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2011年2月

2011年2月28日 (月)

線型代数のエッセンス(11)(ユニタリ空間-2)

 線型代数のエッセンスの§4.ユニタリ空間の続きです。

[定義4-21](同型写像):2つのユニタリ空間1が線型空間として同型であり,その同型写像において,"スカラー積=ユニタリ内積"が保存されるとき,ユニタリ空間1は同型であるという。

[定理4-22]:2つのユニタリ空間1が同型 ⇔ dim=dim1

(証明)十分性(1が同型ならdim=dim1)は明らかです。.

必要性を示すため,dim=dim1=nと仮定します。

そして,および1の正規直交座標系をそれぞれ(1,2,..,n),および('1,'2,..,'n)と選びます。

'∈1は,ここで選んだ座標系に対して座標が同一であるとき,'が対応するということにします。

 

このとき,この対応は1対1であって,加法と乗法(スカラー倍)が保存されることは既に示しました。

また,の任意の2つのベクトルを=α11+α22+..+αnn,=β11+β22+..+βnnとすると,これらに対応する1のベクトルは'=α1'1+α2'2+..+αn'n,'=β1'1+β2'2+..+βn'nです。

このとき,明らかに(,)=Σj=1nαjβj*=(',')が成立しますから,ユニタリ内積も保存されることがわかります。(証明終わり)

[定義4-23](集合の直交性):ユニタリ空間の集合において,∀と∀が直交する:(,)=0 のとき,は直交するといいと書く。

 また,あるが∀と直交する:"(,)=0 for ∀"のとき,は直交するといいと書く

[定理4-24]:なら={0}である。

(証明)なら(,)=0 なので0 です。(証明終わり)

[定義4-25]:ユニタリ空間の線型部分空間の和:12+..+s={12+..+s|11,22,..,ss}において,jk(j≠k)なら,この和を直交和(orthogonal sum)という。

[定理4-26]:ユニタリ空間の部分空間の直交和は常に直和である。

(証明)12+..+sとし直交和であるとします。

 

 そして,12+..+s0;11,22,..,ssとします。

 両辺にjを掛けてユニタリ内積をとると,(j,j)=0 となるためj0 (j=1,2,..,s)です。

  

 したがって,jk={0}(j≠k)ですから12+..+sが直和(direct sum)であることがわかります。(証明終わり)

[定理4-26]:ユニタリ空間の部分空間12+..+sが直交和で12+..+s;11,22,..,ss,かつ12+..+s0;11,22,..,ssなら,(,)=(1,1)+(2,2)+..+(s,s)である。

(↑自明なので証明略)

[定義4-27]:ユニタリ空間の空でない部分集合と直交するベクトルの全体をの直交補空間(orthogonal complement)といいで表わす。≡{|}である。

[定理4-28]:ユニタリ空間の任意の空でない線型部分空間の直交補空間の線型部分空間である。

(証明),,α,β∈に対し(α+β,)=α(,)+β(,)=0 よりα+βですから,の線型部分空間です。(証明終わり)

[定理4-29]:ユニタリ空間はその任意の部分空間とその直交補空間の直和としてと表わせる。

(証明)n=dim,m=dim,s=dim(としての正規直交基を1,2,..,m,の正規直交基をm+1,m+2,..,sとします。

1,2,..,m,m+1,m+2,..,sの基底ではないと仮定すると,(,)=1,(,j)=0 (j=1,2,..,s)を満たすが存在します。

このは明らかにに直交しますから,であり,しかもゼロではないのでm+1,m+2,..,の全てと直交することは不可能ですから,矛盾を生じます。

よって,系1,2,..,m,m+1,m+2,..,sの基底であり,s=nでです。(証明終わり)

(別証明)の正規直交基を1,2,..,mとするとき,任意のに対して’≡-{(,1)1+(,2)2+..+(,m)m}と置けば,任意のについて(',)=(,)-{(,1)(,1)+(,2)(,2)+..+(,m)(,m)}=0 です。

 何故なら,=(,1)1+(,2)2+..+(,m)mなので(,)=(,1)(,1)+(,2)(,2)+..+(,m)(,m)であるからです。

故に,'∈であり∀が常に=(a-a')+';a-a'∈,'∈の形に書けるのでです。(証明終わり)

[定理4-29の系]:()である。(←自明)

[定義4-30]:ユニタリ空間がその部分空間と直交補空間の直和としてと表わされるとする。

;,と一意的に分解されるが,このへの射影(projection),への射影という。

;,のとき=Pr^,=Pr^と表わす。Pr^(またはPr^)を射影変換,または作用素として射影演算子(projection operator)という。

[定理4-31]:Pr^はにおける1次変換であり,Pr^である。特にPrL^=E^(恒等変換)である。 (←自明)

[定理4-31の系]:ユニタリ空間の2つのベクトルの和の部分空間への射影はそれぞれの射影の和に等しく,ベクトルと数の積の射影はベクトルの射影と数の積に等しい。

すなわち,のとき,∀,,∀α∈に対してPr^()=Pr^+Pr^,Pr^(α)=αPr^である。

(↑自明)

短かいですが今日はここまでにします。 

参考文献:ア・イ・マリツェフ(柴岡康光訳)「線型代数学」(東京図書)

 

PS:エリカ様,ちょっとイメージ変わったかな?変わらなくていいのに,様がとれたらツマンナイ。。。

 

 京大の入試,私も現役,浪人と理学部を2回受けて2回とも落ちたのでちょっと懐かしいですネ。

 

 安田講堂事件で東大入試中止の年の2回目(1969年3月)は,京大も封鎖中だったので受験会場は京都工繊大でしたが,現役(1968年3月)のときは学部は覚えてないけど確か京大構内で試験を受けました。

 

 私も数学の試験でカンニング,といっても机の右端に座っててそれとなく右隣の離れた席の解答が見えたので1問だけ答合わせをして,ほぼ同じだったので安心した,という記憶があります。

 

 当時は,今と違ってまだ両目とも視力が2.0でしたからね。(母子家庭で貧乏だったので私立は受けてません。。)

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染井霊園付近を散歩

 昨日15時半頃,陽気がいいので,花見にはちょっと気が早いのですが巣鴨駅から西友を回ってヤッチャバ(青果市場)の方に歩いてゆき駒込五丁目から染井霊園に入ってみました。やはり広いですね。

 二葉亭四迷の墓を探してうろうろしてるうち出口を間違えて迷子になりました。長谷川家というのがそれですかね。

 私はかなり方向音痴で,その朝もいつもと違う休日時間のためバスに乗り遅れて,職場に徒歩で向かいましたが30分くらいで着くはずなのに1時間も迷って5分遅刻して出勤しました。

 結局駒込7丁目の水泳の北島康介選手が通ってたというスイミングスクールの方に出てそれから西ヶ原1丁目の染井銀座という商店街に出て,およそ2時間も迷った末に西ヶ原3丁目からずっと歩いて都電の滝野川1丁目駅で都電に乗り巣鴨地蔵通りの庚申塚に帰りついたのは18時頃でした。

 道すがら,撮った順に写真を載せておきます。

 まず,最初の写真はちょうど解析力学応用の平衡点付近の振動について読み返している「一般力学(岩波書店)」著者の山内恭彦先生のお墓です。↓        

   ↓次はまだ咲く前の桜などをチラッと。。。」  

     

  ↓以前,巣鴨1丁目のお店(妃鶴?)で,ときどき隣の席でカラオケなどをご一緒していた方がおられるはずの喫茶店に偶然出会いました。

     

    ↓歩いてると染井銀座商店街に出ました。 

     

  ↓西ヶ原1丁目61の通りです。。。

 ここに,滝野川一丁目駅への矢印があったので,左方に真っ直ぐ進みました。

      

     ↓上記の地点を別角度でやや拡大した形でもう1枚

    

   ↓やっと着いた滝野川一丁目駅の早稲田方面行きホームです。  

   

   

 最後は待ってる間に私の乗る早稲田行きの反対側の三ノ輪橋行きの都電が来たので撮ったものです。↑ 

 ああ疲れました。。

 出勤の往復にプラス上記散歩,そして迷子の後に帰宅,仮眠後に夜9時過ぎからは毎週日曜日の日課で巣鴨1丁目に飲みに行って夜2時前に帰宅就寝までのうち,昨日夜12時までの2/27分の歩数履歴は21674歩でした。

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2011年2月26日 (土)

何気ない日常??(ブラックジョーク)

 職場で何気なく作業をしてジョークを言ってるけれど,向かいや隣にいる同僚が一瞬笑いかけたまま息がつまって苦しがったりするので,冗談も控えなければと思うときがあります。

 昨日の土曜日午前中には,何でもない暖房の効いた作業室で急に一人の同僚が寒くてふるえだし,彼の周りだけ電気ストーブを用意したり毛布を掛けたりしていたとき,それとなく彼の病気のことを聞き出しました。

 彼は年齢は私より一回り下ですが,普通に服を着て座っている状態の見掛けではわかりませんが,これまでに手術を20回近くも繰り返して大腸はもう全部無く小腸も1mくらいしか無いそうです。

 透析はしてないので小水は出るそうですが,野菜水分や油が多い昼の献立の肉野菜炒めのような食事は苦手なようです。

 老廃物を集めて捨てる透析の逆で,滋養や必要酵素を吸収する消化器機能がないので血液中に栄養を送り込む液体を流す装置が着いてるサイボーグのような状態らしいのです。

 急に寒く感じたのは風邪のように熱があって気温に比べ普段より体温が高くなったからでなく,血液を含む体温が低くなったという理由らしいのです。

 私が「そんな状態なら自宅で静養してればいいのに。」と言ったら,「イヤそれじゃお金が無くて生きていけない。」と彼が真顔で言うので,この国の社会保障はそういうことも許されないほど進んでないはずがないと思い,それは表情も変えずよく言う彼特有の冗談かな?と思いましたが本当でしょうか?

 実際,彼が言うには家には要介護の父親がいて外からヘルパーさんが見えるとき以外は彼が介護しているような状態であり,自分も入院手術を繰り返した結果現在の維持装置を着ける前には引きこもりの状態でしたが,現在は液体を流す装置のおかげで元気が有りすぎて外で仕事せざるを得ないと語りました。

 いや,半分笑いながら話してましたが私のほうはむしろ悲しくなりました。

 帰りに小石川植物園から白山まで私と一緒に歩いて帰るとき,上りや下り坂では.心不全の私の方が他の足の不自由な女性や彼などの同僚においていかれるくらい皆元気に見えます。

 しかし,何気ない日常の中でもすぐそばにギリギリの状態で生きてる人たちがいて,私も含めていつ急変して倒れてもオカシクないようです。

 腹上死ではないけど,ジョークのせいで可笑しくて息がつまって笑い死にするのも悪くないというような冗談を言って別れましたが,そういうジョークで笑い飛ばすくらいの精神状態じゃないとやり切れませんね。

 人間いつかは死ぬとしてもネ。

 こういうのが本当のブラックジョークかな?

 何か最近死のことばかり意識しているなあ。。。

 忙しい仕事にでも追われていれば,たとえ死期が明日にせまってても死ぬことなど考える余裕がないかも知れないのにネ。。

 もののあはれ,無常ということ。。死が近いほどなりふりかまわず,金や地位にしがみつく。。。

 「汎死哲学」もまんざらではないなぁ。。私は醜い。。

(5年前,まだ健康だった頃の2006年4/7の記事「朝まで飲んでました。」参照)

 私もトキドキ酒でも食らって人間に戻る必要があるでしょうネ。

 生死を握る外科手術が仕事の医者,看護士でも個人的生活の日常は普通なのでしょうから。。。

PS:帰宅後,疲れて数時間寝てさっき20時頃に目覚めたので,土曜日は昨日と勘違いしましたがまだ今日でしたね。(笑)

 スタッフは土曜や休日の出勤も交代制で,正月以外は年中無休の職場だし一日数時間とはいえ障害者は月給でなく時給で作業しているので,休日などあっても関係はなく2月は28日しかないため明日の日曜日も出勤予定です。

 そういえば私が時給で非常勤講師をやっていた頃にも,8月の夏休みだとそっちから入る収入がゼロなので困ってましたね。

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2011年2月23日 (水)

線型代数のエッセンス(10)(ユニタリ空間-1)

 線型代数のエッセンスの続きです。§4.ユニタリ空間に入ります。

そろそろ別テーマの科学記事も書きたいと思っていますが,これまでの経験から途中で複数のシリ-ズなどを同時進行すると一方に興味が移って半永久的に中断する可能性があるので,もう少しこのテーマだけを続けようと思います。

 

今日は,午後に事務的というかボランティア的用事をするためにお休みを取っています。

 

今,通っているところは無償のボランティアの種がいっぱいある宝の山なので,もしも私が最後の死に場所を探すならもってこいですね。

 

(イヤ,積極的にやるなら例えば今ならニュージーランドまで行って活動するとかもあるけれど,恐らく今の私ではお荷物になるだけです。

 

消極的ですが現在可能なことを精一杯やるだけです。

 

とはいっても,張り切ってヤルぞーとひとりよがりにテンパッテるツモリはありませんが。。何なんだ??

