« 2011年6月 | トップページ | 2011年8月 »

2011年7月

2011年7月29日 (金)

海外ニュースから

 つくづく,資本主義だなあと思います。。

 今朝29日にBSでオーストラリアの国内ニュース見ていると,日本円と同じくオーストラリアドル高(1オーストラリアドル~1.15米ドル)の影響で,農家のオレンジ(みかん)を出荷すればするほど赤字でせっかく手塩にかけて作ったオレンジを大量に捨てているらしいです。

 いわゆる豊作貧乏,大漁貧乏ですね。

 需要よりも供給が多過ぎて安くなるのは消費者なら大歓迎ですが,1つ当りを作るためのコストより安い値段になると個数が多いほど生産者の赤字損益がひどくなるから,商品がどこからも出まわらないように捨てるという矛盾ですね。。

 昨日,「長寿国日本」の記事で飽食日本と飢餓諸国との対比を書いたばかりだったので,少なからずショックなニュースでした。

 普段はホームレスがいる大きな公園での花見で,宴会後に片付けてもらう代償に食べ残した飲食物を提供するというようなことと同じく,コンビニなどで賞味期限切れになったり,腐ったりする前に,余ってるところから足りないところへ「どこでもドア」で手渡せればいいのですが。。

 出来合いの食糧を腐る前にジェット機なんかで転送しようとするのは輸送費で送る側がパンクしてしまいます。

 腐らないようにする保存も現在の技術では,そのコストでパンクするでしょうから,わざわざ無理して人助けまで考える奇特な営利企業人はいません。

 初期の古典的資本論などは,物理学のニュートン理論と同じく伝達速度には(光速のような)限界がない。つまり,どこかで生じたことが瞬時に別の場所に影響するという話になっていて,交通手段,輸送手段の問題が軽視されてたような気がします。

 狭いドイツやイギリスなど,自国のまわりだけの近視眼的視野ですね。

(まあ,まったくタイムラグがないなら,弁証法の正と反の正反対が同時に同一の場所で生じるという論理学の矛盾律に反して,アウフヘーベンして合に到るということも成立しないのでそれなりの有限な伝達速度でしょうが。。。

 まったく同じというわけではないですが自然科学で解釈するなら,過渡期では不安定な運動をしてても,いずれ安定点に落ち着くということですね。)

 後に,レーニンの「帝国主義の不均等発展」に見られるごとく,世界各国の先進国と後進国(発展途上国)への分化により,先進国で生じた矛盾のほとんどは後進国にシワ寄せすれば先進国経済はカタストロフ(大恐慌)を避けて延命できるため,

 帝国主義本国内では,マルクスの想定したような無産労働者による政治革命などは容易に起きないというような話を思い出しましたね。(独占資本主義?)

 しかし,別に今さらマルクスでもないけれど,そろそろ限界がきて色々な綻びをつぶしていくだけの作業では世界の経済がパンクして断末魔の悲鳴を挙げてるような気がします。

 内部のどっぷり漬かっていて自分の尻に火がつかない有閑階級=インサイダーは,必ずしもまだ気付かないでしょうが。。。

 昔の手塚治虫の「鉄腕アトム」に出てくるような世界連邦でボタンを押せば何でも出てくる「コンピュートピア(修正資本主義?)」などは夢のまた夢。。

PS:伊良部秀輝(42歳)の自殺?のニュースも来ました。ロサンゼルス(LA)郊外の自宅で明らかに自殺と見える遺体で発見されました。何があったのでしょうか?

 ニュース→ http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20110729-OYT1T00121.htm 

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110729/t10014537791000.html  

      

PS2:フジTVの韓流ドラマ批判で事務所クビ?の高岡蒼甫クン。

 宮崎あおいの夫ということぐらいの意識しかなく,名前もハッキリとは知りませんでしたが,最近ご活躍のようです。個人的に期待して注目します。

 。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月28日 (木)

訃報!!小松左京

 日本SF界の巨匠:小松左京氏が亡くなられました。80歳ということです。

http://mainichi.jp/enta/art/news/20110729k0000m040061000c.html

       

    ↑私のイメージの中にある50代?の写真です。 

 一応、定番の「日本沈没」,「さよならジュピター」「復活の日」,「果てしなき流れの果てに」くらいは昔読みました。それから割りと新しい?「首都消失」も。。。

 しかし,どちらかというと私余りの大作を読むのは得意ではなく,日本作家のSFなら「ショートショート」の星新一氏や,眉村卓,筒井康隆氏とかの方が好みです。豊田有恒,かんべむさしもいますね。ハードSFの堀晃も好きですが寡作ですね。

 光瀬龍と栗本薫は書店で眺めただけで読んだことがないです。まあ,萩尾望都の少女マンガの中なんかで見たかもしれませんが。。

 伝奇物なら,昔ほとんど読んだ半村良(イイデス・ハンソン?),それに荒巻義雄や,高橋克彦の「竜の柩」とか.

 笠井潔はバンパイヤモノなど本屋で立ち読みだけ。。。

 平井和正も初期の「狼男モノ」などは読みましたが「幻魔。。」の途中から抹香臭くなってやめました。最近の瀬名秀明や東野圭吾もSF作家に入るのかな?

 まあ,空想という意味では歴史ミステリーのキリスト日本人説である斉藤栄の「イエス・キリストの秘密」や義経=ジンギスカン説の高木彬光の「成吉思汗の秘密」もあります。キリがないですね。

 純粋なフィクションならすべては空想の産物ですから。。

 なんか小松左京氏の追悼ではなくなってきてます。

 本当に昭和も20世紀も終わりですね。合掌!

PS:SFマンガなら手塚治虫,石森章太郎,いやロボットやサイボーグモノは全てそうですから「鉄人28号」の横山光輝,「エイトマン」の桑田次郎,etc.

 それに,ウルトラマンやゴジラもそうですね。これはSF映画かぁ?。。

 それにマンガかじゃなく原作ですが,「月光仮面」の川内康範,原作なら色々書いている小池一夫(「少年の町ZF」(マンガは平野仁)等)がいます。

 そして「月光仮面」からの連想(「けっこう仮面」)でマンガ家に戻って永井豪, 

 忘れちゃいけない宇宙モノの松本零二,「ドラエモン」etc.の藤子不二雄,妖怪モノの水木しげるもいます。?「アキラ」の大友克洋やアラレちゃんや悟空の鳥山明もそうかな? 

 私の大好きな「愛がゆく」の小山ゆうもいます。

 女流ですが少年マンガの「うる星やつら」や「らんま1/2」の高橋留美子,

 そして,少女マンガにも前記の萩尾望都など大勢います。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

長寿国日本!!

 7月27日厚生労働省の発表によれば,2010年の日本人の平均寿命は男子79.64歳,女子86.39歳でした。

 女子は26年連続で長寿世界一,男子は香港,スイス,イスラエルに次いで4位ということです。

 しかし,男子の上位3カ国の人口は700~800万人と東京都の人口よりも少ないですから比較にならず,1億人程度の規模なら男子も長寿世界一です。

 国は狭くて,何をやるにも行列で長時間待ち,車は渋滞,電車はラッシュ,台風,洪水,地震と天災も多い,天然資源が無くて食糧も海外依存,物価は高いし政治はお粗末きわまりなし。。

 気候は四季があって赤道付近や極地より穏やかだけど,夏は中東などより気温低いのに湿度が高くて,不快感ははるかに大きいみたいです。

 しかし,なんだかんだいっても日本は住みやすいのかね。。。

 比べる対象が悪かった。

 日本は,賞味期限切れの弁当などを大量に捨てたり,ダイエット,グルメとかのたまう飽食の国,食べるものが無くて栄養失調,餓死,疫病があって,生まれてから5歳までの死亡率が高い多くの国と比較すれば当然。。。

 そういえば,このところ自分のお尻に火が付いていて募金をやっていないせいか,ユニセフからの定期メールも来ませんね。

 一応,思いついたときに宣伝しておきます。↓

 TVでスマップの中井クンも言っていたけれど「偽善だ。偽善じゃないとか議論してる場合ではない。」です。偽善という名前の善には違いない。。。

        

 募金関連の過去記事は,2006年12/12の「1988年のオードリー」,2010年1/15の「ハイチで大地震」,2010年6/16の「すべての子供に5歳の誕生日を(ユニセフ)」etcがあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月26日 (火)

水素様原子の微細構造(2)

水素様原子の微細構造」の続きです。

 

まず,解くべき方程式は(αp+βm-Zα/r)Ψ=EΨです。

 

ところで,もしもσが2成分のPauli-spinor:σσ(2)の場合, 

(σr)2=r2より,(σp)=(σr)r-2(σr)(σp) です。

 

故に,任意のf(r)に対して,

 

(σp){f(r)/r}ψjml=(σr)r-2(σr)(σp){f(r)/r}ψjml

(σr)r-2{(rp)+iσ(×)}{f(r)/r}ψjml

(σr)r-2{(1/i)r(∂/∂r)+i(σL)}{f(r)/r}ψjml

 

です。

 

ここで,rp={(1/i)r(∂/∂r)および,

公式:(σLjml=-(1+κ)ψjmlより

 

(σr)r-2{(1/i)r(∂/∂r)+i(σL)}{f(r)/r}ψjml

[(1/i)(d/dr){f(r)/r}-i(1+κ){f(r)/r2}{(σr)/r}ψjml ですから,

 

結局,(σp){f(r)/r}ψjml

=(-i/r){df/dr+(κ/r)f}{(σr)/r}ψjml

を得ます。

 

ただし,κはj=l+1/2⇔l=j-1/2ならκ=-(l+1)=-(j+1/2)で,j=l-1/2⇔l=j+1/2)ならκ=-l=j+1/2 です。

 

 そこで,動径関数Glj(r),Flj(r)が満たすべき方程式は,

(E-m+Zα/r)Glj(r)=-dFlj(r)/dr+(κ/r)Flj(r),

(E+m+Zα/r)Flj(r)=+dGlj(r)/dr+(κ/r)Glj(r)  

です。

 

(注2-1):Dirac方程式:(αp+βm-Zα/r)Ψ=EΨ

 において,σσ(2)の場合,

 

 4次の正方行列:(αp)は,2次の行列:(σ)を反対角成分

 とするブロック反対角行列で,βは対角成分が1,-1のブロッ

 ク対角行列です。

  

そこで,Ψ=[ψ,χ]と書けば,Dirac方程式:

(αp+βm-Zα/r)Ψ=EΨは,

 

ψの成分ψ,χのそれぞれに対する方程式の形で,

(E-m+Zα/r)ψ=(σp)χ,および,

(E+m+Zα/r)χ=(σpと2成分表現できます。

 

故に,Ψ=[ψ,χ]が動径関数と角変数関数の積の変数分離型で,

Ψjml [{iGlj(r)/r}ψjml,{Flj(r)/r}{(σr)/r}ψjml]

のときには,これらの方程式は次のようになります。

 

(E-m+Zα/r)(iGlj/r)ψjml

=(σp)(Flj/r)(σr)/r}ψjml,および,

(E+m+Zα/r){Flj/r}{(σr)/r}ψjml

=(σp)(iGlj/r)ψjml です。

 

ただし,{(σr)/r}ψjmlはψjmlとlが1だけ異なる

rを含まない角変数θ,φのみの関数です。

 

ところが,上に示した恒等式:(σp){f(r)/r}ψjml

=(-i/r){df/dr+(κ/r)f}{(σr)/r}ψjmlを用いると,

 

第1式は,(σp)(iGlj/r)ψjml

={(dGlj/dr)/r+κGlj/r2}{(σr)/r}ψjml

と書けます

 

一方,(σp)(Flj/r){(σr)/r}ψjmlにおいて,因子(σr)/r

は動径rを含まないθ,φのみの関数なので,(σp)の中の

よる動径rの微分(d/dr)は影響せず,素通りします。

 

しかし,(σp)(σr)/r=(pr)/r+iσ(p×r)/r

=-i∇(/)-i∇+σ{∇×(/)}-i(σL)なので,

軌道角運動量の固有値lが関係します。

 

このベクトル式を用いて細かい計算をするより,{(σr)/r}ψjml

がψjmlとlが1だけ異なるものであることを用いた方が簡単です。

 

すなわち,定数κはj=l+1/2 ⇔l=j-1/2なら,

κ=-(l+1)=-(j+1/2)で,

j=l-1/2⇔l=j+1/2)ならκ=-l=j+1/2 なので,

{(σr)/r}ψjmlはψjmの際のκが-κに変わるだけです。

 

そこで,第2の式から,

(σp)(Flj/r){(σr)/r}ψjml

=-i{(dFlj/r)/dr}/r-κFlj}{(σr)/r}ψjml が得られます。

 

それ故,(E-m+Zα/r){Glj/r}φjml

=-{(dFlj/dr-(κ/r)Flj/r2jml,

 

(E+m+Zα/r){Flj/r}{(σr)/r}ψjml

={(dGlj/dr)/r+κGlj/r2}}{(σr)/r}ψjml です。

 

したがって,動径関数の満たすべき方程式は,それぞれ,

   

(E-m+Zα/r)Glj(r)

=-dFlj(r)/dr+(κ/r)Flj(r),および,

(E+m+Zα/r)Flj(r)

=dGlj(r)/dr+(κ/r)Glj(r) 

となります。

 

(注2-1終わり)※

 

さて,(E-m+Zα/r)G=-dF/dr+(κ/r)F,および,

(E+m+Zα/r)F=dG/dr+(κ/r)Gは,

  

r→ ∞に対しては,κ/r,-Zα/rがO(1/r)なので, 

dG/dr=(m+E)F,dF/dr=(m-E)G

となります。

 

この線形微分方程式:[dG/dr,dF/dr]=A[G.F]

の係数行列:Aの固有値はλ≡(m2-E2)1/2>0 として±λです。

 

そして,固有値λ,-λに属する固有ベクトルは,それぞれ,

[(m+E)1/2,(m-E)1/2],[(m+E)1/2,-(m-E)1/2]

です。

 

故に,r→ ∞での線形微分方程式の一般解の漸近形は,

 

