和歌山カレー裁判について
和歌山カレー事件での「最高裁の再審却下=林真須美被告の死刑確定」には正直言って驚きました。
イヤ,むしろやはりそうか。。という気持ちもありました。
証拠が全て情況証拠というのは全くの冤罪である可能性もあるわけです。例えば三浦和良事件もそうでした。死刑か無罪か。。イヤ,ひどい話です。
イヤ,確かに実際に当該被告が殺人の意図をもって殺人を犯したかもしれません。そうであれば刑としては現行法では死刑相当でしょう。
また,被告が金銭を得るためには保険金詐欺をやるというような別件については有罪の可能性のほうが強いという印象は持っています。
しかし,本件は被告が金銭的に得るものがあるのでしょうか?
保険金詐欺の方には知能犯的色彩が強いですが,偏見なしで見ると近隣とのトラブルや恨みで不特定多数に死ぬ可能性もあるという未必の故意でヒ素カレーなるものを食べさせるような人間には見えません。
むしろ,銭勘定ができて詐欺で楽な暮らしようと"冷静に"考えられるような責任能力がある人間なら,そんな分別のないことはしないでしょう。
情況証拠の最大のものは警察,検察側がカレーに混入していたと発表している100グラム程度のヒ素で,それが被告の家のシロアリ駆除の薬剤のヒ素と同種だというものですが,いまどきその気になれば100グラム程度のシロアリ駆除用のヒ素など誰でも入手できるでしょう。
後は当日カレー鍋の側にいたという目撃証言くらいですが,体形が似ている被告の娘と誤認した可能性もあるらしいです。
誤認でないとしても,カギがかかっていて誰も近づけないというならともかく,カレー鍋の側にいたからというのが重大な証拠になるのでしょうか?
いまどき,警察,検察が言うことだから正しいなどとは誰も思わないでしょう。ましてや「ヤラセ」の得意なマスコミ報道などを鵜呑みにはできません。
10年も拘置されていれば,犯罪をやってなくてもやったと言いたくなる環境の中みたいですから,本人自白でさえ信用できませんが,まだ無実を訴えておられるようですから真犯人だとしたらある意味でいい根性してるのか?強い精神力を持っているようですね。
新聞のインタビューで本人がヒ素なんかさわったこともない,と言ったらしいけれども,後で台所で見つかったり髪の毛の中にも検出されたから,まわりではウソだとか,被告は平気でウソをつくとか評しているようです。
しかし,台所にあったそれは表向きはシロアリ駆除薬なわけです。成分を調べようとしたらヒ素だとわかるでしょうけど,皆さんはこの事件前から,シロアリ駆除薬の主成分がヒ素であることをご存知でしたか?
台所の薬が"カレーに混入していたのと同じ薬物=ヒ素"であることを本人がちゃんと認知していないなら,その言動はウソにはなりません。
それはともかく,日本(民主国家)での裁判は推定無罪が原則で,証拠不十分は無罪のはずなんですよ。
つまり,本人が無罪を主張しているからといって,本人が犯行をやってないことを立証する必要はなく,むしろ犯行をやったということが立証されないという推定段階では原則無罪なんです。
"疑わしきは被告の利益に"ですね。まあ,恐らくは建前だけで実態は逆なんでしょうけど。。。
まあ,何が言いたいのかというと数人の裁判官の主観で生殺与奪が決まるという制度の危険性ですね。
彼女が事件の真犯人かどうかはもちろん私にはわかりません。
この事件そのものについて,私に何らかの確信があるわけではないので,積極的に当該の林被告を死刑にしろとか,逆にイヤ冤罪だとか被告擁護の主張をする気もありません。
ただ,事件の被害者であれば憎むべき相手の犯人が明確にいた方がいいと思うのは人情でしょうし,現在の日本の風土では逮捕起訴されたらもう犯人と確信され,被害者でなくても彼,彼女を憎悪するようになるという感じですから,それが10年も続けば,被害者が真犯人だと確信するのは仕方ないでしょう。
しかし,司法制度は現行の政府,体制の鑑である,というか。。
当該検察官や裁判官は,私が昔貧乏学生の頃,交通違反で小額の罰金を払わされたときでも,少しでも払えないという態度を示すと,「この極悪人めが。。」という露骨な態度が見られた当時の検察の若造たちよりは,まだましだろうとは思いますが。。
恐らくは,現行の法律社会の庇護の下で,社会の在り様に疑問を抱いたこともなく養成されてきた階層が牛耳っているのが,司法社会です。
これに属する勝ち組裁判官たちが負け組の命まで奪う権利を持っている階級裁判的色彩のある制度の中で,状況証拠などはいくらでも捏造される可能性があるわけです。
これだけを材料とした裁判で,有罪だ無罪だというのを決めるのに有罪の方が声が大きいからという理由で,例えば痴漢にされて社会的に抹殺されたり,世論の後押しで殺されたりしてはたまらないな。。と思うだけです。
死刑か無罪かという重大な判断をするのに風評や見かけで人を判断するなということが言いたいのです。
もっとも,今のところは私は単なるヤジ馬で,こうした裁判などはただの「対岸の火事」です。
