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2009年5月27日 (水)

超弦理論(23)(2-12)

 超弦理論(superstring theory)の続きです。

 

 ずいぶん間が空きましたが,またまた,超弦理論でツナギです。

 

 前記事の最後で述べたゼータ関数正則化の幾分発見的な手法の示すところは,光錐(light-cone)定式化のローレンツ共変性が,a=1,D=26なる条件を要求することでした。

 以下では,ローレンツ生成子Jμνの体系的研究により,こうした条件a=1,D=26が実際にローレンツ不変性にとって必要十分であることを厳密に証明します。

さて,D次元の"ローレンツ生成子=角運動量演算子":Jμνは以前に次の形で定義しました。  

すなわち「超弦理論(15)(2-4)」において,μν=lμν+Eμν,

μν=xμν-xνμ, Eμν=-iΣn=1[(α-nμαnν-α-nναnμ)/n]と定義しました。

今の,光錐ゲージではゲージがローレンツ不変でないので,座標へのローレンツ変換の効果はゲージに敏感なものでなければなりません。

変換の幾つかは,+方向を他の方向に回転し,そこでゲージ条件を復元するためには,再パラメータ化(これもゲージ変換です)を実行する必要があります。

 

これを補償再パラメータ化と呼びます。

ゲージ条件に影響する変換はJ+-とJi-によって生成されるはずです。そして,これらは潜在的にアノマリーを有する変換であろうと予期されます。

 

このアノマリーを相殺させることが,aとDにある種の制限を与えると予想されます。

 

残りの,ローレンツ生成子Jij(i,j=1,2,...,D-2)は,光錐ゲージの持つ明白な対称性であるSO(D-2)を生成する横波空間に関連したものです。

まず,任意の再パラメータ化ξα(σ,τ)を許しながら,古典論での座標への無限小ローレンツ変換に対する一般的表現を考えます。

 

これはδXμ(σ,τ)=aμνν(σ,τ)+ξα(σ,τ)∂αμ(σ,τ)です。ただし,ξαはゲージ条件hαβ=ηαβと両立するように制限されています。

この制限は,既に述べたように,ξαが∂αξβ+∂βξα=Ληαβを満足すべきことを意味します。 

一方,ゲージ条件X(σ,τ)=x+pτは,新座標系でもこれが保持されるために,δX=aνν+aνντ=aν(xν+pντ)に従って変換されることを要求します。

なぜなら,ゲージ条件X=x+pτはδX=δx+δpτなら保持されますが,δxμ=aμνν,δpμ=aμννより,δx=aνν,δp=aννですから,δX=δx+δpτはδX=aν(xν+pντ)を意味するからです。

一方,δXμ=aμνν+ξααμより,δX=aνν+ξ00+ξ10=aνν+ξ0δpです。

 

そこで,δX=aν(xν+pντ)はaνν+ξ0=aν(xν+pντ)=aνν(τ)となります。ただし,xμ(τ)≡xμ+pμτです。

したがって0=aν{xν(τ)-Xν(σ,τ)}/pによって変換のパラメータ成分ξ0が決まります。

 

そして,∂αξβ+∂βξα=Ληαβより∂0ξ1-∂1ξ0=0 ですから,ξ1=∫τdτ'(∂ξ0/∂σ)によりξ1も決まります。

これらの,座標Xνの1次関数であるξαの表現をδXμ(σ,τ)=aμνν(σ,τ)+ξα(σ,τ)∂αμ(σ,τ)に代入すると,非共変なゲージ固定を考慮したローレンツ変換の作用形式が得られます。

新しい重要な特徴はαがXνについて1次なので,aiを伴なうそうしたローレンツ変換が横座標Xiに非線形に作用することです。

 

量子論では,そうした双線形項はローレンツ代数でアノマリー源となる可能性があり,それを正規順序(normal-ordering)等で処理する必要があるかどうか?という繊細な争点を生み出します。

それ故,Jμν=lμν+Eμν,lμν=xμν-xνμ,Eμν=-iΣn=1[(α-nμαnν-α-nναnμ)/n]なる表現の生成子が,本当に正しくローレンツ代数:[Jμν,Jρλ]=iηνρμλ-iημρνλ-iηνλμρ+iημλνρを生成するかどうか?をチェックすることが重要になります。

交換子のほとんどは直線的にチェックできて,如何なるDに対しても正しい答を与えることがわかります。

しかし,Ji-の変換については注意が必要であると予期されます。

 

特に交換子:[Ji-,Jj-]はローレンツ不変性が成り立つなら消えてゼロとなる必要があります。しかし,特殊な制限下を除いてアノマリーに導きます。

(訳注51):[Jμν,Jρλ]=iηνρμλ-iημρνλ-iηνλμρ+iημλνρをが成立するとします。

 