 

なさけは他人のためでなく自分のためなんです。。。)

§4.ユニタリ空間

[定義4-1](ユニタリ内積,ユニタリ空間):線型空間の2つの元,に対して以下の性質を持つ演算(combination)(,)を定義する。

 

 (,)は,(×) → の写像で(,)∈ある。

(ⅰ)(,)=(,)*,(ⅱ)(α,)=α(,),(ⅲ)(,)=(,)+(,),(ⅳ)(,)は非負の実数,

 

(ⅴ)(,)=0 ⇔ =0

 

 ただし,α∈,,,である。

  

 複素数λ∈に対して,λ*はλの複素共役(complex conjugate)を意味する。

 この演算(,)をのスカラー積,またはユニタリ内積(unitary inner-product)といい,ユニタリ内積が定義された線型空間を(複素)ユニタリ空間(unitary space)と呼ぶ。

特に,(,)が常に実数(real)でαも実数の場合には,を実ユニタリ空間と呼ぶ。

[定理4-2](ユニタリ内積の性質Ⅰ):ユニタリ空間の元,,とα,β∈に対して次の性質が成り立つ。

1.(α)=αβ*(,),2.(,)=(,)+(,),

3.(,0)=(0,)=0

(↑自明なので証明略)

[定義4-3]:をユニタリ空間とするとき,∀に対し(,)1/2をベクトルの長さ(length),またはノルム(norm)と呼び,記号|a|で表わす。

[定理4-4](ユニタリ内積の性質Ⅱ):ユニタリ空間の元,,とα,β∈に対して次の性質が成り立つ。

1. |0|=0  2.αa|=|α||a|:|α|はαの絶対値:(αα*)1/2

(↑自明)

[定理4-5](Schwartzの不等式):ユニタリ空間の任意の2つのベクトル,に対して|(,)|≦|a||b|が成立する。この不等式をSchwartzの不等式という。

(証明) ユニタリ内積の定義から∀λ∈に対して(-λ,-λ)≧0 です。それ故,(,)-λ*(,)-λ(,)*+λλ*(,)≧0 です。

 0 の場合,特にλ≡(,)*/(,)とおけばλ*≡(,)/(,)です。

  

 これを上式に代入すると|a|2-|(,)|2/|b|2≧0,すなわち,|(,)|2|a|2|b|2,つまり|(,)|≦|a||b|を得ます。

 また,0 の場合には明らかに|(a,)|=|a||b|=0 です。

 そして,もしもが1次独立なら,∀λ∈に対して-λ0 より(-λ,a-λ)>0 ですから不等号が成立して|(,)|<|a||b|となります。

一方,が1次従属で,ある複素数αに対して=αと書けるなら,|(,)|=|α||(,)|=|a||b|となって等号が成立します。(証明終わり)

[定理4-5の系]:ユニタリ空間の任意の2つのベクトル,に対して不等式:|ab||a||b|が成立する。

(証明)|ab|2=(,)=(,)+(,)+(,)*+(,)=|a|2+2Re(,)+|b|2ですが,Schwartzの不等式よりRe(,)≦|(,)|≦|a||b|なので|b|2|a|2+2|a||b||b|2=(|a||b|)2が成立します。

 

(証明終わり)

[定義4-6]:ユニタリ空間の任意の2つのベクトル,に対して|ab|の間の距離(distance or metric)といい記号ρ(,)で表わす。ρ(,)≡|ab|である

[定理4-7](距離の性質):ユニタリ空間の任意のベクトル,,に対して次の性質が成り立つ。

1.ρ(,)=ρ(,),および,2.ρ(,)+(,)≧ρ(,)(三角不等式)

↑この定理はユニタリ内積,ノルムの性質を距離によって置き換えたに過ぎないので証明は省略します。

[定義4-8]:ユニタリ空間のベクトル,に対して(,)=0 が成立するとき,は直交する(orthogonal)という。

[定理4-9]:ベクトル 0 は∀と直交する。また,逆に∀と直交するのベクトルは 0 のみである。

(証明)定理の前半は明らかです。そして後半もほぼ自明です。

つまり,"∃:(,)=0 for ∀"と仮定すれば,(,)=0 にを代入すると(,)=0 となるため,ユニタリ内積の定義:[定義4-1]の(ⅴ)により0 を得ます。(証明終わり)

[定義4-10](直交系):ユニタリ空間のベクトルの集合:{1,2,..,m}において,異なる全てのj,k(j,k=1,2,..,m)に対し(j,k)=0 が成立するとき,このベクトル系:1,2,..,mをユニタリ空間の直交系という。

[定理4-11]:ユニタリ空間のゼロ(零:0)でないベクトルが作る任意の直交系の元は全て1次独立である。

(証明)1,2,..,mをユニタリ空間のゼロでないベクトルが作る直交系とし,1次関係式:α11+α22+..+αmm=0 (α12,..,αm)を仮定します。

j=1,2,..,mの各々のjについて,jと上式の両辺との内積を取れば,(j11+α22+..+αmm=0 (j=1,2,..,m)です。

そして,k≠jのkとの直交性:(j,k)=0を用いると,結局αj(j,j)=0 (j=1,2,..,m)となりますが,jがゼロでないという仮定から(j,j)≠0 です。

したがってj=0 (j=1,2,..,m)を得ます。(証明終わり)

[定義4-12](直交基):ユニタリ空間の次元がnのとき,n個のゼロでないベクトルのつくる直交系が存在すれば,これはの基底となる。この直交系をの直交基(orthogonal basis)と呼ぶ。

[定理4-13]:任意のユニタリ空間においてゼロでないベクトルのつくる任意の直交系は,これに適当なベクトルを補足して空間における直交基となるようにできる。

 この定理の証明のため,次の補題(Schmidtの直交化法)を示します。

[補題]:(Schmidtの直交化法)

 まず,10 なるベクトル1を適当に選びます。

このとき,(,1)≠0 を満たすが存在すればを用いてベクトル22-{(,1)/(1,1)}1で定義します。

すると,明らかに(2,1)=0 です。

しかし,もしも1に従属,つまり適当な複素数αに対して=α1と書けるなら2=α1-{(α1,1)/(1,1)}10となって2が零ベクトルになってしまいます。

 

そこで,としては1に独立:1に平行でないものを選びます。

こうすると,20 であり,かつ(2,1)=0 ですから,[定理4-11]によって12は1次独立です。

 次に,1,2に独立で(,1)≠0,(,2)≠0 を満たすが存在すれば,を用いてベクトル3を,3-{(,1)/(1,1)}1-{(,2)/(2,2)}2によって定義します。

 こう定義すると(3,1)=0,(3,2)=0 です。こうして3個のベクトルから成る直交系:1,2,3が得られました。

この方法(Schmidtの直交化法)を繰り返して,さらに4,5,..,mと定義してゆき,これ以上は1,2,..,mに独立でどれとも直交しないゼロでないのベクトルが存在し得ないなら,系:1,2,..,mの極大直交系と呼びます。

が有限次元ならこの方法による1次独立なベクトルの創生には限りがありますから,極大直交系が存在することは明らかです。

(定理4-13の証明)n次元ユニタリ空間において直交系1,2,..,mが与えられているとします。

 

 これにのゼロでないベクトルm+1,..,sを適当に補足して1,2,..,sの極大直交系となるようにします。

そして,∀に対してξk≡(,k)/(k,k)(k=1,2,..,s)とおいてベクトル≡ξ11+ξ22+..+ξssをつくります。

このとき,(,k)=ξk(k,k)=(,k),つまり(,k)=0 (k=1,2,..,s)が得られます。

 

故に,1,2,..,sが極大直交系であるという仮定により,0,すなわちです。

 したがって,∀=ξ11+ξ22+..+ξssk≡(,k)/(k,k)(k=1,2,..,s)と常に1,2,..,sの1次結合で表わされるので,1,2,..,sの基底であり,それ故s=nであっての直交基をなします。(証明終わり)

[定義4-14](正規直交系):ユニタリ空間の単位長さ(ノルムが1)のベクトルのみからなる直交系を正規直交系(orthonormal system)という。

 

 特にの基底(base)をなす正規直交系を正規直交基(orthonormal basis)と呼ぶ。

[定理4-15]:ユニタリ空間の任意の正規直交系は,これに適当なベクトルを補足して空間における正規直交基となるようにできる。

 これの証明は[定理4-13]で用いたSchmidtの直交化法:2-{(,1)/(1,1)}1,3-{(,1)/(1,1)}1-{(,2)/(2,2)}2..で,途中にノルムを1に正規化する手続きを挿入して変更するだけでいいので割愛します。

 

 すなわち,2'≡-{(,1)/(1,1)}1,22'/|a2'|,3'≡-{(,1)/(1,1)}1-{(,2)/(2,2)}2,33'/|a3'|,..とすれば証明できます。

 

[定理4-15の系]:有限次元ユニタリ空間には必ず正規直交基が存在する。(証明略)

[定義4-16](座標系):ユニタリ空間のベクトル系1,2,..,nの基底をなすとき,一定の順序を着けた系:(1,2,..,n)をの座標系(coordinate system)という。

に対して=α11+α22..+αnnを与える数の組(α12,..,αn)をの座標(coordinate)といい,αjの座標成分(component)という。

特に,1,2,..,nの正規直交基であるとき,座標系(1,2,..,n)をの正規直交座標系(orthonormal coordinetes)という。この場合,(i,j)=δijである。

[定理4-17]:(1,2,..,n)をユニタリ空間の正規直交座標系とするとの座標は(,1),(,2),..,(,n)に等しい。

(証明)=α11+α22+..+αnnとすると(i,j)=δijより(,j)=αj,(j=1,2,..,n)です。(証明終わり)

[定理4-18]:(1,2,..,n)をユニタリ空間の正規直交座標系とし,=Σj=1nαjj,=Σj=1nβjjと表わされるとき(,)=Σj=1nαjβj*である。

(↑自明)

[定理4-19](Besselの不等式):1,2,..,m(m≦n)をn次元ユニタリ空間の任意の正規直交系としに対してαk=(,k)(k=1,2,..,m)とおけば,Besselの不等式:|a|2=(,)≧Σj=1mαjαj*=|α1|2+|α2|2+..|αm|2が成立する。

(証明)≡α11+α22+..+αmmと置けば,0≦(,)=(,)-(,)-(,)+(,)です。

そして,(,)=(Σj=1mαjjk=1mαkk)=Σj=1mαjαj*,(,)=(j=1mαjj)=Σj=1mαj*(,j)=Σj=1mαjαj*,(,)=(Σj=1mαjj,)=Σj=1mαj(j,)=Σj=1mαjαj*です。

 

故に,0≦(,)=(,)-Σj=1mαjαj*を得ます。

したがって,|a|2=(,)≧Σj=1mαjαj*=|α1|2+|α2|2+..|αm|2です。(証明終わり)

[定理4-19の系](Parsevalの等式):1,2,..,nがユニタリ空間の正規直交基ならに対してαk=(,k)(k=1,2,..,n)とおけば, Parsevalの等式:|a|2=(,)=Σj=1nαjαj*=|α1|2+|α2|2+..|αn|2が成立する。(自明)

