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2011年8月

2011年8月29日 (月)

今日は死んでました。(社団戦3日目の翌日)

 28(日),29(月)と8月最後の休日を取り,28日は将棋の東京都社会人団体リーグ戦に参加してきました。

 前回まではチームが2勝2敗,4勝0敗で計6勝2敗私も2勝1敗,3勝1敗の計5勝2敗と好調でしたが今回はチーム,私ともに1勝3敗でチームは7勝5敗,私は6勝5敗となりました。まだ勝ち越してはいます。

 今回チームの将棋チェスネット1,2が当番だったので朝9時までに会場に行って1部から5部までの机,椅子,盤,駒,対局時計を用意しなければならなかったのですが8時過ぎに出かけて浜松町(竹芝桟橋)の会場に着いたのは9時25分で開始準備の手伝いはあまりできませんでした。

 終了後の片付けの手伝いは重い机以外については少しお手伝いできました。チームは回4戦全勝のポイントゲッターが不参加で1名足りず相手7人に自チーム6人で最初から1不戦敗なので勝つためには最低4勝2敗必要という不利な戦いでした。

 実際,最後の「いーすと海賊(東海大OB?)」には3勝3敗でしたが4対3の負けで唯一2戦目の「LPSA月組」だけ私も勝って4勝2敗で4対3勝ちでした。

 このチームには元女流プロで昔のアイドルの「ナッちゃん」こと藤森奈津子さん旧姓では中瀬奈津子さんが相手の4将として特別参加されました。

 私は5将だったので隣の山田さんがうらやましくてチラチラ見てましたが,やはり彼が敗れたようです。でもいい記念になったでしょうね。

 現時点でチーム「将棋チェスネット2」は5部の16チーム中で5位です。4位までが4部昇級なのでこの後頑張れば昇級可能な位置にいます。

 一軍の「将棋チェスネット1」は前回まで4勝4敗でしたが,7名そろって4勝0敗と好調で3部残留は大丈夫そうです。

 将棋チェスネットは,私が別にサブマネージャーをやってるfolomyの「物理フォーラム」などと同様,今はニフティとは無関係ですが,旧パソコン通信ニフティサーブの「将棋フォーラム」から,一部残った有志が継承しているものです。

 私はパソコン通信時代に,それらのフォーラムに属していたので,現在も継続しているだけですから,めったに会わない人ばかりですが長い人は20年くらいの付き合いで,会社員時代からや飲み屋での友人知己より長いです。

 1990年初期のパソコン通信の当時はまだパソコンはOSがMS-DOS中心で,MACもありましたが,まだパソコン通信のようなネットを積極的にやるのはマイナーな文化でしたが,今のWindowsやインターネットが中心になった時代でも,当時のネットつながりは細々ですが連綿と続いています。

 さて,社団戦会場には蛸島初代女流名人がおられて,自分が扇子に書いた文字の墨を別の扇子であおいで乾かしてるところに出会い目が会ったので,「こんにちは」と挨拶しました。

 昼食後の時間にはデジカメで写真を撮らせていただきました。次回にでもお会いしたら写真を渡すつもりでます。

 負け越したせいもあって疲れ,当番だったので,いつもより遅く17時半ころに終わりました。

 18時半から巣鴨1丁目の喫茶店で70歳前くらいの知り合いの男性と会う約束があったので,都営大江戸線の大門駅付近で他のメンバーと別れました。

 大門駅から都庁駅経由して春日駅まで行き,都営三田戦に乗換えて巣鴨に着いたのが18時20分で約束には間に合いました。

 そこで1時間半ほど話をしてコーヒーと夕食をおごってもらい,20時頃に別れてからはその喫茶店から50mくらい離れた,同じ巣鴨一番街通りの日曜日だけやってるいつものスナックで楽しくやりました。

 どうも,いつもと違って体も頭も疲れていて23時頃には眠くなり,帰ろうと思っていたところでした。

 そこへ,昔の心臓病で退職する前の会社の仕事仲間で先輩1名後輩2名のめったに会えない友人酔っ払い3名が私のいることを知っていて乱入し,店のボックスに移って乱暴な会話や歌が始まり,結局閉店の1時半頃までいました。

 どうも66歳?の先輩Uさんがとうとう仕事を引退するということで,もっと大勢の仲間たちと送別会をやった後らしいです。

 しかし,3名のうち1名は新宿ですが他は川口と行徳ですから全員で私のところに泊まると言い出し,汚いところだし1Kなのですが,たまたま29日も休みだし朝までならいいよと述べたのですが,新宿のMさんがせっかく久しぶりなのだから朝までやってる店で,まだ飲みたいと言い出しました。

 しかし,川口から来ていて会社を引退したばかりの先輩Uさんがもう眠いというので,ソファで寝ることも可能で,朝5時までやっている駅前の「カラオケ館」に行こうということになりました。

 でも,結局4時前には私以外の全員が寝てしまっていました。

 朝5時に,私がたたき起こして巣鴨駅で別れましたが,帰宅は5時半で,今日昼ごろ目覚めました。

 いや,4年も前に辞めた私を,今も懐かしがってときどき遠くから励ましに来てくれるのは,とても有難いことだけれど,イツモ最後は私が疲れてしまいます。

 今日は起きた後も疲れていて動く気にもなれず,ベッド上で民主党の代表選挙などのTVを横目で見ながら死んでいました。

 やっと夜になって軽く食事とった後,元気を取り戻してこれを書いてます今日も休みでよかったです。

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2011年8月25日 (木)

東電OL殺人事件(続き)

 7/21日に,1997年の東電OL殺人事件の犯人とされて服役中のネパール人が冤罪濃厚である,という話を記事に書きました

(2011年7/21のブログ記事「東電OL殺人事件,冤罪か?」)

 一昨日,たまたま巣鴨駅前店頭で下記の文庫本(ノンフィクション)を見つけ買って読んでます。

           

 最近は,この種の本は大体ブックオフで古書を買い,めったに新本は買いませんが興味が大ありなので衝動買いして,昨日眼科待合室ではずっと読んでいました。

 まだ,1/3程度の読了です。この新潮文庫の佐野真一氏の序文で,被害者の東電OLの行動分析に関係して紹介されていた坂口安吾の「堕落論」は,

まさに私の以前のブログ開始の頃の2006年3月24日の記事「インモラルと人間の解放」に通じるところがあります。

 私の記事の方は,恐らく現代人が知らず知らずに感化されてきている西洋近代哲学のニーチェ,ショーペンハウアーetc.の思想や,日本人特有のわび,さび,そして親鸞etcの宗教思想に加えて,構造主義的なマルクスやライヒなど色々とゴチャ混ぜの多様化したイデオロギーの総合(or 模倣?)として頭に刷り込まれたものでしょうが。。

 既に,昔の太宰治の「人間失格」と似た安吾の「堕落論」にも類似していて,これのパクリのような内容になっているとも感じます。

 最も安吾における"人間の堕落"が私における"人間の解放"に等しいという意味では,上下の価値評価は逆転してるようです。         

 ところで,その後,肝心の再審etc.はどうなってるのでしょうか?こういうものは世間は忘れてしまい,手続きは遅々として進まないのが常ですが。。。

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2011年8月22日 (月)

竹脇無我さん。逝く。 訃報:高城淳一さん。

 俳優の竹脇無我さんが亡くなられたそうです。

 67歳。。小脳出血ということです。

 http://www.asahi.com/showbiz/news_entertainment/TKY201108220234.html

    

 私は,昔森繁久弥と親子を演じていた,「だいこんの花」を当時家族一同で毎回見ていましたが,まだガキで内容の機微はよくわかりませんでした。

 それから加藤剛が主役の「大岡越前」で,奉行の親友の医師の伊織役など演じておられ,色々と印象に残っていますが,声を荒げることのないクールな2枚目役ばかりでした。

 うつ病になったと聞きましたが,2枚目役は本当の姿だったのでしょうか?

        ご冥福を祈ります。合掌!!

 追加記事で申し訳ないのですが,俳優の高城淳一さんも8月19日に亡くなられたそうです。86歳,肺ガンでした。

  関連ニュース → 

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/movie/523684/

       

 自分ちに初めてテレビが来た小学生の頃にNHKの「事件記者」で,ガンさん(山田吾一)をどなりつけていたキャップ役として印象的でした。

 私は,その頃は名前も覚えていませんでしたが,かなり昔に京王線?のホームでチラッと見かけたことがありました。

 時代劇の悪役もたくさんなされてましたね。

        ご冥福を祈ります。合掌!!

