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2010年9月 6日 (月)

散乱の伝播関数の理論(20)(応用6)

私が見習い仕事で勤務している某所は私も含め障がい者の集まり

でもあり,このところの猛暑のせいか,自分の病気や身内の病気で

欠勤する方がかなり出ています。

  

 先週の金曜日には脳梗塞後に職業に付くべき訓練の方が1人おや

 めになりました。

 

 聞けば病気で倒れる前は寿司屋の板前さんだったとのことです。

 

 親分肌の人で人望も厚かったようです。

 

 平らな場所の歩行さえ辛そうなのに,毎日都営白山駅から小石川

 植物園前まで長い坂を上り,その上エレベーターのない3階事務

 所に出勤して1階で仕事をするという環境に絶えられず,足を痛

 めて体調も崩されたようです。

 

 何ヶ月か入院療養をした後,回復したら今度はもっと坂が少なく

 エレベーターもあるバリアフリーな施設に移るかもしれないと

 述べられてました。

 

 言葉をしゃべるのも少し不自由です。

 

 同じ元は寿司屋の板前で脳出血で片半身麻痺になって寿司屋をや

 めましたが,現在は食堂の調理場で仕事をなさっている長身でおだ

 やかな人も,2週間ほど病気不在だったので心配してましたが元気

 に復活なさったようです。

 

(PS:実は本人の病気でなく友人の不幸が原因とのことでした。)

 

 この夏の異常な暑さはエルニーニョの反対のラニーニャのせいだそ

 うですが,地球温暖化といっても局所的でも平均気温が急激に1度

 も上がるわけではなく日本,東京の年間平均気温は毎年横ばいでし

 ょうから,この冬は酷寒になると予想されます。

 

 心臓障害者には困ったものです。

 

 丁度,タイミングよく定価2800円のゴア氏の「不都合な真実」の

 日本語翻訳本が大塚駅前のブックオフで1400円で売られているの

 を見つけ,日曜の30%引きに加え,100円クーポンとTSUTAYAのポイ

 ントカード利用で現金220円で入手できました。

 

 まだ,中を読んでませんが.

 

 地球環境の破壊は焼畑農業や生態系バランスのくずれによる植物

 の減少,雨量の減少などによる草原の砂漠化や産業革命後の機械化

 科学文明etc.人間を含む生命体の活動,

 

 その中でも,科学的活動が原因であるとすることには,私も異存は

 ありません。

 

 しかし,必ずしも二酸化炭素だけを犯人とする現行の主流の考えに

 は,前から疑問を持っています。

 

 現在の科学の発展は医学,薬学の発展をも包摂しています。

 

 疾病,疫病や戦争の減少により,人為的なバース・コントロールを

 しても大きな天敵のない人類は,いたづらに増加してゆきます。

 

 死の商人を太らせると共に人類の繁栄をももたらす,科学の進展

 は快適な生活環境や疫病の撲滅等による寿命の延び,人口の増加

 を招きますが,それが逆に生態系をこわし食糧不足をも招いて自

 らの首を絞めていくというジレンマ的構造をしています。

 

 こうした生命活動の総体,人類の幸福を追求すべき哲学や宗教こそ

 が,やがてくるだろう大きなカタストロフの前兆とも思われので

 事は二酸化炭素の削減程度の恐らくは的はずれの対症療法では済

 まされないと私は感じています。

 

 余談はさておき,散乱の伝播関数の理論の続きです。

 

最後の応用例として,電子-電子散乱,および電子-陽電子散乱の

摂動計算を行ないます。

 

§7.9 Electron-Electron and Electron-Positron Scattering

 (電子-電子散乱,および電子-陽電子散乱)

 

 電子-電子散乱は,かつての記事「散乱の伝播関数の理論(13),

 (14),(15)(応用2)」で述べた電子-陽子散乱とほとんど同じ方法

 で扱うことができます。

 

 しかし,電子-電子散乱では電子の同等性のために生じるもう1つ

 のgraphがあります。

 

 この過程に対する2つのgraphsを下図7.13に示します。

 これらのdiagramsは関連する運動学を定義します。

 

まず,かつての電子-陽子散乱の散乱振幅を再掲すると,

fi=(eep02){m2/(Eif)}1/2{M2/(Epipf)}1/2

{u~(pf,sf)(-iγμ)u(pi,si)}

{u~(Pf,Sf)(-iγμ)u(Pi,Si)}(-i){(pf-pi)2+iε}-1

(2π)4δ4(Pf-Pi+pf-pi) です。

 