[定理4-20]:1,2,..,nをユニタリ空間の正規直交系とする。

任意のに対しαk(,k)(k=1,2,..,n)とするとき,|a|2=(,)=Σj=1nαjαj*=|α1|2+|α2|2+..|αn|2が成立するなら1,2,..,nの基底をなす。

(証明)≡α11+α22+..+αnnと置けば(,)=(,)-Σj=1nαjαj* ですから(,)=Σj=1nαjαj*なら(,)=0 です。

したがって,=0,つまり=α11+α22+..+αnnとが成立しますが,は任意なので1,2,..,nは空間の基底をなすことがわかります。(証明終わり)

今日はここまでにします。

参考文献:ア・イ・マリツェフ(柴岡康光訳)「線型代数学」(東京図書)

 

PS:無償のボランテイアなどといいながら,昨日は3/8の修了式を含めあと3回(3週)の手話講習会が終わって椎名町から池袋まで4人の女性と5人で帰り,最後に池袋駅で若い看護士さんとツーショットになったので飲みに誘いました。

 

 OKだったのですが,つい自分好みの飲み屋と嗜好が違ったのでまた次の機会と述べて別れてしまいました。次があるかどうかもわからないのにどこでも良かったですね。

  

 たまたま,女性に1軒おごるくらいの金はあったのですが,やはりフーテンの寅さんモドキですかね。。

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2011年2月19日 (土)

線型代数のエッセンス(9)(1次変換(補遺))

 線型代数のエッセンスの§3.1次変換の残りです。

[定義3-47](固有多項式):線型空間のある1次変換A^について適当な座標系を取ればA^の行列Aが作られる。この行列Aの固有多項式:φ(λ)=|λE-A|を変換A^の固有多項式(characteristic polynomial)という。

※座標系を変えてもAは変換行列Tにより相似な行列A1=TAT-1に変わるだけなのでφ(λ)は座標系の選び方には依りません。すなわち,|λE-A1|=|λE-TAT-1|=|T(λE-A)T-1|=|λE-A|=φ(λ)です。※

[定理3-48]:線型空間の1次変換A^の固有多項式の次数はA^の作用する空間の次元に等しい。

(証明)固有多項式φ(λ)=|λE-A|の次数は正方行列(λE-A)の次数,すなわち正方行列Aの次数に等しくこれは空間の次元に等しいのは明らかです。(証明終わり)

[定理3-49]:線型空間がその上の1次変換A^に関して不変な部分空間の直和に分解されるならば,A^の固有多項式は誘導される変換A1^,A2^の固有多項式の積に等しい。

(証明)A=A12によりλE-A=(λE1-A1)(λE2-A2)ですから|λE-A|=|λE1-A1||λE2-A2|です。(証明終わり)

[定理3-50]:線型空間の各1次変換A^はその固有多項式の根である。すなわち,λの多項式:φ(λ)=|λE-A|に形式的にλ=A^を代入すると,作用素の恒等式としてφ(A^)=O^が成立する。

(証明)φ(λ)=|λE-A|=α0+α1λ+..+αnλnと多項式を陽に表わすと「線型代数のエッセンス(1)(行列)で証明した「Hamilton-Cayleyの定理」より,行列の恒等式としてφ(A)=α0+α1A+..+αnn=Oが成立することがわかっています。

 したがって,A→A^の同型対応によりφ(A^)=α0+α1A^+..+αnA^n=O^が得られます。(証明終わり)

(注):φ(A^)=α0+α1A^+..+αnA^n=O^というのは∀x∈に対してφ(A^)0が成立することを意味します。(注終わり)※

[定義3-51](最小多項式):線型空間の1次変換A^を根とする最高次係数が1の多項式で次数が最小のものをA^の最小多項式(minimal polynomial)という。

[定理3-52]:線型空間の1次変換A^の最小多項式はA^の行列Aの最小多項式に等しい。

(↑自明)

[定義3-53](固有値,固有ベクトル):線型空間の1次変換A^に対して数ζ∈と零でないベクトルが存在してA^=ζが成立するときζをA^の固有値(eigenvalue),をA^のζに属する固有ベクトル(eigenvector)という。

[定理3-54]:線型空間の1次変換A^の1つの固有ベクトルだけによって張られるの1次元部分空間はの1つの不変部分空間である。(←自明)

[定理3-55]:線型空間の1次変換A^の固有値ζは全てその固有多項式φ(λ)=|λE-A|の根である。逆にζがA^の固有多項式の根ならζはA^の固有値である。

つまり,ζが1次変換A^の固有値 ⇔ φ(ζ)=|ζE-A|=0である

(証明)「線型代数のエッセンス(1)(行列)」の内容の一部を再掲して証明とします。

(再掲記事): [定義1-20](固有多項式):Aをn次の正方行列とするとき,n次多項式;φ(λ)≡|λE-A| or φ(λ)≡det(λE-A)をAの固有多項式という。そしてφ(λ)の零点,or 方程式φ(λ)=0 の根λ12,..,λnを行列Aの固有値という。

(注):列ベクトルがAの固有値λに属する固有ベクトルであるとは,0であってA=λなる関係式が成立することです。そして,A=λは行列形式では(λE-A)0と表現できます。

このn元連立1次方程式:(λE-A)0 が自明な解(0)以外の解(0)を持つための必要十分条件がφ(λ)=|λE-A|=0です。(注終わり※)(再掲終わり)

そしての適当な座標系におけるA^⇔A,および⇔[]の同型対応によりA^=ζはA=ζ[a]に同型対応しますから定理が成立します。(証明終わり)

[定義3-56]:線型空間の1次変換A^の固有値ζの固有多項式の根としての重複度を固有値ζの重複度という。

[定理3-57]:n次元線型空間の1次変換A^がn個の1次独立な固有ベクトルを持つならば,これらのベクトルを座標系に取ることによって変換A^の行列Aを対角行列形にすることができる。

逆に行列Aがある座標系において対角行列形を取るならその基底ベクトルはのA~の固有ベクトルである。

(証明)A^j=λjj(j=1,2,..,n)が成立して1,2,..,nが1次独立で座標系にとることができるなら,(A^1,A^2,..,A^n)=(1,2,..,n)A, 

  

と書くことができます。逆の成立も自明です。(証明終わり)

[定理3-58]:線型空間の1次変換A^の異なる固有値に属する固有ベクトルは1次独立である。

(証明) A^1=λ11,A^2=λ22,10,20で,かつλ1≠λ2とします。このとき,1,2についての1次関係式をα11+α220 と書けばA^(α11+α22)=λ1α11+λ2α220が成立します。

λ1α11+λ2α220にα22=-α11を代入するとα11-λ2)10ですが10,かつλ1≠λ2よりα1=0を得ます。それ故,α220,かつ20よりα2=0も得られますから12は1次独立です。(証明終わり)

[定理3-58の系]:線型空間の1次変換A^の固有多項式がn個の相異なる根を持てばその変換の行列Aは適当な座標系において対角行列の形である。(←自明)

短いですが,これで§3は終わりなので今日はここまでにします。

参考文献:ア・イ・マリツェフ(柴岡康光訳)「線型代数学」(東京図書)

 

PS:一般に人は,環境との関わり,特に同じ"人間=他人"とのコミュニケーション自体にストレスを感じます。

 

 これは,まだ物心もつかない乳幼児でも人見知りをすることにも見られるように人に限らず犬や猫なども持つ性質であろうと思われます。

 

 動物,いや生き物の防衛本能に帰属するものかも知れません。

 

 特に,日本では私よりも老人の方によく見られる現象ですが,英語圏で"Excuse me"に相当するであろう"失礼"とか,"失礼します","すみません"etc.とかの断りも云わず(云えず),人にぶつかったりして,さらに何も云わずにサッと過ぎて行く方がおられ,時には私でさえ少しムカつくことがあります。

 

 私は,これを社会性がない人と呼んでいます。

  

 社会性がない人の典型は,女性であれば,駅で切符を買う際に混雑して行列ができているときでも自分の番が来てからゆっくりと運賃表を探しておもむろにバッグから財布を取り出しコインを探して,さらに切符を購入後もその場をドかずに財布とバッグを直すなど,後に続く他人など全く気にしないような,かつては"オバタリアン"と称された人のことです。

 

 まあ,昔の女性は家庭に押し込められていて社会に出て働く人は希少であったという理由で,他人を配慮することも含めた社会性が身についていないことはある程度理解できます。

  

 また,かつての典型的な田舎の朴訥な人柄で「モノ言えば本当に唇が寒い」という人々や,戦後の自分が生きていくのがやっとの焼け跡・闇市の時代に育って他人とのコミュニケーションではイヤなこと,イヤな人ばかりに遭遇して人間不信になったという"トラウマ"がある人たちもいるでしょう。

 

 でも,老人とは限らず,他人と関わりを持つ,会話をすることのフラストレーションやストレスと,他方,他人とは関係せず孤独であることの寂しさ,ストレスを比較して,後者の方が大きくい,あるいは少しのストレスやリスクはあっても他人の温もり,癒し,人肌の方がより恋しいこともありますね。

 

 私の場合は,ときに孤独であることも嫌いではないですが今は若い頃ほど他人とのコミュニケーションが苦にならない,というより関係を持つことにより喜びを感じるようになりました。

 

 当たり前のことなんですが,他人を含む環境との関わりは生老病死のストレスをもたらすだけではなくて,歓びをも与えてくれます。

 

 そのことを今さらながら,実感しているんですね。生きていることは悪いことばかりではないですよ。

 

 土曜ですがこれから出勤します。。

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2011年2月17日 (木)

久しぶりに痛飲して朝寝坊。。

 2/15日に2ヶ月ごとの年金など少しですがまとまった金が入ったこともあり,久しぶりに2日続けて朝4時頃まで外で飲んで,とうとう今日は朝10時過ぎに目覚めて勤めを休むことになりました。

 ただ,最近は夜は大体4時間程度しか眠らず,未明から起きてゴソゴソすることが多かったのに,昨夜は約6時間も熟睡できたので気分はとてもいいです。

 実は昨日(2/16)は出勤先から直接帰宅せず,寄り道をして,15時半頃から久しぶりに秋葉までウインドウショッピングに行ったのです。

 JRの秋葉原駅からは大分奥の前回カラーコーンに当たって転倒したPCのバッタ屋街の当たりを,座れないと心臓に負担かかるのと寒さとで苦労してうろうろ,ヨチヨチと歩いた末に疲れて中華茶房で少し早い夕食を取りました。

 日替わり定食を頼んだのですが私の胃には多すぎて,満腹になり少し休んだ後の17時半頃,20年前の軽いオーディオマニアの頃常連だった駅前のテレオンで安い,AT(オーディオテクニカ)のMM用フォノアンプ(5600円)を見かけつい衝動買いしました。

 1年前のまだ引越しをするより大分前にずっと使っていたサンスイのアンプが壊れましたが,昨年クリスマス前にやはり秋葉で見つけた安いデジタルアンプ(3980円)にメインスピーカーをつないで,フォノ(アナログ・レコードプレイヤー)以外からの音楽はそのスピーカーで聴けるようにはなってました。

 しかし,そのデジタルミニアンプにはフォノ端子がなかったので,今やデンオンのLC2というMCカートリッジしかないレコードプレイヤーは昇圧トランス(MC→MM)は持ってますが当分聴けない状態でしたので気にはなってました。

 ,さらに,巣鴨に着いて駅前の西友でトイレを借りたついでに,正月に蛍光灯のランプが1本切れて以来,箸やペンを持つのが限界?体力のため,それを付け換えることもできず,少し暗くて不自由していたのを思い出,しました。

 そこで,今のひもで点滅させる古いタイプの蛍光灯から,旧居では重宝していたランプは1年以上も切れることなく,部屋を出入りするときや寝るとき簡単ににリモコンで点滅させられて.私のように目の悪い年寄りにとっても明るい6~8畳用のシーリングライトを西友で購入して休みの日曜日(2/20)に工事してもらう手配をして帰宅しました。

