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2009年8月25日 (火)

束縛状態とベーテ・サルピーター方程式(9)

 ベーテ・サルピーター方程式(B-S.eq.)の続きです。

前回は,Wick回転(Wick-rotation)された部分波(partial wave)のB-S.eq.として,{ma2||2(4a√s)2}{mb2||2(4b√s)2}ψνLl(||,p4;s)={2λνLl(s)/π}∫0d|'|∫-∞dp4'Ql[{μ2||2|'|2(p4-p4')2}/(2|||'|)]ψνLl(|'|,p4';s)を求めました。

 Ql(z)は第2種のルジャンドル(Legendre)関数で,これは第1種のルジャンドル関数Pl(z)から,Ql(z)=(1/2)∫-11dζ{Pl(ζ)/(z-ζ)}で与えられます。

右辺の積分核(kernel)のトレースは有限ですから,この積分方程式には,古典Fredholm理論を適用できます。

 固有値λνLl(s)を除く積分核部分のトレースをσl(s)=(2/π)∫0d||∫-∞dp4(Ql(1+μ2/(2||2))/[{ma2||2(4a√s)2}{mb2||2(4b√s)2}])と書けば,これは収束する積分として与えられます。

幾つかの操作の後にσl(s)=∫01dx101dx201dx3[x3'δ(1-x1-x2-x3)/(x1a22b2+x3μ2-x31a223b2-x12)]を得ます。

これは,3'を除けば,正確に三角グラフに対する質量殻の上のFeymanパラメーター積分に対応しています。

この式を証明するために,Feyman積分の公式,(ABC)-1=2∫01dx101dx201dx3[δ(1-x1-x2-x3)/(Ax1+Bx2+Cx3)3]を用いて,σl(s)=(4/π)∫01dx101dx201dx3-11dζPl(ζ)δ(1-x1-x2-x3)∫0d||∫-∞dp4[x1{ma2||2(4a√s)2}+x2{mb2||2(4b√s)2}+x3{1+μ2/(2||2)-ζ}]-3としました。

右辺の被積分関数の分母の[ ]の中は,x1{ma2||2(4a√s)2}+x2{mb2||2(4b√s)2}+x3/Ql(1+μ2/(2||2))=x1(ma2||2)+x2(mb2||2)+(x12){p4i√s(x1ηa-x2ηb)/(x12)}212/(x12)+3{1+μ2/(2||2)-ζ}です。

さらに∫-∞dp4積分を実行してσl(s)=(3/2)∫01dx101dx201dx3-11dζPl(ζ)[δ(1-x1-x2-x3)(12)-1/20||{x1a22b23(1-ζ)+(12)||23μ2/(2||2)-12/(12)}-5/2]としました

そして,∫0d||積分を実行すればσl(s)=∫01dx101dx201dx3-11dζPl(ζ)δ(1-x1-x2-x3)(12)-1[x1a22b23(1-ζ)-12/(12)-{2(12)3μ2}1/2]-2となる。

 

というところまで書きました。

ここで,行き詰まってPendingになっていたのですが,結局,水曜日(8/18)に永田町の国会図書館に行って,中西さんの1963年の部分波B-S.eq.の原論文を参照することにしました。

 

ところが,午前中に都営三田線内幸町から都バスという障害者無料の都営交通経路で図書館まで行き,当該論文を検索すると東京の図書館が手狭になったため,当該資料の掲載されているPhysical Reviewなど洋雑誌は全て京都の関西館に移管されていて,それを見るには電送でコピー,または郵送で本雑誌を取り寄せるしかないとのことでした。

電送だと即日で午後までには届くということでしたが,コピーされたものが届くまで内容をチェックすることもできず,しかも電送コピーでは普通のコピー(A4だと1枚24円+消費税)の倍の料金を取られ,最大40ページまでとのことでした。

まあ,この程度の計算を書いた論文が10ページを超えることはめったにないので,それでもよかったのですが,もしかして40ページだと2000円超えるし,これまで国会図書館でやってきたように予め内容を確認して場合によっては必要部分だけのコピーを取りたかったので,土曜日(8/22)に出直すことにしました。

 

4日遅れましたが同じルートで再び土曜日午前中に国会図書館に出向いて実際に1963年のPhysical Reviewの本文を見るとたった6ページだったので,即日複写で151円の料金を払ってコピーを受け取りました。

というわけで,原論文のコピーを入手したのですが,その日は残暑の中往復しただけで体がすっかり疲れてしまい帰宅して寝てしまいました。

 