恐らく選ばれることはないと思うけど裁判員なんて真っ平御免ですね。他人を裁くなんてのは,人間様のやるべきテリトリーの中にはないですからね。。。 ← ふん。。また責任逃れかよ。。本当,女房も子供もいなくてよかったね。。
PS:"不孝者"のユッコ。。。自殺したらしい。。。
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コメント
サイト運営し始めた者なんですが、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
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こちらより、相互リンクしていただけると嬉しいです。
まだまだ、未熟なサイトですが、少しずつコンテンツを充実させていきたいと思ってます。
突然、失礼しました。
xhnqXOSj
投稿: hikaku | 2009年5月 1日 (金) 04時11分
どもTOSHIです。
またまとレスですみません。
一応,誤解はないとは思いますが,私が鳥居さんという娘の父親だったなら私は真犯人をブチ殺したいです。。。私が身内で被告が確実にそうであれば何とか復讐したいブチ殺したいというのが偽らざる気持ちです。できなければ死刑でもいいです。(だけどもしかして無実の人間を間違えてブチ殺したら取り返しつかないなあ。。)
でも,まず私は被害者でもその家族でもありませんから,対岸の火事であり評論家,ヤジ馬にすぎません。
私がここで言いたかったのは,被告が真犯人かどうかの判断ではありません。
ただ,現場に野ざらしで置いてあったカレー鍋に少し毒を混ぜるというのは近隣の誰でも可能であると思われるのに,その近辺で風評の良くなかった人間,あるいは前科者か嫌われ者であったか?という人間を,本人が完全否定していて物的証拠もないのに犯人である,それも殺人犯だと決め付けて死刑にするという行為は人間としてあまりにもヒドイんじゃないかという感想を述べただけです。
(もちろん本当に犯人であるかもしれませんが。。。)
TOSHI
投稿: TOSHI | 2009年4月24日 (金) 04時19分
正直言って難しい。しかしもし自分が裁判員であったとしたら、死刑の判断は下せないことは確かである。亡くなった方達に殺されねばならなかった理由など寸毫も無かったことも確かで、だからこそ遺族の方には無念であろうと思う。罪を憎んで人を憎まず、とは余程の聖人君子か死生観を持ってなければ難しいと思う。しかし敢えて言うならば、犯人に向けた憎しみはあなたの苦しみでもあると言いたい。いや、苦しくても死んだ者の為にも許せない、と思うかも知れないが、死者は恨んだりはしていないと思う。残された家族や友の苦しみや嘆きこそ心配している気がする。それは犯人の罪と償いとは或る意味で次元の異なる話である。押しつけるつもりや説教じみた事を言うつもりは毛頭無いが、残された人達には自身の生き方を失い、長の苦しみに耐えている人がいるのを感じる。一日も早く解放してあげたいが、ここで死刑を選択してそれが果たせるのかも疑わしい気がする。復讐するは我にあり、と私も思うからでもある。
投稿: 明男 | 2009年4月23日 (木) 23時05分
状況証拠の是非を調べる気力はないので、そっちの妥当性は判断できないですが、動機の解明ができてないのはまずいのではないかと思います。犯人(かどうかわかりませんが)を殺せば終わりではないでしょうに。
問題だらけの裁判員制度ですが、実は裁判員やってみたいです。ただ、多分面接で正直な回答をしたら私は落とされるでしょう。警察も検察も裁判所も信じてないし、死刑には反対するだろうし、そもそも裁判員制度に反対だし。といって、嘘をついてばれたら罪になるからどうしたもんだか。
投稿: 耕士 | 2009年4月22日 (水) 23時23分
これだけ有名な事件で、処分をあやふやに出来ないという焦りが権力側にあるのでしょう。つまり、無罪にすれば、それはそれで大きな批判があるので死刑判決しかありえないとの考えです。しかし、状況証拠のみでの結審というは酷すぎるという批判も出るでしょうね。
これは帝銀事件と同じで、死刑判決は出しても、刑の執行はいつまでも先送りするんじゃないかと考えています。
権力側の考えることはいつも同じなんではないでしょうか。
投稿: T_NAKA | 2009年4月22日 (水) 20時52分
裁判やマスコミは,
「近所の人の証言」とか
「目撃者の証言」とか,あやふやなところで整合性を帳尻合わせしている気がします。(僕の言う"裁判"とは,マスコミが紹介した裁判なので,真はどうなのかわかりません。(^_^;)
物理や数学が好きな人間としては,納得いかない感じがあります。
「え,こんなんで良いの!?」と思ってしまいます。
投稿: DEW | 2009年4月22日 (水) 12時22分