 いや,これくらいのゼイタク,自分に対する投資も偶には許されるでしょう。決して不要なものを買う買い物中毒の無駄使いではないと思います。

 ともあれ19時前に帰宅すると糖尿病で疲れやすく満腹でもあり不眠症で夜の眠りも浅いせいか,レコードの接続もせず,21時前までTVを着けたまま寝入ってしまいました。

 やっと目覚めてTV朝日の「相棒」を途中から見ているところへ久しぶりにM子ママから電話が入りました。

 例によってまだ明るい頃から池袋で飲んでいたらしく既に出来上がっていて「スグ来い」というので,あわてて西口の丸井の近くにあるスナックに行くと,既に引越し後には会っていないM原君なども呼ばれて盛り上がってる最中でした。

 どうも,昨年11月末に音信不通になっていた後に入院して3回目?のガン手術を受けたらしく「何故連絡しない?」と怒ってるらしいのです。

 私は実家の番号も一応知ってましたが,ときどき音信不通になるのは毎度のことなので,単に知らなかっただけで心配はしていたのですが。。。

 まあ,死線を越える手術,そして抗がん剤治療を体験していて,それ故私と気持ちを共有できる部分もあり,いつ死を迎えるかもというパニックもあるでしょうから,ある程度荒れるのは仕方ないと思うのです。

 でも,寒空の下道端で平気で寝たり,2件目の大塚「BIG-MAMA」の入口でM原を殴ったり,店中でその店のママをも含め誰彼なくケンカを売るような子供返りの酒乱には困ったものです。

 その後,さらにM子ファン?の既に営業が終わった別の巣鴨の店のママR子さんも呼び出して,さらにケンカもあり,私は知らぬふりで唄ったりしてました。

 さすがに朝4時頃?連れて返ろうということになりましたが,外でタクシーに乗せたところでM原とどこかに逃げていってしまい,私は別のタクシーでR子さんを送って帰ったのでした。

 たった1日で少し散財で,また,当分普通の貧乏暮らしに戻りますが,彼女が生きていてくれて会えてよかったのでいいとします。

 命は1万円や2万円じゃ買えませんから。。。

PS:書いてるうちにお昼過ぎたのでまずトイレ,顔洗って軽い食事して買ってきたフォノアンプでもテストしてのんびりします。ではまた。。。

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2011年2月14日 (月)

線型代数のエッセンス(8)(1次変換-2)」

 線型代数のエッセンスの§3.1次変換の続きです。
 

[定義3-26]:線型空間の部分集合の上の1次変換A^による像

(image)の全体をA^に関するの像といいA^と書く。

また,{|^}の原像(inverse image)といい

^-1と書く。
 

[定理3-27]:線型空間の線型部分空間の1次変換A^に関する像,

および原像は共に線型部分空間となる。
 

(証明)を線型空間の線型部分空間とします。

^はA^に関するの像です。
 

,∈A^とすると,=A^,=A^を満たす,

が存在します。よって,の線型部分空間なので∀α,β∈

に対してα+βです。
 

それ故,^(α+β)=αA^+βA^=α+β∈A^

です。したがって,,∈A^,α,β∈ならα+β∈A^

なのでA^の線型部分空間です。
 

他方,^に関するの像原像をA^-1と書けば,∈A^-1

ならA^,^です。
 

よって,の線型部分空間なので∀α,β∈に対し,

αA^+βA^=A^(α+β)です。

したがって,α+β∈A^-1なのでA^-1の線型部分

空間です。(証明終わり)
 

[定義3-28]:^を線型空間における1つの1次変換とする。

のとき,Ker^{|^0}をA^の核(kernel)という。

また,^をの値域(range)という。
 

値域A^の次元dim(^)を変換A^の階数といいrank^と書く。

Ker^の次元dim(Ker^)をA^の退化次数

(degenerate dimension:縮退次数)という。
 

[定理3-29]:線型空間の1次変換A^の階数と退化次数の和は

の次元dimLに等しい。
 

(証明)r=rank^dim(^),d=dim(Ker^),とします。

また,^の基底を1,2,..,rとします。1,2,..,r∈A^

ですからA^ii(i=1,2,..,)となる1組の1,2,..,r

を選択するとこの{i}i=1,2,..,1次独立です。
 

 なぜなら,1次関係式α11+α22..+αrr0 の左から

^を掛けると式α11+α22..+αrr0となり

式:α1=α2..=αr0 が従うからです。
 

 そこで,1,2,..,rによって張られるのr次元部分空間

とします。
 

とすると=α11+α22..+αrrと書けます。

そしてA^=α11+α22..+αrrです。

故に,もしA^0 ならα11+α22..+αrr0 より

α1=α2..=αr0 ですから0 です。
 

したがって,ker^{0}です。
 

 一方,とすると,^∈A^ですから

^=β11+β22..+βrrと書けます。

^ii(i=1,2,..,)より≡β11+β22..+βrr

とおけばでA^=β11とβ22..+βrr=A^

となります。

よって,^()0 より()ker^(),

かつです。は任意であって,Ker^{0}なので

Ker^の直和:Ker^です。
 

したがって,”[定理2-51]:線型空間の2つの線型部分空間

の直和の次元は部分空間の次元の和に等しい。

によってdim=d+rです。(証明終わり)
 

[定義3-30]:線型空間における可逆な1次変換を

正則(regular)変換,非可逆な1次変換を

非正則(irregular)な変換,または特異(singular)な変換という。
 

[定理3-31]:線型空間Lにおける1次変換A^が正則である。

 ⇔ Ker^{0}
 

(証明)まず,変換A^が正則なら可逆なのでA^-1が存在します。

そしてA^-1 00 なのでA^-1 {0}{0},つまりKer^{0}

です。
 

 逆にKer^{0}ならdim(Ker^)0より,[定理3-29]:

dim dim(Ker^)dim(^)よりdimdim(^),

つまりA^です。


また,,∈LでA^=A^ならA^()0

Ker^{0}より0 or です。

つまりならA^≠A^です。
 

したがって,^は全単射(bijection)ですから可逆,つまり正則です。

(証明終わり)
 

[定理3-31の系]:線型空間における1次変換A^が正則である。

 ⇔ A^ 

 (↑自明)
 

[定義3-32]:線型空間から自身への同型写像を自己同型写像(automorphism)という。
 

[定理3-33]:^が正則な1次変換であることと自己同型写像である

ことは同値である。((↑自明)
 

[定義3-34](相似変換):線型空間の2つの1次変換A^,^がある

とする。のある自己同型写像C^が存在してA^による変換がB^

による変換にうつされるとき,

つまり=A^のとき=C^,=C^すれば=B^

となるとき,変換A^とB^は相似(similar)である,

または同型であるという。
 

[定理3-35]:変換A^とB^は相似である。⇔ 正則な変換C^が存在

してA^=C^-1^^, or ^=C^^^-1と書ける。
 

(証明)=B^=C^,=C^を代入すると,

^=B^C^,故に=C^-1^^です。

ところが=A^なのでA^=C^-1^^,すなわち,

^=C^-1^^を得ます。(証明終わり)
 

[定理3-35の系]:変換A^とB^は相似である。⇔ 行列AとBは

相似である。ただしA,Bはそれぞれ変換A^,^の行列である。

(↑自明)
 

"[定義1-19](相似性):行列AとBに対してある正則行列Xが存在

てA=X-1BX,あるいはXA=BXが成立するとき,AはBに相似

であるという。"を参照されたい。)
 

[定理3-36](変換の行列の階数):線型空間の任意の1次変換A^

の階数は,この変換の行列Aの階数に等しい。
 

(証明)1,2,..,nの座標系とします。変換の行列の定義

から(^1,^2,.., ^n)(1,2,..,n)Aです。
 

 変換A^の階数の定義:“値域A^の次元dim(^)を変換A^

の階数といいrank^と書く。から,

^の階数はA^1,^2,.., ^nのn個のベクトルのうち

で1次独立なベクトルの最大個数に等しいです。
 

 これは,(1,2,..,n)がn個の1次独立な基底なので

行列A=([1],[2],..,[n])のn個の列ベクトル

[j]t(α1j,α2j,.., αnj)(j=1,2)のうちで1次独立な

ベクトルの個数の最大値,つまり行列Aの階数に等しいこと

がわかりました。(証明終わり)
 

():まず,行列の階数の定義を再掲します。
 

[定義2-29]:1,,..,mが座標:

[1]t(α11,α21,..,αn1),[2]t(α12,α22,..,αn2),..,[m]

t(α1m,α2m,..,αnm)を有するとき,これらの列ベクトルから

作られる行列を

[[1][2]..[m]][t(α11,α21,..,αn1)

t(α12,α22,..,αn2)..t(α1m,α2m,..,αnm)] とする。
 

 このAを構成する数空間の列ベクトル:[1],[2],..,[m]

のうちで1次独立なベクトルの個数の最大値を行列Aの階数

という。
 

次に,関連する定理の再掲です。
 

[定理2-31]:[定義2-29]と同じ前提で1,2,..,mの1次独立

なベクトルの個数の最大値は行列Aの階数に等しい。(再掲終了)
 

これらのことから,(^1,^2,.., ^n)(1,2,..,n)

のうちの1次独立なベクトルの個数の最大値,つまりdim(^)

行列AL≡([^1],[^2],..,[^n])の階数に等しいこと

がわかります。
 

しかし,(1,2,..,n)を基底とするなら,

(^1,^2,.., ^n)

(1,2,..,n)([^1],[^2],..,[^n])

(1,2,..,n)Aなので,行列ALと行列Aは実は同じ

ものです。(注終わり)
 

[定義3-37](行列の退化次数):正方行列Aの次数と階数の差:

(n-rank)を行列Aの退化次数という。
 

[定理3-38]:1次変換A^の退化次数とその行列Aの退化次数

は等しい。

(1次変換A^の退化次数)dim(Ker^)=n-dim(^)

=n-rankA=(行列Aの退化次数)は自明です。)
 

[定理3-39]:n元同次(斉次)連立1次方程式A[]0の1次独立

な解の最大個数はこの方程式の行列Aの退化次数に等しい。

(※1次独立な解は[0]とは異なる非自明解です。)
 

(証明)方程式A[]0を同等な線型空間の1次変換A^でA^0

と書けば1次独立な解の最大個数はdim(KerA^)ですが,これは

(行列Aの退化次数)=n-rankAと同じです。 

(証明終わり)
 

任意のベクトルが変換A^によって再びに属するベクトルにうつされるとき:^のときは変換A^に関して不変である,

あるいはのA^に関する不変部分空間であるという。
 

[定理3-40]:線型空間の線型部分空間のうち零空間{0}と全空間

は任意の1次変換に関して不変である。また,2つ以上の不変

部分空間の和,および共通部分はまた不変である。 

(↑自明)
 

[定理3-41]:線型空間の線型部分空間が1次変換A^に関して

不変なら,はA^の関数f(^)で与えられる変換に関してもまた

不変である。(←自明)
 

[定理3-42]:線型空間における1次変換A^が不変な線型部分空間

を持てばA^の行列Aは4ゆの細胞に分割され,そのうち主対角線

上の細胞は正方行列で左下の矩形細胞はO(ゼロ)である。
 

(証明)不変部分空間の基底を1,2,..,mとし,これと1次独立

M+1,..,nを補っての基底,つまり座標系とします。
 

 このとき,1≦j≦mなら

^j=α1j1+α2j2..+αmjm,m+1≦j≦nなら

^j=α1j1+α2j2..+αmjm+αm+1j1..+αnjn

です。

つまり,^j(1,2,..,m,M+1,..,m)t(α1j,α2j,..,αmj,0,..,0)(1≦j≦m), 

  A^j(1,2,..,n)t(α1j,α2j,..,αnj) (m+1≦j≦n)

です。
 

 故に,(^1,^2,.., ^n)(1,2,..,n)

で与えられる行列Aは
 

となります。
 

ただし,1はm次正方行列,2(n-m)次正方行列,

Bはm×(n-m)矩形行列,Oは(n-m)×mの矩形零]行列

です。 (証明終わり)
 

[定理3-42の系]:線型空間における1次変換A^の行列Aが

m次正方行列A1,(n-m)次正方行列A2,m×(n-m)矩形行列

,(n-m)×mの矩形零]行列Oによって
 

と書けるとき,の座標系1,2,..,nのうち,はじめのm個の

基底ベクトル1,2,..,mので張られる空間は変換A^に関して

の不変部分空間である。(←自明)
 

