運動物質内の相対論(11)(電磁波と光子の屈折)
コーヒー・ブレイクとして,光が屈折性の透明体に入射して屈折するという現象を古典電磁光学における電磁波という光の描像と量子論における光子,または光量子という光の描像を対比させ,これらの両方が矛盾なく両立できるということについて考察してみたいと思います。
これは,私自身がそうだったのですが,量子論をある程度かじった時期よりも,それを用いて少しでも量子論の内容を評価できるほど古典電磁気学が理解できたと感じた時期の方がかなり後だったので,電磁気学を学んでいる際に,それと量子論との整合性について疑問に思ったことがあったという関連からの話題です。
量子論について最初に教えられた知見の1つは,恐らく高校で単なる知識として学んだ前期量子論で知ったものでしょうが,「量子論では光を1個,2個と数えることができて,真空中で振動数がνの"光=電磁波"の持つエネルギーは"数えられる光の量子=光子"のエネルギーという意味では光子1個当たりU=hνで与えられる。」ということです。
ここで,hはプランク定数と呼ばれるある定数です。
いわゆる光量子仮説ですね。振動数νではなく角振動数ω=2πν,およびhc≡h/(2π)を用いるなら,光子のエネルギーはU=hνの代わりにU=hcωと表わされます。
一方,古典波動光学では,光が相対的屈折率nの透明物体に入るとき,光線の入射角,つまり入射光線が物体表面の法線となす鋭角をθiとし,入射後に向きを変えて屈折したときの屈折角,つまり屈折光線が光が入射したのと同じ表面の法線となす鋭角をθrとすると,スネルの屈折法則(Snell's law)n=sinθi/sinθrが成立することが知られています。
実はこの法則は,屈折率nの定義にもなっています。
すなわち,スネルの法則の内容は,光が入射する物体が同じ物質でできているなら,その屈折角θrは,入射角θiの値に関わらず,ある一定の値nによってsinθr=sinθi/nなる法則で決まることを意味します。
そして,真空と物質ではなく,物質同士の境界面での光の屈折率nのことを普通相対屈折率と呼びます。
上記スネルの法則は,真空から物質A,物質Bに入る場合の光の屈折率(=絶対屈折率)をそれぞれnA,nBとすると,光が物質Aから物質Bに入るときの屈折率(=相対屈折率):nABがnAB≡nB/nAなる比で与えられることを意味します。
このため,真空から物質への屈折率を絶対屈折率と呼ぶことと区別して,一般の物質Aから物質Bに入るときの光の屈折率:n=nABを正しくは相対屈折率と呼ぶのですね。
なお,光が水中から空気中に出て行くケースのように,相対的屈折率n≡nABが1より小さい場合,すなわちnA>nBの場合に,入射角θiがあまり大きいと,sinθr=sinθi/nを満たすθrが存在しないため,このときには例えば水面に向かう光は反射を受けることのみが可能で,空気中に透過して屈折することはできません。
この現象を全反射と言います。
例えば人が釣りをしているような場合,魚の方からは常に釣り人が見えているのに,釣り人からは角度によっては魚が見えないことがあるという現象ですね。
要約すると,ある境界面を挟んで異種の物質からなる領域A,Bがあるとき,光などの波がA,Bの境界面で向きを変える屈折現象では,AからBに入るときの波の屈折率nABをスネルの法則に従ってnAB≡sinθA/sinθBで定義するわけです。
波動に対するホイヘンスの原理(Huygens' principle)に基づく解釈では,これはA,Bそれぞれの中での波の位相速度の大きさをvA,vBとするとき,nABがnAB=vA/vBで与えられることで説明されます。あるいは,これはvAsinθB=vB sinθAです。
そこで,真空中での光の位相速度の大きさ,つまり真空中での光速をcとすると,この光が真空からある物質からなる領域に入射後屈折して屈折率(絶対屈折率)がnであるというのは,この物質中での光速がc'=c/nであることを意味します。
一般に,物質中での光速c'=c/n,または屈折率nは真空中の光の振動数ごとに異なるので,ある一定の方向から同じ物体に向かって多くの異なる色(異なる振動数)の単色光が混合した束でできた白色光が入射しても,単色光ごとに別々の屈折角に分かれてしまいます。
これを分光といいます。
プリズムや虹というのは,こうした現象の例としてよく引き合いに出されますね。
分光学を英語ではspectoroscopyと言いますが,要するに光のスペクトルというと,光束(複合光)が真空中での振動数,または波長ごとの光の和に分解される際の個々の成分である単色光のことを意味します。
そして,光を波と考えるとき振動数が一定値νを取る単色光では,その波長も一定で,それをλとすると真空中の速度cではc=νλと書けますが,屈折性物質中でも光速c'=c/nに対して振動数をν',波長をλ'として,同様にc'=ν'λ'と表わせます。
真空では,速さがc=νλで表される単色光は,空間の不連続境界面を通過する際に速さがc'=ν'λ'に変わるのですが,境界面を通過しても時間の尺度が不連続的に変わるわけではないので,時間だけに関係する振動数νが変わるはずはなく,境界面で変わるのは空間尺度に関係する波長λだけなんですね。
つまり,速さの変化c→ c'=c/nは,振動数はν'=νのままで,波長の変化λ→λ'=λ/nによるものなんですね。