PS:今,23日の夜です。訃報ばかり追加じゃなく楽しいことも。。。

 テレビで久しぶりに大好きな"misono"を見ました。。

 とても元気そうでした。。。

 ↓ルックスも歌唱力も抜群で,"下品チックな"キャラもいいです。。

 番組は「ロンドン・ハーツ」でした。

 それに出演していた"杉田かおる"(私の中では今もチー坊のまま)も相変わらず最高です。

 今日,24日(水)は休みを取って1ヶ月ぶりに帝京大病院眼科で右目の検査です。まだ右目をつむって左目だけになる癖がありますね。

 しかし,連日飲みに行って何故か異常なくらいに楽しいことばかりです。

 こんなに楽しければ,命が危ないじゃないか??。。。。

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リビアの夜明けは近い!!(首都トリポリ陥落)

 日本のマスメディアは関心ないのか?

 いよいよ,リビア大多数の反体制派によりカダフィ大佐の本拠地が占拠されたらしいです。 http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2821545/7664389

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水素様原子の微細構造(補遺1)

「水素様原子の微細構造(4)」からの続きです。

  

Darwin項やZitterbewegung等の用語の意味の説明,そして,

Lamb-shiftのより詳細な計算プロセスその計算値の実験値

との比較など,色々と調べながら書くつもりで,Pendingにし

ていました。

 

しかし,余りにもPending期間が長すぎるし,これらのことの

追加実行が容易ではないとわかったので,改めて補遺として

別記事で追加します。

  

まずは,(谷)-Foldy-Wouthuysen変換からです。

  

前に述べたように,水素様原子内の電子に対する相対論的

Dirac方程式:μ(i∂μ-eAμ)-m}Ψ=0 ,

ただしeAμ=(V,0)は,

 

古典的なSchrodingerの形では,i(∂Ψ/∂t)=H^Ψ,

ただし,H^=αp^+βm+V(r)と書くことができます。

  

ここで,γ0=γ0=βでγk=βαkです。

 

そして,β2k)2=1なのでαk=βγkです。

  

特に時間tを含まない定常状態の方程式は,

H^Ψ={αp^+βm+V(r)}Ψ=EΨです。

  

こうした方程式における1電子のポテンシャルによる

相互作用項を,より容易に非相対論的に解釈できる形に

表わすことを考えます。

 

すなわち,4成分spinor:ΨをΨ≡t(ψ,χ)として,この4成分

spinor:Ψを解とするDirac方程式が,2成分ψ,χを独立な解

に持つ方程式に分割されるような正準変換を考察します。

  

非相対論的ケースには,4成分Ψのうちで,正エネルギー部分

の上2成分ψが支配的となり,負エネルギー部分の下2成分χ

は微小になります。

 

そこで,このときの大成分ψを小成分χとmixして結合させる

行列αのような,あらゆる演算子を方程式から除去するユニ

タリ変換(unitary transformation):UF^を探します。

 

この変換は,波動関数(状態):Ψに対しては,

Ψ'=UF^Ψ ⇔ Ψ=UF-^1Ψ'であり,線形演算子UF^は,

F-^1=UF^を満たします。

 

このUF^は,時間tには依存しない演算子と考えられますから,

波動方程式:i(∂Ψ/∂t)=H^ψは,変換後のプライム(prime)

系では,

 

F^-1i(∂Ψ'/∂t)=H^UF^-1Ψ' or

i(∂Ψ'/∂t)=(UF^HUF^-1)Ψ'

 

となります。

 

そして,UF^≡exp(iS^)と書けば,S^はHermite演算子:

S^=S^です。

 

すると,Ψ'=exp(iS^)Ψであり,方程式:

i(∂Ψ'/∂t)=(UF^H^UF^-1)Ψ'は,

i(∂Ψ'/∂t)=exp(iS^)H^exp(-iS^)Ψ'

を意味します。

 

そこで,H^の変換をH'^≡UF^H^UF^-1

exp(iS^)^exp(-iS^)で定義すれば,

 

プライム系の波動方程式は,i(∂Ψ'/∂t)=H'^Ψ'

となって,形の上では元のそれ:i(∂Ψ/∂t)=H^Ψ

と同じになります。

 

※これが謂わゆる共変性(covariance=理論の不変性)です。

  

以下,便宜上,αのように大成分を小成分をmixさせる作用素を

奇演算子(odd)と呼び,単位行列やβ,4成分スピンσのように

大成分と小成分をmixさせない作用素を偶演算子(even)と呼ぶ

ことにします。

  

こうすると,ユニタリ変換後のH'^=exp(iS^)exp(-iS^)は,

S^をうまく選択することで奇演算子を含まないようにできます。

 

自由粒子なら,H^=α^+βmであり,{α,β}=0 です。

 

よって,今の問題は2成分のスピン部分のみから成るHamiltonian

である^≡σxx+σzzを2成分の偶演算子である1とσzのみを

含む形にするユニタリ変換:Uを見出す問題に全く類似しています。

 

そして,そうした2成分変換は単にy軸のまわりの回転です。

 

こうした回転演算子は既知で,exp{(i/2)σyθ0}={(i/2)σzσxθ0}

で与えられます。

 

ただし,θ0はtanθ0≡Bx/Bzで定義される角度です。  

 

(注1):spinをとすると,σ/2=(1/2)(σx,σ,σz)

 です。

 

そして,≡(x,0,Bz)とすると, ^σxx+σzzσですが,

3次元の空間ベクトルはy軸に垂直なxz面上にあり,がz軸

となす角度はtanθ0≡Bx/Bzで与えられるθ0です。

 

そこで,U^≡exp(isyθ0)=exp{(i/2)σyθ0}とおけば,

U^=Σn=0(1/n!)(iθ0/2)nσyn

=Σk=0{1/(2k)!}(-1)k0/2)2k

+iΣk=0{1/(2k+1)!}(-1)k0/2)2k+1σy

です。

 

つまり,U^=exp{(i/2)σyθ0}=cos(θ0/2)+sin(θ0/2)σy

です。

 

一方,U^-1=exp{(-i/2)σyθ0yθ0}

=cos(θ0/2)-sin(θ0/2)σy=U^です。

 

したがって,

 

U^^U^-1={cos(θ0/2)+sin(θ0/2)σy}(σxx+σzz)

{cos(θ0/2)-sin(θ0/2)σy}

=σxxcosθ0(1-Bztanθ0/Bx)+σzzcosθ0(1+Bztanθ0/Bx)

={(Bx2+Bz2)/Bz}cosθ0σz=±(Bx2+Bz2)1/2σz 

を得ます。

 

(tanθ0=Bx/Bzより,cos2θ0=Bz2/(Bx2+Bz2) です。)

 

 あるいは,単に,exp{(i/2)σyθ0}(σ)exp{(-i/2)σyθ0}

 =[exp{(i/2)σyθ0}σexp{(-i/2)σyθ0}]ですが,

これはxz平面のx軸,z軸をy軸のまわりにθ0だけ回転

 させるとベクトルが新しいz軸に重なるという幾何学的

 解釈から自明です。

  

新しい軸に対する同じベクトルの成分(=実は単なるラベル)

=(Bx',By',Bz')と書くと,=(0,0,Bz')です。

 

ゼロでない唯一の成分Bz'は,ベクトルの長さを||とすると,

z'=±||=±(Bx2+Bz2)1/2で与えられます。(注1終わり)※

 

 さて,この2成分での変換は今問題としている4成分のケース

 で試しに採用してみるべき適切な演算子UF^が次の形であろう

 ことを示唆します。

 

すなわち,UF^=exp(iS^)=exp{βαp^θ(^)}

=cos{||θ(^)}+(βαp^/|^|)sin{|^|θ(^)}

です。

 

(注2):4成分のHamiltonian:H^=αp^+βm+V(r)の

奇演算子部分は,Hodd^=αp^です。

 

このHodd^=αp^2成分の^σxx+σzzσ

と比較してアナロジーを考えます。

 

すると,ασ^がに対応することがわかります。

  

そこで,2成分の変換:U^=exp{(i/2)σyθ0}

=exp{(i/2)σBθ0/||}において,それぞれ^に,

(i/2)θ0/||をβθに置き換えて,UF^=exp(βαpθ)

なる形が予想されます。

 

α)=αβ=αβ=-βαなので,βαは数ならiと同じ

純虚数に相当する反Hermite演算子です。

 

しかも,Bjorkenテキストでの表示では,4×4行列βαは,

2×2細胞成分がα)12=-α)21σ以外,全てゼロ

の反対角細胞行列です。

 

故に,βαp^が(βαp^)12=-αp^)21σp^以外,全て

ゼロの反対角細胞行列ですから,Ψ[ψ,χ]なら,

exp(βαp^θ)t[ψ,χ]=[exp(σp^θ)χ,-exp(σp^θ)ψ]

です。

   

そして,級数展開すると,exp(βαp^θ)

=Σn=0(1/n!){β(α11^+α22^+α33^)θ}

です。

 

ところが,{β(α11^+α22^+α33^)}2

={β(α11^+α22^+α33^)}{β(α11^+α22^+α33^)}

=-|^|2です。

  

