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2011年4月

2011年4月30日 (土)

量子電磁力学の輻射補正(6)(電子自己質量-2)

輻射補正の電子の自己質量の項目の続きです。


§8.5 Renormalization of the Electron Propagator

(電子伝播関数のくりこみ)

 さて,前項で低次の散乱行列要素について実行した波動関数

の修正:u~(p) → ~(p)[1+{-iΣ(p)}i(-m)-1]を,

電子伝播関数(propagator)に適用します。

 すなわち,上記修正は,伝播関数:i/(-m)を,

i/(-m){i/(-m)}{-iΣ(p)}i(-m)-1

=i/{-m-Σ(p)}+O(α2) に置き換えることに

等価です。

(注1):i/(-m){i/(-m)}{-iΣ(p)}i(-m)-1

={i/(-m)}[1+{-iΣ(p)}i(-m)-1]

={i/(-m)}[1-Σ(p)(-m)-1]-1+O(α2)

=i/{-m-Σ(p)}+O(α2),


 また
,i/(-m){i/(-m)}Σ(p)(-m)-1

 +{i/(-m)}Σ(p)(-m)-1Σ(p)(-m)-1+..

 ={i/{-m}}/{1-Σ(p)(-m)-1}=i/{-m-Σ(p)}

です。

 (注1終わり)


 
 これは,前項で求めた,

Σ(p) ~ {3αm/(4π)}log(Λ2/m2)

-{α/(4π)}(-m)[log(Λ2/m2)+4log{(m2―p2)/m2}],

または,Σ(p) ~ {3αm/(4π)}log(Λ2/m2)

-{α/(4π)}(-m){log(Λ2/m2)+4log(λ/m)}

から,次のように表現できます。


 すなわち,Σ(p)≡δm-{Z2-1-1+C(p)}(-m),

ただし,δm≡{3αm/(4π)}log(Λ2/m2),

 および,Z2-1-1+C(p)

≡{α/(4π)}[log(Λ2/m2)+4log{(m2―p2)/m2}]

(for mλ<<p2-m2<<m2),

 または,Z2-1-1+C(p)

≡{α/(4π)}log(Λ2/m2)+4log(λ/m)(for p2-m2<<mλ)

とします。

 実数C(p)は質量殻上(on-shell):=mでC(p)=0 となる

ように選びます。こうすればC(p)は切断Λには依らない数

になります。

 こう規定すると,=mでは,

2-1-1={α/(4π)}{log(Λ2/m2)-2log(m22)}

です。

 そこで,i/{-m-Σ(p)}

=iZ2/[(-m){1+Z2C(p)}-Z2δm]

=iZ2/[(-m-δm){1+C(p)}]+O(α2)

と書けます。

※(注2):-m-Σ(p)

-m-δm+{Z2-1-1+C(p)}(-m)

=Z2-1[(-m){1+Z2C(p)}-2δm] です。

 そして(-m)|1+Z2C(p)}-Z2δm

=(-m-δm){1+C(p)}+(Z2-1)C(p)(-m)

-{Z2-1-C(p)}δm です。

 αの最低次までの計算では,Z2-1-1=O(α)ですから,

2-1=O(α),Z2-1-C(p)=O(α)です。

 さらに,C(p)=O(α),δm=O(α)ですから

(Z2-1)C(p)(-m)-{Z2-1-C(p)}δm=O(α2)

です。

 故に,i/{-m-Σ(p)}

=iZ2/{(-m-δm){1+C(p)}+O(α2)}

=iZ2/{(-m-δm){1+C(p)}+O(α2)

を得ます。

 または,Z2=1+O(α),C(p)=O(α)でO(α2)を無視する

近似では,Z2 ~ 1として,直接,

i/{-m-Σ(p)}

=iZ2/[(-m)|1+Z2C(p)}-Z2δm]

~ iZ2/{(-m-δm){1+C(p)}  です。※

  ここで,mph≡m+δmを電子の物理的質量(physical mass),

つまり観測される電子の質量と認定します。

 自由Dirac方程式:(iγ∇-m)ψ=0 or (-m)u=0 に

現われるパラメータmは,前の論議での裸の電荷と同じく

裸の質量(bare mass)と呼ばれ観測にはかからない数です。

  質量mの"くりこみ"の必要性は既に古典電磁力学に

 おいても生じています。

 自由電子に関する実験では,Lorentz力の法則でのパラメータ

 mに電子の自己場の慣性を加えたものが測定にかかります。

 (※電場,磁場の中に投げ入れた電荷eの1電子の速度を

 vとすると,その運動は運動方程式:md/dt=e+e×

 に厳密には従わず,md/dt=e×となって余分な力

 Fがあります。

 このは場の反作用と呼ばれ,これは電子の加加速度:2/dt2

 にも依存するような複雑な力ですが,投入した電子自身によって

 発生した自己場による抵抗力と考えられます。

 そこで,質量がmphの電子は,mph/dt=e+e×

 なるLorentz力を含む普通の電磁場の法則に従うべきである。

 という仮説の下で電子の慣性質量mphを測定すると,

 mph=m(電子質量)ではなく.mph=m+δmと余分の慣性δm

 を加えた形で観測されます。※)

 古典半径aの電子を仮定し古典電磁気学に従って理論的に電子

 の自己エネルギーを計算すると,~ α/a であり,それ故観測

 される質量は,~ (m+α/a)=mph となるはずです。

 ただし,α≡e2/(4πε0)で,これは微細構造定数です。

 大きさのない点電荷ではa→ 0であり,これでは質量補正は

 無限大になってしまいます。これは古典電磁力学だけでなく,

 たった今計算した量子論においても真です。

 しかし,古典論ではa → 0 に対して自己エネルギーが1次の

 発散をするのに反して,量子論では切断について対数的に発散

 します。

 こうした発散の緩和化は,Diracの空孔理論の帰結です。 

 最初,Weiskopfによって研究されたように(2006年12/21の過去

 記事:電子の自己エネルギーとDiracの海」を参照),

 下図8.7(a)の時間順序グラフでの仮想電子-陽電子対が

 図8.7(b)の主要な発散を相殺します。 

  さて,量子論で計算した自己エネルギーは形式的には無限大ですが,

 この質量補正はΛ<<exp{2r/(3a)}m ~10100m程度の切断質量

 Λに対してはかなり小さい値です。

 
一方,宇宙の全質量でさえ,1080mくらいと評価されています。

 "質量くりこみ"を実行する体系的な方法は,Dirac方程式を物理的

 質量で書き直し,その差異を付加的相互作用として扱うことです。


 すなわち,元の素朴な方程式:(iγ∇-m)ψ=eAψを,

 (iγ∇-mph)ψ=eAψ-(mph-m)ψ=eAψ-(δm)ψ

 と書き直します。

 右辺の付加的相互作用:-(δm)ψのS行列への寄与は

 下図8.8のFeynmanグラフで表わされます。 

  

この項の寄与は,丁度.

Σ(p) ~ {3αm/(4π)}log(Λ2/m2)-{α/(4π)}(-m)

[log(Λ2/m2)+4log{(m2―p2)/m2}]etc.の第1項(Leadingterm)

と相殺してこれを消す働きをします。


 (※図8.8の項はくりこみ理論ではcountertermと呼ばれます。)

 そして,修正された(くりこまれた)電子伝播関数は,=mph

とき自由伝播関数の倍数になります。

 さて,これ以後は質量は既にくりこまれていると仮定します。

 すなわち,図8.8も含まれているとします。

 そして,改めてmphの代わりにmを電子の物理的質量を記述する

記号とします。(裸の質量はmの代わりに,m0とします。)

 残りの電子伝播関数の補正は,定数Z2と関数C(p)です。

このうちC(p)は=m(=mph)のときゼロと選択しています。

 そこで,~mでの伝播関数は,i/(p-m) → iZ2/(p-m)

となり積因子で修正されます。


 この意味で,Z2は前の真空偏極(vacuum polarization)による

光子伝播関数の補正において遭遇した定数Z3に似ています。

 この因子はまた,電子線の"各端点=頂点(vertex)"に現われる

電荷e0に吸収することも可能です。

 しかし,Z2が多くの物理学を含むことは期待できません。

 何故なら,それは,

2-1-1={α/(4π)}{log(Λ2/m2)-2log(m22)}によって,

光子の切断質量Λに依存するからです。

 また,外線(質量殻上=実電子)については,二重に補正しない

よう注意する必要があります。

 この状況は,光子外線(実光子)の補正係数において出会った状況

に似ています。

 こうしたFeynman伝播関数は,後に第二量子化された場理論では,

2点Green関数として場の時間順序積の真空期待値で与えられる

のですが,こうした伝播関数は場の振幅について双一次の表現です。

 
 一方,外線は単一の場の振幅を表わす波動関数に相当するので,

 それは因子:Z21/2でくりこまれます。

 その結果,各外線については,Z21/2で割る必要があります。

 
この結果の馴染み深い例は,通常の量子力学の摂動論において

見出されます。

 
すなわち,摂動論の1次近似結果の,

ψn=Zn1/2φn+Σm≠n<φmVψn>φm/(En-E0m)2,

およびZn=1-Σm≠n|<φmVψn>|2/(En-E0m)2

なる表現です。

 
ここでも,Z因子は本質的にはGreen関数に対して計算され,

波動関数はZn1/2 よって再規格化されています。

 
短かいですが,今日はここで終わります。

 そして,これで電子自己質量の項は終わりです。

 次回は頂点補正(The Vertex Correction)に入る予定です。

 (参考文献): J.D.Bjorken & S.D.Drell

"Relativistic Quantum Mechanics"(McGraw-Hill)

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今日のつぶやき(Twitter)から。。

福島第1原発:内閣官房参与抗議の辞任 ← これでいいのか?(ここまで全部Twitterから引用)

 なんと下の名前と年齢が私と同じです。(漢字は違うけど読みが同じイヤ私はとしぞうだからその濁点が違うか。。。)

 ついでだけどキャンディーズ

">

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2011年4月28日 (木)

最近の雑感

 私のように最近は幾人かの知己から"もはや人間じゃない"と言われているようなクソジジイが言うのも何ですが,欲がなくなると人間の輝きは失われるように思います。

 欲がありすぎるのも問題ですが,これも必要な若さのうちです。

 悟ってしまったようで悩みもなく枯れて落ち着いた状態は一方の理想ですが,肌でたとえるなら水も油も失ってカサカサになるより,ガツガツとした雰囲気で脂ぎってても肌がツヤツヤの方がはるかにましです。

 人は神でも仏でもありません。欲があるからこそ悩みがあり悩みがあるからこそ人間,苦痛があるからこそ喜びもあるし,生老病死,四苦八苦も何も感じない神なら苦しみはないだろうけど面白くもないでしょう。

 イヤ,精神も含め苦痛の真っ只中にある人々にとって何とノン気なヤツと思われるかもしれません。当面,守るべきものを持たないヤツのタワごとに見えるでしょう。それはそれでいいです。

 モノゴトはすべて諸刃の剣ですからね。

(私自身,23歳頃から今までズーっと。。ウツ病は治癒したかどうかがハッキリしない病気です。ストレスフリーな状況では発現しません。

 かつてほどではないにしても投薬による心的苦痛の除去,鈍磨の代償として貴重な感性の一部が失われてきたと感じています。)

 人間なら,この世に肉の身でいるのは高々100年です。

 負け惜しみヤッカミではなく,賞をもらったりしたような偉人の生も名もない"どこかの馬の骨,有象無象"の生も等しく貴重な人生であり,最後の死についても対等に悼みたいものだと思います。

PS: 諸刃の剣,諸刃の剣。。と言ってる端から,急にノスタルジーをからめた節電キャンペーンかよ。。

 夜も明るく安全な社会というような東電などの電力会社のキャンペーン(陰謀)で今の明るさに慣らされたのじゃなかったのか?

 かつてのように暗い道を一人歩きしてても全く襲われることもなく,一部の田舎のように鍵をかけなくても安全な,個人情報など開けっ放しでも詐欺などに利用されることもないのどかな社会なのかい,

 コンピューターに制御されてるわけではない昭和30年代の「三丁目の夕日」に戻れるのかい?

 その昔は高層ビルなどなくてせいぜい3階建てでエレベーターもエスカレーターもなくてもそれほど不便じゃなかった。

 これからもっともっと高齢社会に入っていく,日本は街灯がなかったり暗くても段差もない高齢者,障害者のバリアフリーな社会になっているのかい?

 もう最初の地震当日に亡くなった方々の四十九日ですか。。。

 原子力は諸刃の剣(=悪を切ると同時に善も切る?)というより片刃のみのような気もします。

 気分治しに昼間白山四丁目で撮ったつつじなど。。。   

   

   

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2011年4月27日 (水)

量子電磁力学の輻射補正(5)(電子自己質量-1 )

 輻射補正の続きです。電子の自己質量に入ります。


 
§8.4 Self-mass of the Electron(電子の自己質量)

 図8.4(d)のグラフに対する振幅はe2のオーダーの電子の固有

 自己エネルギー部分として知られています。

 これについては,4/4の記事「量子電磁力学の輻射補正(1)

 において次のように書きました。


 
"行列要素Sfi(4d)はSfiBの第2項と電子波動関数の置換:

 u~(p1')→ u~(p1')ε0-1∫d4k(2π)-4(-i)(k2+iε)-1

 (-ieγν)i(1'--m+iε)-1(-ieγν)i(1'-m+iε)-1

 だけ異なります。"

 
です。


 
これと等価な表現として,電子波動関数(4-spinor)がu~(p)から

u~(p)[1+{-iΣ(p)}i(-m+iε)-1] に輻射補正される

として,補正項の伝播関数の係数が

-iΣ(p)≡(-ie)2ε0-1∫d4k(2π)-4[(-i)/(k2-λ2-iε)]

γν{i/(-m+iε)}γν で与えられるとします。

 
 ただし,λ>0 はk~0 の部分から出現するであろう赤外発散

 (Inf(rared divergence)から保護するため便宜上挿入した微小

 な光子質量です。

  
このとき,定義式:

 -iΣ(p)=(-ie)2ε0-1∫d4k(2π)-4

 [(-i)/(k2-λ2+iε)]γν{i/(-m+iε)}γν]

 の右辺のkによる4次積分は明らかに発散します。
 

 何故なら,被積分関数の分母がkについて3次しかないからです。

 このうち2次は光子伝播関数,1次は電子伝播関数によるもの

 です。

 
Σ(p)={α/(2π)}∫0dz10dz2

(z1+z2)-2{2m-12/(z1+z2)}

exp[i{12/(z1+z2)-m22-λ21}]

と書けます。


 ※
(注1):上式を導きます。

 
まず,(-i)/(k2-λ2+iε)

=∫0dz1 exp{iz1(k2-λ2+iε)},および,

i/(-m+iε)=i(+m)/{(p-k)2-m2+iε}

 =-(+m)∫0dz2 exp{iz2{(p-k)2-m2+iε}]

なる公式により,伝播関数の分母を指数関数の肩に上げます。

 
Σ(p)=(ie20-10dz10dz2∫d4k(2π)-4γν

(+m)γνexp[iz1(k2-λ2+iε)+iz2{(p-k)2-m2}]

です。

 
さらに,γν(+m)γν=4m-2()ですから,

Σ(p)=(i8πα)∫0dz10dz2∫d4k(2π)-4|2m-()}

exp{i(z1+z2)k2-2i(pk)z2+ip22-im22-iλ22

-ε(z1+z2)} と書けます。

 
ここにαは微細構造定数でα≡e2/(4πε0)です。

 
ここで,積分変数の置換;l=k-pz2/(z1+z2)

=k-p+pz1/(z1+z2)を行なえば,

Σ(p)=(i8πα)∫0dz10dz2∫d4l(2π)-4

{+2m-1/(z1+z2)})

exp[il2(z1+z2)+ip212/(z1+z2)-im22-iλ21

-(z1+z2)ε] です。

 

前に計算して得た公式:

(1)∫d4l(2π)-4{exp{il2(z1+z2)}}={16π2i(z1+z2)2}-1,

(2)∫d4l(2π)-4[lμexp{il2(z1+z2)}]=0,

(3)∫d4l(2π)-4[lμνexp{il2(z1+z2)}]

={32π2(z1+z2)3}-1μν

を用いて,∫d4l(2π)-4を実行します。

 

こうして,Σ(p)={α/(2π)}∫0dz10dz2

(z1+z2)-2{2m-1/(z1+z2)}

exp[i{p212/(z1+z2)-m22-λ21+iε(z1+z2)}]