そして,色というのは古くはゲーテ(Goethe)も論じていて,振動数という物理的な色の概念は恐らくニュートン(Newton)に始まるものでしょうが,これと我々動物が知覚する色覚,物理的な色刺激に対する生理学的な視神経や桿細胞などの反応は,必ずしも精確に対応するわけではなく,微妙に異なるものですね。
元々物理学というのは,物象の中の"量的側面=数で表わすことが可能な性質"のみに着目して論じる学問であるわけです。
そういうわけで物理学は数学とお友達なのですね。
屈折性物質中では,単色でも物質によって波長が違うので,色覚的に物質中の色が真空中の色と同じに感じられるかどうかはわかりません。
つまり,例えば水の中での人間の脳の感覚や色覚が真空や空気中のそれと全く同じか,相似である(相対論では外部から見ると空間,時間が収縮しているいても自分自身も同じ比率で収縮した空間にいるときにはそれを知覚できないのと同じ性質等)かどうかはわかりません。
しかし,単色光の色を真空以外の物質中でも真空中と同じ振動数で分類するならともかく,色と波長を一対一に対応させて分類しようとするなら,同じ色と同定される単色光でも物質の種類ごとに波長が異なるということに注意することが必要ですね。
というわけで,振動数νは屈折性物質中でも真空と同じなので,量子論でU=hνと表わされる光子のエネルギーUの表式は,その光子が屈折率nの物体の内部に入っても物体と相互作用しない限りは,物体中であろうと同じエネルギーU=hνを持つと考えて矛盾はないはずです。
光子は素粒子としては電荷を持たない中性粒子ですが,電磁波としては交番的な電場と磁場を持ちますから,絶縁体でもそれを構成する電荷を持った電子などを揺さぶって原子を分極させ,それらをイオン化する可能牲もありますが,普通の泡箱や霧箱は光とは反応しないはずです。
また,電磁光学によると,物体の誘電率がε,透磁率がμ,あるいは比誘電率がεr≡ε/ε0で比透磁率がμr≡μ/μ0のとき,この誘電体,磁性体に真空から入射する際の電磁波(光波)の屈折率nは(εμ)1/2=n/c,またはn=(εrμr)1/2によって与えられることがわかっています。
前記事で述べたように電荷密度も電流密度も無い:ρ=0,J=0 の空間における平面波で表わされる電磁場は電場Eと磁場Hに分けると,E=ε-1/2{f(t-(xn)/w)e1+g(t-(xn)/w)e2},およびH=μ-1/2{-g(t-(xn)/w)e1+f(t-(xn)/w)e2}となります。
ただし,w=c/nです。
これらはマクスウェルの電磁場の方程式から導かれるE,Hに対する波動方程式∂2E/∂t2=w2∇2E,∂2H/∂t2=w2∇2Hの波動法線がnの平面波解の最も一般的な形です。
そこで,エネルギー密度はh=(1/2)(εE2+μH2)=f2+g2ですからh=(1/2)(εE2+μH2)という見かけの表現とは異なり,エネルギー密度hは誘電率εや透磁率μ,つまり屈折率nにはよらず真空中と全く同じであることがわかります。
そりゃ,エネルギーをやり取りせずに素通りするだけですから,当然そうですよね。
というわけで,古典電磁光学でも量子論と同じく光の持つエネルギーはそれが存在している媒質の屈折率とは無関係という結論を得ます。
電場Eだけに着目すると,一般に誘電体中のクーロンの法則は|E|=Q/4πεr2ですから,電場の大きさはいつでも誘電率の逆数ε-1に比例するという先入観がありましたが,実は空間を伝播中の電磁波における電場はE=ε-1/2{f(t-(xn)/w)e1+g(t-(xn)/w)e2}で与えられるため,その大きさはε-1/2に比例します。
そこで,"光=電磁波"がε=ε0の真空からε=εrε0>ε0の誘電体に入る場合,誘電体中での電場の大きさは真空中のεr-1/2倍に減じ,それゆえエネルギー密度εE2は不変のままなんですね。
ところで,平面波の一般形の例えば正の向きに運動する波の項f(t-(xn)/w)はフーリエによってf(t-(xn)/w)=∫f^(k,ω)exp{i(kx-ωt)}dωと展開できることがわかります。
複素表示での単色平面波の一般形はCexp{i(kx-ωt)}です。
ω=2πν=2πw/λでk=ωn/w,|k|=2π/λですから,kx-ωt=-ω{t-(xn)/w}となり,Cexp{i(kx-ωt)}は確かにt-(xn)/wの関数です。
それ故,∫f^(k,ω)exp{i(kx-ωt)}dωなる形式は,t-(xn)/wの関数の最も一般的な展開形を表わしていると考えられます。
単色光でなく混合された白色光のような複合光でも,位相速度wがあらゆる単色波に共通な一定値を取るような物質中の話なら,フーリエ展開はf(t-(xn)/w)=∫f^(k,ω)exp{i(kx-ωt)}dω,k=ωn/wという形であるとして全く問題ないです。
しかし,現実の物質内では光速w=c/n,あるいは屈折率nは"色=角振動数:ω"ごとに僅かに異なります。
これを物質が分散性を持つといいます。全ての"色=角振動数:ω"で屈折率nが1の真空中なら,常に全ての色でw=cであって全く問題ないのですが。。。
そこで,そもそも分散性物質内では左辺の進行波を単純に1つのwで規定されるf(t-(xn)/w)なる形には表現できないので,単にf(t,x)と書きます。