[定義3-43]:線型空間における1次変換A^がm次の不変部分空間

を有するとき,^における変換A1^がと見なしA1^をA^

によって誘導される変換(induced transformation by ^)

という。
 

[定理3-43]:線型空間における1次変換A^の行列Aが
 

と書けるとき,^によって誘導される変換A1^の行列はA1

である。 

( (^1,^2,.., ^m)(1,2,..,m)1

より自明) 
 

[定理3-44]:線型空間が1次変換A^によって2つの不変部分空間

12の直和に分解されるならば,適当な座標系においてA^の行列

Aは細胞対角行列になり,その主対角線上の細胞はA^のによって誘導

された変換A1^,2^の行列A1,2となる。
 

 すなわち,12ならA=A12となる。
 

(証明)不変部分空間1の基底を1,2,..,mとし,これと

1次独立なM+1,..,nを補っての座標系とします。
 

ただし,今の場合は12なのでM+1,..,n2

基底です。
 

 すると,^j(1,2,..,m,m+1,..,n)t(α1j,α2j,..,αmj,0,..,0)(1≦j≦m), 

  A^j(1,..,m,m+1,m+2,..,n)t(0,..,0,αm+1j,αm+2j,..,αnj) (m+1≦j≦n)

です。
 

 故に,(^1,^2,.., ^n)(1,2,..,n)

で与えられる行列Aは
 

となります。(証明終わり)
 

途中ですが今日はここまでにします。
 

参考文献:ア・イ・マリツェフ(柴岡康光 訳)「線型代数学」(東京図書)

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2011年2月10日 (木)

線型代数のエッセンス(7)(1次変換-1)

 線型代数のエッセンスの続きです。

※(余談:"ソリトンやインスタントン,非線形戸田格子etc.の可能性")

 私的には,21世紀に入った頃から非線形現象に着目していました。

 摂動のない多重周期の基準モードの線型運動のようなものだけを考慮するなら,粒子間にエネルギー交換があるという統計力学の根本的仮定が満足されません。

 また,1次元の非線型バネのコンピュータ解析でのFermi-Pasta-Ulamの再帰現象(和達三樹著「非線型波動」参照)のように,非線型振動では不安定な分散が生じるのとは逆に時間的に安定な振動が見られます。

 直感的に考えても,理想気体を構成する各気体分子が完全弾性衝突するだけでは,ビリアードでの玉のように衝突で軌道は折れ曲がっても究極的には永久に同じモードで周期運動するだけです。

 玉の数が増えれば基準振動モードの軌道形は複雑になっても,軌道間のモードの乗換えによるエネルギー交換は不可能です。

 話は変わりますが,物理現象を規定する微分方程式を数値計算可能にするために差分化すると,元が線型微分方程式の場合には差分方程式は連立1次方程式になります。

 そして,こうした線型な連立方程式でさえ,ガウス-ザイデル法のような緩和法の反復法を用いると比較的安定な陰解法でもコンピュータがデジタルであるための可算演算の限界故,差分スキームの選択次第では丸め誤差の累積により解が不安定になって発散する現象が起こります。

 理想的な無限ビットのアナログコンピュータを仮定してそれで計算するなら線型方程式の有限であるべき解が計算されて発散することはないのですが。。。

(↑全ての無限小数をデジタルで表現できるのですから)

 一方,たとえアナログコンピュータでも線型でなくわずかな非線型項があれば同等な累積現象による発散が期待できます。

 くりこみにおけるλφ4理論のように,実は自由場が線型ではなくプランクオーダーの係数λを持つ非線形項があって,その累積がマイナスの引き算項として紫外発散と相殺するなら,などと自分で勝手気儘なことを考えていたのですが。。。

 Higgs粒子についても同様な非線型項を夢見ていました。

 私がこれらの具体化を考える前に,そうしたものに似た既存理論があるみたいですね。

 私が思い付きで考えることぐらいは既にあるみたいで去年還暦を機会にやろうかと思って調べていてやや挫折感がありました。(終わり)

 さて,本題の§3に入ります。

§3.1次変換

[定義3-1]:集合があるとする。∀m∈の各々に1つのの元を対応させる写像(mapping)を集合の上の変換(transformation)という。

ここでは変換をの元に左からA^,B^,..の作用素(operator:演算子)を施すことで表現する。

すなわち,m∈に変換A^を行なった結果として得られる元をA^mと表わしA^mを変換A^による像(image)という。逆にmをの元A^mの原像(inverse image)という。

 

※(注):が量子力学の状態を表わすケット(ket)の状態空間で|ψ>∈,A^が量子演算子なら像はA^|ψ>ですね。(注終わり)※ 

[定義3-2]:にの2つの変換:A^,B^があるとする。mをB^(A^m)∈にうつす変換をA^とB^の積と名付け,これをB^A^と表わす。

すなわちB^(A^m)=(B^A^)mと書く。

[定理3-3](積の結合則):A^,B^,C^をの任意の変換とすると(A^B^)C^=A^(B^C^)である。

 

 特に,A^A^をA^2,A^2A^をA^3,...etc.と指数で表現すれば,A^mA^n=A^ m+n,(A^m)n=A^ mnが成立する。(←自明なので証明は略)

[定義3-4]:∀m∈の各々にm自身を対応させる変換を恒等変換(identity)と呼び,この変換をE^で表わす。E^m=mである。

[定理3-5]:A^をの任意の変換とするとE^A^=A^E^=A^である。(↑自明)

[定義3-6]:の変換A^に対してA^B^=B^A^=E^を満たす変換B^を見出し得るとき,B^をA^の逆変換(inverse)といいA^-1で表わす。

 

 また,A^に関する逆変換A^-1があるとき,変換A^は可逆(invertible)であるという。

[定理3-7]:可逆な変換に対しその逆変換は常に唯一(unique)である。

(証明)変換A^は可逆であってA^B^=B^A^=E^,かつA^C^=C^A^=E^が成立するとする。

 

 このとき,C^=E^C^=(B^A^)C^=B^(A^C^)=B^E^=B^となりC^とB^は全く同じものです。(証明終わり)

[定理3-8]:可逆な変換A^に対し逆変換A^-1もまた可逆であり(A^-1)-1=A^である。

 

 また,A^-n≡(A^-1)n=と定義し,A^0=Eと規約すると(A^n)-1=A^-n,(A^B^)-1=B^-1A^-1が成立する。

(証明)まず,(A^-1)-1=(A^-1)-1E^=(A^-1)-1(A^-1A^)={(A^-1)-1A^-1}A^=E^A^ n=Aです。

次に,明らかにE^ n=E^なので,(A^n)-1=(A^n)-1E^=(A^n)-1E^n=(A^n)-1(A^A^-1)n=(A^A^..A^)-1{(A^A^-1)(A^A^-1)...(A^A^-1)}=(A^A^..A^)-1(A^A^...A^)(A^-1)n=E^(A^-1)n=^(A^-1)n が得られます。

 最後に,(A^B^)-1=E^(A^B^)-1=(B^-1E^B^)(A^B^)-1={B^-1(A^-1A^)B^}(A^B^)-1=(B^-1A^-1)(A^B^)(A^B^)-1=(B^-1A^-1)E^=B^-1A^-1です。(証明終わり)

[定理3-9]:集合の上の変換A^が可逆である。⇔A^はからそれ自身への双一意写像である。(⇔ は同値(必要十分)を表わす記号)

(注):双一意写像とは,先に述べた1対1上への写像=全単射(bijection)のことです。

 

 すなわちA^がからそれ自身への双一意写像であるとは,各々のm∈がそのA^による原像をの中に有し,さらにm1,m2,m1≠m2なら常にA^m1≠A^m2となることです。(注終わり)※

(証明)まず,A^が可逆であってA^-1が存在するとします。このとき,∀m∈に対してn=A^-1mとおけば,n∈でありA^n=A^A^-1m=mです。

次に,m1,m2についてA^m1=A^m2ならA^-1A^m1=A^-1A^m2よりm1=m2です。故に,m1≠m2ならA^m1≠A^m2が従います。

逆にA^がからそれ自身への双一意写像(全単射)であるとすると,∀m∈に対してあるn∈が存在してA^n=mであって,この対応:m→nは一意的(unique)です。

そこで,このm→nの変換をB^で表わすと,B^m=nですからB^A^n=B^m=n,A^B^m=A^n=mなので,これはB^A^=A^B^=E^を意味しますからB^=A^-1と書けます。(証明終わり)

[定義3-10]:線型空間の上の変換A^が1次変換(線型変換:linear transformation)であるとは,∀,,∀α,β∈に対してA^(α+β)=αA^+βA^が成立することをいう。

[定理3-11]:A^を線型空間の上の1次変換とするとA^00 である。

(証明)A^(α)=αA^においてα=0とするとA^00 を得ます。

(証明終わり)

[定理3-12]:恒等変換E^は1次変換である。(←自明)

[定義3-13]:∀を全て零元:0にうつす変換を零変換と呼びO^で表わす。

[定理3-14]:零変換O^は1次変換である。(←自明)

[定理3-15]:1,2,..,nをn次元線型空間の任意の基底とする。そしての任意に選んだn個の元を1,2,..,nをとする。

 

 このとき,1,2,..,nを,それぞれ1,2,..,nにうつす1次変換が一つ,しかも唯一つに限って存在する。

(証明)∀は基底1,2,..,nによって=ξ11+ξ22+..+ξnnと一意的に表わされます。

 

 このとき,のA^による像:'=A^を同じ座標成分:ξ12,..,ξnを用いて'≡ξ11+ξ22+..+ξnnにより定義します。

 

 この定義において,特にξi=1,j≠iならξi=0 おくことにより,i=A^i(i=12,..,n)を得ます。

 また,,,α,β∈に対してA^(α+β)=αA^+βA^が成立することも明らかですから,変換A^は1次変換です。

 次に,変換B^がB^(α+β)=αB^+βB^がB^ii (i=1,2,..,n)を満たすとすれば,=ξ11+ξ22+..+ξnnのとき,B^=ξ11+ξ22+..+ξnn=A^です。

つまり,∀に対してB^=A^ですから,B^=A^です。

(証明終わり)

[定義3-16](1次変換の行列):線型空間の座標系を1,2,..,n,1次変換をA^とし,A^1≡α111+α212+..+αn1n=(1,2,..,n)[1]=(1,2,..,n)t1121,..+αn1),A^2≡α121+α222+..+αn2n=(1,2,..,n)[2]=(1,2,..,n)t1222,..+αn2),

  

...,A^n≡α1n1+α2n2+..+αnnn=(1,2,..,n)[n]=(1,2,..,n)t1n2n,..+αnn),つまり(i=1,2,..,n)

とする。

 このとき,A≡([1],[2],,..,[n]),すなわち

 を座標系:1,2,..,nにおける変換A^の行列と名付ける。

 

 (※(A^1,A^2,..,,A^n)=(1,2,..,n)Aです。)

[定理3-17]:行列Aによって,ベクトルA^1,A^2,..,,A^nが定まるため,AとA^は1対1対応である。(※ここでの1対1対応は同型対応(全単射)の意味です。)

(証明)[定理3-15],およびその証明から変換A^が定まることは,基底(1,2,..,n)に対して(1,2,..,n)≡(A^1,A^2,..,,A^n)が全て定まることに同値であることがわかります。

 

 そして,(A^1,A^2,..,,A^n)=(1,2,..,n)Aにより行列Aが一意に定まることも明らかです。(証明終わり)

[定理3-18]:[定義3-16]で定義される変換の行列の同型対応において,零変換O^には成分が全てゼロの零行列Oが,恒等変換E^には単位行列Eが対応する。(← 自明なので証明略)

[定理3-19]:線型空間の座標系を1,2,..,n,1次変換をA^とし,その行列をAとする。

の任意の元=ξ11+ξ22..+ξnn=(1,2,..,n)[]=(1,2,..,n)t12,..,ξn)と表わされるとすれば,A^=(A^1,A^2,..,,A^n)t12,..,ξn)=(1,2,..,n)At12,..,ξn)である。

 

つまり,

である。

 

