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2010年5月

2010年5月31日 (月)

またまた,犬も食わない自己分析

 どうでもいいことですが,念のためです。

 私が最近このブログでよく書いている内容:

 "他人にやさしくせよ,とか汝の敵を愛せ云々"とかの言は,私自身が私自身を律するための戒めの言葉であって,決しておこがましくも"他人にこうせよ"などという勧言を書いているわけではありません。

 そもそも,私自身がやろうとしてもできないから戒めているのです。自分にできないことを他人に勧めるわけがないでしょう。

 せいぜい,肩に力入ってると疲れるから無理しないようにね,と同情心程度です。(↑ ヤな奴だねえ。。)

 それに,私の行動や考え方の規範(大げさですが)は,一人前にものごころがついた前後から一貫して"価値自由の原則"というものです。

 つまり,各個人が如何なる価値観を持とうが,それはその人の自由であって自分と関連して何らかの精神的物質的衝突が起きない限り,何ら私の関知するところではないということです。

 まあ,"他人(ひと)は他人(ひと),私は私"という,よく言えば個人主義,悪く言えば隣人が困っていようと無関心な薄情者ですネ。

 私には,その他に"来るものは拒まず,去るものは追わず"という自分ではあまり意識してない行動原理もあるようです。

 これも,感情のない天人か仙人にでもなったようです。

 殴ってでもこちらを向かせたい,とか,去っていく人に泣いて追いすがる,とかの激情など起きず,やはり本質的に薄情者なのかもしれません。

 イヤ,今となってはリビドーがホト走る若い感性は非常に取り戻したい形質の1つですね。(下半身ももっとホト走って欲しい。トホホ。。)

 とは言っても,別に"危うきに近寄らず"とか"さわらぬ神に祟りなし"とかの事無かれとは逆で事が起こるのを期待している好事魔てす。

 むしろ,流れ弾に当たるのは望むところです。そして,まあケンカは弱いのですが,"ヤルときはヤル"という感じですかね。。。

 ただし,面倒くさくなるとプイと横向いたりして飲み屋なら唄でも唄っています。勝手なもんです。

 いずれにしろ,私は教育者でもなければ教祖でもないし,他人に主張できるものは私自身の利己,エゴのみです。(他人に下手なアドバイスをしてお金をもらえる商売ならイザ知らず。。)

 "近頃の若い者は云々"とか普通にグチは言いますが,それを以って本当に他人に説教しようとは思いません。(殴られるのもイヤだしね。)

 これらは,単に悪口,陰口のたぐいであって,結局自分に都合のいい解釈をして,自分の価値観,自分の小さな経験や尺度の中で他人様を利己的に批判してるに過ぎません。

 まあ,偶々,最近になって"利他こそが私の利己である。"というようなホトケゴコロ的心境が湧いてきただけのことで,それを書いています。

 決して,私以外の他人様にまで"ホトケ様やイエス様になれ"と説いているわけではないですヨ。

 以上,上から目線の自己分析でした。ナハハ。。

PS:6/1手話教室3回目(全体で5回目)受けてきました。初めて遅刻せずフルタイム見て(聴いて)きました。取り合えず,3日坊主まではきましたね。

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2010年5月30日 (日)

散乱の伝播関数の理論(8)

散乱の伝播関数の理論の続きです。

 

すぐ後で必要となるので,自由粒子のDirac方程式:

(μμ-m)Ψ(x)=0 の一般解Ψ(x)の導出過程を

復習します。

 

2行2列のPauliのスピン行列をσ=(σ123)とします。

また,同じく2×2行列ですが単位行列を2とします。

 です。

 

 Pauli行列の主要な性質として,交換関係:[σij]

 ≡σiσj-σjσi=2iεijkσk,および,

 反交換関係:{σij}≡σiσj+σjσi=2δij

 が成立する,ということがあります。

 

 ただし,[A,B]≡AB-BA,{A,B}≡AB+BAです。

 

 4行4列の行列:βを2つの2×2対角細胞が2,-2

 非対角細胞が02の対角細胞型行列とします。

 

また,4行4列の行列ベクトル:α=(α123)を対角成分

02で,2つの非対角成分が共にσ=(σ123)である行列

とします。

 

容易にわかるように,{αij}=αiαj+αjαi=2δij,

i,β}=αiβ+βαi=0,β2=1です。

 

そこで,γ0≡β,γ≡βα,or (γ123)≡(βα1,βα2,βα3)

なる表示を採用すると,これらの{γμ}μ=0,1,2,3は確かにDirac行列

が満たすべき条件:{γμν}=2gμνを満足します。

  

 

ただし,Minkowski計量(metric)としては,g00=1,g0i=0,

ij=-δijを採用しています。

 

Dirac方程式(μμ-m)Ψ(x)=0 の解である波動関数

(Dirac-spinor):Ψ(x)は4行1列の縦ベクトルです。

 

(※ 余談ですが,世界がd次元のMinkowski時空なら,その時空で

Dirac-spinor(スピノール)は,2成分-spinorの(d/2)個の直積

(=tensot:テンソル)で与えられるため,その次数は,2d/2 です。)

 

このDirac方程式の変数分離解をΨ(x)=w()exp(-ipx)と

書けば,w()も4元spinorで,方程式:(γμμ-m)w()=0

を満足します。

 

粒子の4元運動量は自然単位でpμ=(E,)ですが,特に粒子と

共に運動していて,粒子が静止している(=0)と見える"運動座

標系=静止系"S0では,pμ=(E,)=p0μ≡(±m,0)です。

 

(↑ ※0μ=(±m,0)として,負の静止エネルギー:E=-mの解

も捨てず,率直に独立解として採用するのがミソです。)

 

このS0系での変数分離解は,p0μ=(±m,0)の±に応じて,

Ψ0(x)=(0)exp(-imt),または,Ψ0(x)=(0)exp(imt)

です。

 

そこで,(μμ-m)Ψ(x)=0;Ψ(x)=w()exp(-ipx)

による(γμμ-m)w()=0 は,p00=mならγ0w(0)=w(0),

00=-mならγ0w(0)=-w(0) です。

 

したがって,静止系での変数分離解Ψ0(x)は,γ0±(0)=±w±(0)

(複号同順)を満たすγ0の2つの独立な固有ベクトルw±(0)を用いて

 

Ψ0(x)=w+(0)exp(-imt),および,

Ψ0(x)=w(0)exp(imt) と表わされます。

 

γ0の固有ベクトルw±(0)のうち,固有値+1の固有ベクトル:

+(0)は,t(1,0,0,0),t(0,1,0,0)の1次結合で与えられます。

 

また,固有値が-1の固有ベクトルw(-)(0)は,t(0,0,1,0),

t(0,0,0,1)の1次結合です。

 

そこで,独立な4つを改めて,w(1)(0)≡t(1,0,0,0),

(2)(0)≡t(0,1,0,0),w(3)(0)≡t(0,0,1,0),

(4)(0)≡t(0,0,1,0) と定義します。

 

すると,静止系での4つの独立解は,

ψ0(r)(x)=w(r)(0)exp(-iεrmt)(r=1,2,3,4)

で与えられることになります。

 

ただし,符号関数εrは,εr≡1 (r=1,2),εr≡-1 (r=3,4)

で定義されます。

 

したがって,静止系での自由粒子の一般解Ψ0(x)は,Ψ0(r)(x)の

1次結合で表わせます。

 

一方,Lorentz変換(4次元回転):x'μ=aμνν,

または略記法でx'=axに伴なう波動関数のLorentz回転:

 

Ψ'α(x')=Ψ'α(ax)≡Sαβ(a)Ψβ(x) (成分表記)

 

または,Ψ'(x')=Ψ'(ax)=S(a)Ψ(x) (行列表記)

 

を考えます

 

x'=ax より,その逆変換:-1対しx=a-1x'ですから,

Ψ'(x')=S(a)Ψ(a-1x'),つまり,

Ψ'(x)=S(a)Ψ(a-1x)です。

 

他方,Ψ(x)=S(a-1)Ψ'(ax),Ψ(x)=S-1(a)Ψ'(ax)より,

S(a-1)=S-1(a)なる関係が成立することがわかります。

 

また,∂/∂xμ(∂x'ν/∂xμ)(∂/∂x'ν)ですから,

x'ν=aνμμより.∂μνμ∂'νです。

 

そこで,Dirac方程式:(μμ-m)Ψ(x)=0 にx=a-1x',

および,Ψ(x)=S-1(a)Ψ'(x')を代入して,左からS(a)を

掛けると,[iS(a)γμ-1(a)νμ∂'ν-m]Ψ'(x')=0

を得ます。

 

それ故,νμS(a)γμ-1(a)=γν,つまり,

νμγμ=S-1(a)γνS(a)であれば,

上式は(ν∂'ν-m)Ψ'(x')=0 となって,

方程式が相対論的に共変(covariant)になります。

 

特に,μνμν+Δωμν;Δωνμ=-Δωμνと書けて,

Δωμν微小の場合の微小Lorents変換を考えます。

 

これに対する4×4変換行列S(a)をΔωμνの1次まで展開して

1次係数行列を,-(i/4)σμνと表現すれば,

S(a)=1-(i/4)σμνΔωμν+O(Δω2) です。

 

今のところ,σμνは未知の4次行列ですが,以下でそれを具体的に

決定します。

 

(Δω2)が無視できる無限小変換では,

S(a)=1-(i/4)σμνΔωμν,

-1(a)=1+(i/4)σμνΔωμνより,

 

μνγν=S-1(a)γμS(a)は,

Δωμνγν=-(i/4)Δωαβμσαβ-σαβγμ)

となります。

 

ここで,Δωμνγν=gμαΔωανγν

=gμαΔωαββνγν=gμαΔωαβγβ

=gμβΔωβαγαにより,

 

Δωμνγν=(1/2)(gμαΔωαβγβ+gμβΔωβαγα)

=(1/2)Δωαβ(gμαΔγβ-gμβγα) を得ます。

 

故に,(1/2)Δωαβ(gμαΔγβ-gμβγα)

=-(i/4)Δωαβμσαβ-σαβγμ)ですから,

2i(gμαΔγβ-gμβγα)=[γμαβ] です。

 

結局,無限小変換では,S(a)=1-(i/4)σμνΔωμν;

σμν=(i/2)[γμν]であることがわかります。

 

さて,無限小ではなく一般の有限なLorentz変換を上記の無限小

変換を継続的に無限回反復した結果として評価するため,Δωμν

をΔωμν≡Δω(In)μνと表現します。

 

ただし,Δωは軸:のまわりの無限小Lorentz回転の回転角を表わす

無限小パラメータとし,Inはこの軸についての単位Lorentz回転を

示す4×4行列とします。

 

(注):3次元空間の回転なら,例えばz軸の回りのxy平面上の

 角度φの回転なら,

 x'=xcosφ-ysinφ,y'=xsinφ+ycosφ,z'=z

 です。

 

これはφが無限小回転角:Δφなら,

x'=x-yΔφ,y'=xΔφ+y,z'=zですから,

 

行列形では,t(x',y',z')=t(x,y,z)+Δφt(―y,x,0)

={1+Δφ(Iz)}t(x,y,z) と書けます。

 

これによって,3次元の場合の対応する3×3行列Izを定義します。

 

ただし,t(x,y,z)は行ベクトル(x,y,z)の転置(transport)

である縦ベクトルを意味します。

 

同様に,x軸,y軸のまわりの回転に対する3×3行列Ix,Iy

定義できます。(注終わり)※

 

さて,Δωμν=Δω(In)μν,Δω≡ω/Nとして,

Δω回転のN回の反復でωになる変換を考えます。

 

刻みNが無限大の極限では,

μν=lim N→∞ Πn=1N{1+(ω/N)In}μν

={exp(ωIn)}μν,またはxμ=aμνν

={exp(ωIn)}μνν

が得られます。

 

そして,これに伴なうspinorの変換は,

S(a)αβ={1-(i/4)Δω(σμνnμν)}αβより,

Δωが一般の有限の角度ωなら,

 

S(a)αβ=exp{-(i/4)ω(σμνnμν)}αβ

= exp{-(1/8)ω[γμν]Inμν}αβ  です。

 

特に,x軸に沿って無限小の速度Δv=Δβ=Δωで運動する

座標系への無限小変換は,

x'0=x0-Δβx1,x'1=x1-Δβx0

です。

 

そこで,Lorentz変換:μνμν+Δωμν;Δωνμ=-Δωμν

では,Δω01=Δω10=-Δβ以外の全てのΔωμνはゼロです。

 

この場合,有限変換ではx'μ={exp(ωIn)}μννであり,

x'0=x0coshω-x1sinhω,x'1=x1coshω-x0sinhω,

x'2=x2,x'3=x3 と書けます。

 

これに対応するLorentz変換は相対速度がv=β=tanhωの変換

です。

 

このとき,coshω=1/(1-β2)1/2,sinhω=β/(1-β2)1/2です。

 

よって,確かに無限小変換ではΔβ=Δωを満たしています。

 

さて,spinorの無限小変換はΔω01=-Δω10=Δω=Δβなので,

S(a)=1-(i/4)σμνΔωμνは,S(a)=1-(iΔω/2)σ01で,

σ01=(i/2)[γ01]=iγ0γ1=-iγ0γ1=-iβ2α1=-iα1

です。

 

それ故,S(a)=1-Δωα1/2です。

 

有限変換では,(α1)2=1ですからS(a)=exp(-ωα1/2)

=cosh(ω/2)-α1sinh(ω/2)です。

 

そして,系Sで粒子が速度v=βで運動することは,粒子に対して

静止しているS0系に対し系Sが相対速度-v=-βで運動する

ことに同等です

 

したがって,静止系S0でpμ(m,0)の正エネルギー粒子がS0

対して相対速度-v=-βで運動するS系では,

 

x'0=x0coshω-x1sinhω,x'1=x1coshω-x0sinhω,

x'2=x2,x'3=x3 に対応して,

 

μ=(E,)なる表示で,E=mcoshω,p1=-msinhω,

2=p3=0 なので,β=-tanhω=p/Eです。

 

ただし,p=||=p1です。

 

故に,tanhω=-p/Eにより,tanh(ω/2)=-p/(E+m),

cosh(ω/2)={(E+m)/(2m)}1/2を得ます。

 

一方,静止系S0でpμ(-m,0)の負エネルギー粒子がS0に対し

相対速度-βで運動するS系では,

 

μ=(-E,-)(E>0)なるエネルギー表示で,

tanh(ω/2)=p/(-E+m)=-p/(E-m),

cosh(ω/2)={(E-m)/(2m)}1/2 です。

 

以上から,自由粒子波動関数の4つの独立な解は,

Ψ(r)(x)=w(r)()exp(-iεrpx),

(r)()=S(a)w(r)(0)

={cosh(ω/2)-α1sinh(ω/2)}w(r)(0)

であり,

 

(1)(0)≡t(1,0,0,0),w(2)(0)≡t(0,1,0,0),

(3)(0)≡t(0,0,1,0),w(4)(0)≡t(0,0,1,0)

 

であることがわかりました。

 

Pending・・・

 

(参考文献):J.D.Bjorken & S.D.Drell "Relativistic Quantum Mechanics" (McGraw-Hill)

 

(後記):この記事がPendingになっているのを,長期間,

うっかりして忘れていました。続きは別記事にします。

 

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2010年5月27日 (木)

デンマーク!!