この物質内では平面波:Cexp{i(kx-ωt)},k=ωn/wの位相速度w=c/nがωの関数w=w(ω)で与えられるため,k=ωn/w(ω)としてこれをωについて解いた形をω=ω(k)と表わしたものを用いてCexp{i(kx-ω(k)t)}と書き,f(t,x)のこの平面波による展開式をf(t,x)=∫f^(k)exp{i(kx-ω(k)t)}d3kと表わすのが現実的です。
こうした分散性の複合光では,位相速度という概念は,ほとんど意味を持たなくなるわけですね。
波が単色波に近くてf(t,x)=∫f^(k)exp{i(kx-ω(k)t)}d3kが,あるk=k0を中心としてΔk程度のゆらぎを持つ波束である場合には,ω0≡ω(k0)とするとk≡k0+Δkに対してω(k)~ ω0+(dω/dk)Δkと書けます
要素波:exp{i(kx-ω(k)t)}において位相をφ≡kx-ω(k)tで表わし,expiφ ~(expiφ0)expi{(∂φ/∂k)Δk},φ0≡k0x-ω0tと書いて,展開式f(t,x)=∫(f^expiφ)d3k ~ (expiφ0)∫[f^expi{(∂φ/∂k)Δk}]d3kをk0近傍の波全ての重ね合わせと見たとき,各々の要素波が強め合う干渉をするのは明らかに位相が極値をとる場合,つまり∂φ/∂kがゼロとなる場合です。
そこで,φ≡kx-ω(k)tをkで偏微分して∂φ/∂k=x-(dω/dk)t=0 とすると,これは時刻tにおいて面x=(dω/dk)tを表わす方程式となっています。
一方,この式の右辺をtの1次式とみるならこれはその面が速度dω/dk=∇kωで運動することを意味する式になります。つまり,全体としては波束の振幅が最大となる面が速度dω/dkで移動するという描像が得られます。
こうして得られたdω/dk=dν/d(n/λ)なる表現の波束の速度を群速度と呼びます。そして,一般に歴史的に光速と同定される光線速度は光のエネルギーの伝播速度のことです。
全く分散のない真空中の光速であれば,全ての振動数の光でk=ωn/w=一定により,複合光の群速度もdω/dk=wn(一定),かつw=cですから,群速度(dω/dk)は位相速度cに一致しさらに光線速度にも一致するため何も迷うことなく光速はcであると言明できます。
ところが,分散性物質中での複合光を対象とする場合だと位相速度よりもむしろ群速度の方が光線速度に近い意味を持ちます。
しかし,複合光ではなく完全な単色光の屈折率がnの一様物質内の光線速度を問題にするのであれば,分散を考慮する必要がないので光速は位相速度w=c/nであるとして問題ないでしょう。
以下では基本的に完全な単色光の一様物質内の進路のみを考察の対象とします。
さて,真空中にしろ物質中にしろ,空間全体で積分した総エネルギーはU=∫hdVです。以下では以前と同じくエネルギーをUではなくHで表記することにします。すなわち,H≡∫hdVとします。
一方,運動量密度gも積分して総運動量という形にするとG=∫gdVです。そして運動量密度gがアブラハム(Abraham)のそれの場合には特にGをGAbr=∫gAbrdVと書きます。
静止した屈折率がnの屈折性物体の中での電磁運動量密度はミンコフスキー(Minkowski)の場合はg≡D×B=εμ(E×H)=c-1(εrμr)1/2(f2+g2)e=c-1(εrμr)1/2=nhe/c,アブラハムの場合はgAbr=S/c2=(E×H)/c2=ε0μ0(E×H)=c-1(εrμr)-1/2(f2+g2)e=he/(nc)です。
したがって屈折率がnの屈折性物体の中での電磁運動量は,それぞれG=(nH/c)e,GAbr={H/(nc)}eと書けます。
いずれの表現も真空中,すなわち屈折率がn=1の領域の中では,G=GAbr=(H/c)eであり,古典論,量子論を問わず真空中で光のエネルギーEと運動量pがE=cpなる関係にあることと矛盾しません。
光の他には元々静止していた屈折性物体だけしかない系全体を考えると,これらは閉じた系を成していて,系全体ではエネルギーも運動量も保存するはずです。
そして,既に以前の記事で閉じた系の一般論から任意の慣性系Sにおけるこの系の質量中心の座標X(S)はdX(S)/dt=c2G/Hを満たし,エネルギーも運動量も保存する,すなわちHもGも時間的に一定のときには慣性中心の座標X(S)は一定速度で運動すると書きました。
そこで次のような思考実験を考えてみます。
摩擦が全くない床面に質量がMで屈折率がnの一様な透明物質でできた直方体が置かれ,その長さLの一辺がx軸に平行な向きにあるとき,x軸の負の側からエネルギーがHの"光=電磁波"が入射して通過してゆく系を考えます。
この今のHの定義では,式dX(S)/dt=c2G/Hにおける右辺の系全体のエネルギーを表わす記号Hは(H+Mc2)に置き換える必要があります。すなわち,dX(S)/dt=c2G/(H+Mc2)=cHe/(H+Mc2)です。
また今の場合eはx軸の正の向きですから,これを省略してdX(S)/dt=cH/(H+Mc2)と書いておきます。
一方Gは入射前ではミンコフスキーもアブラハムも関係なくG=GAbr=(H/c)eです。
閉じた系では光の電磁運動量をGe,屈折性物体の持つ力学的運動量をGmとすると,Ge+Gm=G=(H/c)eです。
そこで,ミンコフスキーではGe=(nH/c)eなのでGm=(H/c)(1-n)e,アブラハムではGe={H/(nc)}e,Gm=(H/c)(1-1/n)eですね。