すなわち,座標ベクトル:[]=t12,..,ξn)に対してA^の座標ベクトルは行列Aにより[A^]=At12,..,ξn)=A[]と表現される。

(証明)A^=A^{(1,2,..,n)[]}={(1,2,..,n)A}[]=(1,2,..,n)A[]により,[A^]=A[]です。

(証明終わり)

[定理3-20]:(1,2,..,n),および(',',..,')を線型空間の2つの座標系とし,Tをその変換行列とする。(※すなわち,(1,2,..,n)=('1,'2,..,'n)Tです。)

の上の1次変換^の(1,2,..,n)に対する行列をAとすると,A^の('1,'2,..,'n)に対する行列は(TAT-1)である。

(証明)=ξ11+ξ22+..+ξnn=(1,2,..,n)t12,..,ξn)に,(1,2,..,n)=('1,'2,..,'n)Tを代入すると,=('1,'2,..,'n)Tt12,..,ξn)です。

 

 それ故,同じの別基底による表現:=ξ'1'1+ξ'2'2+..+ξ'n'n=('1,'2,..,'n) t(ξ'1,ξ'2,..,ξ'n)での座標は変換行列Tによって t(ξ'1,ξ'2,..,ξ'n)=Tt12,..,ξn)と表わされます。

 

 これは,実は既に[定理2-34]で既に示されています。

 

 そして,これの逆表現は(ξ12,..,ξn)=(T-1)t(ξ'1,ξ'2,..,ξ'n)ですね。

 他方,[定理3-19]よりA^=(A^1,A^2,..,,A^n)t12,..,ξn)=(1,2,..,n)At12,..,ξn)です。

 

 これに,(1,2,..,n)=('1,'2,..,'n)Tを代入すると,A^=('1,'2,..,'n)TAt12,..,ξn)を得ます。

上式の最右辺にさらに,t12,..,ξn)=(T-1)t(ξ'1,ξ'2,..,ξ'n)を代入すると,A^=('1,'2,..,'n)(TAT-1)t(ξ'1,ξ'2,..,ξ'n)が得られます。

これは,座標系:('1,'2,..,'n)に対する変換A^の行列が(TAT-1)であることを意味します。(証明終わり)

[定理3-21]:1次変換の積は1次変換である。

(証明)A^,B^を線型空間の上の1次変換とし,,,α,β∈とします。

 すると,(B^A^)(α+β)=B^{A^(α+β)}=B^(αA^+βA^)=α(B^A^)+β(B^A^)ですから,B^A^も線型空間の上の1次変換です。(証明終わり)

[定理3-22]:線型空間の上の1次変換A^,B^の行列をA,Bとすると,積変換B^A^,およびA^B^の行列はそれぞれBA,およびABである。

 

 特に,A^自身のm個の積:A^m=A^A^...A^の行列はAのm個の積:Am=AA..Aである。

(証明)の座標を[]とすると,定義により[A^]=A[]です。したがって,[(B^A^)]=[B^(A^)]=B[A^]=BA[]となります。(証明終わり)

[定理3-23]:A^が線型空間の上の可逆な1次変換ならA^-1も1次変換である。A^の行列がAならA^-1の行列はA-1である。

(証明)XをA^-1に対応する行列とすれば,A^A^-1=A^-1A^=E^ですから,たった今証明した[定理3-22]の積の同型対応によりAX=XA=Eが成立します。故に,X=A-1です。(証明終わり)

[定理3-24]:1次変換の和,およびスカラー倍も1次変換であり,それらの行列は,それぞれ各変換の行列の和,およびスカラー倍である。

(↑自明)

[定理3-25]:1次変換の多項式は1次変換であり,その行列は行列の多項式に等しい。(←自明)

 

 今日はここまでにします。

 

※(余談2):Schroedingerの波動力学では状態空間を部分空間とする線型空間は粒子の位置座標の関数ψ()全体から成る関数空間で1次変換の演算子A^は(∂/∂x),∇のスカラー倍のような微分演算子,単なるの関数f()を掛ける演算,∫dxのような積分演算子でした。

 

 一方,を関数空間に特定せず,その概念も包摂した抽象的ベクトルを元とする抽象線型空間として定式化してみます。

 

 もしも空間が有限次元であるなら,上述のようには数を成分とする列ベクトルを元とする数ベクトル空間[]に同型対応し,の1次変換の演算子A^は数ベクトル空間[]の行列Aに同型対応します。

 

 したがって,状態の空間が有限次元ではなく無限次元を取る可能性を除けば,Schroedingerの波動力学がHeisenbergの行列力学と同値であるということは線型代数学から自然に演繹されます。

 

 1粒子の通常の素朴な量子力学では,DiracやVon.Neumannを待つまでもなく.この程度の認識でいいでしょう。

 

 しかし,量子電磁力学以後の定式化で生じている主要な問題は,正に有限次元と無限次元の違い,多粒子系の状態ベクトルを元とする空間の可分性(可算基底と非可算基底の問題)等に起因していると考えられます。

 

 有限次元と無限次元の違いを認識するためにも,こうした私的に線型代数のエッセンスを確認する作業は無駄ではないと思います。※  

参考文献:ア・イ・マリツェフ(柴岡康光訳)「線型代数学」(東京図書)

 

PS:一昨日夜は手話講習,昨日は早朝から春日部(武里)での定期診断でしたが異常に寒くて疲れました。

 

 前からの予定ですから,こういうのは天候くらいでめったに予定変更しませんが,何故か私は雨男,雪男で,これまでも普段と違う行動の日には決まって地震,台風を含む天変地異がよく起こると感じています。

 

 でも,こういうことは困ったもんです。昔とは違って今は私は病人で心臓は寒さ暑さには滅法弱いですから。。。

 

 前に,私の認識の閾値がオカシイと書いたのはシャレではなく,実際,手話講習会での手話認識では年齢とか不真面目のせいではなく,真剣に授業受けても思い込みでなく人一倍劣等生であることを自認しています。

 

 生まれてこの方パターン認識,特に空間認識は苦手なようです。

 

 自慢ですが,岡山の田舎の2クラス100人程度の小学校ではほとんど常にペーパーテストでは学年トップの成績でした。

 

 ところが,当時のアチーブメントテスト,つまりIQテストでは手を抜いたわけではなく平均点よりかなり低いことがよくあり先生に心配されました。

 単に図形とかの認識の問題ができなかったのですね。

 そこで,当時少しはやった将棋なども最弱の方でした。

 しかし,将棋,卓球など持って生まれた才能はダメでも訓練して集中力が続けば人並みになりました。勉強もそうだったのかな?

 右脳の劣等性を左脳でカバーした,というわけですかね。イヤ逆かな?

 中学に入って,幾何の平面図形は普通にできましたが,空間図形には少し苦労しました。高校でデカルト座標で解析幾何学やベクトルの成分表示など数式に変換されるとこれも問題なくなりましたが。。。

 というようにパターン認識等の自然現象の常識認識には生来の欠陥があるかもしれません。

 まあ,大げさに考えなくても生活に支障なかったし,サバン症候群ほどではないけれど何かのプラスに作用してるかも知れませんネ。

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2011年2月 8日 (火)

夢を諦めてしまうと気楽ですが寂しいものです。

 若い頃からの夢を半分以上も諦めてしまうと,こんなにもヒマで自由なのかと痛感させられます。

 2007年4月の心不全を境に年齢的な気力,体力の衰え,特に老眼が理由だと思いますが比較的むずかしいことを長時間考えるだけの根気がなくなってきたと年々感じています。

 それでも貧乏ヒマ有りの環境なので何とかジタバタして暇があると何とかしようと貧乏性を発揮していたのですが,こうしてブログを書くことにかまけているうちに,この程度の復習に満足して本気で「大発見ヤァ!!」というような夢を見ることは少なくなっていきました。

 「今日は最低ここまではやらなくちゃ」というようなtカセがはずれると仕事がオフの際の暇は暇として何をしてもいい,極めて自由なんだということことにやっと35年ぶりくらいに気付きました。

 でも本当は何だか寂しいですね。

 夢がないと命は惰性だけか。。(← ゼイタクな。。自己実存の夢とは別の社会性の夢も捨てたのか?)

 でも,元電車男モドキ?(フーテンの寅さんモドキ?)のような自分には,最近とみに「人間の温もりの方がいい。」と感じて軟弱化していくのもいいことかもしれないです。ずいぶん遅れてきた春ですね。(手遅れダネ。。。)

 かつて精神的病にもなったほどの人間的迷いもトキメキも失われ,諦めも含めて鉄面皮になって,男でも人間でもなくなった現在。。

 厄介なものであっても当然有るべき感性が失われてきているのも自由であると感じる理由ですが,これもまた本当は私だって寂しいです。

 かつて,20代から43くらいまでの正社員時代には,普通に会社の仕事のストレスや疲れの解消で余裕さえあれば外で酒を飲み,また深夜残業で会社に寝泊りしたり,たまには息抜きfで学生時代には謳歌できなかった合コンのような遊びのクラブ活動に忙しくしていました。

 そして,東京に来て就職当初は寝る前の日課としていた,お金にはならない純理論の独学という夢作業もおざなりになっていきました。

 43~44歳でバブルも終わった頃にフリーターになるというタイミングの悪さで,35歳のとき所帯持つことも予想して買った木場(豊洲)のマンションのローン支払いが厳しくなって巣鴨のマンションに引っ越した頃から49歳の1999年末まではいくら探しても安定した職が無く,生活費のためのアルバイトに追われていました。

 しかし,塾や専門学校の単発の講師や交通ガードマンなどの仕事がない日には一日中閑で,しかもまだ若くて体力があったのが幸いして,生活のお金はギリギリでも専門書を買うくらいの余裕はあって誰に聞くでもなく殻に閉じこもった独学に邁進しました。

 49歳暮れから7年間は派遣社員としての夜勤と途中51歳暮れから55歳暮れまでの最初の会社の昼勤アルバイト時代はまた疲れて,正社員時代のような状態になり,56歳からは派遣社員だけで自由時間できてブログを書きはじめました。

 しかし,恐らくはこの4年間の夜勤+昼勤(+専門学校2年)の過労?で56歳暮れに倒れたのではないかと思います。

 これだけ勤務しても正社員でバブルの時代,夏春にはかなりの賞与があった頃の収入には程遠く,長いフリーター時代に少しずつ溜まっていったり,軽い詐欺にあったりした借金の返済に汲々していたのです。

 決して現在のようにナマけた状態でははなかったのです。

PS:思いついたら湧き上がってくるものを自動書記的に書いてしまうので,寒いせいでの謂わゆる一つの弱音に過ぎないかもしれません。気分屋なので暖かくなったらまた別の気分になるカモ。。。

 または,興味ある新テーマなど何らかの刺激があればネ。

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2011年2月 5日 (土)

線型代数のエッセンス(6)(線型部分空間)

 線型代数のエッセンスの続きです。

[定義2-35]:線型空間の空でない部分集合が次の2つの条件(ⅰ),(ⅱ)を満たすときの線型部分空間(linear subspace)という。

(ⅰ)なら∀α∈に対してα

(ⅱ),なら

[定理2-36]:線型空間(ベクトル空間)の線型部分空間はそれ自身1つの線型空間(ベクトル空間)である。

(証明)線型空間(ベクトル空間)の定義:[定義2-1]における和とスカラー積の演算をの部分空間においてそのまま保持すれば,これらの演算はでも"次の性質=線型空間の公理"を満たすのは明らかです。

(ⅰ)(,),(ⅱ)()++()(,,),(ⅲ) ∀,に対してを満たすが存在する。このと書く。

(ⅳ)α(β)=(αβ) (α,β∈,),

(ⅴ)α()=α+α (α∈,,),(ⅵ) (α+β)=α+β (α,β∈,),(ⅶ)∀に対し1・

(証明終わり)

[定理2-37]:線型空間の線型部分空間をとすると0である。また,,,α,β∈ならα+βである。

(証明)ほぼ自明ですが,なら,0=0・より 0,,,α,β∈なら,α,かつβよりα+β

(証明終わり)

[定義2-38]:線型空間の零元:0のみから成る集合:{0}は明らかにの線型部分空間であるが,この{0}を零空間(zero-subspace)という。

そして,{0},およびの自明な(trivial)(線型)部分空間),これ以外の部分空間をの自明でない(non-trivial)部分空間,または真の部分空間(true subspace)という。