 そういえばサッカーのワールドカップで日本とデンマークが同じグループなんですね。恐らくは日本が負けるでしょうが。。。ちょっと思い出しました。

 2年前の北京五輪前の丁度今頃の季節でしたが,志村坂上から巣鴨へ帰る都営三田線の最終電車の中で知り合った少し年下?のデンマーク人男性に巣鴨の私の行きつけのスナックでおごってもらったことがあります。

(最初名前がバルボア?とかなんとか言ってたので映画「ロッキ-」を思い出してイタリア人か?と聞いたらデンマーク人でした。)

 彼は今どうしてるかなあ?そのときも北京五輪が近かったのでデンマークと日本のメダル数などの話をした後,彼も近くに住んでいるからまた会おうと別れたけど,それっきりですネ。

 (ただし,平気でマリファナタバコ?のようなもの出してたけれど,日本じゃ禁止だヨ。。。)

 電車の向かい側で酔いつぶれたのか寝ていて席の下の方に携帯電話が落ちていたので,起こして拾ってあげただけなのに,どこかでの待ち合わせの予定を変更して一緒に飲もうということになったのでした。

 イヤ,前にも白人相手でそういうことが何度かあって,"オゴルから飲もう”と誘われて行ったのはいいけど,本当はチャッカリと金が足りなかったり途中で先に帰ったりもあったのでまたその口かな?と思ったのですが,彼は私の名前でウィスキーのボトルまで入れてくれました。ちょっと懐かしいな。。

PS:飲み屋でこうした昔の思い出をペラペラしゃべってたら,全部ホラでしょう?とか言われたこともありますが,創作能力ないのでホラじゃないです。

 ただ,経験が少なくても何故か頭の病気のせいか何十年前のことでもかなり微細な記憶があって"ど忘れ"でなければ頭の引き出し(memory:海馬?)から割と簡単に出てきます。

 ヒョッとしたら,お話相手の数回の出来事よりも私の1回だけの方が具体的なので大げさに聞こえるのでしょうが,他意はないので相手がイヤならやめますが,まあ,ここは自慢話コミの私の日記ですからネ。

 ただし,記憶違いならホラでしょうけど。。(^^:)

 最近,このブログの科学関連以外では自問自答が多いみたいです。それなりに日常が忙しければ恐らく考えないようなことが次々に頭に浮かんでくるのは,よほどヒマこいてるせいでしょうね。。

 それに,昔みたいに外でもノート持ってやることはないけど,若い人たちの携帯依存症並みに私もPCのネット依存症です。

 せいぜいネット喫茶に寄ることがあるくらいです。アップルのIPADが出るらしいけど手出すと危ないカモ。。。

 (うん?中国のIPed:730元(価格1/5以下です)の方がいいか。上海にいる丁(R)ちゃんならもっと安く手に入るかも。。

 こういうのは偽ブランド品と違って性能もコピーしてるはずです。アップルの正規品だって製造工場は中国だろうし。。)

 世界卓球を見てると高校時代の自分のことを思い出しました。倉敷の高2のときの玉島近郊卓球大会というローカルな大会で21本3セットマッチ,フルセットで19対14で負けていて7本連続取って逆転勝ちしたのを。。

 次の準々決勝では中学時代は友人で高校が別々になった奴(M君)に負けてしまったけれど。。

 やっぱり「暴れん坊将軍」より「花山大吉」や「月影兵庫」の方がいいな。。それも近衛十四郎と品川隆二のシリーズ。。

 切りがないなあ,ダラダラと走馬灯のように。。。生きとし生けるもの,みんなありがとう。。。

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2010年5月25日 (火)

権力のポチ!!

 よくやるよなあ。。某TV○サヒのドキュメント屋。。。自警団か?,権力のイヌ(犬に失礼だ)か?。。。(何だかんだいってもTVは90%このチャンネルだが)

 マスコミ関連で腹が立ったことを書いた過去記事の一部です。↓

 2008年 2/6   某マスコミ達の暴挙!日常茶飯事  

 2008年12/23 今日の一言(その2) 

 2008年12/31 朝っぱらから大麻論争? 

  2009年2/25 犯罪は社会の縮図? 

 2009年 4/14 天下の悪法 「入管法」

 2009年 4/22 和歌山カレー裁判について

 2009年 6/27 TV朝日「朝まで生テレビ」の感想

 2009年 8/23 あるTV政治番組の感想

 日本の政治。。よくわからないけど相当困っている。。評論家野党の頃は良かったが実際に担当してみたらこの難局の時代。空約束は守れないし。。

 こんなことは,はるかに小さな話だけど私も会社の仕事で何度かありました。実は2つ目の会社では,バブルが終わりのせいもあるけれど責任を追及されたのもやめた原因の1つです。

(今さらですが「期限1年だと数人は必要な安くてペイできない仕事を私と外注1人だけでやらせるなよ。」と思いました。引き受けた方にも責任あるけど一応宮仕えだし。。。

 以来,仕事は締切りなど無くて,同じような業務をやれば1日毎に終わるような単純なルーチン作業が好きになりました。給料は安いけど。。。

↑ 雇われることばかり考えて楽をせず,自分でリスク背負ってベンチャーでもやればよかったのにネ。要するに怠け者のクセにブー垂れてるだけ。。)

 批判・非難ばかりじゃなく何とか挙国一致で「立派な理念があっても責任能力の無いおボッチャマ」に協力してやれよ。。。私自身は自分の生活で精一杯だけど。。。

PS:本日もまた遅刻しましたが,手話講習会(私は2回目)に行ってきました。

(大江戸線で都庁前乗り換え中井駅で降りたのは失敗でした。次からは素直に西武池袋線で椎名町駅で降りよう。)

 まだまだ,先ですが,オシャベリな私が聴覚障がい者の方たちとも”オシャベリ”できるようになる日が来るのが楽しみですネ。

PS2:巣鴨一番街のスナック「若大将」の"真理子ママ"は酔っ払って幼児返りすると「カーリー・スー」の"curly susy"にそっくりだな。。。

 ちょっと手話の話をしたら,「世界共通の手話を創ってみろ」とかオレの能力以上の無いものねだりをするなヨ。。

(イヤ,どんな遠大なことでもスポンサーと信頼に足るブレインがいて十分な期限が与えられるのであれば,別に私が一兵卒でもいいからやる気はあるのですが。。。← へっ,死に損ないの責任逃れ野郎に投資しても一文の得にもならないぜ。。)

 自分は自分のために生きてるので他人のために生きてるのじゃないからそんなに頑張らなくていいんだよ。。。

 ところで,本日,別サイトで発見した旧ニフティサーブ以来旧知の博才:あもんさんのホームページ↓をあいさつ抜きで勝手にリンクさせてもらいました。

    

 

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2010年5月24日 (月)

散乱の伝播関数の理論(7)(Bjorken-Drell-2)

 散乱の伝播関数の理論の続きです。 

 

 Bjorken & Drellの"Relativistic Quantum Mechanics"

のテキストの伝播関数理論の内容紹介の続きです。

 

§6.4 The Propegator in Positron Theory

(陽電子理論の伝播関数)

 

非相対論の伝播関数(propagator)による展開を一般化して

相対論的電子論に適用します。

 

出発点はx0で発生してxへと伝播する粒子波に対する確率振幅

としての非相対論的な伝播関数:G(x;x0)の描像で与えられます。

 

この振幅は,G(x;x0)=G0(x;x0)

+∫d410(x;x1)V(x1)G0(x1;x0)

+∫∫d41420(x;x1)V(x1)G0(x1;x2)V(x2)

0(x2;x0)+..

 

なる式で与えられているように,振幅の和であって,そのn番目

の項は下の図6.4のdiagramに対応する因子の積です。

         

 この図6.4に示した散乱過程では,各線分はxi-1で生じxiまで自由に伝播する

部分の振幅G0(xi;xi-1)を表わしています。

 

 粒子波は,相互作用頂点(vertex):xiで単位時空体積当たり

V(xi)の確率振幅で散乱され,それから新しい波が

0(xi+1;xi)なる振幅で次の頂点xi+1まで時間の前方(未来)

に伝播します。

 

そこでこの振幅は相互作用が生じることが可能な全時空

のxiわたって総和されます。

 

i番目の相互作用頂点がxiまで伝播してきた粒子を

消滅させ,そこで粒子を生成してさらにti+1>tiなるxi+1まで

伝播すると表現することもできます。

 

相対論的な Diracの空孔理論でも保持しつづけるべきは,

こうした描像です。

 

Hamiltonian定式化が時間のみを強調しているのに対し,

この描像は,散乱過程において全時空的な視野を強調して

いるため,相対論にも適合します。

 

(※例えば,伝統的なHeisenberg表示では時間座標だけを

特別視していますが,状態ベクトルが時間座標にも空間座標

にも依らないような表示の方がより共変的です。※)

 

ここでの目的は非相対論的伝播関数の理論のアナロジー

よってDiracの空孔理論における散乱過程を計算できる法則

作ることです。

 

しかし対生成(対創生)の存在はそれも説明しなければ

ならないのですが,事態をより複雑にします。

 

この状況を実際に扱うにおいて採用すべき基本法則は,単に

伝播関数に関する計算の指示がFermi粒子の場合,

Dirac方程式の力学での空孔理論で論じた陽電子の理論と無矛盾

であるべきということだけです。

 

(※今のところ,場の量子論以前の歴史的なDirac空孔理論の段階

を想定して論じています。※)

 

取り合えず,厳密さを犠牲にして直観的議論に傾倒します。

 

陽電子の理論において記述すべき典型的な過程の描像を

見てみます。

 

    図6.5:陽電子理論での時空diagramの例

図6.5のFenman diagram:(a)は頂点(vertex)1で作用

するポテンシャルによる電子-陽電子対の生成(創生)

(pair production)を示していて,その後それぞれ

1,x2に伝播します。

 

6.5(b)は1つの電子e-がx1で発生してx2で終わるまで

の経路を示しています。

 

この道筋に沿っては頂点1で作用するポテンシャルに

よって1つの電子-陽電子対が発生します。

 

この対のうちの陽電子は点3で場の初期電子と対消滅

(pair-annihilate)します。

 

もう一方の片割れの電子は点2まで伝播して.そこで

ポテンシャルによって破壊されると同時に電子が生成されて

2でまで伝播します。

 

6.5(c)は頂点1で電子-陽電子対が生成されて点3まで

伝播し,そこで破壊消滅されることを示しています。

 

こうしたdiagramから次のようなことを見ます。

 

例えば,非相対論における頂点1で生成されて1から点2

伝播し点2で破壊される電子に対する振幅だけでなく,

生成され伝播し破壊消滅される陽電子の振幅も必要です。

 

もしも,この振幅がわかれば図6.5(a),(b),(c)に図示

されているタイプの各過程と,確率振幅を結び付ける計算

が可能となります。

 

そして任意の個々の過程に対してこれに寄与できる介在する

経路の全てにわたって和を取るか,積分することにより全振幅

を形成する試みが可能となります。

 

このように,電子の散乱事象に対しては図6.4と6.5(b)に

示される両方のタイプの経路が生じます。

 

(※取り合えずは)Diracの空孔理論に従って陽電子の振幅を

決める必要があります。

 

1つの陽電子の存在は,電子で満たされた海からの1つの

負エネルギー電子の欠損を意味するので,図6.5における

頂点3での陽電子の消滅はそこでの負エネルギー電子の生成

と同等であると見ることができます。

 

このことは頂点1で陽電子を生成し頂点3で消滅する振幅

頂点3で負エネルギー電子を生成し頂点1で消滅する

振幅と関連付けられることを示唆します。

 

そこで,図6.5のdiagramは正エネルギーを持って未来に伝播

する電子と負エネルギーを持って"過去に"伝播する電子と

解釈されるでしょう。

 

Diagram:6.5(a)は点1での対生成を記述しています。

 

これは負エネルギー電子がx2で生じて点1まで過去に伝播し,

そこで破壊され,代わりに創生された正エネルギー電子がx1

まで未来に伝播する描像と解釈できます。

 

散乱過程では点3まで伝播する電子は,図6.4のように

ポテンシャルによって時空の未来方向に散乱されて正エネルギ

を持って伝播するか?,図6.5(b)のように負エネルギーを持って

点1の方へと過去に"散乱されるか?という随意性を持っています。

 

時間について前方(未来),または後方(過去)にジグザグに進む

電子の経路に加え,図6.5(c)に示されているように閉じた

ループを描く可能性もあります。

 

これは空孔理論では,点1でのポテンシャルの作用が Diracの

負エネルギー電子の海の中の1つの電子を1つの正エネルギー

状態へと散乱すると解釈します。

 

そして,点3ではそれは逆に海の中へと散乱し返されます。

 

伝播関数の言葉では,点1で生成された電子が未来の点3

過去に散乱されて点1で消滅するということになります。

 

こうした過程,あるいは解釈を常識的に見て不合理だとして

無視することはできません。

 

実際,定式化はこれを要求しているし,後述するように実験

結果もその存在を支持しています。

 

さて,我々のプログラムの第一段階として,電子と陽電

子の伝播を記述するGreen関数を作ります。

 

相対論的量子力学の Dirac理論と,すぐ前に論じた非相対論

の伝播関数(prpopagator)の議論に習ってこのプログラムを

実行します。

 

 電子(Fermi粒子)の相対論的伝播関数SF'(x;x0)は,

非相対論での伝播関数G(x;x0)の定義式:

{i(∂/∂t)-(x)}G(x;x0)=δ4(x-x0)

のアナロジーで,

 

 Σλ=14μ{i∂/∂xμ-eAμ(x)}-m]αλ

F'λβ(x;x0)=δαβδ4(x-x0) を満足すると

定義されます。

 

 ここで,陽に書いたように,電子の伝播関数はγμの次数

に対応して, 4×4行列です。

 

 上式は,行列記法では,添字を省いて,

 [iγμ(∂/∂xμ)-eγμμ(x)-m]SF'(x;x0)

=δ4(x-x0) と簡単になります。

 

 非相対論の式:{i(∂/∂t)-(x)}G(x;x0)=δ4(x-x0)との

もう1つ大きな違いは,因子[iγμ(∂/∂xμ)-eγμμ(x)-m]

が相対論的に共変な演算子となるように,{i(∂/∂t)-(x)}にγ0

を掛けた演算子に相当していることです。

 

 自由電子の伝播関数を非相対論粒子のG0(x;x0)の代わりに,

 SF(x;x0)と書けば,これは行列記法で,

 [iγμ(∂/∂xμ)-m]SF(x;x0)=δ4(x-x0)

 を満足します。

 

自由伝播関数:SF(x;x0)はこれを運動量空間にFourier変換すれば

得られます。

 

非相対論のG0(x;x0)のケースと同様,SF(x;x0)は(x-x0)

だけの関数ですから,

 

F(x;x0)=SF(x-x0)

(2π)-4∫d4pexp{-ip(x-x0)}SF(p) とおきます。

 

※(注):μ=(E,)の正エネルギー電子なら,

exp{-ip(x-x0)}=exp{-ipμ(x-x0)μ}

=exp{-iE(t-t0)+i(0)} です。

 

 pμ=(-E,-)の負エネルギー電子なら

exp{-ip(x-x0)}=exp{-ipμ(x-x0)μ}

=exp{iE(t-t0)-i(0)}です。(注終わり)※

 

このFourier運動量表示を,

[iγμ(∂/∂xμ)-m]SF(x;x0)=δ4(x-x0)の左辺に

代入すると,(γμμ-m)SF(p)=を得ます。

 

右辺のは4×4単位行列です。

これは,Σλ=14μμ-m]αλFλβ(p)=δαβを意味して

います。

 

そこで,p2≠m2ならSF(p)=1/(γμμ-m)

≡(γμμ-m)-1=(γμμ+m)/(p2-m2)です。

 

(※(注):何故なら,(γμμ-m)(γνν+m)

=γμγνμν+m(γμμ-γνν)-m2

=1/2(γμγν+γνγμ)-m2

=gμνμν-m2=p2-m2だからです。※)

 

2=m2の分母の特異性,つまりp0軸上の特異点:

0=±(2+m2)1/2=±Eをどのように処理するか?という

ことが伝播関数を一意的に定義するための条件になります。

 

非相対論での特異点に対する扱いを思い出すと,この問題に

対する答は,

F(x-x0)=(2π)-4∫d4p[exp{-ip(x-x0)}SF(p)];

F(p)=1/(γμμ-m)(p2≠m2)の右辺を積分する際に,

F(x-x0)に課せられる境界条件から得られるはずです。

 

Green関数:SF(x-x0)に与えられる解釈は,"SF(x-x0)

は,点x0にある単位波源がxに生成する波を表わす。" 

ということです。

 

そうした局所化された点源のFourier成分は電子のCompton波長の逆数:m=1/λcよりも大きい多くの運動量pを含んでいます。

 

(注):電子のCompton波長はλc=hc/(mc)で,1/λc=mc/hc,

またはp=hcc=mcですが,Bjorkenテキストで一貫して

採用しているhc=c=1の自然単位では,p=1/λc=mです。

(注終わり)※

 

 そこで,p≧mなるpの存在から,電子と同様,陽電子もこの

波源x0で生成されると予期されます。

 

 運動量がpμ(E,)(E>0)の正エネルギー陽電子に対応

する運動量-pμ=(-E,-)の負エネルギー電子は運動量

がp=||~mのオーダーに到達すれば

(※ Dirac seaからジャンプして空孔(陽電子)を作ることが可能

になるので),振幅が評価できるオーダーになります。

 

 しかし,理論の必要な物理的要請は,x0から未来に向かって伝播

する波は正エネルギー電子と正エネルギー陽電子のFourier成分

のみから成ることです。

 

正エネルギー電子と正エネルギー陽電子は時間的に正の振動数

の因子exp(-iEt)を持つ波動関数で表現されるので,

F(x-x0)は未来:x0>x00(t>t0)において正振動数成分

のみ含むことができます。

 

(注):例えば,pμ=(E,)(E>0),

ψ(+)(x)=u(p,s)exp(-ipx)と.