得られました。 (注1終わり)※

 
このΣ(p)は,Feynmanグラフにおいて任意のp2を持つ電子

の内線と質量殻の上にある実電子外線の両方に適用されます。

 
後者の場合には,自由粒子スピノルの次にp2=m2が位置

しますが,このときには自由粒子のDirac方程式:

(-m)u(p)=0 or (-m)v(p)=0 が成立します。

これはをmと置き変えてよいことを意味します。

 
さて,恒等式:1=∫0dγγ-1δ(1-(z1+z2)/γ)を挿入した後

に変数変換:z1→γz1,z2→γz2を行なうと,

Σ(p)={α/(2π)}∫01dz{2m-(1-z)}∫0dγγ-1

exp[iγ{p2z(1-z)-m2z-λ2(1-z)+iε}]

を得ます。

 
(注2):上式を導出します。

 
Σ(p)={α/(2π)}∫0dz10dz20dγγ-1

δ(1-γ(z1+z2)/γ)(z1+z2)-2{2m-1/(z1+z2)}

exp[iγ{p212/(z1+z2)-m22-λ21+iε(z1+z2)}

です。

 
積分∫0dz1を実行してz11-z2とした後,z2を改めてzと

書けば,

Σ(p)={α/(2π)}∫01dz{2m-(1-z)}

exp[iγ{p2z(1-z)-m2z-λ2(1-z)+iε}]

が得られます。 (注2終わり)※

 
積分:I(p,m,λ)≡∫0dγγ-1

exp[iγ{p2z(1-z)-m2z-λ2(1-z)+iε}]

は,対数的に発散します。

 
そこで,このI(p,m,λ)から"大きい光子質量Λ"を持つ

I(p,m,Λ)を差し引くという切断(cut)を実行します。

 
そのため,恒等式∫0dxx-1{exp(iax)-exp(ibx)}

=log|b/a|(|a+b|/2>(a-b)/2>0) を用います。


 
※(注3);a=p2z(1-z)-m2z-λ2(1-z)+iε,b

 =p2z(1-z)-m2z-Λ2(1-z)+iε}と置けば,

 (a-b)/2=(Λ2-λ2)(1-z)/2>0 は明らかです。

  一方,(a+b)/2=p2z(1-z)-m2z-(Λ2+λ2)(1-z)/2

より,|a+b|/2>(a-b)/2です。
 

すなわち,∫0dxx-1{exp(iax)-exp(-ibx)}

0dx[{isin(ax)-isin(bx)}/x]

+∫0dx[{cos(ax)-cos(bx)}/x]

=2∫0dx[isin{(a-b)x/2}cos{(a+b)x/2}

 -sin{(a-b)x/2}sin{(a+b)x/2}/x]

ですが,

これの最右辺第1項の

0dx[sin{(a-b)x/2}cos{(a+b)x/2}/x]は,

|a+b|/2>(a-b)/2 ならゼロです。

 

最右辺第2項は

0dx[sin{(a-b)x/2}sin{(a+b)x/2}/x]

=-log|a/b|=log|b/a|です。

(数学公式集(岩波全書)を参照※

 
そこで,切断後のΣ(p)をΣ~(p)と書けば,

Σ~(p)={α/(2π)}∫01dz{2m-(1-z)}{I(p,m,λ)

-I(p,m,Λ)}ですが,上記の公式により,

 I(p,m,λ)-I(p,m,Λ)}

 =log|{p2z(1-z)-m2z-Λ2(1-z)}

 /{p2z(1-z)-m2z-λ2(1-z)}|  です。

 

故に,Λ>>m,かつλ ~ 0 では,

Σ~(p)={α/(2π)}∫01dz{2m-(1-z)}

log[{m2z+Λ2(1-z)-p2z(1-z)}

/{m2z+λ2(1-z)-p2z(1-z)}]

~ {α/(2π)}∫01dz{2m-(1-z)}

log[Λ2(1-z)/{m2z+λ2(1-z)-p2z(1-z)}]

となります。

 

これは,さらに

Σ~(p)={α/(2π)}∫01dz{2m-(1-z)}

log{Λ2(1-z)/(m22)}+{α/(2π)}∫01dz{2m-(1-z)}

log[{m22+λ2(1-z)}/{m2z+λ2(1-z)-p2z(1-z)}]

と書けます。

 

結局,Σ~(p)~ {3αm/(4π)}log(Λ2/m2)

-{α/(4π)}(-m)log(Λ2/m2)

+{α/(2π)}∫01dz{2m-(1-z)}

log[{m22+λ2(1-z)}/{m2z+λ2(1-z)-p2z(1-z)}]

得ます。


 
(注4):∫01dz{2m-(1-z)}log{Λ2(1-z)/(m22)}

=∫01dz{m(1+z)-(1-z)(-m)}log(Λ2/m2)

+∫01dz{2m-(1-z)}{log(1-z)-2logz} です。

 これは,{3m/2-(-m)/2}log(Λ2/m2)

+2m[-(1-z)log(1-z)+(1-z)]01

-(/2)[-(1-z)2log(1-z)+(1-z)2/2]01

-2(2m-)[zlogz-z]01[z2logz-z2/2] 01

=(3m/2)log(Λ2/m2)-{(-m)/2}log(Λ2/m2)+2m-5/4

となります。 

 
故に,Λ>>mでは,

01dz{m(1+z)-(1-z)(-m)}log(Λ2/m2)

={3αm/(4π)}log(Λ2/m2)-{α/(4π)}(-m)log(Λ2/m2)

+{α/(2π)}(2m-5/4)

~ {3αm/(4π)}log(Λ2/m2)-{α/(4π)}(-m)log(Λ2/m2)

です。 (注4 終わり)※

 Σ~(p)の切断Λへの全ての依存性は,この最初の2項:

{3αm/(4π)}log(Λ2/m2)-{α/(4π)}(-m)log(Λ2/m2)

の中にあります。

 残りの項:{α/(2π)}∫01dz{2m-(1-z)}

log[{m22+λ2(1-z)}/{m2z+λ2(1-z)-p2z(1-z)}]

は,(p2-m2)>>mλに対しては容易に評価されます。 

 すなわち,(p2-m2)>>mλのときには,

{α/(2π)}∫01dz{2m-(1-z)}

log[{m22+λ2(1-z)}/{m2z+λ2(1-z)-p2z(1-z)}]

~ {α/(2π)}∫01dz{2m-(1-z)}log{m2z/{m2-p2(1-z)}

と近似されます。


 これに
より,結局,{α/(2π)}∫01dz{2m-(1-z)}

log[{m22+λ2(1-z)}/{m2z+λ2(1-z)-p2z(1-z)}]

(αm/π){(m2-p2)/p2}log{(m2-p2)/m2}

-{α/(4π)}{(m2-p2)/p2}[1+{(m2+p2)/p2}

log{(m2-p2)/m2}] です。

 
(注5):上式を導きます。
 ∫01dz{2m-(1-z)}log{m2z/{m2-p2(1-z)}

=∫01dz{(2m-)+z}{logm2+logz-log{m2-p2(1-z)}


 
(2m-/2)logm2+(2m-)[zlogz-z]01

+(/2)[z2logz-z2/2] 01-{(2m-)

-(m2-p2)/m2}(p2)-1[(p2z+m2-p2)

log(p2z+m2-p2)-(p2z+m2-p2)] 01

-(/2)(p2)-2[(p2z+m2-p2)2

log(p2z+m2-p2)-(p2z+m2-p2)2/2] 01 

です。

 これはさらに,(2m-/2)logm2-(2m-)-/4

-{(2m-)-(m2-p2)/m2}(p2)-1

{m2logm2-(m2-p2)log(m2-p2)-p2}

-(/2)(p2)-2{m4logm2-(m2-p2) 2log(m2-p2)/2

+m4-(m2-p2)2} となります。 


 上式の(2m)の係数は,logm2-1-(m2/p2)logm2+1

+{(m2-p2)/p2}log(m2-p2)

={(m2-p2)/p2}log{(m2-p2)/m2} です。

 また,の係数は-(1/2)logm2+3/4-(m2/p2)+(m2/p2)2logm2

-(m2/p2){(m2-p2)/p2}log(m2-p2)-(1/2)(m2/p2)2logm2

-1/4+(1/2)(m2/p2) です。

 

これは,(1/2){(m2-p2)/p2}+(1/2){(m2-p2)/p2}

{(m2+p2)/p2}logm2-(1/2){(m2-p2)/p2}{(m2+p2)/p2}

log(m22)と整理され,

結局,-(1/2){(m2-p2)/p2}

[1+{(m2+p2)/p2}log{(m22)/m2}]となります。

(注5終わり)※

 したがって,質量殻の近傍でp2~m2ですがp2-m2>>mλ

のとき,そしてΣ~(p)が自由粒子スピノルの次に位置する

(=mの)場合,


 Σ~(p)~{3αm/(4π)}log(Λ2/m2)-{α/(4π)}(-m)

[log(Λ2/m2)+4log{(m2―p2)/m2}]と書けます。

 
※(注6):これは次のように示されます。

 まず,Σ~(p)~{3αm/(4π)}log(Λ2/m2)

-{α/(4π)}(-m)log(Λ2/m2)+(mα/π){(m2-p2)/p2}

log{(m2-p2)/m2}-{α/(2π)}(/2){(m2-p2)/p2}

[1+{(m2+p2)/p2}log{(m2-p2)/m2}]) です。

 これの最初のΛに関する項以外のλによる特異項を評価します。

 (2m)の係数から発生する項は(mα/π){(m2-p2)/p2}

log{(m2-p2)/m2}です。

 また,{α/(2π)}×の係数は,

(1/2){(m2-p2)/p2}[1+{(m2+p2)/p2}

log{(m2-p2)/m2}] です。

 故に,の項は-{α/(4π)}{(m2-p2)/p2}

{α/(4π)}(-m){(m2-p2)/p2}{(m2+p2)/p2}

log{(m2-p2)/m2}-{mα/(4π)}{(m2-p2)/p2}

{(m2+p2)/p2}log{(m2-p2)/m2} です。

 これと,先の(mα/π){(m2-p2)/p2}log{(m2-p2)/m2}

との和を取れば,

-{α/(4π)}{(m2-p2)/p2}{α/(4π)}(-m)

{(m2-p2)/p2}{(m2+p2)/p2}log{(m2-p2)/m2}

+{mα/(4π)}{(m2-p2)/p2}{(m2+3p2)/p2}

log{(m2-p2)/m2} です。

 (m2+p2)/p2~2,(m2+3p2)/p2~4とすれば,

{2α/(4π)}(-m){(m2-p2)/p2}log{(m2-p2)/m2}

+{4mα/(4π)}{(m2-p2)/p2}log{(m2-p2)/m2} です。

 質量殻の近傍;~mでは,

(m2-p2)/p2 ~(m2-p2)/m2

=-(-m)(+m)/m2 ~ -2(-m)/m 

なることを用いると,再び,(m2+3p2)/p2~4より

 {2α/(4π)}(-m){(m2-p2)/p2}log{(m2-p2)/m2}

-(8α/4π)}(-m){log{(m2-p2)/m2}

~ -{4α/(4π)}(-m){log{(m2-p2)/m2}

を得ます。(注6終わり)※

 すなわち,切断Λと関わる特異性とは別に,

2~m2,p2-m2>>mλのときでも4log{(m2―p2)/m2}]

のような対数的特異性があることに注意が必要です。

 次に,大きい運動量2>m2に対しては,光子伝播関数で生じた

ことのアナロジーで,電子が電子と光子に崩壊する仮想的過程

の存在に対応してΣ(p)が複素数になります。
 これについては後述します。

 
また,p2-m2<<mλに対しては,上の

Σ~(p) ~ {3αm/(4π)}log(Λ2/m2)

-{α/(4π)}(-m)[log(Λ2/m2)+4log{(m2―p2)/m2}]

の最後の対数項log{(m2―p2)/m2}が,|p2-m2|をmλで評価

したようなlog(λ/m)で置き換えられます。

 つまり,Σ~(p) ~ {3αm/(4π)}log(Λ2/m2)

-{α/(4π)}(-m)[log(Λ2/m2)+4log(λ/m)] です。

 これは,{α/(2π)}∫01dz{2m-(1-z)}

log{m2/{m2-p2(1-z)} の計算から直接証明できます。

 
(注7):(証明)∫01dz{2m-(1-z)}

log[{m22+λ2(1-z)}/{m2z+λ2(1-z)-p2z(1-z)}]

 (2m-/2)log(m2/p2)+(2m-)+λ2/(2m2)}

[{z-λ2/(2m2)}log(z2-λ2z/m2-λ2/m2)

-2{z2-λ2/(2m2)}+(2m/λ){1-λ2/(4m2)}1/2

tan-1{(m/λ)(z-λ2/(2m2))/{1-λ2/(4m2)}1/2}]01

 -{(2m-)+(m2―p2-λ2)/(2p2)}

[{z+(m2-p2-λ2)/(2p2)}log{z2

-(m2-p2-λ2)z/p2-λ2/p2}―2{z+(m2-p2-λ2)/(2p2)}

+2λ/|p|]{1-λ2/(4m2)}1/2

tan-1{(|p|/λ){z+(m2-p2-λ2)/(2p2)}

/{1-(m2-p2-λ2)2/(4p2λ2)}12}]01

 +(/2)[(z2-λ2z/m2+λ2/m2)log(z2-λ2z/m2+λ2/m2)

-(z2-λ2z/m2+λ2/m2)-{z2+(m2-p2-λ2)z/p2

+λ2/p2}log{z2+(m2-p2-λ2)z/p2+λ2/p2}

+{z2+(m2-p2-λ2)z/p2+λ2/p2}]01

 =(2m-)log(p2/m2)+{2m-+λ2/(2m2)}

2/(2m2)}{log(λ2/m2)-2+2(λ/m){1-λ2/(4m2)}1/2

[tan-1{(m/λ)(1+λ2/(2m2))/{1-λ2/(4m2)}1/2}

+tan-1{{(λ/(2m))/{1-λ2/(4m2)}1/2}

 -+(m2-p2-λ2)/(2p2)}{1+(m2-p2-λ2)

/(2p2)}log(m2/p2)-{(m2-p2-λ2)/(2p2)}log(λ2/p2)}

-2+2(λ/|p|){1-(m2-p2-λ2)2/(4p2λ2)}1/2

[tan-1{(|p|/λ){1+(m2-p2-λ2)/(2p2)}/(1

-(m2-p2-λ2)/(2p2))1/2}

-tan-1{(m2-p2-λ2)

/(2|p|λ{1-(m2-p2-λ2)2/(4p2λ2)}1/2)

 +(/2) }[-(λ2/m2)log(λ2/m2)-1+λ2/m2

-(m2/p2)log(m2/p2)+(λ2/p2)log(λ2/p2)

+m2/p2-λ2/p2]] です。

 (m2-p2)2/m2<<O(λ2)の項を無視すると,λ2/(2m2)

の項,(m2-p2-λ2)/(2p2)の項は消えます。

 2mの項は,{(m2-p2-λ2)/(2p2)}log(m2/p2)+{λ2/(2m2)}

log(λ2/m2)+{(m2-p2-λ2)/(2p2)}log(λ2/p2)

2[(λ/m){1-λ2/(4m2)}1/2

[tan-1{(m/λ)(1+λ2/(2m2))/(1-λ2/(4m2))1/2}-(λ/|p|)

{1-(m2-p2-λ2) 2/(4p2λ2)}1/2tan-1{(|p|/λ)

(1+(m2-p2-λ2)/(2p2))/(1-(m2-p2-λ2)2/(4p2λ2))1/2}

+(λ/m){1-λ2/(4m2)}1/2[tan-1{{(λ/(2m))/(1-λ2/(4m2))1/2}

+tan-1{(m2-p2-λ2)(2|p|λ)-1}

/(1-(m2-p2-λ2)2/(4p2λ2))1/2}] です。

 このうち,(第1項+第2項+第3項)

~{(m2-p2)/(2m2)}log(λ2/m2)  です。

 また,Arctan1=tan-1の項のうちで効くのは,m/λ,|p|/λが

入ってる項だけで,それらの絶対値は最大でもπ/2です。

 それ故,(λ/m)→ 0 のときの特異性は対数のそれに比べて,

ほとんどないに等しいものです。よって以下ではtan-1の項は

無視します。

 結局,(2m)の項は~(2m){(m2-p2)/(2m2)}log(λ2/m2)

={(m2-p2)/m}log(λ2/m2)  です。 

 一方,の係数は,

-{(m2-p2-λ2)/(2p2)}log(λ2/m2)+(1/2)log(m2/p2)

-{λ2/(2m2)}log(λ2/m2)-{λ2/(2m2)}log(λ2/m2)

-{m2/(2p2)-1/2+λ2/(2m2)-λ2/(2p2)-{m2/(2p2)}

log(m2/p2)+{λ2/(2p2)}log(λ2/p2)+(tan-1の項)

 
~ -{(m2-p2)/(2p2)}log(λ2/m2)+{(p2-m2)/(2p2)}

log(m2/p2)-(m2-p2)/(2p2)+λ2(p2-m2)/(2m22)

+{λ2/(2p2)}log(λ2/p2)-{λ2/(2m2)}log(λ2/m2)

です。

 そして上式の第2項は,log(m2/p2)

=log{1+(m2-p2)/p2}~(m2-p2)/p2より,

{(p2-m2)/(2p2)}log(m2/p2)~-(m2-p2)2/(2m4)~ 0

です。

 第3項は(m2-p2)/(2p2)~(m2-p2)/(2m2),第4項は

λ2(p2-m2)/(2m22)~λ2(p2-m2)/(2m4) です。

 第5,6項は,

2/(2p2)}log(λ2/p2)-{λ2/(2m2)}log(λ2/m2)

2/(2p2)}log(λ2/p2)-{λ2/(2p2)}log(λ2/m2)

+{λ2/(2p2)}log(λ2/m2)-{λ2/(2m2)}log(λ2/m2) です。

 これは,{λ2/(2p2)}log(m2/p2)-{λ2(m2-p2)/(2m22)}log(λ2/m2)

~λ2(m2-p2)/(2m4)-{λ2(m2-p2))/(2m4)log(λ2/m2)}で

すが,,これの第1項は丁度先の第4項と相殺して消えます。

 故にの係数は~-{(m2-p2)/(2m2)}log(λ2/m2)

+(m2-p2)/(2m2)-{λ2(m2-p2))/(2m4)log(λ2/m2)} です。

 最後の-{λ2(m2-p2))/(2m4)log(λ2/m2)}は(λ/m)~ 0

で無視できます。

 (2m)の項との項をまとめると,{(m2-p2)/m}log(λ2/m2)

-(/2){(m2-p2)/m2}log(λ2/m2)+(1/2){(m2-p2)/m2} ですが,

質量殻の近傍:~mで(m2-p2)/m2 ~-2(-m)/m

なる近似を用いると.