任意係数をc(+),c(-)として,

[G,F] ~ (+)t[(m+E)1/2,(m-E)1/2]exp(λr)

(-)t[(m+E)1/2,-(m-E)1/2]exp(-λr)

と表わせます。

 

しかし,r→ ∞で有限であるべきという条件からexp(λr)

に比例する第1項は捨てる必要があります。

 

よって,求める漸近一般解は,

t[G,F]~ c(-)t[(m+E)1/2,-(m-E)1/2]exp(-λr) です。

 

これは,a=1/(2λ) or 2a=(m2-E2)-1/2とおいて規格化すると,

 

[G,F] ~ (2m)-1/2π-1/4-1/2t[(m+E)1/2,-(m-E)1/2]

exp{-r/(2a)}です。

 

簡単のため,ρ≡r/aとして,

G(r)≡(1+E/m)1/2{f(ρ)+g(ρ)}exp(-ρ/2),

(r)≡(1-E/m)1/2{f(ρ)-g(ρ)}exp(-ρ/2)

とおきます。 

 

(注2-2):まず,ρ~ ∞でG~(2a)-1/2π-1/4[(1+E/m)1/2,

 F~-(1-E/m)1/2]exp(-ρ/2)となるよう,

 

 ρ~ ∞で,(ρ)~(2a)-1/2π-1/4,q(ρ)~-(2a)-1/2π-1/4

 となるようなG,Fの未定係数の関数(ρ),q(ρ)を仮定します。

 

 すなわち,[G,F]

 =[(1+E/m)1/2p(ρ),(1-E/m)1/2q(ρ)]exp(-ρ/2)

 とします。

 

さらに,f=(p+q)/2,g=(p-q)/2とすれば,

p=f+g,q=f-gなので,

 

常に,[G,F]=[(1+E/m)1/2{f(ρ)+g(ρ)},

(1-E/m)1/2{f(ρ)-g(ρ)}] と書くことが可能です。

  

(注2-2終わり)※

  

さて,ρ=r/aより,

dG/dr+(κ/r)G=(E+m+Zα/r)}Fは,

dG/dρ+(κ/ρ)G={a(m+E)+Zα/ρ}F,

 

-dF/dr+(κ/r)F=(E-m+Zα/r)Gは,

dF/dρ-(κ/ρ)F={a(m-E)-Zα/(aρ)}G

となります。

 

ただし,a=(1/2)(m2-E2)-1/2

(1/2m)(1+E/m)-1/2(1-E/m)-1/2

⇔ 1/a=2m(1+E/m)1/2(1-E/m)1/2

です。

 

G=(1+E/m)1/2exp(-ρ/2)(f+g),

F=(1-E/m)1/2exp(-ρ/2)(f-g),および,

 

dG/dρ=(1+E/m)1/2exp(-ρ/2)

×{df/dρ+dg/dρ-(1/2)(f+g)},

dF/dρ=(1-E/m)1/2exp(-ρ/2)

×{df/dρ-dg/dρ-(1/2)(f-g)}から,

 

dG/dρ+(κ/ρ)G={a(m+E)+Zα/ρ}Fは, 

(1+E/m)1/2{df/dρ+dg/dρ-(1/2)(f+g)

+(κ/ρ)(f+g)}

=(1-E/m)1/2{a(m+E)+Zα/ρ}(f-g),

 

dF/dρ-(κ/ρ)F={a(m-E)-Zα/ρ}Gは, 

(1-E/m)1/2{df/dρ-dg/dρ-(1/2)(f-g)

-(κ/ρ)(f-g)}

=(1+E/m)1/2{a(m-E)-Zα/ρ}(f+g) と書けます。

 

ここで,a={1/(2m)}(1+E/m)-1/2(1-E/m)-1/2/より,

a(1-E/m)1/2/(1+E/m)1/2=(1/2)/(m+E),

(1-E/m)1/2/(1+E/m)1/2={(m-E)/(m+E)}1/2,

 

(1+E/m)1/2/(1-E/m)1/2=(1/2)/(m-E),

(1+E/m)1/2/(1-E/m)1/2={(m+E)/(m-E)}1/2

ですから,結局,

 

df/dρ+dg/dρ-(1/2)(f+g)+(κ/ρ)(f+g)

=(1/2)(f-g)+{(m-E)/(m+E)}1/2(Zα/ρ)(f-g)①

  

df/dρ-dg/dρ-(1/2)(f-g)-(κ/ρ)(f-g)

=(1/2)(f+g)-{(m+E)/(m-E)}1/2(Zα/ρ)(f+g)②  

 

を得ます。

  

 ここで,μ≡(1/2){(m-E)/(m+E)}1/2

 +(1/2){(m+E)/(m-E)}1/2=m(m2-E2)-1/2,

 ε≡(1/2){(m+E)/(m-E)}1/2-(1/2){(m-E)/(m+E)}1/2

 =E(m2-E2)-1/2とおきます。

  

 また,α1≡Zαとします。

  

 ①+②から,2(df/dρ)-f+(2κ/ρ)g

 =f+{(m-E)/(m+E)}1/21/ρ)(f-g)

 -{(m+E)/(m-E)}1/21/ρ)(f+g)より,

 

 df/dρ=f-(κ/ρ)g-(εα1/ρ)f-(μα1/ρ)g,

 

 ①-②から,2(dg/dρ)-g+(2κ/ρ)f

 =-g+{(m-E)/(m+E)}1/21/ρ)(f-g)

 +{(m+E)/(m-E)}1/21/ρ)(f+g)より,

  

dg/dρ=-(κ/ρ)f+(μα1/ρ)f+(εα1/ρ)g

を得ます。

 

最終的な式として,

  

df/dρ=(1-εα1/ρ)f-(κ+μα1)g/ρ,

dg/dρ=(εα1/ρ)g-(κ-μα1)f/ρ

 

が得られます。

 

次に,簡単な方の第2式をρで微分してfを消去します。

  

2/dρ2=(εα1/ρ)(dg/dρ)-(εα12)g

-(κ-μα1){(df/dρ)/ρ-f/ρ2}

=(εα1/ρ)(dg/dρ)-(εα12)g

-(κ-μα1){(1-εα1/ρ)f/ρ-(κ+μα1)g/ρ2-f/ρ2}

です。

 

さらに,2/dρ2-(εα1/ρ)dg/dρ+(εα12)g

-(κ-μα1)(κ+μα1)g/ρ2

=-(κ-μα1){(1-μα1/ρ)f/ρ-f/ρ2} です。

   

右辺に,-(κ-μα1)f/ρ=dg/dρ-(εα1/ρ)gを代入すると

2g/dρ2-(εα1/ρ)dg/dρ+(εα12)g

-(κ-μα1)(κ+μα1)g/ρ2

=(1-εα1/ρ-1/ρ){dg/dρ-(εα1/ρ)g}

です。

 

結局,簡単な方程式:

2g/dρ2-(1-1/ρ)(dg/dρ)

+{εα1/ρ+(α12-κ2)/ρ2}g=0 が得られました

 

(最後の式変形でμ2+ε2=1を用いました。)

  

 今日はここまでにします。   

 

参考文献:J.D.Bjorken & S.D.Drell "Relativistic Quantum Mechanics"(McGraw-Hill), 

岩波講座 現代物理学の基礎[第2版]3「量子力学Ⅰ」(岩波書店)

 

PS:暑くて夏バテのせいなのか,最近体も頭も結構疲れやすく,ブログ

 の科学記事を書く作業は,なかなかはかどりません。

 

さすがに,右目はもう充分に見えるのですが,まだ例えばネット将棋

の際に画面の将棋盤を両目で見ると直線のはずの枡目が歪んだ曲線

に見えることなどあります。

 

ドライアイなのか,食が細く栄養失調で鳥目のような感じなのか,

はたまた,単に睡眠不足で疲れ目なだけなのか?

  

長時間ブログを書いてると,参照用ノ-トも本もテキスト画面も

字が判読できなくなってきて,ときどき中断せざるを得なくなり

ます。

  

前のように急がず,休み休み気長にやるようになってますが,急ぐ

旅でもないしその方がいいかもしれませんね。

 

(※昔の自分のノートをチェックしながら書き写してるだけなの

ですが,過去ノートの途中で二重,三重の計算間違い,勘違いをし

た結果,最後の結果だけが辻褄が合ってるものなどあり,所々直し

ています。

 

その作業で,直さなくてもいいのにワザワザ間違ったり写し間違

いをしたりもして,本文の符号など何度も書き直したりしていま

が,結果,若い頃の記憶が蘇り温故知新もあるので,よしとしま

しょう。※)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年7月25日 (月)

母校が高校野球県予選の決勝へ

 本日,岡山県の夏の高校野球予選準決勝で私の母校が勝って,明日関西高校と決勝戦を戦うことが決まりました。

 まあ,関西(カンゼイ)に勝つことはないと思いますが。。。

 うーム。。。ヤバイ。。。

 昭和40年(1965年)の4月1日は私の父が46歳(私は15歳)で亡くなった命日でかつ春の甲子園の選抜高校野球で父の母校が優勝した日でした。。。

PS:今,26日夕方です。

 今日は休みだったので,朝バスで千駄三丁目のローソン100とブックオフまで買い物に行って帰り自宅で昼食の後,昼寝して16時半まで熟睡してました。

 イヤー惜しかったですね。13時からの決勝,ネットでスコアを確認しました。

 リードしていたのに追いつかれ5対5で延長になり,11回裏に1点取られて6対5で逆転負け,サヨナラ負けでした。

 高校野球は攻撃が裏のほうが有利だし古豪関西相手によくやりました。

 彼ら自身には来年はないですが,後輩たちに伝統が受け継がれ母校が甲子園出場する日も近いと感じました。

 私が生きてるうち,いつの日か。。。

 ガンバレ!! 我が遠きふるさとの後輩たち。。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2011年7月24日 (日)

夏祭り

 本日は日曜日ですが職場でささやかな夏祭りイベントがあるので朝10時頃に出かけます。

 8月1日からは今の小石川植物園のそばから,もっと立地条件等のいい日本橋,馬喰町のビルに移転するため,ここでは最後のイベントです。

 最近はこうした会社の引越し作業もあってバタバタしています。

 22,23(金)(土)には巣鴨駅前で毎年恒例の盆踊りがあり,ここのところ毎年見に行っていたのですが,去年8月の引越しで今は駅まで歩いて10分足らずかかり,ここのところの低温で夏風邪の咳,鼻水がブリ返してかなり疲れていたので昨日も帰宅後は自宅で寝ていました。

 一昨日は久しぶりに4年前心臓手術を受けた順天大病院で検体検査という名目(モルモット?)で採血,レントゲン,心臓の超音波の検査を受けました。

 診察は無しの予定でしたが,検査後結果の報告を受ける診察があり,心臓収縮が常人の32%で手術前の43%(こちらは動脈カテーテル挿入時の造影検査)より悪いというので,原因の糖尿病などに関連して普段の生活等について色々と説教されました。

 私は単にこのところの猛暑と夏風邪が主な原因と思ってますし,元々手術当時には既にかなり悪くなってて心筋梗塞も2回あり,手術で完治する病気でもないし,心筋収縮が正常人の30%といっても手術当時に比べると80%くらいで,測定方法も違うので,それほど悪化していないと主張しました。

 そして「医者の言う通り品行方正に暮らしてたのでは何の楽しみもない」という主旨のことを言うと「確かにどちらを選ぶかは本人の自由ですが。。」ということである意味で究極の選択です。

 でも,「,このままじゃ,あと何年生きられるか?」というような話は,守るべき家族のようなモノを持たず,元々覚悟できてるとはいっても1日だけ診察の医者に面と向かって言われると,さすがにいい気はせず,昨日は少し憂鬱でした。

 まあ,4年前の手術前にも「手術を受けなければあと半年くらい」とか言われても手術代が高いのでシャレで断ったり,その前にも糖尿病専門の医者に「あと5年の命」とか言われましたけど,もう心臓病の発症から5年たったし,ケセラセラですね。

 時間が残り少ないので「ライフワークや覚え書きブログなどアレもコレもやらなきゃ」という思いと,「残り少ないのだから体がいうことをきくうちにできるだけ楽しまねば」というサボリ心が葛藤しています。

 冷暖房の効いた部屋でのデスクワーク的作業なら常人と同じく普通にできますから,読みモノや書きモノなら普通にやれますからね。

 いずれにしろ,衣食住ギリギリの貧乏人の一人暮らしなので,お金のやりくりと日常茶飯事の生活をすることが精一杯で,無意識の中以外では死ぬことなど忘れているようです。

PS:巣鴨盆踊りは24日(日)の夜もあったようで,21時過ぎ飲み屋に行く途中では,終わって片付け中でした。↓

  。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年7月21日 (木)

東電OL殺人事件,冤罪か?

 今朝届いた読売新聞朝刊の一面によれば,

 1997年当時殺害されたOLのプライバシー(昼はOL,夜は娼婦?)が問題となり小説も出ている事件の無期懲役確定服役中のネパール人男性(44)が無実である可能性が指摘され再審請求に認可が下りそうです。

 最近のDNA鑑定技術などの向上により,かつて情況証拠が主で物的証拠が乏しかった事件の判定が疑問視されてきています。

  ↓これは小説ではありませんが。。。。興味深いです。

  既に文庫本になっています。

         

 この事件には当時少なからず興味を持っていました。(冤罪?と)

 偶々,私が2009年10月にヘルパー2級取得のため通っていた西川口のヘルパースクールで,同窓生としてネパール人のカワイイ女性の"バズラ.チャ...・ラビナ"ちゃんがいたこともあり,ネパール人にも親しみがあります。

 警察が「お宮入り」 の黒星を避けるために,捕縛し断罪しても世間から問題視されない,被差別部落民,在日韓国or朝鮮人,外国(主として発展途上国)からの出稼ぎ労働者),あるいは"札ツキのワル"などを,てっとり早く犯人としてデッチ上げる体質は今も同じなのでしょうか?