ψc(+)(x)=C{v^(p,s)}Texp(-ipx)がそれぞれ電子と

陽電子の(規格化されていない)波動関数です。

 

上添字(+)は波動関数(spinor)の正エネルギー(正振動数)

部分,下添字cは荷電共役された波動関数を表わしています。 

 

また,Cは荷電共役(charge conjugation:粒子⇔反粒子)

演算子(このテキストのγ行列の選択ではC=iγ2γ0です。)

 

u(p,s)は正エネルギー電子の4元スピノル,v(p,s)は

負エネルギー電子の4元スピノルです。
 

そして,v^(p,s)≡v+(p,s)γ0で{v^(p,s)}T

行ベクトルv^(p,s)を転置して列の4元スピノルに戻した

ものです。 (注終わり)※

 

さて,SF(x-x0)に課せられる境界条件が満たされるように

するため,Fourier4元運動量の積分∫d4p=∫dp03

うち,複素p0 -平面の閉じた外周(contour)に沿う∫dp0

積分を実行します。

 

まず,t>t0に対する∫dp0の複素平面上の周回経路C

実軸の積分路∫-∞dp0の他には下半平面遠方で閉じている

とします。 

 

ただし,Cは内部に正振動数の極p0=ωp=+(2+m2)1/2

のみを含み,もう1つの極p0=-ωp=-(p2+m2)1/2

避けて,積分路(-∞,∞)部分を極の近傍では僅かに曲げた

経路;(-∞,∞)に変えておきます。

 

 t>0における伝播関数を,外周Cを用いて,

改めて,F(x-x0)

≡∫d3(2π)-3[exp{i(0)}×C+dp0(2π)-1

exp{-ip0(t-t0)}{(γμμ+m)}/(p2-m2)]と定義します。

 

すると,Cauchyの留数定理から,SF(x-x0)

=-i∫d3(2π)-3[exp{i(0)-iE(t-t0)}

{γE-γp+m)/(2E)}(t>t0);E=ωp 

が得られます。

 

(-∞,∞)+C1と書いて,C1が半径がRの

下半円周を時計まわりに回る経路とすれば,

3(2π)-3[exp{i(0)}

C1dp0(2π)-1exp{-ip0(t-t0)}{(γμμ+m)}

/(p2-m2)]はR→∞の極限でゼロに収束します。


(証明は簡単なので略)

 

したがって,t>t0なら.SF(x-x0)

=-i∫d3(2π)-3[exp{i(0)-iE(t-t0)}

{(γ0E-γp+m)/(2E)})} (E=ωp)  

=∫d3(2π)-3[exp{i(0)}+-∞dp0(2π)-1

 exp{-ip0(t-t0)}{(γμμ+m)}/(p2-m2)]

です。

 

同様に,t<0では∫dp0の積分路を

≡(-∞,∞)+C2として積分を実行します。

 

2は半径がR=∞の上半円周を反時計まわりに回る

経路です。

 

そこで,t<t0なら,SF(x-x0)

=-i∫d3(2π)-3[exp{i(0)+iE(t-t0)}

{(-γ0E-γp+m)/(2E)} (E=ωp) 

=∫d3(2π)-3[exp{i(0)}∫--∞dp0(2π)-1

 exp{-ip0(t-t0)}{(γμμ+m)}/(p2-m2)]

と書けます。

(注3):t>0,t<t0のいずれでも,これらのF(x-x0)

は確かに(iγμμ-m)SF(x-x0)=0 を満足するので,

(iγμμ-m)SF(x-x0)=δ4(x-x0)と矛盾しません。

 

また,t=t0 なら,(t-t0)に関する不連続性が存在すると

考えられるので,

 

(iγμμ-m)SF(x-x0)

=δ3(0)

limt→t0-∞dp0(2π)-1exp{-ip0(t-t0)}

です。

 

したがって,これらのSF(x-x0)の表現は確かに,

(iγμμ-m)SF(x-x0)=δ4(x-x0)=δ4(x-x0)

を満たす解となっています。(注3終わり)※

 

さて,負エネルギー(負振動数)の波は非相対論では無かった

のですが,ここでは不可避です。

 

本節の前の方の論議から,過去に伝播する負エネルギー電子

の波は未来に伝播する正エネルギー陽電子の波と解釈できる

ので上記の外周積分による伝播関数の定義は好都合です。

 

他方,遠方で消えるような外周積分路の他の選択では,

負エネルギー波を未来に伝播させるか,または正エネルギー波

を過去に伝播させる境界条件に対応します。

 

要約します。

 

正エネルギー波を未来に,負エネルギー波を過去に伝播させる

経路選択:C=(-∞,∞)+C1 (t>0),

-=(-∞,∞)+C2 (t<t0)において,

 

1,C2,の積分を無視することから,電子(陽電子)伝播関数

の次のようなFourier運動量積分表現を得ました。

 

F(x-x0)

=∫d3(2π)-3[exp{i(0)}

±-∞dp0(2π)-1exp{-ip0(t-t0)}{(γμμ+m)

/(p2-m2)} です。

 

こうした,外周C±の選択は,結局, 

F(p)=1/(γμμ-m)=(γμμ+m)/(p2-m2)の

分母に微小な正の虚部を付け加えて,

F(p)=(γμμ+m)/(p2-m2+iε)とする,

あるいはm2をm2-iεとして積分後にε→+0 の極限を取る

と解釈できます。

こうすれば,結局,

F(x-x0)=∫d4p(2π)-4exp{-ip(x-x0)}

{(γμμ+m)/(p2-m2+iε)}

=∫d4p(2π)-4exp{-ip(x-x0)}/(γμμ-m+iε)

となります。

 

※(注4):2をm2-iεとして積分後にε→+0 の極限を取る

のは,p0< 0 では極をp0=-(2+m2)1/2+iδに,p0> 0

では極をp0=(2+m2)1/2-iδに平行移動して,積分路

(-∞,∞)±を実軸(-∞,∞)に戻してδ→+0 の極限を取る

ことに相当します。

 

すなわち,{p0+(2+m2)1/2-iδ}{p0-(2+m2)1/2+iδ}

=(p0)22-m2)+2iδ(2+m2)1/2=p2-m2+iε;

ε≡2δ(2+m2)1/2です。  (注4終わり)※

 

ここで,まだまだ,途中なのですが私的な補足事項を書いて

今日の記事を終わりにします。

 

(補足1)西島和彦 著「相対論的量子力学」(培風館)より

(Feyman-Stuekerberg理論)

 

空孔理論では4元運動量がpiの陽電子が4元運動量pf

状態に散乱された場合,これは負エネルギー状態の-piの孔

が埋まって新たに-pfの孔ができたことになります。

 

この事象の方向,または順序を考えると,陽電子のpi→pf

なる散乱が,元々孔を埋めていた負エネルギー電子の

(-pf)→(-pi)なる散乱を意味すると思われます。

 

したがって,既に述べたように陽電子が未来に進むと

負エネルギー電子が過去に進むという見方ができます。

 

このFeynmanによる見方を正当に定式化するために,

「Stuekerberg(シュティッケルベルク)の因果律」という

仮説を導入します。

 

Stuekerbergの因果律は元々は場の量子論の言葉で書かれています。

 

すなわち,ある粒子がp1なる運動量で入射し,外場によって散乱

されてp2なる運動量で出ていったとします。

 

これは,場の理論の言葉では,"相互作用の結果,運動量p1

粒子が消滅して運動量p2の粒子が生成された。"といいます。

 

そして,Stuekerbergの因果律は,"ある粒子の消滅は必ずその粒子

の生成の後で起こる。"というものです。

そして,粒子(実在)というものを次のように定義します。

 

正エネルギーの電子と正エネルギー陽電子は実在の粒子で

あるが,負エネルギーの海を埋め尽くしている電子は観測

にかからないので,これらは粒子(実在)ではない。

(補足1終わり)※

 

(補足2):時間発展のGreen関数=伝播関数(propagator):

 G(x;x0)=G(,t;0,t0)は,時刻t00にあった

波が時刻tににある遷移振幅を表わすものです。

 

すなわち,便宜上係数iを加えた伝播関数は

iG(x;x0)=<x|x0>=<,t|0,t0>なる振幅

を意味します。

 

|Ψ>を任意の状態とすると,|0,t0>が完全系で

∫d30|0,t0><0,t0|=1を満たすなら,1を間に挟んで,

 

,t|Ψ>=∫d30,t|0,t0><0,t0|Ψ>,

または,<x|Ψ>=∫d30<x|x0><x0|Ψ> 

と表現できます。

 

これは,<x|Ψ>=<,t|Ψ>を時間tに依存する

波動関数:ψ(x)=ψ(,t)と考えて,式:

iG(x;x0)=iG(,t;0,t0)=<,t|0,t0

用いると,

 

ψ(,t) =i∫d30G(,t;0,t0)ψ(0,t0),

またはψ(x) =i∫d30G(x;x0)ψ(x0)

と書けます。

 

場の量子論では,真空を|0>とし粒子場をψ^(x)=ψ^(,t)

とすると,|x>=ψ^(x)|0>ですから,

iG(x;x0)=<x|x0>=<0|ψ^(x)ψ^(x0)|0>

です。

 

そこで,例えば|Φ>が粒子場ψ^に対応する1粒子状態なら

波動関数は,φ(x)≡<x|Φ>=<0|ψ^(x)|Φ>

となります。

 

特に,運動量がpの1粒子状態を|p>と書くとスカラー場

なら波動関数は,φ(x)≡<x|p>

=<0|ψ^(x)|p>=cexp(-ipx) です。

 

1粒子状態というのは全宇宙にただ1つ単独粒子があること

を意味しますから,相互作用する相手が全く無いので何も前提

を述べなくても自由粒子に決まっています。(Newtonの第一法則)

 

1粒子状態は,高々自由粒子の重ね合わせの純粋状態に

過ぎませんが,場の理論というのは裸の粒子が自分自身

との相互作用で衣を着ることもあるので単細胞の私には

ついていけないところもありますネ。

 

(例えばcexp(-ipx)の規格化定数cが∞になったりします。)

 

(※まあ,実際に我々が状態を考える対象は宇宙全体ではなく,

実験室の中とそれ以外を分離して実験室の中だけの部分系を想定

して,そこでの真空とか1粒子状態とかを考察するのですが,

理想的には宇宙全体を1状態と考えるべきでしょう。)

 

ところで,通常の非相対論では波はt<t0の過去には伝播

できないのでt<t0なら<x|x0>=0 です。(ただし

"光=電磁波"には過去に伝播する先進波が有りますが,

元々光は相対論的存在です。)

 

そこで,非相対論的電子では,

iG(x;x0)=θ(t-t0)<0|ψ^(x)ψ^(x0)|0>ですが,

相対論的電子では粒子場ψ^(x)は電子を消滅させ陽電子

を生成します。

 

一方,ψ^(x)は電子を生成し陽電子を消滅させます。

 

つまり,電子(陽電子)の場はb^,b^を電子の生成消滅演算子,

d^,d^を陽電子の生成消滅演算子として.

ψ^(x)=Σs=±∫d3(2π)-3/2(m/Ep)1/2

[b^(p,s)u(p,s)exp(-ipx)+d^+(p,s)v(p,s)

exp(ipx)]のように表現されます。

 

故に,ψ^(x)

=Σs=±∫d3(2π)-3/2(m/Ep)1/2[b^(p,s)u^(p,s)

exp(ipx)+d^(p,s)v^(p,s)exp(-ipx)]

です。

 

場の量子論の定式化では,b^|0>=d^|0>=0 ですから,

真空:|0>を負エネルギー電子の海であると考える必要はなく,

Dirac空孔理論のような仮説は不要となります。

 

しかも,場の量子論の定式化ではPauliの排他原理が成立しない

ため空孔理論の適用外であった Bose粒子の場も粒子,反粒子が

共存する理論の構成が可能です。

 

電子に戻ると,ψ^(x)|0>は電子だけを生成し,ψ^(x)|0>

は陽電子だけを生成しますから,<0|ψ^(x)ψ^(x0)|0>は

電子のみの振幅であり,他方<0|ψ^(x0)ψ^(x)|0>

は陽電子のみの振幅です。

 

(※元々,量子論の演算子積の順序には蓋然性があります。

 

例えば,xp,px,(xp+px)/2は古典論では同じ量ですが

量子論ではこれらはそれぞれ異なる量です。)

 

そこで,電子の場合は伝播関数:G(x;x0)をSF'(x;x0)と書けば,

iSF'(x;x0)=θ(t-t0)<0|ψ^(x)ψ^(x0)|0>

-θ(t0-t)<0|ψ^(x0)ψ^(x)|0> と書けます。

 

時間順序積(T積:T-product)を,T(ψ^(x)ψ^(x0))

≡θ(t-t0)ψ^(x)ψ^(x0)-θ(t0-t)ψ^(x0)ψ^(x)

で定義すれば,iSF'(x;x0)=<0|T(ψ^(x)ψ^(x0))|0>

とも書けます。

 

第2項に符号(-)があるのは,電子がFermi統計に従うためで

Bose粒子のT積なら第2項の符号(-)は不要です。

 

(PS:ψ^(x)はスピノルですから本当は,

<0|T(ψα^(x)ψβ^(x0))|0>etc.と書くべきでした。)

 

参考文献:J.D.Bjorken & S.D.Drell

"Relativistic Quantum Mechanics",

"Relativistic Quantum Fields"(McGraw-Hill),

西島和彦 著「相対論的量子力学」(培風館)

 

PS:せっかくの神様がくれた?休息期間なのに無駄に過ごしている

バカ野郎だな。オレは。。

  

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2010年5月22日 (土)

散乱の伝播関数の理論(6)(Bjorken-Drell-l)

 散乱の伝播関数の理論の続きです。

 

 Bjorken & Drellのテキスト"Relativistic Quantum Mechanics"の

 第6章の続きです。

 

 以下,本文です。

 

§6.3 Formal definition and Properties of Green's functions

 (Green関数の正式な定義と性質)

 

 散乱問題を解くための物理的構成分子を発掘してきましたが,ここでこうした解の回答を作り上げる正式な数学的仕組みを与えます。

 

 本節で目指す目的はGが定める微分方程式を探求し,特に自由粒子の

GであるG0を陽に解くことです。

 

 そうすれば,これまで概略的に述べてきたGの展開が確実に遂行できるわけです。

 

 まず,t>t0に対してのみ有効な表現:

 Ψ(,t)=i∫d30G(,t;0,t0)Ψ(0,t0)から出発して,

 これをt≦t0も含む任意の時刻tに対して正しい形に拡張します。

 

 これは,単にθ(t-t0)Ψ(x)=i∫d30G(x;x0)Ψ(x0)と書き

直すだけのことです。

 

 ただしθ(τ)は,θ(τ)≡1 (τ>0),θ(τ)≡0 (τ<0)で定義される Heavisideの単位階段関数です。

 

 この Heaviside関数θ(τ)は複素平面上の積分から,

 θ(τ)=limε→+0{-1/(2πi)}∫-∞dω[exp(-iωτ)/(ω+iε)]

 と表わせます。

 

 (※↑の証明は外周積分の留数を取れば簡単なので省略します。)

 

 そして,θ(τ)にはτ=0 に不連続な単位飛躍があるため,

 dθ(τ)/dτ=δ(τ)={1/(2π)}∫-∞dωexp(-iωτ)

 となります。

 

θ(t-t0)Ψ(x)=i∫d30G(x;x0)Ψ(x0)なる形から正式な

伝播関数(propagator):G(x;x0)を見出すことを試みます。

 

そのために,まず,積分方程式の両辺に左から{i(∂/∂t)-(x)}を

作用させます。

  

{i(∂/∂t)-(x)}θ(t-t0)Ψ(x)

=i∫d30{i(∂/∂t)-(x)}G(x;x0)Ψ(x0) です。

 

i(∂/∂t)θ(t-t0)=iδ(t-t0),かつ

{i(∂/∂t)-(x)}ψ(x)=0 なので,

 

これは,iδ(t-t0)Ψ(x)

=i∫d30{i(∂/∂t)-(x)}G(x;x0)Ψ(x0)