故に,Σn=0(1/n!){β(α11^+α22^+α33^)θ}

=Σk=0{1/(2k)!}(-1)k(|^|θ)2k

+Σk=0{1/(2k+1)!}(-1)k(|^|θ)2k+1αp^)/|^|です。

 

よって,exp(βαpθ)=cos(|^|θ)

+(βαp^/|^|)sin(||θ)を得ます。(注2終わり)※ ^

 

この選択では,自由粒子のH^=αp^+βm,

 

H'^=F^H^UF^-1[cos{|^|θ(^)}

+(βαp^/|^|)sin{|^|θ(^)}]

×(αp+βm)[cos{||θ()}

-(βαp/||)sin{||θ()}]

 

に変換されます。

 

以下,計算の便宜上θ(^)をθと略記します。

  

{α,β}=αβ+βα=0 より,βαp^β=-ββαp^=-αp^,

(βαp^)(αp^)=-(αp^)(βαp^),

 

そして,(αp^)2=αiijj^

=(1/2){αij}i^pj^=δiji^pj^=^2

です。

  

そこで,H'^=(αp^+βm)[cos2(|^|θ)

+(βαp^/|^|)2sin2(||θ)}

-2(βαp^/|^|)cos(|^|θ)sin(|^|θ)}]

(αp^+βm))[cos(|^|θ)

-(βαp^/|^|)sin(|^|θ)}2

です。

  

故に,H'^=(αp^+βm){cos2(|^|θ)

-sin2(|^|θ)-(βαp^/|^|)sin(2|^|θ)}

(αp^+βm){cos(2|^|θ)-2βαp^/|^|sin(2|^|θ)}

(αp^+βm)cos(2|^|θ)+(β|^|)sin(2|^|θ)

-(m/|^|)(αp^)sin(2|^|θ)です。

  

結局,H'^=(αp^){cos(2|^|θ)

-(m/|^|)sin(2|^|θ)}

+β{mcos(2|^|θ)+(m/|^|)sin(2|^|θ)}

を得ます。

  

したがって,tan(2|^|θ)=|^|/mとなるようにθ=θ(^)

を選べば,H'^=βm cos(2|^|θ){1+(|^|/m)2}

=β(m2^2)1/2となります。

  

この新しいHamiltonian:H'^=β(m2^2)1/2は,ルートを含む

無理式で非局所的(相対論の因果律に反する形)です。

 

それ故,初期の考察では排斥された形ですが,今度はΨが4成分の

波動関数とされていて,負エネルギーをも受容する重要な変化を

伴っているために排斥されません。

 

(※例えば,2006年8/8の過去記事

負エネルギー解と相対論的因果律」を参照してください。※)

 

(つづく)

   

参考文献:J.D.Bjorken & S.D.Drell "Relativistic Quantum Mechanics"(McGraw-Hill)

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酔っ払っちゃった。。

 また酔っ払って帰ってきました。

 ちょっと寂しいナ。。。

 私は女と男六対四で全人類と犬類,猫類。みんな愛してるのに。。。

 犬類や猫類はときどきは愛してくれるのに,人類は誰も愛してくれない。

 そうか。。顔も心も醜くて誰にも似てないからなのかなあ。。。

PS:ありゃ。。↑酔った勢いで変なことを書いてる。

 確か日曜の21時半頃から月曜夜中1時半頃まで飲んで歩いて帰宅は2時前で,これを書いてすぐにベッドで寝てしまい,いま朝7時半に目覚めたのでした。

 あまりに変だと翌朝編集したり削除するのですが,このくらいだと,ま,いっか。

 確かにあれば金は払うのですが,いまや飲み屋というより家族のような雰囲気になってますね。

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2011年8月18日 (木)

盆休み(近況)

 人並みにお盆期間はゆったりしています。15日に2ヶ月ぶりの年金も入ったので少しは羽根を伸ばしていてブログも滞りがちです。それだけが理由ではなくクソ暑くてやる気が起きないこともあります。

PS::最近は一時的でもハングリーでなくなり飲みに行けるとかの余裕があって別の誘惑があるとすぐブログのモチベーションが減退するようです。

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2011年8月14日 (日)

久しぶりの雑感

 落ち着いた気分になってきたし少しは私の本分たるものをやりたいと思いますが食べなきゃ生きていけないし,入院でもしなければ無用な五欲が邪魔をしてどうしようもないですね。

 神が生物として種族を永らえるためにと賦与されたものですが何か悟性的ことを為さんとする際には煩わしいことこの上ないです。

 五欲というのは食欲,性欲,睡眠欲,排泄欲,いや排泄欲は食欲や性欲に入るんだっけ,後はこれにつながる人間特有の金銭欲とか名誉欲でしたか?

 それなら,私が思っている煩わしいというのは五欲ではなくて,三欲か四欲と言うべきでした。

 私の本分は恐らく後者の財欲や名誉欲に属するものでしょうから,言ってることが矛盾しますから。。

 しかし,煩わしいことこの上ないのですが,これがまた快楽の源でもあるし,そして,精神的不幸=悩みの源泉でもあるわけです。

 欲(=三欲?)があるからこそ,生物,人間。。。これを捨てて生きても全然幸せではないです。自己満足をしても種族保存の本能が満たされないなら幸福感も半分です。

 私にとって生きてるのは他人の幸福に寄与することで得る満足感も含め,自分が幸福感を味わうためです。悟って仙人のようになり神に近づくことが生きる目的ではありません。(まあ,それも一種の幸福感ですが。。)

 今頃になって,まるで悟ったように(イヤ逆かな?)これに気付きつつあるのですが,時は既に遅過ぎました。

 感性が鈍化して欲による快楽にも苦痛にも鈍感なってしまった今,やっと,気付いてるのですから。。。。

 例えば私の片親は90歳にして,まだ健在ですが,昔から「孝行したいときには親はなし。」とか言われます。感性も,その存在の重さ,有難さはそれが無くなって初めて感じるものなのでしょうね。

 快楽のみを懐かしがって苦痛の方を忘れているから,近頃偉そうに,「悩みがあるからこそ人間」などと言ってますが,悟りとは「苦痛を昇華できる能力=鈍感さ」の獲得です。

 それは,生物としての輝き,若さを失って得るもの,そんな能力欲しくないです。

 ↓仏現寺(本文とは無関係の気まぐれです。)

  仏現寺

PS:彼岸には天国,あるいは極楽浄土があるからと「現世は捨てて今はただ念仏を唱えろ」とか,「信じるものは救われる」とか西洋中世や日本の昔のほとんどの宗教は現世での救いは捨てて来世での幸福を求めているようで厭世的に見えます。

 それは現世の生活があまりにも苦痛でしかもそれを避けるスベがなかった時代,それを乗り切るためには来世を夢見るしかない。,それが現世での処世術だったからです。

 それを,心から本当に信じた者は当面の苦しみを忘れて救われる,という意味であったろうし,必ずしも宗教の布教者自身も来世を信じてなかったかも。。

 と思います。

 もっとも為政者にとっては暴動,一揆は起こさず,例えば日蓮のように大声で辻説法などすることもなく,ひたすら黙って我慢してくれる宗教であればあるほど都合のいいものであったでしょうが。。

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2011年8月12日 (金)

日吉ミミさんも死去!!

 「こいびーーとにフラれーたの よくある話じゃないかー。。」

 どことなくデカダンスで鼻にかかった独特な声が印象的な「男と女のお話」の歌手:日吉ミミさんが8月10日に亡くなられたらしいです。

 64歳,すい臓ガンでした。

 読売ニュース→ http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20110811-OYT1T00876.htm?from=main5

 1947年7月生まれですから1950年2月生まれの私とは2学年しか違わない。。子供の頃私が金魚のフンのようについて歩いていた2番目の兄が1947年12月生まれですから,ほぼ同年代だったのですね。いや,もっと上かと思ってました。

 「男と女のお話」若い頃の映像です。↓私がカラオケで唄うのはこれよりも「ざんげの値打ちもない」の方が多いですが。。。

 ん?北原ミレイ?日吉ミミも唄ってたんじゃないの?

 

 すい臓ガンといえば,私より一回り以上も下で,見た目は元気だった友人のKさんが,今年5月くらいにすい臓ガンになり手術ですい臓を切り取って,90キロ台の体が70キロくらいに痩せました。

 糖尿病ではないのにインシュリンが出なくなったので注射が必要とか言ってましたね。

 早期なら命を落とすことないはずですが,日吉ミミさんのケースは手遅れだったのでしょうか?