↑ 2006年6/9の過去記事「狭山差別裁判」を参照されたい。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2011年7月19日 (火)

原田芳雄も逝く。。(訃報)

 俳優の原田芳雄氏が天に召されました。71歳,誤嚥性肺炎の末でした。。。

 → http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2011071900483

 写真は「われに撃つ用意あり」若松孝二監督から

   ご冥福を祈ります。。。  合掌

| | コメント (1) | トラックバック (0)

新たな日常

 今朝,あるケイコ事をやめる決心をしたら少し気分が楽になりました。

(PS:"ケイコ事=手話講習"です。

 "ケイコ=講習を受けること"をやめるだけで手話の勉強はやめません。。。)

 恐らく,年齢や病気,障害のせいで身体能力,精神力が衰えてきているのにアレもコレもと手を広げ過ぎて,自分のキャパを越えてクビを締めてると感じたからです。

 新しいことを身に付けるのは若いときでも大変でしたが今はもっとです。

 これまでも,色々と一応学校や訓練所,あるいは研修などを受けてきてはいますが,学問,技術,趣味のどれでも,なかなかうまくいかずダメでも,最後は独学でコツコツと恐らく他人の何倍かの時間をかけて,少しは身に付いたというモノがほとんどですね。

 多少興味があっても訓練を受けることを負担に感じ,それがプレッシャーとなって気が重くなったり,ブログ書きやライフワークを含め他の自分にとってより重要,プライオリティが上と思っているコトに影響するようでは。。。

 一度仕切り直しをして,再度余裕が出てから受けるか?または,今まで別のコトでもやったように自分に合った別の方法を何とか見つけて独力でヒマに明かしてコツコツやる方がいいかも。。と思いました。

 安易な逃げ道かもしれませんが。。。

(↑コレコレ,何でも苦労してコソ身に付くんだぞ。。「白雪姫の毒リンゴ」)

 ただ,コレで知り合いになった方々,親しみ持っている方々と別れることになるのが心残りです。

 私は本性薄情なのでしょうが,これまでずっと「サヨナラだけの人生」を,「来るものは拒まず去るものは追わず」と涙も未練も無く,サリゲなくずっとカッコつけて?生きてきています。

 いや,本当は私は人一倍,人,人肌,人のヌクモリが恋しいはずです。

 私が30年以上も精神的病と戦ってきた原因はそこにあったのですから。。。

 それ以上に自分がキズツクことが怖いのでしょう。

 独力では無理なコト,誰かに弟子入りして修行するしかないような技能や芸であれば,自分がそれに格段の興味や思い入れがあるのでなければ,元々独学人間の私には不可能なようです。

 若い頃は実際に自分でやるスポーツや山登りなど,体力を使ったりもする比較的能動的なコトにも興味を持ってトライしたし,もしも可能ならそういうモチベーションも取り戻したいのですが。。

(↑今イチバン欲しいもの,"無いものねだり"は見た目も含めた若さです。)

 今はタナボタでほとんど完全受け身に近いモノでないと,新しいコトなどを体得するための努力行為は精神的にも長続きしないようです。

 これも一種の障害でしょうか?アスペルガー症候群とかいうんだっけ?

(何でも病名さえ付ければわかったような気になる。それが病気であるかどうかもわからないのに。。。。)

PS:それにしてもアメリカ代表の女子サッカーGKのホープ・ソロ(Hope Solo)は美しい。。?「チャーリーズ・エンジェル」の一員のようです。

 女子のPKは少しスピードも遅く確率が低いのでしょうか? 

 バレーボールでも女子は男子に比べて決まりにくくラリーが続きます。

 条件は双方同じだし,それはそれで面白く問題はないのですが。。。

    

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月18日 (月)

やった。。世界一。。

 PK戦を3-1でUSAを制しワールドカップ獲得。。

 おめでとう。日本女子サッカー代表。

 呼称は"なでしこ"でもいいや。。澤は得点王だ。。

 うっかり6時近くまで寝坊。延長前半終了間際アメリカの得点シーンから見始めたがつい見入ってしまった。素晴らしい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月17日 (日)

水素様原子の微細構造(1)

 直前の「量子電磁力学の輻射補正」シリーズの補完として,

 "Lamb-Shift"を詳細に解説しようと資料を調べているうち, 

 つい,それ以前の水素様原子の微細構造が気になったので,

 

 同じ種本:Bjorken-Drellの「Mechanics」の40年近く昔に

 学んだ私の古いノートの第4章:Foldy-Wouthuyusen変換

 ((谷)-フォールディ-ウウトホイゼン変換)のその部分を

 解説します。

 

 このブログのバックナンバーを検索すると,,2008年1/11の記事

 原子・分子の化学結合論に関連して書いた,

水素様原子の波動関数」がありました。

 

 比較のため,これも参照してください。

 

 以下,簡単のため,自然単位系c=hc1を採用します。

 (hc≡h/(2π);hはPlanck定数)

 

 電磁場:Aμ(x)の中の1電子に対するDirac方程式は,

 {γμ(i∂μ-eAμ)-m}Ψ=0,または

 {γμ(pμ^-eAμ)-m}Ψ=0 です。

 mは電子質量,eは電子の電荷でe<0です。

 

 μは位置表示の運動量演算子でpμ^=i∂μ=(i∂0,i∇)

 =(i∂/∂t,-^)です。

 

 次の電磁場は非共変で特別な慣性系のみの形ですが,

 

 電磁場が時間t=x0に依存しない,中心対称の静電Coulomb場:

 eA0(x)=eA0(,t)=V(r)=-Zα/r(r≡||),

 かつ,e(,t)=0 のケースを考えます。

 

 αは微細構造定数(fine-structure constant)と呼ばれる無次元

 定数で,α≡=e2/(4πε0)で定義されます。

 

 これは中心に-Zeの正電荷を持つ原子核が静止していてその中に

 1個の電子が束縛されているとする水素様電子のモデルです。

 

 実際には2体問題ですから,mは真の電子質量meではなく,

 1/m=1/me+1/M,またはm=me/(1+me/M)で与えられる

 換算質量とする必要があります。

 

ただし,Mは原子核の質量でM~ZMp;pは陽子質量です。

p~1840meですから,me/M<<1です。

 

それ故,m=me/(1+me/M)~ me/{1+1/1840Z}であり,mを

eで置き換えても大した差ではありませんが,今は相対論的効果

を見ることが目的なので,この微小な差もデリケートに関わり得

る問題です。

  

さて,水素様原子の1電子のDirac方程式: 

μ(i∂μ-eAμ)-m}Ψ=0,eAμ=(V,0) は, 

古典的なSchroedinger方程式を拡張した形では, 

i(∂Ψ/∂t)=HΨ,H^=αp^+βm+V(r) 

と書けます。

 

ただし,γ0=γ0=β,γk=βαkですが,β2k)2=1

 なのでαk=βγkです。

 

 これの,定常状態の方程式:H^Ψ=EΨは,

 H^Ψ={αp^+βm+V(r)}Ψ=EΨです。

 

 方程式を変数分離系にして解くために,中心力場V(r)において

 は電子の角運動量が保存することを利用します。

 

中心力場の回転不変性(座標軸の向きに依らない=等方性)は,

角運動量:^=^+^=×^+σ/2の保存を意味し,

^はH^=αp^+βm+V(r)と交換します。

 

ただし,ここでのσは4×4行列であり,これは対角成分として

Pauliの2×2spin:σ(2)を持つ2×2細胞対角行列で,

σi=-iεijkαjαkで与えられます。

 

何故なら,σ=(σ233112)は3次元回転群の生成子

(generator):σij=(i/2)[γij]=iγiγj(i≠j)(i,=1,2,3)

のベクトル表現であり,

 

生成子はσij=iγiγj=iβαiβαj=-iαiαj

書けるからです。

^^

(注1-1):まず,[^,H^]=[^,αp^+βm+V(r)]

です。

 

i^=εijkjk^より,

[Li^,H^]=[Li^,αp^+βm+V(r)]

=[εijkjk^,αll^+βm+V(r)]

=εijkαl[rj,pl^]pk^+εijkj[pk^,V(r)]

です。

 

しかし,[Li^,V(r)]=εijkj[pk^,V(r)]

=-iεijkjkV(r)=-iεijkjk(1/r)(dV/dr)=0

です。

 

そして,[Li^,H^]=iεijkαlδjlk^=iεijkαjk^です。

 ^

以上から,[^,H^]=iα×^を得ます。

 

他方,[^,H^]=(1/2)[σ,H^]

=(1/2)[σ,αp^+βm+V(r)]です。

 

まず,[σ,V(r)]=0 は自明です。

また,[σi,βm]=-imεijkjαk,β]=0 です。

 

そして,[σi,αp^]=-iεijkjαkll^]

=-iεijkkljl^=-2iεijkαjlkl

=-2iεijkαjk^です。

 

すなわち.[σi,αp^]=-2iα×^を得ます。

 

故に,[^,H^]=(1/2)[σ,H^]= -iα×^です。

 

これと上の[^,H]^=iα×^から,全角運動量^の保存式:

[J^,H^]=[^+s^,H^]=0 を得ます。(注1-1終わり)※

 

H^Ψ=EΨの固有関数を見出すために.非相対論的量子力学に

おける2×2 Pauli-spin行列;σ2の扱いの経験を生かします。

 

まず,先述さように今考えている表示では4×4行列σは,

(σ)ijσ2δij (ij=1,2)なる形です。

 

4成分spinor:Ψは,2つの2成分spinor:ψ,χによって

Ψ=t(ψ,χ)と表現されます。

 

ψ,χのそれぞれの解において変数分離された角変数部分は,

厳密にPauliの2成分spinor理論のそれに一致します。

 

 2成分角変数解は,^2,J3^,^2,^2の固有関数で,

 以下のように2つの型を有します。

 

先にも書いたように,J^=^+^が全角運動量で,

^は軌道角運動量,^はspin角運動量です。

 

ただし,今の1電子系では^2の固有値:s(s+1)において

s=1/2のみが許されます。

 

^2=j(j+1),^2=l(l+1)においては,

j=l±1/2です。

 

j=l+1/2に対してはj3^=m (l3=m±1/2)

について,

 

ψjm(+)t[{(l+1/2+m)/(2l+1)}1/2lm-1/2,

{(l+1/2-m)/(2l+1)}1/2lm+1/2],

 

j=l-1/2に対してはj3^=m (l3=m±1/2)

について,

 

ψjm(-)t[{(l+1/2-m)/(2l+1)}1/2lm-1/2,

-{(l+1/2+m)/(2l+1)}1/2lm+1/2] です。 

 

ここでYl-m(θ,φ)は球面調和関数で(Yl-m)=(-)ml-m

なる規約を持ち,j=l-1/2のψjm(-)はl=0 に対しては存在

しません。

 

(注1-2):上記の証明です。

 

 j=l+1/2のときには,角運動量合成則により,

  

 m=l+1/2なら 

ψl+1/2,m=ψl+1/2,l+1/2

=Yll t[1,0]t[Ylm-1/2,0]ですが,

 

{(l+1/2+m)/(2l+1)}1/2=1,

{(l+1/2-m)/(2l+1)}1/2=0 なので,

 

ψl+1/2,m=ψl+1/2,l+1/2=ψjm(+)です。

 

m=l-1/2なら,やはり角運動量合成則により,

  

ψl+1/2,m=ψl+1/2,l-1/2 

{l/(l+1/2)}1/2ll-1 t[1,0]

+{(1/2)/(l+1/2)}1/2ll t[0,1]

 

t[{(l+1/2+m)/(2l+1)}1/2lm-1/2,

{(l+1/2-m)/(2l+1)}1/2lm-+/2] 

=ψjm(+) です。

 

最後にj=l-1/2のときには,

 

m=l-1/2で, 

ψl+1/2,m=ψl-1/2,l-1/2

{(1/2)/(l+1/2)}1/2ll-1 t[1,0]

-{l/(l+1/2)}1/2ll t[0,1]

 

t[{(l+1/2-m)/(2l+1)}1/2lm-1/2,

 -{(l+1/2+m)/(2l+1)}1/2lm+/2 ] 

 =ψjm(-) です。

 

(注1-2終わり)※

 

 解jm(+)jm(-)は固有値方程式:

 ^2ψjm(±)=j(j+1)ψjm(±) 満たします。

 

また,^2^2^^+^^+^2であり,

[^,^]=0より^^=^なので,

 ^

^σ2^^=^2^2^2 です。

 

そして,1電子系では,^2=3/4 が決まっているので,

^2^2^2^2^2-3/4より,

軌道とσ=2^の積(^σ)の固有値式は,

 

(^σjm(±)=(^2^2-3/4)ψjm(±)

=-(1+κ)ψjm(±) となります。

 

ただし,j=l+1/2のψjm(+)では,κ=-(l+1)=-(j+1/2), 

j=l-1/2のψjm(+)では,κ=l=j+1/2 です。

 

 (※これは,^2^2-3/4=j(j+1)-l(l+1)-3/4

 =j2-l2+j-l-3/4=(j-l)(j+l+1)-3/4に,

 j=l±1/2を代入するだけで得られます。※)

 

 jが同じ状態なら,l=j-1/2とl=j+1/2でlの値が丁度

 1だけ異なるので反対のパリティ(parity:偶奇性)を持ちます。

 

 (※パリティは(-)lに比例しますから,その他の量子数が同じなら

 (-)lだけで決まります。※)

 

 そこで,これらは奇(odd)のパリティを持つ,あるスカラー演算子

 を作用させて相互に形成されるはずです。

 

 この演算子はlを1だけ変化させるので,l=1の球関数:

 Y1m(θ,φ)(m=-1,0,1)の線形結合の演算子と考えられます。

 

 それ故,動径rの部分も含めた表現ではに比例するはずです。

 

 これを得るため,今の状況に関係する唯一の擬ベクトルσ

 coupleさせて擬スカラー:(σr)/rを作れば次式が成立します。

 

ψjm(+){(σr)/r}ψjm(-),

ψjm(-)={(σr)/r}ψjm(+)  です。

 

(注1-3):何故なら,

 まず,[(σr)/r,^]=[(σr)/r,^+^]を考えます。

 