と書き直せます。

 

この式が,任意のΨ(x)に対して成立するため,

{i(∂/∂t)-(x)}G(x:x0)=δ3(0)δ(t-t0)

=δ4(x-x0) を得ます。

 

これが,Schrodinger理論においてGreen関数(Green's function)

G(x;x0)の満たすべき微分方程式です。

 

これに,"時間の前方(forword)=未来"にのみ伝播するという

境界条件:"t<t0ならG(x;x0)=0 "を付加すれば,

 

上記方程式の解は一意的なので,

θ(t-t0)Ψ(x)=i∫d30G(x;x0)Ψ(x0)

に適合する遅延Green関数(retarded Green's function)の定義

を与えたこよになります。

 

得られた方程式から,特に0≡-∇2/(2m)のときのGの解である

自由粒子伝播関数G0(x;x0)を陽に解いてみます。

 

伝播関数の満たす方程式:{i(∂/∂t)-(x)}G(x;x0)

=δ4(x-x0)で,y=x-x0とおけば,

{i(∂/∂t)-(x0+y)}G(x0+y;x0)=δ4(y)です。

 

自由粒子では,(x0+y)=0(x0+y)=-∇y2/(2m)であって,

これはx0に無関係ですから,G0(x;x0)=G0(x0+y;x0)は,

y=x0―x0だけの関数です。

 

そこで,G0(x;x0)のFourier積分表示を

0(x;x0)=G0(x-x0)

=(2π)-4∫dωd3[exp{i(0)-iω(t-t0)}G^0(,ω)]

と表現することができます。

 

すると,G0の満たす方程式:

{{i(∂/∂t)+∇2/(2m)}G0(x-x0)=δ4(x-x0)は,

(2π)-4∫dωd3[exp{i(0)-iω(t-t0)}

{ω-2/(2m)}G^0(,ω)]

=(2π)-4∫dωd3[exp{i(0)-iω(t-t0)}

となります。

 

故に,{ω-2/(2m)}G^0(,ω)]=1となることが必要です。

 

そこで,ω≠2/(2m)なら,G^0(,ω)=1/{ω-2/(2m)}です。

 

G^0(,ω)の完全な表現を得るには,分母がゼロとなる特異点を扱う

べき法則が必要ですが,これは"t<t0ならG0(x-x0)=0 "という

遅延境界条件から決定できるはずです。

 

Fourier積分に形式的にG^0(,ω)=1/{ω-2/(2m)}を代入す

ると,

0(x-x0)

=∫-∞dω/(2π)[exp{-iω(t-t0)}/{ω-2/(2m)}

(2π)-3∫d3exp{i(0)}

です。

 

さらに,0(x-x0)

={-1/(2πi)}∫-∞d{ω-2/(2m)}

[exp[-i{ω-2/(2m)}(t-t0)]/{ω-2/(2m)}(-i)

∫d3(2π)-3exp{i(0)-2(t-t0)/(2m)}

となります。

 

同じく分母に特異点を持つ積分公式:

θ(τ)={-1/(2πi)}∫-∞dω[exp(-iωτ)/(ω+iε)]

を利用すれば,分母の特異性がうまく処理できて,

 

0(x-x0)=-iθ(t-t0)∫d3(2π)-3

exp{i(0)-i2(t-t0)/(2m)}となり,

遅延境界条件が満たされます。

 

これを運動量がの規格化された自由粒子波動関数:

φp(x)=φp(,t)=(2π)-3/2exp{ipr-i2t/(2m)}

を用いて表わせば,

0(x-x0)=-iθ(t-t0)∫d3φp(,t)φp*(0,t0)

という馴染み深い表現が得られます。

 

(注):自由粒子の伝播関数の陽な形は,既に前のSchiffの項で,

 G0(,t;0,t0)

 =(-i)∫d3p*(0)up()exp{-ip2(t-t0)/(2μhc)}

 =(-i)(2πhc)-3∫exp{i(0)/hc}

 exp{-ip2(t-t0)/(2μhc)}d3

 であることを見ました。

 

これは,c=1(自然単位),μ=m,

φp(,t)=up()exp{-i2t/(2m)}と置換すれば,

たった今得た表現と因子θ(t-t0)を除いて完全に一致します。

 

(注終わり)※

 

最後の,G0(x-x0)=-iθ(t-t0)

∫d3φp(,t)φp*(0,t0)なる式の因子:

∫d3φp(,t)φp*(0,t0)は,

  

"Green関数の一般表現=波動方程式の固有関数の完全系にわたる和",

の固有関数が平面波である場合の特殊例になっています。

 

 離散スペクトルにわたる総和:Σと連続スペクトルにわたる積分:∫

 を統合した一般化された総和を象徴的に離散和Σnで表現して,上記

 "Greenグリーン関数の一般表現”が求める伝播関数であることを

 示します。

 

 つまり,Ψn(,t)=EnΨn(,t)を満たす規格化された固有関数

 の系{Ψn(,t)}が完備性(完全性)条件;

 ΣnΨn(,t)Ψn*(0,t)=δ3(0)を満たすなら,

 G(x;x0)≡-iθ(t-t0nΨn(x)Ψn*(x0)なる形が,

 求める境界条件を満たす伝播関数です。

 

何故なら,G(x;x0)≡-iθ(t-t0mΨm(x)Ψm*(x0)の両辺に

右からΨn(x0)を掛けてi∫d30G(x;x0n(x0)を作ると,

i∫d30G(x;x0n(x0)=θ(t-t0mΨm(x)

∫d30Ψm*(x0n(x0)=i∫d30G(x;x0n(x0)

となるからです。

 

逆に,左からΨn*(x0)を掛けると,

i∫d30Ψn*(x0)(x;x0)=θ(t-t0n*(x)です。 

 

そして完全性ΣnΨn(,t)Ψn*(0,t)=δ3(0)から,

n≡∫Ψn*(0,t)Ψ(0,t)d30とおけば,

  

任意の解Ψが,Ψ(x)=ΣnnΨn(,t)

=∫d30n∫d30Ψn*(0,t)Ψn(,t)]Ψ(0,t)

と展開されることがわかります。

 

そこで,一般表現のGは確かに,

θ(t-t0)Ψ(x)=i∫d30G(x;x0)Ψ(x0)

を満たします。

 

そして,式:G(x;x0)≡-iθ(t-t0nΨn(x)Ψn*(x0)で,

Σn→∫d3n→φpなる置換を行えば,自由粒子の伝播関数:

0(x-x0)=-iθ(t-t0)∫d3φp(,t)φp*(0,t0)

が得られます。

 

さらに,G(x:x0)=-iθ(t-t0nΨn(x)Ψn*(x0)の複素共役

を取れば,G*(x;x0)=iθ (t-t0nΨ*n(x)Ψn(x0)です。

 

そして,xとx0を交換すると,

*(x0;x)=iθ(t0-t)ΣnΨn(x)Ψn*(x0)です。

 

この*(x0;x)-(x;x0)と書きます。

 

そうすれば,-i∫d30-(x;x0n(x0)

=θ(t0-t)ΣmΨm(x)∫d30Ψm*(x0n(x0)

が成立します。

 

すなわち,θ(t0-t)Ψn(x)=-i∫d30-(x;x0n(x0)

です。

 

-(x;x0)≡G*(x0;x)は先進Green関数(advanced Green's

function)と呼ばれます。

 

これは,t>t0ならG-(x;x0)=0 という境界条件を満たし,

"時間の後方(backword)=過去"へ伝播するGreen関数を示して

います。

 

さて,Sfiの定義:fi≡lim t→∞∫φf*(x)Ψi(+)(x)d3と,

θ(t-t0)Ψ(x)=i∫d30G(x;x0)Ψ(x0)から,S行列要素:

fiの正確な伝播関数G(x;x0)を用いた簡略表現が得られます。

 

すなわち,fiilim t→∞lim t0→-∞

∫d330φf*(x)(x;x0i(x0)です。

 

しかし,この形では一般的な伝播関数(x;x0)を直接解いて求める

ことができないため,有用な式ではありません。

 

(x;x0)=-iθ(t-t0nΨn(x)Ψn*(x0)から明白なように,

G(x;x0)には莫大な量の情報が含まれています。

 

Schrödinger方程式の全ての解は,

ΣnΨn(,t)Ψn*(0,t)=δ3(0)なる完備性関係(完全性)

においては,要求されるような束縛状態も含め等しい重みで現われ

ます。

 

それ故,Gの計算が困難であるのは何の不思議でもありません。

 

前にG(x;x0)=G0(x;x0)

+∫d410(x;x1)V(x1)G0(x1;x0)

+∫∫d41420(x;x1)V(x1)G0(x1;x2)V(x2)

0(x2;x0)+..なる展開を導いた直観的な考察と同様,

 

自由グリ-ン関数から始まる反復手法を作れるようにG(x;x0)

の探索を進めます。

 

基本方程式{i(∂/∂t)-(x)}G(x;x0)=δ4(x-x0)は,

0+Vと分解すれば,{i(∂/∂t)-0(x)}G(x;x0)

=δ4(x-x0)+V(x)G(x;x0)

=∫d41δ4(x-x1)[δ4(x1-x0)+V(x1)G(x1;x0)]

と書けます。

 

こうして,反復項が Diracのデルタ関数の級数の重ね合わせで表現

できました。

 

望ましい境界条件を持ったこの式の積分は,丁度,対応する自由

伝播関数の重ね合わせです。

 

δ4(x-x0)={i(∂/∂t)-0(x)}G0(x;x0)なので,

{i(∂/∂t)-0(x)}G(x;x0)

={i(∂/∂t)-0(x)}

∫d410(x;x1)[δ4(x1-x0)+V(x1)G(x1;x0)]

 です。

 

それ故,G(x;x0)=∫d410(x;x1)[δ4(x1-x0)

+V(x1)G(x1;x0)]=G0(x;x1)

+∫d410(x;x1)V(x1)G(x1;x0)

が得られます。

 

これを,Sfiilim t→∞lim t0→-∞∫d330

φf*(x)(x;x0i(x0)に代入すると,

 

fiilim t→∞lim t0→-∞∫d330φf*(x)

[G0(x;x1)+∫d410(x;x1)V(x1)G(x1;x0)]φi(x0)

となります。 

 

さらに,fi=∫d3φf*(x)φi(x)

lim t0→-∞∫d3041φf*(x1)V(x1)G(x1;x0)]φi(x0)

=δfii∫d41φf*(x1)V(x1)

-i∫d4142φf*(x1)V(x1)G0(x1;x2)V(x2)φi(x2)-..

と級数展開されます。

 

この多重級数はfilim t→∞∫φf*(,t)Ψi(+)(,t)d3

=δ3(fi)

+lim t→∞∫d30∫d4xφf*(,t)G0(,t;0,t0)

V(0,t0i(+)(0,t0)

から得られる級数と各項ごとに一致します。

  

そして,前と同様,正確なSchrödinger方程式の解に総和されます。

 

これを示すため,上述の,

fi=∫d3φf*(x)φi(x)+lim t0→-∞∫d3041

φf*(x1)V(x1)G(x1;x0)]φi(x0)なる表式で,

 

lim t0→-∞∫d30G(x1;x0)]φi(x0)

lim t0→-∞∫d30G(x1;x0)]Ψi(x0)=-iΨi(x1)

を代入します。

 

すると,Sfi=δfi-i∫d41φf*(x1)V(x1i(+)(x1)

と書けます。

 

ここでΨi(+)(x1)の上添字(+)は,t→-∞ の極限で自由波

φi(x)に帰着する解であることを示す記号です。

 

これは,前にも,

Ψi(+)(x)=φi(x)+∫d400(x;x0)V(x0i(+)(x0)

なる形で与えられていたものです。

 

さて,ここまでを要約します。

 

式の組:

fi=ilim t→∞lim t0→-∞∫d330φf*(x)(x;x0i(x0);

(x;x0)=G0(x;x0)+∫d410(x;x1)V(x1)G(x1;0)

と,式の組:

fi=δfi-i∫d41φf*(x1)V(x1i(+)(x1);Ψi(+)(x)

=φi(x)+∫d400(x;x0)V(x0i(+)(x0)とは,

S行列に対する等価な表現です。

 

これから,先述のSfi=∫d3φf*(x)φi(x)

lim t0→-∞∫d41φf*(x1)V(x1)G(x1;0)]φi(x0)

=δfii∫d41φf*(x1)V(x1)

-i∫d4142φf*(x1)V(x1)G0(x1;x2)V(x2)φi(x2)-..

のような多重散乱級数の式が導かれます。

 

 通常の実用上では,この級数の最初,または最初の2つゼロでない

 寄与のみを計算することが多いです。

 

 この摂動計算の妥当性は相互作用Vが弱いことと,この相互作用のベキの形の級数が急速に収束するという予見に依拠しています。 

 

 確率保存則から結論されるS行列の一般的性質はユニタリ性

 (unitarity)です。

 

 一般に,Hamiltonian:のHermite性(Hermiticity)が確率の保存を保証します。

 

 これはがHermiteなら波動方程式の2つの解の内積は時間に依らないことを思い出せば明らかです。

 

※(注):i∂Ψ1/∂t=Ψ1,i∂Ψ2/∂t=Ψ2の場合,

-i∂Ψ1*/∂t=Ψ1*より,∂(Ψ1*Ψ2)/∂t=(∂Ψ1*/∂t)Ψ2

+Ψ1*(∂Ψ2/∂t)=i[(Ψ1*2-Ψ1*(Ψ2)]です。

 

 故に,d<Ψ12>/dt=i[<Ψ12>-<Ψ1|Ψ2]

 となりますが,のエルミート性により,

 <Ψ12>=<Ψ1|Ψ2>なので,右辺はゼロです。

 

 故に,d<Ψ1Ψ2/dt=0 で内積は時間的に一定です。

 特に確率の総和は常に<Ψ|Ψ>=1であり一定です。

 

 (注終わり)※

 

 したがって,<Ψi(+)j(+)>=∫d3Ψi(+)(x)*Ψj(+)(x)

 =lim t→-∞∫d3Ψi(+)(x)*Ψj(+)(x)

 =lim t→-∞∫d3φi(x)*φj(x)

 =<φij>=δjiです。

 

上記のKroneckerの記号δjiは,平面波の例では,

δji=δ3(ji)を意味します。

 

 この内積を遠い未来t→ ∞ に投影することもできます。

 

 すなわち,自由波i(x)}の完全性により,解Ψi(+)(x)は平面波の重ね合わせに展開可能です。そして,遠い未来t→ ∞ での展開係数はS行列要素になります。

 

つまり,lim t→∞Ψi(+)(x)=Σnφn(x)Sniです。(平面波表示ではΣn→∫d3となります。)

 

実際,filim t→∞∫φf*(x)Ψi(+)(x)d3より,

 

Σnφn(x)Snilim t→∞Σnφn(x)φn*(x1i(+)(x1)d31

=lim t→∞Σnφn(x)φn*(x1i(+)(x1)d31

=lim t→∞∫δ3(1i(+)(x1)d31

=lim t→∞Ψi(+)(x)です。

 

そして,lim t→∞Ψi(+)(x)=Σnφn(x)Sniを,

lim t→∞∫d3Ψi(+)(x)*Ψj(+)(x)=δjiの左辺に代入すると,

lim t→∞∫d3Ψi(+)(x)*Ψj(+)(x)

Σm,n∫d3φm(x)*mi*φn(x)*nj

Σm,nδnmmi*njδjiを得ます。

 

つまり,Σnni*njδjiを得ます。行列記法ではS+S=1です。

 

もしも,{Ψi(+)(x)}がi(x)}のように完全系を形成するなら,

+=S-1が成立し,Sはユニタリ行列であると結論されます。

 

今日はここまでにします。(つづく)

 

参考文献:J.D.Bjorken & S.D.Drell "Relativistic Quantum Mechanics" (McGraw-Hill)

 

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2010年5月20日 (木)

ドナドナ(Dona dona)

 今回,"口蹄疫"という牛,豚の伝染病が南九州方面から発生したため,人間が食べるという目的で飼育していた家畜を伝染病の蔓延防止のために大量に殺処分するらしいです。

 そもそも,畜産農家ではそうした肉牛や豚を子供のときから育て,やがてマーケットに渡すことが自分のたつき(生計の手段)であるというのはどういう心境なのか?シロウトの私には複雑と想像するけど理解はできません。

 (家族同様って,家族を食べるの?)