 ~ -2(-m)log(λ2/m2)+{(-m)/m}log(λ2/m2)-(-m)/m

~ -(-m)log(λ2/m2)-(-m)/m です。

 これに,全体の係数{α/(2π)を掛けると,(λ/m)→ 0 の特異点で

=mの近傍では,

~ -{α/(2π)}((-m)}log(λ2/m2)

=-{4α/(4π)}(-m)log(λ/m)  です。

 よって,Σ~(p)~{3αm/(4π)}log(Λ2/m2)

-{α/(4π)}(-m)[log(Λ2/m2)

-{4α/(4π)}(-m)log(λ/m)

={3αm/(4π)}log(Λ2/m2)+4log(λ/m)}

を得ます。(証明終わり)

(注7終わり)※

 途中ですが,計算が細かくて長いのでここで中断です

参考文献: J.D.Bjorken & S.D.Drell“Relativistic Quantum Mechanics”(McGraw-Hill)

PS:老眼のせいもあって,ただの転記作業でもかなり苦労して

いるン十年前のノートの手書きの式の羅列ですが,これらは

結果の正しい教科書の最終式への当時の私的検算,あるいは

行間を埋めるプロセスです。

 結局は間違いはなかったはずなのに,単なる転記だけに満足

せず再び検算せずにはいられない性分のため,ワザワザ逆に

細かいところを間違えて転記したりで必要以上に遅滞が続く

状況です。

(↑ 困ったもんです。)

 地震その他で.私物を失なう可能性もあり,日常の日記とは別に

過去の思考体験の覚書きを遺言のようにブログに残そうと意図

してきたことは無駄ではないかも。。。

 過去の覚書きばかりではなく,現在進行中,あるいは意図して

いるものももちろんあります。

 しかし,主に眼が見えなくて判読の道具を探したりしているうち

にもいろいろと目移りして根気がそがれるせいでしょうか?

 最近は,惰性以外に普段と異なる試行は何ひとつ長続きせず,

そのうちやろうとした動機も意欲も忘れたりもする始末です。

 病院にでも入院してその他茶飯事から解放されるような環境

でないと読書さえ集中できません。

 まあ,ブログ書きは唯一集中してる方です。

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手話講習開始(応用コース)

 昨日,4月26日(火)から豊島区手話講習会が始まりました。入門,応用,専門(手話通訳養成)3コースの夜の部(18:45 ~ 20:45)です。

 会社から帰宅後,軽い夕食を取って18時5分前に家を出ました。

 電車で行けば間に合ったものを,例によって都バスで巣鴨駅前から終点池袋駅東口へ,それから練馬車庫または江古田行きの都バスに乗り継いで聖母病院前で降り徒歩5分で心障センターへという障害者無料コースで行ったので大事な最初なのに10分遅れてしまいました。

 私は劣等生なので再度入門コ-スを受けたいくらいでしたが,これは許されないようなので今年は応用コ-ス(来年3月までほぼ毎週37回)です。

 費用は教科書代(1200円)のみですし,サボろうと思えばいくらでもサボれる環境ですが昨年も1年続いたので今年も最後までが目標です。新しいことは入りにくい頭になっていますが門前の小僧で出席してさえいればましでしょう。

 入り口で新しい教科書を受け取り教室に入りましたが教室は前の入門コースの部屋の右隣で当然講義は始まっていました。

 入門コ-スの教室の2/3くらいの広さで一番前の席しか空いていなかったのでそこに着席しましたが,私の知らない顔が5人(全員女性)いるようです。

 3月8日の修了式のときに聞いてはいましたが,応用コースでは教壇に立つ先生が聾唖者のSさんで一番後ろに健聴者のHさん(呼称は協力者)が補助に立って同時通訳という形式でした。

 (講習の先生と協力者は専門コースのT先生を除き全部女性です。) 

 講習はちょうど先生が1年間の授業の主旨説明の最中でした。

 同時通訳されるので,ついそちらにだけ気が向きそうでしたが,それでは勉強の意味がないので,わからないながらもすぐに先生に注目しました。

 これは,前と違って授業中に目を逸らすわけにはいきませんネ。

 私は,職場で毎日かなりの数の聾の人たちと接していて,カタコトながらも冗談を言い合うような仲の方もいて他の生徒さんより恵まれた環境にあり,先生が聾者というのもある意味では慣れていて違和感など全くないですがこれは逆に緊張感が乏しくなる懼れがありますね。

 さて,最初の1時間で主旨の説明が終わり,10分休憩の後は一人一人が手話で簡単に自己紹介をすることになりました。自分の名前(フルネーム),住所,職業,趣味,抱負の順です。

 手話の授業では何らかの手話表現を披露するのは日常茶飯事で毎回何かをやる必要があります。恥ずかしがってては勉強になりません。

 去年の入門コース修了者は確か17人(男6,女11)で,全員が応用コースを申しこんだのか知りませんが,遅刻者もそろった時点で女性が1名欠席,男性は全部で5入でした。21人?計算合わないなあ。。。

 新顔の5人は直接応用コースから入ったらしく,後の懇親会(いわゆる飲み会)で(先生+通訳)に聞くと簡単な面接があったのことです。5人とも自己紹介ではいずれも少しレベルが上と感じました。

 私は,肝心の名前で指文字の「と」と「う」を間違うという体たらくでしたが,笑ってゴマかすというイツモ通りの「いいかげんさ」で乗り切りました。

 余った時間は,東京23区と26市の名前の先生の指文字を一人ずつ読みとって指文字で返しそれを手話で表現するということでした。

 前の席なのでトップバッターでしたし,全部で49もあったので2回まわってきて冷や汗ものでした。

 私自身は知っている歌の歌詞で繰り返し練習していましたが,単に無意味な文字でなく,こうした都市名にかこつけて覚えるのは効果がある気がします。

 講義は全部手話なので,入門コ-スのときのように先生の声での雑談もなく,真剣にならざるを得ませんが週1回2時間なのでこれくらいは集中できます。

 講習会後,ほぼ毎週全コースの生徒先生の懇親会がいつもの椎名町「わたみん家」でありました。

 初回でもあり,先生全員と応用コ-スは通訳の女性と男性陣だけ参加で入門コースはゼロ,専門コースは2人?でした。

 途中で22頃には辞去しましたが帰りについ巣鴨一番街のスナック「美代」に立寄ってしまいました。夜中12時40分帰宅。。。

 このところ嘔吐などもありましたが夜どこかの店で飲んで駄べってた方が昼間の精神も体調も悪くないようです。(アル中?か,アルコール依存?かも)

PS:訃報。。。同じ田中ですが,スーちゃんの影にかくれたようにひっそりと俳優の田中 実さんが自殺されたようです。44歳でした。まだ若い!!!

→ 読売ニュース:http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20110426-OHT1T00329.htm  

        

 真面目という印象しかないですが,真面目というのはクセモノで,彼がごくフツウの人間であればストレスもフツウにあるはずなので,表でも裏でも見たママの人物なら,結果論ですが私的見方では危ないなという感じですす。

                      合掌!!

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2011年4月23日 (土)

嘔吐!!

 最近,よく素面のときなのに大量に嘔吐します。昨日も17時半頃帰宅した直後に気分悪くて結局ベッドの上に大量に嘔吐してしまいました。

 吐きそうというきざしはあるのですが,トイレまで行くのにも転倒の危険性があって支えがないと転ぶ不自由な体なので,間に合わずとっさにベッド上にそばの新聞紙を開いてその上に吐きました。

 しかし,何しろ流動物というか水分が多すぎてはみ出し困りました。

 なぜか,偶然なのかベッド側の3月に越してきた隣人はごく偶のことなのに私が部屋で嘔吐するたびに毎回かなり怒っているのか壁をたたいたりする音や怒号が聞こえるような気がします。

 嘔吐の音はよほど不愉快なのかもしれませんね。でもこればかりはどうしようもありません。これって私の被害妄想なのでしょうか?

 壁が薄いのは事実でしょうが,隣人は日本人ではないので苦しがってる音もわからないのかもしれません。

 いや,私18歳の学生時代から借家住まいも長いのですが経験上,隣や上下の部屋の音が楽音か雑音か区別できるということはないでしょう。

(キレイゴトではなく,隣人は敵視するものではなくて困ったときに助けてあげるような対象ですが。。)

 まあ,被害妄想はさておき,最近は食欲がなく昨日22日もあまり食べていないのに当日食べたものと30時間以上も前の21日昼に食べた昼食が全部出たので大量だったのですね。

 しかも,少食の割りに便秘はしていませんが,昔から小水は一日3回程度と少ないので水分もかなり大量に嘔吐しました。

 私,酒を飲むときもビールじゃないし10時間くらい飲み屋にいても1回もトイレいかないことが普通で,利尿剤を飲んでるほどですから病気なんでしょうね。

 昨日だけでなく10日前の4月12日火曜日の内科への通院直後にも,18時過ぎに飲み屋からお誘いがあり,少し早過ぎるので夕食を取ってもらったばかりの薬を飲んだ後,20時半頃店に着いて直後に大量に嘔吐しました。

 カウンターで飲んでるときに何故か気分が悪く脱力的なので低血糖を疑いましたが少し食べても治りません。

 まだ酒を飲む前なのにボックスで横になってしばらくして我慢できず起きましたがトイレに間に合わず,ドアを開けたところで嘔吐が始まってしまいました。

 こんな他人に迷惑のかかる嘔吐は成人になって初めてかもしれませんね。

 最近は飲酒時,飲酒後に嘔吐をすること自体何年に1度くらいのことで,昔タクシーに乗ってて吐きそうになったこともあったけど必ず止めてもらって路端かトイレで吐きました。それが間に合わなかったのは一度もなかったです。

 このときも食べてないのにどうしてこんなに?と思ったのですが,吐いたものは前々日の日曜日10日に職場の食堂の昼食べたものがメインでした。

 土日を出て代わりに月火と休みましたが,自宅では梅干や塩だけ,味噌汁ぶっかけやお茶漬けの流動食とかろくなものを食べてませんでしたから。。

 いや,消化不良,食べ過ぎと低血糖を間違えるなんてどうかしています。

 数ヶ月前退治してもらったので胃にはピロリ菌はもういないはずですし,いずれも病院で新しくもらった毎食後の血糖降下剤を飲んでしばらくしての嘔吐なので副作用を疑ってもいます。

 昨日は嘔吐した後しばらく休んだ後にベッドの汚れた安物のシーツを新聞と一緒にゴミ袋に始末し,長く使ってくたびれてるパッドもゴミ袋に入れて捨てることにしました。

 マットにまでしみていましたがこれは乾かすしかありません。

 毛布,枕にも少し飛んだのですがこの程度で捨てるのはもったいないです。

 先日も飲み屋で吐いた後は空腹で気分爽快になり朝方まで飲みましたが,昨日も空腹で食欲が沸いてきて結構飲食して気分良く就寝しました。

 7時間も寝た後にさわやかに目覚めてこのブログを書き初めました。

 どうってことはないようです。

PS;話は飛びますが,私は現首相の菅直人氏を正直好きではありません。いやむしろ昔から大嫌いですが,こういうときに酒の勢いなどで批判したりしたくはないです。

 批判しているあなたが,自分ならもっとよくできるとお思いなら,そしてもしも代われるものなら一度首相をやってみたらどうか?と思います。今の状況であれば恐らく誰であっても大変でしょうね。

 いやこの時期に人非人でないなら一所懸命やらない首相がどこの国にいるでしょうか?無能と批判されても自分の中では葛藤しながら精一杯努力されておられるはずです。

 実際に被災されている人々とその支援者,そしてその余裕すらない被災者の声を代弁し,あるいは過度と思えるほどの大声を挙げるべき人々,それが仕事でもあるようなマスコミを初めとする論客であれば,政府や自治体を批判するのは当然だと思います。

 彼ら政府,内閣総理大臣であれば当座は我々が逆立ちしてもできないような権限を保有していてそれが最大の仕事でもありますから。。。

 いや,神様かスーパーマンでなければない財源は作れないでしょうしもっと優れた能力の人がどんなに頑張っていたとしても当事者が満足できるはずはないので必ず無能との批判は出ると思います。

 まさか就任中にこれほどの大地震,原発事故が起きるとは想像しておらず,仮に平時であれば能力が発揮出たかもしれないが災害緊急時には無能なのかもしれません。適材適所で比較の問題かも。。。

 人格に問題あるような方なら,たとえ緊急時であろうとすぐにでもやめていただきたいけれど。。

 とりとめない感想でこういうときにワザワザ嫌いな相手を擁護するより責任追及すべきかも知れませんが自分ができるかわからないのに他人を批判するのは私自身は潔しとはしないので。。。

 ↑ またまた八方美人のキレイゴトかよ。。。潔しとか自分ごとじゃなくて当面困ってる他人のためを思うなら,むしろ本意じゃなくても批判した方がベストじゃなくてもベターだろうよ。。

PS2:2日続けて嘔吐がありました。その後は快調でしたが空腹でした。

 調べてみると新しく飲み始めたのはメトホルミンですから恐らく,嘔吐はこれの副作用でしょう。

 ネットで調べると私は心不全で腎性貧血ですから禁忌とされています。

 さらに65歳以上の高齢者も飲んではいけないとされています。私は高齢者予備軍ですし,血糖さえ下がればと親切からいろいろと片端から処方されているようですが忙しいので副作用まで気がまわないのかも。。

 自分で管理しないと危ないですね。死ぬのはいいとしてもその前に苦しむのはイヤですから。。。

 冗談ではなく今やっている鯉のぼりの貼り絵が遺作になりそうです。いや微力でも小さなガレキでも除去してた方が役に立つでしょうが。。

 イヤ,YOSHKIのようにオークションに出して数十億にもなればはるかに役に立つでしょうが。。。

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2011年4月21日 (木)

いとしのスーちゃん天に召される。

 元キャンディーズのスーちゃんこと田中好子さんが亡くなられました。乳ガンが原因だそうです。55歳の若さでした。

     

 エンタメニュース→ http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110421/ent11042122490024-n1.htm

 心からご冥福を祈ります。

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2011年4月20日 (水)

量子電磁力学の輻射補正(4)(真空偏極-3)

 輻射補正の続き,真空偏極補正の残りを記述します。
 

 余談ですが,約40年前の学生時代には.ほぼ専門としていたQED 

くりこみ関連についての覚書きを,2006年3月の本ブログ開始 

からこれまで具体的に書かなったのは,次のような理由からです。

 すなわち,単に説明に必要不可欠と思われる図,

 特にFeynmamn図を描くスキルが私自身には無くて,それらを

 描く努力をするのが煩わしかった。。というのが主な理由

 ですね。

 
しかし,今は前より少しはましな図が描けるようになったと

 思うし,時間的にも,気持ち的にも,これをやってみようかな?