そして,今のケースはエネルギーも運動量も保存される閉じた系を想定しているので,こうした関係は光が入射する前も後も未来永劫変わらないはずです。
さて,静止していた物体はエネルギーHと運動量Gを獲得するので実質的な光の質量をm=H/c2とすると系全体での質量は(m+M),運動量はGですが,前のように光のみの運動量をGe,物体のみが持つ力学的運動量をGmとすると,物体は速度v=Gm/Mを得て床をすべってゆくと考えられます。
一方,透明な物体中での光の速さはc/nであり,光はこの速さで長さLの物体を通過してΔt=n(L+s)/cの後には右側から出てきて光速はcに戻るはずです。
sは右側から光が入ってから出てくるまでに物体自身が移動する距離でs=vΔtで与えられます。
したがって,このΔtの間に系の質量中心は{m(L+s)+Ms}/(m+M)だけ移動すると考えられます。
これにm=H/c2,L+s=cΔt/n,s=GmΔt/Mを代入すると,{m(L+s)+Ms}/(m+M)={H/(nc)+Gm}Δt/(m+M)です。
ところが,以前に得られたことからdX(S)/dt=cH/(H+Mc2)=(H/c)/(M+m)ですからΔX(S)=(H/c)Δt/(m+M)です。
これらを比較すると,ΔX(S)={m(L+s)+Ms}/(m+M)であるべきですから,H/(nc)+Gm=H/cを得ます。
しかしG=H/cなので,これはGe=G-Gm=H/(nc)を意味します。そこでこの考察からは電磁運動量GeとしてアブラハムのそれGAbr={H/(nc)}eがふさわしいという結果が得られます。
通常のアインシュタインの箱(Einstein's Box)による説明の場合には,静止した屈折物体から光が放出される話で,この場合は元々全部静止していて最初から最後まで一定の総運動量はゼロのままですから質量中心の移動はΔX(S)=0 です。
最初左端から箱の中に放出されて右端から出る光の質量はm=H/c2で,この間の経過時間はΔt=Ln/cです。
そして光放出の反作用で物体は 0=ΔX(S)=mL+(M-m)sを満たす距離sだけ反跳を受けます。
明らかに,s=-(HL/c2)/(M-m)ですが,反跳運動の速度はv=-G/(M-m)であり,s=vΔt=-(GnL/c)/(M-m)でもありますから,結局G=H/(nc)です。
当然ながら同じような考察からは同じ結論を得ました。
まあ,アブラハムの電磁運動量は元々ローレンツの電子論のような個々の電子の真空中の量を平均化したものですから,この運動量の分割がアインシュタインの箱の考察と合致するのは極めて当然であるような気がします。
今日はここで終わります。
参考文献:太田浩一 著「マクスウェル理論の基礎」(東京大学出版会),中山正敏 著「物質の電磁気学」(岩波書店)
PS:余談ですが,高校でほぼ初めて物理を習った頃に,光が波か粒子かについては,その屈折の仕方でわかるという内容を先生の説明で聞いたのが頭に残ってます。
つまり「もし光が波でなく粒子だったら,境界で速度の接線成分が変わらず法線成分だけが小さくなるんだから,実際の屈折とは反対の向きに曲がるだろう」という話ですが,これは未だに印象に残っています。
高校のときは,化学の点数は良かったのですが,理科の科目としては化学よりも好きだった物理の点数はさっぱりでした。
ただ,当時は計算は苦手だったけれど意味を考えるのは結構好きだったのです。今とはほぼ正反対ですね。
今なら,式や計算では理解できても物理的意味はわからないので,数式の助けで定式化から攻めて,次第に全貌が明らかになるというような感覚でしょうか。。
その時代に私が最も得意としていた科目は理科系科目ではなくて,唯一国語でした。国語だけは近郷の模試でも常に成績がトップクラスであったっと記憶しています。
でも,現役のときに第一志望の大学に落ちたのは国語の出来が悪かったのが主因というのは皮肉でした。
当時,その大学の入試は入試の答案や採点内容は非公開でも総点数とその科目別内訳だけは,合格,不合格関係なく自分の高校に帰ってきたので本人が希望すれば先生から教えてもらうことができたのです。
現役受験のときは,国語の点数が200点満点の4割強の85点ぐらいしかなかったのが大きかったですね。
確か900点満点で最低点に34点足りなくて,国語の点数が6割120点あれば丁度合格だったと記憶しています。
実は,今は入試に小論文などあるのは極く普通なのですが,当時は入試で作文を出すのは珍しく,国立では恐らくそこだけだったかも知れないのですが,今では考えられないことに当時は他人が書いたものを読解することは得意でも自分で文を作るのは大の苦手だったんですね。
今だったら,むしろ他人を無視しても自己主張するくらいの方が得意なのに,当時引込み思案のシャイで無口な平凡な保守的というよりも幼稚な子供でしたからね。
漢字の読み書きとか特に得意だった漢文などはスラスラと出来たはずですが,詩を作れという問題だったか何か忘れましたが,そういう大きい設問が2つくらいあって,試験中に固まってしまったのを覚えてます。
浪人のときは,安田講堂事件のため東大入試が中止となった影響で第一志望の大学入試は900点満点での最低点がどの学科でも例年より100点前後上がったのですね。