 我々の多くは,現実の屠殺行為などは夢にも想わず,自らの手を全く血で汚すことなく鶏も含め食肉を食べてグルメを楽しんでいます。

 肉食の猛獣が神の摂理に従って自分よりも弱い動物を捕殺して食べるという行為には情緒の入る余地はないでしょうが。。。

 神の生態系:"弱肉強食の食物連鎖"に対してガキの頃と同じような甘えた情緒的感情が入り戯言を言いたくなるのは,私のような残飯であっても一応食の足りた浅はかなプチ・ゼイタク野郎だけでしょうかねえ。。

 そういえば,例のオーストラリア中心の捕鯨反対運動では,ずっと昔から肉を食べることを目的の家畜として育ててきた牛,豚,鶏などは魚の養殖と同様,別に保護しないと地球の自然な生態系をこわすわけではないので人が食べるのに反対する理由は無いそうです。

 なかなか都合のいい話ですネ。神の代わりに生態系をコントロールしようってのかナ?(人間も食物連鎖につながる動物に過ぎないのに。。。)

 明治以降の文化である食肉後進国の日本に対して,近年食肉先進国では健康志向もあって魚貝類を食す文化に目覚めたのか,その乱獲が盛んでイワシやカツオなどが絶滅の危機にあるらしいですネ。勝手なもんだ。。。

 飼い犬の敵討ち(本気か?)と称して人殺しをした小泉クン,野良猫の餌やり裁判で敗訴した将棋の加藤九段(そういえば昨日羽生名人4連勝防衛で終わった名人戦第4局の立会人でした。)など人間中心の裁判だと勝てません。

 (2006年5/28の記事「生きる」でも考えていましたね。進歩ないなあ)

 つい,昔反戦フォーク歌手のジョーン・バエズ(Joan Baez)が唄っていたと記憶している「ドナドナ(Dona-dona)」(← クリックすると音,映像が出ます。) を思い出しました。(日本語は「みんなのうた(岸洋子)」から,ついでに人間じゃないけど可愛い声の「初音ミク版」です。)

 オリジナルはAaron Zeitlinの作詞で,言語はイディシュ語(Yidish=ユダヤ系ドイツ人のユダヤ語)だそうです。(作曲はセクンダ(Sholom Secunda))

 下の日本語詞は安井かずみさん作です。

1.ある~ 晴れた~ 昼下がり~ 市場へ続く道~

  荷馬車~が ゴトゴト~  子牛を乗せ~てゆく~

  かわい~ 子牛 ~売られてゆ~くよ 悲しそうな瞳で見ている~よ 

  ドナドナドーナドーナ 子牛を乗せ~て 

  ドナドナドーナドーナ 荷馬車が揺れる~

2.青い空 そよ~ぐ風~ つばめが飛び交う 

  荷馬車が市場へ子牛~を 乗せ~てゆく 

  もしも~ 翼が あったな~らば~

 楽しい牧場(まきば)に  帰れるものを 

  ドナドナドーナドーナ 子牛を乗せ~て 

  ドナドナドーナドーナ 荷馬車が揺れる~ ...

  Arthur Keveres and Teddi Schwaltzによる英語訳詞は次の通りです。

 (ジョー ン・バエズが唄ってたのは,これ↓かな?)

1. On a wagon bound for market there' s a calf with a mournful eye.

  High above him there's a swallow  

  Winging swiftly through the sky.  

  How the winds are laughing  they laugh with all their might 

    Laugh and laugh the whole day through.  

    And half the summer night.  

    Dona dona dona dona  

    Dona dona dona down   

    Dona dona dona dona  

    Dona dona dona don   

2."Stop camplaining" said the farmer  

  "Who told you the calf to be;  

    Why don't you have wings to fly away 

    Like the swallow so proud and free?" 

  3.Calves are easiliy bound and slaughtered  

    Never knowing the  reason why.  

    But whoever treasures freedom.  

    Like the swallow must learn to fly. 

 ※人がいかに「自分は善人である。」とか,「自分は善なる存在である。」とか「ゴキブリは害虫である。悪モノである。」とか主張しても,それは人間の勝手な言い分であって,,ゴキブリから見ると,「人間こそ害虫であり,悪者である。」というような善悪の価値観の逆転があります。

 西洋哲学や宗教では人間は特別で大切な存在であって,これらは人間の幸福,人間にとっての理想社会を追求することなどが目的という人間中心の考え方なのですが,東洋思想,仏教などでは人間は決して特別ではなく,弱肉教職の生物の輪廻の中にあって,次に生まれてくるときにはゴキクリかもしれないとかの考え方です。

 家畜の食肉牛や豚,そして鶏にとって人間はやがては自分たちを殺して食べる存在であり,育てたのちに殺して食べる殺し屋であって悪魔のようなものでしょう:

 もともと罪深き存在なのです。生きていくこと自体が他者を押しのけ罪を重ねていく存在なのです。

 せめて心だけでも他者には優しくありたいものです。 

PS:昨年は新型の豚インフルエンザ,今年は口蹄疫と毎年春先にはウィルス騒動でゴタゴタしています。  

 鎖国をしていた江戸時代までわが国では,家畜といえば労役に使用していたくらいで150年前までは食肉の習慣がなかった畜産後進国のせいなのか?対応が遅れているようです。  

 ただ,主食ではないので渦中の畜産農家を除けば,消費者は約15年前?の米不足てタイ米を輸入したようなパニックにはなってないようです。   

 

 

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2010年5月19日 (水)

手話講習会

 昨日は西武線椎名町駅近くの障害者センターで18時45分から2時間の手話講習会の第3回目講習を受けてきました。

 実は2008年の9月から池袋西口方面で毎週木曜日の夜にある手話サークルに通っていたのですがこれは11月の初め頃には既に挫折していました。

 (2008年9/19の記事「金もないのに深酒をしてしまいました。」参照)

 というのも,上記の会は手話を楽しむことが中心のサークルで聾唖の人も含め,私以外は最低でも1年か2年の手話経験がある方ばかりという雰囲気で,そこでは初心者の私は何か場違いかな?という感じを持ったからです。

 例えば,想像ですが海外にいて言葉がわからないのは私だけという状況にも似て?,右も左もわからない全くの初心者は私一人だけでしたから,受身でいることが他の人の楽しみの邪魔になるのでは?という思いもありました。

 折りしも,自身の生活に関わる問題で精神的余裕が無くなったことも重なって自然に足が遠のいて挫折したのでした。

(まあ,多趣味というか,しょっちゅう目移りしてよほどの愛着を感じない限り1つの事に集中はできず長続きしないという自身の性分もありますが。。。)

 語学と同様,手話というコミュニケーション手段でもヒアリングに相当するものがあり必須で重要なものですが,こんなむずかしいモノをビデオなどの独習で体得するなど私には無理と感じたので,いずれ正式にどこかの手話教室の入門コースに入って一からやりたいという気持ちはずっとありました。

 しかし,ネットでときどき検索していた手話教室はどれも私にとって高額の受講料が必要だったり,また生活の煩雑さにもかまけていました。

 ところが,つい先だって用があって豊島区役所内の福祉事務所に行ってみるとテキスト代(1500円)以外は無料で毎週火曜日計37回の手話講習会があることを窓口の張り紙で知りました。

 入門コースのみ,5月までは先着で追加暮集だったのでさっそく夜の部に申し込んだところ,まだ定員に空きがあって現在最初の2回が終わっただけで5/18の3回目から受講できるとのことでした。そこで約束通り昨夜行って受講したのでした。

 しかし,例によって方向音痴の私は1時間も遅刻してしまいました。

 巣鴨の自宅をほぼ18時丁度に出かけて45分もあれば十分と思ったたのですが,まず,道が混んでるのか障害者は無料の都バスで池袋についたらもう18時35分でした。

 ここからバス乗り継ぎだと間に合いそうもなかったので西武線に向かいました。しかしここのところ西武線は快速でも急行でもかまわない池袋からかなり遠方の清瀬とかに行くときしか乗ったことがなく,すぐ隣の椎名町で止まる各駅停車を探すのにとまどっていました。

 丁度夕方のラッシュ時でまいっかとイツモの考慮不足で目の前の満員電車につい押されて乗ったのが運のツキでした。これは急行で石神井公園まで止まらないことがわかりました。

 池袋での電車の発車時刻が18時48分で既に遅刻でしたからジタバタしてもしょうがありません。

 石神井公園から逆向きに快速で練馬駅まで戻り,そこで各駅の19時14分に乗り換えました。もう半分あきらめの境地でしたがダメでも行き先までの道をおぼえて次回に備えようと思いました。

 椎名町の駅についたら既に19時半すぎでセンターに電話したら,「まだ,やっています。そこから歩いてすぐなので来てください。」ということで向かいました。

 私は方向音痴で,しかも巣鴨駅の近くと違って目印が少なく夜は人通りもほとんどなく道を尋ねる相手がなかなかいません。

 やっと見つけたコンビニで聞いてたどりついたらもう19時45分で丁度1時間遅れでした。

 さて,教室に入ると丁度中間の休憩中で,予想通り私の目の届く席は先生の教壇の真ん前しか空いてませんでしたが望むところでした。若い頃と違って今では自分が教壇で講義していたことも多々あるためでしょうか?

 結局,残りの1時間の講習を受けて21時頃には終わりました。

 講習は3回目だったらしいのですが,休憩後の段階でまだテキストの4ページくらいのところでした。先生(女性)の講義もクドいくらい丁寧でしたし助手でついていた女性以外恐らく聾唖の人はいなかったと思います。

 昨年秋の資格を取るのが主目的の女性が3/4で外国人も1/4だったヘルパースクールの雰囲気とは少し違っていました。

 これから先,自分の心境がどう変わるかはわかりませんが,以前私自身のせいでしょうが手話サークルで感じたような違和感は無くて親しみを感じました。

 道程も覚えたし次回からは開始時間前に行けると思うので,不慮の事態でも無ければ長続きするという予感を感じました。

 最後に帰るときにはお誘いなどもありました。今回は初回であり金もないということもあって真っ直ぐ帰りましたが,元々知らない方とのフランクなコミュニケーションは大好きなので次回以降余裕があれば迷惑ジジィが邪魔するかもしれません。

 帰りも近くの都バスのバス停を探したのですがバス停そばにいたコンビニ店員に聞くと最終バスがもう出たとのことで早いな?と疑いながらも中落合方面目白通り?を一方向に歩いていました。

 夜とはいえ何か懐かしい風景でした。すれ違う人もまばらでしたが会う人ごとに近くの駅の場所を聞きながら歩いているうち9時半頃に大江戸線の中井駅を見つけました。ここから都営大江戸線,都営三田線の障害者無料コースで10時過ぎには帰宅しました。

 東中野,下落合,中井,そして中野駅の周辺は27歳から35歳まで新高円寺に住んでいた頃には私の庭状態?だったので懐かしい風景と感じたのでしょうが,よく見ると30年くらい前とはかなり変わっていると思います。

 そういえば,東京で今の巣鴨の前に住んでいた江東区豊洲や新高円寺など,私は振り返らない癖があるのか一旦引っ越してしまうと特別用もないしほぼ永久にご無沙汰になっています。

 また,大江戸線ができた後に光が丘方面行きで都庁前よりも先に行ったことなかったので,それがこの当たりを通っているという意識も無かったのですが,私の場合は障害者割引で都営は全てフリーなので,冥土のみやげに「地井散歩」のまねでもして自身の思い出行脚もいいかな?と思いました。 

 そういえば,その昔,通っていた東中野や中野の飲み屋は9割5分以上現在は存在しません。

 (ここで述べている飲み屋というのは少なくとも顔を覚えて頂いていたお店のことで,大衆居酒屋は対象外です。)

(会社員時代に通っていた会社近くの神楽坂や神保町の懇意の飲み屋も神楽坂に2件残っている程度です。

 その昔は新宿のゴールデン街や2丁目,上野駅や浅草千束通り,そしてほんのちょっとだけ銀座,六本木,乃木坂にも出没していた"遊び人の金サン状態"したが,今の状態ではちょっと飲みに行けません。)

 もっとも,私は店やその経営者がなくならない限り,たとえ年1,2回でもそこに通うという習性があるのですが,寂しいけど私の方が長生きし過ぎたのか行き付けの店でも無くなってしまえばどうしようもないですね。    

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2010年5月18日 (火)

散乱の伝播関数の理論(5)(Schiff-2,他)

 散乱の伝播関数の理論の続きです。

 

 L.I.Schiff(シッフ)著「量子力学」の衝突の理論における近似法の散乱行列の項の続きです。

 

§§散乱への応用:

 

 T1,T2を非常に大きい正の数とします。

 

 遠い過去:t0<-T1には自由粒子の方程式:

 ihc∂φα(,t0)/∂t00φα(,t0)を満たしていた,

 波束φα(,t0)を考えます。

 

 これまでの論議から,波束φαが,-T1<t<T2には方程式:

 ihc∂Ψα(+)(,t)/∂t=Ψα(+)(,t)を満たす波Ψα(+)

 に変わるとき,

 

 Ψα(+)は,Ψα(+)(,t)

 =i∫G(+)(,t;0,t0α(0,t0)d30

 と表現できます。

 

そして,遠い未来t>T2には,再び自由波の方程式:

ihc∂Ψα(+)(,t)/∂t=0Ψα(+)(,t)を満たします。

 

この散乱の行列要素:Sβα=<β|S^|α>は,t>T2での

<φβα(+)>で与えられます。

 

Schiffのテキストは紹介程度で,これくらいにします。

 

※(注):ここで,誤解を恐れず,結論めいたことを述べてみます。

 

Hilbert(ヒルベルト)空間の部分空間として定義されている状態空間

の基底(basis)の取り方は無数に有りますが,

 

それらは,同じ観測量に対しては同じ期待値を取るように,互いに

ユニタリ変換(unitary transformation)で結び付いています。

 

同じ自由粒子の状態ベクトルの集合でも入射状態(incoming)の集まり

としての基底:{|φin,α>}と散乱状態(outgoing)の集まりとしての

基底:{|φout,α>}はユニタリ変換だけ異なります。

 

S行列(散乱行列:scattering-matrix):S≡{Sβα},

あるいは,散乱状態ベクトル:|φout,α>は,

   

行列要素:Sβα=<β|S^|α>=<φin,β|S^|φin,α

=<φout,βin,α>によって定義されます。

 

これは2つの基底ケットの間のユニタリ変換が散乱演算子:S^により

<φout,β|=<φin,β|S^と書ける,という表現と同等です。

 

こうした状態のユニタリ変換だけの違いというのは,量子論的には,

Schrödinger表示,Heisenberg表示,相互作用表示

(interaction picture)などの表示の違いと同じモノであると

見ることができます。

 

もっといえば,散乱問題を解くための摂動論の最初の手続きは,

S行列要素:βα<φout,βin,α>の間に中間状態

(intermediate states)の完全系(complete set):

1=Σγint,γ><ψint,γ|を挟むことです。

 

すなわち,βα<φout,β|(Σγint,γ><ψint,γ|)|φin,α

=Σγ<φout,βint,γ><ψint,γin,α>です。

 

ただし,自由粒子状態の系:{|φin,α>},または{|φout,α>}の要素は

全て物理的に許される状態であり,それだけで完全系をなしますが,

中間状態の系:{|ψint,α>}は,一般に物理的に許されない仮想状態 

(virtual states)をも含めないと完全系をなしません。

 

(注終わり)※

 

 さて,内容的にSchiffと重複する部分が多々ありますが,私が過去に

 精読したBjorken & Drellのテキスト"Relativistic Quantum

 Mechanics"のChap.6,§6.2 non-relativistic propagatorから

 始めて,同様のテーマを記述している部分を紹介します。

 

 以下は,B-Dのテキストの本文の内容です。

 

 遠い過去に与えられた波束がポテンシャルに近づく1粒子を表わし,

 その波が遠い未来にどのようになるかの過程を見る便利な方法を

 光学の"Huygens(ホイヘンス)の原理"に求めます。

 

 すなわち,ある時刻t0に波動関数Ψ(0,t0)がわかったなら,

 空間の各点00から外向きに伝播する球面波の波源(source)

 と考えることで以後の任意時刻tにおける波動関数を見出すこと

 ができます。

 

そこで,後の時刻tに点に到達する波の振幅は個々の源の波の振幅

Ψ(0,t0)に比例すると想像されます。

 

この比例定数をiG(,t;0,t0)と記述すれば,Huygensの原理

に従って点に到達する波の振幅は,

Ψ(,t)=i∫d30G(,t;0,t0)Ψ(0,t0)(t>t0)

と表わせるはずです。

 