 まず,Ji-=(Ji0-Ji,D-1)/21/2ですから,1≦i,j≦D-2 に対して[Ji-,Jj-]=(1/2)[Ji0-Ji,D-1,Jj0-Jj,D-1]=(1/2){[Ji0,Jj0]+[Ji,D-1,Jj,D-1]}となります。

 

(なぜなら,[Ji0,Jj,D-1]=[Ji,D-1,Jj0]=0 です。)

そして,[Ji0,Jj0]=-iη00ij=-iJij,[Ji,D-1,Jj,D-1]=-iηD-1,D-1ij=iJijです。

 

そこで,確かに[Ji-,Jj-]=0 となることが必要です。

 

(訳注51終わり)※

さて,光錐ゲージではEμ+=E+μ=0 です。

 

一方,Ei-はαnの光錐ゲージでの展開:αn=(1/p)[(1/2){Σi=1D-2Σm=-∞n-miαmi:}-aδn]を代入すると,横波振動子について3次式になります。

結果として,交換子[Ji-,Jj-]は6次ですが,高次の項は相殺されて,[Ji-,Jj-]=-(1/p)2Σm=1m-miαmj-α-mjαmi)}(係数Δmはc-数)なる形になり,振動子の2次の項で表わせることがわかります。

(訳注52):(証明)Ji-=li-+Ei-=xi-xi-iΣn=1[(α-niαn-α-nαni)/n], αn=(1/p)[(1/2){Σi=1D-2Σm=-∞n-miαmi:}-aδn],p=α0です。

そして,[Ji-,Jj-]=[li-,lj-]+[li-,Ej-]+[Ei-,lj-]+[Ei-,Ej-]です。

 特に,4つ以上の振動子を含んで6次の項となるのは交換子[Ei-,Ej-]です。

これは,[Ei-,Ej-]=-Σn,m=1({1/(nm)}[α-niαn-α-nαni-miαm-α-mαmi])=-(1/p)2Σn,m=1({1/(4nm)}[Σs=-∞Σk=1D-2-nin-skαsk:-:αn-skαsk: α-ni},Σt=-∞Σl=1D-2-mjm-tlαtl:-:αm-tlαtl-mj}]です。

 

これは,確かにαniの6次の項になります。

特に,[Ei-,Ej-]=-(1/p)2Σn,m=1({1/(nm)}[α-niαn-pα-nαni-miαm-pα-mαmi])と書きます。

既に,[pαm,pαn]=(m-n)pαm+n+A(m)δm+nであり[pαnmj]=-mαn+mj,or [αni,pαm]=nαn+miであることを知っています。

 

交換子の恒等式:[AB,CD]=A[B,C]D+AC[B,D]+[A,C]BD+C[A,D]Bを使用します。

そうして,具体的に[Ei-,Ej-]を計算すると,[Ei-,Ej-]=-(1/p)2Σn,m=1({1/(nm)}[mα-niαn-mjαm+(n-m)α-niαm+n-nα-miαm-njαm+pα-nnαn-miαmjp+

 

(m-n)pα-n-mαmjαni-pα-mmαm-njαni-α-ni{(n+m)pαn-m+A(n)δn-mmj+αniα-mmαn+mj

 

nαn+miαmjαn+pα-mαnnδm-nδij-nδn-mδijα-nαm-pα-nα-mjnαn+mi-mα-n-mjαmαni+αmj{(n+m)pαm-n+A(m)δm-nni])となります。

i-=-n=1[(α-niαn-α-nαni)/n]=(-i/2)Σn≠0[(:α-niαn:-:α-nαni:)/n]と書けるので,αnとα-nの順序を気にせずnと-nの変換が許されます。

 

また,n-m→-mなどの変換も,n,mが単なるパラメータなので許されます。

そこで,pαの添字をpαm+niをα-niにαjをα-mjにそれぞれ添字を統一すると,{-(p)2][Ei-,Ej-]=Σn,m≠0{(1/m)(pαm+nα-niα-mj+α-mjα-niαm+n-α-niαm+nα-mj-α-mjαm+nα-mj)}-Σn0{A(n)(α-niαnj-α-njαni)/n2]と書けます。

さらに,{-(p)2][Ei-,Ej-]=-Σn≠0{A(n)(α-niαnj-α-njαni)/n2]+Σn,m≠0{(n/m)(α-miαmj-α-mjαmi)}です。

 

よって,結局αniの高次の項は消えて2次の項だけが残りアノマリーの形も決まります。(まだ,正規順序を考慮していないのでこれで最終形ではありません。)

そこで,[Ji-,Jj-]=-(1/p)2Σm=1m-miαmj-α-mjαmi)}と書けるはずです。係数Δmはc-数です。

 

(訳注52終わり)※

短いですが,今日はここまでにします。

参考文献:M.B.Green,J.H.Schwarz,& E.Witten著「superstring theory」(Cambridge University Press)

 

http://folomy.jp/heart/「folomy 物理フォーラム」サブマネージャーです。

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