いや受験生のレベルも確かに上がったでしょうが,試験内容も例年と違って,ある大学の一次試験のような傾向になったのも含めて,かなりやさしい方に変わっていました。元々私は難問で勝負するタイプでしたからみんながわかりそうな問題では競争になりません。(← 負け惜しみ)
当日いくら待っても待ち合わせに来なかった同じ予備校の友人など意地を張らずに,第一志望のランクを少し下げた連中は,ほぼ全員合格したと後で聞きました。
当時,入学した第二志望の大学は数学科定員35名,物理学科定員45名で定員+αいました。1年生のころは,大体この2学科は同じようなカリキュラムで一緒に行動していました。
中には結構仲のいい友達にもなっていたのですが,翌年には突然20名以上が消えましたね。そう学生の身分でいながら,大学を受け直して合格した者達が去っていったのですね。
あ,別に非難する気などありません。
多くは,現役のときに不可抗力で第一志望を受けられなくて隠れ浪人とはいえ一浪したのと同じです。
もしも私がやると二浪ですから,貧乏なことも含めそこまではやりません。私自身,現役で第二志望合格したのにも関わらず一浪したわけですから他人の事は言えませんネ。。。
あ,ちょうど40年くらいも前のずいぶんな昔話になりましたね。。イヤ私もいつまでも執念深いな。。
※PS:スザンヌは顔だけだけど誰かに似ていると思ったら倍賞千恵子の若い頃の顔だな。。。(故)飯島愛の顔はデビューした頃の,コロコロ太ってたが顔は可愛かった頃の和田アキ子だな。。。
関根の娘ってマナ,カナによく似てるなあ。。
(TVで芸能人見ていても我流だけど毎日新たな発見がありますね。)
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コメント
そうだったのか!
皆さんが色々説明しても凡人さんが変化しなかったのは、信じなかったからなんですねー。
理由が分かっても、僕は教科書読むより自力で証明したがるタイプなので要望には応えられませんが、無駄に首をひねる事が無くなっただけでOKです。
投稿: hirota | 2009年1月10日 (土) 15時56分
>凡人さん、きっと分かってないと思うなー。
仰るとおりです。
私の能力では全く持って不可能ですが、「中西-Lautrap理論のような量子論」によって真面目に計算した結果を教えていただかない限り、決して考えを変える事は出来ないと思っております。
この件について計算した結果を確認できる書籍等をお教えいただけると助かります。
投稿: 凡人 | 2009年1月10日 (土) 00時15分
単に謝辞を述べて終わりにしただけじゃ、凡人さん、きっと分かってないと思うなー。
説明を聞いて、どのように考えが変わったかを詳しく表現して、正しくなったか確認しとかないと、同じ事を繰り返すでしょう。
少なくとも、「光子の吸収放出で時間をロス」の考えは捨てたのかな?
投稿: hirota | 2009年1月 9日 (金) 17時29分
この度も、いろいろとご教示頂き、大変申し訳御座いませんでした。
投稿: 凡人 | 2009年1月 6日 (火) 00時50分
ども凡人さん。TOSHIです。
自発過程は光ビームとは無関係に起こりますがビームに刺激されて生じる誘導吸収とその後の放出という過程は確かに存在します。
しかしその過程で光の停止時間のようなものは無いし,それは単にナトリウムのD線のように観測すると暗線になっているというようなものと同じことで,黄色の光だけが吸収されてその入射方向とは全く無関係な方向にほぼ等方的に再放出されるので黄色スペクトルだけ消えて暗線になるという話ですがこれと同じくビームから吸収された分は単にあらゆる方向へと消えていってビームの減衰に寄与するだけで光速が遅くなることに寄与するわけではないんですよ。
しかも物質が何であるかによって原子のエネルギー準位の差は違うのでどの色の光が吸収されるかという選択がされ吸収可能な振動数は物質の構成原子次第で決まるので,どんな光でも吸収されて再放出されるというわけではなく,一般には吸収放出過程なしで単に散乱される光の方が多いはずです。
しかし散乱される場合でももしもまったくat randomに等方的に散乱されるような散乱の方向性がほとんどない場合には,これも見た目には吸収と同じく消えていくとしか見えないので実験などでは吸収と区別できず吸収率に加算されるだけです。
ただ前方散乱のようなものを含めて等方的ではなくてある特定の方向だけに指向性を持って強く散乱=回折される場合が屈折現象や反射現象に相当するわけです。
具体的には固体物理学での結晶格子によるブラッグ反射というものでラウエ斑点とか固体物性を調べるのはそうした指向性を持つ散乱です。屈折現象はまさにそれです。つまり反射や屈折は散乱現象です。
場の理論(QED)での摂動項は光との相互作用部分としてH'=∑(a+a+1/2)なる形式の因子を持ち,これは生成a+と消滅aの積なので1次の摂動の確率振幅の因子<out|H'|in>は光子が消滅して生成するという構造に見えるため散乱現象も吸収+再放出という過程に見えますが,これはあくまでも単に摂動の仮想過程を表現するものであって計算の処方にすぎません。
散乱現象は束縛状態を励起したりその逆の遷移現象とはまた違うプロセスなんですよ。
光だから吸収放出が当たり前のように想像されるのでしょうが光が特別ではなく加速器での電子ビーム同士の衝突なども量子論では電子波と電子波の衝突散乱です。
非弾性で双方が消える吸収に似た過程もありますが通常の電子-電子散乱は吸収や再放出の過程ではないです。