かつて,このシリーズのタネ本である"1969年の中西さんの論文=ProgressのsupplementのB-S.eq.のレビュー"を最初に読んだ34年前(1975年)の学生の頃にも,確か同じ箇所の計算でつまづいてそれをきっかけに「まあいいや」と読むのをやめた記憶があります。

 

もしも,その頃ちゃんと読む気になっていれば当時の大学の素粒子や物性理論など理論物理学の研究室のある階の私の部屋の4つくらい右隣の部屋には図書室があり,Phys.Rev,Phys.Rev.Letters,それにNovtiment(Novciment?)やProgressくらいの主だった論文や著書は全て揃っていました。

 

理論なので,特別な実験環境は不要とはいえ,やはり大学とか研究関係の組織に属していた方が,参考論文などを苦労せずにいくらでもタダで参照できる環境にあるとはいえますね。

 

もっとも,今回,国会図書館で会員登録(無料)をしてIDとPasswordを作ったので次回からは,有料ですがオンラインで自宅にいながら資料取り寄せることもできるらしいです。

 

クレジットカードが失効していなければ,以前のように別ルートでネットで気軽に論文をダウンロードする道もあったのですが。。。

 

というわけで,たった5ページちょっとだし,その論文の記述順序を変更したり,表記を書き直したりして今のブログ本文につなげるのも面倒なので,改めて関連部分を直接要約することにします。

まず,部分波のB-S.eq.ですが,Wick回転した{ma2||2(4a√s)2}{mb2||2(4b√s)2}ψνLl(||,p4;s)={2λνLl(s)/π}∫0d|'|∫-∞dp4'Ql[{μ2||2|'|2(p4-p4')2}/(2|||'|)]ψνLl(|'|,p4';s)ではなく,回転する前のηa=ηb1/2のB-S.eq.から出発します。 

すなわち,ηa=ηbP=P/2,0=P0/2=√s/2,{ma22(0-k0)2}{mb22-(0+k0)2}ψl(||,p0)={2λ/(πi)}∫0d||∫-∞dq0l[{μ222(p0-q0)2}/(2||||)]ψl(||,q0)が出発点です。

そして,積分核のトレースもσl(s)=(2/π)∫0d||∫-∞dp4(Ql(1+μ2/(2||2))/[{ma2||2(4a√s)2}{mb2||2(4b√s)2}])ではなく,σl{2/(πi)}∫0d||∫-∞dp(Ql(1+μ2/(22))/[{ma22(0-k0)2}]{mb22(0+k0)2}])とします。

 ここで,Ql(β)=(1/2)∫-11dζ{Pl(ζ)/(β-ζ)},β≡1+μ2/(22)より,σl={1/(πi)}∫0d||∫-∞dp-11dζPl(ζ)/[(β-ζ){ma22(0-k0)2}{mb22(0+k0)2}]です。

Feyman積分の公式,(AB)-1=∫01dx101dx2[δ(1-x1-x2)/(Ax1+Bx2)2]=∫01dx1{Ax1+B(1-x1)}-2でx1=(1+z)/2とすれば(1/2)∫-11dz{A(1+z)/2+B(1-z)/2}-2です。

そこで,∫-∞dx(x2+A2)-2=(π/2)A-3より∫-∞dp[{ma22(0-k0)2}{mb22(0+k0)2}])-1=(1/2)∫-∞dp{ma2(1+z)/2+b2(1-z)/22(0+k0)2(1-z2)(k0)2}-2(πi/4)∫-11dz{2ρ(z)}-3/2を得ます。

 

ρ(z)≡a2(1+z)/2+b2(1-z)/2(1-z2)(k0)2です。

したがって,σl(1/2)∫-11dz∫-11dζPl(ζ)∫0d||(2/[{2ρ(z)}3/2222(1-ζ)}])と書けます。

一方,一般のB-S.eq.はここまで{ma22-(ηa0+p0)2}{mb22-(ηb0-p0)2}φBr(p,P)={λB(s)/(iπ2)}∫d4[φBr(q,P)/{μ2(p-q)2iε}]と表記してきました。

 

ここでは,これも上記式中のB-S振幅:φBr(q,P)を,単に(q)と表記して今回得た原論文におけるB-S.eq.の形式:{ma2-(p+k)2}{mb2-(p-k)2}(p)={λ/(iπ2)}∫d4[(q)/{μ2(p-q)2iε}]に変更します。

そして,B-S振幅:(p)の体球関数lm()≡||llm(θ,φ)による展開係数を積分形にして,(p)=lm()∫-11dz∫-∞dα(φl(n)(z,α)/[α-(1+z)(s-a2)/2+(1-z)(t-b2)/2-iε])n+2)と積分表示できると仮定します。