 Kクンは既に大きな交通事故で肋骨が粉砕されて肺に刺さり,病院のベッドで気が付くまで10日以上もかかって,手術で一命を取り止めましたが,肋骨は全て金属に変わっていて,恐らくこの事故のせいでパニック障害にもなっていると思います。

 私も一応障害者ですが,今毎日通ってるところは障害者が職に付くための訓練などしている社会福祉法人です。

 大腸が全部と小腸が9割無く20回以上も手術した,という難病の I さんとか,25年くらい前の事故で足も悪くときどき記憶が途切れるOさんとか,まだ,信じられないような体験をされた方々が大勢います。

 彼らも私より一回りくらい下で,今ではときどきは本当は冗談ではないようなブラックジョークを言い合う,とても親しい仲になっています。

 本人たちが普通の人と同じように仕事に着きたいという希望を持つ気持ちもわかりますが,私は個人的には彼らは生活の糧を得るための仕事なんかせず,悠々自適な生活ができるほどの保障や福祉を受けて然るべき方々ではないかと思います。

 日本にはそれくらいの余力はあるだろうと感じています。

 普通に暮らしてると出遭うこともないような種類の病気や大事故に遭った方々,そして,やはり普通に暮らしてると知己になることもないだろう私とは全く違う出自,世界の方々と仲間になれることは,仕事も地位も全く関係ない巷の飲み屋での付き合いと同じく,私にはとても貴重な一期一会です。

 まだまだ,人生は楽しいです。

 他人を全く受け付けず,世界が自分一人で閉じているようなら何のコミュニケーションも無用ですが,私はコネクションを付けるためでなく純粋に人との出会いを楽しんでいます。

 そして,私がマゾであるという意味とは関係なく体が思うように動かないことも新体験ですし,病気,貧乏をも含め苦痛もまたカイカンです。。

 話は完全に脱線しましたが日吉ミミさんのご冥福を祈ります。

PS:そうそう,一応気が付かなっかた場合とよく知らない人は除き,有名どころの訃報は網羅しようと思ってましたが,後付ながら「人間の証明」主題歌のジョー山中さんも8月7日に亡くなりました。この方も64歳でした。

読売ニュース→ http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20110807-OYT1T00331.htm?from=popin

 

      

 

 最近,この年代の歌手は危ないのでしょうか?

PS:本日12日は日曜の代わりに取った休日なので単に寝てよう日にするつもりでしたが,

 先月つい定期通院をサボッて余っていた薬もなくなったので,19日の予定を1週間早め午前中の用を済ませた後,春日部での午後3時からの内科診察を受けに行き,先ほど18時半に無事帰宅しました。

 何と通院している医院は明日の13日から19日までが夏休みということで,いつも確かめもせず突然現場に行くという習性の私は19日に行ってガッカリするところでした。

 今回は運がよかったということなのでしょうね。

 というわけで19日には医者に行く必要がなくなりました。

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2011年8月11日 (木)

水素様原子の微細構造(4)(超微細構造)

「水素様原子の微細構造(3)」からの続きです。

  

異常な暑さとお盆の季節でもあり,夏休み気分で頭もふやけてシリアスな計算は滞りがちです。この記事は10日間も間が空きました。

  

 1947年にLamb-Rutherfordの水素原子の測定において,エネルギー

準位の微細構造では,2P1/2より2S1/2レベルの方が上にあるのでは?

いう従来からのの疑いが真であることが確認されたということの

続きです。

 

このシフト="同一のnとjでもlが異なるときには縮退を破ること

は,「量子電磁力学における輻射補正」シリーズ:

 

すなわち,"最低次のくりこみ"のシリーズで述べたように,

量子化された輻射場のゆらぎ,と電子の相互作用に由来する

Lamb-Shiftも関係しています。

  

現在では,エネルギー準位のこうした超微細分離は,非常に高い精度

で計算されて,よい一致が見られています。

  

 これら超微細構造の一部は,電子の磁気モーメントと陽子の相互作用

に起因しています。

 

 これは電子の角運動量と核の半奇数スピンから結合される可能な2つの

 全角運動量状態に対して,あらゆる縮退を2重に分離させる効果を有します。

  

 s状態(l=0)に対して,その効果を計算します。

  

 この目的のためには,非相対論的記述で十分です。

 

 相互作用形式は,Hint=-{e/(2m)}σB(e<0 は電子の電荷)

 で()={gP/(2MP)}(4πε0)-1

  ×(∫d3'ρ(')∇×(×∇)(1/|'|)です。

 

ただし,は陽子のスピン演算子です。

 

ρ()は陽子(原子核)を点粒子でなく構造を持つとした磁気

モーメント密度です。

 

これは∫d3ρ()=1と規格化されています。 

 

※(注4-1):静電磁場のベクトルポテンシャルを()とすると,

 定義によって()=∇×()です

 

 そして,()=(4πε0)-1∫d'{∇'×(')}/|'|

(4πε0)-1∫d'(')×∇'(1/|'|)

=-(4πε0)-1∫d'(')×∇(1/|'|)

です。

 

磁気能率密度:ρは∫d3ρ()=1と規格化されていて,

核磁気モ-メントは.

()={gP/(2MP)}∫d3{ρ()}

で与えられます。

 

また,Mは陽子質量です。

 

陽子の磁気回転比:gpは電子のそれgと同じオーダーであり,

他方,質量は,MP ~ 1840m(mは電子換算質量でm~m)なので,

p/(2Mp)<<g/(2m) です。

 

そこで,普通は核磁気は小さ過ぎて問題にしないのですが,

超微細レベルの評価では,それこそが問題なのです。

 

(注4-1終わり)※

 

 そして,∇×(×∇)=2-(∇)∇,および,波動関数の対称性

 から,∇ij=∂Ijを(1/3)δijに置き換えてよいので,

 ∇×(×∇)を,(2/3)2に同一視できます。

 

(注4-2):角運動量に依らないので,

 {∇×(×∇)}i=εijkjεklmlm

  =(δilδjm-δimδjl)∂jlm=∂jii-∂jji

  =Jijj-Jjji です。

 

 故に,∇×(×∇)=2-(∇)∇ です。

 

 そして,∂Ij(1/3)δij2より,(∇)∇=(1/3)∇2ですから,

 ∇×(×∇)=(2/3)2が成立します。(注4-2終わり)※

 

故に,

()

=(2/3)gPe/(2MP)(4πε0)-1∫d3'ρ(')2(1/|'|)

=-(2/3)gpeε0-1/(2Mp)ρ() 

と書けます。

 

これは,公式:∇2(1/|'|)=-4πδ3(')

が成立するからです。

 

したがって,この摂動によるエネルギー変化は,

 

ΔEn=<Ψn|Hintn>=-{e/(2m)}<Ψn|σBintn

(2/3)gP2ε0-1/(4mMP)(σJ)∫dΨn()ρ(n()

 

です。

 

 近似的には,ΔEn~(1/6)gp2ε0-1/(mMP)(σJ)|Ψn(0)|2

 =(1/2)mα[(4/3)(gp3α2/n3)(m/Mp)(σJ)]

 と書けます。

 

(注4-3):何故なら,

 非相対論では,水素様原子の電子の波動関数は,

 Bohr半径をa0≡1/(mα)として,

 

 ψnlm()=ψnlm(r,θ,φ)=Rnl(r)Ylm(θ,φ);

 

 Rnl(r)={2Z/(na0)}3/2{(n+l)!/(2l+1)}

 {(2n)!(n-l-1)!}-1/2(-)2l+1

  ×exp(-ρ/2)ργF(l+1-n,2l+2;ρ)

 と書けますから

 

n0(0)=2(mZα/n)3/2であり,またY00(0,φ)=(4π)-1/2です。

 

故に,ψn(0)=π-1/2(mZα/n)3/2なので,

 

n(0)|2 ~|ψn(0)|2=π-1(mZα/n)3 です。

 

そして,e2/(4πε0)=αですから上のΔEnの最終表現を得ます。

(注4-3終わり)※

 

 また,(σJ)]は,

 (σJ)=1/2,  (tripletのとき),

 (σJ)=-3/2 (singletのとき) です。 

 

(注4-4):S=1/2,J=1/2でJ+S=1,がtriplet(3重項),

  J-S=0 がsiglet(1重項)です。Pending※

  

 こうして,核磁気によるエネルギーの分離δnは,

 δn=(1/2)mα2(8/3)(gP3α2/n3)(m/MP)

 =(4/3)(3α4/n3)(gPm/MP)

  であることがわかります。

 

これを,先の相対論効果による微細構造:

ΔEnj=-mZ4α4/(2n3)[(j+1/2)-3/(4n)]と比較すると,

大体質量比(m/MP)だけ小さい値です。

 

 一方,Waltonは,電子の相互作用を非相対論的に扱って,

 電磁場の真空のゆらぎ(Vacuum-fluctuation)の相互作用

 を評価して,Lamb-Shiftの単純で定性的な記述を行ないま

 した。

 

すなわち,電磁場のnomal-mode(=展開項の単一振動数の波動成分)

の力学は,調和振動子の力学に等価なので,量子化された各modeは,

零点エネルギー:ω/2を獲得します。

 

その結果,外場のない場合でさえ電磁場のゆらぎが存在します。

 

平均の場の強さがゼロであるにもかかわらず,場の二乗平均値は

消えないで場と相互作用する二乗平均のゆらぎに導かれます。

 

そして,ここで評価すべきは水素原子における,こうしたゆらぎの

振幅(大きさ)です。

 

 Darwin項の源の論議で見たように,電子から見たCoulomb

 ポテンシャルが不鮮明になることから付加的相互作用

 ネルギー:(1/6)(δ)22Vの存在があります。(↓注4-5参照)

 

※(注4-5):(Darwin項の源) 

 相対論的Dirac方程式のFoldy-Wouthuysen変換における

 Darwin項は-{e/8m2}divですが,これはZitterbewegung

 (負エネルギー部分との相互作用運動)の効果です。

   

 電磁場のポテンシャルをV(r)とすると,そのゆらぎは.