[定理2-39]:線型空間をとし1,2,..,mとする。このとき,集合≡{|=α11+α22+..+αmm}はの線型部分空間である。(←自明)

[定義2-39]:上記の線型空間の部分空間≡{|=α11+α22+..+αmm}を1,2,..,mによって張られるの部分空間,または1,2,..,mの上に張られるの部分空間(linear-subspace spanned on 1,2,..,m)という。

(※(注):1,2,..,mは部分空間の生成系=生成元(generator)の系です。※)

[定理2-40]:線型空間をとする。1,2,..,mによって張られるの部分空間の次元は,系1,2,..,mに含まれる1次独立なベクトルの個数の最大値である。(←自明)

[定義2-41]:,を線型空間の(線型)部分空間とするとき,集合としてのの共通部分(intersection):≡{|,かつ}にの線型演算を含めたものを部分空間の共通部分と呼び,記号で表わす。

[定理2-42]:,が線型空間の線型部分空間ならもまたの線型部分空間である。

(証明)[定理2-37]より,が線型空間の線型部分空間なら,0ですから,≠φです。

そして,明らかに,(ⅰ)なら∀α∈に対してα (ⅱ),ならを満たすので線型部分空間の定義によって,もまたの線型部分空間です。(証明終わり)

[定義2-43]:線型空間の有限個の線型部分空間1,2,..,sの和(sum):12+..+s12+..+s≡{|12+..+s;ii(i=1,2..,s)}によって定義する。

[定理2-44]:線型空間の有限個の線型部分空間sの和は,またの線型部分空間である。

(↑自明なので証明は略)

[定理2-45]:,,が線型空間の線型部分空間とする。このとき,(ⅰ), (ⅱ)+()=()+C,(ⅲ),なら,が成立する。(←自明)

[定理2-46]:線型空間の2つの線型部分空間,の和:の次元は,それぞれの次元の和からの次元を引いたものに等しい。すなわち,dim()=dim+dim-dim()である。

(証明)r=dim,s=dim,m=dim()とし,の任意の基底を1,2,..,mとします。

 この1,2,..,mに,1次独立なベクトル系1,2,..,kを補って1,2,..,m,1,2,..,kの基底になるようにすることができます。r=m+kです。

 同様に,1,2,..,mに1次独立なベクトル系1,2,..,pを補って1,2,..,m,1,2,..,pの基底になるようにすることができます。s=m+pです。

 これによって,∀,∀に対する任意のの元1,2,..,m,1,2,..,k,1,2,..,pの1次結合で表わせることは明らかです。

 ところで,これらの1次関係式をα11+α22+..+αkk+β11+β22+..+βpp+γ11+γ22+..+γmm0 と書けば,β11+β22+..+βpp=-α11-α22-..-αkk-γ11-γ22-..-γmmですが,左辺はに属し右辺はに属します。

 それ故11+β22+..+βppです。

 

 そこで,右辺からα11+α22+..+αkk+γ11+γ22+..+γmmですが,1,2,..,mだけがの基底をなすのでα1=α2=..=αk=0 です。

 そこで元の1次関係式はβ11+β22+..+βpp+γ11+γ22+..+γmm0 と書けますが,1,2,..,m,1,2,..,pの基底なのでβ1=β2=..=βk=γ1=γ2=..=γk=0を得ます。

以上から,1,2,..,m,1,2,..,k,1,2,..,pは全て1次独立での基底をなすことがわかりました。

よって,dim()=m+k+p=r+s-m=dim+dim-dim()が示されました。(証明終わり)

[定理2-46の系]:線型空間の2つの線型部分空間を,とする。このとき,共通部分の次元は,それぞれの次元の和からの次元を引いたものより小さくは成り得ない。つまりdim()≧dim+dim-dimである。

(証明)n=dim,m=dim(),r=dim,s=dimとすると[定理2-46]よりdim()=r+s-mでこれがn以下ですから,r+s-m≦nよりm≧r+s-n,つまりdim()≧dim+dim-dimです。(証明終わり)

[定義2-47]:線型空間の有限個の線型部分空間1,2,..,sの和:12+..+sにおいて任意の12+..+s;ii(i=1,2..,s)と表わされるが,この分解表現が一意的(unique)であるとき1,2,..,sの直和(direct sum)という。

ここでは,直和12..sと書くことにする。

[定理2-48]:線型空間の有限個の線型部分空間1,2,..,sの和:12+..+sにおいて,零元 0の部分空間への分解:012+..+s(ii;i=1,2..,s)が常に12=..=s0 を意味するとき,和12+..+sは直和である。

(証明)12+..+s;ii(i=1,2..,s),かつ'1'2+..+'s;'ii(i=1,2..,s)と分解されたとすると,(1'1)+(2'2)+..+(s's)=0 i'ii(i=1,2..,s)が成立します。

 すると,定理の仮定によりi'i0,すなわちi'i(i=1,2..,s)ですから,∀の分解表現は一意的です。したがって和12+..+sは直和です。

 

(証明終わり)

(注):上記の定理は"12+..+s0 (ii;i=1,2..,s)なら12=..=s0 なること"が,和:12+..+sが直和にであるための十分条件であると述べるものですが,この条件が必要条件でもあることは明らかです。(注終わり)※

[定理2-49]:線型空間の分解:12+..+s;11112+..+1,m1,22122+..+2,m2,..,ss1s2+..+s,msが全て直和であるなら,分解:1112+..+1,m1+..+s1s2+..+s,msも直和である。

(証明)1112+..+1,m1+..+s1s2+..+s,ms0 (ijij)とする。

 

 このとき12+..+s0 ;11112+..+1,m11,22122+..+2,m2,..,ss1s2+..+s,mssと書けます。

 

 A12+..+sが直和なので,12=..=s0です。

 そこでii1i2..+i,mi0,ii1i2..i,mi (i=1,2..,s)(直和)により1112=..=s,ms0 です。

(証明終わり)

[定理2-50]:線型空間の2つの線型部分空間の和が直和であるための必要十分条件は={0}なることである。

(証明)≠{0}とし,0,とすると,(-)∈で,0+(-)∈;,(-)∈,かつ0,(-)≠0 となるためは直和ではありません。

逆にが直和ではないなら,0の分解も一意的ではないので,ある0,とある0,が存在して 0と書けます。すると,=-0,ですから≠{0}です。

 

(証明終わり)

[定理2-51]:線型空間の2つの線型部分空間の直和の次元は部分空間の次元の和に等しい。つまり,dim()=dim+dim

(証明) [定理2-46]よりdim()=dim+dim-dim()ですが和が直和の場合は≠{0}よりdim()=0ですからdim()=dim+dimです。(証明終わり)

[定理2-51の系]:線型空間の2つの線型部分空間の和の次元がの次元の和に等しいなら和は直和である。(←自明)

短いですが今日はここまでにします。

次回からは,1次変換(線型変換)と行列の関係などの話に移行する予定です。

参考文献:ア・イ・マリツェフ(柴岡康光訳)「線型代数学」(東京図書)

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2011年2月 4日 (金)

日本はいつから司法権力が第一の国になったのか?

 わが国の政治システムは主権を持つ国民の清き一票?によって選ばれた代議員から成る立法府と,その立法府の代議員達の互選で選ばれた内閣府の長とその任命による内閣が行政府となり,実質的な政治を司る間接民主制です。

 司法は,これらとは独立した構成員による機関であり,政治に関する部分としては,本来は立法府や行政府の行なう事共が憲法を初めとした法律に依拠して正しいかどうか,行き過ぎはないか等を監査するものです。

 これが,政治について小学生的知識しかない私の基本的な政治とその三権という概念に対する認識です。

 そして,特捜部というのが司法の中の検察機関で特に政治のチェックをする部門らしいですが,最近,基本的誤りを犯した重大事件もありました。

 そもそも,最近では選挙があるたびに,そのときの与党,野党の大物らの刑事疑惑を表舞台に出して結果的に自らの思いを加えた世論操作をして得票結果に影響を与えているように見えます。

 今の100年に一度の危機?にも予算審議より自らの利害,メンツの方が優先するのか?この国は選挙で選ばれたわけではない司法の力が強く立法,行政を揺りかごのように揺らしていると感じています。

(検察審査会は検察を監査するので検察ではないとは思いますが。。)

 また,直接民主制ではなく間接民主制の代議制なのに,行政も個々の政策ごとに国民の世論,支持率に極端に一喜一欝するなら,政策を提案するごとに毎回,大金と時間をかけて国民投票でもしますか?

 解党主義的に野党を含む全員談合で政策を決めようという大政翼賛会?的提案も,ワザワザ"100年に一度の危機(火中の栗)"という貧乏クジを引いた与党とその党首にとっては仕方ない方策なのでしょうか?

 中央集権的で上意下達の命令系統がしっかりした資本主義の優良企業に比べても,綱領も持たず特別な指導者もいない野合の衆に見える政党は確かに民主的かも知れませんが,それでは実際には何もできないかに思えます。

 政党やその党員は国民により民主的手続きで選ばれても,その政党は政策ごとの数合わせ野合ではなく資本主義企業のようであっていいと思います。

(自分は抜きにして国民もセッカチにならず任期の4年や6年くらいは見守ってあげてもいいじゃないか?という感想もありますが,傍観してればその間につぶれてしまうということもあるでしょうね。)

 久しぶりに,自分では何もせずできもしないし自分の世話さえままならないシロウトが評論家的感想を書きました。

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大相撲の八百長はいけないことなのか?

 ふと思ったのですが,「大相撲」の八百長はなぜいけない行為とされているのでしょうか?

 そもそも,「大相撲」の八百長は法律的には犯罪じゃないらしいし,相撲協会の内部規定に禁止事項があるのでしょうか?

 社会的には,常識的な勝負事のモラルに反するのでしょうが。。。

 蒸し返すわけではないけど,朝青龍はむしろ大相撲は立派なプロスポーツであり自分は格闘技のアスリートであるという自覚があって,その意識が大相撲はスポーツである前に伝統文化であり,国技であるという日本的な建前を上回って,結局はつまらない暴行刑事事件でクビにされたのでした。 

 スポーツじゃなくて文化であるというなら,同じ個人の格闘の興業で収入をあげるプロレスなどは"パフォーマンス=見せ物”文化であり,勝負の結果も含めた成り行きが半分以上シナリオ通りであるというようなやらせは当たり前で,昔ならいざ知らず今はそれを承知で観ています。

 また,国技というなら.結果として牛が負けて殺されるように仕組まれ,強い牛であれば薬物などで弱らせておくと聞いている「闘牛」というのもありますね。

 一方,「プロ野球」での八百長はメジャーでも日本でも過去に何回かあって永久追放されたという例がありますが,これは大相撲の内部の力士の星の貸し借り星の売買というよりも,野球賭博という別問題がからんでいます。

 まあ,野球は少なくともパフォーマンスの前にスポーツであってルールに則った真剣勝負であるということは自他共に認めています。

 また,相撲でも賭博がからんでると話は別でしょうね。

 私自身は,顰蹙を買っていたのに平気でガッツポーズをする朝青龍のようにルールに則った真剣勝負の格闘技スポーツという側面の方を重視して観ていたので,もちろん八百長勝負の可能性あるなら興味を失います。

 でも,大相撲がプロレスのような存在なら,"何故八百長がいけないの?"という感覚を持つのもありかなと思います。

 この問題のせいで,せっかく2/11に予定していて大相撲の力士の相撲を取る姿を生まれて初めて生で見られると期待していた「福祉大相撲」が中止となりがっかりです。

 その他には,mixiのマイミクの日記から仕入れたのですが,「たとえ大相撲の八百長の証拠であろうと,それが犯罪でないということなら,警察が別の刑事事件の証拠として押収したらしい携帯電話内の守秘義務のある情報を勝手にリークしていいのか?」という問題もありますね。

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2011年2月 2日 (水)

線型代数のエッセンス(5)(線型空間2の補遺)