 という余裕があるので.トライしています。

 
さて,本文に入ります。

 
 先の電子閉ループによる光子伝播関数(propagator)の補正: 

 (-igμν/q2)[1-{α/(3π)}log(M2/m2) 

 +(2α/π)∫01dz[z(1-z)log{1-q2z(1-z)/m2}] 

 をさらに考察します。

 
これは,大きい運動量遷移(momentum transfer)

 (||2=-q2>>m2)の散乱に対しては,対数的に増加して

 非くりこみ電荷(bare charge)eの最低次のオーダーでは,

 (-igμν/q2)[1+{α/(3π)}log(||2/m2)]

 ×[1-{α/(3π)}log(M2/m2)] となります。

 
※(注1):何故なら,||2=-q2>>m2では,

 1-{α/(3π)}log(M2/m2)

 +(2α/π)∫01dz[z(1-z)log{1-q2z(1-z)/m2}

 ~ 1-{α/(3π)}log(M2/m2)

 +(2α/π)log(||2/m2)∫01dzz2(1-z)です。

 
そして,∫01dzz2(1-z)21=1/6なので,これは

  1-{α/(3π)}log(M2/m2)+{α/(3π)}log(||2/m2)

 ~ [1+{α/(3π)}log(||2/m2)][1-{α/(3π)}log(M2/m2)]

と書けるからです。  (注1終わり)※ 


  運動量遷移:||2=-q2が切断質量M2に到達すれば,この補正は.

 (-igμν/q2)[1+{α/(3π)}log(M2)][1-{α/(3π)}log(M2/m2)]

~ 1-{α/(3π)}log(M2/m2)+{α/(3π)}log(||2/m2) ~1

 となって,くりこみ因子を補償します。


 
そこで,||2=-q2 ~ M2 (=切断(上限))の"無限大エネルギー

 の運動量遷移"では,相互作用が下図のように,裸の電荷で測定

 されることが示唆されます。これは興味深いことですが検証

 されてはいない推測です。(図はPerding)

 
さて,仮想光子の運動量qが時間的(q2>0)のときには,

  1-q2z(1-z)/m≧1-q2/(4m2) です。

 
このことから,2>4m2のとき,つまり下図8.1(e)の対生成

 ダイアグラムで,

 q2=(pf+qf)2=2m2+2(f2+m2)1/2(f2+m2)1/2>4m2のとき,

 1-q2z(1-z)/m2の下限が負になることがわかります。

    

 それ故,因子(-i)を除いた光子伝播関数:

(gμν/q2)[1-{α/(3π)}log(M2/m2)

+(2α/π)∫01dz[z(1-z)log{1-q2z(1-z)/m2}

は,虚数部も有する複素数になります。

 
虚数部は,具体的には,(gμν/q2)(2α/π)

01dz[z(1-z)(-iπ)θ{z(1-z)-m2/q2}]

=(igμν/q2)(α/3)(1-4m2/q2)1/2θ(1-4m2/q2)

で与えられます。

 
(注2):1-q2z(1-z)/m2}≦0 のとき,

 log{1-q2z(1-z)/m2}=log|1-q2z(1-z)/m2|

 +iang(1-q2z(1-z)/m2) です。
 

  ただし,angは偏角であり,偏角部分(=虚数部分)の積分

 は,∫01 ang(1-q2z(1-z)/m2)dz ~ (-iπ) です。

 z(1-z)-m2/q2=-(z-α)(z-β)と書けば,

 01dzz(1-z)θ{z(1-z)-m2/q2}の被積分関数が

ゼロでないzの範囲は,

 [α,β]=[{1-(1-4m2/q2)1/2}/2,{1+(1-4m2/q2)1/2}/2]

 です。

 
そして,01dzz(1-z)θ{z(1-z)-m2/q2}

 =αβdzz(1-z)=(β-α)3/6です。 (注2終わり)※

 
この虚数部が出現した源を理解するためには,散乱の伝播関数

 の議論で考えた,S行列がユニタリ(unitary)であるべきという

 ことを思い起こす必要があります。

 
ユニタリの条件(確率保存の条件)は,S演算子がS^S^=1を

 満たすこと,つまりΣnnf*ni=δfiであることです。

 
これにより与えられた初期状態に対してのあらゆる遷移確率

の和が1になるべき,という散乱解の確率解釈が保証されます。

※(注3):実際には,

<f|S^+S^|i>=Σn<f|S^|n><n|S^|i>

=Σnnf*ni  が成立するためには,中間状態nの完全性:

Σn|n><n| が要求されます。

 
散乱理論では,incoming漸近状態:{|in>},および,outgoing

 漸近状態:{|out>}を導入して,fi=<f;out|i;in>

 =<f;in|S^|i;in>

 =Σn<f;in |S^+|n;in><n;in|S^|i;in> と書き,

 incomingの漸近状態は完全系(complete set)をなすと仮定

 します。

 
しかし,incoming漸近状態は,on-shell(質量殻上)の自由粒子の

 方程式に従う実粒子の状態のみのセットなのに対し,一般に中間

 状態として取り得るものはその他の束縛状態,共鳴状態etc.が

 あって,謂わゆるoff-shell(質量殻以外)の伝播関数の分母がゼロ

 にならない仮想粒子状態も存在しています。

 
すなわち,不確定性原理の結果として中間状態には光子質量がゼロ

でないような仮想光子状態をも許される状態として想定できます。

 
ただ,これらは単に線型理論(重ね合わせの原理が有効でそれ故

 級数展開が可能な理論)においてのみ有効な摂動論という計算

 の便宜上出現するツールの1つに過ぎないという意味もあります。

 
しかし,これらのことはある意味どうでもいいことなのです。

 
間に挟む完全系:1=Σn|n><n|としてΣn|n;in><n;in|

 を採用しようが,
 あるいは,
ΣB|B:束縛><B:束縛|+Σ|R;共鳴><R;共鳴|

 +..etc.を採用しようが,。。。

 
また,物理的状態だろうが非物理的状態だろうが,結局,

 {|n>}が系の状態を定義するHilbertt空間のベクトルの集合

 であって, Σn|n><n|=1を満たしさえすればいいわけ

 ですから。。。

 
そして,もしも幾つかの|n>は非物理的存在であったり.

 当該散乱においては存在し得ないものなら,

 <f|S^|n>=0,または<n|S^|i>=0 が成立して

 <f|S^+S^|i>=Σn<f|S^|n><n|S^|i>の

 右辺には寄与しないだけのことです。

 
さらに,incoming漸近状態の全ての集合:{|in>}が完全系

 を作るというのは,もちろんΣn|n;in><n;in|=1を意味

 します。

 
そこで,S行列(S演算子)の定義:<n;out|≡<n;in|S^

 により,S^がユニタリである:S^+S^=1を満たすことと,

 {|out>}が完全系を作ることは全く等価(equivalent)です。

 
間に挟む完全系(=1)として全てのincoming漸近状態の

 セットを採用して,<f;in|S^|i;in>

 =Σn<f;in |S^+|n;in><n;in|S^|i;in>と表現する

 のは,理論の基礎付けなどには便利なようですが,実際に左辺

 のS行列要素の値を評価計算するには有効でないことが多い

 ようです。

 
そのため,実務計算の際には,例えば摂動計算に便利な伝播関数

 を用いるために別の中間状態の完全系1=Σn|n><n|を挿入

 して,同じS行列要素を,<f;in|S^|i;in>

 =Σn<f;in |S^+|n><n|S^|i;in> と表現したりする

 わけです。

 互いに,ユニタリ変換で移行し合うHilbert空間のベクトルの種々

 の完全系は,普通の空間において向きの選び方が自由な座標軸,

 または直交変換(=実ユニタリ変換)で移行し合う空間の基底

 ベクトルの系に相当するものです。  (注3終わり)※

 
さて,陽電子の理論では粒子達は生成,消滅されます。

 
そして,ユニタリ性を示す式での和:Σ|n><n|の状態|n>

 としては,与えられた初期状態が散乱可能な電子,陽電子,光子

 の終状態(遷移確率がゼロでないもの)の全てを含む必要が

 あります。

 
S行列のユニタリ性の式:Σnnf*ni=δfiは,散乱過程での

 確率保存を記述するという意味を持つことが見てとれます。

 
この式はeのベキ展開における恒等式ともとれるので,相互作用

 の摂動のeのベキの各オーダーにおいて等式が成立する必要が

 あります。

 
そこで,S行列要素Sfiのeのベキ展開を,

 Sfi=δfi+Sfi(1)+Sfi(2)..  と書けば,上記のユニタリ

 性の条件:Σnnf*ni=δfiは,

 

(1)Sfi(1)+Sif(1)*=0,

(2)Sfi(2)+Sif(2)*=-Σnnf(1)*ni(1), 

(3)Sfi(3)+Sif(3)*=-Σn{Snf(1)*ni(2)+Snf(2)*ni(1)},

(4)Sfi(4)+Sif(4)*=-Σn{Snf(1)*ni(3)+Snf(2)*ni(2)

+Snf(3)*ni(1)},etc.

 

となります。

 

初期状態|i>が自由な電子-陽電子状態を表わす場合には,

eの1次の振幅Sfi(1)は全てゼロです。

 

何故なら反応:e-+e+ → γ(光子1個)というのは右辺が質量

ゼロの実光子ならエネルギー・運動量の保存則により禁止される

からです。

 

(※電子-陽子対に光子が1個のみ接続する頂点グラフは.質量

がゼロでない光子=仮想光子に対してのみ可能です。※)

 

そこで,(2)はSfi(2)+Sif(2)*=0 :すなわちSfi(2)が反エルミート

(純虚数)となることを意味します。

 

特にSfi(2)が電子-陽電子散乱の2次の振幅SfiBに等しい場合,

 

つまり,Sfi(2)=SfiB=(e2202)(Ep1pi’q1q1')-1/2

[{u~(p1')(-iγμ)v(q1)}{v~(q1)(-iγμ)u(p1')}

(-i){(p1-p1')2+iε}-1-{u~(p1')(-iγμ)v(q1')}

{v~(q1)(-iγμ)u(p1)}(-i){(p1+q1)2+iε}-1]

×(2π)4δ4(p1'+q1'-p1-q1) の場合,

 

これは確かに,Sfi(2)が満たすべき上記条件を満足しています。

 

そして,ユニタリ性の条件(4)は,fi(4)+Sif(4)*=-Σnnf(2)*ni(2)

です。

 

これは4次振幅:Sfi(4)=(Sfi(4)+Sif(4)*)/2+(Sfi(4)-Sif(4)*)/2

のエルミート部分(実数部):(Sfi(4)+Sif(4)*)/2は2次の振幅Sfi(2)

の寄与に依存することを示しています。

 

そして,今問題としている伝播関数の虚数部:

(igμν/q2)(α/3)(1-4m2/q2)1/2θ(1-4m2/q2)は,

伝播関数×(-i)の因子として散乱振幅の4次補正の実数部:

(Sfi(4)+Sif(4)*)/2に寄与し,丁度,この条件:

fi(4)+Sif(4)*=-Σnnf(2)*ni(2) を体現しています。

 

2の閾値(Threshold)を与えるHeaviside関数:θ(1-4m2/q2)

は,電子閉loopの仮想電子-陽電子対に加え最終状態として,

実の電子-陽電子対の状態を実現し得る運動量:(q2>4m2)に

対してのみ,この4次補正が存在することを示しています。

 

S行列が任意次数でユニタリであることの証明は,場の理論の

枠内で最もうまく遂行されることがわかっています。


 
§8.3 Renormalization of External Photon(光子外線のくりこみ)

 真空偏極の輻射補正の寄与については,これまでは仮想光子の

伝播関数(内線)に対してのみ論じてきました。

 しかしながら,電子線の閉ループは"実光子=
外線"にも寄与する

はずです。

 
これを見るため,図8.6に示すようなある離れた

源(Distant source)によって生成される光子を想定します。

 

 対象としている系の外線に挿入された真空偏極泡が,図に追加

された黒影部分に入ると仮想すると,その光子線に繋がる両頂点の

電荷の積:R2=Z32~e2[1-{α/(3π)}log(M2/m2)]によって,

非補正行列要素に対して積因子:Z3が生じます。

 しかし,今のところ,超遠方にあるであろう光子源のcurrent

 ついては,まだ"くりこまれてないまま"です。

 もしも,この遠方currentの方に因子Z31/2結び付け,残りの

 因子:31/2を対象としている系に結び付けるなら,各頂点の裸

 の電荷eが,Z31/2e=eRで置き換えられることになります。

 既に示したように,

 この一貫した電荷の補正は内線に対する伝播関数の補正と同等 

 の意味を持ちます。そこで,内線については今のままで全く問題 

 なしとします。

 そして,外線についても真空偏極の寄与として内線と同じ補正
 

 の実務的法則が適用できると考えます。

 
つまり,あらゆる外線についても直接の外線補正は無視して,
 

 各頂点でeの代わりにeR=Z31/2で置き換える法則を採用 

 します。

 
これは,実際には外頂点が足りない外線については補正の

 し過ぎですから,上の真空偏極泡を含むあらゆるグラフを内線

 扱いで計算した後に,外線については1本ごとにZ31/2で割る

 ことで.合理的に対処します。

 
(※場の理論での漸近場でのZの扱いとLSZのReductionなど参照)

 
以降では次のように仮定します。

 
すなわち,式を書く際には既に"くりこみ"がなされてしまって
 

 いるとしてeRを改めてeと書きます。

 
したがって,eR2/(4πε0)でなくe2/(4πε0)が微細構造定数:
 

 α~1/137を表わすとします。

 
そして必要なときには裸の電荷をe0で記述します。

 
今日は短かいですがこれで終わります。
 

 

これで"真空偏極(vacuum polarization)=電荷のくりこみ" 

による輻射補正の項目については終わります。

 
次回からは,"電子の自己質量(self-mass of electron)

=質量のくりこみ"に入る予定です。

  
参考文献: J.D.Bjorken & S.D.Drell
 

 “Relativistic Quantum Mechanics”(McGrawHill)

  PS
:ほとんど見えない右目の診察のため帝京大病院眼科
行かねばならない

 ので,記記事も取り合えずのアップです。

  
新マシン(=中古)のブラウザでは何故かブログの原稿が

 ずれるなど不具合が多いので毎回,後編集で苦労します。

  PS2
:今,4月21日夜中の3時です。
 

 疲れて爆睡していましたが目が覚めてしまいました。

 
 昨日は朝10時半~11時の予約だったのに,眼科の診察が終わった
 

 のは午後3時半でした。

 それから,院内のローソンでおにぎりを買って我慢していた遅い
 

昼食を取り帰宅すると,もう午後5時でした。

 
いつもの眼科主治医は急遽出張ということで,診察は代わりの若い
 

先生でした。そして検査では右目の視力が前回は0.4だったのに, 

今回はゼロつまり測定不可能でした。

 
しかし医者には行ってみるもんですね。

 
一応,超音波で網膜剥離を調べてもらい異常なしでした。

 
気休めという話でしたが,1日3回服用の眼底出血した血の吸収
 

を促進して止血する飲み薬を頂き,今のところ2回飲んで,瞳孔を 

開く検査薬も消えたところですが,気のせいか?うっすらと見える 

ようです。

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2011年4月17日 (日)

WKB近似,ハミルトン・ヤコービ方程式,経路積分(再掲)

 今日は,まあ,手抜きなのですが,過去の科学記事(バックナンバー)の中から我ながら秀逸と思った記事をもう一度表舞台に出してお茶を濁します。

 余談ですが私の思いつきの今日の一言:"性悪説"の時代(戒律を課し罰を与える旧約の神) →"性善説"の時代 (すべて全てを恕(ゆる)す新約の神)→??