 <δV>=<V(+δ)>-<V()>

 =<δ(∂V/∂)+i/2Σi,jδriδr)(∂2V/∂ri∂r))>

 ~ (1/6)(δ)22V ~ {1/6m2}∇2Vです。

  

 =-∇Vより,<δV>=-{1/6m2}divですから,

 これは係数の違いを除き,Darwin項:-{e/8m2}div

 を表わしています。

 

 (注4-5終わり)※

 

 それ故,これによる電子に対するエネルギーレベルの変化を

 Lamb=Shiftと同定してΔEn(Lamb)と書けば,

 

 (r)=-Zα/rで2(r)=4πZαδ3()なので,

 最低次では,

 

ΔEn(Lamb)=(1/6)<(δ)2>∫dΨn()∇2V(r)Ψn()

(2π/3)Zα<(δ)2>|Ψn(0)|2となります。

 

そして,<(δ)2>を評価するために,電子を1つの荷電粒子として

古典的非相対論的扱いをします。

 

 原子の中で平衡点0のまわりでの振動0に対する

 運動方程式は,d2)/dt2=e/mです。

 

 ただしはゆらぎ電場です。

 

 δを調和振動子の集まりにFourier展開すると,角振動数ωの

 Fourier振幅:δωに対しては,δω=-eω/(mω2)です。

(※2ωexp(-iωt)}/dt2=eωexp(-iωt)/m ※)

 

 よって,δωの平均二乗振幅は,

 <(δω)2>={e2/(m2ω4)}<ω2> です。

 

故に,このFourier成分δωを,ωとω+dωの間の

振幅の密度とすれば,<(δ)2>=∫<(δω)2>dω

=(e2/m2)∫dω<ω2>/ω4 です。

 

 一方,平均二乗場の強さを見るために,真空場のエネルギー

 を考えると,これは,hc=h/(2π)=1の自然単位で,

 (ε0/2)∫(22)d=Σλ=12Σkω/2 となります。

  

 Σλ=12のλの2つの値は横波の2成分を意味し,和Σkは対象となる

 系の大きな体積内のあらゆるモードに対応します。

  

対象となる系の体積を一辺Lの立方体の箱でモデル化すると,

体積はL3=∫dでΣk={L3/(2π)3}∫dです。

 

そして,自由電磁波ではε02ε02であり,

c=1の自然単位ではω=||なので,

<ε02>=(1/L302=2{1/(2π)3}∫d(ω/2)

={1/(2π2)}∫0ω3dω です。

 

他方,<2>=∫dω<ω2>ですから,上式から

ω2>=ω3/(2π2ε0)を得ます。

   

これを<ω)2>={e2/(m2ω4)}<ω2>に代入して,

結局,<(δ)2>=∫0dω<(δω)2

={e2/(2π2ε02)}∫0dω/ω

が得られます。

 

 この式では,電子の近似の扱いの粗さから,因子:

 ∫0dω/ωが,その積分域の両端で発散します。

 

 こうした事態は正確な水素様原子に局所化された電子の相対論的扱

 いでは生じない困難です。

 

 すなわち,Bohr半径 ~ 1/(mZα)よりも大きい波長λは効かない

 と考えられます。

 

 それは,この典型的な原子サイズに対応する誘導発振に対する

 振動数ω=2π/λは,ωmin ~ mZαの最小振動数を持つに違い

ないと考えられるからです。

 

 そしてまた電子の相対論的構造に由来するCompton波長1/m~

 の距離にある高振動数の限界もあります。

 

 このZitterbewegung振幅に対応する構造は揺動電子においては

 ωmax~mより大きい振動数が効かないであろうことを示唆して

 います。

 

 そこで∫dω/ω~∫ωminωmaxdω/ω~log{1/(Zα)}と

 近似すれば,真空場の振動の平均二乗振幅の式:

 <(δ)2>={e2/(2π2ε02)}∫dω/ωにより,

 )2> ~ {2α/(πm2)log{1/(Zα)}

 を得ます。

  

 これから,ΔEn(Lamb)=(2π/3)Zα<(δ)2>|Ψn(0)|2

 =(4/3)(Zα2/m2)log{1/(Zα)}|Ψn(0)|2

 ={8/(3π)}(Z4α3/n3)log{1/(Zα)}|(1/2)α2mδl0

 となります。

 

故に,Z=1,n=2,l=0 よりΔEn(Lamb)~ 1000mc/secです。

(mcはmega-cycle)

 

(※ΔEn(Lamb)~4.42×10-25J/sec, ΔEn(Lamb)/h=667mcです。)

 

これは水素原子の2S1/2レベルの観測されるシフトの大部分を説明

しています。

 

P状態(l=1)と,大きいlの状態に対しては原点における波動関数

がゼロなのでδl0因子がありますが,実際にはエネルギーのシフトは

厳密にゼロではないです。

 

しかし,波動関数のゼロ値のため,それらはS状態のシフトより

はるかに小さいです。

 

通常の微細構造との比較方法により,Zitterbewegung構造への

平均二乗ゆらぎ振幅の比:~ 1/m2に対応して,

 

Lamb-Shift項のDarwin項に対する比が,{Zα/(3π)}log{1/(Zα)}

で与えられることが,Hamiltonianを見返して理解されます。

  

量子電磁力学の輻射補正(14)(Lamb Shift)」では,

 

ΔEn {4α(Zα)4/(3πn3)}[log|m/(2E~)}+11/24-1/5]m;

(E~~(Zα)2m)と評価されました。

 

ただし,E~の実際の値はBetheによって計算され,水素原子(Z=1)

についてはE~~ 8.9α2mと見積もられました。

 

という内容のことを書きました。

 

上で別の方法で評価したΔEn(Lamb)

{4Z4α5/(3πn3)log{1/(Zα)}mは,正に

 ΔEn {4α(Zα)4/(3πn3)}[log|m/(2E~)}+11/24-1/5]m

の右辺第1項に一致しています。

 

またまた,Pending・・・

 

参考文献:J.D.Bjorken & S.D.Drell "Relativistic Quantum Mechanics"(McGraw-Hill),

 

岩波講座:現代物理学の基礎(第2版)3「量子力学Ⅰ」(岩波書店)

 

W.E.Lamb and R.C.Rutherford ”Fine Structure of the Hydrogen Atom by a Microwave Method”Phys.Rev.Vol.73,pp241-243

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2011年8月10日 (水)

イギリスで暴動!!ジャスミン革命はどうなった?

 イギリスで暴動。。警官が黒人を射殺したらしい。

 アングロ・サクソンかノルマンが引き起こしているのかと思いきや,黒人やヒスパニック系の低所得者や失業者が中心らしい。。

 まだまだ若者は熱い。。。

 現状を打開するにはとにかく造反有理か?

 好事魔多し,不利なときには戦線を拡大せよ。。。

 "妻を娶らば,。。。。。麗しく情けあり。。

 友を選ばば,。。。。。六分の侠気,四分の熱。。"

 つい昔の唄を思い出しちまった。。。

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2011年8月 9日 (火)

今日は長崎原爆祈念日です。

 8月6日の広島に続き,今日は長崎に原爆が落とされた日です。

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2011年8月 6日 (土)

世界報道写真展に行ってきました。

 今日は,6月中旬に「朝日新聞アスパラ(aspara)クラブ」に応募して当選した「世界報道写真展2011」に行ってきました。

 これは「恵比寿ガーデンプレイス」の中の「東京都写真美術館BF1階」で6/11から8/7まで開催されてるもので,明日の7日で終わりなので,あわてて行ってきたのでした。

(実はペアの招待券を頂いた後,私のように障害者手帳を持つ者とその付添い1名までは,頭に東京都と付く施設の入場料は基本的に無料であることに気付きました。

 そこで,頂いた入場券2枚は行けない場合も返さなくていいと書かれており,無駄にしたくなかったので知り合いに譲渡して私はタダで入場しました。

 地下1階のこの写真展だけでなく,他階での種々の催しも全て無料だったのですが,時間と体力がないので今日はこの1つだけを見てきました。)

 去年も同時期に同じアスパラクラブから「大哺乳類展(海のなかまたち)」への特別招待メールが来て,7/12に上野の国立科学博物館に行きました。(2010年7/12の記事「大哺乳類展に行ってきました」を参照。