ここにs≡(p+k)2,t≡(p-)2です。

nは,右辺のFeynman積分が収束するように,つまり(n+2)>l/2となるように選択します。また,右辺の積分が意味を持つように,limα→∞[φl(n)(z,α)/αn+1]=0,φl(n)(z,-∞)=0 と仮定します。

そして,(p)=lm()∫-11dz∫-∞dα(φl(n)(z,α)/[α-(1+z)(s-a2)/2+(1-z)(t-b2)/2-iε])n+2)の因子を部分積分します。

-∞dα(φl(n)(z,α)/[α-(1+z)(s-a2)/2+(1-z)(t-b2)/2-iε])n+2)=-(n+1)-1φl(n)(z,α)/[α-(1+z)(s-a2)/2+(1-z)(t-b2)/2-iε])n+1|-∞(n+1)-1-∞dα({φl(n)(z,α)/∂α}/[α-(1+z)(s-a2)/2+(1-z)(t-b2)/2-iε])n+1)=(n+1)-1-∞dα[{φl(n)(z,α)/∂α}/[α-(1+z)(s-a2)/2+(1-z)(t-b2)/2-iε]]n+1]ですね。

これは,(p)=lm()∫-11dz∫-∞dα(φl(n-1)(z,α)/[α-(1+z)(s-a2)/2+(1-z)(t-b2)/2-iε])n+1)の因子に一致するはずですから,漸化式φl(n-1)(z,α)=(n+1)-1{φl(n)(z,α)/∂α}を得ます。

さらに,lm()≡||llm(θ,φ)より,任意関数Fに対して両辺の積分が収束するなら,∫dF(2)lm()=lm()∫dF(2)が成立することが簡単にわかります。

(注)簡単にわかると書いてありましたが,私にはなかなかわからないので,この式の証明はPendingです。※)

 

(p)=lm()∫-11dz∫-∞dα(φl(n+1)(z,α)/[α-(1+z)(s-a2)/2+(1-z)(t-b2)/2-iε])n+3)を{ma2-(p+k)2}{mb2-(p-k)2}(p)={λ/(iπ2)}∫d4[(q)/{μ2(p-q)2iε}]に代入します。

 

変形していくと,結局(p)={(n+2)/2}lm()λ∫-11dz'∫-∞dα'φl(n)(z',α')∫-11dz∫-∞dα∫01dxxl-n-1{g(α',z',x)}-n-1αn{θ(α)-θ(α-R(z,z')g(α',z',x))}[α-(1-z)(s-a2)/2+(1-z)(t-b2)/2-iε])-n-3)となります。

  

ここに,g(α',z',x)≡x-1{α'+(1-x)ρ(z')}+(1-x)-1μ2,R(z,z')≡(1―z)/(1-z') (z>z'),(1+z)/(1+z') (z<z')です。

 

(証明)f()=lm()(-11dz∫-∞dα(φl(n+1)(z,α)/[α-(1+z)(s-a2)/2+(1-z)(t-b2)/2-iε])n+3)の表式に,漸化式φl(n)(z,α)=(n+2)-1{φl(n+1)(z,α)/∂α}によるφl(n+1)(z,α)=(n+2)∫-∞αdα'φl(n)(z,α')を代入します。

 

(p)=(n+2)lm()∫-11dz∫-∞dαθ(α)∫-∞dα'φl(n)(z,α')[α-(1-z)(s-a2)/2+(1-z)(t-b2)/2-iε])-n-3)となります。

一方,g(α',z',x)=x-1{α'+(1-x)ρ(z')}+(1-x)-1μ2なので,01dxxl-n-1{g(α',z',x)}-n-1=∫01dxxl[{α'+(1-x)ρ(z')}+xμ2/(1-x)]-n-1です。

 

また,(p)=lm()∫-11dz∫-∞dα(φl(n+1)(z,α)/[α-(1+z)(s-a2)/2+(1-z)(t-b2)/2-iε])n+3)を,{ma2-(p+k)2}{mb2-(p-k)2}(p)={λ/(iπ2)}∫d4[(q)/{μ2(p-q)2iε}]の両辺に代入します。

左辺は{ma2-(p+k)2}{mb2-(p-k)2}(p)={ma2-(p+k)2}{mb2-(p-k)2}lm()∫-11dz∫-∞dα(φl(n+1)(z,α)/[α-(1+z)(s-a2)/2+(1-z)(t-b2)/2-iε])n+3)です。

右辺は{λ/(iπ2)}∫dq0∫d[lm()/{μ2()2(p0-q0)2iε}]∫-11dz∫-∞dα(φl(n+1)(z,α)/[α-(1+z)(s-a2)/2+(1-z)(t-b2)/2-iε])n+3]={λ/(iπ2)}∫dq0lm()∫d[1/{μ22(p0-q0)2iε}]∫-11dz∫-∞dα(φl(n+1)(z,α)/[α-(1+z)(s-a2)/2+(1-z)(t-b2)/2-iε])n+3]です。(Pending)