 「沈黙は金,雄弁は銀(トーマス・カーライル)」,。。この言葉ができた当時は銀の価値の方が金よりも上だったそうで言葉の価値,偉大さを述べたものらしく一般的な普通の解釈とは逆かも知れません。

 ただし雄弁とは単なるおシャベリを意味するものではなく,駄弁なら沈黙の方がましでしょう。

(以下,2006年10月8日に書いた記事の再掲です。

 今日は量子論におけるWKB近似が,なぜ半古典近似と呼ばれるのか,を解析力学のハミルトン・ヤコービの方程式と関連付けて説明し,さらに経路積分との関連についても手短かに述べてみたいと思います。

 まず,古典力学の力学系での一般化座標をqr(r=1,2...n)とし,系を記述するラグランジアン(Lagrangian)をL(,d,t)とします。

 

 ここで,はqr全体を総称しddotの時間による微分:qrd≡(dqr/dt)の全体を意味します。

 さらに,pr≡(∂L/∂qrd)を一般化運動量と定義します。

 

 このr=(∂L/∂qrd)を解いてrdrとprの関数で表わしたものを,式:Hrrd-Lの右辺のqrd に代入したものを系のハミルトニアン(Hamiltonian):H(,,t)と定義します。

 

 このとき,元々のニュートンの運動方程式は,これをダランベールの原理(D'Alembert)で加工して一般化し,一般化座標の方程式に変換したn個のオイラー・ラグランジュ方程式[d(∂L/∂qrd)/dt]-∂L/∂qr0 に取って代わられます。

 

 さらに,rd≡(dqr/dt)=(∂H/∂pr),prd≡(dpr/dt)=-(∂H/∂qr)なる形の2n個の1階微分方程式=ハミルトンの正準方程式に変換されます。

 ほとんどのH(,,t)では,一般化座標の変数pr,qrを計算に都合がいいような新変数Pr,Qrに変換して,新しいハミルトニアンとしてK(,,t)を作り,ハミルトンの正準方程式が形としてそのまま保存されるようにできます。

 

 つまり,rd=(∂H/∂pr),prd-(∂H/∂qr)がrd≡(dQr/dt)=(∂K/∂Pr),Prd≡(dPr/dt)=-(∂K/∂Qr)と同値になるようにできます。こうした変換を正準変換と呼びます。

 このとき,新変数による新しいラグランジアンをL'=∑Prrd-Kと書けば,元のラグランジアンL=rrd-Hとの間にある関数Wが存在して,L=L'+(dW/dt)なる等式が成り立つはずです。

 

 これは,変換の下で理論が不変に保たれるための必要十分条件です。この結果,rrd-H=∑Prrd-K+(dW/dt)と書けます。

 

 関数W はtのほかには,,,の4n個の変数の関数ですが,このうち独立な変数は2n個だけですから,例えばW=W(,,t)と独立変数を選んでみます。

 

 このときは,dW=∑prdqr∑QrdPr(K-H)dtなる式によってpr=∂W/∂qr,Qr=∂W/∂Pr,K=H+∂W/∂tとなります。

 次に,特に変換によって特異になる危険性を犠牲にしてもハミルトニアンKが恒等的にゼロになる:K≡0 となる特別な正準変換があったらと想定してみます。

 

 このときには,ハミルトンの正準方程式はPrd≡(dPr/dt)=0 ,rd≡(dQr/dt)=0 となり,座標点は全て時間的に静止していて,Pr=αr(定数),r=βr(定数)とすることができて最高に好都合です。

 

 そして,このとき元の正準変換に戻ってみると(,,t)=(β,α,t),(,,t)=(β,α,t)と,2n個の積分定数または初期条件を含む解が求まるわけです。

 

 つまり"一般化座標の時間的変化=軌道"は全て決まる,あるいは問題は完全に解けることになります。

 そして,W=W(,,t)=W(,α,t),pr=∂W/∂qrr=∂W/∂αrと書くこともできます。

 

 そこで,逆にこうした都合のいい関数Wを求めるための方程式H+∂W/∂t=K=0 ,つまり,H[,∂W(,t)/∂q,t]+∂W(,t)/∂t=0 で与えられると考えます。

 

 そして,微分方程式H+∂W/∂t=0 を解くことによって,積分定数αを含むW(,α,t)が得られると考えることもできるわけです。

 

 この方程式:H+∂W/∂t=0 をハミルトン・ヤコービ(Hamilton-Jacobi)の偏微分方程式と呼びます。

 特にハミルトニアンHが時間tを陽には含まないときには,Hは固定した,に対しては時間的に一定になるので,H(,)=E (定数)とかくことができます。

 

 Hがtを陽に含まない場合にはネーターの定理(Noether's theorem)によって,右辺の定数Eがいわゆるエネルギーであり,時間的に変化しない保存量であることはよく知られた事実です。

 

 このとき,H(,)=Eにより,ハミルトン・ヤコービの偏微分方程式:H+∂W/∂t= 0 はW(,α,t)/∂t=-E (一定)となりますからW(,α,t)=S(,α)-Etと書いてよいことになります。

 

 pr=∂W/∂qr=∂S/∂qrなので,結局(,∂S/∂)=E (ただし=∂S/∂)と表現できて,方程式は少し簡単になります。

Hがtを陽に含まない場合,Wが一定の面を波動光学からのアナロジーで,ある力学的波動の位相が一定の面を表わすものであると考えてみます。

 

W=(S-Et)という量から,"Sと同じ単位=(エネルギー×時間)"を持つある比例定数:hcを用いて,単位のない変数(W/hc)={(S/c)-(E/hc)}を作り,これを位相としてω=E/hcを角振動数2πνとするような波動を考えることにして,その波動を表わす量をψと定義します。

 

すなわち,ψ=Aexp(iW/c)=Aexp[i{(S/c)-ω}t] (ω≡E/hc)とします。

 

特に1変数のみの系では,=∂S/∂=∇Sから,ψ=(∇S)ψ=(-ic∇ψ)となるので,記号的には~ (-ic)と見なすことができます。

cをプランク(Planck)定数=(h/2π)と同一視すれば,ψは量子力学の波動関数に対応し,ハミルトン・ヤコービの偏微分方程式は正にシュレーディンガー(Schödinger)方程式になります。

 

古典力学と量子力学との間には大きな谷間(gap)があり,それぞれが独立な法則=公理を持つ独立な理論なので,古典力学から何の飛躍もなく量子力学を導くことは不可能ですが,前期量子論の段階では上記のような推論がなされていたと思われます。

こうしたことから,WKB近似という量子力学の問題を解く1つの近似法="時間を含まない定常波動関数u(x)をexp[iS(x)]なる形式で表現して近似するという方法"は半古典近似という名称で呼ばれているのでしょう。

ところで,上述のS(,α)はラグランジアンで表わすとS=∫L(,d,t)dtと書けます。これはいわゆる作用(作用積分)と呼ばれる量です。

 

つまり,Sは"系の運動はの変分δに対する作用Sの変分がゼロ:δS=0 となる=Sが停留値を取るという条件によって与えられる。"という1つの基本的な変分原理=最小作用の原理の元になる作用関数になっています。

そこで,量子力学でファインマンの経路積分(Feynman)を用いた理論展開で,時間発展の確率振幅が作用Sによって,<f|exp{-(i/c)H(tf-ti)}|i>=A∫exp[(i/c)S((t))]と表現されることが思い出されます。

 

私見では,これはがあらゆる分岐した経路にわたる積分であるという意味で,多世界解釈にもつながると考えているのですが,それはさておき,経路積分の意味を説明します。

 

 

この経路積分の公式は,作用SをS((t)) ~ Δt∑jNL[(tj),{(tj+1)-(tj)}/Δt]と分割し,中間状態の射影演算子|(tj)><(tj)|を考えたとき,中間状態の完全性を利用すれば得られます。

 

中間状態の完全性とは,あらゆる座標の全空間での総和=積分が1になること,∫d|><|=1であることです。

 

なわち,遷移確率振幅<f|exp{-(i/c)H(tf-ti)}|iを時間分割して,j+1|exp{-(i/c)HΔt}|j>と細分化したとき,各細分時刻tjにおいて,1=∫d(tj)|(tj)><(tj)|を挿入しても結果は変わりません。

 

そして,各々の細分では<j+1|exp{-(i/c)HΔt}|j=<j+1|exp{-(i/c)(tj){(tj+1)-(tj)}+(i/c)ΔtL[(tj),{(tj+1)-(tj)}/Δt]|j>と表現できます。

 

ここで,j(tj),Δt≡(tf-ti)/Nであり,ti≡t0<t1<t2<...<j<tj+1<...<t≡tfです。

 

結局,遷移確率振幅は<f|exp{-(i/c)H(tf-ti)}|i>=ΠjNj+1|exp{(i/c)ΔtL[(tj),{(tj+1)-(tj)}/Δt]|j>となり,これでN → ∞とした極限が経路積分です。

そして,この経路積分の計算結果においては被積分関数の指数関数の中で最小作用の原理を満たすδS=0 の部分の寄与が最大になり,遷移確率振幅=伝播関数に大部分の寄与をする,ことがわかっています。

  

これは古典論と量子論の隙間(gap)を埋める話として,一つの注目に値する論点であると考えられます。

    

参考文献:大貫義郎著「解析力学」(岩波書店) 並木美喜雄著「解析力学」(丸善) 深谷賢治著「解析力学と微分形式」(岩波書店)

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2011年4月15日 (金)

里美女流名人奨励会へ

 里美香奈女流名人(19)(女流王将,倉敷藤花)が女性初のプロ棋士をめざして奨励会編入試験(1級)を受けることが決まったようです。

      

 →http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20110414-OHT1T00023.htm

 プロの現規定では女流と奨励会員との重籍を認めていないため,将棋連盟はルールを変更するようです。

 今のままだと奨励会に入れば女流は看板を失うし,これを諦めれば里美女流本人が自分よりも実力が下の人とばかりの勝負でこれ以上の向上はむずかしいと思われるので,現行法改正は双方にとっていいことだと思います。

 過去には蛸島初代女流名人や林葉,中井,矢内なども奨励会員でしたが,1998年以前は女流棋士と奨励会員との掛け持ちが可能だったようです。

 しかし,結婚を機会にやめたらしい?蛸島さんを初めとしてプロである四段昇段(奨励会卒業)を果たした人は一人もいません。

 将棋は多くのスポーツのように本質的に男女差があるものとは違うと思えるのに,これまで女性プロが一人もいなかったのは,

 単に男子に比べ子供の頃から将棋で遊ぶという土壌もなくて,女性の底辺が男性よりもはるかに少なく,プロに挑戦する人数も少ないことと,結婚,家事,出産,育児など女性特有の事情があるのが理由であると私は思っています。

 囲碁界とは異なって,日本の将棋界では女流棋士はプロ(女性棋士)とは認められず,イベントなどでの"お飾り"のようなものとされていたようです。

(誰かに聞いた記憶では,プロでもなく連盟の職員でもないので,対局料,レッスン料,イベントギャラの他に,正式な給料は出てなかったはず?)

 近年,女流から連盟への待遇改善の動きがあって女流棋士会からLPSA(日本女流プロ将棋協会)への分裂騒動などもありましたが,その後は和解して今は両立しているようです。

(中原と林葉のスキャンダルがあってもそれほど,大騒ぎにならないのは,将棋のプロには元々,「英雄色を好む」とか「港,港に女がいる」と豪語するような男尊女卑的伝統があるからです。 

 将棋はチェスと源を同じくするボードゲームでありながら,日本独自の文化の棋道という道,あるいは芸であって女遊びも芸のコヤシというような悪しき?土壌があります。

 正式な免状を出せる家元があって,お城将棋などをやっていたという表の世界と,真剣師がいてバクチで金のやり取りをしていたという裏の世界があったという歴史が,今もある意味では続いてるからですね。

 今の米長会長もそうした雰囲気があります。むしろ,それこそが彼の魅力,プロとしての人気の源泉であるかも知れません。)

 確かに実力の世界なので,「文句があるなら勝ってから言え」という風潮なのでしょうが,プロ棋士が誰に食わせてもらってるのか?とういうと,それは多くのプロスポーツと同じくファン,ギャラリー,サポーターによる収入なのは明らかです。

 将棋に興味を持つに至った理由が純粋であるかどうかは別にして,女流の存在が(主に男性)将棋ファンの増加,将棋の普及にとって果たした(ている)役割ははかり知れないと私は思います。

 本質的に男性には不可能なものを女性は持っています。それは場面場面で使い分けるような男女平等とか差別とかの問題ではありません。

 当たり前ですが違うものについては違います。逆に,男と女が全く同じ存在ならこの世はあまり面白くない,つまらない世界ですネ。。

(「うる星やつら」の主人公:諸星あたる大先生を理想の男子として尊敬し,かつては会社の「練馬変態クラブ」副会長であった私の意見ですが。。。

 夜は娼婦の如く昼間も娼婦の如く,晴耕雨読ならぬ晴眠雨眠 zzzz。。。。)

 話は変わりますが,最近は個人情報だの公私混同はダメだのとチトやり過ぎで,日本的な向こう三軒両隣的なものが全部否定され,この世があまり面白くない世界になりつつあるような気がしています。

 昨日も,ある公共の場所で前日に落し物をして翌日拾得の連絡があったので窓口に取りに行くと,他には誰も知らないようでウロウロしました。(盥回しです。)

 そこは,鉄道駅のように常時落し物があるような場所でなく仕事してる人も多くはないので,昔だったらそうした情報は担当者だけでなく皆が共有していて誰でもすぐに対応してくれてたと思います。

 個人的な情報は外部に漏らすと危険かもしれませんが,内部だけであれば必要な情報くらいは共有していてもいいのではないでしょうか?

 今回の地震の助け合いの状況を見ても,今の人間はむしろ"性善説”的なものの方を多く持った存在だと思えます。

(まあ,「衣食足りて礼節を知る。」といいますから,思ったよりも詐欺や火事場泥棒的なものが少ないのは,まだ他人を思いやれる程度には衣食が足りてる人が多いということなんでしょうが。。。

 昔観たアニメ映画「火垂るの墓」では,防空壕で暮らす兄妹の兄が弱っていく妹に食べさせるため空襲中の農家から火事場泥棒をやって見つかり,目茶苦茶にぶたれ逆に駐在さんに助けてもらう場面を見て私が大泣きしたこともありました。(← 今はそんなの思い出してる状況じゃないって。。。) )

 「人を見たら泥棒と思え」というのは海外,欧米的なもので日本はそうじゃないとまでは言いませんが。。。,

 最近は安全を求めるあまりに,言葉の意味で"性悪説”のみが先行して日本的情緒が蔑ろにされてると感じているのは,"アバウト"が服を着て歩いてるような私だけでしょうか?。。

 自分のオシャベリを肯定したいという部分もありますが,秘密諜報員じゃあるまいし,皆がいい人であって噂を悪用するという人など全くないという前提であれば,ウソではない情報なら,いくら垂れ流そうが自由だと思います。

 残念ながら,この世の中は,"飽食日本の屋根のある生活に守られている能天気な私"が考えるほど,"ノドカ"でも甘いものでもないようですが。。。

 例によって自動書記的タワゴトが脱線してきたのでこのくらいにします。

PS:風評被害という言葉が流行ってますが,風評っていうのは風の噂という意味ですから,それは出どころが誰かもわからず,責任もない情報でしょうが,だからといってデマであるとは限りません。

 "放射能は怖い"というような風評はデマではなく本当だと思います。

 (↑これは風評じゃないって。。)

 まあ,それがデマであろうと本当のことだろうと,風評によって被害を受けているという事実はもちろん本当です。

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2011年4月13日 (水)

量子電磁力学の輻射補正(3)(真空偏極-2)

 輻射補正の続き,真空偏極補正の残りです。

 

 2が大きいときに,

μν(q)~{iα/(3π)}(qμν-q2μν)[log(M2/m2)

-6∫01dz[z(1-z)log{1-q2z(1-z)/m2}] 

の物理的意味を理解するため,図8.1(e)におけるように散乱への

電子線の閉loopの寄与を考えます。

      

 

 まず,電子-陽電子散乱の2次の振幅:

 SfiB=(e2202)(Ep1pi'q1q1')-1/2

 [{u~(p1'')(-iγμ)v(q1)}{v~(q1)(-iγμ)u(p1')}(-i)

 {(p1-p1')2+iε}-1-{u~(p1')(-iγμ)v(q1')}

 {v~(q1)(-iγμ)u(p1)}(-i){(p1+q1)2+iε}-1]

 ×(2π)4δ4(p1'+q1'-p1-q1)

 を再掲します。

 

 これの第2項:

 -{u~(p1')(-iγμ)v(q1()}{v~(q1)(-iγν)u(p1)}

 (-igμν){(p1+q1)2+iε}-1(2π)4δ4(p1'+q1'-p1-q1)

 に4次の真空偏極補正を加えた振幅は,

 

 光子伝播関数(propagator)を元の(-igμν){(p1+q1)2+iε}-1

 から,これとこれの置換; (-igμν){(p1+q1)2+iε}-1

 → {(p1+q1)2+iε}-1μν(p1+q1)2(p1+q1)2+iε}-1 

 の総和へと変更する,光子伝播関数因子の修正で表現されます。

 

 補正項を加え修正された光子伝播関数は,

 -igμν/q2+(-i/q2)Iμν(q)(-i/q2) です。

 

 これに,具体的に,

 Iμν(q)={iα/(3π)}(qμν-q2μν)[log(M2/m2)

 -6∫01dz[z(1-z)log{1-q2z(1-z)/m2}]

 を代入し,さらに電子頂点(vertex)におけるcurrent(電流)の保存

 によって消えるqμとqνに比例する項を全て落とします。

 

 (※↑ 光子の縦波成分は散乱振幅には,一切寄与しません。)

 

 すると,光子伝播関数の寄与は,

  (-igμν/q2)[1-{α/(3π)}log(M2/m2)

+(2α/π)∫01dz[z(1-z)log{1-q2z(1-z)/m2}]

と書き換えられます。

 

 これは,αの1次のオーダーまで補正された光子伝播関数を

表わしています。

 

(注1):ここまで一貫して使用している自然単位系:

c=h/(2π)=1 でのcurrent:jμ(x)=(ρ(x),(x))の保存

は,μμ=∂jμ/∂xμ=0 (連続方程式:∂ρ/∂t+∇=0)

で与えられます。

 

 具体的には,電荷eの因子を除くcurrent(電流)は,状態1→状態2

の流れでは,jμ(x)=ψ2~(x)γμψ1(x)で与えられます。

 

 ただし,ψ~(x)≡ψ+(x)γ0です。

 

 特に12が共に正エネルギーなら,

μ(x)=Cu~(p2μu(p1)exp{-i(p2-p1)x}より,

μμ=Ciu~(p2)(21)u(p1)exp{-i(p2-p1)x}

=iCu~(p2){(2-m)-(1-m)}u(p1)exp{-i(p2-p1)x}

=0 です。(ただし,Cは規格化定数で≡pμγμです。) 

 

 そこで保存則:μμ=0 は,運動量空間では(p2-p1) μμ=0

を意味します。

 

 一方1が正エネルギー,ψ2が負エネルギーq2なら

 jμ(x)=Cv~(q1μu(p1)exp{-i(q2+p1)x}より,

 ∂μμ=Civ~(q2)(21)u(p1)exp{-i(q2+p1)x}

 =iCu~(p2){(-q2-m)-(1-m)}

 u(p1)exp{-i(-q2-p1)x}=0 です。

 

 この場合にも保存則:∂μμ=0 の運動量空間での表現は.

 (q2+p1) μμ=0 です。(注1終わり)※

 

 したがって,任意のFeynman-diagramにおいて2つの保存current

 の間を結ぶ1光子交換に対する振幅の電子閉ループの効果は

 ,(-igμν/q2)[1-{α/(3π)}log(M2/m2)

 +(2α/π)∫01dz[z(1-z)log{1-q2z(1-z)/m2}]

 で与えられます。

 

 そこで,運動量遷移が小さい極限のq20 (実光子:on-shell)

 では,光子伝播関数は-igμν/(q2+iε)から,積因子:

 Z3≡1-{α/(3π)}log(M2/m2)だけの変更を受けます。

 

 それ故,例えば小さい運動量遷移に対する電荷-Ze>0 の原子核

 による電子のCoulomb散乱振幅は,最低次の近似で

 

 iZe2u~γ0u/(ε02)から,

ieR2u~γ0u/(ε02)≡iZ3Ze2u~γ0u/(ε02)

  ~ {iZe2u~γ0u/(ε02)}[1-{α/(3π)}log(M2/m2)]

へと修正されます。

 

 Zは原子番号で,これと似た記号で紛らわしいのですが,修正因子

3一般にはαの2次以上の全ての高次補正を考慮して

31-{α/(3π)}log(M2/m2)]+O(α2)と書きます。

 

 (※Z3を真空偏極での"くりこみ係数"と呼びます。)

 

 したがって,電磁相互作用を含むDirac方程式:

 {γμ(i∂μ-eAμ)-m}ψ=0 に現われるパラメータeの二乗は 

 実は4πε0α~ 4πε0/137ではなく,これより幾らか大きい値で

 あると結論されます。

 

 何故なら実際に4πε0αの測定にあずかるのはe2ではなく

 eR2=Z32なので,e2>eR2=4πε0αであると考えられるからです。

 

 eRはくりこまれた電荷(renormalised charge)と呼ばれ,eは裸の

 電荷(bare charge)と呼ばれます。

 

 裸の電荷という呼称に対応して,くりこまれた電荷eRは着物を着た

 電荷(dressed charge)と呼ばれることもあります。

 

 以上から,光子が交換される任意のプロセスでは積因子Z3が存在

 することがわかります。

 

 そしてeR2=Z32~e2[1-{α/(3π)}log(M2/m2)]ですが,

 これは運動量遷移qには無関係です。

 

 このことから真空の静的分極性から生じる電子の電荷にも同じ"

 くりこみ(renormalization)"が存在すると思われます。

 

 それ故,裸のeの代わりに観測電荷eRによって断面積を書き直

 せばe2のオーダーでの発散は消えます。

 

 このとき,観測(observable)である運動量依存の補正はq2 → 0

  の静的極限では消える項:

 (2α/π)∫01dz[z(1-z)log{1-q2z(1-z)/m2}]

 に由来しますが,この寄与は有限ですから計算のために採用された

 切断方法には独立です。

 

 裸の物理的電荷間の関係だけが切断に依存するわけです。

 

 低エネルギー遷移の極限:|q2/m2|<<1では,例えば2次の

 Coulomb散乱振幅因子:{ie2u~γ0u/(ε02)}は次の係数だけ

 変わります。

 

 すなわち,

 {ie2u~γ0u/(ε02)}[1-{α/(3π)}log(M2/m2)

 -{α/(15π)}(q2/m2)]

 ~ {ieR2u~γ0u/(ε02)}[1-{αR/(15π)}(q2/m2)+O(αR2)]

 と書けます。

 

 何故なら,元の裸のαはくりこみ後ではもはや観測される微細構造

定数 ~ 1/137 に対応するものではなく,

αR≡eR2/(4πε0) ~1/137 であり,

1/137 ~ αR=α[1-{α/(3π)}log(M2/m2)]<<αである

からです。

 

※(注2):|q2/m2|<<1ではlog{1-q2z(1-z)/m2}

  ~ -q2z(1-z)/m2で∫01dzz2(1-z)2=1/30なので,

(2α/π)∫01dz[z(1-z)log{1-q2z(1-z)/m2}]

~ -{α/(15π)}(q2/m2)です。  (注2終わり)※

 

 {ieR2u~γ0u/(ε02}[1-{αR/(15π)}(q2/m2)]は

座標空間では[1-{αR/(15πm2)}∇2]eR2/(4πε0r)

=eR2/(4πε0r)+{eR2αR/(15πε02)}δ3() なる形の

相互作用として表現されます。

 

※(注3):何故なら,

2010年6/14の記事「散乱の伝播関数の理論(11)

によれば,電荷がZの原子核によるCoulomb散乱の2次の振幅

(S行列要素)は,fi=(iZe2m/(ε0V)(Efi)-1/2

[{u~(pf0u(pi)}/||2]2πδ(Ef-Ei) ですが,

 

 このケースでは,q0=q0=Ef-Ei=0 よりq2=-||2であり,

∫d4xexp(iqx)/(4πr)=2πδ(Ef-Ei)(1/||2) です。

 

 それ故,∫d4x{2exp(iqx)}/(4πr)=2πδ(Ef-Ei)(-||2/2)

 =q2∫d4xexp(iqx)/(4πr)です。

 そして,∇2{1/(4πr)}=-δ3()であるからです。※

 

 そこで,原子番号がZの水素様原子のエネルギー準位の最低次

の輻射補正は,αRを元の記号αに戻せば

 

 ΔEnl=-ZeR2α/(15πε02)|ψnl(0)|2

 =-{4πε0Zα2/(15πε02)}(1/π)(mZα/n)3δl0

 =-(Z2α2m/2){8Z2α3/(15πn3)}δl0

 で与えられます。 

 

※(注4): V(r)=ZeR2/(4πε0r) → -ZeR2/(ε0||)

-ZeR2α/(15πε023()であり.

 <ψnlδ3(nl>=∫d3xψnl*(3(nl()=|ψnl(0)|2,

 eR2α=α/(4πε0),です。

 

 そして,水素原子の波動関数に対する通常の量子力学から

 l=0 では|ψnl(0)|2=(1/π)(mZα/n)3であり,

 l≠0 ならψnl(0)=0 なることが既知です。(注4終わり)※

 

 特に,Z=1(水素原子),n=2,l=0 に対しては,光スペクトル

 の振動数変化として,

 ν=ΔE20/hc=-27(mc/s)=-27(megacycles per second)

 です。(hc≡h/(2π)hはPlanck定数)

 

(※ΔE20=-1.8×10-26JよりΔE20/hc=-27.3MHMHzです。※)

 

 低運動量遷移q2<<m2の電子散乱に対しては相互作用は全電荷

に比例します。小さい衝突径数の大きい運動量遷移:q2=-||2

散乱に対しては,電子が分極雲の中を貫通するので相互作用の強さ

はより増加します。

 

(※(入射運動量)×(衝突径数)=角運動量=一定ではpib=pff

 ={hcl(l+1)}1/2=一定で,bが小さいならpi=|i|が大きい

 ので=||=|fi|も大きいわけです。※)

 

 この結果によるCoulombの法則の修正はUehlingによって1935年

 に初めて計算されました。これが水素原子内で分離する

 2S1/22P1/2のLamb shift(ラムシフト)の最初の測定の目標

 でした。

 

 1947年には-27(mc/s)のほかに~1000(mc/s)までのシフト

 が発見されました。

 

 最近(Bjorken-Drellがテキストを執筆した当時=1960~1970)の

大変精密な測定値と精密な計算値は水素原子のn=2のLamb-shift

について0.2mc/s以内で一致しており,真空偏極のために

-27(mc/s)のシフトが存在するという仮説の妥当性が高精度で

確認されています。

 

 これは閉ループの寄与を生起させたDirac方程式の空孔理論

 と電子と光子の相互作用に用いた単純な点結合の双方に支持

 を与える1つの印象的な証拠であると考えられます。

 

※なお,Lamb shift(ラム・シフト)については後に一節を設けて

(§8.7で)詳述する予定です。※

  

 本節では,まだ大きいq2(短距離特性の相互作用)に対する計算

の妥当性を検証する実験に基づいて理論への幾らかの修正を施す

必要性を提示するという作業が残っていますが,今日はここまで

にします。

 

参考文献: J.D.Bjorken & S.D.Drell "elativistic Quantum Mechanics"(McGraw-Hill)

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2011年4月12日 (火)

手話検定6級落ちました。

 震災のドサクサで3./13(日)に受けたNPO手話検定6級テスト結果がちょうど1カ月後に送られてきました。

 イヤー,半分予想してたとはいえ80点合格の69点で落第でした。自慢じゃないけどやっぱり私バカなんですねえ。

 50問中35問は自信あったのですが,残りの15問は問題さえ曖昧で当てずっぽうです。でも4択ですから確率的には4つくらいは正解のはずが,なま半可で2択までしぼって全部はずれたようです。

 言い訳けですが,私ヒアリングとか問題が考えてる最中に消えてなくなったりするとパニくって頭が空白になってしまうのですね。

 手話テストは,前のスクリーンに1問当たり30秒くらいで2回映し出される手話を読み取る(ヒアリング?)のですが,消灯して薄暗いので老眼かつ近眼の私は手元の4択の答の文字とスクリーンを見比べるのもひと苦労でした。

 問題が逃げずにズッと見えてるようなら何とかなるのですが。。ダメでした。

 受験料3500円もったいなかったし手話講習を受けていた先生やクラス仲間にも申し訳ないです。4/26から応用コ-スの新年度受けますが本当は入門コ-スからやり直したいくらいです。

 しかし機会あれば,また,挑戦してみます。

 書いてる最中(8時10分頃)にもかなり大きい地震ありました。いつまで続くののでしょうか?

 これから春日部(武里)まで定期診断に出かけます。(主に薬をもらうのと腎性貧血の注射)

 まず,三田線で西巣鴨まで行ってそこからとバスで西新井に行きます。

PS;話は変わりますが,口蹄疫では病気が拡がるのを防ぐため数十万の牛が殺処分されました。

 日本も直接海外に波及しない地震災害では全世界から助けてもらっていますが,放射能を垂れ流して内部処理もできないことを続けてると,こちらは予防のために海外から国と国民全体が隔離処分される?というブラックジョークを言いたくなります。

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2011年4月11日 (月)

花,花,花。。

 書いてる最中にもまた地震! 東京でも!揺れてます。。

 花見どころじゃないでしょうけどヤケクソで4/6から4/10までの巣鴨,白山の桜を中心とした花の写真。。

 まず,↓4/6(水)昼ごろ小石川植物園と東洋大第二キャンパス付近 

    

    

   

      

   

  ↓4/7(木)朝10時~11時頃線路端巣鴨駅に向かう道, 

    

   

    

     

    

   

   ↓白山通り(中仙道),渡ればすぐ前が巣鴨駅です。  

       

  ↓4/8(金)昼白山4丁目の文京十中付近

      

     

     

 

     

   

 ↓4/10(日)昼小石川植物園付近

   

   

   

   

  夕方帰宅途中の植物園付近   

   

 

   

 ↓最後は4/10(日)午後,巣鴨駅前から帰宅途中です。

  

 

PS:昨日4/10(日)の夕方帰宅すると,出かける直前にシャットダウンをしたはずのPCがなぜか再起動を繰り返していて元に戻りません。

 また半年でオシャカかも。。。

 仕方ないので今朝は最近秋葉のショップ・インバースで安いので4980円で衝動買いしたばかりで,まだセッティング途中の保証なしの中古デスクトップ:2005年製の日立のビジネスマシン(FLORA350WDE9ジャンク)に乗り換えました。

 バッタ屋のジャンクですが今のところとても快調です。

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2011年4月 8日 (金)

量子電磁力学の輻射補正(2)(真空偏極-1)

 輻射補正の続きです。まずは真空偏極グラフの計算からです。

 

§8.2 Vacuum Polarization(真空偏極)

 

 図8.4を再掲します。

 

 このうち最も厳しい発散は,図8.4(e)の閉電子loopに対応する

 Sfi(4e)の光子伝播関数の次の置換の補正から生じます。

 

 すなわち,

(-igμν){(p1+q1)2+iε}-1

 → (-i){(p1+q1)2+iε}-1μν(p1+q1){(p1+q1)2+iε}-1

 ≡(-1)[(-i){(p1+q1)2+iε}-1]2ε0-1∫d4k(2π)-4

 {Tr(-ieγμ)(-m+iε)-1(-ieγν)

(11-m+iε)-1]

なる置換です。

 

 この寄与を,光子の2次の自己エネルギー部分と呼びます。

 

 積分は2つの電子伝播関数を含み,そこで分母にはkがたった2次しかないので2次の発散をします。

 

 この2次の発散は2010年7/26の記事:

 「散乱の伝播関数の理論(17)(応用3-2)」のBremsstrahlung

 (制動輻射)の項において論じられたようなゲージ不変性の要求

 に訴えることにより,もっともらしく論じることができて,

 ある意味では,一掃することができます。

 

 グラフ(e)の伝播関数の置換:

 "(-igμν)(q2+iε)-1

 → (-i)(q2+iε)-1μν(q)(q2+iε)-1" に対して

"ゲージの変化Aμ(q) → Aμ(q)+qμΛ(q)が物理的振幅

の計算の最終結果を変えてはいけない。"という要請は次の意味

を持ちます。

 

 図8.4(e)の光子は制動輻射やCompton散乱で生じるような

Einstein条件:q2=0 を満たす実光子(real photon)とします。

 

 下図8.5に描写したように,電子loopはAμ(q)が相互作用する

ブラックボックス(?=頂点)を流れるcurrentに対してe2補正

を与えます。 

   