ただし,エネルギー・運動量の保存から,pf-pi=Pi-Pf です。

 

 そこで,同じように電子-電子散乱の振幅SfiMを与えると,

 SfiM=(e2202)(E121'E2')-1/2

 [{u~(p1')(-iγμ)u(p1)}{u~(p2')(-iγμ)u(p2)}

 (-i){(p1-p1')2+iε}-1

 -{u~(p1')(-iγμ)u(p2)}{u~(p2')(-iγμ)u(p1)}(-i)

 {(p1-p2')2+iε}-1](2π)4δ4(p1'+p2'-p1-p2)

 と書けます。

 

ただし,便宜上スピン添字:si,sj'etc.は伏せました。

 

(注20^1):Feynman規則に忠実に,頂点(vertex)には因子:

 (-ieγμ)を,光子内線にはその伝播関数(-i)(q2+iε)-1

 を対応させました。

 

実はベクトル粒子である光子の伝播関数は,正しくは,

(-i)(gμν+縦波ゲージ項)/(q2+iε)のテンソル形なのですが,

頂点因子を含めると,(-ieγμ)gμν(-ieγν)

=(-ieγμ)(-ieγμ) となります。

  

そして,qμに比例する縦波項は,ゲージ不変性(=電荷の保存)を

反映して,光子の分極(偏光:spin)εの横波性:εq=0 により消

えて寄与はゼロなので,伝播関数を省略したスカラー形で書きま

した。(注20-1終わり)※

 

 右辺の[ ]の中の"第1項=直接項"と"第2項=交換項

 (exchange term)"の間の相対的な(-)符号は電子の従うFermi統計

 に由来します。

  

 つまり,散乱振幅が2つの終状態電子の交換に対して反対称である

 ことが要求されます。

 

 Fermi統計はまた,初期電子の交換に対する反対称性をも要求します。

 

同様な論旨から,2つのBose粒子を含む状態から,またはBose粒子

状態への散乱振幅はそれらの交換の下で対称です。

 

この後者の性質は前の図7.11に対する電子-陽電子の対消滅過程

の散乱振幅での終状態光子の交換に対して確認されています。

 

さて,電子-電子散乱振幅:

fiM=(e2202)(E121'E2')-1/2

[{u~(p1')(-iγμ)u(p1)}{u~(p2')(-iγμ)u(p2)}(-i)

{(p1-p1')2+iε}-1

-{u~(p1')(-iγμ)u(p2)}{u~(p2')(-iγμ)u(p1)}

(-i){(p1-p2')2+iε}-1](2π)4δ4(p1'+p2'-p1-p2)

には,交換項が入ったときの(1/√2)や1/2のような追加の規格化

因子は導入されていません。

 

これは,fiから微分断面積を作る法則が始状態,または終状態に

同種粒子が存在することによっては変わらないからです。

 

ただ,既に対消滅過程でも述べたように,終状態に同種粒子が存在

するとき,全断面積を得るための積分においては,

σ~=(1/2)∫(dσ~/dΩ)dΩのように1/2因子を含む必要がある

ことには注意を要します。

 

一方,始状態(初期状態)においては同種粒子に対して特別な因子は

現われません。

 

何故なら,入射流束(flux)は粒子が異種か,同種かを問わず不変で

あるからです。

 

電子-電子散乱はこの法則の明確で単純な例になっています。

 

なお,SfiMの右辺の"第2項=交換項"は,移行運動量 or 運動量遷移

(momentum-transfer):(p1'-p1)が小さい前方散乱近傍では無視

できます。

 

この極限では,散乱振幅は正確にCoulomb散乱の振幅に等しくなり

粒子の統計には依存しません。

 

さて,散乱振幅から今まで通りのやり方で偏りのない電子の散乱

に対する微分断面積が得られます。

 

すなわち,慣性中心系(重心系)では,

dσ~=e44/{E4(2β)}∫d31'd32'(2π)-2

δ4(p1'+p2'-p1-p2)(1/4)(16m4)-1[{1/(p1'-p1)2}2

{Tr(1'+m)γμ(1+m)γν}{Tr(2'+m)γμ(2+m)γν}

-(p1'-p1)-2(p2'-p1)-2

{Tr(1'+m)γμ(1+m)γν(2'+m)γμ(2+m)γν}

+(p1'⇔p2'の交換項)] です。

 