光と光同士の散乱の確率も非常に小さく4次以上の摂動計算からしかゼロでない寄与は得られませんがでゼロではありません。
散乱は散乱であって,光が消えるように見えても全ての相互作用を吸収+再放出の過程と見るのは摂動計算の仮想過程を現実と見た誤った見方でしょうね。
ともあれ通常の巨視的電磁気学で電場によって原子核と電子が引き伸ばされて双極子になり電場が弱まる分極現象も量子論で見ることはできます。
つまり静電クーロン力によって原子核や電子には引力や斥力が働く現象と同じですからこれらの電場が電荷におよぼす力はいわゆる観測確率がゼロの仮想スカラー光子のキャッチボールという描像まで降りて考えることも可能です。
しかしクーロンの法則を光子で考えるのは物理学の基礎理論としては意味がありますが通常の静電的クーロン力を計算するのには古典論で十分で,いちいち中西-Lautrap理論のような量子論まで降りることはする必要はないと存じます。
TOSHI
投稿: TOSHI | 2009年1月 5日 (月) 10時37分
>電磁波はバネの振動じゃないんでその波のスピードはこの図からでは何もわからんでしょう。
申し訳ありません。
私の単純な理解では、「ゴク!」は光の吸収によって、原子のエネルギー準位がhν上昇する過程で、「ブル!」は光を放出する事によって、原子のエネルギー準位がhν降下する過程ですが、もし、光の素過程が他の素粒子と同様、光速の任意距離の直線運動であるならば、光の放出から吸収までの間は光速となるので、光の速度が結果的に遅くなるためには、光の放出と吸収のところで一定時間停止しなければならないと思ったわけです。
そして、そうだとすれば、この停止時間は何に基いているのかという事が気になったわけです。
>まあ波とは何か位相速度とは何かから勉強なさったらいかがでしょうか?
仰るとおりです。
投稿: 凡人 | 2009年1月 4日 (日) 22時10分
ども凡人さん。。TOSHIです。
>中の8/18ページ目の図と同様です。
これは誘電分極の微視的模式図に過ぎませんよ。。。。
電磁波はバネの振動じゃないんでその波のスピードはこの図からでは何もわからんでしょう。
中性原子のプラスとマイナスが縦に伸びるとそのつくる電場は元の電場の反対向きなので実質的に弱くなることくらいはわかりますが。。。
まあ波とは何か位相速度とは何かから勉強なさったらいかがでしょうか?
私も本当言うとよくわかってなくて波とは何かを素人の担当者に理解させることができなくてそれが元で書いたものの出版を昔断られた経緯がありますが。。。
TOSHI
投稿: TOSHI | 2009年1月 4日 (日) 21時42分
私の物質中の光のイメージは、
http://mis.edu.yamaguchi-u.ac.jp/kaisetu/physics-ii/phy-08.pdf
中の8/18ページ目の図と同様です。
この図の「ブル!」とか「ゴク!」といっている過程で時間を消費する事によって、光の速度が落ちていると思っているのですが、この様にして光が進んだ場合に、光の波長や波形といった、光の波としての基本的な属性どの様に対応が取れるのかという事については、全くイメージ出来ていません。
投稿: 凡人 | 2009年1月 4日 (日) 20時52分
ども凡人さん,TOSHIです。
>><例えば屈折は物質内で物質を構成する原子と相互作用がおきる度に、時間の最小単位分光の進行が留保されるからではないか?>>
どうも凡人さんの意図はいまいち理解不能ですが記事の内容にも書いたように速度=Δx/Δtが変化した理由は物質中で時間Δtが変化したと考えるのではなく波長が短くなったΔxがΔx/nになったと解釈するのが適切です。
振動数fは周期をTとしてf=1/Tですが物質中でもこの関係は変わりません。波長λがλ/nになってc=fλがc/nになるということを記事では述べています。
すなわちよくご存知と思いますが昔の課程では高校くらいで習った幾何光学のフェルマーの定理に関する光学距離の話,つまり1から2までかかる時間はt2-t1=∫1→2(n/c)dsで与えられるというやつですね。ただし∫1→2は1→2の経路によってさまざまです。
つまり幾何光学では真空中でのdsに対して物質中ではndsを速度cで進む光の感じる距離=光学距離と考えるべきであるというのがありましたよね。
フェルマーの定理は光の経路がδ∫(n/c)ds=0に従うこと,つまり最短の光学距離を進むべきという変分原理のことです。
これを原理とすればスネルの屈折法則もこれから従います。これの話をしているのであれば確かに式的にはその通りです。
そもそも大学以降では光学は選択科目だし大学の光学を選択しても電磁光学が主体で幾何光学は習った覚えがありませんから高校で習ったのでしょうね。
TOSHI
投稿: TOSHI | 2009年1月 4日 (日) 19時15分
>凡人さんがふとどこかで見たこととか思ったことの一つ一つに全部対応するのも疲れますのでどこかでしらべてからにしてくださいね。
どうも申し訳御座いませんでした。
以後、そのようにさせていただきます。
TOSHIさんの説明を読んで、私の主張は誤っているのではないかと思えてきたのですが、TOSHIさんの私の主張に対する以下の受け止めについて、一応訂正をさせていただきます。
>例えば屈折は物質内で時間の最小単位が違うからではないか?