 [(σr)/r,^]=[(σr)/r,×^] です。

 

 [(σr)/r,(×^)i]=σl[(rl/r),εijkjk^]

 =εijkσlj[(rl/r),pk^]

 =εijkjσl(iδlk/r-irlk/r2)=iεijkjσk/r

 

 =i(×σ)i/rです。

 

 それ故,[(σr)/r,^]=i(×σ)/rです。

 

 一方,[(σr)/r,^]=(1/2)[(σr)/r,σ]です。

 

 (1/2)[(σr)/ri]=(1/2)(rj/r)[σji]

 =iεjlkjσk/r=-i(×σ)i/rなので,

 

 [(σr)/r,^]=-i(×σ)/rを得ます。

 

 以上から,[(σr)/r,^]=0 が得られます。

 

 つまり,(σr)/rは全角運動量^とは独立です。

 

 そこで,全角運動量の固有値(j,m)に属する固有状態に演算子:

 (σr)/rを作用させたとき,これは軌道角運動量lは変えても,

 (j,m)は変えません。

 

 特に,σ±=(1/2)(σ1±iσ2)と書けば,

 (σr)/r=σ1sinθcosφ+σ2sinθsinφ+σ3cosθ

 ={σexp(-iφ)+σexp(iφ)}sinθ+σ3cosθ です。

 

 そして,公式によれば,次の球面調和関数の漸化式が成立します。

 

 lは正の整数,または 0 とします。

 

 また,この公式のmは,便宜上,(j,m)のm,つまりm=j3(半奇数)

 ではなく,m=l3(整数)とします。

 

  cosθYlm

 =[(l-m+1)(l+m+1)/{(2l+1)(2l+3)}]1/2l+1m

 +[(l-m)(l+m)/{(2l-1)(2l+1)}]1/2l-1m,

 

 ±sinθexp(±iφ)Ylm

 =-[(l±m+1)(l±m+2)/{(2l+1)(2l+3)}]1/2l+1m±1

 +[(-l±m)(-l±m+1)/{(2l-1)(2l+1)}]1/2l-1m±1

 です。

 

 よって,(σr)/rは確かにlを1だけ変化させます。

 

 さて,上の公式でのm=l3(=軌道角運動量のz成分)を意味する

 mを,本来のm=j3(=全角運動量のz成分)に戻します。

 

 すなわち,m=3から,m=j3=l3±1/2 に戻します。

 

 そして,l=j+1/2 ⇔j=l-1/2に対するspinor: 

 ψjm(-){(l+1/2-m)/(2l+1)}1/2lm-1/2 t[1,0]

 -{(l+1/2+m)/(2l+1)}1/2lm+1/2 t[0,1]に,

 

 (σr)/r={σexp(-iφ)+σexp(iφ)}sinθ+σ3cosθ

 を作用させます。

 

 こうして得られたYl-1の項は,σ3cosθの作用からは,  

{(l-m+1/2)/(2l+1)}{(l+m-1/2)/(2l-1)}1/2

×Yl-1m-1/2 t[1,0]

{(l+m+1/2)/(2l+1)}{(l-m-1/2)/(2l-1)}1/2

×Yl-1m+1/2 t[0,1],

 

exp(-iφ)+σexp(iφ)}sinθの作用からは, 

{(l+m+1/2)/(2l+1)}{(l+m-1/2)/(2l-1)}1/2

×Yl-1m-1/2 t[1,0]

{(l-m+1/2)/(2l+1)}{(l-m-1/2)/(2l-1)}1/2

×Yl-1m+1/2 t[0,1]

 

となります。

 

これらを加え合わせると, 

{(σr)/r}ψjm(-)={(l+m-1/2)/(2l-1)}1/2l-1m-1/2t[1,0]

{(l-m-1/2)/(2l-1)}1/2l-1m+1/2 t[0,1] 

t[{(l+m+1/2)/(2l+1)}1/2lm-1/2,

   {(l-m+1/2)/(2l+1)}1/2lm+1/2 ] 

を得ます。

 

同様に,l+1の項を計算すると,これはゼロとなって消えます。

 

ところで,先にj=l+1/2 ⇔l=j-1/2に対して与えた角変数

部分のspinorの陽な形は

 

ψjm(+)t[{(l+m+1/2)/(2l+1)}1/2lm-1/2,

         {(l-m+1/2)/(2l+1)}1/2lm+1/2 ]

 

でした。 

 

しかし,これをj=l-1/2のφjm(-)と同じ軌道角運動量:

l=j+1/2で表現するには,上のlをl-1に置き換える必要

があります。

 

かくして, 

ψjm(+)t[{(l+m-1/2)/(2l-1)}1/2l-1m-1/2,

         {(l-m-1/2)/(2l-1)}1/2l-1m+1/2 ] です。

 

したがって,(σr)/r}ψjm(-)=ψjm(+)が確かめられました。

 

私のノートでは,同様に{(σr)/r}ψjm(+)=ψjm(-)も具体的に

検証していますが,ここでは煩雑になるので割愛します。

 

(注1-3終わり)※

 

与えられた(j,m)を持つ一般解は,動径関数:

[{iGj±(r)/r},[{Fj±(r)/r}を係数とする角変数部分の

線形結合として,

 

Ψjmt[(iGj/r)ψjm(+)+(iGj/r)ψjm(-),

       (Fj/r)ψjm(-)+(Fj/r)ψjm(+) ]

 

なる形に表現されます。

 

 しかし,V(r)が空間反転の下で不変なので,

 

 H^Ψjm=EΨjmを満たす"定常状態=エネルギー固有関数":

 Ψjmは,(j,m)に沿ったパリティ固有状態に分類できますから,

 最終的には明確なパリティを持つ2つの状態に分解します。

 

 jが同じ,lが1だけ異なりパリティが(-)lで与えられる状態: 

 Ψjmlt[(iGlj/r)ψjml,(Flj/r){(σr)/r}ψjml] です。

 

 ただし,

 j=l+1/2なら,lj=Gj,Flj=Fjjml=ψjm(+) 

 j=l-1/2になら,Glj=Gj,Flj=Fjjml=ψjm(-)

 です。

 

(注1-4):4次元慣性系の座標変換をx'μ=aμννとするとき,

 この変換に対して状態のspinorが,

Ψ(x)→ Ψ(ax)=S(a)Ψ(x)なる変換を受けるとします。

 

Dirac方程式は,変換の演算子 or 変換行列:S(a)が, 

S(a)γν-1(a)aμν=γμ,

orμνγν=S-1(a)γμS(a)を満足すれば,

変換の下で形が不変です。

 

そして,a=(aμν)が空間反転:'=-を表わすときは,

S(a)をPと書いてパリティ変換と呼ぶことにします。

 

天下り的ですが0をある実数としてP≡exp(iδ00とおけば,

-1γ0P=γ0γ0γ0=γ0,および,P-1γkP=γ0γkγ0=-γk

が確かに満足されます。

 

そこで,このPによりΨ→Ψ'(-,t)=PΨ(,t)

=exp(iδ00Ψ(,t)とすれば,空間反転を表わすことが

できます。

 

この表現では,Pは確かにユニタリ(P-1=P)ですが,

2=exp(2iδ0)なので空間反転Pを続けて2回行なうたびに,

基底も含め系の状態ベクトル全体はexp(2iδ0)倍されます。

 

そこでδ00なら空間反転Pを続けて2回行なうと位相が

0≠0だけ変化します。

 

δ00 でも,ユニタリ内積は不変で斜線(Ray:同値類)としての状態

は元に戻るので対称性は保持され別に問題はないのですが,

 

δ0=0 としてP2=1と考えた方が都合がいいので,

P≡γ0=βの表示を採用します。

 

すると,定常状態では空間反転の変換;'=-に対して,

Ψ()→Ψ'(-)=βΨ()です。

 

パリティが偶,または奇(+,またはー)であるというのは,

Ψ'()=±Ψ()なることを意味しますから,これらは,

βΨ(-)=±Ψ(),またはβΨ()=±Ψ(-)です。

 

(注1-4終わり)※

 

今日はここまでにします。 

 

参考文献:J.D.Bjorken & S.D.Drell "Relativistic Quantum Mechanics"(McGraw-Hill)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年7月15日 (金)

退職勧告!!(本日が期限)

 公務員の場合は,特別な正当な理由で罷免解雇される場合を除いて,自分でやめると言わない限りはやめる必要はないでしょうが,

 閑職(いわゆる窓際)にまわされ仕事(生産的労働)を全くしなくても人事院などで決定された最低保証の賃金はもらえるでしょう。

 しかし,本人が仕事もせずに恐らく民間の平均より高い賃金をもらうことを潔しとしないような人物なら,いずれ辞めざるを得ないでしょうね。

 フィクションですが「相棒」の特命係は窓際でも,給金をはるかに上回る仕事してますが,それは刑事としての本来の仕事があるという特殊な状況です。

 公務員ならではの副業的なボランティアできるでしょうし,

 あるいは「内部告発」そのものを賃金以上の生産的労働として,自分をやめさせようとする側と泥試合をする手もあります。

 でも,試合をする価値もないような相手と一見無駄で疲れることを続ける必要があるのでしょうか?  老婆心ながら。。

PS:きのうからの夏風邪,熱はないようですが鼻水でティッシュを一箱以上費やし鼻の下が赤くなってます。

 カラゼキに近い乾いた咳衝動で眠るのが辛かったです。

 まあ,サッカー,ゴルフとTVをつけっぱなしで,寝たかどうかもわからない毎日続けてましたが。。

 食料買うのがやっとなので風邪薬より食べ物,飲み物です。

 たとえ買える金があっても最近薬は買いません。それに医者に行く元気はないしネ。まあ夏のカゼは軽いから疲れさえ解消できれば。。恐らく

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2011年7月14日 (木)

柔よく剛を制す。。

 やった。サッカー日本女子。。決勝へ(日本時間午前5時40分)

 (決して"なでしこ"ではないと思う。)

 日本車は小回りの効く小型車だ。。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月10日 (日)

夏恒例の将棋オフ(今年は湯河原)

 取り合えず, 今年も無事,7/9,10の将棋チェスネットの将棋オフ夏合宿から先ほど15時半頃に自宅に帰ってきました。

 写真はチェックアウト後に湯河原の「杉の宿」の前で撮った全体写真です。

 後方の逆光で普段以上に光っているのが私です。

  

 今年の将棋大会は声と態度だけデカくて実戦には弱い私は実力通り,0勝7敗の最下位でした。 

 私はおチャラケではありません。楽しかったです。

 参加賞というか賞品は順位の順に最下位でももらえるはずでした。

 しかし,プロの北島忠雄六段,女流プロの藤田綾初段と野田澤彩乃一級,の他に16名と初期の予想以上の参加があったため最下位まで賞品がまわらず,

 私は何を希望してもいいというので,北島六段にお願いしてサイン入りの著書「相横歩取り」を送って頂くことになりました。

      

PS:7/12(火),先ほど帰宅すると,北島先生から直々に「基本」という言葉の入った私宛てサイン入りの書物が届いていました。

        

 さっそく送って頂き恐縮至極です。

 基本とは最近頓にハチャメチャな私に,「今からでも遅くないから基本から勉強しろ」,「基本(初心)に帰れ」,「基本に忠実に」等々という励ましと解釈しました。

 ありがとうございます。大切にします。

 ちなみに相横歩取り戦法は1990年に40歳で最初の会社を辞めて西巣鴨で受験塾を開き,同時にPCを購入した頃,パソコン通信ニフティサーブに入り「将棋フォーラム」のチャット将棋で「5五の歩」さんという方に教わったのが初体験でした。

 最近では柿木さんに湯河原の賞品として頂いた古いバージョン?の「柿木将棋」のデータを参考にしてました。

PS2:今日は暑過ぎて,午後から馬喰町まで出かけて帰ってきたのですがそれだけでかなり疲れてしまったので,不本意ですが夜の手話講習会は休みます。

 言い訳ですが,最近社団戦も含め特に将棋対局時に"そううつ"の精神状態が出現し,それが勝負にとっていい方に働くか?悪い方に働くか?は自分でも制御できないみたいです。

PS3:ゴルフの不動裕理ちゃん,結婚するみたいです。おめでとう。。http://www.nikkansports.com/sports/golf/news/p-sp-tp1-20110706-800521.html 

     このベビーフェイス。。前から大好きです。

     

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2011年7月 9日 (土)

指数関数,三角関数の構成的定義

 T_NAKAさんのブログ「T_NAKAの阿房ブログ」の最近のEulerの公式関連の記事に刺激されたこともありますが,

  

 ここのところ,私の科学記事は物理学それも素粒子論の「量子電磁力学のくりこみの具体的計算」と,かなり偏ってきているので,数学,それも19世紀の解析学(analysis)で息抜き?をします。

 

 手抜き(=息抜き?)をして40年くらい前の大学3~4年の頃の化石的ノートからです。

 

 種本はもうボロボロになったW.Rudinの"Principles of Mathematical Analysis"(McGrawHill)のReprint版です。

 

 当時は"学生運動部,暴力学生科"に属していたこともあり,物理学科3年生で必修2科目=たった4単位足りなくて留年となりました。

 

 この2回目の3年生のときは,物理は2科目とヒマなので数学科にもぐりこんで講義を受けましたが,そのときの教科書がこれです。

 

 これ,後に邦訳で「現代解析学」として出版されています。

 

(↑このときの数学科の講義を受けた1年間は,後で非常に役に立っています。昔から転んでもタダでは起きないので。。。)

 

 さて,この項では複素関数論の知見を極力用いずに,単に実数体での議論を複素数体に拡張した話として論じます。

 

 そこで,ほとんどはに,z∈をx∈に読み替えても成立する話です。

 

[補助定理](級数論から):Rをある非負の実数とし,級数Σn=0nn (z∈)が|z|<Rに対して収束するとき,

 

 f(z)≡Σn=0nnとおけば,∀0<ε<Rに対して,上記級数は{z∈:|z|≦R-ε}で一様収束する。

 

 また,f(z)は{z∈:|z|<R}において連続かつ微分可能であってf'(z)≡df/dz=Σn=1ncnn-1 である。

 

(証明):Rより小さい実数ε>0 が任意に与えられたとします。

  

 |z|≦R-εなら|cnn|≦|cn(R-ε)n|であり仮定によってΣn=0n(R-ε)nは収束します。

  

 故に優級数の法則によりΣn=0nnは{z∈:|z|≦R-ε}で絶対かつ一様収束します。

  

 一方,limn→∞1/n=1なのでlimsup(n|cn|)1/n=limsup(|cn|)1/n=1/Rです。

  

 したがって,Σn=1ncnn-1 も{z∈:|z|≦R-ε}で絶対かつ一様収束します。

 

 sn(z)=Σk=0nkkとおけば,これは明らかに{z∈:|z|≦R-ε}で連続かつ微分可能です。

  

 f(z)=limn→∞n(z)が一様収束なので,f(z)は{z∈:|z|≦R-ε}で連続です。

   

 また,sn'(z)=Σk=1nkckk-1であり,これは{z∈:|z|≦R-ε}で連続です。

  

 この領域でsn(z)がsn(z)→f(z)と各点収束し,sn'(z)→g(z)と一様収束するなら,f'(z)=g(z)=limn→∞n'(z)=Σn=1ncnn-1 でありg(z)=f'(z)は連続です。(証明終わり)

  

(※(注0):優級数の法則というのは,実数の空間が絶対値をノルムとして完備なノルム空間,すなわち数列(点列)のCauchy列が収束するなら列も収束する空間なので,

 

 |an|≦|bn|(bnがanの優級数)でΣnnが収束するなら,|Σn=mn|≦|Σn=mn|→0 より,Σnnも収束するという法則です。※)

  

[定義1](指数関数):複素数体の上の関数E(z)を右辺の級数が収束するなら,E(z)≡Σn=0n(z)=Σn=0n/n!で定義する。(un(z)≡zn/n!)