Eは慣性中心系での各粒子のエネルギー,βはその速度です。

2つの初期電子の相対速度は2βです。

 

(注20-20):

 2体散乱の慣性中心系(重心系)では,121'+2'=0

 なので,|1|=|2|,|1'|=|2'|です。

 

そして,散乱(衝突)前後のエネルギー保存則より,

1+E2=E1'+E2'であって,しかも粒子は全て電子なので質量

も同じmですから粒子エネルギーは全て同じ値で,

1=E2=E1'=E2'です。

 

そこで,この全て同じのエネルギーをEと書くわけです。

 

また,重心系で全ての粒子に共通な速度の大きさを,

β=|1|=|1|/E1=|2|=|2|/E2とおくと,

12=0 より2=-1なので,|12|=2β

と書けます

 

また,(1/4)Σs1,s2,s1',s2'{u~α(p1')(γμ)αββ(p1)}

{u~γ(p2')(γμ)γδδ(p2)}{u~λ(p2)(γν)λσσ(p2')}

{u~ξ(p1)(γν)ξηη(p1')}

=(1/4)(16m4)-1{(1'+m)ηαμ)αβ(1+m)βξ}(γν)ξη}

{(2'+m)σγμ)γδ(2+m)δλν)λσ}

=(1/4)(16m4)-1{Tr(1'+m)γμ(1+m)γν}

{Tr(2'+m)γμ(2+m)γν},  

 

(1/4)Σs1,s2,s1',s2'{u~α(p1')(γμ)αββ(p1)}

{u~γ(p2')(γμ)γδδ(p2)}{u~λ(p1)(γν)λσσ(p2')}

{u~ξ(p2)(γν)ξηη(p1')}

=(1/4)(16m4)-1{(1'+m)ηαμ)αβ(1+m)βλν)λσ

(2'+m)σγμ)γδ(2+m)δξν)ξη}

=(1/4)(16m4)-1

{Tr(1'+m)γμ(1+m)γν(2'+m)γμ(2+m)γν}

 

です。(注20-2終わり)※

 

 相対論的エネルギーでは,この2βは光速の2倍の値に近づきます

 が,特殊相対性理論と矛盾するものではありません。

 

 事実,1つの電子の速度を他の電子から見るなら決して光速は超え

 ません。

  

(※相対論では有り勝ちな光速度不変に対する誤解の1つですね。) 

  

そして,(p1'⇔p2'の交換項)は,dσ~における右辺最初の2項で

1'とp2'を交換して得られる2つの付加項の存在を示しています。

 

 直接散乱と交換散乱の双方において出現する干渉項は唯1つの長い

 トレース因子を含みます。

 

微分断面積に寄与する行列要素の平方(ノルムの2乗)を表示する

図形的方法は,2つのループと2つのトレース項因子を持つ直接項

と,1つのトレース因子のみ持つ干渉項の違いを明示します。

(図7.14:Pending)

 

これらのdiagramsは,添字μ,νの順序を保持しつつスピノ-ル因子

を直線的に求めるときには便利です。

 

ライン上の白丸は分母因子:(p2-m2)-1が現われないことを注意す

るものです。

 

以下,「散乱の伝播関数の理論(11)(応用1-1)」で与えたγ行列に関

する定理を用いて具体的にトレース因子を評価します。

 

特に,干渉項の8個のγ行列の積のトレースの計算における縮約には

[性質6]:(ⅰ)γμγμ=4・1,(ⅱ)γμγμ=-2,

(ⅲ)γμabγμ=4ab,(ⅳ)γμabcγμ=-2cba,

(ⅴ)γμabcdγμ=2(dabccbad)

が非常に有用です。

 

r(1'+m)γμ(1+m)γν(2'+m)γμ(2+m)γν

おいて,例えば相対論的エネルギーE>>mを想定してm2に比例

する項を無視すれば,奇数個のγ行列の積のトレースへの寄与は

ゼロなので,これはTr(1μ1γν2μ2γν)となります。

 

そして[性質6]の(ⅳ)から,γν2μ2γν=-22γμ2'