 昨年は写真撮影自由でしたが今日のは撮影禁止のようでした。)

 去年も今年もペア招待だったのですが,去年は当日が雨でドタキャンされ,今年も何人か女性を誘ったのですが,入場券に載っている鼻の欠けた写真↓を見て気持ち悪い写真は見たくない,とかの理由で断られ,結局一人で行きました

         

 まあ,,事件の写真が主だったので,予想通り,銃撃で殺された死体,負傷者や地震などの災害での死屍累々とした遺体の山も,ありました。

 実際,私が観覧した真昼の零時40分から14時半頃にいた入場者は,ペアよりも一人の方が多かったし,男女別でも女性が6~7割でした。

 憐れ,残酷系の写真は,むしろ女性の方により免疫あるようですね。

 アフガンや中国のチベット,アフリカの貧困地帯やヨーロッパはボスニア・ヘルツェコビナのような紛争地域の悲惨な情況の写真が多かったです。

 ピュリツァー賞でも狙えそうなジャーナリストの写真は,身の危険を冒して撮った希少価値のある写真が主なので確かに憐れ,残酷系の写真が多いですが,私は飽食,宝飾日本人を恥じてる身なので,少なからず感動しました。

 ワールドカップなどのスポーツ写真,そしてオオハクチョウとか珍しい動物の写真もありましたが,そうしたオアシスはごく僅かで楽しかるべきデートには不向きの暗い写真ばかりでした。

 東日本大震災の朝日新聞記者写真のスライドショーもありました。

 ところで1977年から34年間も東京に住んでいながら,恵比寿駅で降りたのは恐らく初めてかもしれません。

 サッポロビ-ル(エビスビール?)の工場跡地がガーデンプレイスになったというのを聞いたことはあってもここを訪れたのはたぶん初めてです。

 タワー前のセンターホールでは被災地福島県須賀川市の物産のセールをやってました。

(※私と無関係な人物の顔も写ってて,黒線でマスクをかけようかとも考えましたが,私のブログはそれほど見てる人いないはずだし,このサイズでは誰か判別できないだろうと思って省略しました。)

      

      

 恵比寿駅東口にスカイ・ウォークという名前の出ていた,駅から恵比寿ガーデンプレイスへの長い動く歩道があることも今日まで知らなかったです。

 動く歩道そのものは40年以上も前の学生時代に既に存在していた大阪駅の阪急梅田でしょっちゅう乗っていたので珍しくないのですが,何故か恵比寿の歩道はスピードが遅くてやさしい乗り物と感じました。

PS:本日は馬喰町に移転した会社の休みを取ったのですが,15時前に美術館を出た後,つい日比谷線で恵比寿駅から小伝馬町駅まで行き,そこから会社までの経路を確かめました。

 まあ最初は珍しいので休日に行ってみたりと色々やってますが,来月には飽きて普通の生活に戻るでしょうネ。

PS2:今日から夏の甲子園です。そして広島原爆の日でした。

 本日「みずがめ座」は最悪の星占いが当たったのか?

 Pendingだった「水素様原子の微細構造(3)」の部分の手直しを,ついオンラインで朝5時前から4時間やって,それをアップしようとしたところ,

ブログ投稿の際のHTML変換エラーでフリーズ,修復できず,仕方なくあきらめて元に戻し4時間の作業が無駄になりました。

 やり直す気も起きません。チクショー。。。

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2011年8月 5日 (金)

訃報!マエタケ。。

 マエタケこと前田武彦さんが亡くなりました。最近は音沙汰なかったので,もう故人になられてたのかと思っていましたが,まだ健在だったのですね。82歳,肺炎ということです。

 http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110805/ent11080518110017-n1.htm

     

 放送作家のドンドンクジラ=塚田茂さんや,名物司会者タマオキ=玉置弘さんも物故しており,あとはキンキン=愛川欣也が残ってるくらいですか。。。

 放送作家から名物司会者へ「夜のヒットスタジオ」「巨泉・前武のゲバゲバ90分」など一世を風靡しました。。。

                           合掌!!

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うさぎドロップ(映画紹介)

 「うさぎドロップ」映画化 8/20ロードショー。。

 主演:松山ケンイチ,芦田愛菜 

 http://www.usagi-drop.com/#/video (公式サイト)

 「うさぎドロップ」は元は宇仁田ゆみによる人気漫画シリーズです。

 アニメシリーズ化されていますが↓,今回は実写版です。

 芦田まなちゃんには参りました。私も61歳,このくらいかもっと上の孫がいてもオカシくないですが,孫がいなくても,孫のような子供にはメロメロです。 

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2011年8月 4日 (木)

松田が死んだ。。他人事とは思えない。

 元サッカー日本代表の松田直樹さんが急性心筋梗塞の末に亡くなりました。まだ,34歳でした。。 http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/etc/news/20110804-OHT1T00165.htm

 いや,松田選手については代表で出ていた当時は少しは知ってましたが,あまり注目はしていませんでした。

 それよりも,私もこれほど急性ではないですが心筋梗塞を2回経験しているので他人事とは思えません。

 心臓は気温に敏感で私のような虚血性心疾患では温度が低過ぎても高過ぎても心臓の動きが弱くなります。

 ゼイタクなようでも私は節電温度の摂氏28度などではなくエアコンで快適な温度環境でないと寿命が縮むようです。

 しかも,心臓病の場合は,運動はリハビリになってるのか?それとも疲れた心筋への過重負担になってるのか?が微妙です。

 かつてジョギングは体にいいということでそれを提唱した本人(ジム・フィックス)が心筋梗塞で急死し,以後はややウォーキングの方が主流になったということを思い出しました。

 話は脱線しそうですが,松田さんの残念な若過ぎる死を悼みます。

   神々の愛でにし者は夭折す。。。

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2011年8月 1日 (月)

水素様原子の微細構造(3)

 「水素様原子の微細構造」の続きです。

 まず,ここまでの流れを要約します。

水素様原子内の電子の波動関数ψ(x)は,

Dirac方程式:{γμ(i∂μ-eAμ)-m}Ψ=0 

or {γμ(pμ^-eAμ)-m}Ψ=0 を満たします。

  

ただし,eAμ(x)=(V(r),0),

V(r)=-Zα/r です。

 

これは,H^=αp^+βm+V(r)として,

i(∂Ψ/∂t)=H^Ψの形に書けますが,エネルギーが一定値E

の定常状態ではH^Ψ=EΨです。

 

解の4成分spinorΨを,2成分のψ,χでΨ=t[ψ,χ]と表わすと,

 

成分ψ,χが動径関数と角変数の関数の積の形の変数分離型解は,

Ψjml t[(iGlj/r)ψjml,(Flj/r){(σr)/r}ψjml]

となります。

 

そして,動径関数Glj(r),Flj(r)の満たすべき方程式は,

 

(E-m+Zα/r)Glj(r)

=-dFlj(r)/dr+(κ/r)Flj(r),および,

(E+m+Zα/r)Flj(r)

=+dGlj(r)/dr+(κ/r)Glj(r)

 

です。

 

lj,Fljを単にG,Fと略記しa=(1/2)(m2-E2)-1/2,ρ=ar

として変数変換すれば,

G=(1+E/m)1/2(f+g)exp(-ρ/2),

F=(1-E/m)1/2(f-g)exp(-ρ/2)

と書くことができます。

 

すると,f,およびgの満たすべき方程式は,

df/dρ=(1-εα1/ρ)f-(κ+μα1)g/ρ

dg/dρ=(μα1-κ)f/ρ+εα1g/ρ 

です。

 

ただし,μ≡m(m2-E2)1/2,ε≡E(m2-E2)1/22+ε2=1)

であり,α1≡Zαです。

 

第2式をρで微分して第1式を代入することでfを消去すれば,

gに対する方程式が得られます。

 

すなわち,d2/dρ2-(1-1/ρ)(dg/dρ)

+{εα1/ρ+(α12-κ2)/ρ2}g=0 です。

 

今日はこれらを具体的に解きます。

 

gにργを代入して,級数解のργ-2の係数が満たすべき決定方程式

を求めると,γ(γ-1)+γ+12-κ2)=0 です。

 

よって,γ2κ2α12を得ます。

 

つまり,g(ρ)≡ργw(ρ)≡ργΣk=0kρkとすると,

w(0)=a0≠0なら,γ2κ2α12でが満たされる必要があります。

 

(注3-1):級数解の決定方程式等については,2007年3月末から4月

初めに心臓病で入院中に勉強したものを退院直後にまとめた記事

シリーズのうちの一つ,

 

2007年4/28の記事:2階線形常微分方程式と確定特異点

 の中のFrobeniusの方法を参照してください。

 

(注3-1終わり)※

  

さて,g(ρ)=ργw(ρ)より,

dg/dρ=γργ-1w(ρ)+ργ(dw/dρ),

2g/dρ2=γ(γ-1)ργ-2w(ρ)+2γργ-1(dw/dρ)