途中ですが,今日はここで終わります。

 参考文献:(1) Noboru Nakanishi "Partial-Wave Bethe-Salpeter Equation",Physical Review,Vol.130,No.3,pp1230-1235(1963),

(2) Noboru Nakanishi "A General survey of the Theory of the Bethe-Salpeter Equation" Progress of Theoretical Physics, supplement,No.43(1969)

 

PS:本当に世間では信じられないことをいつまでもやってるなあ。。

 

 逮捕状が出て逮捕されても,起訴されるかどうかもわからないんだから,裁判の被告でさえないんだよ。

 

 起訴されて被告となることが確定しても,まだ裁判結果で有罪になるまでは,法律的には犯罪者ではないんだし無罪の可能性もあるんだよ。

 

 さらに,ついこの前もあったけど,本人が犯行を自供して17年間も服役しても,実は捜査の方が間違いで無罪どころか無実もあるんだよ。

 

 だから,こんな起訴されるかどうかの本来は秘密であるべき警察という密室の中で行われている捜査段階の情報の垂れ流しは異常だよ。。

 

 例えば,密室の中では本人が「やってない。」と主張しても警察側が確かな情報としてリークすると,世論にオモねることで金儲けにつながる御用マスコミが大した裏も取らず流すと大体信用してしまう。

 

 こんなの40年くらい昔の話ですが,東京で16キロもの路上デモの間,ずーっと機動隊にサンドイッチ規制されて,両側の人間はまわりから見えない場所では,こづかれたり蹴られたりされ続け,痛いからこちらが手でよけようとしたら公務執行妨害で逮捕するというような昔からの汚い官憲の手口を知ってれば,全部鵜呑みにする方がオカシイと思う。。

 

 こちらが,警察に殴られたとか言っても全然通らないし,防御で手を出したのも暴行したことにされるし。。。白も黒になる一方的なデマばっかしだった。。

 

(体に傷は残らないので物的証拠も残らず,交代で番をして容疑者が眠ったら起こすという眠らせない拷問をやられると,それでやがて死刑になるとしても,その場で眠りたいからやってない殺人でもやったと言ってしまうだろう。。

 

 戦時中のパルチザンとかレジスタンスとか言っても,拷問に耐え切れず仲間を売ってしまう。後で解放されても裏切り者で仲間にリンチされパージされる。。

 

 しかし拷問に耐えられなかったからといって誰が非難できるのだろう。。人間なんてそんなに強くない。

 

 日本の警察じゃないし,一応事実に基づくフィクションということですが,かつて見たイヴ・モンタン主演の仏映画「Z」や,南アフリカのアパルトヘイトが主題の映画「ワールドアパート」でも似たような状況があったと記憶しています。。← また脱線やらかしてる。。)

 

(後者は,まだ南アが人種差別支持の時代にLDで買って見たものです。そのLDはまだ所持していますが,もう古いしDVDで出てないだろうなあ。破防法で捕まって執行猶予中の友人?に見せたら「どこの国の官憲も同じだなあ。。」と言っていた。。)

 

 そして,当時の大抵のマスコミはヘルメットかぶってデモする奴の方が悪いという報道(世論)に都合のいいデマゴギーの方だけをそのまま報道するしという時代だった。。

 

 そもそも,デモンストレーション(示威行動)というのは宣伝してもらいたいから派手にやってるのに,なかなか報道されませんでしたね。。

 

 逆に,今回の事件はつかまった側が頼んでもいないのに派手に宣伝するからね。。有名人だから普通人以上に悪影響があるって?。。

 

 それじゃ何でいつまでも派手に報道してるんだよ。え? きれいごと言うんじゃねえよ。結局はそれでニュースが売れてスポンサー様が喜ぶからだろ。。。

 

(それが証拠にかわいそうに?一方の押尾君の扱いはかなり小さい。)

  

 そういうのも,自分が悪いのを他人のせいにする一種の逆恨みっていうやつだよ。。

 

PS2:福見ちゃん,前から谷亮子よりカワイかったけど柔道ばっかやってるせいか24歳にもなっても高校生のトキと同じロリ顔ですな。。

 

 そういえば,去年の北京五輪で唯一私が気に入った銀メダルの塚田真希ちゃんもデブで決して美形とは思わないけど,笑顔と泣き顔は絶品で輝いていましたね。。

 

(2008年 8/ 15の記事「塚田真希チャン 」参照)

  

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