------------------
=甘泉法師=

投稿: 甘泉法師 | 2008年8月21日 (木) 12時19分

 どもわかさん。コメントありがとうございます。TOSHIです。

 り-マン・ルベーグの定理で三角関数のように急激に振動する関数と大抵の初等関数の積の積分は有限である可能性があると思っていたのですが急激に振動する関数の平方は常に非負なので,それは当てはまらないのでしょうね。

 実験物理屋ではないからというのは理由にならないでしょうが,仕事ならともかくどうもグラフなどを書いたり数値計算て評価するというのは苦手です。。。
              TOSHI

投稿: TOSHI | 2008年8月21日 (木) 08時51分

私もグラフを書いてみましたが,

k=0,2: 被積分関数はピーク状
k=4: 被積分関数はほとんどのxに対して0から1の範囲で振動する。
k>=6の偶数:被積分関数は常に正で,かつ|x|が大きくなると振幅が大きくなっていく振動関数

なので,kが4以上の偶数ならば明らかに発散する感じですね。

投稿: わか | 2008年8月16日 (土) 09時14分

多分、合っているんじゃないでしょうか?

被積分関数はkが奇数ならば奇関数なのでゼロでしょうね。
k=0,2 のときにグラフを描くと、x→±∞ で 被積分関数→0 になります。
k=4,6,..のときは、x→±∞ で 被積分関数→∞ になるようです。
そうすると、Maximaという数式処理プログラムは I_k=∞+(π/2)^(k-1) の ∞ を何処かに繰り込んでいることになりますね。。

投稿: T_NAKA | 2008年8月15日 (金) 01時27分

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「高次モーメントを考える」を考えるという記事で、Maximaで計算した値は誤りで、4次以上の偶数では発散するようです。これは、グラフを描いてみるとθ→±∞とすると、振幅がじょじょに大きくなる正値の振動が見えてきて発散するようですね。 TOSHIさんのブログ記事 http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_a09c.html で明確に計算されてまして、私もムキなって申し訳ありませんでした。 さて、folomyでは...... [続きを読む]

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