+ργ(d2w/dρ2)ですから,

 

(ρ)=ργw(ρ),γ2κ2α12方程式:

2g/dρ2-(1-1/ρ)(dg/dρ)

+{εα1/ρ+(α12-κ2)/ρ2}g=0 に代入すると,

 

γ(d2w/dρ2)+2γργ-1(dw/dρ)+γ(γ-1)ργ-2w}

-(1-1/ρ){ργ(dw/dρ)+γργ-1w}

+{εα1/ρ-γ22γw=0 となります。

 

 左辺のwの係数は,γ(γ-1)ργ-2-γργ-1w+γργ-2

 +εα1ργ-1wρ-γ2ργ-2

 ={γ(γ-1)+γ-γ2+(εα1-γ)ρ}ργ-2

 =(εα1-γ)ργ-1 です。

 

これからγ-1{ρ(d2w/dρ2)+(2γ+1-ρ)(dw/dρ)

+(εα1-γ)w}=0,

 

すなわち,

{ρd2/dρ2+(2γ+1-ρ)d/dρ-(γ-εα1)}w=0

を得ます。

 

これは既知の合流型超幾何微分方程式です。

 

これの原点ρ=0 で正則な解は,

w=F(γ-εα1,2γ+1;ρ)ですから,定数係数を除いて

g(ρ)=ργF(γ-εα1,2γ+1;ρ)と書けます。

 

 ところで,g(ρ)によるρ~ 0 付近での電子存在確率の動径依存

 部分は∫|g(ρ)/ρ|2ρ2dρ ~ ρ2γ+1 に比例します。

 

 そこで,ρ~ 0 付近で確率が無限大になるという不合理が生じない

 ためには,2γ+1≧0,つまり,γ≧-1/2 であることが必要です。

 

 そこで,γ=±(κ2-α12)1/2のうち,γ=-(κ2-α12)1/2は物理的

 値としては許されないので,以下ではγ=+(κ2-α12)1/2とします。

 

さらに,このときg=ργF(γ-εα1,2γ+1;ρ)が,ρ→ ∞の

遠方でこれにかかる因子:exp(-ρ/2)を打ち消さないためには,

 

γ-εα1=-n'(n'=0,1,2,..)となって,ベキ級数はその項が

途中で終わる有限和の多項式となる必要があります

 

すると,ε=E/(m2-E2)1/2=(n'+γ)/α1

={n'+(κ2α12)1/2}/α1 となります。

 

これに対応して,E=mε/(1+ε2)1/2=m(1+1/ε2)-1/2,

つまり,E=m[1+α12/{n'+(κ2-α12)1/2}2]-1/2 です。

 

ところが,n'=0 のときには,ε=γ/α1=(κ2α12)1/21より,

κ2=α12(1+ε2)=μ2α12です。

 

 しかし,γ2κ2α12=(μ2-1)α12=-ε2α120 でγが虚数に

なるため,束縛状態の解として不適です。

 

 それ故,n'=0 に対する状態関数は存在しないことがわかります。

  

したがって,n'の取り得る値はn'=1,2,..です。

  

先に,gの解をg(ρ)=ργF(γ-εα1,2γ+1;ρ)と書きました

が,これは,γ-εα1=-n'を代入し,α1をZαに戻して規格化す

ると,便宜上,規格化係数をN0,N1で表現して,次のようになります。

 

(ρ)=N01ργF(-n',2γ+1;ρ) (n'=1,2,..)

 

一方,fに対する非同次線形1階方程式:

df/dρ=(1-εα1/ρ)f-(κ+μα1)g/ρは,

 

g=ργwより,df/dρ-(1-γ/ρ)f+(κ+μα1γ-1

です。

 

これに,上記gに対する,w=N01F(-n',2γ+1;ρ)

を代入して解きます。

 

すると,fの正則な解として,

(ρ)=n'N0/N1ργF(-n'+1,2γ+1;ρ) (n'=1,2,..)

が得られます。

 

今は,解そのものよりエネルギ-準位Eの方に興味があるので,

詳細計算は取り合えず省略しますが,N0とN1の具体的な値は,

  

0≡{Γ(2γ+n'+1)}2/{Γ(2γ+1)n'1/2}

×[{a-1/(4Zα)}{1-(E/m)2}1/2]1/2,

1≡[-κ+Zα/{1-(E/m)2}1/2]1/2 です。

 

対応するエネルギ-準位を与えるエネルギー固有値Eとしては,

既にE=m(1+1/ε2)-1/2

=m[1+α12/{n'+(κ2-α12)1/2}2]-1/2 (n'=1,2,..)

を与えました。

 

この式で,κ2(j+1/2) 21=Zαとして量子数nを,

n'≡n-(j+1/2)で定義すればEは,

nj=m(1+Z2α2/[n-(j+1/2)+{(j+1/2)2-Z2α2}1/2]2)-1/2

と表現されます。

 

これを(Zα)のベキで展開してみると,

nj ~ m(1-Z2α2/(2n2)[1+{(Zα)2/n}{(j+1/2)-3/(4n)}

+O{(Zα)5}])となります。

 

※(注3-2):nj/m=[1+α12/{n'+(κ2-α12)1/2}2]-1/2

(ただし,n'=n-(j+1/2) or n=n'+|κ|)

α12で微分すると,

 

(nj/m)/d(α12)

=(-1/2)[1+α12/{n'+(κ2-α12)1/2}2]-3/2

×[{n'+(κ2-α12)1/2}-2

+α12{n'+(κ2-α12)1/2}-32-α12)-1/2]

ですから,

 

α12=0ではd(nj/m)/d(α12)=-1/(2n2)です。

さらにα12で微分すると,

 

2(nj/m)/d(α12)2

=(3/4)[1+α12/{n'+(κ2-α12)1/2}2]-5/2[{n'+(κ2-α12)1/2}-2

+α12{n'+(κ2-α12)1/2}-32-α12)-1/2]2

-(1/2)[1+α12/{n'+(κ2-α12)1/2}2]-3/2

×[2{n'+(κ2-α12)1/2}-12-α12)-1/2+(α12に比例する項)]

 

となります。

  

かなり複雑ですが,α12=0 では,

2(nj/m)/d(α12)2=(3/4)(1/n4)-(1/2)2/{n3(j+1/2)}

です。

 

故に,nj=m[1-(Zα)2/(2n2)

-(1/2)(Zα)4-3{1/(j+1/2)-3/(4n)}+O{(Zα)5}

と書けます。

 

(注3-2終わり)※

  

ところで2008年1/11の記事「水素様原子の波動関数」によれば,

非相対論的量子論での同じ水素様原子の束縛エネルギー準位は,

角運動量には依存せず主量子数nだけで決まります。

 

n=-mZ24/{(4πε0)2(2c22)}(n=0,1,2,,)

です。

 

ただし,ここでのnは主量子数です。

 

この非相対論での固有値Eを改めてEN.Rと書き,エネルギーの基準

を揃えるため静止質量エネルギーmc2を加え,さらに,自然単位

(c=c=1)にすると,

  

非相対論での水素様原子内電子のエネルギーは,

nN.R.=m{1-Z2α2/(2n2)} と書けます。

 

そこで,n≡n'+(j+1/2)で定義される量子数nを慣用的に

同じ記号nで記述される上記の非相対論の主量子数と同一視

すると,

 

相対論的に計算したエネルギー:

nj ~ m(1-Z2α2/(2n2)[1+{(Zα)2/n}{(j+1/2)-3/(4n)}

+O{(Zα)5}])の最低次の近似が,非相対論的エネルギーnN.R.

一致することがわかります。

 

ここで,n=1,2..∞;j+1/2≦n;l=0,1,2,..,n-1です。

 

"これら相対論と非相対論の差=微細構造(finestructure)":

ΔEは,理論的には,

ΔE=Enj-EnN.R ~ -mZ4α4/(2n3)[(j+1/2)-3/(4n)]

で与えられることがわかりました。

 

nj

=m(1+Z2α2/[n-(j+1/2)+{(j+1/2)2-Z2α2}1/2]2)-1/2

から,

 

特にn=1,j=1/2の基底状態のエネルギー固有値は, 

E=g=m{1+Z2α2/(1-Z2α2)}-1/2=m(1-Z2α2)1/2

です。

近似式は,Eg=m(1-Z2α2)1/2

~ m-(1/2)m2α2-(1/8)m4α4+..