ではなく、
<例えば屈折は物質内で物質を構成する原子と相互作用がおきる度に、時間の最小単位分光の進行が留保されるからではないか?
ですので、よろしくお願いいたします。
投稿: 凡人 | 2009年1月 4日 (日) 10時21分
ども皆様,明けましておめでとうございます。
>凡人さん
既に空が青い理由などと同様,例えば加速器で実験しないと発見できないような現象ではなく日常で体験できるような現象はすでに99.9%以上現時点で解明済みです。
凡人さんがふとどこかで見たこととか思ったことの一つ一つに全部対応するのも疲れますのでどこかでしらべてからにしてくださいね。
例えば屈折は物質内で時間の最小単位が違うからではないか?というような奇抜な発想がいまさら入る余地はありません。
私的ブログなので無邪気な子供のように思いついた個々の具体的な疑問についていちいち全てコメントする必要もないのですが,屈折の原因が物質中では波長が短くなるからというのは電磁気学とホイヘンスの原理を参照してください。「ホイヘンスの原理」については過去ログにあります。
波長が変わる速度が変わるのは誘電体の中では振動数ごとに誘電率または電気感受率が違うからで,誘電分極が起こる理由は電場がかかると原子核と電子が電場方向に引き伸ばされるからです。
そこで例えばコンデンサーの間に誘電体をはさむと容量が増えます。誘電体の中では分極が起きるせいで電場は弱くなります。屈折で光速が遅くなるのはこのせいです。
これは電磁気の古典論ですが量子論で説明しなきゃならないのは古典論の誘電分極がなぜ起きるかのしくみであって,説明可能ではありますが誘電分極の応用の屈折現象など個々の現象までいちいち量子論まで降りて説明する必要はないと思いますよ。。。
誘電率と光ビームの関係などについては1年前くらいのYoungの実験のシリーズ記事があります。
障害物があるとそれを分極させるため分極電場としてPができるので電束密度がD=ε_0E+P=εEとなり,rotH=∂D/∂tで電磁誘導の逆反応で電束の変化が磁場を起こし,そして磁束の変化が電場を起こして伝わるので電磁波現象の速度が変わるのだという数式入りですが私なりの噛み砕いた説明をいつでもするほど教育的人間ではありません。
hirotaさんが「なんでやねん?」と問うているのは別に質問しているのじゃなくて,理論的にはわかっていて原理的に可能なことを技術が向上したせいで実際にできるようになったので実験した,というだけなのに,そもそも現代科学でそんな単純な理論も「厳密には説明されてない」なんてことは有り得ないという反語の意味の主張だと思いますよ。
光を停止する話は光ファイバの中ので光速が遅く観測されるという話=ファイバの壁で多数回反射を繰り返しながら曲がりくねって進むので現実の行路は非常に長くな実際には光速cで運動しているのに,直線距離と見てそれを経過時間で割った速度が遅いと判断されるという意味の延長上の話ではないでしょうか?この程度のことが厳密に解明されてないわけはありませんね。
いずれにしても光の停止は回折現象である屈折とはまたちがう話ですね。
TOSHI
投稿: TOSHI | 2009年1月 4日 (日) 07時58分
>厳密に説明できてないなんて何でやねん?
竹内薫先生がこの本を執筆時に、この原理について、素人向けに詳しい説明を書いている時間が無かっただけだと思います。多分。
投稿: 凡人 | 2009年1月 3日 (土) 22時01分
ボーズ縮退ガスで光速が極端に遅くなったり、はては停止して再放出できたりした実験は、偶然の発見じゃなく予想した上で確認した実験のはずなのに、厳密に説明できてないなんて何でやねん?