 たまには科学記事も書かないと,本ブログのこの分野を忘れられそうなので,つなぎとしての「線型代数のエッセンス(4)」の書き残し部分を書きます。

余談ですが,ここでの記述のように数学の定義,定理,証明という手続きの連続はある意味で退屈な作業です。

しかし,私は科学事象を規定する用語や概念について人一倍認識能力のない人間(なかなか,なるほどと納得できない認識の閾値(threshold)が低いタイプの人間)です。

 

(↑たとえで言えば,かつては幼児レベルまで下がった説明でないと容易に納得できたと言わない頑固者でした。

 

ある時期からは,物質の運動状態とか色などの物理的性質ならその量的側面を定量化して数式にまで昇華した形で理解できたら,取り合えず納得した気になるようになりました。)

 

そこで,用語や概念,命題を一旦"論理的アルゴリズム?(algorithm)=トートロジー(tautology)の連続"によって認識しやすいアセンブラ(低級言語)にコンパイル(翻訳:compile)するという数学的作業なしには,

  

こうした概念や理論について未知の外国語を聞いているようにチンプンカンプンなのです。

 

さて,本題に入ります。

[定義2-25](座標系):線型空間における基底ベクトルをある一定の順序に配列したものをにおける座標系(coordinate system)という。

[定義2-26](座標):における座標系を1,2,..,nとするとき,∀=α11+α22+..+αnn12,..,αnと一意的に表わされるが,係数:α12,..,αnの各々をの座標成分(component)と呼ぶ。

 

 座標成分の列表示:t12,..,αn)をの座標ベクトル,または座標(coordinate)と呼び,ここではこれを記号[]で表わす。

 

 こうすれば=α11+α22+..+αnn=(1,2,..,n)t12,..,αn)=(1,2,..,n)[]と行列積表現される。

 

※(注):t12,..,αn)は行(α12,..,αn)の転置(transpot)を意味します。(注終わり)

[定理2-27](座標の性質):任意の,,α∈に対し,[α]=α[],[]=[]+[]である。(←自明なので証明は略)

[定理2-27の系]:∀に対して列ベクトル[]=t12,..,αn)全体が作る集合は1つの線型空間(ベクトル空間)を構成する。(←自明)

(注):列ベクトル[]=t12,..,αn)全体が作るベクトル空間を特に数ベクトル空間(number-space)と呼ぶ。※

[定理2-28]:→[]の対応は同型対応である。そこで線型空間の次元がn(dim=n)のときはその座標のn次元数ベクトル空間に同型(isomorphic)であり,1次独立なのべクトルの系は座標の作る数ベクトル空間の1次独立な系に対応する。(←自明)

[定義2-29](行列の階数):1,,..,mが座標:[1]=t1121,..,αn1),[2]=t1222,..,αn2),..,[m]=t1m2m,..,αnm)を有するとき,これらの列ベクトルから作られる行列をA≡[[1][2]..[m]]=[t1121,..,αn1)t1222,..,αn2)..t1m2m,..,αnm)],つまり

     

  とする。

 このとき,行列Aを構成するm個の数空間の列ベクトル:[1],[2],..,[m]のうちで1次独立なベクトルの個数の最大値を行列Aの階数(rank)という。

[定理2-31]:[定義2-29]と同じように構成された行列A≡[[1][2]..[m]]に対し,線型空間のm個のベクトル1,2,..,mのうちで1次独立なベクトルの個数の最大値は行列Aの階数に等しい。

(証明)[定理2-28]よりi→[i]の対応は同型対応ですから,[定義2-29]によりこれは明らかです。(証明終わり)

[定理2-32]:行列Aの階数はAのうちのゼロでない小行列式(minor determinant)の次数の最大値に等しい。

(証明) これは次の(注)[補助定理]から従います。(終わり)

(注):[補助定理]:m個のn次元列ベクトル[j]≡t1j2j,..,αnj)(j=1,2,..,m)が一次独立であるための必要十分条件は,m≦nでn×m行列:A≡[[1][2]..[m]]=(αij)のn個の行からm個の行を取出して作ったm次小行列式の中にゼロでないものが存在することである。

(証明)[j]≡t1j2j,..,αnj)(j=1,2,..,m)が一次独立であるときにはm≦nであるべきことは,n次元次元列ベクトル[]全体から成る数ベクトル空間の次元がnであるということ,および先の"[定理2-18]:n次元線型空間の(n+1)個のベクトルからなる系は全て1次従属である。"という命題からわかります。

 そして,[j]≡t1j2j,..,αnj)(j=1,2,..,m)が一次独立でm≦nであるとすると,

"[定理2-17]:n次元線型空間における任意の1次独立な系1,2,..,m(m<n)に対し適当なのベクトルの系m+1,..,nを加えて系1,2,..,m,m+1,..,nの基底となるようにできる。"

 

という命題から,

[j](j=1,2,..,m)に適当なn次元列ベクトルの系[m+1],..,[n]を加えて系:[1],[2],..,[m],[m+1],..,[n]がn次元数ベクトル空間の1次独立な基底となるようにできることがわかります。

 そこで,j=1,2,..,mだけでなくj=m+1,m+2,..,nについても[j]≡t1j2j,..,αnj)と定義し,n×n行列BをB≡[[1][2]..[n]]=(αij)i,j=1,2,..,nと定義します。

 

 こうすれば,自明な関係式β1[1]+β2[2]+..+βn[n]=[0]は,[β]を未知数とするB[β]=[0]なる行列表現を持つn次連立1次方程式になります。ただし,[β]≡t12,..,βn)です。

 

クラーメル(Cramer)によれば,[β]に対するこの方程式が自明な解:[β]=[0]=t(0,0,..,0)のみを持つための必要十分条件はBが正則なこと:Bの行列式:|B|=detBがゼロでないことです。

 特に,追加した1次独立な数ベクトルを[m+1],..,[n]を[j]≡t1j2j,..,αnj)=t1j2j,..,δnj)(j=m+1,..,n)と選ぶことが可能です。

 

 このときには,|B|=|αij|=det(αij)(i,j=1,2,..,m)です。

より一般には,上記のm個の添字j=1,2,..,mを任意に置換してkj(j=1,2,..,m)とした配列の[kj](j=1,2,..,m)に,n次元列ベクトル[m+1],..,[n]を加えてn次元数ベクトル空間の座標基底とすることもできます。

 

故に|B|=|αi,kj|=det(αi,kj)(i,j=1,2,..,m)と書けます。

よって,Bが正則なこと:つまりBの行列式:|B|=detBがゼロでないこととn個の行からm個の行を選び出して作ったm次の行列式の中にゼロでないものが存在することは同値であることが示されました。

以上から,"m個のn次元列ベクトル:[j]≡t1j2j,..,αnj)(j=1,2,..,m)が一次独立であるための必要十分条件は,m≦nでn×m行列:A≡[[1][2]..[m]]=(αij)のn個の行からm個の行を選び出して作ったm次小行列式の中にゼロでないものが存在することである。"という命題が証明されました。(証明終わり)

 

↑証明には佐武一郎著「線型代数学」(裳華房)を参照しました。

(注終わり)※

[定義2-33]:の2つの座標系1,2,..,n'1,'2,..,'nを取ると1=τ11'1+τ21'2+..+τn1'n,2=τ12'1+τ22'2+..+τn2'n,..,n=τ1n'1+τ2na'2+..+τnna'nと書ける。

 

 このとき,n×n行列:T≡(τij),

 

 つまり,

1,2,..,nから'1,'2,..,'nへの変換行列(transormation matrix)という。

(注):行列表現で(1,2,..,n)=('1,'2,..,'n)Tです。

 

 Tはもちろん正則:|T|≠0ですから,逆行列T-1が存在して(1,2,..,n)T-1=('1,'2,..,'n)と書けます。※

[定理2-34]:の座標系:1,2,..,nに対する座標をt12,..,αn),座標系:'1,'2,..,'nに対する座標をt(α'1,α'2,..,α'n)とし1,2,..,nから'1,'2,..,'nへの変換行列をTとすると,t(α'1,α'2,..,α'n)=Tt12,..,αn),

 

つまり

  

 が成立する。

(証明)=α11+α22+..+αnn=(1,2,..,n)t12,..,αn),かつ=α'1'1+α'2'2+..+α'n'n=('1,'2,..,'n)t(α'1,α'2,..,α'n)ですから(1,2,..,n)t12,..,αn)=('1,'2,..,'n)t(α'1,α'2,..,α'n)です。

 ところが,定義によって(1,2,..,n)=('1,'2,..,'n)Tですから('1,'2,..,'n)Tt12,..,αn)=('1,'2,..,'n)t(α'1,α'2,..,α'n)と書けます。

'1,'2,..,'nは座標系(基底)であり,座標表現:=α'1'1+α'2'2+..+α'n'n=('1,'2,..,'n)t(α'1,α'2,..,α'n)は一意的ですから,t(α'1,α'2,..,α'n)=Tt12,..,αn),あるいは,t12,..,αn)=T-1 t(α'1,α'2,..,α'n)が結論されます。

 

(証明終わり)

短いですが今日はここまでにします。 

ここで述べたかったことのエッセンスは,有限次元線型空間の本質はその次元がn(dim=n)であるということです。 

つまり,次元が同じnであれば抽象的な線型空間(ベクトル空間)であろうと全てn次元数ベクトル空間に同型であり,抽象線型空間の元であるベクトルについても数空間の列ベクトルに同型という意味です。

 

例えば,量子論の状態を示すブラ・ケットのような抽象的状態ベクトルであろうと,こうした粒子のスピンやクォークのカラー,フレイバーに代表される有限で離散量子数のみで指定されるような有限次元の線型部分空間の代数的性質の話を考えるのであれば,

 

これら全ては普通の数ベクトル空間,およびその列ベクトルの性質,特に行列や行列式を観察すれば十分であるということを論理的に表現したかったのです。

参考文献:ア・イ・マリツェフ(柴岡康光訳)「線型代数学」(東京図書)

 

PS:整いました。今日の駄じゃれ。。。

 

 「壁に耳あり,障子にメアリー(まり)」

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2011年2月 1日 (火)

今日は誕生日(めでたくもありめでたくもなし)

 本日,61歳の誕生日。。

 最近は,夕方に秋葉原の裏通りで上を向いて歩いていてカラーコーンにつまづいて派手に転倒したり,なにげにカッパえびせんを誤嚥して水も受け付けず救急車を呼ぼうかと思ってたら咳の結果なんとか治ったりなどなど。。

 数えで62だし後厄は終わったはず?

PS:寒くてサボり癖が出そうでしたが意を決して夜は手話講習に行きました。

 講習は今日で全37回中の32回目です。

 私は第3回目からの途中参加で2回だけ休みましたが28回参加です。

 28/32=7/8ですから,教科書以外無料で資格がもらえるわけでもなく出欠自由でこれといった時間拘束もない社会人の授業では,出席はいい方でしょう。

 3月には,クラスメイトともお別れですが,恐らく来年度の中級コ-スを取ればまた同じメンバーで会えると思います。

 ,先週の講義で登校途中に指文字を覚えるようにという指示があったのを思い出したので,バス乗り継ぎで巣鴨駅南口18時17分発から池袋駅経由聖母病院入口まで約50分の登校の間に「知床旅情」を頭の中で口ずさみながら歌詞を指文字で7~8回も練習しまくりました。

 なぜ,「知床旅情」かというと,たまたま頭に浮かんできて,うろ覚えで1番と2番がゴッチャになりながらも歌詞をほとんど覚えていたからです。

 まわりは気にせず,結構ずっと夢中でやっていたので,「また,変なアルツハイマージジイがいるな?」と思われたかも知れませんネ。

 でも,本を参照して普通にアイウエオ順で覚えようとして,まだ記憶が曖昧で完全に覚えてない段階の私の場合には,いちいちアイウエオ順から思い浮かべて咄嗟には出てこないので,歌で覚えるというのは妙案だと思いました。

(これは昔池袋の専門学校でパソコンのブラインドタッチを自分ではできないのに生徒に教えた際,使用した方法に似ています。)

 この方法を,帰りに後ろの席のD・M子さんに教えると同調され帰りに2人でちょっとやってみました。ここのメンバーも週に1回とはいえ,春から冬2月までほぼ毎週会ってると先生を含め全員に情が移ってきましたネ。

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