ここで,G(,t;0,t0)はGreen関数(Green's function),または

propagator(プロパゲータ:伝播関数)として知られているもので,

Huygensの原理に従って0,t0におけるΨ(0,t0)の要素波の

Ψ(,t)への影響を説明するものです。

 

Gがわかれば,与えられた任意の始状態から時間発展する物理的状態

を作ることが可能となります。

 

したがって,Gを知ることはSchrödinger方程式の完全な解を知るのと

同等な意味を持ちます。

 

しかし,ここまではそれが物理的であるという論拠に基づいてGの存在を主張してきたに過ぎません。

 

後でGの完全な正式な定義を与える必要があります。

  

取り合えず,Propagator-Approachのより良い理解を得るため,こうした論旨をさらに追求してみます。

 

自由粒子の運動は完全にわかっており対応するGreen関数G0は陽に作ることができます。

 

この自由な伝播関数に,1つの時間に依存する広義ポテンシャルVを

導入すればG0はGへと修正されます。

 

広義ポテンシャル:V(1,t1)は時刻t1のまわりの非常に短い時間

Δt1の間だけスイッチが入る相互作用を表わすとします。

 

1より前の時刻では波動関数は自由波の波動関数φであり,対応する

プロパゲータはG0ですが,

 

t=t1では,V(1,t1)は,Schrödinger方程式:

{i(∂/∂t)-0}Ψ(1,t1)=V(1,t1)Ψ(1,t1)

に従う新しい波動の波源として作用します。

 

右辺の波源の項は,t=t1からt=t1+Δt1までの間だけゼロでないので,Vがないときに起こる変化に加えてΔt1の間に追加の変化を生み出します。

 

この追加波ΔΨ(1,t1)は,

{i(∂/∂t)-0}Ψ(1,t1)=V(1,t1)Ψ(1,t1)

をΔt1の1次のオーダーまで積分すれば得られ,

 

ΔΨ(1,t1)=-iV(1,t1)φ(1,t1)Δt1

と表現できます。

 

そして,(1,t1)での源ΔΨ(1,t1)のΨ(,t)への寄与は,

ΔΨ(,t)=i∫d310(,t;1,t1)ΔΨ(1,t1)

=∫d310(,t;1,t1)V(1,t1)φ(1,t1)Δt1

と表わせます。

 

よって,トータルでは,

Ψ(,t)=φ(,t)

+∫d310(,t;1,t1)V(1,t1)φ(1,t1)Δt1

=i∫d30[G0(,t;0,t0)

+∫d31Δt10(,t;1,t1)V(1,t1)

0(1,t1;0,t0)]φ(0,t0) となります。

 

 これらは,(,t)を(x)=xμ≡(t,)と書く4次元表記では,

 ΔΨ(x)=∫d31Δt10(x,x1)V(x1)φ(x1),および,

 Ψ(x)=i∫d30[G0(x,x0)

 +∫d31Δt10(x;x1)V(x1)G0(x1;x0)]φ(x0)

 となります。

 

上式を,Ψ(,t)=i∫d30G(,t;0,t0)φ(0,t0)なる表現

と比較してGreen関数:Gに対する式と見れば,

 

G(x;x0)=G0(x;x0) +Σj=1n∫d3jΔtj0(x;x1)

V(xj)G0(x1;x0) です。

 

 さらに,t2>t1なる時刻t=t2においてt=t2からt=t2+Δt2

 の間に,もう1つの広義ポテンシャルV(2,t2)のスイッチがオンに

 されるなら,前と同様これによる追加波は,

 ΔΨ(x)=∫d32Δt20(x;x2)V(x2)Ψ(x2)

 となります。

 

ところが,まだV(2,t2)のスイッチがオフの状態でのt=t2

おける波動Ψ(x2)は,

 

Ψ(x2)=i∫d30[G0(x2;x0)

+∫d31Δt10(x2;x1)V(x1)G0(x1;x0)]φ(x0)

で与えられるはずです。

 

そこで,これをΔΨ(x)=∫d32Δt20(x;x2)V(x2)Ψ(x2)

の右辺のΨ(x2)に代入すれば,

 

ΔΨ(x)=i∫∫d3032Δt2[G0(x;x2)V(x2)

{G0(x2;x0)+∫d31Δt10(x2;x1)V(x1)G0(x1;x0)}

φ(x0)] なる表式を得ます。

 

故に,全体では

ψ(x)=i∫d30{G0(x;x0)

+∫d32Δt20(x;x2)V(x2)G0(x2;x0)

+∫∫d32Δt231Δt10(x;x2)V(x2)G0(x2;x1)V(x1)

0(x1;x0)}φ(x0)

 

=φ(x)+∫d31Δt10(x;x1)V(x1)G0(x1;x0)φ(x0)

+∫d32Δt20(x;x2)V(x2)G0(x2;x0)φ(x0)

+∫∫d32Δt231Δt10(x;x2)V(x2)G0(x2;x1)

V(x1)G0(x1;x0)}φ(x0)

です。

 

これを反復すれば一般のn個の広義ポテンシャルの作用の結果の波動

として,ψ(x)=φ(x)

+Σj=1n∫d3jΔtj0(x;xj)V(xj)G0(xj;x0)φ(x0)

+Σj,k=1n∫∫d3jΔtj3kΔtk0(x;xj)V(xj)

0(xj;xk)V(xk)G0(xk;x0)φ(x0)+..

を得ます。

 

 そして,これをGreen関数:Gに対する式と見れば,

 G(x;x0)=G0(x;x0)

 +Σj=1n∫d3jΔtj0(x;xj)V(xj)G0(xj;x0)

 +Σtj>tk∫∫d3jΔtj3kΔtk0(x;xj)V(xj)

 G0(xj;xk)V(xk)G0(xk;x0)+..

 となります。

 

 ここで,t<t0ならG0(x;x0)=G0(,t;0,t0)≡0 と定義

 すればtj>tk etc.の時間順序の制限を省くことができます。

 

 このように,波が未来にのみ伝播するという境界条件を持つG0

自由粒子の遅延Green関数(retarded Green's function),または遅延伝播関数(retarded propagator)として知られています。

 

 これは,物理的にはHuygensの要素波ΔΨのi番目の反復によるものは

時刻t=ti以後でないと現われないことを意味します。

 

 連続的反復の極限を考えると,相互作用時間Δtjにわたる総和;

 ΣjΔtj etc.はdtにわたる積分に置換され, 

 G(x;x0)=G0(x;x0)+∫d410(x;x1)V(x1)G0(x1;x0)

 +∫∫d4j4k0(x;x1)V(x1)G0(x1;x2)

 V(x2)G0(x2;x0)+..

 と書けます。

 

 ただし,d4x≡d3xdx0=d3dtです。

 

 この右辺の複合散乱級数が収束するなら形式的にGは方程式:

 G(x;x0)=G0(x;x0)+∫d410(x;x1)V(x1)G(x1;x0)

 を満たすことになります。

 

そこで,G0(x;x0)だけでなくG(x;x0)も"t<t0ならG(x;x0)=0 を満たす遅延Green関数"となることに注意します。

  

これは,因果律(causality)の基本的概念から要求される条件を確かに満たすものです。

 

一見してわかるように,漸化式:

(x;x0)=G0(x;x0)+∫d410(x;x1)V(x1)G(x1;x0)

は既知のVとG0から反復法によってGを見出す手続きを与えます。

 

それ故,これはtよりも早い時刻t0での波動関数Ψ(x0)がわかれば

時刻tでの波動関数Ψ(x)を見出せる手続きを与えます。

 

特に,散乱問題を解く際には,波ψが遠い過去に散乱体の相互作用領域に近づく1粒子を示すときの遠い未来でのψを知る必要があります。

 

そして,散乱問題を正しく定義するためには,初期時刻には如何なる相互作用も存在してはならず,ψは要求された初期条件を有する自由粒子の波動方程式の解φである必要があります。

 

この条件を成立させる数学的な1つの処方は,t→-∞ に対して,

(,t)を断熱的に(無限に緩慢に)消してゆくことで相互作用

の時間を局所化することです。

 

すなわち,遠い過去には散乱波は全く無く,未来の波は,

Ψ(,t)=i∫d30G(,t;0,t0)Ψ(0,t0)

で与えられるわけです。

 

これはΨ(,t)

=lim t0→-∞ i∫d30G(,t;0,t0)φ(0,t0)

と表現できます。

 

右辺のGをG(,t;0,t0)=G0(,t;0,t0)

+∫d410(,t;1,t1)V(1,t1)G(1,t1;0,t0)

で表現すれば,

 

これは,Ψ(,t)=lim t0→-∞ i∫d30[G0(,t;0,t0)

+∫d410(,t;1,t1)V(1,t1)G(1,t1;0,t0)]

φ(0,t0) と書けます。

 

したがって,結局,

Ψ(,t)=φ(,t)+∫d410(,t;1,t1)V(1,t1)

Ψ(1,t1)という波動関数についての表式を得ます。

 

 しかし,今までのところは,これで現実に何らかの方程式を解いた

 わけ ではありません。

 

 何故なら,上式には右辺にも未知関数Ψがあるからです。

 

 しかし,こうした表式を得たことから摂動ポテンシャルVが小さい場合には与えられた境界条件を満たす解を求める直接的な近似法を獲得したことになります。

 

 ところで,当面の問題として興味があるのはt→ ∞ での散乱波の形状です。

 

 この極限では,粒子ψは相互作用領域から出て再び自由粒子の波動方程式の解になります。

 

この条件を確実にするため,前のt→-∞ のときと同じく相互作用を断熱的に消します。

 

散乱波に関する全ての情報は種々の終状態φfに到る粒子の確率振幅から得ることができます。

 

ただし,φf(,t)=(2π)-3/2exp(if-iωft)です。

 

そして,こうした情報は与えられた入射波:φi(,t)からt→ ∞

の極限で到達する波に関するものとして得られます。

 

 与えられた始状態と終状態の対(f,i)に対する確率振幅fiは散乱演算子,または散乱行列S(S-matrix)の1つの要素です。

 

 これは, 

fi≡lim t→∞∫φf*(,t)Ψi(+)(,t)d3

=lim t→∞∫φf*(,t)[φi(,t)

+∫d300(,t;0,t0)V(0,t0i(+)(,t)]

 

=δ3(fi)+lim t→∞∫d30∫d4xφf*(,t)

0(,t;0,t0)V(0,t0i(+)(,t)

で定義されます。

 

ただしΨi(+)(,t)は,

Ψ(,t)=φ(,t)

+∫d410(,t;1,t1)V(1,t1)Ψ(1,t1)の解Ψの1つ

t→-∞ では運動量がiの入射平面波に帰するという境界条件

満たすものです。

 

t→±∞ というのは,tが粒子が相互作用領域にはいない,あるいはVがスイッチ-オフされているときの任意の遠い過去,未来の時刻:±Tに近づくことを意味します。

 

特に,t=±∞ は粒子が生み出されたり検出されたりする時刻を意味

します。

 

ところで,Ψi(+)(,t)は,

ψi(+)(,t)=φ(,t)+∫d410(,t;1,t1)V(1,t1)

Ψi(+)(1,t1)の右辺のΨi(+)(1,t1)への初期値:φi(1,t1)

からの反復代入により多重散乱級数に展開できます。

 

 そして,この展開の個々の項を模式図に書くと,後述するダイアグラム

 (Feynman diagram)に対応することがわかります。

 

今日はここまでにします。(つづく)

 

参考文献: J.D.Bjorken & S.D.Drell“Relativistic Quantum Mechanics”(McGraw-Hill),L.I.schiff(シッフ)著,(井上健 訳)「量子力学(下)」(吉岡書店)

   

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2010年5月16日 (日)

好き嫌い,趣味嗜好

 この期におよんで,「肉体以外の面では神のようになりたい。」などと不遜な夢を持っていますが,好きなものは好き,嫌いなものは嫌いという生理的な好悪感だけは如何ともしがたいかも知れません。

 汝(=私)の敵はいつまでたっても敵のままです。

 人間に関しては好きな方はまだしも,嫌いだ,イヤだという感情,あるいはエリカ様ではないがキモいという思いはどうしようもないですね。

 これを,理性でコントロールするのは極めてむずかしいです。

 「あいつは,どうにも虫が好かない」とか,昔の芸能人の離婚会見で「同じ空気を吸うのもイヤだ」とか言うのを聞いたことがあります。

 私もまだガキで大学に入学したばかりの頃,同じ下宿のすぐそばの部屋にいて私と違って文科系でしたが,特に仲良しだった同学年の友人と四六時中付き合っているうちに,いわゆるアラがいっぱい見えてきて見るのもイヤになったこととか,それから後にも色々似たようなことがありましたね。

 もっとも,口に出さなくても相手も同じかそれ以上に私をキモいとかイヤな奴だと思っていたのかも知れません。こういうのはお互い様です。

 まあ,人間の場合は「好き」の反対語は「嫌い」でなく,「愛情」の反対語も「憎悪」ではなくて「シカト」あるいは「無関心」というのが正解だと思っているので,嫌いだとか憎いとかの感情があるうちは,まだ相手との関係性を意識している証拠だともいえますね。

(本人のいないところでも悪口,カゲ口を言うほど気になる?トカね。。。)

 もっとも,関係性といっても例えば北海道と九州に離れてしまって物理的に会うことも困難で長い間音信不通という環境になれば自然に意識しなくなって憎悪も忘れ,「無関心」になるかも知れませんが。。。

 逆に,生活能力のない子供時代には親兄弟などの家族がイヤだと思っても偶に家出ができる程度で普通は逃げることはできません。

 そのまま,ズルズルと引きこもりのように親兄弟だけと暮らしていると,世の中の人間関係はそれだけという狭い世界となって本当は親切な行為でも煩わしいと感じて愛情(愛着)と裏返しの憎悪の感情が湧いてくるやもしれません。

 ときには窓を開けて空気を入れ替えて深呼吸し,どうしようもないなら素直にどこかに逃げざるを得ないかも知れません。

 私は海外ドラマや映画,小説などでしか知りませんが,西洋の多くの家庭では親しい夫婦といえども,それぞれ隔離された自室を持っていて,ひとりの時間を持とうとすればそれを自由に取れる環境らしいです。

 日本では金持ちセレブ以外では,イヤもオウもなく「ウサギ小屋」で四六時中ツノを突き合わせているため,頭を冷やすヒマもなく,結局,相手は自分の個人的自由を侵す存在であると感じて,いずれはエクボもアバタになってくるのでは?と独身の私は邪推しています。

 (これならむしろ通い婚の方が長続きするカモ。。,ん?神田うの?)

 食べ物の好き嫌いなら,私の場合子供の頃は食べられなかったピーマンも大好きにはならないけど今は嫌いではないし,例えばチンジャオルースだとむしろ好きです。

 その他の嫌いだったものも大人になると口に入れることくらいはできて吐き出してしまうほどのものはないです。逆に子供の頃,好きだったけど今は別にぃというのもありますが。。。

 食べ物でも人でもないけど,クモなどを見ると虫酸が走るほど嫌いだったのに今はなんともないです。イヤこういうのは無意識のうちに克服できてます。

 本当は,自己に忠実に動物として自然にまかせることが解放されるという意味で,それを目指しているのですから,別に,嫌いな人やもの,あるいは嫌いなことを無理して好きになる必要はないし,避けることが可能なら殊更にコントロールすることはないとは思います。(←仏様にはなれても神様にはなれないぞ。)

 ただ,私は本質的にはマゾであるせいもあるでしょうが,最近はイヤなコト,イヤな人と思えることも笑って受け流して逆にイヤな感覚そのものも面白がっていることがあるくらいで,そのうちにイヤだと思えなくなることも多々あります。

 実はそれほどイヤではなくストレスフリーな脳天気ダケかも知れません。。(薄情,かつ鈍感なだけ?=逆にウツ病克服にとっては好ましいコト?)

 でも,催眠術にかけられて,大嫌いな食べ物でもそれを大好きなモノだと暗示をかけられると,大好きなモノと錯覚して喜んで食べるらしいですね。

 アッと,お誘いの電話が来たから,途中で失礼します。。。20時過ぎです。

 ("うわさをすればハゲとやら"です。最終的には"憎まれっ子は夜にハバカリ"に行ってから寝てました。。)

PS:良きにつけ悪しきにつけ,これほど米軍基地や沖縄の問題について注目し真剣?に考えていると見える政府,政治は久しぶり(初めて?)という感想です。

 私は,かつて1972年頃には沖縄返還ではなくて,沖縄独立(イヤ,沖縄奪還だったかな?)とか沖縄解放などというスローガンに載って,これらを唱えていたような記憶があります。。

 小沢問題といっても,争点は汚職がらみの政治資金があったとかではなく単なる不実記載(つまり多額の入金を前年に記載したか本年に記載したか程度?)なので,これは検察のメンツのためか,あるいは選挙前の支持率操作の政治介入としか感じないのは私だけ?