 それ故,置換:(-igμν)(q2+iε)-1

 → (-i)(q2+iε)-1μν(q)(q2+iε)-1 に対するゲージ

不変の要請は,

"q2=0 ならqμμν(q)=0 "でなければならないこと

を意味します。

 

(注):Aμ(x) →Aμ(x)+∂μΛ(x)に対して,波動関数は

ψ(x) → ψ(x)exp{-ieΛ(x)/c}なる位相変化を受けます。

(自然単位系なので,以下ではc=1とします。)

 

 しかし,物理量(実在)を与えるψ~γψのようなψの

双1次形式(bilinear-form)では位相が消えるため散乱振幅

fiは不変です。※

 

μνの定義:(q2+iε)-1μν(q)(q2+iε)-1

≡(-1){(-i)ε0-1{(q12+iε)-1}2∫d4k(2π)-4

{Tr(-ieγμ)(-m+iε)-1(-ieγν)(-m+iε)-1}

から,

 

ゲージ不変性は,μμν(q)=-ε0-12∫d4k(2π)-4

 Tr[(-m+iε)-1γν(-m+iε)-1]

 =-ε0-12∫d4k(2π)-4Tr[(-m+iε)-1

 ×{(-m+iε)-(-m+iε)}(-m+iε)-1γν]

 =-ε0-12∫d4k(2π)-4

 Tr [{(-m+iε)-1-(-m+iε)-1ν]

 がゼロになることを意味します。

 

もしも上記積分が"有限値"を取るなら,右辺の被積分関数のTr[ ]

の中の(第1項)は,k→(k-q)なる積分変数のシフト(置換積分)

で丁度(-)符号抜きの(第2項)に等しくなるためゼロとなって

自動的にゲージ条件は満たされます。

 

しかし,残念ながら実際にはk→ ∞までわたる領域での上記積分

は第1項,第2項とも有限にはならず,その結果この段階では

μμν(q)は不定のままです。

 

そこで,議論をこれ以上先に進めるために,kの積分を

その高振動数領域で切断(cutoff)します。

 

すなわち,Iμν(q)≡Iμν(q;:m2)

 → I~μν(q)=Iμν(q;m2)+Σii(Mi2)Iμν(q;Mi2)

と置換します。

 

 ただしMi2は非常に大きい平方質量で係数Ciはこの置換:

μν→I~μνで,元の積分が収束するように選択される

ものとします。

 

 この切断方法は一意的ではなく,今のところ当面の数学を

実行するための便宜です。

   もしも,この結果として物理的に測定可能な量が,いずれか

の切断パラメータに依存するようなら;この理論は失敗です。

 

 とにかく,こうした発散量の存在は大運動量(大振動数)に

おける, あるいは同じことですが座標空間での短距離における

理論上の困難です。

 

(↑※これを短距離特異性といいます。)

 

いずれにしろこの切断方法の採用は,当面ゲージ条件:

μμν(q)=0 が維持されるいう利点があります。

 

さてqμμν(q)=0 を満たすIμν(q)の具体的計算を

行ないますが,これは伝播関数の分母を次のような恒等式

によって指数関数因子に上げることで最も容易に計算できます。

 

すなわち,

i(-m+iε)-1=i/(-m+iε)=-(+m)/(k2-m2+iε)

=(+m)∫0dz[exp{iz(k2-m2+iε)}]

なる公式です。

 

これを用いれば,Iμν(q)=-4(-ie)2ε0-1

 0dz10dz2∫d4k(2π)-4

 {kμ(k-q)ν+kν(k-q)μ-gμν(k2-kq-m2)}

exp[iz1(k2-m2+iε)+iz2{(k-q)2-m2+iε}]

と書けます。

 

(↑既にトレース計算実行後です。)

 

(注):Tr[γμ(+m)γν(+m)]­=Tr[γμγν()+m2Tr(γμγν)=4[kμ(k-q)ν+kν(k-q)μ-gμν(k2-kq-m2)]です。※

 

次に,4元運動量積分の積分変数kを,l=k-qz2/(z1+z2)

=k-qz1/(z1+z2)によって変数lへと置換します。

こうすると,まずはd4k=d4lです。

 

そして,再掲式:

μν(q)=-4(-ie)2

0dz10dz2∫d4k(2π)-4

[kμ(k-q)ν+kν(k-q)μ-gμν(k2-kq-m2)]

exp[iz1(k2-m2+iε)+iz2{(k-q)2-m2+iε}]

において,

 

指数部分は,iz1(k2-m2+iε)+iz2{(k-q)2-m2+iε}

=i{z12+z2(k-q)2}-i(z1+z2)(m2-iε)であり,

この第1項は,

12+z2(k-q)2=z12+z22-2z2kq+z22

=l2(z1+z2)+q212/(z1+z2) です。

 

また,kμ(k-q)ν+kν(k-q)μ

={lμ+qμ2/(z1+z2)}{lν-qν1/(z1+z2)}

+{lν+qν2/(z1+z2)}{lμ-qμ1/(z1+z2)}

=2lμν-2qμν12/(z1+z2)2+(lの1次の項)

となります。

 

さらに,k2-kq-m2

={l+qz2/(z1+z2)}2-{l+qz2/(z1+z2)}q-m2

=l2-q212/(z1+z2)2-m2+(lの1次の項)

と書けます。

 

ここで便利な恒等式:

(1)∫d4l(2π)-4{exp{il2(z1+z2)}}={16π2i(z1+z2)2}-1,

(2)∫d4l(2π)-4[lμexp{il2(z1+z2)}]=0 ,

(3) ∫d4l(2π)-4[lμνexp{il2(z1+z2)}]

={32π2(z1+z2)3}-1μν

を用います。

 

(注):(証明)(1)I0≡(2π)-1-∞exp{il02(a+iε)}dl0

とおくと.I02=(2π)-2-∞exp{i(x2+y2)(a+iε)dxdy}

=(2π)-10rexp{ir2(a+iε)}dr=i/(4πa)

=exp(iπ/2)/(4πa)なので,0=(4πa)-1/2exp(iπ/4) です。

 

次に,I1(2π)-1-∞exp{-il12(a+iε)}dl1とおくとI12=-i/(4πa)=exp(-iπ/2)/(4πa)なのでI1=(4πa)-1/2exp(-iπ/4)です。

 

よって,I≡(2π)-4-∞4lexp{il2(a+iε)}

=(16π22)-1exp(-iπ/2)=(16π2ia2)-1 を得ます。

 

(2)さらに,被積分関数が積分変数の奇関数なので

-∞0exp{il02(a+iε)}dl0

=∫-∞kexp{-ilk2(a+iε)}dlk=0 (k=1,2,3)

は明らかです。 

(↑※∫-∞は必ずしもlim R→∞-RRを意味しませんが,被積分関数

がO(1/R2)のオーダーであれば∫-∞は.lim R→∞-RRと同等です。)

 

 よって(2π)-4∫d4l[lμexp{ia(l2+iε)}]=0 (μ=0,1,2,3)

を得ます。

 

(3) (2)と同じ理由でμ≠νのときには,

(2π)-4∫d4l[lμνexp{ia(l2+iε)}]=0 です。

 

 μ=ν=0 のときは,

0≡(2π)-1-∞exp{il02(a+iε)}dl0

 =(4πa)-1/2exp(iπ/4)より,

(2π)-1-∞02exp{il02(a+iε)}dl0

 =(-i)(dI0/da)=(16π23)-1/2exp(3iπ/4) ですから,

 

 (2π)-4∫d4l[l02exp{il2(a+iε)}]

=(2π)-4∫dl0 [l02exp{il2(a+iε)}]

×Πk=13∫dlkexp{-ilk2(a+iε)}]

=(32π23)-1[exp(3iπ/4-3iπ/4)]

=(32π23)-1  を得ます。

 

 同様に,μ=ν=k(k=1,2,3)のときは,

(2π)-1-∞k2exp{-ilk2(a+iε)}dlk

=i(dIk/da)=(16π23)-1/2exp(-3iπ/4)

より,

 

(2π)-4∫d4l[lk2exp{il2(a+iε)}]

=(32π23)-1[exp(iπ/4-iπ/4- iπ/4-3iπ/4)]

=-(32π23)-1 です。 (証明終わり)※

 

よって,(lの1次の項)は無視して

μν(q)=-4(-ie)2ε0-1

0dz10dz2∫d4l(2π)-4

 [2lμν-2qμν12/(z1+z2)2

 -gμν{l2-q212/(z1+z2)-m2}]exp[i{l2(z1+z2)

+q212/(z1+z2)-(m2-iε)(z1+z2)}] ですが,

 

右辺の∫d4l(2π)-4の積分を実行すると,

-i(α/π)∫0dz10dz2(z1+z2)-2

[2(gμν2-qμν)z12/(z1+z2)2

+gμν{-i/(z1+z2)-q212/(z1+z2)2+m2}]

exp[i{q212/(z1+z2)-(m2-iε)(z1+z2)}]

が得られます。

 

ここで,微細構造定数(fine structure constant)

α=e2/(4πε0)を用いました。(α ~ 1/137です。)

 

さて,切断による補正:

~μν(q)=μν(q:m2)+Σii(Mi2)Iμν(q:Mi2)を,

改めて第1項も含めた形で,

~μν(q)=Σjj(mj2)Iμν(q:mj2) と書きます。

 

れを陽に書けば,

~μν(q)=-i(α/π)Σjj0dz10dz2(z1+z2)-2

[2(gμν2-qμν)z12/(z1+z2)2

+gμν{-i/(z1+z2)-q212/(z1+z2)2

+mj2}]exp[i{q212/(z1+z2)-(mj2-iε)(z1+z2)}]

です。

 

質量切断で右辺の積分は有限になると仮定されているため,

μ(gμν2-qμν)=qν2-q2ν=0 により

~μν(q)のうち(gμν2-qμν)に比例する項は自動的

にゲージ条件を満たします。

 

しかしgμνに比例する項はゲージ条件を満たさないと見えます。

 

ところが,これらの項はゲージ条件を満たす満たさない以前に

値としてゼロであり消えてしまうことを示すことができます。

 

まず,人為的な単位付けの任意性を意味するスケール変換不変性

から,z1→λz1,z2→λz2の置換に対して積分は不変です,

 

すなわち,Σjj00dz1dz2(z1+z2)-2

{mj2-i/(z1+z2)-q212/(z1+z2)2}

exp[i{q212/(z1+z2)-(mj2-iε)(z1+z2)}]

Σjj00dz1dz2(z1+z2)-2{mj2-i/{λ(z1+z2)}

-q212/(z1+z2)2}exp[iλ{q212/(z1+z2)

-(mj2-iε)(z1+z2)}] です。

 

最右辺は,iλ(∂/∂λ)(Σjj00dz1dz2(z1+z2)-2

exp[iλ{q212/(z1+z2)-(mj2-iε)(z1+z2)}])

と書けます。

 

ところが,再び,z1→z1/λ,z2→z2/λなるスケール変換

によりΣjj00dz1dz2(z1+z2)-2

exp[iλ{q212/(z1+z2)-(mj2-iε)(z1+z2)}]

Σjj00dz1dz2(z1+z2)-2

exp[i{q212/(z1+z2)-(mj2-iε)(z1+z2)}]

となります。

 

したがって,Σjj00dz1dz2(z1+z2)-2

exp[iλ{q212/(z1+z2)-(mj2-iε)(z1+z2)}]は

λには依存しないため,これが有限ならλによる微分は

恒等的にゼロです。

 

これで,切断結果が有限であれば確かにゲージ条件が満たされる

ことが示されましたが,たった今消えることを示した以外の項,

ゼロでないI~μνへの残りの寄与はどうなるのでしょうか?

 

以下ではこれを評価しますが,これも同じスケール変換(縮約)

のトリックで処理されます。

 

このため,恒等式:1=∫0dλλ-1δ(1-(z1+z2)/λ)

を用いて因子1を挿入します。

 

すると,~μν(q)=-(2iα/π)(gμν2-qμν)

Σjj000dz1dz20dλλ-112(z1+z2)-4

δ(1-(z1+z2)/λ)exp[i{q212/(z1+z2)-(mj2-iε)

(z1+z2)}] です。

 

ここで,z1→λz1,z2→λz2を行なえば

~μν(q)=-(2iα/π)(gμν2-qμν)

00dz1dz212δ(1-z1-z2))

0dλλ-1Σjjexp[iλ{q212-mj2+iε}]

を得ます。

 

しかし,残念なことに切断抜きではλによる積分は対数発散

します。

 

(↓※ゲージ不変性のおかげで2次発散を 0次の対数発散にまで

軽減できましたが発散そのものはまだ残ります。)

 

特に,切断I~μν(q)=Σjjμν(q;mj2)=μν(q;m2)+Σii(Mi2)Iμν(q:Mi2)において,C1=-1,C2=C3=..=0 と選びます。

 

なわち,I~μν(q)≡Iμν(q;m2)-Iμν(q;M2)とします。

 

すると,~μν(q)=-(2iα/π)(gμν2-qμν))

00dz1dz212δ(1-z1-z2))

0dλλ-1[exp{iλ(q212-m2+iε)}

-exp[iλ(q212-M2+iε)}])

 

(2iα/π)(gμν2-qμν)∫01dzz(1-z)

0dλλ-1(exp[iλ{q2z(1-z)-M2+iε}]

-exp[i{q2z(1-z)-m2+iε)}]  となります。

 

したがって,I~μν(q)~ (2iα/π)(gμν2-qμν)

01dzz(1-z)log[M2/{m2-q2z(1-z)}]={iα/(3π)}

(gμν2-qμν)[log(M2/m2)-6∫01dzz(1-z)log{1

-(q2/m2)z(1-z)} が得られます。

 

これは明らかにM2 → ∞に対して対数発散します。

 

※(注):∫0dλλ-1{exp(iλa)-exp(-iλb)}を計算します。

 

これは,∫0dλ[{isin(aλ)-isin(bλ)}/λ]

+∫0dλ[{cos(aλ)-cos(bλ)}/λ]

=2∫0dλ[isin{λ(a-b)/2}cos{λ(a+b)/2}

-sin{λ(a-b)/2}sin{λ(a+b)/2}/λ]  です。

 

a=q2z(1-z)-m2+iε,b=q2z(1-z)-M2+iε

ですから,(a-b)/2=(M2-m2)/2>0であり,

(a+b)/2=q2z(1-z)-(M2+m2)/2 です。

 

2が小さいときには|a+b|/2>(a-b)/2ですが,q2が大きく

なると|a+b|/2<(a-b)/2 です。

 

右辺第1項の∫0dλ[sin{λ(a-b)/2}cos{λ(a+b)/2}/λ]

は,2が小さいときにはゼロ,2が時間的(正)で大きいときには

これは,πi/2です。

 

一方,右辺第2項は

0dλ[sin{λ(a-b)/2}sin{λ(a+b)/2}/λ]

=-log|a/b|=log|b/a|

=log{{M2-q2z(1-z)}/{m2-q2z(1-z)}|

~ log[M2/{m2-q2z(1-z)}] です。

 

(数学公式集(岩波全書)参照)

 

また∫01dzz(1-z)=1/6です。   (注終わり)※

 

今日はここで終わります。

 

参考文献: J.D.Bjorken & S.D.Drell "Relativistic Quantum Mechanics"(McGrawHill)

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2011年4月 5日 (火)

お花見をしました。

 昨日4月4日(月)播磨坂桜並木通りでお花見をしました。(13時30分から約1時間),以下経時的に写真を掲載します。 

 (ただし,誰と判別できる人物写真は排除しました。)

 昼間の健全な散策でお酒などはなしです。

      

      

      

      

      

      

      

      

      

          

      

      

      

      

      

       

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2011年4月 4日 (月)

量子電磁力学の輻射補正(1)

今日から科学記事の新シリーズとして,「散乱の伝播関数の理論」の続編

を書こうと思います。

 主として量子電磁力学(QED)における"輻射補正

(radiative correction)=くりこみ(renormalrization)"の具体的計算に入る

ので,ここからシリーズ題名を変えることにしました。

 
 ただし,Feynman,朝永(Tomonaga),Schwinger,およびDysonらによって

展開された場の量子論的方法論に従うのではなく,,量子力学の摂動展開

をグラフ化したFeynman-diagramと伝播関数を用いた直観的手法で計算

します。

 これも,前シリーズと同じく学生時代のBjorken-Drellのテキスト

の勉強ノートから,わかりにくい部分を埋めて再構成したものです。

 
学生時代は"Advanced Quantum Mechanics(J.J.Sakurai)

