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2011年9月21日 (水)

非線形自由粒子と格子上の場理論(補遺)

 19日の記事の蛇足です。

 量子電磁力学(QED)なら,周りに電磁相互作用する外場がなくても電荷を持つ自由粒子が単独で存在すれば,それだけで自分自身が源となってその荷電粒子の周りには光子の雲があると考えます。

 そこで,例えば電子なら,それが単独でも自己場による光子の雲があって,個々の光子(電磁波:仮想)が周囲の何もない空間(真空)に仮想の粒子と反粒子(電子と陽電子,陽子と反陽子,パイ中間子π+とπ-etc.の全ての可能な荷電粒子)の対を創っては消しながら進むという,

 真空偏極(vacuum polarization)の効果により,実際の電子の観測電荷eは元々の裸の電荷e0に,それら全ての効果が"くりこまれたもの"であるという見方をします。

 また,観測される質量mも裸の質量m0に,その周りに纏った光子の雲による電磁場(自己場)の自己エネルギー(電磁質量)が加わって"くりこまれたもの"と見なします。

 こうすれば,元の線形な自由粒子の方程式は,単に電荷,質量を裸のe0,m0から衣を纏ったe,mに変える程度で,形は元と同じの自由粒子の線形なままの波動方程式が保持されます。

 電磁相互作用であれば,電荷eをその源(source)とする光子はそれ自身は電荷を持たず,2次の光子源とはなり得ません。

 それに対して,重力相互作用であれば万有引力と呼ばれるように質量だけではなくエネルギーが有りさえすれば重力の源になるため質量ゼロの光子もその例外ではありません。

 そこで,質量mを源とする重力子(重力波:仮想重力子なので観測はされない)もまた,重力 or 重力子(重力波)の源となるというわけで,これは2次の重力子源となり3次,4次と影響するため自由な重力子(重力場)の方程式さえ元々非線形なわけです。

(↑(※)例えば,2006年4/10,12,13のブログ記事「重力場(ファインマン)」,「重力場(ファインマン)つづき」,「重力場(ファインマン)つづき,その2」を参照してください。(※))

 したがって,上記の量子電磁力学での摂動論に基づいて電磁場の効果を電荷や質量にくりこむという操作を,実際には通常のやり方では"くりこみ不可能"とされている重力場に敢えて適用が可能であるとしても,

 重力によるゆがみは観測できないほどのごくごく小さいものですが,それでも単に,裸の質量m0を重力子の衣を纏った質量mとし見なすくらいで自由粒子の線形な方程式をそのまま維持することはできず,

 恐らくは自由粒子の方程式さえも僅かに非線形になるような補正を要求されるとしても,強ちピントはずれとは感じません。

(↑誰かの主張を,さも自分の主張のように一所懸命主張しているピエロのようなものかな?と自問自答する気分もありますが。。)

PS:何を問題にしているかというと,例えばQEDでもδm=m-m0を摂動論に従って計算すると無限大なのです。(紫外発散)

 これが無限大であろうと,結果的にこの方法でとても精巧で正確な実験値との合致がみられるからいいじゃないか?

 何故そうなるという理由が完全にはわからなくても,実用的には問題なくて便利であるという恐らく"エンジニア的(工学的)な柔軟さ"があれば,謂わゆる理学屋根性でウン十年もこだわってる自分はないでしょうネ。。

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