 

[Eの性質]:∀z∈について,{|z|n+1/(n+1)!}/(|z|n/n!)=|z|/(n+1)→ 0 as n→∞ なので,

 

 十分大きいnに対し,limsup|un+1(z)/un(z)|<1です。

 

 故に,Σn=0n=Σn=0n/n!は∀z∈に対して絶対収束して有限確定値を取ります。

 

 定義式の級数の収束半径は∞であり,絶対かつ一様に収束します。

 

 絶対収束する級数の掛け算則によれば,

 

 (z)E(w)=(Σn=0n/n!)(Σm=0m/m!)

=Σn=0(1/n!)Σk=0n [nk=0nkn-k]=Σn=0(z+w)n/n!です。

 

 故に,∀z,w∈に対しE(z+w)=E(z)E(w)が成立します。

 

 これから,E(z)E(-z)=E(0)=1です。

  

 このことから,また,∀z∈についてE(z)≠0 です。

  

 そして,特にx∈ならE(x)=Σn=0n/n!ですが,右辺の級数はx>0 なら正ですからE(x)>0 です。

   

 そこで,E(x)E(-x)=E(0)=1より,E(-x)=1/E(x)>0 ですから,結局∀x∈についてE(x)>0 です。

  

 定義によって,x→+∞に対してE(x)>1+x→+∞ですからE(x)=1/E(-x)よりx→-∞に対してE(x)→0 です。

  

 x>0のとき,E(x)=Σn=0n/n!の右辺各項は1を除いて全て単調増加するので,0<x<yならE(x)<E(y)です。故に,0<x<yならE(-x)>E(-y)です。

  

[定理1]:微分係数:E'(z)は常に存在してE'(z)=E(z)である。

  

(証明):{E(z+h)-E(z)}/h={E(z)E(h)-E(z)}/h=E(z)[{E(h)-1}/h]です。

  

 ところが,{E(h)-1}/h=Σn=1n-1/n!=1+h/2!+h2/3!+..ですから,limh→0[{E(h)-1}/h]=1=E'(0)です。

    

 故に,E'(z)=limh→0{E(z+h)-E(z)}/h=E(z)imh→0[{E(h)-1}/h]=E(z)です。(証明終わり)

  

 E(z+w)=E(z)E(w)から,帰納法によってE(z1+z2+..+zn)=E(z1)E(z2)..E(zn)です。

 

 特に,z1=z2=..=zn=zならE(nz)={E(z)}nです。

  

さらに,E(nz)={E(z)}nにおいて,z=1とおけばE(n)={E(1)}nを得ます。

  

 ところが,数eの定義から,E(1)=Σn=1(1/n!)=1+1+1/2!+1/3!+..=eですから,結局,nが自然数ならE(n)=enです。

  

 そしてE(-n)=1/E(n)ですから,E(-n)=1/en =e-nであり,またE(0)=1=e0です。

  

 結局nが整数ならE(n)=enという結論を得ます。

  

(注1):実数(超越数)eの定義は,このRudinのテキストではe≡Σn=1(1/n!)ですが,テキストによってはe≡limn→∞(1+1/n)nが定義です。

  

 私も高校では後者の定義を習いました。

 

 これらの定義が等価であることを示すために,数列{sn},{tn}をそれぞれsn≡Σk=1n(1/k!),tn≡(1+1/n)nとおきます。

  

n≡Σk=1n(1/k!)は,陽な外延的表現ではsn1+1+1/2!+1/3!+..+1/n!です。

  

他方,二項定理によりtn=Σk=0n nk(1/nk)=Σk=0n{1/(nkk!)}n(n-1)(n-2)..(n-k+1)

   

=Σk=0n[(1-1/n)(1-2/n)..{1-(k-1)/n}/k!]

 

=1+1+(1-1/n)/2!+(1-1/n)(1-2/n)/3!+//+[(1-1/n)(1-2/n)..{1-(n-1)/n}/n!です。

  

 故に,tn≦snですからlimsuptn≦limsupsnです。

 

 一方,n≧mなら

 

n1+1+(1-1/n)/2!+..+[(1-1/n)(1-2/n)..{1-(n-1)/n}/n! ≧1+1+(1-1/n)/2!+..+[(1-1/n)(1-2/n)..{1-(m-1)/n}/m!です。

  

 この式の右辺でmを固定して,n→∞の極限を取ると,

 

 liminftn≧1+1+1/2!+..+l/m!=smを得ます。

  

 よって,m→∞としてliminftn≧liminfsnが得られます。

 

nは収束することがわかっており,そこでlimsupsn=liminfsn=limn→∞nです。

  

そこで,e≡1+1+1/2!+1/3!+..=limsnという定義からは,

  

e=limsupsn=liminfsnですから,e≦liminftn≦limsuptn≦eとなりlimsupsn=liminfsn=eとなります。

  

したがって,limn→∞n=limn→∞(1+1/n)n=eであり,両者の定義は一致します。(注1終わり)※

  

 次に,pを正の有理数としてp=n/mとします。

 

 n,mは自然数です。

  

 有理数体を,整数環を,自然数(正整数全体)をとする慣例記法を採用すれば,p=n/m∈,(p>0),n,m∈です。

  

 このとき,{E(p)}m=E(mp)=E(n)=enです。

  

よって,p∈,p>0ならE(p)=en/m=epです。

  

(-p)=1/E(p)よりE(-p)=e-pですから,結局,∀p∈に対してもE(p)=epを得ます。

  

 ところで,a>1なるa∈と∀x∈に対しては,a=supapが成立します。

  

 apの上限:supapとはsup{ap:p∈,p<x}を意味します。

  

そこでx∈についてもexsup{ep:p∈,p<x}です。

  

関数E(x)の連続性と単調性とE(p)=ep (p∈)から,∀x∈に対してE(x)=ex=exp(x)を得ます。

  

後は,一致の定理,または解析接続によって,

  

∀z∈に対してE(z)=ez=exp(z)を得ます。

  

ただし,複素関数論の詳細についてはここでは言及しません。

 

以下では,E(z)をez,またはexp(z)と書きます。

  

それ故,ez=exp(z)=Σn=0n/n!です。

  

 さて,x∈のときの指数関数exp(x)=Σn=0n/n!の性質を列挙しておきます。

   

[定理2]:   

(a)関数exp(x)はの上で連続で微分可能である。 

(b){exp(x)}'=exp(x) 

(c)関数exp(x)はの上で単調増加連続である。

   

(d)exp(x+y)=exp(x)exp(y) 

(e)limx→∞exp(x)=∞,limx→-∞exp(x)=0 

(f)limx→∞{xnexp(-x)}=0 (n∈J)

 

 (f)以外は,ほぼ自明なので(f)のみの証明を与えておきます。

 

((f)の証明):x>0なら,exp(x)>xn+1/(n+1)!⇔ exp(-x)<(n+1)!/xn+1です。

  

故に,0<xnexp(-x)<n+1)!/xなので,

limx→∞nexp(-x)=0です。(証明終わり)

  

[定義2](対数関数):EはRの上で厳密に単調増加で微分可能なので,やはり厳密に単調増加で微分可能な逆関数Lを持ちます。

  

 すなわち,E(L(y))=y(y>0),あるいは同じことですがL(E(x))=xです。

  

 つまり,L(y)はE(x)=yなるxで定義されます。

  

[Lの性質]:

  

 E(L(y))=yの両辺をyで微分すると,

 

 E'(x)=dE(x)/dx=E(x)なので,合成関数の微分則(chain-rule)によりE(L(y))L'(y)=1です。

  

 すなわち,yL'(y)=1なのでLの微分係数はL'(y)=dL(y)/dy=1/yです。

    

 また,L(E(x))=xよりL(E(0))=0,つまりL(1)=0 です。

   

 それ故,微分の逆演算としての積分法の基本定理により,

 L(y)=∫1yL'(x)dx=∫(1/x)dxです。1y

   

 次に,u=E(x),v=E(y)と書けば,L(uv)=L(E(x)E(y))=L(E(x+y))=x+yです。

  

 x=L(u),y=L(v)ですから,L(uv)=L(u)+L(v)(u,v>0)が成立します。

  

 L(x)はE(x)=exp(x)の逆関数ですから,通常L(x)をlogxと書き,xの対数関数と呼びます。

  

 さて,対数関数の他の性質ですが,[定理2](e)のlimx→∞exp(x)=∞,limx→-∞exp(x)=0 ,および関数E,Lの単調性から,

  

 y=E(x)→∞とx=L(y)→∞は同値,またy=E(x)→0 とx=L(y)→-∞は同値です。

  

 そこで,x→∞に対しlogx→∞,x→0 に対しlogx→-∞です。

  

 また,x>0 としてE(nL(x))={E(L(x))}n=xnです。

  

 これはn∈の場合ですが,同じくx>0,m∈として,

   

 E(L(x)/m)=x1/mです。何故なら,両辺をm乗するとE(L(x))=xとなるからです。

   

 よってx>0 なら∀p∈に対してxp=E(pL(x))=exp(plogx)=eplogxですから,

  

 ∀α∈に対して,

  

 xα≡E(αL(x))=exp(αlogx)=eαlogx

 でx(x>0)のα乗:xαを定義します。

 

(※余談ですが,x>0でなかったり複素数x=zなら,logxは一般に一価でなく多価です。

 

 つまり,通常の意味では関数でさえないのでxαも多価で,一意的定義にはなりません。まあ,(-1)1/2=±iとかは複素数を考えないなら存在しないですが。。

   

 しかし,α=n(nが整数)なら,x<0でx=-y(y>0)でも,logx=logy+i(2k+1)πなのでn=exp(αlogx)=exp(nlogy+in(2k+1)π=exp(nlogy+inπ)=(-1)nnで通常のxnの定義に一致するため問題ないのですが。。※)

    

 この定義を用いると,xαの微分係数は,

   

 (xα)'=E(αL(x))(α/x)=αxα-1で与えられます。

   

 かくして,整数nに対する微分法則:(xn)'=nxn-1は,nが整数でなく一般の実数αのケースでも成立することがわかります。

    

 そこで,α≠-1なら∫xαdx=xα+1/(α+1)+Cであり,

 また,α=-1なら∫xαdx=∫(1/x)dx=logx+Cです。

    

 さらにα>0 ならx→∞に対してxlogx→0 です。

    

 何故なら,0<ε<αとすると,

 

 xlogx=x∫t-1dt<x∫tε-1dt=x(xε-1)/ε<xε-α/ε→0 となるからです。

      

[定義3](三角関数):∀x∈に対してC(x)={E(ix)+E(-ix)}/2,S(x)={E(ix)-iE(-ix)}/(2i)と定義する。

 

[C,Sの性質}:

  

上記のC(x),S(x)の定義が,歴史的に幾何学的考察から定義されたcosx,sinxに一致することを以下に示そうと思います。

 

まず,∈CについてΣn=0m(z)n/n!={Σn=0mn/n!}ですから,

  

E(z)の定義によりlimm→∞|E(z)-Σn=0m(z)n/n!|=limm→∞|E(z)-Σn=0mn/n!|=0 です。 (上添字 * は複素共役(complex-conjugate)を意味します。)

 

したがって,E(z)=E(z)です。

 

故に∀x∈についてE(-ix)=E(ix)ですからC(x),S(x)は実数xの実数値関数です。

 

定義から明らかに,exp(ix)=E(ix)=C(x)+iS(x)です。

 

C(x),S(x)は,それぞれE(ix)=exp(ix)の実部と虚部です。

 

また.|E(ix)|2=E(ix)E(ix)=E(ix)E(-ix)=1ですから,||E(ix)|=1で,C(x)2+S(x)2=1が成立します。

 

そして,これから|C(x)|≦1,|S(x)|≦1,あるいは-1≦C(x)≦1,-1≦S(x)≦1です。

   

さらに,E(0)=C(0)+iS(0)=1より,C(0)=1,S(0)=0 です。

 

また,C'(x)={iE'(ix)-iE'(-ix)}/2=-{E(ix)-iE(-ix)}/(2i),C'(x)={iE'(ix)+iE'(-ix)}/(2i)={E(ix)+E(-ix)}/2です。

 

つまり,C'(x)=-S(x),S'(x)=C(x)です。

 