 (別に民主党や鳩ポッポさんを応援してるわけじゃないし,既存の支持政党などはないので単なるアマノジャク感想です。)

PS2:多芸多才の林葉直子さが将棋界に復帰するらしいです。http://www.daily.co.jp/gossip/article/2010/05/15/0002981746.shtml 

  

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2010年5月15日 (土)

原子核のγ崩壊とメスバウアー効果(5)

原子核のγ崩壊とメスバウアー効果の続きです。 

ここまで展開してきた電磁放射の古典論と量子論の対応原理に基づく方法による結果と量子論の長波長の摂動近似で成立するFermiの黄金律の整合性を示すという面倒な課題は先送りにして,取り合えず古典論と量子論の対応原理に基づいて当面の課題を処理します。

さて,これまでの論議で原子核のγ崩壊の遷移速度(transition rate)w,つまりエネルギー準位の高い核の励起準位(exciting level):|i>から,"低エネルギー状態=主として基底準位(ground level)":|f>へのγ線放射を伴う遷移の確率wは次式で与えられることを見ました。

すなわち,単位時間に電気(l,m)極のγ線を放射して核が状態遷移をする確率は,wElm=UElm/(hcω)=(2π/hc){1/(2πε0)}{(l+1)/l}k2l+1/{(2l+1)!!}2]<f|lm|i>2で与えられます。

 

また,単位時間に磁気(l,m)極のγ線を放射して状態遷移をする確率は,wMlm=UMlm/(hcω)=(2π/hc){μ0/(2π)}{(l+1)/l}(k2l+1/{(2l+1)!!}2)|<f|lm|i>|2です。

ここに,<f|lm|i>=∫rllm(Ω)*ρe()dであり<f|lm|i>=-∫rllm(Ω)*()dです。

対応原理(correspondence principle)からi()=<|i>,Ψf()=<|f>を原子核全体を位置の1粒子と見た始状態,終状態の波動関数とすれば,ρe()=ZeΨf*(i(),()={ehc/(2M)}Ψf*(){Σa=1Aμaσai()です。

また,a=-ihcaですが,これはa=1,2,..,Aの個々の核子の位置をaをとしたときの核子aの運動量を示すものです。

 

さらに,e>0 は陽子の電荷,Mは核子の質量です。

σaは核子aに対するPauli行列,μaは磁気回転比(gyromagnetic ratio)です。なお,後者はaが陽子pならμp~ 2.7928,中性子nならμn~ -1.9132です。 

遷移速度wE,Mlmの陽な表式に基づいて,その大きさを評価します。

 

まず,核子の質量はMc2~103MeVであり核子のスピン磁気モーメントの大きさは|μa|~2です。また,核半径をRとすると|∇|~1/Rですが,質量数がAの原子核では,R~(01/3)です。(0は核子半径)

 

そこで,特に平均的な質量数:A~125の場合,単位時間の磁気的放射の電気的放射の率に対する比を評価すると,(wMlm/wElm)=c-2|<f|lm|i>/<f|lm|i>|2~{c-1{hca|/(MR)}2~{2hcc/(Mc201/3)}2~ 4×10-4となります。

故に,同じ,(l,m)型の放射なら電気放射(E型)の放射確率が磁気放射(M型)の放射確率より4桁も大きいことがわかります。 

次に,原子核の|i>→ |f>のγ線放射の崩壊において許される遷移の型について考えます。 

そのため,始状態:|i>のスピンとそのz成分,パリティをそれぞれIi,Miiと表記し,終状態:|f>の対応する値をそれぞれIf,Mffと表記します。

ここで,放射γ線はE型,またはM型単独のそれであって多極度は(l,m)と仮定します。このとき,γ崩壊の遷移速度wE,Mlmがゼロでないための条件を遷移の選択則(selection rule)といいます。

まず,電磁相互作用での角運動量保存則から,if,Mi=m+Mfです。

 

そこで,ifなる制約からはlについての1つの選択則:|Ii-If|≦l≦(Ii+If)を得ます。さらに,Mi=m+Mfもmに対する選択則を与えます。

これまで見てきたように,l=0 のγ線放射は存在しないので,Ii=If=0 の場合にはγ線遷移は完全に禁止されます。

摂動近似であるFermiの黄金律u(Mi,Mf)dΩ=(2π/c)|<f|γ'|i>|2(dn/dEγ)dΩが近似的に成立するような長波長(λ>>R, or ω<<c/R)のγ線の領域を想定します。

 

この領域では,電磁相互作用γ'の多重極展開で角運動量が小さい順に項の寄与が大きいため,l=|Ii-If|,|Ii-If|+1,..,(Ii+If)のうちlの小さいγ線放射に関わる遷移がより顕著に出現します。

一方,パリティによる選択則を考えます。

 

E型放射ではlmのパリティが(-1)l,M型放射ではlmのパリティが(-1)l+1であり,電磁相互作用γ'ではパリティが保存すべきです。

 

このことから,放射による遷移行列要素がゼロにならないためには,E型放射ではπi=(-1)lπf,M型放射ではπi=(-1)l+1πfなることが必要です。

これらの選択則から,例えばiπi=4+ →Ifπf=2+の遷移では,|Ii-If|=2≦lが必要なため,許される多極放射はE2,E4,E6,..;M3,M5,..となります。

しかし,一般にγ崩壊では長波長近似がきわめて有効ですから,例えばA=125の原子核からのhcω=2MeV程度のγ線放射では,波長がλ~ 100fm=10-13m程度なので(wE4/wE2)~ 4×10-9と評価されます。

したがって,E2(電気双極子)に比べてE4(電気四重極子)を無視する近似はきわめて正当であることがわかります。それ故,Iiπi=4+ →Ifπf=2+のγ遷移では高々E2とM3の放射を考えれば十分です。

次に,励起状態にある原子核がγ線を放出して崩壊する代わりに核外の原子のK,L,M..殻の軌道電子を放出して崩壊する過程があります。

 

これはγ線の内部転換(internal conversion)と呼ばれます。

内部転換は,原子核から放射されたγ線が核外の軌道電子に吸収されて電子が放出されるという2次過程ではなく,原子核と核外電子とのCoulomb相互作用により原子核エネルギーが直接軌道電子に与えられて電子が放出される現象です。

したがって,γ線放出と内部転換は独立な競合する過程です。

 

そこで,同じ|i>→|f>の遷移においてγ線放出の確率をwγ,内部転換の確率をweとすると,トータルのγ崩壊の確率:wはw=wγ+weで与えられます。

内部転換係数αをα≡we/wγで定義すると,w=(1+α)wγです。

 

αはK,L,M,..電子による部分の総和であり,Lはさらに個殻(subshell)L1,L2,L3,..に分かれるので,α=αK+αL+αM+..=αK+ΣiαLi+ΣiαMi+..です。

 

各殻から放出される平均電子数をNK,NL1,..とし,これと競合するγ線の平均数をNγとすると,αK=NK/NγL1=NL1/Nγ,..です。そして,Nα≡NK+ΣiLi+ΣiMi+..とするとα=Nα/Nγです。

内部転換電子の運動エネルギーをEα,軌道電子の統合エネルギーをBx(x=K,L1,L2,..,競合するγ線のエネルギーをhcωとすると,Eα=hcω-Bxです。

 

xは別の方法から得られるので,Eαを精密に測定すればγ線のエネルギーhcωを高精度で求めることができます。

さて,核と1個の核外電子とのCoulomb相互作用はe'=-Σp=1Z{e2/(4πε0|ep|)}で与えられます。ここでe,pはそれぞれ核外電子,核内陽子の位置ベクトルです。

 

ルジャンドル関数による母関数展開の公式:1/|'|=1/(r2+r'2-2rr'cosω)1/2=Σl=0(rl/r'l+1)Pl(cosω)=4πΣl,m(2l+1)-1(rl/r'l+1)Ylm*(Ω')Ylm(Ω) (r<r'),4πΣl,m(2l+1)-1(r'l/rl+1)Ylm*(Ω')Ylm(Ω) (r>r')を用います。

 

これからre>rpならe'=-Σp=1ZΣl,m(2l+1)-1(e20)(rpl/rel+1)Ylm*p)Ylme)です。

 

これの行列要素:<f|e'|i>は明らかにΣp=1Zpllm*p)を含むことから,これは電気多極放射の行列要素:<f|lm|i>∫rpllmp)*ρe(p)d3pを因子に持つことがわかります。

 

そのため,Coulomb相互作用e'は電気2l極遷移を引き起こします。 

内部転換係数αが原子番号Z,γ線エネルギーhcω,多極指数lに如何に依存するかを見るために簡単なモデルを考えます。

 

まず,核外電子としてK電子のみがある場合を想定します。

 

簡単のため放出電子の運動エネルギーは対象のK電子の結合エネルギーが無視できるほど大きく,しかし非相対論近似が有効な程度には小さいとします。

 

また,原子番号Zはあまり大きくなくてCoulomb力によるひずみが無視できて放出電子の波動関数は平面波で近似可能とします。

 

そして,始状態|i>,終状態|f>を|原子核>|核外電子>のように書いて,|i>≡|Ii>|ei>,|f>≡|If>|ef>と定義します。

このとき,核外K電子の始状態の座標表示は,水素様電子の近似として,|ei>=(πa3)-1/2exp(-re/a),a≡aB/Z,aB≡4πε0c2/(me2)(Bohr半径)と書けます。

 

また,終状態は平面波近似で|ef>=V-1/2exp(iee)です。

 

一方,原子核の状態|Ii>,|If>は前に書いたようにΨi(p),Ψf(p)で表現します。

すると,内部転換確率weのFermi黄金律による評価式はK殻に2個の電子があるため,we=2(2π/hc)∫|<f|e'|i>|2(dnf/dEe)dΩと書けます。

 

ただし,dnf/dEeは|ef>=V-1/2exp(iee)で与えられる電子運動量e=hceに相当する立体角:Ω方向の終状態:|ef>の単位エネルギー準位当たりの状態数(状態密度)です。

 

仮に,一辺がLの立方体領域(V=L3)の箱に閉じ込められている以外自由な電子が,周期的境界条件を満たすとすればeの取り得る値はe=(2n1π/L,2n2π/L,2n3π/L)です。

 

(※周期的境界条件の採用で一般性を失うことなく状態密度を求めることが可能です。)

 

そこで,f≡(n1,n2,n3)と置けばe=(2π/L)fですから,de=(2π/L)dfです。

 

つまり,ke空間の体積要素ke2dkeに,{V/(8π3)}ke2dke個の状態が存在することがわかります。

 

そして,Ee=hc2e2/(2me)なのでdEe=(hc2e/me)dkeよりdnf/dEe=meeV/(8π3c2)を得ます。

  

一方,<f|e'|i>=<If;ef|e'|i;ei>=-(πa3V)-1/2Σl,(2l+1)-1(e/ε0)[eΣp=1Z∫rpllm*pf*(pi(p)d3p]∫exp(-re/a)exp(iee)re-l-1lme)d3eです。

  

右辺の[]の因子:eΣp=1Z∫rpllm*pf*(pi(p)d3p<f|lm|i>=∫rpllmp)*ρe(p)d3pに一致します。

  

また,最後の積分で展開公式:exp(iee)=4πΣl,(-i)ll(kee)Ylm(Ω)lme)*を代入します。

  

すると,∫exp(-re/a)exp(iee)re-l-1lme)d3e=4πi-llm(Ω)∫0exp(-re/a)jl(kee)re-l+1dreです。

 

変数置換により∫0exp(-re/a)jl(kee)re-l+1dre=kel-20exp{-x/(kea)}jl(x)x-l+1dx=el-2lです。

  

ea>>1と仮定しているので,積分記号の中でexp{-x/(kea)}~1 と近似すれば,Jl0l(x)x-l+1dxとなり,Jlは近似的にkeに依存しない定数と見なせます。

 

故に<f|e'|i>=-4π1/2(a3V)-1/2Σl,(2l+1)-1(e/ε0)kel-2l<f|lm|i>です。

  

最後に,これとdnf/dEe=meeV/(8π3c2)をwe=2(2π/hc)∫|<f|e'|i>|2(dnf/dEe)dΩに代入して,dΩ積分を実行します。

  

結局,we~ {8e2e/(πε02c33)}Σl,{Jl2e2l-3/(2l+1)2}|<f|lm|i>|2を得ます。

 

|Ii>→|If>の遷移では最小軌道角運動量l=|Ii-If|に対応する遷移がほとんどなので,このlに限って考えます。

 

前に得た式から,wγ(l)=ΣlmE=(2π/hc){1/(2πε0)}{(l+1)/l}k2l+1/{(2l+1)!!}2]Σ|<f|lm|i>|2です。

 

一方,今の結果からwe(l)~ {8e2e/(πε02c33)}{Jl2e2l-3/(2l+1)2}Σ|<f|lm|i>|2です。

 

 内部転換係数:α(l)=we(l)/wγ(l)においては,分子と分母でΣ|<f|lm|i>|2が相殺して消えるため,α(l)は核の波動関数Ψifに依存しないことがわかります。
 
 そして,Jl0l(x)x-l+1dx=[jl-1(x)x-l+1]0={(2l-1)!!}-1なのでK電子の内部転換係数はαK(l)~{(l+1)/l}16e2e/(ε0c23)}ke2l-3/k2l+1です。

さらに,a=aB/Z,aB≡4πε0c2/(me2),hc2e2/(2me)~hcω=hcckより,αK(l)~{(l+1)/l}16Z3/(ε0B4)}ke2l-3)/k2l+1と書けます。

 

結局,αK(l)~{(l+1)/l}3α4{2me2/(hcω)}l+5/2なる表式を得ました。α≡e2/(4πε0cc)は微細構造定数(fine structure constant)で,α~1/137です。

 

この式によれば,αK(l)はZ3に比例し,γ線のエネルギーhcωの増加と共に(hcω)l+5/2に反比例して減少します。

 

したがって,lが大きいほどαK(l)が大きく,Zの大きい重い核ほど内部転換確率が増大します。

 

しかし,上式はkea>>1の場合の近似式でありaはZに反比例するのでZが大きいとこの近似式は使えないので注意が必要です。

 

そして,また,電子は固有の磁気モーメントを持つので磁気相互作用と関わる内部転換も起きるはずです。

 

さらに,γ線エネルギーが電子2個の質量を超えると内部電子対生成という現象も生じて,その効果がγ線放射を卓越するようになります。

 

最後に本題のメスバウアー効果です。

原子や分子による光の共鳴吸収現象についてはよく知られていますが,同じ"光=電磁波"でもγ線の原子核による共鳴吸収は通常は不可能です。

すなわち,初め静止していた1個の自由な原子核からのγ線放射を考えます。 

放射されるγ線量子のエネルギーをhcωとすると,運動量の保存により放射の際,この原子核は大きさがp=hcω/cの運動量の反跳(recoil)を受けるはずです。

 

この反跳運動のエネルギーをERとすると,ER=p2/(2AM)=(hcω)2/(2AMc2)です。

そこで,遷移する原子核のエネルギー準位の差をΔE≡Ef-Eiとするとhcω=ΔE-ERであって,厳密にはhcωとΔE=Ef-Eiは等しい値ではなくて,大きさERの誤差が有ります。

 

また,逆に基底状態の核がγ線を吸収して同じ励起準位になるときにはエネルギー保存はhcω=ΔE+ERを意味します。

例えば,励起核:57e*を考えると半減期はT=9.8×10-8secです。τを平均寿命とすると,1/2=exp(-T/τ),or T=τln2より"崩壊幅(decay width)=エネルギー準位のゆらぎ(fluctuation)"Γは不確定性原理:τΓ~hcにより,Γ=hc/τ=hcln2/T=4.7×10-9eVです。

57e*においては,放射γ線のエネルギーがhcω=14.4keVならER=(hcω)2/(2AMc2)~ 2×10-3eVです。

 

故に,この場合はエネルギー準位の不確定性ΓがERよりもはるかに小さいです。これはhcω=14.4keVのように"高エネルギーの電磁波=γ線"の特徴です。

したがって,Γ=4.7×10-9eV<2ER=4×10-3eVにより,励起核:57Fe*から放出された14.4keVのγ線を安定した基底状態の57Fe核に照射して再び57Fe*に励起するという共鳴吸収過程は不可能なはずです。