です。

 

対応するspin-up(↑),spin-down(↑)の規格化された固有関数は,

Ψn=1j=1/2↑(r,θ,φ)=Aγ(4π)-1/2(2mZαr)γ-1

exp(-mZαr)×

[1,0,i(1-γ)cosθ/(Zα),i(1-γ)sinθexp(iφ)/(Zα)],

 

Ψn=1j=1/2↓(r,θ,φ)=Aγ(4π)-1/2(2mZαr)γ-1

exp(-mZαr)×

[0,1,i(1-γ)sinθexp(iφ)/(Zα),-i(1-γ)cosθ/(Zα)]

 

となります。

 

ただし,Aγ≡(2mZα)3/2{2-1(1+γ)/Γ(1+2γ)}1/2 です。

 

特に,n=1,j=1/2の基底状態では,

γ={κ2-(Zα)2}/2=(1-Z2α2)1/2 です。

 

これは,非相対論極限では,γ→ 1,

つまり,Eg=m(1-Z2α2)1/2=mγ → m

となります。

  

(※実際には,古典論で相対論の因子をγ=(1-β2)-1/2と書くと,

運動量,=mγの非相対論的極限は→mですが,エネルギー

はE=mγに対して,E→ mではなく,E→ m+(1/2)mv2です。

 

対応して,量子論でも,g=mγ→ m(1-Z2α2/2)です。

これはエネルギーについては,v=βまたはZαの2次まで効くからです。)

 

故に,固有関数の非相対論極限は,γ=1 を代入して,

 

水素原子のBohr半径:0≡1/(mα)を用いると,

係数因子が,Aγ→A1=(2mZα)3/2{2-1(1+γ)/Γ(1+2γ)}1/2

=(4m33α3)1/2=2Z-3/20-3/2となりますから,

  

,非相対論極限の波動関数は,

 

Ψn=1j=1/2↑(r,θ,φ)=(πZ303)-1/2

exp{-r/(Za0)}t[1,0,0,0],

 

Ψn=1j=1/2↓(r,θ,φ)=(πZ303)-1/2

exp(-r/(Za0)}t[0,1,0,0]

 

となって,普通に非相対論的Schroedinger方程式を解いて得られる

ものと一致します。

  

さて,相対論的ケースでは,γ=(1-Z2α2)1/2~1-(1/2)2α2-..

なので,波動関数ψはr→ 0 で,

(2mZαr)γ-1~(2mZαr)(Zα)2/2の弱い特異性を示します。

 

これは距離r ~ (2mZα)-1exp(-2/Z2α2)でのみ重要です。

 

何故なら,(2mZαr)(Zα)2/2が,exp(-mZαr)を打ち消す

くらい大きいのは,(2mZαr)(Zα)2/2がe程度,

つまり2mZαr~ exp(-2/Z2α2)のときだけ,だからです。

 

また,α ~ 1/137より,Z≧137ではZα≧1でγは純虚数となる

ので,この解はKleinのparadoxに見られるような振動性を示します。

 

こうしたケースには,もはや正エネルギーと負エネルギーの部分

に大小のギャップはなく,束縛状態とは違う解の物理的解釈が必要

となります。

 

さて,Zが小さい水素様原子のエネルギー準位:

nj=m(1+Z2α2/[n-(j+1/2)+{(j+1/2)2-Z2α2}1/2]2)-1/2

を分類するに当たり,状態を軌道角運動量lと角運動量jで記述する

非相対論的なラベル付けの慣例に従うことにします。

 

基底状態から最初の数例のエネルギーをリストアップすると,

  

1S1/2(n=1,l=0,j=1/2)でE=m(1-Z2α2)1/2,

2S1/2(n=2,l=0,j=1/2)でE=m{1+(1-Z2α2)1/2/2}1/2,

2P1/2(n=2,l=1,j=1/2)でE=m{1+(1-Z2α2)1/2/2}1/2,

2P3/2(n=2,l=1,j=3/2)でE=(m/2)(4-Z2α2)1/2

  

そこで,n=2,j=1/2でl=0 とl=1のパリティが逆の状態:

2S1/2と2P1/2は,同じエネルギー準位に縮退しています。

 

 しかし,1947年のLamb-Rutherfordの論文によると,この縮退は解け

 ていて,2S1/2のエネルギーが2P1/2より大きいと報告されています。

  

 これが超微細構造(hyper-finestructure)と呼ばれるもので,

 これは一般にLamb-Shiftと呼ばれています。

   

 Pendingの期間が長すぎて,しかも手直しではココログ・エディタ-

 も,うまく機能せずエラーばかりなので,続きは別の記事(4)にして,

 ここで一区切りとします。

 

PS:たかが呼び名(用語の定義)の問題だし,今までウン十年も意識して

 いませんでしたが,自分のノートの続きを読むと,どうも私に些かの

 誤解があったようです。

 

 すなわち,今までは"超微細構造"と"Lamb-Shift"は同じことを意味

 するものと思っていました。

  

 しかし,実際にはエネルギー準位の超微細構造とは核の磁気モーメ

 ントと場との相互作用に関わるものですが,

 

 他方,Lamb-Shiftは輻射補正記事のシリーズで既述したように電子

 自身の異常磁気モーメント等に関わるものです。

  

 本当のところは超微細構造とLamb-Shiftは別物のようです。

   

参考文献:J.D.Bjorken & S.D.Drell "Relativistic Quantum Mechanics"(McGraw-Hill),

 

岩波講座 現代物理学基礎[第2版]3「量子力学Ⅰ」(岩波書店) 

W.E.Lamb and R.C.Rutherford "Fine Structure of the Hydrogen Atom by a Microwave Method" Phys.Rev.Vol.73,pp241-243

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将棋社団戦2日目

 昨日7/31の日曜日は将棋社団戦の2日目に参加しました。

 将棋チェスネットは1軍が3部,2軍が5部と2チームあって,私はもちろん2軍ですが,全15 o r16チーム?総当りで上位4チームが4部昇格と思います。

 第1回目(6/26)はチームは2勝2敗,私は2勝1敗でした。

 7月初めの湯河原合宿の頃は7/24が開催と勘違いしていて,職場の夏祭りイベントと重なるため,今回は欠席しようと思ってましたが,31日が最終日曜日の開催日だったので行ってみました。

 いつもは10時に開場ですが,節電もあって9時半からの開始でした。

 前日職場の小石川(白山)から日本橋馬喰町への引越し作業とその後の8月1日からの移転先の下見などで疲れていたのに不眠症で明け方6時に寝て2時間しか睡眠を取ってなかったので,ちょっと辛かったのです。

 都営三田線で巣鴨から御成門駅に着いたのが9時10分でした。

 前回は10時に着けばよかったので,30分に1本しかない都バスに乗って竹芝桟橋前まで行ったのですが,さすがに9時43分発のバスで意図的に遅刻する気にはなれず,地図を見て徒歩で向かいました。

 慣れない初めての経路ということもあり,20分もかかってやっと9時40分頃に開場に着きましたが,9時半開場といっても対局開始するのは10時くらいだろうとたかをくくってコンビニでサンドイッチを買い1階で軽い朝食を取りました。

 5階の会場に入る前にはトイレに入りゆったりとして,結局対局席に着いたのは9時50分くらいでした。

 予想通りメンバーは6人で1人足りなかったのですが,既に対局時計は動いていました。取り合えず,第7将として参加して席につきました。

 言い訳ですが,寝てないのと対局時計には慣れてるはずなのにバタバタして,残り27分の表示を,あわてて27分経過であと3分しかないと勘違いし,最初時間の短いネット将棋のようにほぼノータイムで指していました。

 そして途中で残り時間表示だと間違いに気づき,ペースを変えたこともあり,自分の勝敗だけでなくチーム戦なので結構真剣に指したのですが,スロースターターでもあり1局目は最後に来たのに最初に終わって負けました。

 結局,チ-ムとしては4対3で勝ったので影響がなくよかったです。

 以後の対局は落ち着いて逆に睡眠不足で元気なく無駄な力抜けたせいか全部勝ちました。

 個人的には3勝1敗,チームも4連勝で最終局は4-3勝ちだったので少しは貢献できたようです。

 いつもは足を引っ張るのですが何故かチームの他のメンバーと同じくらいの個人成績でした。相手に恵まれたのでしょうね。

 会費+食事程度の金しか持ち合わせていなかったのでイツモのように反省会?は欠席して,行きと逆経路で帰りました。

 浜松町の駅までは皆と一緒に帰ろうと思っていたのにはぐれてしまいましたが,どうせ道は違うので気にせず一人で歩いて帰りました。

 17時半ごろ帰宅して軽い夕食の後3時間ほど爆睡して夜は日曜日恒例の巣鴨駅前スナックでした。

 カウンター席で隣の酒席ではよく知ってる人ですが酒癖の良くない老年の中国人女性にカタコト日本語で長時間からまれ,またまたかなり疲れて夜中1時半頃には帰宅しました。

 PCやネットなどをチェックする元気もなく,そのまま就寝しましたが今朝はさわやかです。

 さて,本日は新職場ですが,まだ会社の引越しの手伝いです。

 7/30,31,8/1,2と4日かけて引越し作業です。なるべく有料の引越し業者に頼らず倹約のためです。8/3から通常業務の予定らしいです。

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