故に,∫S(x)dx=-C(x)+C,∫C(x)dx=S(x)+Cが成立します。ただし,紛らわしいですが右辺のCは積分定数です。

 

[定理3]:C(x)=0を満たす正の実数xが存在する。

 

(証明)帰謬法で証明するため,まずC(x)=0 かつx>0 を満たすx∈が存在しないと仮定します。

  

すると,C(0)=1でCは連続ですから,∀x>0 に対しC(x)>0 となります。

 

つまり,x>0 なら,S'(x)=C(x)>0 なので,この領域でSは単調増加であり,S(0)=0 です。それ故,x>0 ならS(x)>0 です。

 

よって,0<x<yならS(x)(y-x)<∫xyS(t)dt=C(x)-C(y)≦2です。

 

つまり,あるa>0 を固定してA=S(a)と置けば,A>0 であって,b>aのとき,A(b-a)≦2,b≦(a+2/A)が成立します。

 

しかし,b>aなるbはいくらでも大きい値を取ることができるので,十分大きいbに対し,この不等式は矛盾を生じます。

 

したがって,C(x)=0,かつx>0 を満たすx∈が存在しないという元の仮定が否定されます。(証明終わり)

 

さて,x0をC(x0)=0 を満たす最小の正の数とします。こうしたx0>0 は確かに存在します。

 

何故なら,C(0)≠0であり{x>0|C(x)=0}は関数Cの連続性から閉集合ですから,この集合には最小値があります。

 

つまり,{0}はにおいて閉集合ですから,C(x)の連続性から{0}の逆像-1({0})は閉集合でx>0 の領域の部分集合も閉集合です。

 

ここで,数πをπ≡2x0で定義します。

 

こう定義すればC(x0)=0 はC(π/2)=0 と書けます。

   

C(π/2)={E(πi/2)+E(-πi/2)}/2=0ですから,E(-πi/2)}/2=-E(πi/2)です。

 

そこで,S(π/2)={E(πi/2)-E(-πi/2)}/(2i)

=E(πi/2)/iであり,しかもS(π/2)=は実数です。

 

ところが,|E(πi/2)/i|=1ですから,S(π/2)は絶対値が1の実数なので,+1か-1のどちらかに等しいはずです。

 

しかし,区間(0,π/2)ではS'(x)=C(x)>0 より,Sは単調増加であってS(0)=0 ですからS(π/2)>0 です。

 

よって,S(π/2)=1と結論されます。

 

そこで,S(π/2)=E(iπ/2)/i=1 により,E(iπ/2)=iです。

 

したがって,E(πi)={E(πi/2)}2=i2=-1 であり,さらに,

E(2πi)={E(πi)}2=i2=1です。

 

したがって,∀z∈についてE(z+2πi)=E(z)E(2πi)=E(z)が成立します。

 

※(注2):E(πi)=-1 は,形の上ではEulerの公式:exp(iπ)=-1ですが,ここで定義した数π≡2x0が謂わゆる円周率のπに一致するかどうかは未だ不明です。(注2終わり)※

 

[定理4]:(a)Eは周期的であって,周期は2πiである。

 

(b)CとSは周期的であって周期は2πである。

 

(c) 0<t<2πならE(it)≠1である。

 

(d)z∈,|z|=1のとき,∃1t∈[0,2π]:z=E(it) 

(↑※∃1とは存在して一意的,exist uniquelyの意味です。)

 

(証明)(a)既に上で証明した。

 

(b)E(z)が周期2πiの周期関数なのでE(ix),E(-ix)は周期2πの周期関数です。そこでC(x+2π)=C(x),S(x+2π)=S(x)です。

 

 しかし,実関数の周期はこうした周期的性質を満たす最小の正の数を意味します。

 

 S(x)=0 を満たすxはS(0)=0,S(π)=0よりx=0,x=πの順ですからSの周期はπの倍数ですが,S(π/2)=1,S(3π/2)=-1ですから周期はπではありません。Cについても同様です。

 

 したがって,C,Sの周期(最小周期)は2πです。

 

(c) 0<t<π/2のとき,

  

 E(it)=x+iyと置くと,x=C(t),y=S(t)ですが, 

 x2+y2=1で 0<x<1,0<y<1です。

   

 そして,E(4it)=(x+iy)4=x4-6x22+y4+4ixy(x2-y2)です。もしもE(4it)∈ならxy≠0 によりx2-y2=0です。

 

 一方,x2+y2=1 なので,x2=y2=1/2です。

  

 故にE(4it)∈ならE(4it)=-1です。

 

 0<4t<2πより,この4tを改めてtと書けば,0<t<2πでE(it)∈ならE(it)=-1ですから,E(it)≠1です。

 

(d) 0≦t1<t2≦2πなら,0<t2-t1<2πなので,

 E(it2){E(it1)}-1=E(it2-it1)≠1です。つまりE(it2)≠E(it1)です。

 

故に,E(it)=zを満たすtは,この範囲で存在すれば一意的です。

 

次に,z1=x1+iy1,x1≧0,y1≧0,x12+y12=1とします。

 

C'(t)=-S(t)<0 より,関数C(t)は[0,π/2]の上で 1から0 まで単調減少なのでC(t1)=x1を満たすt1∈[0,π/2]が存在します。

一方,C(t1)2+S(t1)2=1でt1∈[0,π/2]よりS(t1)≧0 ですからx12+y12=1でx1=C(t1) y1≧0 から,1=S(t1)です。

  

よって,z1=E(it1)です。

  

一般に,z=x+iy,|z|=1のとき,x<0,y≧0 ならz1=-iz,x<0,y<0 ならz1=-z,x≧0,y<0 ならz1=izと置けば,z1=E(it1),0≦t1≦π/2を満たすt1が存在します。

 

しかも,i=E(πi/2),-1=E(πi),-i=E(3πi/2)で,0<t1+3π/2≦2πですが,

 

x<0 なら,y1=-x>0 よりt1+3π/2≠2πです。

 

故に,z=E(it)(0≦t≦2π)と書けます。(証明終わり)

  

以上から,γ(t)=E(it)=exp(it)(0<t<2π)は,その値域がGauss面上(複素平面上)の単位円に等しい単純閉曲線を作ることがわかります。

 

そしてγ'(t)=iE(it)=iexp(it)より|γ'(t)|=1で,その長さV(γ)はV(γ)=∫0|γ'(t)|dt=2πです。

 

それ故,単位円の周の長さが2πに等しいことがわかります。

 

つまり,先にπ≡2x0で定義した数πが通常の幾何学的円周率に等しいことがわかりました。

 

一方,∫0t0|γ'(t)|dt=t0でですから,tが0 からt0まで増加するに従って,複素平面上の点γ(t)は長さt0の円弧を描きます。

  

以上から,頂点がz1=0,z2=γ(t),z3=C(t)の三角形を考えることにより,C(t),S(t)はそれぞれcost,sintと同じであることがわかりました。 

参考文献:Walter Rudin "Principles of Mathematical Analysis"(McGrawHIll)

 

PS1:今から1時間後の朝8時45分に,"たいと"さんがワンボックスの車で迎えに来てくれて湯河原の「杉の宿」まで,毎年恒例「将棋チェスネット」の"夏のオフ会=将棋合宿"に行くため,

 

ここでPending...にします。

 

タイプミスなどを直していたけどもう時間がない。。

  

ただし,体調は良好です。内科の主治医も一緒に来るしね。。

PS2:その後,帰ってからPending部分を追加しました。

 なお,退院後一ヶ月で右目はかなり見えてきましたが,なぜか左目がかゆい。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2011年7月 7日 (木)

青春の尻尾

 41年前。。。その3月20歳になって1ヶ月後の頃。。。青春の1ページ。。。

 千葉県成田,三里塚芝山連合空港反対同盟。。プロレタリア学生同盟(プロ学同)下部組織赤色戦線の一員として。。。

 トビ職の松本の屋根屋さんの家。。農家兼業。。

 農家といっても不毛な関東シラス台地を開墾した畑。。取れるのは落花生やイモ。。この土地を強制的に取り上げて空港にするという。

 私は昼間慣れない手つきで,大きな落花生の皮むきなどして援農。。

 夕食は思いっきりショッパイおしんことご飯と味噌汁。。。

 奥さんはまだ30歳前後くらいでお子さんはいなかった。。。

 お風呂をいただいてるとノックもなく入ってきて「湯加減どうだかね。」と。。

 モンペをはいてる姿。。。

 まだ,初(うぶ)であわてた私を見てケラケラと朗らかに笑う。 

 夜,暗くてコワイ庭のポットン便所に行く。お尻を拭くのは縄か新聞紙。。

 春休み中,そこにいたため,教員免許の単位「憲法」の再試を受けられず。

 結局,大学で高校の教員免許は取らなかった。(少し心のこり。。)

 その5月は確か「牧の原」のお茶工場で徹夜で新茶作りのアルバイト。。

 何故か昼間はゴロ寝で夕方から朝まで女の人が畑からお茶を摘んで90kgのカゴをかついでくるたびに,ひっくり返し,足で炉にカキ入れ続けるような作業。。。

 イブす熱気で暑い。。。 まだまだ元気だったなあ。。

 私の20歳はオンナのコとデートしてアソんだというような記憶は全くない。。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2011年7月 6日 (水)

普通の日記(昨日の出来事)

 7/5(火)は日中暑かったけど普通に出勤して帰宅しました。

 6/12(日)に退院後,主治医は1ヶ月くらい経てば右目も見えるようになると言っていました。

 確かに道端の看板の大きな文字くらいなら,右目だけで読めるくらいにはなりましたが,まだ景色はかなりぼやけています。

 歌舞伎の海老蔵さんじゃないですが,自分の顔を鏡で見ると左目は普通に目力(めぢから)があると見えるのに,右目は左目の半分くらいしか自力で瞼を開けておられず,イツモ半眼になってるのは視力回復すると自然に治るのでしょうか?

 他人は昔からそうだろうと気付いてないかも知れませんが,自分ではここ半年くらいイツモ寝ぼけているような顔していると感じています。

 どうでもいいことなんでしょうが,以前両目が普通に見えてた頃には我ながらもっとキリッとした顔をしていたと思ってます。

 さて,7/6(水)には2週間ぶりに朝10時頃から帝京大病院眼科で診察,を受ける予定でその後,午後には普通に出勤する予定です。

 前回の右目の視力検査は眼前で手の指が何本か?を判読するくらいでしたが,今回は普通に検査して0.1か0.2くらいには判定できるかも。。。期待してます。

 話変わって,昨7/5の夜18時頃には,目白5丁目(西武線椎名町駅付近)で毎週火曜日夜の手話講習を受けるため自宅を出てJR大塚駅に行き電車で目白駅に向かいました。

 目白でJR電車を降りて駅前バス停で練馬車庫行き都バスに乗る直前に,雷の光と大きな音でビックリしました。

 そして,バスに乗るときはまだ,降っていませんでしたが18時35分頃,聖母病院前で降りたときには強いにわか雷雨でした。

 リュックから折りたたみ傘を出して5分程度歩いて会場の心障センターに着き,珍しく遅刻せずに最初から講義を受けました。

 イツモのように1人ずつ教壇前に出て教えられた通りに手話をやるのですが,下手クソで何度も先生に直されたのはイツモと同じでした。

 でも,何故か昨日はそれほど照れもせずイツモより大きい身振り手振りの手話ができたような気がします。

 21時前,無事に手話講習が終わって,入門コース,専門コースも合同の懇親会があるということで誘われました。

 初めは,金も少ししかないし遠慮するつもりでしたが,ほんの1時間だけということにして椎名町駅前の「わたみん家」に行きました。座ると全員で17人でした。

 私の右隣には応用コースの聾のS先生,その前には初めてお会いし紹介されたやはり聾のご主人が座っていて,その隣にも入門コース助手の聾のSさん,手話での会話はずんでいるのを見ても1割以下くらいしかわかりません。

 主に,左隣の入門コースの健聴者のH先生や専門コースのT先生,向かいの受講者たちの会話を聴きながら,ビール,ハイボール,ウーロン茶を1杯ずつ飲み,軽いおツマミ食べて,つい2時間も過ごしました。

 それでも遠方のAさんと明日仕事で早いKさん,私の応用コースの男ばかり3人は先に店を出て,私は23時頃には自宅に帰り着きました。

 いつも思うのですが,手話講習の集まりでは本当はおシャベリの私がめったに口を開かないので,寡黙だと誤解されてるかも知れませんね。

 疲れてたのかそのまま爆睡しましたが,やはり5時間くらいで目覚めました。この後,数時間して朝8時か9時頃には病院に向かう予定です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年7月 4日 (月)

ふつうの日常

 昨晩もほぼ無一文なのに飲みに行って飲み代はツケで7月9,10日の将棋旅行(合宿@湯河原「杉の宿」)の旅費を借りてきました「飲みに来て飲み代払わずに逆に金を持ってくとは?」とあきれられました。

 15日に少し金入るので17日には返す予定ですが,2週間で利子5割?とは,そりゃないでしょ。。?