なので,Tr(1μ1γν2μ2γν)

=-2Tr(1μ12γμ2') です。

 

さらに,(ⅲ)よりγμ12γμ=4p12なので,結局,

Tr(1μ1γν2μ2γν)=-8p12Tr(1'2')

=-32(p12)(p1'p2') を得ます。

 

(注20-2):実際に正しくは,

 Tr(1'+m)γμ(1+m)γν(2'+m)γμ(2+m)γν

 =-32(p12)(p1'p2')+m2{Tr(γμγν2μ2γν)

 +Tr(γμ1γνγμ2γν)+Tr(γμ1γν2μγν)

 +Tr(1μγνγμ2γν)+Tr(1μγν2μγν)

 +Tr(1μ1γνγμγν)}+m4Tr(γμγνγμγν)

 です。

 

そして,Tr(γμγν2μ2γν)+Tr(γμ1γνγμ2γν)

+Tr(γμ1γν2μγν)+Tr(1μγνγμ2γν)

+Tr(1’γμγν2μγν)+Tr(1μ1γνγμγν)

=-2Tr(γμ2γμ2')+4p2μTr(γμ1)

+4p2'μTr(γμ1)+4p2μTr(1μ)+4p2'μTr(1μ)

-2Tr(1μ1γμ) です。

 

よって,これは16{(p22')+(p12)+(p12')+(p1'p2)

+(p1'p2')+(p1'p1)}

=16{(p12)+(p1'p2')+(p1+p2)(p1'+p2')}

です。

 

ところがp1+p2=p1'+p2',それ故p12=p1'p2'ですから,

さらに,16{2(p12)+(p1+p2)2}=32{2(p12)+m2}

に帰します。

 

 また,Tr(γμγνγμγν)=-2Tr(γνγν)=―32 です。

 

 以上から,

 Tr(1'+m)γμ(1+m)γν(2'+m)γμ(2+m)γν

 =-32{(p12)2-2m2(p12)-m4+m4}

 =-32(p12)(p12-2m2) を得ます。

 

 一方,[性質4]:Tr(1..n)

 =a12Tr(3..n)-a13Tr(24..n)+..

 +a1nTr(2..n-1),

 

 特にTr(1234)

 =4(a1234+a1423-a1324)より,

 Tr(1'+m)γμ(1+m)γν

 =4{p1'μ+p1'ν-gμν(p11'-m2)}

 です。

 

同様に,Tr(2'+m)γμ(2+m)γν

=4{p2'μ2ν+p2'ν2μ-gμν(p22'-m2)}ですから,

結局,

{Tr(1'+m)γμ(1+m)γν}{Tr(2'+m)γμ(2+m)γν}

=16{p1'μ+p1'ν-gμν(p11'-m2)}

{p2'μ2ν+p2'ν2μ-gμν(p22'-m2)}

です。

 

したがって,

{Tr(1'+m)γμ(1+m)γν}{Tr(2'+m)γμ(2+m)γν}

=16[(p1'p2')(p12)+ (p12)(p1'p2')+(p1'p2)(p12')

+(p12')(p1'p2)-(p11'-m2)

{(p22')+(p2'p2)}-(p22'-m2){(p11')+(p1'p1)}

+4(p11'-m2)(p22'-m2)] です。

 

ところが,保存則:p1+p2=p1'+p2'によって,

12=p1'p2',p12'=p1'p2,p11'=p22'ですから,

結局,

{Tr(1'+m)γμ(1+m)γν}{Tr(2'+m)γμ(2+m)γν}

=32{(p12)2+(p12')2-2m2(p11'-m2)}

を得ます。

 

(注20-3終わり)※

 

(注20-4):以上から,

 dσ~=e44/{E4(2β)}∫d31'd32'(2π)-2

 δ4(p1'+p2'-p1-p2)(1/4)(16m4)-1[{1/(p1'-p1)2}2

 {Tr(1'+m)γμ(1+m)γν}{Tr(2'+m)γμ(2+m)γν}

 -(p1'-p1)-2(p2'-p1)-2

 {Tr(1'+m)γμ(1+m)γν(2'+m)γμ(2+m)γν}

 +(p1'⇔p2'の交換項)]