(中間的量子力学?)"も参照しました。

 さて,参考文献というより,ほぼ種本の,Bjorken-Drellの

テキスト第8章の

"Higher-order correction of scattering matrix

(散乱行列における高次補正)" の解説に入ります。

 §8.1 Electron-Positron Scattering in Fourth Order

 (4次の電子-陽電子散乱)

 
これまで展開してきた"S行列要素を導く規則=Feynman-rules"

は,結合定数(coupling constant)のより高次の評価にも適用

できます。

 その例として電子-陽電子散乱のe4の寄与を考えます。

 
その振幅をつくるため,この散乱過程に対応する4つの電子

頂点を持つ可能な全てのFeynman-diagramを描きます。→下図8.1

 
そして,低次の例で論じたのと同じ規則に従って求める行列要素

を書き下します

 

グラフ(a)の寄与は,電子-陽子散乱のS行列要素:

fi(2)=-ie2∫d4xd4y[ψf~(x)(x)SF(x-y)(y)ψiy)]

および,Aμ(x)Aν(y)=iε0-2p2∫d4wd4z[DF(x-w)

F(y-z)ψpf~(w)γμpF(w-z)γνψpi(z)] 

のアナロジーから,次のように書けます。

 
電子-陽電子間に2光子を交換するグラフ(a)の振幅への寄与は

fi(4a)=-(-ie)4ε0-2∫d4wd4xd4yd4

(+)f~(x)γμiSF(x-y)γνψ(+)i(y)]iDF(x-w)iDF(y-z)

(-)i'~(z)γνiSF(z-w)γμψ(-)f'(w)] 

となります。

 
ここで,添字のiとf,およびi'とf'はそれぞれ電子,および陽電子

の量子番号を表わします。

 次に(b)は,消滅項で上式に比べ相対的に(-)符号で寄与します。

すなわち,fi(4b)=+(-ie)4ε0-2∫d4wd4xd4yd4

(+)f~(x)γμiSF(x-y)γνψ(-)f'(y)]

iDF(x-w)iDF(y-z)[ψ(-)I'~(z)γνiSF(z-w)

γμψ(+)i(w)] です。

 2つのグラフ間の相対的(-)符号の源は,より低次の計算と同じく

初期の正エネルギーと負エネルギーの波動関数の反対称性に由来

します。

(※(a)と(b)の場合はi⇔f'の交換に対して符号が変わります。)

 グラフ(c)の振幅は対消滅でできた(仮想)光子(virtual photon)

から対創生された電子-陽電子ペアが終状態に出現する前に散乱

されるプロセスに対応します。

 今までの既知の規則は,"各頂点(vertex)に因子(-ieγμ)と

不変積分∫d4xを挿入すること,および,各内線にはFeynman

伝播関数(propagator)iSF or iDF,各自由入射粒子,および

終状態粒子には波動関数を対応させる。"というものです。

 
この規則によれば,(c)のプロセスの振幅は

fi(4c)=+(-ie)4ε0-2∫d4wd4xd4yd4

iDF(x-w)iDF(y-z)[ψ(+)f~(x)γμiSF(x-y)

γνiSF(y-w)γμψ(-)f'(w)])[ψ(-)i'~(z)γνψ(+)i(z)]

となります。

 
この式での全体にかかる符号選択については説明の要があります。

 
この符号も"自由電子状態は電子の交換の下で反対称であるべき"

というFermi-Dirac統計の要請に由来します。

 
これを説明するため,次の図8.2(Pending)に,(a)の4頂点の可能

な項の順序の1つを(c)の対応するものと並べて示します。

 

 

 

これら2つのグラフはラベルⅠとⅡの部分の電子線の交換のみ

が異なっています。

fi(4a)とSfi(4c)の式の右辺の相対的(-)符号も同種粒子の交換

の下での全行列要素の反対称性を保証するものです。

下に前記事の2次の電子-陽電子散乱の図7.15を再掲します。

図7.15の振幅の運動量空間での表現は,

fiB(e2202)(Ep1p1'q1q1')-1/2

[{u~(p1')(-iγμ)u(p1)}{v~(q1')(-iγμ)v(q1)}

(-i){(p1-p1')2+iε}-1-{u~(p1')(-iγμ)v(q1')}

{v~(q1)(-iγμ)u(p1)}(-i){(p1+q1)2+iε}-1]

(2π)4δ4(p1'+q1'-p1-q1) でした。

 
そして,(c)の寄与:Sfi(4c)の右辺の符号は上のSfiBの式の右辺

の[ ]内で図7.15(b)に対応する第2項の寄与と同じです。

 タイプ(d)のグラフもまた2つの光子の交換の下で振幅を対称化

する過程に含まれるものです。

 つまり,図8.1(c)でwとyに終端を持つ光子は同様にzまたはx

から始まることも可能です。

 
そこで結局次の形の寄与となります。全体符号は(a)と同じです。

 
fi(4d)=+(-ie)4ε0-2∫d4wd4xd4yd4ziDF(x-y)

iDF(w-z)[ψ(+)f~(x)γμiSF(x-y)γμiSF(y-w)

γνψ(-)f'(w)])[ψ(-)i'~(z)γνψ(+)i(z)] です。

 
グラフ(e)の振幅は対消滅で生じた光子から生成されたペアが

相互作用して再び消滅し,さらに最終的にはペアとして出現する

過程に対応しています。

 頂点yの上では図8.1の(c)と(e)のグラフは,2次の電子-陽電子

散乱の2つの過程:図7.15の(a)と(b)と同様に関連しています。

 
再び,SfiB=(e2202)(Ep1p1'q1q1')-1/2

[{u~(p1')(-iγμ)u(p1)}{v~(q1')(-iγμ)v(q1)}

(-i){(p1-p1')2+iε}-1-{u~(p1')(-iγμ)v(q1')}

{v~(q1)(-iγμ)u(p1)}(-i){(p1+q1)2+iε}-1]

(2π)4δ4(p1'+q1'-p1-q1)です。

 
この式と同様,図8.1の(c)と(e)のグラフのS行列要素への

寄与は互いに反対の符号です。

 
このことから次の結果が得られます。

 
すなわち,Sfi(4e)=-(-ie)4ε0-2∫d4wd4xd4yd4

(+)f~(w)γνψ(-)f'(w)]iDF(w-x)[γναβ

iSF(y-x)βλγμλτiSF(x-y)τα]iDF(w-z)

(-)i'~(z)γνψ(+)i(z)] です。

 
(注1):真空偏極(vacuum polarization)の部分の行列については

添字を明示しましたが,これは,

γναβiSF(y-x)βλγμλτiSF(x-y)τα

=Tr[γμiSF(x-y)γνiSF(y-x)]

=Tr[γμiSFγνiSF]=Tr[γνiSFγμiSF] です。※

 Sfi(4e)の右辺の全体の符号についても図8.2のような適切な

 時間順序をつくることで独立にも証明可能です。

 ここまで導かれてきた振幅の対称性,反対称性の要求から,

 4頂点グラフとして,さらに図8.3に示す(ツリー+泡)のグラフ

 (tree & bubble diagram)を追加する必要性に導かれます。 

 これは,8.1(e)の2つの光子の対称化から生じるグラフです。

 つまり,yに到達する光子は同様にx or wから始まることも

 できるからです。

 
 このような内線で連結していない2つの孤立した連結グラフ

 (connected-diagram)から成る非連結グラフ(disconnected diagram)

において,右側に描いたような始粒子,終粒子のいずれも出現しない

(外線のない)泡グラフの全ての寄与は,正当な理由であらゆる計算

で無視されます。

 図8.3の右側の泡グラフは,まずyからxに伝播する1つの電子描像

を示しています。

 それからxで1つの光子を放出して後方(過去)のyに散乱され元

の自分自身と光子に壊れます。

空孔理論(hole theory)の言葉では,これは電子が負エネルギー

の海(真空)から仮想光子を放出して正エネルギー状態に遷移し,

その後再び光子を吸収して負エネルギーの海(真空)に落ちる,

ゆらぎの効果です。

こうしたゆらぎ(fluctuation)は常に生じています。

全体が個々の孤立連結グラフ因子の積となるように因数分解

すると,個々の泡グラフもまた明らかに当面の計算の要である

連結グラフに掛かる1因子です。

しかし,観測にかかる意味のある散乱振幅は真空で生じる効果

に相対的な効果として見出されるものなのでこの寄与は無視

できるのです。

※(注2):場の理論,またはQEDの言葉では,これは("くりこみ"では

ないけれど)散乱のS演算子の再規格化で説明されます

すなわち,確率が1になるように.S^new≡S^/<0|S^|0> で,

新S演算子:S^new,または,<out|in>=<in|S^new|in>

=<in|S^|in>/<0|S^|0>で,新S行列要素を再定義する際,

"泡グラフの全ての寄与=分母の真空のゆらぎ:<0|S^|0>"

は,分子の<in|S^|in>における全ての非連結グラフのうちの

全泡グラフ因子と相殺されることで説明されます。※

 以上から,高次過程に対して振幅を構成する規則を要約すると

次のようになります。

1. あらゆる連結グラフを書く。
2.
各々のグラフに関して各頂点xに因子:(-ieγμ),および,

 ∫d4xを対応させる。

3. 頂点xとyに端点を持つFermi粒子,および光子を表示する

 各内線に,それぞれ伝播関数iSF(x-y),およびiDF(x-y)

 を含ませる。

 なお,光子に対しては,連結されたγμとγνを結びつけるために,

 付加因子:gμνを挿入する。


 4.
各外線,つまり入射または散乱粒子を代表する1つの線に

 1つの波動関数を導入する。

 
(注3):量子論で昔から使用されているの伝統的単位では不要

 なものですが,ここでは私が独自にMKSA単位(or SI国際単位)で

 記述しているため,1つの光子内線ごとにε0-1因子を追加する

 必要があります。※

 
これらの規則は低次の計算でも展開してきたものです。新しい

 条件は連結グラフのみが計算対象になるということです。

 最後に5番目として符号条件を付け加えます。

 
まず,2つの正エネルギー電子に対する図7.13を再掲します。

 

 これの表現式:

 SfiM=(e2202)(E121'E2')-1/2

 [{u~(p1')(-iγμ)u(p1)}{u~(p2')(-iγμ)u(p2)}

 (-i){(p1-p1')2+iε}-1-{u~(p1')(-iγμ)u(p2)}

 {u~(p2')(-iγμ)u(p1)}(-i){(p1-p2')2+iε}-1]

 (2π)4δ4(p1'+p2'-p1-p2),

 
および,正,負エネルギー電子に対する図7.15の表現式:

fiB(e2202)(Ep1p1'q1q1')-1/2

[{u~(p1')(-iγμ)u(p1)}{v~(q1')(-iγμ)v(q1)}

(-i){(p1-p1')2+iε}-1-{u~(p1')(-iγμ)v(q1')}

{v~(q1)(-iγμ)u(p1)}(-i){(p1+q1)2+iε}-1]

(2π)4δ4(p1'+q1'-p1-q1) におけるように,

5. 同種Fermi粒子の交換だけ違う2つのグラフは相対的(-)符号

がなければならない。

さらに,
6.
. Sfi=δfi-iεfie∫d4yψf~(y)(y)Ψi(y)に従って,

始状態に現われる陽電子の個数をnとすると全体として因子:

(-)nがある。

 かくして,残された大きな問題は,実験結果と比較するために特に

4次の相互作用に対する積分をどのように計算し,その具体的数値

を如何にして得るかということです。

 Diagrams(a),(b)はxとyの間で交換することにより得られた

2つの縦横交叉の光子を伴っています。

 電子-陽子散乱のよく似た寄与に対しては,

 (ε0-24/V2){m2/(Efi)}1/2{M2/(Epfpi)}1/2∫d4142

4pd4Pδ4(-q1+pf-p)δ4(-q2+p-pi4(q2+Pf-P)

δ4(q1+P-Pi)(q12+iε)-1(q22+iε)-1

[u~(pf,sfμ(-m+iε)-1γνu(pi,si)]

[u~(Pf,Sfμ(-M+iε)-1γνu(Pi,Si)]

 で与えられる型の容易でない4次元積分があります。

しかし,今ここでは具体的計算には入りません。

 図8.1のdiagram(c)から(e)を論じるには,運動量空間に入って

fiBの式の右辺の第2項に寄与する図7.15(b)の最低次グラフ

にそれらを関連付けるのが便利です。

 今やおなじみの運動量空間での展開を作ります。

 
グラフ(c)の寄与:Sfi(4c)=+(-ie)4ε0-2∫d4wd4xd4yd4

iDF(x-w)iDF(y-z)[ψ(+)f~(x)γμiSF(x-y)γν

iSF(y-w)γμψ(-)f'(w)])[ψ(-)i'~(z)γνψ(+)i(z)]

の運動量表現は,次のfiBの第2項とは,そのcurrent因子への

置換だけ異なることがわかります。

 
つまり,(SfiBの第2項)=-(e2202)(Ep1p1'q1q1')-1/2

{u~(p1')(-iγμ)v(q1')}{v~(q1)(-iγμ)u(p1)}(-i)

{(p1+q1)2+iε}-1](2π)4δ4(p1'+q1'-p1-q1) ですが,

 
置換:~(p1')(-ieγμ)v(q1') → u~(p1')ε0-1

∫d4k(2π)-4(-i)(k2+iε)-1(-ieγν)(1'--m+iε)-1

(-ieγμ)(-1'--m+iε)-1(-ieγν)v(q1')

を施せば,Sfi(4c)になります。

 また,Sfi(4d)fiBの第2項に電子波動関数の置換:

u~(p1')

→ u~(p1')ε0-1∫d4k(2π)-4(-i)(k2+iε)-1(-ieγν)

(1'--m+iε)-1(-ieγν)(1'-m+iε)-1

を行なうだけ異なります。

 
最後に,Sfi(4e)はグラフ内線の光子伝播関数について,

(-igμν){(p1+q1)2+iε}-1

→ (-i){(p1+q1)2+iε}-1μν(p1+q1){(p1+q1)2+iε}-1

≡(-1)ε0-1[(-i){(p1+q1)2+iε}-1]2∫d4k(2π)-4

{Tr(-ieγμ)(-m+iε)-1(-ieγν)

(11-m+iε)-1  なる挿入だけ異なります。

(※最後の(e)での挿入:gμν → (q2+iε)-1Iμν(q)は,

(q2+iε)-1が余分の光子内線に,Iμνが,1-loopの寄与に

対応します。※)

ここに寄与する部分のグラフを次の図8.4に示します。

残りの4次グラフの全て,これらclosed-loopの寄与がk→ ∞まで

の積分に対して発散するのは残念なことです。

 
以下.これらを順次計算していく予定です。

 
今日はここで終わります。

 
参考文献: J.D.Bjorken & S.D.Drell

“Relativistic Quantum Mechanics”(McGraw-Hill)

 PS:
今日4月4日は,昔から"おカマ(ホモ)"(とレズ?)の節句

ですね。

 息抜きに土曜日昼頃新宿駅東口付近で見た花です。↓

 

    

    

 

  そして,その帰りに巣鴨駅南口の信号待ちで

 

    

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2011年4月 3日 (日)

続・開花

 天気がいいし11時半頃巣鴨小学校前バス停から小石川植物園前の職場まで30分くらい歩いていきました。

 途中で3つ目のバス停の湯立坂下,つまり氷川下の窪町東公園というところに桜が咲いていたのでシャッターを押しました。↓

              

         

       

       

 さらに,それから2つ先のバス停共同印刷のそばの白山2丁目直前の播磨坂の桜です。4~5分咲きというところでしょうか?↓

       

 

       

       

       

 明日の午後ここで花見の予定ですが

 雨でなければ6~7分咲きくらいになるかも。。

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2011年4月 2日 (土)

開花。。

 昨日(April fool)は46年前に亡くなった父の命日(でしたが,それとは関係なく桜のつぼみが見えました。

 下の写真は昨日16時半頃の小石川植物園近くの坂道です。

    

    

 被災者の方々には申し訳ないけれど.近々金が要らず貧乏人でも楽しめる花見をやる予定です。

 この時期は秋口と同様,一般的にはいい季節なのですが,季節の変わり目で精神的には苦しい季節です。(私は若い感性を失って鈍感?になったためか今のところは何もないですが。。。)

 恐らくは寒さというプレッシャーがなくなるので気持ちが本来の悩み事に集中するためか?,あるいは発情期の名残り(木の芽どき)なのか?

 今通っているところでは個人的に危惧しています。

 杞憂ならいいのですが。。。

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