 しかし当面の心配事(おカネ)は解決しました。

 ハーフで20歳近くも年下ですが,何故か東京で唯一お金や身の上相談(身の下は無し)が出来るのは彼女だけですね。 「保護者」のような人です。

(2009年1月10日の記事「私の保護者」参照)

 さて,今朝起きて9時頃,mixiにアクセスして「つぶやき(Twiterと同期)」をチェックすると,友人(関さん)のツイート。。これには感動覚えました。 

 ふむふむ。。イイネ。。転載しよう。↓

 松本復興大臣、宮城県知事にブチ切れの動画 http://www.youtube.com/watch?v=VtUqWdbjnTk 人は分不相応な権力を持つと勘違いする、の典型例(6時間前) 

 

 ところで,昨日の昼作ったカレ-は昼,晩と食べました。

 今朝は寝かしておいたので?,なおさらうまいです。

  

 しかし,写真で見るとコゲつきだけなのですが見た目かなり汚いので思わず30分ほど掃除してしまいました。

 子供の頃,日曜には親父の手作り,平日には母親とおいしかった。大きくなって外食してもカレーライスの味はドコもイマイチです。

 何故か,今も下手くそでも自宅で自分で作って食べるカレーが格別においしいと今でも思います。

 胃が小さくなったのか普段は小食なのですが,カレ-のときだけは大盛りやおかわりをします。 レトルトとは一味違いますね。

 以前,カレーライスとおでんの中身のような少しゆで過ぎ気味のゆで卵さえあればそれが毎食でもかまわないと書いたら,「味覚が子供みたい。でも安上がりでイイわね。」と見知らぬ方からコメントを貰ったことありましたね。

 でも最近,モノ忘れ,ウッカリがヒドい。

 トイレに行きかけて途中で台所洗い物して,トイレに行くのを忘れたり,,ホームで電車を待っていたが電車が来たのに考えゴトしてて出てしまってからアっと気が付くとかです。

 今朝もご飯を炊こうとお米を2合出して用意したのにそのままで,お米を研いで電気釜にセットするのを忘れててトイレ行くときに気付きました。

 これ,ここ最近ではなくもっと前からです。

 前の滝野川のアパートから帝京大病院まで気候がいいので推理小説を読みながら歩いていきましたが,病院に着いたらその文庫本が行方不明で帰りも探しましたが見つかりませんでした。

 しょうがないので,それはまたブックオフで買いましたが。。。

 これについては帝京大の精神科で医者に相談したこともありましたが,「それは病気じゃなくて性格などに属するものだろう。

 普通はトイレ行くのを忘れるとか,コーヒーを入れたのに飲むのを忘れるとか,電子レンジで暖めて翌日見つけて捨てたとかいうのはまずない話だよ。」と褒めてるのかけなしてるのか?あきれたように言われました。

 私,衣食が十分足りてる"シアワセモノ"なんでしょうね。

PS:そうか,7月4日か?トム・クルーズの「7月4日に生まれて」ではないが,今日は合衆国(U.S.A)の独立記念日だった。

 そういえば7月1日はカナダの記念日だったけれど,何故かカナダのことは歴史も含めてほとんど知らないのでウィキででも調べておこう。。ヒトリゴトです。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2011年7月 3日 (日)

量子電磁力学の輻射補正(14)(Lamb Shift)

 輻射補正の続きです。 

  頂点補正,とその他の輻射補正による原子内の束縛電子の

エネルギー準位のずれであるLamb Shift(ラムシフト)を考察して

このシリーズの最後とします。 

  これはBjorken-Drellのテキスト第8章の最後の節
の解説

になります。

 
§8.7 Lamb Shift(ラムのずれ(Lambシフト))

 さてcμ(p',p;kmin) ~ {α/(2π)}{iσμνν/(2m)}

+γμ{α/(3π)}(q2/m2)[log{m/(2kmin)}+5/6-3/8]

のような散乱補正は,電子と光子源(※ここでは電荷が

(-Ze)の原子核)の間に作用する追加の

"有効ポテンシャル(effective-potential)"によると考える

ことができます。

 
こうした追加相互作用による原子エネルギー準位の変化が

前に真空偏極(Vacuum-Polarization)の項でも述べた

Lambシフトです。

 今の時点では,これを前より詳細に論じることができます。

 Lambシフトは,電子とその電流(current)源:eAμ(q)の間の

運動量空間での有効相互作用として,頂点補正:Λcμ(p,p;kmin)

に先述の真空偏極の寄与:

(ie2u~γ0u/q2)[1-{α/(15π)}(q2/m2)+O(α2)]

を加えたもので与えられます。

 (下図の頂点補正(b)に真空偏極(e)を加える。

 

    

 

   すなわち, 

 頂点補正,とその他の輻射補正による原子内の束縛電子の,

u~(p')(γμ[1+{α/(3π)}(q2/m2)[log{m/(2kmin)}

+5/6-3/8-1/5]+{iα/(4πm)}σμνν)u(p)eAμ(q)

です。

  
この式は,絶対値k=||がkminより大きい運動量

 (=p'-p)を持つ光子による電子流:u~(p')γμu(p)

へのαの1次のオーダーの寄与を含んでおり,小さい運動量遷移:

q=p’-p,つまり,|m2/q2|<<1に対しては常に正しい式です。

 
電荷が(-Ze)の核のCoulomb場の中の電子の場合には,

Current源はeA0(q)=-Ze2/(ε0|2|)なので,

 
上式は,

-u(p'){Ze2/(ε0|2|)}

[1-{α/(3π)}(|2|/m2)[log{m/(2kmin)}+5/6-3/8-1/5]

+{iα/(4πm)}γq]u(p)となります。

 
(注1):σμν=(i/2)[γμν]=(i/2)(γμγν-γνγμ)

ですから,μ≠νならσμν=iγμγν,μ=νならσμν=0

です。
 
 そこで,σν=iγ0Σk=13γkk=-iγ0γqです。

何故なら,γ123)=-(γ123)より

Σk=13γkk=-Σk=13γkk=-γqであるからです。

 故に,u~(p'){iα/(4πm)}σνu(p)eA0(q)

=u~(p')γ0{α/(4πm)}γqu(p)eA0(q)

=u(p'){α/(4πm)}γqu(p)eA0(q) です。

 そして,eA0(q)=-Ze20|2|ですから,

u~(p'){iα/(4πm)}σνu(p)eA0(q)

=-u(p'){Ze2/(ε0|2|)}{α/(4πm)}γqu(p)

です。 (注1終わり)※

 -u(p'){Ze2/(ε0|2|)}[1-{α/(3π)}(|2|/m2)

[log{m/(2kmin)}+5/6-3/8-1/5]+{iα/(4πm)}γq]u(p)

の最初の項はスピンに独立な項であり,

 座標空間での有効ポテンシャル:

-Zα/r+(4α/3)(Zα/m2)[log{m/(2kmin)}

+11/24-1/5]δ3() のFourier変換です。

 
(注2):r=||と置くと,

 ∫d3(2π)-3{Ze2/(ε0|2|)exp(iqx)

=-Ze2/(4πε0|||)=-Zα/rであり,

∫d3(2π)-3exp(iqx)=δ3() です。

 
 そして,Ze2/(ε0|2|)}{α/(3π)}(|2|/m2)

=(4α/3)(Zα/m2) です。

 故に,∫d3(2π)-3 exp(iqx){Ze2/(ε0|2|)}

[1-{α/(3π)}(|2|/m2)[log{m/(2kmin)}+5/6-3/8-1/5]

=-Zα/r+(4α/3)(Zα/m2)[log{m/(2kmin)}

+11/24-1/5]δ3() を得ます。 (注2終わり)※

 ポテンシャル:V=-Zα/rを持つ水素様原子では,これは

量子数(n,l,m)を持つ量子状態の追加ポテンシャルΔVの

1次の摂動によるエネルギー準位のシフトΔEが次のように

なることに対応しています。

 すなわち,

Δn>(4α/3)(Zα/m2)[log{m/(2kmin)}

+11/24-1/5]|ψnlm(0)|2 です。

Δn>の上添字(>)は,k>kminを意味します。

 
 つまり,これは運動量がk>kminの光子による1次の

摂動計算から見出されるエネルギーシフトということに

なります。

 
(注3):通常の量子力学の定常摂動論によれば,摂動ΔVに

よる量子状態:|n,l,m>の1次の摂動エネルギーは,

ΔEnlm=<nlm|ΔV|nlm> で与えられます。 

 これが,

(4α/3)(Zα/m2)[log{m/(2kmin)}

+11/24-1/5]|∫d3ψnlm(3(nlm()

=(4α/3)(Zα/m2)[log{m/(2kmin)}+11/24-1/5]||ψnlm(0)|2

に一致すると考えます。(注3終わり)※

 しかし,これにはさらに運動量がk≦kminを満たす軟光子の

寄与を加える必要があります。

 赤外部の自然な切断(cutoff)としては,オーダー:kmin≦Zαm,

すなわち,原子の大きさに比較して長い光子波長が想定できます。

 
※(注4): 水素原子のBohr半径は,hc/(2αmc)

(ただし,hc≡h/(2π);hはPlanck定数,cは光速) 


 自然単位では1/(2αm)(これを限界波長λcと同定して,これより

長い波長つまりλ≧λcの光のみが許されるとすれば,

k=2π/λ≦kmin=2π/λ(4παm~αm とできます。

 
 原子番号Zの水素様原子ならkminZαmです。


 (注4終わり)※

 実際kminは任意に小さく選ぶわけにはいきません。

 というのは,束縛電子の伝播関数はp2-m2~(Zα)22において

自由粒子から修正されます。

 
原子ではpμ=(m+V,)です。

ここにV~(Zα)2mで||~Zαmです。

 
(※何故なら,原子半径をaとすると,1/a~Zαm,より,

V~Zα/a~(Zα)2mであり,不確定性関係:ΔxΔp~1から

Δx~aより.||~Δp~1/a~Zαmと評価されるから

です。)

 そして,頂点Λμと同じく自己エネルギー部分の以前の計算

においても次のように仮定しました。

 すなわち,kp~kminm>>p2-m2~(Zα)22です。

ここでも,これが妥当なのでこの仮定を採ります。

 
(※何故ならp2-m2=p022-m2

 ~ m2+2mV+V22-m2 ~ 2(Zα)2m~(Zα)2

だからです。)

 運動量k=||がkminより小さい光子に対して,相対論的補正

は小さくなるべきです。

 つまり,Zαの高次を含む完全な非相対論的計算を使用します。

 これを初めて実行したのはBethe(ベーテ)でした。

 古い形の2次の摂動論から,状態nの電子による光子の放出

と再吸収に関わるエネルギーのシフトは,

ΔEn< ~ e2ε0-10kmin3(2π)-3(2k)-1Σm,ε

<n|αεexp(ikx)|m><m|αεexp(-ikx)|n>

/(En-k-Em) です。

 ただし,αは,Dirac行列:γ0γです。

 ここで,和Σは横波光子の偏極ε,およびあらゆる電子状態:m

にわたって取られます。

 今,kminを(Zα)2m<<kmin<<Zαmを満たすように選びます。

(例えばkmin<~(Zα)3/2mです。)

 次に,これは明らかに幾らか疑問が残る手続きではあります

が,双極子近似をします。

 そして,電子状態は非相対論的ですから,α/mで

置き換えることができます。

 kにわたる積分∫0kmin3を実行すると,

ΔEn< ~ {2α/(3π)}[-kmin<n|2|n>

+Σm|<n||m>|2{(Em-En)/m2}log{|En-kmin-Em|

/|En-Em |}]  が得られます。

(注5):双極子近似なので,exp(ikx)=exp(ikx)~1です。

また,αεvεpε/mです。

 そして,2ε0-10kmin3(2π)-3(2k)-1

={(4πα)/(8π2)}∫-11d(cosθ)∫0kminkdk

={α/(2π)}∫-11d(cosθ)∫0kminkdkです。

 さらに,∫0kminkdk/(En-k-Em)

=∫0kmin{-1-(Em-En)/(En-k-Em)}dk

~ [-k+(Em-En)log|En-k-Em |]0kmin

=-kmin+{(Em-En)log{|En-kmin-Em|/|En-Em |}

です。

 また,<n|vε|m><m|vε|n>

=<n||||m><m||||n>cos2θであり,

-11d(cosθ)cos2θ=2/3です。

 光子は横波2成分があるので,偏極εの和としては,

(2/3)×2=4/3の係数となります。

 最後に,Σm<n||||m><m||||n>

=<n|2|n>, <n||m><m||n>

=|<n||m>|2です。    (注5終わり)※

 ここで,計算のこの部分に質量のくりこみが必要です。

 電子の電磁質量δmは,既に実験で観測される電子質量mの

うちに含まれていますから, 非相対論的Hamiltonianの中

逆流項(counterterm)として,

(1/2)2/(m-δm)-(1/2)2/m~(δm/2)(/m)2

=(δm/2)2 が含まれているはずです。

 (※m0≡m-δmは謂わゆる裸の質量(bare mas)です。)

 これから,質量くりこみによるエネルギーシフト:

δEn =(δm/2)<n|2|n> に導かれます。

 これは,ΔEn<

  {2α/(3π)}[-kmin<n|2|n>

+Σm{|<n||m>|2(Em-En)/m2}log{|En-kmin-Em|

/|En-Em |}]の右辺第1項:

-{2α/(3π)}kmin<n|2|n>と丁度同じ構造です。

 それ故,この式の右辺第1項のシフトは,結局,観測される

物理的質量(physical mass):m=m0+δmの質量くりこみの中

に吸収されると考えられます。

(※ (δm/2)-{2α/(3π)}kminを新しい(δm/2)として,δm

を定義し直した結果として観測質量がm=m0+δmになったと

考えます。)

 以上のこと,およびkmin>>(Em-En) ~ (Zα)2より,

|En-kmin-Em|~kminと近似することから,k≦kmin

のエネルギー・シフト:謂わゆるLambシフトは,

 ΔEn< ={2α/(3πm2)}Σm|<n||m>|2(Em-En)

log(kmin/|En-Em |)={2α/(3πm2)}

Σm|<n||m>|2(Em-En)log(kmin/E~)

で与えらます。

 これはE~~(Zα)2mと予測されるE~を定義する式として

の意味を持っています。

 状態における和は今度は交換代数を用いて遂行できます。

 すなわち,Σm(Em-En)|<n||m>|2

=(1/2)<n|[[,H].]|n>です。

※(注6):(Em-En)<n||m>

=<n|H|m>-<n|H|m>=<n|[,H]|m>

です。

 他方,(Em-En)<m||n>=<m|H|n>-<m|H|n>

=<m|[H,]|n>=-<m|[,H]|n>

です。

 故に,(Em-En)<n||m><m||n>

=(1/2){<n|[,H]|m><m||n>

-<n||m><m|[,H]|n>}です。
 
したがって,Σm(Em-En)|<n||m>|2

=(1/2){<n|[,H]|n>-<n|[,H]|n>}

=(1/2)<n|[[,H].]|n>です。 (注6終わり)※

 そこで,ΔEn< ={α/(3πm2)}log(kmin/E~)<n|∇2V|n>

={4α(Zα)/(3m2)}log(kmin/E~)|ψnlm(0)|2 と書けます。

※(注7):=-i∇より

[,H]=[,2/(2m)+V]=[,V]=-i∇Vです。
故に,|[[,H].]|=[-i∇V,]=[,i∇V]

=(-i∇(i∇V)=∇2V です。 

それ故,

ΔEn< ={2α/(3πm2)}Σm|<n||m>|2(Em-En)log(kmin/E~)

={α/(3πm2)}log(kmin/E~)|<n|[[,H],]|n>

={α/(3πm2)}log(kmin/E~)|<n|∇2V|n> です。

 V=-Zα/rより∇2V=4πZαδ3()ですから,

状態|n>が特に量子数(n,l,m)の状態:|nlm>なら

<n|∇2V|n>=|ψnlm(0)|2です。  (注7終わり)※

 得られた結果:

ΔEn< ={4α(Zα)/(3m2)}log(kmin/E~)|ψnlm(0)|2に.