しかし,これは気体分子を構成する場合のように原子核がほぼ自由の場合です。

 

もしも,核が固体の格子を構成するような場合なら,非常に強いバネのような束縛力が存在して剛体近似が可能となり,反跳エネルギーはER=(hcω)2/(2NAMc2)と評価されます。ただし,Nは結晶中の原子数という巨大な数です。

 

例えば1辺が10μm=10-5mの立方体結晶で原子間距離が1Å=10-8m程度ならN~ 1015ですから,2ER~ 4×10-18eVとなります。

 

この2ERはエネルギーの曖昧さ:Γ=4.7×10-9eVよりもはるかに小さいため,57Feを再び57Fe*に励起する共鳴吸収が可能となります。

(※光の自由電子によるコンプトン散乱と束縛電子によるトムソン散乱の違いのようなものですね。)

実際の固体では,核は格子点のまわりに束縛されて振動しています。

 

固体のデバイ温度(Deby temperature)をΘDとすると,格子振動(フォノン:phonon)の最高振動数はωD≡kBΘD/hcです。

 

Rが限界値:hcωD=kBΘDを超えると"反跳無し(non-recoiling)"に相当する共鳴吸収は起こらないと考えられます。

そこで,"反跳無し"で共鳴吸収が起こる確率をPとすると,PはER/(hcωD)=ER/(kBΘD)が小さいほど増大すると予想されます。

また,温度Tが低いほど熱振動は小さいため,"反跳無し"の剛体に近くなるはずなので,温度Tが低いほどPは増大するはずです。

実際に量子力学的計算を実行すると,P=exp[-3ER/(2kBΘD){1+4(T/ΘD)20ΘD/Txdx/(exp(x)-1)}=exp[-3ER/(2kBΘD){1+(2/3)(πT/ΘD)2}](T<<ΘD)です。

このような"反跳無し"γ線の放出,吸収の現象は1958年にメスバウアー(Mössbauer)によって発見されたため,メスバウアー効果(Mössbauer effect)と呼ばれています。 

このメスバウアー効果を利用すると,きわめて高い精度でエネルギーの値を測定できます。

 

先の57Fe*の場合には,Γ/E=4.7×10-9eV/14.4keV~10-13ですから,γ線のエネルギーEの相対誤差ΔE/Eは精度10-13で測定されます。

このエネルギー測定は,共鳴エネルギーの前後にエネルギーをずらして共鳴吸収のγ線の連続的エネルギーに対する吸収カウントをプロットする共鳴曲線を描くことでなされます。

 

これには,光のドプラー効果(Doppler effect)を利用します。 

γ線源が速さvで動いているとき,その方向に出たγ線の振動数ωe(v)はドプラー効果によってωe(v)=ωe(0)(1+v/c)となるため,速さvと共にそのエネルギーは(v/c)hcωe(0)だけ増加します。

そこで,vをゼロから正または負の向きに連続的に変えていけば単色のγ線源から共鳴エネルギーの前後にエネルギーを連続的にずらすことができます。 

γ線源として,ステンレススチール(常磁性体)の57Fe*を用いれば,この物質では,57Feは平均して核外電子から磁場を受けないので,1/2-基底状態:57Feから3/2-励起状態:57Fe*はそれぞれ縮退しています。 

一方,吸収体には金属鉄を用いると,これは強磁性体なので核の位置に核外電子スピンによる磁場が存在するため,57Feの基底状態と14.4keVの励起状態57Fe*は共にゼーマン効果(=磁場によるエネルギー準位の分裂)を起こします。

 

(2008年4/5,4/9の記事「磁場の中の原子(ゼーマン効果)(1)」,「磁場の中の原子(ゼーマン効果)(2)」参照)

1/2-から3/2-へのM1転移(γ線吸収)における磁気量子数の変化は,ΔM=i-Mfm=0,±1ですから,1/2-基底状態:57Feのゼーマン分裂したMi±1/2から3/2-励起状態:57Fe*のゼーマン分裂したMf±3/2への6本の転移(γ線吸収)が観測されるはずです。

実際,縦軸にγ線吸収のカウント,横軸にドプラー連続エネルギー(v/c)hcωeの吸収曲線をプロットすると,上記に対応する6つの吸収ピークが見られます。

 

これらの相対位置から,ゼーマン分岐のエネルギー:ΔEg(基底状態),およびΔEe(励起状態)を求めることができます。

一方,基底状態と励起状態の磁気モーメントのg因子をgg,geとすればΔEg=ggμsH,ΔEe=geμsHですから,上記の共鳴吸収曲線の観測結果から得られるΔEg,ΔEeの比からgg,geの比がわかります。

さらに基底準位のg値であるgは別の方法でわかるので,これから励起準位のg値:ge,および磁場の強さHがわかります。(つづく)

参考文献:八木浩輔 著「原子核と放射」(朝倉書店),八木浩輔 著「原子核物理学」(朝倉書店)

 

PS:ここは掲示板ではなく個人的ブログであり,しかも反応が小さくて指摘のしがいがないという私の性格もありますが,ミスプリや,文章や式の単純ミスがあっても,ほとんど重箱の隅的コメントはないようです。

 

 そこで,ときどき自主的に読み返してメンテナンスをするという自浄作用?を発揮しています。

  

 書き始めた当初の頃はそうしたコメントも結構あって,私は別にイヤじゃないのですがネ。。 

  

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2010年5月12日 (水)

散乱の伝播関数の理論(4)(Schiff-1)

 散乱の伝播関数の理論の続きです。

 

 今回はL.I.schiff(シッフ)著,(井上 健 訳)「量子力学(下)」

 衝突の理論における近似法の散乱行列の項より引用紹介します。

 

 換算質量μを持つ2個の粒子の相対運動を記述するHamiltonian

 をとすると,この2体問題の完全なSchrödinger方程式

 =波動方程式(運動方程式)"は,次のようになります。

  

 ihc∂ψ(,t)/∂t=ψ(,t)=[0+V(,t)]ψ(,t)

 です。

 

 ただし,0は自由粒子のHamiltonianであり,

 0≡{-hc2/(2μ)}∇2です。そして,c≡h/(2π)で

 hはPlanck定数です。

 

波動方程式は,ψについて線型な微分方程式なので,その解は

重ね合わせで表わすことができます。

 

そこで,異なる時刻の波動関数ψ同士の関係も線型になっている

はずです。

 

これは次のようにして示されます。

 

定常状態のSchrödinger方程式:u()=Eu()の解:

エネルギーEの固有関数をu()=uE()とします。

 

そして,固有関数族:{uE()}は直交規格化されているとします。

つまり,∫uE*()uE'()ψ(,t)d3=δEE'です。

 

このとき,時間を含む完全な波動方程式:ihc∂ψ(,t)/∂t

ψ(,t)の任意の解:ψ(,t)は,

 

ψ(,t)=ΣEE(t)uE();AE(t)=∫uE*()ψ(,t)d3

とuE()で展開できます。

 

そして,AE(t)=AE(t0)exp{-iE(t-t0)/hc} です。

 

 ψ(,t)=ΣEE(t)uE()に

 AE(t)=∫uE*(0)exp{-iE(t-t0)/hc}ψ(0,t0)d30

 代入すると,

 

 ψ(,t)

=∫[ΣEE*(0)uE()exp{-iE(t-t0)/hc}]ψ(0,t0)d30

を得ます。

 

したがって,波動関数ψは,

ψ(,t)=i∫G(,t;0,t0)ψ(0,t0)d30

なる形の斉次積分方程式を満たします。 

 

(※ここでは,便宜上,離散表記していますが,デルタ関数を用いた

連続表記定式化をも包摂しています。)

 

この積分方程式が波動方程式:ihc∂ψ(,t)/∂t=ψ(,t)

の積分である場合,

 

上記の関数:G(,t;0,t0)を,Hamiltonianに対応する

Green関数といいます。

 

 ψ(,t)=i∫G(,t;0,t0)ψ(0,t0)d30なる表現は,

 ψの時間について前向き(t>t0)の伝播と後向き(t<t0)の

 伝播を区別していません。

 

 しかし,これらの伝播をはっきり区別しておくと都合のいい場合が

 多いので,前向き伝播に対するGをG+と書いて遅延Green関数

 (retarded Green's function)と呼び次式で定義します。

 

 

すなわち,G(+)(,t;0,t0)=G(,t;0,t0)(t>t0),

(+)(,t;0,t0)=0 (t<t0)と定義します。

 

そして,(※非相対論的量子論では)これを伝播関数(propagator:

プロパゲータ)と呼びます。

 

これはHeavisideの階段関数θ(τ)を用いると,

(+)(,t;0,t0)≡θ(t-t0)G(,t;0,t0)

と表現されます。

 

そして,ψ(,t)=i∫G(,t;0,t0)ψ(0,t0)d30

遅延Green関数によって,

θ(t-t0)ψ(,t)=i∫G(+)(,t;0,t0)ψ(0,t0)d30

と表現できます。

 

同様に,時間について後向き伝播の先進Green関数

(advanced Green's function)をG(-)と書いて定義します。

 

すなわち,G(-)(,t;0,t0)=-G(,t;0,t0)(t<t0),

(-)(,t;0,t0)=0 (t>t0)です。

 

これから,G(-)(,t;0,t0)≡-θ(t0-t)G(,t;0,t0),

 

または,

θ(t0-t)ψ(,t)=-i∫G(-)(,t;0,t0)ψ(0,t0)d30

なる表現を得ます。

 

そこで,t>t1>t0のときには,

(+)(,t;0,t0)

=i∫G(+)(,t;1,t1)G(+)(1,t1;0,t0)d31

が成立します。

 

同様にt<t1<t0のときには,

(-)(,t;0,t0)

=-i∫G(-)(,t;1,t1)G(-)(1,t1;0,t0)d31です。

 

一方,t0→tの極限で成立する式:

ψ(,t)=±i∫G(±)(,t;0,t)ψ(0,t)d30から,

超関数的積分核(kernel)の意味で,

±iG(±)(,t;0,t)=δ3(0)です。(複号同順)

 

故に,t>t1では,

δ3(0)=i∫G(+)(,t;1,t1)G(-)(1,t1;0,t)d31,

 

t<t1では,

δ3(0)=i∫G(-)(,t;1,t1)G(+)(1,t1;0,t)d31

が成立します。

 

特に,0={-hc2/(2μ)}∇2の自由粒子の場合のGreen関数を,

G=G0と書くと,これは容易に陽な形に表現できて,

 

0(,t;0,t0)

=i[μ/{2πihc(t-t0)}]3/2exp[iμ|0|2/{2hc(t-t0)}]

と表わせます。

 

 ※[注]:(証明):先の表現:

 ψ(,t)=∫[ΣEE*(0)uE()exp{-iE(t-t0)/hc}]

 ψ(0,t0)d30が有効な場合には,明らかに,

 G(,t;0,t)

 =(-i)ΣEE*(0)uE()exp{-iE(t-t0)/hc} です。

 

 

しかし,0={-hc2/(2μ)}∇2の自由粒子のときには,

E()=(2πhc)-3/2exp(ipr/hc)で,E=2/(2μ)は縮退して

おりエネルギー固有値が連続の場合ですから修正が必要です。

 

そこで,固有値がの運動量固有関数up()を,

p()≡(2πhc)-3/2exp(ipr/hc)で定義し,ψ(,t)を

ψ(,t)=∫d3p(t)up()のようにup()で積分

展開します。

 

運動量の連続固有値に対する直交規格化条件:

∫up*()up'()d3=δ3(')によれば,係数は

p(t)=∫up*()ψ(,t)d3で与えられます。

 

p()は固有値がE=2/( 2μ)の"エネルギー固有関数

=定常状態の波動関数"でもありますから,

p(t)=Ap(t0)exp{-ip2(t-t0)/( 2μhc)} です。

 

よって,ψ(,t)

=∫[∫d3p*(0)up()exp{-ip2(t-t0)/( 2μhc)}]

ψ(0,t0)d30 を得ます。

 

したがって,自由粒子の場合のGreen関数は,G0(,t;0,t0)

=(-i)∫d3p*(0)up()exp{-ip2(t-t0)/( 2μhc)}

=(-i)(2πhc)-3∫d3exp{i(0)/hc}

×exp{-ip2(t-t0)/( 2μhc)} と表現されます。

 

∫d3exp{i(0)/hc}exp{-ip2(t-t0)/( 2μhc)}

=2π∫-11d(cosθ)∫0dpp2exp{ip|0|cosθ/hc}

exp{-ip2(t-t0)/( 2μhc)}

 

=2πhc|0|-10dpp[exp{-ip2(t-t0)/( 2μhc)

+ip|0|/hc}-exp{-ip2(t-t0)/( 2μhc)

-ip|0|/hc}] です。

 

さらに,p2(t-t0)/( 2μhc)±p|0|/hc

=(t-t0)/( 2μhc){p±μ|0|/(t-t0)}2

-μ|0|2/{2hc(t-t0)} なので,

 

0dpp[exp{-ip2(t-t0)/( 2μhc)+ip|0|/hc}

=exp[iμ|0|2/{2hc(t-t0)}]0dp

exp[-i(t-t0)/( 2μhc){p-μ|0|/(t-t0)}2]

,

 

=∫0dpp[exp{-ip2(t-t0)/( 2μhc)-ip|0|/hc}

=exp[iμ|0|2/{2hc(t-t0)}]

0exp[-i(t-t0)/( 2μhc){p+μ|0|/(t-t0)}2]

pdp となります。

 

 

結局,G0(,t;0,t0)=(-i)(2πhc)-2|0|-1

0dpp[exp{-ip2(t-t0)/(2μhc)+ip|0|/hc}

-exp{-ip2(t-t0)/( 2μhc)-ip|0|/hc}]

=(-i)(2πhc)-2|0|-1exp[iμ|0|2/{2hc(t-t0)}]

{2μ|0|/(t-t0)}∫0duexp{-iu2(t-t0)/( 2μhc)}

です。

 

故に, 

0(,t;0,t0)

=(-iμ)(2πhc)-2(t-t0)-1exp[iμ|0|2/{2hc(t-t0)}]

[2πμhc/{i(t-t0)}]1/2

=i[μ/{2πihc(t-t0)}]3/2exp[iμ|0|2/{2hc(t-t0)}]

を得ます。(証明終わり)(注終わり)※

 

 自由粒子のGreen関数G0が得られたので,その遅延Green関数,および

 先進Green関数G0±は,それぞれ, 

 G0(+)(,t;0,t0)=θ(t-t0)G0(,t;0,t0),

 および,0(-)(,t;0,t0)=-θ(t0-t)G0(,t;0,t0)

 で定義できます。

 

特に,上記のG0の陽な形から,

0(+)(,t;0,t0)=G0(-)*(0,t0;,t)

なることがわかります。

 

後述するように,この関係は,0+VのポテンシャルV≠0 が実

の量であるような任意のに対するGに対しても成立します。

 

すなわち,G(+)(,t;0,t0)=G(-)*(0,t0;,t) です。

 

θ(t-t0)ψ(,t)=i∫G(+)(,t;0,t0)ψ(0,t0)d30

反復形式を求めるため,t0とtの間の幾つかのきわめて短い時間

間隔を除けばVの作用は切られているとします。

 

t>tn>..>t1>t0と分割して,Vが作用している時間間隔を,

1からt1+Δt1まで,t2からt2+Δt2まで,..tnから

n+Δtn までとします。

 

i+Δtiからti+1ま(i=1,2,..n)での時間間隔ではVがスイッチ

オフされていて,G(+)でなく自由粒子伝播関数G0(+)が伝播関数の役目

をなすとしていいため,

 

ψ(i+1,ti+1)

=i∫G0(+)(i+1,ti+1,;i,ti+Δti)

×ψ(i,ti+Δti)d3i が成立します。

 

一方,tiから ti+Δtiまでの時間間隔では,

ihc∂ψ(,t)/∂t=ψ(,t)

=[0+V(,t)]ψ(,t) です。

 

Δtiは微小なので,時刻tiのψ(,ti)から時刻ti+Δti

までのψの変化は,

Δψ≡ψ(,ti+Δti)-ψ(,ti)

=-(i/hc)[0+V(,ti)]ψ(,ti)Δti

と表現されます。

 

このうち,-(i/hc)0ψ(,ti)Δtiの部分は,

i∫G0(+)(,ti+Δti ;0,ti)ψ(0,ti)d30