投稿: hirota | 2009年1月 3日 (土) 13時47分
TOSHIさん、hirotaさん
明けましておめでとう御座います。
本年も出来ましたらよろしくお願いいたします。
ところで、『宇宙のシナリオとアインシュタイン方程式』(竹内薫氏、工学社)のP121~126によると、極低温のナトリウム原子にある方向から直線偏光のレーザ光を浴びせた状態の中に、別の方向から円偏光のレーザ光を通過させると、通過させたレーザ光は、ナトリウム原子ばかりではなく、ナトリウム原子に浴びせたレーザ光とも相互作用を起こし、2000万分の1にまで減速するそうです。
(何故、光が原子や光と相互作用を起こすと速度が落ちるのかという事は厳密には説明されていないようです。)
投稿: 凡人 | 2009年1月 1日 (木) 23時45分
物質中で屈折率が変化するのは、電子の動きと電磁場が合成されるからで、吸収-再放出(相互作用)で時間が経過するわけじゃないでしょう。
もちろん、電子と相互作用と言うからには光子がぶつかってるわけですが。
光子数確定状態で吸収-再放出だったら量子化ノイズが発生するでしょうが、運動量確定状態でしょうから、電子が熱運動してなければノイズにはならず、精密光学系に問題は無いでしょう。
投稿: hirota | 2008年12月31日 (水) 14時21分
ども凡人さん。。TOSHIです。
>>まあ物質の中で光に限らず波が遅くなるのは単に障害物と衝突するからでしょう。
>という事になると、精密光学系が光の進行速度を大幅に遅らせつつも、被写体を精緻に結像させるという事が出来ないのではないかと思います。
イヤ。。なるほどなあ。。結像理論まで想像できませんでした。とにかく素粒子を持ち出してはいけないのでしょうがヒッグスメカニズムというのがあって元々質量ゼロの粒子がヒッグス粒子(の場)=エーテル?が充満した中を進むと衝突して質量mを獲得し質量があればもはや光速では進めなくて遅くなるとかいうのを想像したので。。。
とりあえず電気的磁気的に誘電率や透磁率で単色光は曲がる角度が決まるというのは,例えば誘電率εというのは電場が原子の付近では核と電子にプラスとマイナスの双極子を誘起するという分極のせいで電場自身が(ε0/ε)倍に弱くなるというので磁性を抜きにしても波動方程式の係数が違うので速度が違うという程度の数学というか数式しかわからない単純な頭なので物理的説明はご容赦ください。。。そのうち勉強します。
TOSHI
投稿: TOSHI | 2008年12月30日 (火) 12時31分
TOSHIさん、どうもすみません。
原子が光のエネルギーを吸収して、その後に再放出する過程(=相互作用仮定)は、量子飛躍(Quamtum leap)によって説明される過程だと思っているのですが、その過程において時間が経過しないとなると、何故、光が物質中を進行した時に遅れが出るのかという事が説明出来ないと思っています。
>まあ物質の中で光に限らず波が遅くなるのは単に障害物と衝突するからでしょう。
という事になると、精密光学系が光の進行速度を大幅に遅らせつつも、被写体を精緻に結像させるという事が出来ないのではないかと思います。
>既に解明されていると思われることについては,どこかの本を見たほうがましだと思いますよ。
アドバイス有難う御座いました。いろいらな書籍等を当たってみたいと思います。
投稿: 凡人 | 2008年12月29日 (月) 15時31分
ども凡人さん。。TOSHIです。
凡人さんには失礼ですが私も物性専門ではないので詳しくは知りませんがそんなトンデモなこと考えることもなくローレンツの相対論発見以前の電子論当時とは違って,相対論,量子力学が1900年前後に発見されて100年も経っていて素粒子ほど小さくもない誘電体,磁性体の分野はほぼ解明されているとおもいます。
こまかい量子論のメカニズムは光の量子論でも読めばいいのでしょうがまあ物質の中で光に限らず波が遅くなるのは単に障害物と衝突するからでしょう。これを光の散乱といいます。回折現象とも言います。
ランダムに散乱されると光線の強さが弱まってしまってエネルギーが散逸するのですが
反射や屈折現象では,ある一方向で回折ピークができる。何か回折角θについてsinθが波長λに比例するというようなような方向でしたか波長の長いほうが衝突しにくいので色ごとに角度が違うでしょう。
自由空間でのコンプトン散乱ではなくトムソンやいろいろありますね。。巨視的にはレーリー散乱やミイ散乱で空が青いとか曇ってるとかの理解と同じく既に解明されていると思うので啓蒙書ではあるかどうかわかりませんが誘電体や磁性体の古典論,量子論を参照してください。
私は専門家ではありませんが専門家と素人の違いは専門家というのは知りたいことがあるときにどこに行って何の文献を調べたらいいかというのをほぼ即座に判断できる人ではないでしょうか?別に記憶する必要はなく知りたいと思ったらまた見ればよくて繰り返していると自然に記憶してしまいます。
ウェブの玉石混交の記事は半分以上いかがわしいものだと思うので,既に解明されていると思われることについては,どこかの本を見たほうがましだと思いますよ。
TOSHI
投稿: TOSHI | 2008年12月29日 (月) 12時23分
TOSHIさんの今回の記事を読んで、以前、とある掲示板で、物質中の光の速さが真空中のそれより遅いのは、時間に最小単位が存在して、物質中を進行する光が物質中の原子と相互作用を起こす度に、時間の最小単位の分だけ光の進行が留保されるからではないか、物質毎に物質中の原子と光との相互作用率を計算する事が出来れば、この仮説の成否を確認出来るのではないかという様な事を主張した事を思い出したのですが、この様な仮説を主張するのは誤りでしょうか?
尚、この仮説に基けば、当然ながら、誘電率や透磁率は、光と物質中の原子の作用率と関連する事になります。
恐れ入りますが、コメントを頂けますと助かります。
投稿: 凡人 | 2008年12月29日 (月) 00時36分