先に求めた,

Δn>={4α(Zα/(3m2)[log{m/(2kmin)}

+11/24-1/5]|ψnlm(0)|2を加えるとトータルのシフトΔEn 

として,ΔEn {4α(Zα)4/(3πn3)}[log|m/(2E~)}

+11/24-1/5]m が得られます。

※(注8)何故なら,原点0における確率振幅ψnlm(0)は,

l=0(s状態)でのみゼロでなく,このとき,

nlm(0)|2=(1/π)(m3/n3)(Zα)3(l=0)

と書けるからです。

 ここで,通常の非相対論的量子力学のテキストに載っている

水素様原子に対するScroedingerの波動方程式の解を参照

しました。(注8終わり)※

 E~は,Betheによって計算され,E~~(Zα)2mという先の予測

に一致して,水素原子で~8.9α2mであることがわかりました。

 ΔEn {4α(Zα)4/(3πn3)}[log|m/(2E~)}+11/24-1/5]m

には,なお,α(Zα)4までのオーダーのLamb shiftを完全にする

ため,異常磁気モーメント項の寄与を加える必要があります。

 ここでの扱いについては先述したように若干疑問の残る

双極子近似でのkminの扱いを用いているという不備が

あります。

 これに代わるものとしては,最近のEriksonとYennieの議論が

あり,これは硬い光子と軟らかい光子の分割を避けた扱いを

しています。

 なお,私のこのブログでの軟光子,赤外発散関連の記事は,

2006年12/16の「電流によって発生する光子の個数分布」,

同じく12/19の「赤外発散の問題(エネルギーゼロの光子)

 さらに,2010年10/30の「赤外発散の初期論文(1)」11/4の

赤外発散の初期論文(2)」,11/9の「赤外発散の初期論文(3)

があります。

 
※[以下は総括です。」=(テキスト直訳です。)

 このシリーズでは,αの1次でS行列要素を書く法則を,最低次

振幅を越えて拡張する方法を示してきました。

 この展開において遭遇した発散の困難は無限大の表現がうまく

定義された方法で分離できて電子と光子の伝播を記述する電荷

と質量と波動関数をくりこむ定数に含まれるようにできること

を示すことにより切り抜けられました。

 そうしたくりこみの必要性は物理的基礎の上で明らかです。

 
Dirac方程式における質量パラメータにとっては電磁質量

が加えられなければなりません。

 何故なら,これは既に実験で観測される質量の中に含まれている

と考えられるからです。

 そしてまた,電荷も真空の静的分極性の効果を含むように

くりこまれなければなりません。 

 最後に,波動関数も

ψn=(Zn)1/2φn+Σm≠n<φm|V|ψn>φm/(En-E0m),

およびZn=1-Σm≠n|<φm|V|ψn>|2/(En-E0m)2

と表示されます。

 すなわち,相互作用によって誘導されるゆらぎ(fluctuation)

の存在の中で電子を観測する通常の非相対論的摂動論

のように,くりこまれる必要があります。

 くりこみプログラムの実行には,Z1,Z2,Z3,およびδmが無限大

に発散する困難のため,デリケートな注意が要求されてきました。

 しかし,それら以外の物理的効果は有限であって切断には依存

しないことを見ました。

 例えば"Lamb shift"や異常磁気モーメントのように,この手法

は観測との著しい一致をもたらします。

 この時点で,さらにαの高次まで押し進めるとき,どんな新しい

問題に直面するかを問うのは当然です。

 しかし,それに対する明確な答を得るには,さらなる計算労力が

要求されます

 しかし,ここでは既に要求されるあらゆるくりこみ手法を導入

してきました。

 ここで導入した手法はαの任意次数までのS行列の計算に

おける,あらゆる物理的振幅を,うまく定義された方法で

ユニークかつ有限な切断独立な答をもたらすには充分です。


(総括終わり)※

 以上で終わりです。 ただしLambシフトについて不完全なので

後日別資料で書く予定です。

参考文献:J.D.Bjorken & S.D.Drell

“Relativistic Quantum Mechanics”(McGraw-Hill)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

今日はたまの寝てよう日

 このところ,平日休みを取って土日出ることが多かったのですが先週は月から土まで6日連続出勤したので,今日7/3は久々の寝てよう日です。

 近くに,買い物や散歩じゃなく本格的に外出するときはそんな気も起こらないのでインスタント食品を温めたりお湯を入れたりするくらいで味噌汁を作るのも面倒臭いのですが,

 今日は,ご飯は炊いたけどお金は小銭しかなくて,おカズもなく冷蔵庫を開けたら味噌や調味料以外は玉子7個とジャガイモ3個に大きめのタマネギ1個,それにカレールウくらいしか入っていませんでした。

 しかし,日中は特に外出の予定もなく気持ちに余裕あったので,朝食は玉子2個で玉子焼きを作って食べ,お昼には久しぶりに肉入りのカレーでも作ろうと思ってすぐ近くのコンビニに豚肉を買いに行きました。

 ところが,コンビニにはちょうどいい肉がなかったので肉代わりにシーチキンを一缶買って,ッジャガイモとタマネギ全部入れて久しぶりに5人前作りました。

 下の写真は,ガスコンロ周りがチョッと汚ないですが自作のカレーです。

  。

 ところで,前からズッと気になっていたのですが昨日の帰りも巣鴨駅南口から信号を渡った向かいの一階にガストとエイブルがあるビルの上の階の「諸井整骨院(モロイ(脆い)せいこついん?)の写真を取ってみました。

 ↓ 一応, 珍百景?カモ。。。

     

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2011年7月 1日 (金)

TOSHIのひとりごと

 前記事より

 私は酒場の泣き女~,ヒトのためには泣くけ~れど~,

 自分のために泣かれようか~

 (浅川マキ「花いちもんめ」↓より)

 ※その続き:私のひとりごとです。

 (ひとりなのに会話?イヤ,所詮,人間は二重どころか多重人格なんです。)

 何?ヒトのためだって?

 自分の世話もできないヤツに他人(ヒト)の世話ができるかよ?

 イヤ,自分の世話も満足にできないからこそ,敢えて他人の世話をすることによって結果的に自分の世話にもなる。

 ん?情けは他人(ヒト)のためならずか?

 イヤ,唯物論,弁証法だよ。。どこかの宗教団体ではないけど人間革命だよ。

 自分のうちにこもって閉じてしまえばいつまで経っても循環するだけで何も変わらない。でも他者に働きかけることで自分も他者も同時に変わるんだ。

 他者というのが社会というか環境であり,自分の心の中の発想が原因という唯心的側面も否定できないけど,むしろ自分のまわりのモノが原因で内面も変わるというのが,ひとつの唯物論,

 つまりモノゴトには必ず原因があるという科学的な考え方なんだよ。

 "存在が意識を規定する"だね。マルクスかぁ。古い。。

 いや,ユングやフロイトに始まる精神分析を含む近代心理学,心理学だから観念論じゃないの?というのじゃなくて,精神分析学がまさに心理の原因を環境に求める典型的な唯物論だよね。

 たとえ心理面の話でもモノゴトが起こるには必ず原因,理由があるということだと思う。

 だからって何でもかんでも責任を社会のせいにしてはイケナイと思うなぁ。同じ環境でも人によって受ける影響は違うから結果の行動も違うだろ?

 そりゃ,人間には個性,個人差があるし,元々生物には生まれながらの個体差があるからね。

 でも,そうした遺伝子,DNAの違いまでも環境に含めてしまえば,やはり唯物論だと思うね。

 イヤ,別に右とか左とか,ナントカ論,ナントカ論と分類する必要なんかないんじゃないの。。分別臭いね,フフフ。。

 ところで,存在が意識を規定するという話の続きだけど,トロツキーの永久(永続)革命論だったか?権力を握れば必ず腐敗するから,できた権力をまた政治革命によって打倒する。。。延々と続くんだっけ。。。

 うん。確かマルクスの「各人の能力に応じて働き必要に応じて与えられる」という理想社会は,労働の代価として賃金を貰うという私有財産制などに不幸の原因があるという発想だった。

 そこで,矛盾から本質的に解放され,野の鳥たちのエサを求めて往き来するだけのように解放されるには,労働とお金を分離するしかないという理屈だったかなあ。。(←アッシジのフランチェスコかよ?)

 働けるヤツは働いて,働けないヤツはもらうだけ,もらうモノはそれぞれの個人が必要なだけをもらって,別に働いたかどうかには関係ない。

 余暇で絵を描いたり,歌や楽器をやったりスポーツをやる小説詩を書くなど,別にプロで料金を取るとかじゃなくお互い楽しければいいという感じ。。

 誰しもヤリタイことはあるだろうし,報酬もらえないからといって好きなコトをやるのだから意欲が失せるというコトもない。

 (もっとも鳥には厳しい自然があって天敵もいるけれど。それにお金持ちになるのが夢で,それが好きで一番楽しいコトだっていうのじゃチト困る。)

 でも,今の震災時のボランテイアじゃないけど何の報酬もなく年がら年中無償で働くなんて人間の本性であるエゴを否定してしまうようで無理でしょ?

 だからこそ,人間革命つまり人間がやさしくなるように変わる必要があり,そのためにはまわりに働きかける必要がある。

 そしてまさに私有財産制の社会を変えて理想社会へと向かう社会革命の運動をすれば一石二鳥というわけだった。

 しかし,既得権として財産や権力を握っている人々がそれらを黙って手放すはずはない。

 だから,やむを得ないから,財産を持ってないその他大勢が,みんなで義賊ねずみ小僧じゃない,理不尽だが,ドロボウ,略奪,強盗をやって無理やり持ってる側から奪って持ってない側に平等分配しようと過渡期の政治革命をやる,

,(無血が理想だが必要なら過渡期の手段として暴力もやむを得ない。目的が正しい理想なら手段を選ばずという哲学ですが(←必ずしも賛成ではない))

 それから社会革命,人間革命という順序に進むんだと,私が70年安保の学生運動当時に聞いたり学んだりした話はそうだった。

 でも私自身は今は家もクルマも持ってないけどそれらが欲しい気持ちはあるし,指輪宝石などのアクセサリーの趣味はないけど,昔は高級オーディオを買い集めるという趣味もあった。

 理想だか何だか知らないが,今は微々たるモノでも愛着のある私有財産は手放したくない。というのが本音だね。

 まあ,それこそ資本主義に毒されて物神崇拝をするよう心が腐敗してるんだから私自身も人間革命をしなさいということなのかも知れないが。。

 ボランティアもそれなりに楽しいかもしれないけど,せめてキテイちゃんグッズの収集くらいやらなくちゃね。。。  チャンチャン

※人が幸せになるように社会が変わるだけじゃなく,それによって人も変わっていく。理想は止まってるのじゃなくて互いに永久に変わり続ける。。

 無常だ。あはれなモノだなあ。。。

PS:俺は何の環境も関係ない。元は貧乏だったが,後ろ指さされるようなこともせず真面目に努力して,自分の一代で今の財産と地位を築いたんだ。

 それをタダで盗られたりするいわれなど絶対にない。

 てめえが貧乏なのも病気なのも,ほとんどてめえのせいで自業自得なんだよ。ヒトのせいにするんじゃねえ。。

 何?義賊~~?革命?ドロボーはドロボーに違いないだろ。。

 封建時代の専制国家じゃあるまいし,今の日本じゃ暴力使って政治革命など志向するなんて単に犯罪を犯そうとしてるだけなんだよ。。。 

 イヤ~~,偶然,今の時代にこの日本で生まれ,五体満足でちゃんと親がいて今まで大病もなかったなら,それさえも立派な環境なんですよ。。。

 どこかの国では,逆らうととてもコワい将軍サマがいて,孤児で凍傷で足の指が何本か取れて,這いながら移動し飢えと,暑さ寒さを何とか凌いでやっと生きている子供たちがいるらしいです。

 まあ,あなたなら偶然そうした環境に生を受けても同じ地位や富を築けたかもしれませんが,私ごとき凡人であれば人並みの夢を持つにはある程度の余裕が必要です。

 "衣食足りて礼節を知る。"というのでしょうか。。。

 何だ?仮定の話をするなよ。。

 イヤごもっともです。。

 私は自分の遺伝子も含めた環境の中でせいいっぱい生きたのであれば,今の世で成功?したヒトの人生も,失敗?したヒトの人生も等しく評価したいと思っているだけです。

 ↑またキレイゴトかよ。。。

PS:学生の頃の友人には,どこで仕入れてきたのか?通時的個的生命体と共時的個的生命体とか言ってるヒトがいました。(H君といいました。)

 要するに世界中の人間あるいは生物が地球全体として1つの生き物であり,個々人はその細胞に過ぎないというか。。

 共時的とは時刻が一定の空間で見た生命体で,通時的とは空間の1点で見た全時刻的な生命体だそうです。

 やたら定義する(概念規定する)のが好きで,例えばオトコは男性性器保有者であり,オンナは女性性器所有者であるとか,イチイチ,措定するとか云々。。。

 ついていけませんでしたね。しかし,ある種カミヒトエ的でした。。。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年6月 | トップページ | 2011年8月 »