 は次のように書けます。

 

dσ~=e44/{E4(2β)}(1/2)∫d31'd32'(2π)-2

δ4(p1'+p2'-p1-p2)[{1/(p1'-p1)2}2

{(p12)2+(p12')2-2m2(p11'-m2)}

+(p1'-p1)-2(p2'-p1)-2(p12)(p12-2m2)

+{1/(p2'-p1)2}2{(p12)2+(p11')2-2m2(p12'-m2)}

+(p2'-p1)-2(p1'-p1)-2(p12)(p12-2m2)]

です。

 

 ここで,慣性中心系では,p12=E22,p11'

 =E22cosθ=p22',p12'=E21(-1')cosθ

 =E22cosθ=p1'p2,(p1'-p1)2=2m2-2p11'

 =2(m2-E22cosθ)=-22(1-cosθ),(p2'-p1)2

 =2m2-2p12'=2(m2-E22cosθ)=-22(1+cosθ)

 です。

 

 ただし,1=-2 です。

 

 故に,dσ~の右辺[ ]の中:

 {1/(p1'-p1)2}2{(p12)2+(p12')2-2m2(p11'-m2)}

 +(p1'-p1)-2(p2'-p1)-2(p12)(p12-2m2)

 +{1/(p2'-p1)2}2{(p12)2+(p11')2-2m2(p12'-m2)}

 +(p2'-p1)-2(p1'-p1)-2(p12)(p12-2m2)

 は次のように書けます。

 

[ ]=(1/4)p-4

[{(E2+p2)2+(E2+p2cosθ)2-2m22(1-cosθ)}/(1-cosθ)2

+{(E2+p2)2+(E2-p2cosθ)2-2m22(1+cosθ)}/(1+cosθ)2

+2(1-cosθ)-1(1+cosθ)-1(E2+p2)(E2+p2-2m2)/{(1-cosθ)

(1+cosθ)}]=..(中略)

 

=(1/2)p-4[4(E2+p2)2/sin4θ-3(E2+p2)2/sin2θ

+p4(1+4/sin4θ)] です。

 

ただし,p≡|| としました。

 

 p1'≡|1'|と置くと,β=p/E=p1'/E1'により,

 2p1'=2E1'β となります。

 

故に,∫{d31/(2p1')}{d32/(2E2')}δ4(p1'+p2'-p1-p2)

=(4E2β)-1∫d31/(2Eβ)}{d32/(2E)}

δ4(p1'+p2'-p1-p2)

=(dΩp1'/2)∫01'dp1'∫d424(p1'+p2'-p1-p2)

δ(p2'2-m2)θ(E2')

 

=(dΩp1'/2)∫01'dp1'δ((p1+p2-p1') 2-m2)

θ(E1+E2-E1')

=(dΩp1/2)∫02EE'dE'δ(4E 2-4EE')

=dΩp1'/8です。。

 

(注20-4終わり)※

 

したがって,微分断面積として,

(dσ~/dΩ)M={α2/(4E2)}{(E2+p2)/p2}2

[4/sin4θ-3/sin3θ+{p2/(E2+p2)}2(1+4/sin4θ)]

が得られました。

 

特に,E>>mでp~Eの高エネルギー極限では,

(dσ~/dΩ)M ~ {α2/(4E2)}(3+cos2θ)2/sin4θ

となります。

  

dσ~/dΩ

={α2/(8E2)}[{1+cos4(θ/2)}/sin4(θ/2)

+2/{sin2(θ/2)cos2(θ/2)}+{1+sin4(θ/2)}/cos4(θ/2)]

とも書けます。

 

これはm2が無視できるときのみ正しい式です。

 

これらはメラー(Möller)の公式と呼ばれています。

 

参考文献:J.D.Bjorken & S.D.Drell "Relativistic Quantum Mechanics"(McGraw-Hill)

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111. 量子論」カテゴリの記事

コメント

ロートレアモンの両性具有の話しには私も深い感銘を受け、その一節を作品(平面に浴槽などをつくるときの素材FRPを流し込んだもの)に埋め込んだことがあります。
さて、私は新しい作品にとりかかろうとしていますが、実はかきたいものが何もありません。私には理解できないもの、意味のないものしかかくことができません。
例えばリーマン予想のような美しく秘密めいた数式・・・
数学のことはまったくわかりません。そこで美しい数式をいっぱい見つけることができるサイトがあれば教えていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

投稿: muz | 2010年10月10日 (日) 19時55分

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